殺処分考 |
(最新見直し2010.05.21日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで家畜行政について考察することにする。 2010.05.21日 れんだいこ拝 |
2010.5.26日、被害が拡大している宮崎県での家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)への緊急対策を講じる「口蹄疫対策特別措置法案」が民主、自民、公明の3党による合意をもとに農林水産委員長提案として提出され、衆院農林水産委員会で全会一致で可決された。感染拡大を防ぐための予防的な殺処分を強制的に行えるようにするほか、家畜の埋却用地を農家でなく国の責任で確保するようにすることなどが柱となっている。5.27日、衆院本会議で全会一致で可決された。28日の参院本会議で成立する見通しだ。 特措法は議員立法。民主、自民、公明がそれぞれ用意した法案をもとに進めた修正協議が26日夜に合意、決着した。現行の家畜伝染病予防法を補完するもので、今年4月以降に発生が確認された口蹄疫が対象。2年間の時限立法で、4月以降に発生した被害について適用される。2012年3月末までの時限立法で、必要な財政措置の総額は1千億円としている。殺処分した牛や豚の埋却地は、これまで農家の責任で確保することになっていた。宮崎県内では埋却地の確保が追いつかず、地元から対策を求める声が上がっていた。このため、国が用地の確保や、作業に従事する人員の派遣に責任を持つようにした。感染拡大を防ぐための消毒については、現行法では感染の疑いのある家畜に触れた農家などに義務づけられているが、指定地域を通行する車両などにも義務づけた。感染の疑いがある家畜などを殺処分した場合、農家に支払われる手当金はこれまで5分の4を国が負担し、5分の1を地方が負担していた。特措法では「必要な財政措置を講じる」として、事実上国が全額負担補償する。被害農家への支援として、経営再建資金の無利子貸し付けも盛り込んだ。 現在の家畜伝染病予防法は、口蹄疫に感染した疑いのある家畜を殺処分することを農家に義務付けている。しかし、感染していない家畜については、予防的にワクチンを接種した後、殺処分を強制することはできない。これに対し、感染拡大を防ぐため、国が指定した地域内で、発生農場以外の健康な家畜についても強制的に殺処分できるようにした。これまでは、感染していない家畜の殺処分には農家の同意が必要だったため、予防的な殺処分が進まない一因になっていた。具体的には、発生地から10キロ以内の移動制限区域内では、都道府県知事が農家に対して殺処分を勧告できるようにし、従わない場合は担当者に殺処分を命じ強制できるようにしている。国が知事に代わって感染拡大を防ぐためのワクチン接種を行うことも可能にした。 |
防疫的観点から言えば致し方ないとはいえ、検討すべき課題が残されている。一説には、治癒しうる疫病であるとの説もあるとのことである。疫病に対する治癒対策を押し進めるのではなく殺処分化を定向進化させるのは如何なものだろうか。畜産類を商品とみなし、その効率のみ追求する社会病理を見て取るべきではなかろうか。この手法が人間の社会に適用される恐れはないのだろうか。過去、強制収容所(コンセントレーション)が作られたこともある。養牛、養豚、養鶏業者。鶏など身動きもできないゲージに入れられて、24時間眠らされず、エサをこれでもかと食わされ、タマゴを産むのを強請されている。こんなむごいことはないだろう。 |
宮崎県で感染が広がる家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)に対処するための特別措置法が28日、参院本会議で全会一致で可決・成立した。まん延防止のため、未感染の家畜を強制的に殺処分できるように規定したほか、殺処分に対して国が損失補償を手厚くするなどの内容。現行の家畜伝染病予防法を補完するもので、12年3月までの時限立法。1000億円の財政措置を講じる。
感染拡大を防止するためにやむを得ない場合、国の指定した地域で、都道府県が未感染の家畜も強制的に殺処分できるとした。
宮崎県央部の発生地では殺処分後の家畜の埋却地の選定が難航したため、ウイルスを排出する家畜の殺処分が進まず、感染拡大の要因とみられているが、特措法は家畜所有者に代わって都道府県側が焼却や埋却ができると明記した。
また、発生地域の道路などにある消毒場所の通行者(車両)に対して消毒を義務付けた。【佐藤浩】
毎日新聞 2010年5月28日 東京夕刊
(私論.私見)