貴乃花親方自作自演失脚事件考その5

 更新日/2018(平成30).3.3日

【臨時評議員会が貴乃花親方の理事解任を全会一致で承認】
 2018(平成30).1.4日午前、日本相撲協会が、東京・両国国技館で臨時評議員会(議長・池坊保子)を開いた。池坊保子議長(元副文部科学相)のほか千家尊祐氏(出雲大社宮司)、小西彦衛氏(公認会計士)、海老沢勝二氏(元NHK会長)の3人が外部有識者。親方は湊川親方(元小結大徹)、大嶽親方(元十両大竜)、二子山親方(元大関雅山)の3人。角理事長も出席。千家氏と海老沢氏の2人が欠席し5人の評議員が出席した。

 昨秋の巡業中に起きた横綱日馬富士による傷害事件の報告を巡業部長として怠るなどした貴乃花親方(元横綱)の理事解任を審議し、全会一致で承認した。理事解任の初事例となった。約1時間で終了した。

 理事を解任された貴乃花親方は2階級降格の役員待遇委員になった。但し、今月の初場所(14日初日、両国国技館)後に予定されている理事候補選挙には立候補できる。
臨時評議員会終了後、解任決定を協会職員が電話で貴乃花部屋に連絡すると、ほどなく本人から「分かりました」と折り返しの連絡が入ったという。

 評議員会は理事の選任や解任などの権限を持つ最高議決機関で、現在、池坊保子議長(元副文部科学相)ら外部有識者4人と力士出身者3人での計7人で構成される。4人以上の出席で成立し、その過半数の賛成で解任を決議できる。

 協会は昨年12月28日の臨時理事会で、事件の報告義務を怠った上、全協会員が協力することを理事会で決議したにもかかわらず、被害者で弟子の貴ノ岩関(27)の聴取を拒否し続けた貴乃花親方について「被害者側の立場にあることを勘案してもその責任は重い」として、貴乃花親方の理事解任を評議員会に提案することを全会一致で決めた。事件を巡っては、元日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が理事を辞任し、役員待遇委員に2階級降格になっている。現場の酒席に同席しながら暴力を止められなかった白鵬、鶴竜の両横綱は減給処分を受け、八角理事長(元横綱・北勝海)も残る任期3カ月の報酬を全額返上としている。

 会議後の記者会見で池坊議長は、全会一致で貴乃花親方の理事解任が決議されたことを明かし、「元日馬富士の暴行問題に対し、危機管理委員会の調査を拒否したのは、公益財団法人の役員としては考えられない行為。役員の忠実義務に大きく違反している。(問題の)報告義務を怠り、調査を拒否し続けたことで今回の問題がここまで大きくなった」と指摘。「相撲は国技。相撲道は礼に始まって礼に終わる。貴乃花理事の言動は礼を失していたと思う。特に上司の八角理事長が電話しても応答なく、折り返しがないのは著しく礼を欠いていた」と非難した。さらに親方の呼称を「貴乃花元理事」とし、「理事解任の決議を厳粛に受け止め、真摯(しんし)に反省し、今後は協力し合い礼をもって対応してほしい」と注文を付け、教育的指導ともいえる“改心”を訴えた。

 史上初の理事解任となったが、約1カ月後の役員候補選挙では当選が確実視されている。一方で評議員会は理事の選任についても強い権限を持つ。選挙で当選しても“改心”が見られなければ、理事として認められない可能性がある。その可能性について池坊議長は、「将来的な予測に関して述べるのは控えたい」と話しつつ「評議員会は理事会とは別に相撲協会の管理、運営などに対して正しく行われるようにする機関」と、否定しなかった。法的手段に訴える可能性も否定できない貴乃花親方が、今後の言動にクギを刺された。
 被害者の貴ノ岩は依然として行方不明。この日の貴乃花部屋の朝稽古にも参加した形跡はない。評議員会の池坊議長は「大変、心配しております。部屋にいなければ稽古もできないだろうし、本場所に臨むこともできないのではないか。早く表に出てきてほしいと思います。どんな状況か案じています」と話した。貴ノ岩は暴行問題発覚後、姿を見せておらず、九州場所後の巡業もすべて休場した。九州場所を全休したため初場所では東十両3枚目に陥落。日本相撲協会は診断書の提出を前提に、初場所を全休した場合でも幕下に落ちないで十両の幕尻にとどめる救済措置を明らかにしている。
 八角理事長(元横綱北勝海)が談話を発表した。「本日の評議員会において全会一致にて、貴乃花理事解任が決定されました。その結果をふまえ、今後は再発防止に努め、より一層気を引き締めて内部統制を図りたいと存じます。そして何より、力士が安心して稽古に精進し、本場所で多くのファンを魅了し続けるよう、全力で取り組む次第でございます」。
 藤田は、「この2カ月間見てますと、どうして貴乃花親方を処分するべきだという形に流れになったのか、本当に分からなくて。これ、暴行問題をどなたかが口に出さないと、さも貴乃花が何かやったような形になってくるんですけれども」と、貴乃花親方が悪者にされている流れに異議。貴乃花親方の行動を「必要があってしたことで、全部理由がある」と擁護し、「最初から変わらないのは、不退転の覚悟でね、決意で、信念を曲げていないんですよ。グラついていないんですよ。どうしてこういう親方を処分までしなければいけないかという、私は不満を持っております」と、日本相撲協会を厳しく批判した。
 「「白鵬は別のガチンコ力士もぶっ壊した」 貴乃花親方がタニマチに激白」その他参照。

 そして迎えた今年1月4日の評議員会。そこでは協会側が作成した「貴乃花親方の責任について」という報告書だけではなく、貴乃花親方が作成した報告書についても一部、読み上げられたという。その評議員会の様子を紹介する前に、新たに分かった「貴乃花報告書」の中身について触れておきたい。「“貴乃花報告書”の中には、(暴行事件の際)白鵬が照ノ富士を土下座させた、という記述があるのです。白鵬は照ノ富士に対して、“お前が謝れ!”と怒鳴ってもいたそうです」と、貴乃花親方のタニマチは明かす。「親方は、“白鵬は以前、玉鷲を脱臼させたこともある”とも言っていた。稽古の時ではなく、飲み会などの席でやられたようです。玉鷲は貴ノ岩と同じくガチンコで知られるモンゴル力士なので、“狙われた”のかもしれません」

 評議員会に話を戻す。そこでは、粛々と議事が進められ、貴乃花親方の理事解任が決まったかのように報じた新聞記事が多かったが、実は、八角理事長が激高する場面があったという。「協会側の報告書と貴乃花親方側の報告書の読み上げが終わった後、評議員が順番に意見を求められた。最初に意見を述べたのは貴乃花一門に所属する大嶽親方。“貴乃花親方は貴ノ岩の冬巡業休場について、それ以前に役員室で執行部とやり取りし、『マスコミがいて、貴ノ岩は部屋から出ることが出来ない。診断書なしで冬巡業は休ませて欲しい』と伝えたとしているが、これは事実なのか”と彼は質問しました」(先の貴乃花親方の支援者)。すると、それまで黙っていた八角理事長が突然口を開いた。「“そんなことあるわけないだろう!”と声を張り上げたのです。“マスコミが邪魔だというなら、救急車でも何でも呼べばいいじゃないか!”とも怒鳴っていました。大嶽親方が指摘したことが事実だからこそ八角理事長はそこまで動揺したのでしょう。しかし、八角理事長に怒鳴られた大嶽親方はそれ以上、何も言えなくなってしまった」(同)。

