セックス(性交)健康法考 |
更新日/2023(平成31.5.1栄和改元/栄和5).2.12日
【セックス健康法考】 | |
性交は、生命誕生を担われた神様が授けた最高の贈り物である。そこには淫靡さと神聖さが共存している。性の問題を論ずるとき、淫靡さだけをあげつらうのは片手落ちである。神聖さだけをあげつらうのも片手落ちである。「ありのままの性の深淵」を覗くのが正しい態度である。人は、神秘的にして不思議なメカニズムを垣間見、効能を堪能することになるだろう。 世の健康法につき、カラオケ健康法、社交ダンス健康法、ラジオ体操健康法、ストレッチ健康法、登山健康法等々がある。それらはたいてい痴呆症除けと重なっている。ところでセックス健康法もある。「セックスで血行を能くし、きれいになる、健康になる、艶が出る」と云う訳である。嫌とか無理やりなセックスではなく相思相愛的セックスを前提に考えると、血流を良くし、これが美肌、若返り(「アンチエイジング」)に繋がる。治癒力、免疫力を高める。様々な体位を試みる過程により身体を柔軟にする。肉体的精神的な喜悦がスッキリ感を生み、生きる活力を生む。高齢者の場合、性生活が脳の老化を防止する。次のように云われている。
諺(ことわざ)の「英雄色を好む」は本当だったことになる。 |
【中国道教の房中術考】 | |||||
房中長生理論 房中術は、本来、性の交わりを手段にした長寿の法だった。ところが中国、日本でも、快楽だけを追求する性の技巧だと、長い間誤解されていた。房中術が長生術の一つだと再認識されるようになったのは、20世紀になってからだ。(以下 略) 中国では古代からセックスは保健医学の重要事として位置づけられ、あまたの研究が為されてきた。儒教はこの方面の研究を抑制した。平安時代の984(永観2)年、鍼博士丹波康頼が中国伝来の医学書を編纂し、時の天皇に献上された日本最古の医学書が「医心方」(丹波康頼撰、槇佐知子全訳、筑摩書房)である。その「房内篇」の一説は次の通り。
等々、相互主義的セックス健康法が説かれている。中国五千年の知恵は現代に通じている。 2013.12.1日 れんだいこ拝 |
|||||
土屋英明「道教の房中術~古代中国人の性愛秘法」(文春新書、H15年)」。 孫思?「備急千金要方」/彭祖はこう言っている。
|
【房事過多(セックス過剰)腎虚(じんきょ)考】 |
房事過多(セックス過剰)による衰弱症を腎虚(じんきょ)と云う。落語、小咄、川柳などでお馴染みである。落語の「短命」は次の通り。概要「商家の一人娘が婿をとり、傍目からも夫婦仲が睦まじかった。ところが、しばらくすると夫が死亡した。二度目の婿を貰い、またも夫婦円満だったが、まもなく夫が死んだ。こうして次々と婿が3人まで死ぬ。なまじ夫婦仲が良いため、婿が腎虚になり、遂には衰弱死してしまったという訳である」。 |
【精力絶倫腎張(じんばり)考】 |
いっぽう、腎張(じんばり)という言葉もある。精力絶倫を意味している。春本や春画でおなじみである。腎張は男だけではない。春本「願ひの糸ぐち」(寛政11年)では、女房と交わりながら、亭主がこう述懐している。「おめえのような美しい、やせもせずふとりもせず、その上このように開(ぼぼ)が良くて、させようが上手で、腎張で、よくよがる女はこの日本にたったの一人だ」。 |
【男女の性器尊崇考】 |
男女は互いの性器に関心を持ち、尊崇するよう仕組まれている。男は、女性器を観音と見立て、これを拝(おが)むかのような観音開きに憧れる。女は、男性器を地蔵菩薩と見立て、これまた拝(おが)むかのような手合わせに憧れる。男女の性器は本質的にそういう関係にあると思えばよい。 このことを前提として、問題は、性交は基本的に個対個の営みであるから、自分の性交相手を大勢の中からどうやって見つけるのかの苦労にある。理想的には互いが互いに惹き合わねばならない。これを両思いという。片方が格別に好きになるのを片思いという。性交期に入った男女は、両思いを理想、片思いを次善として、そういう関心を持たれるような個として自分を向上させ磨き続けねばならない。結果的に、釣り合いの法則により、人間的資質能力の似た者同士が結ばれることになる。結ばれる過程を恋愛という。結ばれて後を結婚という。入籍で以て結婚は要件を完備する。(未完) |
「セックスが気持ちよくない、満足できない現代女性たち/高岡英夫」、「セックスで心身ともに満たされていた昔の女性たち/高岡英夫」参照。 |
セックスは本来はとても楽しいもの。それが男女の愛に支えられている場合、その快感、楽しさというものは、ひじょうに上質で豊かなものになる。上質で豊かな快感をもたらすセックスは、間違いなく人にとって、高度な身体能力に裏づけられた本格的な身体運動である。女性の美しさや充実したセックスそれ自体にも、機能する筋肉は欠かせない。鍛えるべきはインナーマッスル(体の奥のほうの筋肉)である。昔の女性にはブレない軸があって、きびきび動けたかというと、インナーマッスルの代表である大腰筋が高水準で鍛えられており、フルに使われていた。センターと大腰筋は互いに密接な関係をもって、形成され強化されていく。現代女性はこの大腰筋が根本的に弱くなっている。(中略) 人間の体は、どの筋肉がよく使われているかで気分がまったく違ってくる。精神性にも影響を与える。大腰筋がよく使われていると、精神状態は極めて爽快になる。そしてリラックスしつつほどよい緊張感が生まれ、快適、颯爽とした心境になる。当然ブレないし、物事を大所高所に立って見ることができるようにもなる。たかが筋肉、されど筋肉。ぜひともインナーマッスルである大腰筋を鍛えることの重要性を理解する必要がある。女性が美しくあるためには、ぜひとも必要なことである。 |
第2章 満たされていない現代女性が抱えているセックスの悩み ≪体はこり固まり、感度が低下しつづける現代女性≫ 体のこり固まっている女性の大半は「冷え症」に苦しめられている。血行の悪さ、こわばった体が血管を収縮させ、血流を悪くさせるから、体のすみずみまで血液が行き渡らない。体がこわばっていると、呼吸も浅くなり、酸素が十分体にとりこまれないので、酸素豊かな血液が体中に行き渡らない。…そのため、肌荒れなどの皮膚の不調を引き起こしたりする。肌の感度も悪くなって当然である。 ≪セックスで心身ともに満たされていた昔の女性たち≫ 江戸時代の人々は男も女も、そのグニャグニャする体をまだキープしていたから、自然とセックスが花盛りの時代となった。セックスの中心を担う筋肉である大腰筋がひじょうに発達しており、体の中心である体幹部が男女ともに発達している体だったので、見事にセンター(中心軸)を通すことができた。中心軸があれば、そこを中心にまさにタコのように(葛飾北斎の有名な浮世絵がある)四方八方へ胴体も首も手足も自由自在に動きえる。さらに男のセンターが、女の中心へとぴたっと重なっていた。これこそ、本当にお互いの体が一致した性、そして生の一体感への飛翔の基礎ができる。 ≪体がゆるめば、すべてが解決する≫ |
(私論.私見)