 貴乃花親方のタニマチ(前出)が言う。「評議員会の翌日にも電話で話をしたのですが、親方はこう言っていた。“いろいろあって昨日から精神的に参っていました。これからは法的に少しずつやろうと思っています”と」。孤高の親方が珍しく吐いた弱音。その行く末に待っているのは「玉砕」か、それとも――。「週刊新潮」2018年1月18日号 掲載


【貴乃花親方“恩人”と決別…音羽山親方に相撲協会からの退職促す】
 「貴乃花親方“恩人”と決別…音羽山親方に相撲協会からの退職促す」。
 4日の臨時評議員会で史上初の理事解任となった大相撲の貴乃花親方が、同部屋付きの音羽山親方(元幕内・光法)に相撲協会からの退職を促していることが5日、分かった。貴乃花親方は4日早朝、協会に退職届を提出するように通達したという。複数の協会関係者によると、貴乃花親方は以前から音羽山親方に角界を去るよう求めていたが、4日になって唐突に「廃業するように」と伝えたという。音羽山親方の処遇は貴乃花親方が主導権を持つという念書が両者の間で交わされている。貴乃花親方が二所ノ関一門を離脱して初めて出馬し、「貴の乱」と呼ばれる2010年の理事候補選挙では、音羽山親方は当時安治川親方として、所属していた立浪一門に造反する形で貴乃花親方に投票。「一門を出て立候補した勇気を応援したかった」と改革への志に共鳴した末の行動だった。貴乃花親方も「私はその言葉を胸に裏切ることなく協会繁栄のために従事したい」と語り、自らの部屋付き親方として受け入れてきた。いわば恩人であり腹心への“退職勧告”だが、音羽山親方は受け入れざるを得ない状況。きっかけは同じ一門で阿武松部屋付きの小野川親方(元幕内・大道)が所有者から名跡返上を求められたこと。貴乃花親方は、自身が権利を動かせる「音羽山」名跡を小野川親方に襲名させる考えだという。5日朝、小野川親方は兄弟子の不知火親方(元小結・若荒雄)と貴乃花部屋を訪れており、今後の相談をした可能性がある。

 小野川親方の師匠の阿武松親方(元関脇・益荒雄)は貴乃花親方の相談役的な立場。2階級降格の処分で役員待遇委員となった貴乃花親方だが、初場所後、2月の理事候補選挙の立候補は可能。3票を持つ阿武松部屋を支えることで、理事当選への協力を取りつけるための決断だと語る関係者もいる。

 ◆音羽山 貞賢(おとわやま・ただけん)本名・峯山賢一。1973年8月18日、鹿児島・南種子島町出身。44歳。宮城野部屋から89年「峯山」のしこ名で初土俵。96年九州で「光法(こうぼう)」に改名。最高位は西前頭9枚目で07年九州場所限りで引退。当初は安治川として宮城野部屋付き親方だったが、10年の理事候補選挙を機に貴乃花部屋付きに。その後名跡変更を繰り返し、15年7月に音羽山を襲名した。

 ◆年寄名跡 日本相撲協会が定めている資格で、現役を引退した力士は、この年寄名跡を取得襲名して初めて協会の年寄(親方)になれる。襲名資格は、日本国籍を有する者で、幕内通算20場所以上、幕内・十両を通算28場所以上、三役を1場所以上、また横綱・大関を務めた力士に限られる。協会の「年寄名跡目録」に記載されているのは105で、空き名跡は5つ。著しい功績のあった横綱に対しては、その個人一代限りにおいて年寄待遇される「一代年寄」がある。現在は貴乃花親方のみ。


【日本相撲協会の諮問機関、横審・北村委員長コメント】
 1.5日、日本相撲協会の諮問機関、横審・北村委員長は、稽古総見後に元横綱日馬富士の傷害事件に絡む一連の関係者の処分が4日の臨時評議員会で終結したことを受け、「できるだけいろいろなしこりがなく、みんなで協力していい相撲界にしてほしい」と言及した。評議員会では、巡業部長でありながら巡業中の事件の報告を怠り、協会の調査に非協力的とされた貴乃花親方(元横綱)に対して、初の理事解任を全会一致で決めた。宴席に同席しながら暴行を止められなかった白鵬、鶴竜の両横綱には昨年12月の理事会で減給処分が科され、「厳しく注意をしていただいたと思う」と納得していた。

【鏡山危機管理部長と春日野広報部長が貴乃花部屋の貴景勝、貴源治、幕下の3力士に口頭注意】
 1.5日、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)と春日野広報部長はこの日の総見後、貴乃花部屋に所属する新小結貴景勝、十両貴源治、幕下の3力士を呼び口頭で注意した。3人は昨年末、東京都内の繁華街をカジュアルな格好で歩いている画像が協会で確認された。力士は人前へ出る際には、まげを結って着物もしくは浴衣を着ることが慣習とされている。

【立行司の第40代式守伊之助のセクハラ事件】
 1.5日、日本相撲協会は、行司の最高位である立行司(たてぎょうじ)の第40代式守伊之助(58、野内五雄、宮城野部屋)が昨年12月の冬巡業中に酒に酔って、10代の若手行司にセクハラ行為をしたと発表した。協会は近く臨時理事会を開き、懲戒処分を検討する。 協会によると、伊之助は、沖縄県宜野湾市で巡業があった12月16日の夜、宿泊先のホテルで食事中に泥酔。部屋に送って行った若手行司に数回キスし、胸を1度触ったとされる。協会は幕内行司からの報告を5日に受け、危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)が事情を聴いたところ、伊之助は「泥酔していたので覚えていない。なぜこのような行為をしたか分からない」と述べ、自らの行為を否定せず、若手行司の求めに応じて謝罪した。若手行司は処罰を求める意向はないという。 宮城野親方は伊之助について「飲むと、正気を失うところがあった」と述べ、「言い聞かせて酒をやめてもらうしかない」と語った。協会は近く臨時理事会を開き、伊之助の懲戒処分を検討する。

 立行司は、上位の木村庄之助が不在のため、現在、伊之助が行司のトップを務める。八角理事長(元横綱・北勝海)は「情けない。以前から飲酒時の言動については注意を促していた」と語った。

 1.6日、師匠の宮城野親方(元前頭・竹葉山)が、「誠に申し訳ない」と陳謝した。宮城野部屋は、元日馬富士の傷害事件で現場となった酒席に同席し、協会から減給処分を受けた横綱・白鵬に続いて不祥事に見舞われた。

【貴乃花の相撲興行団体立ち上げ事件】
 2018.1.8日、「貴乃花親方が新たな相撲団体を設立か…ネットテレビと提携する経営プランも」。
 7日放送の「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ系)で、講談社編集長・藤谷英志氏が、貴乃花親方の独立を断言した。番組は「2018年 大予言SP」と題し、スタジオの識者らが、2018年に起こる出来事を予想していた。藤谷氏は「断言します」と前置きし、貴乃花親方が独立して「新たな相撲興行団体を起ち上げます」と自信満々に打ち明けたのだ。独立して新団体を起こした例として、参議院議員のアントニオ猪木が日本プロレス協会から独立した後に設立した新日本プロレスを挙げる。独立後の新日本プロレスには、いろいろなレスラーや人物が合流したが、貴乃花親方が新団体を設立すれば同様のことが起きるだろうというのだ。藤谷氏は、新団体の名称も考えてきたと言い「シン・相撲」と発表。「シン」には3つの意味があるのだとか。1つは旧態依然とした要素を排除し一新する「新」の意味。2つめは、真剣勝負の「真」で、3つめは、神事・国技として品格を尊重する「神」の意味を込めている。最後に、貴乃花親方には新団体の経営プランを持っているとも予測。ネットテレビと提携し、NHKの「大相撲」と対抗した相撲中継を放送するだろうというのだ。さらに、現在のネットテレビは多くの企業がスポンサーを希望するなど勢いがあるので、高額なギャラに魅了されて移籍する力士が現れるかもしれないと力説していた。

【貴乃花ち白鵬の年末の過ごし方の差】
 2018.1.7日、「貴乃花親方と白鵬の対照的な年越し 一方は南の島でバカンス」。
 「白鵬は今年も年末年始に来ていたよ。地元では有名な話さ。石垣島には知人がいて、毎年のように家族で来ているんだ。数年前には、クラブで上半身裸になって大騒ぎしていたこともあった。今年はいろいろ騒がれていたからか、すぐに西表島に移動。そこのリゾートホテルに家族で泊まっていたみたいだね」(地元の飲食店関係者)。日馬富士(33)による暴行事件は、貴乃花親方(45)VS.協会に加え、VS.白鵬(32)へと、泥沼の様相を呈している。その貴乃花親方と白鵬の年末年始は、まさに対照的だった。暴行事件のきっかけを作り、“黒幕” とさえいわれる白鵬。厳重注意と減給処分を言い渡され、取組内容にまでダメ出しを食らったが、まさに馬の耳に念仏である。

 一方、貴乃花親方はというと、これまでどおりだんまり作戦だ。そればかりか、ほとんど部屋から出ずに引きこもり状態。元旦には景子夫人や長男が部屋を訪れて、報道陣に対し「明けましておめでとうございます。元旦からご苦労さまです」と挨拶したのが、数少ない動きだった。

 近所の住人が語る。「12月の29日か30日だったと思うんですが、朝5時半ごろに犬の散歩で部屋を通りかかったら、玄関横でタバコを片手に佇んでいた人を見かけたんです。それが親方だった。もうびっくりしましたよ」報道陣のいない早朝だけが息抜きの時間ということか。

 一連の騒動で臨時理事会は12月28日、貴乃花親方に対して理事解任と2階級降格を決議し、1月4日には、臨時評議員会がその処分を正式決定した。今後、貴乃花親方はどう動くのか。「相撲協会にとって最悪のシナリオは、貴乃花親方が貴ノ岩への暴行について、検察による日馬富士の処分決定後、民事訴訟の法的手段を取ること。実際にそのように動いていると聞く。民事で治療費や慰謝料を取り、引退後は自分の部屋つき親方にして面倒を見るから、信じてついてこいと、貴ノ岩に言い聞かせている」(主流派の親方)

 某親方も「裁判は避けたい」と語る。「いまだにだんまりを決め込んでいるのは、中途半端に話すよりも、法廷で洗いざらい話したいからではないかという噂が協会内で飛び交っている。もし裁判を起こせば、必然的に貴乃花親方は法廷の場で言いたいことが言える。となれば、今回の問題にとどまらず、モンゴル人力士をはじめとする八百長問題などを語るんじゃないかと、協会幹部は戦々恐々としている」。

 暴行事件のきっかけを作った白鵬は南の島でバカンス。一方、貴乃花親方は引きこもって策を練る。土俵外のガチンコ勝負は、第2Rのゴングが鳴ったばかりである。(週刊FLASH 2018年1月16・23日合併号)


【貴乃花親方の最高支援者・辻本氏が怒りの川行】
 「「これ以上何の協力がほしいねん」「池坊氏は感情まかせ」貴乃花親方の最高支援者・辻本氏が怒りの川行」。

 日本相撲協会は4日、臨時評議員会を開き、貴乃花親方の理事解任を承認したが、これに貴乃花部屋きっての支援者で龍神総宮社(京都府宇治市)の祭主、辻本公俊(よしとし、65歳)が激怒。5日午前零時から、宇治川で怒りの川行を行い、貴乃花親方の復活を祈願した。(聞き手・山戸英州)
山戸 気温4度、山科川の合流地点ですから厳しい川行ですね。
辻本 「川行では貴乃花親方の一件が何とかうまくいくように祈願しています。今日は風もないし助かりましたよ」。
山戸 臨時評議員会後、池坊保子議長(元文部科学副大臣、75)が記者会見したが、どう見たか
辻本 「正直、感情まかせで八角(理事長)の意見ありき。議長は『貴乃花理事の言動は礼を失していたと思う』と説明しとったけどやな、ほかに理由もないし、ああいう風にしか言えんのやで。そんなことしかできひん人が重要な権限を持つ会の議長をやっていること自体がダメ。そういう部分からして見直すべきやわ」。
山戸 貴乃花親方が処分されたことについて
辻本 「事件に関わったのは被害者(十両貴ノ岩)であって、親方は今回の事件とは関係ないやん。(協会側の聴取要請を拒否し続けたのは)これ以上、何の協力がほしいねん。意味が分からんわ。警察や検察には親方もちゃんと最初から協力しているんやし。結局、相撲協会がずっと事情聴取に応じろって言ってる裏には、調査を都合良く改ざんしてやろうというスケベ心しかないと思う。被害者の貴ノ岩も(九州場所全休を受けて)十両に降格したわけやけどな、あれは事実上処分されたのと一緒やで」。
山戸 貴乃花親方は報道陣に無言を貫いている。
辻本 「僕は黙っていて正解やと思ってるんよ。評議会やって、あんなまともな考えじゃない議長が仕切ってるんやで。時間はかかるやろうけど、親方はどこまでも意志を貫いて、世論や他の親方をしっかりと味方につけていった方がいいと思う」。
山戸 2月の理事選には貴乃花親方も立候補可能?
辻本 「ワシは角界のいろんな親方と付き合いはしているから、『貴乃花親方を応援してくれ!』と話はしているよ。だけどやな、彼らが口をそろえて言うのは、貴乃花親方を応援することによって相撲協会からの報復措置を受けないか怖いということなんや。『協会からは協力金や各部屋への分配金が配布されているが、表だって応援したら減らされるのではないか』と言いよる。だから現状、よっぽどの覚悟がなければ応援しにくい状況なのは確か。その半面、『表だってはできませんが、(無記名投票の)理事選では協力させてもらいます』と言ってくれる」。
山戸 ズバリ、理事選に出馬した場合は
辻本 「ワシが知る限りでは、100%当選できる。そのほか、今回は言いたいことをはっきり言える人も理事として当選すると思うで」。
山戸 相撲協会は変われるのか
辻本 「協会も本当の意味で改革をしないといけない。文部科学省も、もっと口を出さないと。公益法人なんやから。理事会は八角が何でも丸め込める手法が変わっとらんよ。そんな中で、周りは意見も何も言えますかいな。八角も丸め込めるだけ丸め込んで、パッとケツを出す。これじゃあ子供と一緒やで。理事長なんやから、もっと風格を持って説明責任を果たさないと。結局、好き放題やって、評議会や危機管理委員会にケツをふかせてばっかりやん」。
山戸 貴乃花親方は救世主になれるのか
辻本 「最近の相撲界のやり取りを見ていてね、思うのは時代劇とソックリやなと。相撲協会はずっと隠蔽して改ざんして生き延びようとするけど、徐々にボロが出始めている。俺が霊能者やったら、裁いてもらうために大岡越前や遠山の金さんを呼ぶわな(笑)」。
山戸 今回の貴乃花親方の処分について改めて
辻本 「結局(暴行現場に同席していながら、すぐには止めなかった)横綱白鵬も減給だけで終わってるやん。そんなんで済まされる話やないやんか。今回は、ハッキリ言って貴乃花親方を阻害したりイジメたいだけの処分。(協会側は)貴ノ岩への心配も口だけやし」
山戸 貴ノ岩の体調は
辻本 「連絡はあえてしていませんけど、メンタル面を考えたら、そら稽古はできませんよ」。

 2018.1.12日、大相撲の元横綱日馬富士関による傷害事件で、被害を受けて昨年九州場所を全休した十両の貴ノ岩関(27)(貴乃花部屋)が、14日に両国国技館で初日を迎える初場所も休場することが日本相撲協会から発表された。今場所、幕内から東十両3枚目に転落した貴ノ岩関の病名は「頭部外傷、頭皮裂創痕、右乳突蜂巣炎痕」とあり、摘要として「平成29年26日、頭部外傷。繰り返す頭部打撲は、慢性硬膜下血腫発症の危険性を増すため、受傷後約3ケ月程度は頭部打撲を避ける必要があり、上記により、平成30年1月の就業は困難であると考える」と記されている。相撲協会は昨年12月の理事会で、診断書の提出を条件に初場所を全休しても3月の春場所は幕下には転落せず、十両最下位に番付を留め置く救済措置を決めている。貴ノ岩は現在、都内の病院でリハビリ中とみられており。4日にはスポニチ本紙の取材に「大丈夫です。少し体動かしてます」と復帰に向け始動していることを明かした。十両以上では貴ノ岩以外に豊響(境川部屋)、宇良(木瀬部屋)も、この日までに初日からの休場を届け出た。

 1.13日、日本相撲協会は13日付けで年寄音羽山(元幕内光法)=本名峯山賢一=が退職し、年寄小野川(元幕内大道)=中西健二=が年寄音羽山を継承し襲名することを発表した。この日の理事会で元幕内北太樹(山響)が現役を引退し年寄小野川を継承・襲名することが承認された。

 1.13日、日本相撲協会は、国技館で臨時理事会を開き、昨年12月の冬巡業中に10代の若手行司にセクハラ行為をした立行司、式守伊之助(58)=本名野内五雄、宮城野=の処分を協議し、3場所出場停止とする懲戒処分ののち、12日に提出された辞職願いを受理することを決まった。伊之助は前日に宮城野親方(元前頭竹葉山)とともに辞職願いを協会に届けに来たが、協会が預かった。初、春、夏場所を自宅謹慎させ出場停止、無給とする重罰を受けた後まで受理をしないことになった。八角理事長(元横綱北勝海)は「58歳、立行司を考えても責任が重い。反省する時間を与えたい。この時間、反省するように伝えた」と糾弾した。弁明機会を与えるため理事会に呼ばれた伊之助は「協会に対し、ファンに対し申し訳なく思っています。一番に10代の行司に申し訳なく思っている」と謝罪した、という。宮城野親方、冬巡業中の責任者で現巡業部長の春日野親方(元関脇栃乃和歌)にも厳重注意が与えられた。立行司は現在、木村庄之助が空位で伊之助が出場停止となり不在となる異常事態。14日からの初場所は立行司を置かず、三役格の行司が代理を務め、結びの一番を裁く。

 2018.1.13日、夕刊フジ記事「池坊保子氏、文春&新潮に激怒!「人を不幸にしてまでも売りたいのかなと思う」
 角界をめぐる騒動で時の人となった日本相撲協会の評議員会議長、池坊保子・元文部科学副大臣(75)が、自身に関する週刊文春と週刊新潮の報道に怒りをあらわにした。「すごいショック受けてるのよ。抗議文を出そうと思います」。夕刊フジの直撃取材に、池坊氏は憤りをあらわにした。10日発売の週刊文春で「『貴乃花はクスリをやってるみたいに異様』と吹聴していた池坊保子」という見出しで報じられた記事について、池坊氏は「“吹聴”したなんて、そんなことはありません」と語気を強める。記事では「(貴乃花親方が)『クスリをやっているかのように変』と言ったのでは?」との質問に対し、池坊氏は「『そうかしらんって言ってる人もいるくらい、なんか異様よ』ということは言いました。二年くらい前」と説明している。週刊文春編集部は「池坊氏が複数の人物に上記の内容を発言した事実を確認しており、記事は事実です」と回答した。文春では過去の離婚騒動にも触れられているほか、同日発売の週刊新潮でも、池坊氏の過去の醜聞が報じられている。池坊氏は「私は誠心誠意対応してきたつもりなのに、最初から悪口を書こうと思って取材していたのかなと。文春も新潮も人を不幸にしてまでも売りたいのかなと思う。この1週間でマスコミ不信に陥りました」と心境を明かし、「私を貶める誹謗中傷は許されないということです。貴乃花親方にも不快な思いをさせ、心を痛めている」と述べた。 池坊氏をめぐっては、記者会見やテレビ出演で、貴乃花親方に批判的とみられる発言があり、「協会寄り」との指摘もある。これについては「テレビでも公平に話していたんですけど。貴乃花を嫌いなわけではないと前も言っています。糾弾するつもりもありません」と強調していた。
 1996年、衆院選に当選し国会議員。

【初日恒例の八角理事長(元横綱北勝海)による協会あいさつ】
 1.15日、 初日恒例の協会あいさつがあり、三役以上の力士が土俵に上がり、八角理事長(元横綱北勝海)が次のようにあいさつした。
 「初日にあたり謹んでご挨拶申し上げます。本日ここに1月場所を開催いたしましたところ、かくも大勢の皆様にご来場たまわりましたことを衷心より御礼申し上げます。新進気鋭の各力士は日頃の稽古の成果を存分に出し切り、全力で土俵を務めてくれることと思います。今後も土俵の充実をもとに努力して参りますので何卒、千秋楽までご声援を賜りますよう、お願い申し上げ、ご挨拶といたします」。

 1.17日、貴乃花一門が、都内ホテルの会議室で一門会を行った。貴乃花親方をはじめ、一門の親方衆全8人に加え、昨年12月に時津風一門を離脱した錣山親方(寺尾)、湊親方(湊富士)、立田川親方(豊真将)も参加し、11人で約2時間過ごした。2月に予定される日本相撲協会役員候補選挙に向けて話し合った可能性もあるが、貴乃花親方は「今日は何もないよ」と笑顔で話した。前回の同選挙まで、一門の枠を超えて貴乃花親方を支援していたといわれる錣山親方は、時津風一門の離脱について「自由に意見を言える立場にいきたい」と話していた。

 1.17日、貴ノ岩の師匠、貴乃花親方が貴乃花部屋の公式ホームページを更新。元横綱日馬富士が起こした傷害事件で暴行を受けた東十両3枚目の貴ノ岩についてコメントを発表した。暴行問題について、貴乃花親方が公式に見解を示したのは、初めてとなる。

 以下、コメント全文。

 2018.1.17 このたびは、私の弟子である貴ノ岩が受けた暴行事件に関して、皆様をお騒がせし、ご心配おかけしていることに対して深くお詫び申し上げます。1月場所を休場しました貴ノ岩の状況について、ここにご報告をさせて頂きます。医師には、頭部外傷、頭皮裂創痕、右乳突蜂巣炎痕という診断を受けました。相撲を取る上で避けられない頭部打撲は、慢性硬膜下血腫発症の危険性を増すというご指摘です。医師によると、受傷後約3か月程度は、頭部打撲を避ける必要があり、平成30年1月の就業は困難とのことですので、貴ノ岩の一月場所休場を決断いたしました。本人は深刻なダメージを負い、後遺症の心配もあるため、これまでは受傷部分の検査治療に多くの時間を費やしてきました。現在はようやく体を動かすことができるようになり、地道なリハビリを続けております。私としましては、当面の目標を三月場所での土俵への復帰と定めておりますが、医師の指導の下、本人の心身両面での快復状態を見ながら判断していきたいと考えております。力士は体力、知力、気力のぶつかり合いに堪えうる肉体を宿さなければなりません。そのためには、日ごろの鍛錬が求められます。己を克服する気持ちが、厳しく過酷な土俵の上では常に必要とされ、技を競うものであります。また、技の前には心の充実を図り、精進すべきものです。精進とは神事の世界観であり、力士である以上、生涯をそれにかける気持ちのことです。貴ノ岩は未来ある青年であり、力士です。これから本人に未来を切り拓かせるためには、今回の事件を乗り越え、精神的肉体的な懸念を克服し、後遺症の恐怖にも打ち勝たなければなりません。そのための指導は、惜しむことなくして参ります。これがご心配をおかけした多くの皆様への御恩に報いる道に繋がると考えております。 これまで皆様方に多大なる励ましのお言葉を頂戴いたしましたことに、厚く御礼を申し上げます。今後につきましても、温かく見守っていただければ幸いでございます。以上

 平成30年1月17日 貴乃花 光司

 1.19日、貴乃花部屋の公式サイトで貴ノ岩の状況などを説明する。

 1.23日、伊勢ケ浜親方、理事選不出馬明言。一門から高島親方の擁立決定。伊勢ケ浜一門の会合が墨田区内の飲食店で行われ、初場所後の理事候補選挙(2月2日)に高島親方(元関脇・高望山)を一門として擁立することを決めた。前回の選挙では伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が一門から理事に就任したが、昨年の日馬富士の傷害事件で辞任。22日の会合後、伊勢ケ浜親方は「(自分は)辞任したわけだから」と話し出馬しないことを明言。高島親方は「(出席者の)みんなからお願いしますと言われた」と説明した。

 「貴乃花一門、隠れシンパ増殖 2・2理事選へ向け自信のニンマリ 伊勢ケ浜一門は高島親方に一本化も波乱含み」。

 2年に1度の日本相撲協会理事選(2月2日)へ向けて、各一門の水面下での駆け引きが激化している。候補者の絞り込みと票固めに苦戦している一門もある中、貴乃花一門(8人)は少数派閥ながら強固な絆を誇る。他の一門の“隠れシンパ”との関係も強化しており、有利な条件が揃いつつある。

 波乱があったのは伊勢ケ浜一門だ。22日に都内で一門会が行われ、理事選候補を高島親方(60)=元関脇高望山=に一本化することが決まった。傷害事件を起こして引退した元横綱日馬富士の師匠で、昨年12月に理事を辞任した伊勢ケ浜親方(57)=元横綱旭富士=は再出馬を断念した。大雪の中、約2時間にわたって行われた一門会のあと、高島親方は「一門の親方衆から、お願いしたいといわれました。はい、一本化です。こんな天気ですから、みなさんも早く家に帰りましょうよ」と安堵の表情を浮かべた。同一門では、傷害事件の責任を取って理事を辞任したばかりの伊勢ケ浜親方の再出馬の可能性が浮上してもめていた。「ありえない。伊勢ケ浜さんが再出馬するなら投票しない」と反発する声も挙がって分裂の危機にひんしていた。結局人望のある高島親方に一本化され、伊勢ケ浜親方は「自分で辞めたのだから出ない」と説明した。理事選は定員10人に対し、6つある一門がそれぞれ候補者を出し合って実施される。前回の2016年には、11人が出馬し、伊勢ケ浜一門から伊勢ケ浜親方と高島親方の2人が出馬。伊勢ケ浜親方は貴乃花一門から票を回してもらう形で10票を集め当選し、高島親方は6票で落選した。今回の理事選は、伊勢ケ浜一門からの出馬が1人となると、出馬する候補者が10人となる可能性があり、この場合、選挙は行わず、全候補者が当選となる。伊勢ケ浜一門は候補者を絞ったとはいえ、9人で貴乃花一門に次いで少なく、結束も固いとはいえない。選挙となっても高島親方が確実に票を集められるかどうかは不透明なところがある。

 これで優位な状況になってきたのが貴乃花親方である。今月13日、出羽海一門の北大樹が引退して年寄『小野川』を襲名。これまで小野川を名乗っていた阿武松部屋(貴乃花一門)の元幕内大道は、年寄『音羽山』に。前音羽山親方で貴乃花部屋付きだった元幕内光法は退職した。この結果、貴乃花一門の人数は1人減って8人となった。しかし、貴乃花一門の結束は角界で最も固いといわれる上、昨年12月に時津風一門を離脱し“無所属”を宣言した錣山親方(元関脇寺尾)、湊親方(元幕内湊富士)、立田川親方(元小結豊真将)の3人が、今月17日に都内で開かれた貴乃花一門会に出席。理事選でも貴乃花一門と共同戦線を張るとみられている。さらに、出羽海一門の玉ノ井親方(元大関栃東)、同一門の山響親方(元幕内巌雄)、伊勢ケ浜一門の浅香山親方(元大関魁皇)、対立する八角理事長(元横綱北勝海)と同じ高砂一門の九重親方(元大関千代大海)らも、貴乃花親方と親しい関係にあり、貴乃花寄りに動く可能性があり、動向は予断を許さないとみられている。特に浅香山親方はこの日の伊勢ケ浜一門会で「いずれは一門のトップになってほしい」との声が挙がったほど人望が厚く、影響力が大きい。そんな現状を受けてか、これまで仏頂面を崩さなかった貴乃花親方の表情が、ここにきて明るい。21日には両国国技館入りする際、カメラのフラッシュの嵐の中で、報道陣を振り返り「まぶしいです!」と珍しく言葉を発して笑顔をみせた。理事選、さらには3月に予定される理事長選の後にも、貴乃花親方のこんな笑顔が見られる可能性もある。(夕刊フジ編集委員・久保武司)


【初場所の裏での貴乃花一門の理事選多数派工作】
 初場所の裏で貴乃花一門が理事選の多数派工作を進めている。初場所は連日、満員御礼の盛況。その裏で、場所後の2月に行われる理事選戦いが行われている。年寄株を持つ親方たちの投票で10人の理事が選ばれる理事選をめぐり、6つある一門間で激しい駆け引きが繰り広げられている。注目されるのは、1.4日に理事を解任された貴乃花親方が率いる貴乃花一門の動向。貴乃花親方自身に加えて二人目に誰を出してくるかが注目されている。一門の阿武松親方(元関脇・益荒雄)か、無所属となった錣山親方(元関脇・寺尾)か。時津風一門を離脱した錣山親方ら3人は貴乃花派に入れる。2016年の貴乃花ファミリー忘年会の記念品のカレンダーで女装姿を披露した玉ノ井親方(元大関・栃東)、山響親方(元前頭・巌雄)は出羽海一門だが貴一派。昨年、長女が貴乃花親方の長男と結婚した陣幕親方(元前頭・富士乃真)は高砂一門だが造反の可能性がある。八角理事長の高砂一門に所属する親方は12人、つまり12票しかない。九重部屋の九重親方(元千代大海)は貴乃花親方と親しく貴乃花派に流れかねない。造反が出ると八角理事長は10票程度とみられる当選ラインを確保するのがぎりぎりになる。時津風一門は、協会危機管理部長として貴乃花親方に再三、門前払いを食らった鏡山親方(元関脇・多賀竜)を再び理事候補とする方針。二所ノ関一門は協会ナンバー2の尾車親方(元大関・琴風)に加え、二所ノ関親方(元大関若島津)に代わって「スイーツ好き」として知られる芝田山親方(元横綱・大乃国)を擁立する。時津風一門も、錣山親方ら3人が抜けたことで一門内の結束固めに必死。二人を擁立する二所ノ関一門は20票が必要だが、一門内の佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)などは造反の可能性がある。二所ノ関一門は貴乃花親方の出身派閥である。両一門とも、八角理事長に票を回しているような余裕はない。貴乃花親方の出方次第では、これまでにない凄まじい理事選になる。「昔は理事選は無投票が慣例だったのに、貴乃花親方がかきまわし始めて、ギスギスするようになった。あいつは敵だとか、造反するとかで疑心暗鬼。こういう理事選はよくないよ。世間から見たら選挙がない方がおかしいと言われるかもしれないが、それがある意味、相撲界の伝統。貴乃花親方は、どうしてこんなに協会を混乱させるのか」(反貴乃花派の親方)。両派の激突は、相撲界にどんな未来をもたらすのか。週刊朝日オンライン「初場所の裏で貴乃花一門が理事選の多数派工作 八角理事長も落選危機?」参照。
 2.2日、理事候補選挙で2票しか得られず落選。

【貴乃花親方が弟子の貴公俊、貴源治、貴景勝を連れ龍神総宮社・節分祭に参加】
 2018.2.3日、貴乃花親方が弟子の貴公俊、貴源治、貴景勝を連れ京都府宇治市の龍神総宮社・節分祭に参加した。境内の特設舞台に登場し約3000人の参拝者を前に豆まきを行った。
 リテラ / 2018年2月5日、太田憲二「理事選に敗れた貴乃花親方が弟子を引き連れ“豆まき“した場所は、あのオカルト新興宗教団体だった」。
 相撲協会の理事選から丸一日たった2月3日の節分。全国各地の神社や寺では、例年どおり、力士や親方衆がこぞって豆まきをおこなった。それは、ワイドショーの煽りもむなしくたった2票で落選した貴乃花親方も同様で、部屋の力士を大勢引き連れて豆まきイベントに参加。自らも満面の笑顔で豆をまき、マスコミも一斉にその様子を報じた。だが、問題はその場所だ。貴乃花親方が豆まきをおこなったのは、京都宇治市にある「龍神総宮社」。名前だけ見ると、普通の神社のような印象を受けるが、この神社、かなりオカルト臭のする新興宗教団体なのだ。たとえば、同団体のHPをのぞいてみればいい。そこには「様々な奇跡が、ここ龍神総宮社では、いつも起きています」、「あなたも必ず救われます」、「神様とともに右肩上がりの会社経営の道を歩みましょう」などの煽り文句のもと、「ガンが消えた!大学病院もびっくり」、「奇跡!! 大津波が庭の直前で止まった 神様ありがとうございました」といった信者の怪しげな奇跡体験がいくつも掲載されている。

 また、現祭主(代表)の辻本公俊氏は2006年に著書を出版しているのだが、タイトルは『2012人類の終焉~太陽からの啓示』(ブックマン社)。目次にも「人類のルーツは、縄文日本人だ」に始まり、「神武天皇は、古代イスラエルの神官王の子孫だった」という日ユ同祖説、さらに「太陽系がフォトン・ベルトに包み込まれたとき、何が起きるのか?」、「金星が光り輝き、消える時に地球に恐ろしいことが起きる」、「地球の双子星『クラリオン』の出現」と、クラクラするような文言がずらりと並んでいる。

 そして、「天変地異から人類を救うには、どうすればよいのか」と題された最後の項目には「神様に対する「感謝の心」と、「祈りの心」で、地球の調和を取り戻す」というなんとも安易な結論......。とにかく、オカルト雑誌やニューエイジ運動でさんざん語られてきた例の"2012年に人類は滅亡する"という説を使って、宗教に勧誘しようというのがミエミエの本なのだ。加えて、同書には「南京虐殺はなかった」「教育勅語は世界で高い評価を受けた」などという、極右歴史修正主義的主張までちりばめられているのだから、始末におえない。いったい、龍神総宮社とはどういう宗教なのか。

●貴乃花が新興宗教団体代表の『2012人類の終焉』本に推薦文

 宗教問題に詳しいジャーナリストがこう解説する。「龍神総宮社はいまの代表の父親である辻本源冶郎なる人物が立ち上げ、新新宗教ブームの1970年代半ばに、宗教法人にした教団。教義は一見、神道風ですが、"銀河系の最高神"として『天主天帝』なる存在をもちだしてきたりと、いろんな宗教をつぎはぎにしたかなりいい加減なものです。しかも、1994年に源冶郎が亡くなって息子の公俊氏が跡を継いだあたりから、さらになんでもありな感じになって、オカルト臭が強くなった。一方で、芸能人やスポーツ選手を招いて派手なイベントやパーティをうつようになり、内部告発が寄せられたり、右翼団体に糾弾されたこともあります」。しかも、同団体が悪質なのが、阪神大震災や東日本大震災を信者獲得に利用していることだ。前述のHPにある奇跡体験を読むと、「阪神大震災の際も龍神総宮社の御信者様でお亡くなりになられた方は、一人もおられませんでした」と喧伝した後、町が全壊し、多数の死者が出た岩手県大槌町の信者の証言として「大津波が庭の直前で止まった」、「神様の御守護のお陰以外の何者でもない、本当に京都の神様は凄い」などと書き立てているのだ。まさに人の不安や不幸につけこむ、悪質な宗教勧誘としか思えないが、しかし貴乃花親方は本サイトでも既報の通り、この新興宗教に「心酔」という言葉がぴったりなくらい肩入れしてきた。「貴乃花親方が龍神総宮社に入れ込み始めたのは、公俊氏に代替わりしてから。毎年の豆まきはもちろん、大阪場所の時は龍神総宮社の施設を貴乃花部屋の宿舎にするようになった」(スポーツ紙担当記者)。実は前述の辻本公俊氏のトンデモ本『2012人類の終焉』の表紙の帯には貴乃花親方が「この本を推薦します」という推薦文を顔写真付きで寄せている。また、つい先日、相撲界初の双子力士「貴源治」「貴公俊」という2人の力士のしこ名も、の創始者である辻本源冶郎、現祭主の辻本公俊からつけたものだといわれている。

 ●テレビもスポーツ紙も週刊誌もふれない龍神総宮社の正体

 もちろん、オカルトだろうとトンデモだろうと、日本には信教の自由があり、貴乃花親方個人が信仰するのを止めることはできない。しかし、貴乃花親方の場合は、大阪場所での宿舎に使ったり、部屋の力士を大勢引き連れての豆まきをしたりと、明らかに部屋ぐるみでこの新興宗教に協力し、力士たちにもそれを強要しているのだ。「貴乃花親方が北の湖理事長のもと、理事として権勢を誇っていた数年前には、横綱の白鵬や大関の琴欧洲、把瑠都らにも龍神総宮社の豆まきに参加させていた。白鵬が貴乃花に不信感をもったのはそれがきっかけだという話もあるほどです。そんな調子ですから、もし貴乃花が理事会で主流派になったら、相撲協会ぐるみでこの新興宗教に協力しかねない。相撲協会も問題ですが、一番公私混同が激しいのは、貴乃花親方なんですから」(前出・スポーツ紙担当記者)。

 実際、マスコミでは「相撲協会守旧派の不正をただす正義の味方」として扱われている貴乃花だが、一方では自分の周囲の利権を守ろうとしているだけではないかとの見方もある。その典型が日本相撲協会の顧問を務めていたK氏をめぐる動きだ。K氏は、2012年力士をキャラクターにしたパチンコ台制作を業者と契約交渉中、代理店関係者から500万円裏金を受け取っていたことが2014年に発覚。その後もべつの金銭トラブルもあり2016年1月、八角理事長によって追放されるのだが、貴乃花はこのK氏とべったりで、K氏追放に抵抗。これがきっかけになって、八角理事長との確執が決定的になったといわれている。「K氏については、裏金を受け取った動画まで流出していたんですが、貴乃花親方と当時、危機管理委員会委員長だった宗像紀夫・元特捜部長東京地検はなぜかK氏を庇い続けたんです。K氏の追放が決まった時に、親方は「なんで小林さんをクビにしたんだ!」「戻すべきだ!」と理事長室に怒鳴り込んだという話もある。その後、貴乃花と宗像氏がいっしょになって反八角理事長の動きをしているのをみると、いま起きている問題の根っこにはK氏の存在があるとしか思えない。そんな身内に甘い貴乃花親方が協会を牛耳ったら、それこそ協会があの新興宗教団体に乗っ取られかねないですよ」。

 ところが、マスコミはこうした実態を一切報道しない。たとえば、昨日の豆まきにしても、テレビ朝日の夕方のニュース『スーパーJチャンネル』が大々的に報道していたが、京都市伏見区の豆まきインベントに参加」と、龍神総宮社の存在には一切触れなかった。スポーツ紙にいたっては、〈春場所の宿舎になる、宇治市内の龍神総宮社で豆まきに参加〉とまるで、龍神総宮社が有名な神社であるかのような報道をして、その宣伝に協力する始末だった。

 週刊誌も普通なら"貴乃花を支えるオカルト新興宗教の正体"というのは格好のネタだと思うのだが、一切それに触れようとしない。なかには、祭主(代表)の辻本公俊氏をまるで貴乃花親方のスポークスマンのように扱う雑誌も登場する有様だ。日本相撲協会の隠蔽体質も問題だし、貴乃花を持ち上げたほうが売れるのもわかるが、だからといって、こんな報道を続けていては、将来、貴乃花一派が相撲協会を牛耳り、日本の大相撲が"カルト化"してしまう危険性すらある。メディアはもう一度、自らの相撲報道のスタンスを見つめ直すべきではないか。


【「ムネオ日記」の「2018.2.3日付けブログ」】
 「ムネオ日記」の「2018.2.3日付けブログ
 国会で線香、手帳を配ったことが取り上げられているが、質問している野党の多くの政治家が慶弔費を政治資金から出していると出ている(産経新聞1面)。「出処進退」に触れながら、そう言っている人が同じことをしている。なんとも締まらない話である。野党の関係者は「政党支部の活動」と述べているが、それならば茂木大臣の答弁と同じであり、何が問題なのか。重箱の隅を突くような質疑ではなく、日本の将来、未来についての議論をしてほしいと願ってやまない。

 テレビ・新聞は、昨日行われた日本相撲協会理事選挙結果を大きく扱っている。貴乃花親方がわずか2票しか入らず落選したことに同情したり、残念がるコメントがあるが、「平成の大横綱」という現役時代の姿が頭にあり、親方になってからの実績、人間性を全く顧みないでの話ではないか。プロ野球の世界で「名選手、必ずしも名監督ならず」と言われるが、相撲にもあてはまるのではないか。この理事選挙を見ながら私は政界と重ね合わせた。一門と称する言葉を派閥に置き換えると判りやすい。派閥は総理総裁を作るためのグループでもあり、結束力が問われるのである。相撲協会の一門も同じで、理事の中から理事長が選ばれるのである。旧態依然の一門(派閥)論理優先という声もあるが、一門の中のエースが推薦され立候補してのなるほどと言われる結果である。かつて政界のジャンヌダルク宜しく田中真紀子さんが国民の圧倒的人気を博した。政治家としての経験、実績がなくてもメディアがあおった結果である。小泉政権で外相を更迭され、それからどうなったであろうか。田中さんもメディアの被害者かもしれない。貴乃花親方も「改革」「善人」とメディアに奉られたが、言っていることとやっていることが必ずしも一致していない。今日の新聞に
「ただ今後は、いばらの道が待ち受ける。かつて協会顧問を務め、不明朗な金銭授受などの背任行為があったとして協会に訴訟を起こされた人物と貴乃花親方は近いとされている」(北海道新聞21面)と出ている。段々と何が真実か明らかになって行くことだろう。14日目、栃ノ心関が初優勝を決めた時のあの祝福の大歓声、千秋楽恒例の理事長挨拶でお詫びを申し上げた時、館内から「八角理事長、頑張れ」の声がとび、大きな拍手に包まれた光景、大相撲を愛する皆さんは判っているとつくづく感じた次第だ。八角理事長の下での更なる発展を期待したい。

 朝の便で札幌に向かい、1月31日未明の火災で11人が亡くなった現場に行き、手を合わせる。燃え後を見ながら、生活困窮者の無念さが伝わってくる。
今回の火災は、札幌だけではなく、全国的な課題である。昨日の国会審議で当然議論されても良い社会問題ではなかったか。政治の場でもっと高い関心を持ってほしいものである。札幌で各種団体の行事に出席する。夕方、釧路に飛び、各種イベントに足を運ぶ。

【「能町みね子、『貴乃花親方寄り』の週刊文春から連載引き上げへ」】
  2018.2.8日、「能町みね子、『貴乃花親方寄り』の週刊文春から連載引き上げへ」。

 コラムニストの能町みね子氏が、週刊文春に三下り半を突き付けた。能町氏は2月2日に自身のツイッターを更新。その内容は「来週の原稿をもって週刊文春の連載を当面休載します」だった。さらに、2月8日発売の週刊文春に掲載されたコラム冒頭では「週刊文春、大相撲報道で週刊新潮と全く同じ路線とってんじゃねーよ」と啖呵を切った。そして、貴乃花親方徹底擁護の報道ばかりの同誌に対し「幻滅と徒労感」がひどく、よって「しばらく休載させてください。復活するかどうかは分かりません」と結んだ。同連載は有名人が発した「言葉」がテーマだったが、この週はすべてが文春批判に費やされた。この能町氏の「休載宣言」ツイートにフォロワーからは「その決断を支持します」「私も“休購入”です。お疲れ様」「毎週楽しみにしていたものが読めなくなるのが単純に残念」など、彼女の強硬姿勢を支持する声が多数寄せられた。

 今回の決断について能町氏は、相撲協会の主流派を擁護するものではなく、貴乃花部屋が力士の不当解雇の裁判を抱えている事実などを取り上げないことに疑問を感じ、「自分が連載を持つことの意義がわからなくなりました」としている。しかし、ジャーナリストは「コラムを続けるべきだった」と反論する。「文春の報道内容に反旗を翻す能町さんの文章を掲載しない、という理由ならわかる。ですが、彼女の言い分がそのまま掲載されているのだとしたら、コラムニストとしては伝えたいことを書き続けるべきだと思う」日馬富士暴行事件から端を発した角界の大問題。角界の闇はいろんなところに波及しているようだ。


【元東京地検特捜部の宗像紀夫氏の怪しげな八角理事長批判】
 「貴乃花親方「クーデター失敗」を招いた暴走裏工作!(2)巡らされた「謀略」の結末

 元東京地検特捜部の宗像紀夫氏が、週刊新潮のインタビューを受け、怪しげな八角理事長批判を繰り広げている。曰く、「八角さんは、私心なく相撲協会を運営しているとはとても思えない。あらゆる重要な物事は理事会の承認手続きを経なければならないというルールは無視され、コンプライアンスはないがしろにされ、ガバナンスもなっていない」。

 「2月8日午前11時半、相撲協会の外部理事の1人の元に『(理事長選で)八角に投票しないと殺すぞ』と殺害予告の電話がかかってきた。外部理事は既に警察に被害状況を通報している」(相撲協会関係者)なる内部情報を受け、次のように発言している。「殺害予告の話は私の耳にも入っています。『殺すぞ』とはっきり言っているわけですから重大な事件です。理事長選の直前に起こった『異常事態』といっていいでしょう」。

 これにより八角親方は大いに男を下げた。しかしその後、本当に殺害予告の電話があったのかと、関係者の多くが首をかしげ始めた。「当時の外部理事には海老沢勝二氏(元NHK会長)、徳川康久氏(靖國神社宮司)らがいましたが、誰が脅迫されたのかはっきりしない。結局、協会内では、貴乃花親方を当選させたい宗像さんの自作自演、作り話だったのだろう、となった」(元力士)。

 さらには春場所中の理事会などで、貴乃花親方が年上の理事に声を荒らげて詰め寄るなど、印象はどんどん悪化していく。元力士が続ける。「純粋に改革派の貴乃花親方を信じて集まった親方の中には、素の姿を見てガッカリした人もいるらしい。都内にある貴乃花親方の自宅は今年3月8日の時点で、計2億円の抵当権が設定されている。しかも実父である先代貴ノ花から相続した中野の貴乃花部屋の土地建物の所有権も、08年に不動産総合商社に売却してしまった。早い話、借金返済のため、貴乃花一門の中心である部屋を売ってしまったわけで、一門の連合稽古は賃貸の部屋で行っていたことになる。長い大相撲の歴史の中で、こういう話は初めて聞きましたよ」。


 2.9日付スポニチ記事「13年近く絶縁状態 藤田紀子 貴親方と最後の会話は「電話してこないで」 」参照。

 2018.2.8日、貴乃花親方の母親でタレントの藤田紀子(70)が、日本テレビ系「ダウンタウンDX」(木曜後10・00)に出演し貴乃花親方について次のように語った。藤田は「くれぐれも申し上げます。貴乃花親方は被害者側でございます」と一言前置き。昨年の日本相撲協会の臨時理事会での椅子の座り方など貴乃花親方が取った態度について、「本人があの態度を取ったのには理由がある。ふんぞり返るようなことがあったんだと思います」と説明した。貴乃花親方が身に着けていたマフラーやサングラスについて、「ファッションなんですよ。イタリアが好きなので」と理由を推測した。「どっかで(マフラーやサングラスを)外してたじゃないですか」と司会の「ダウンタウン」浜田雅功(54)に指摘されると、「ほかの生番組に出てたとき言っちゃったんですよ」と、貴乃花親方のファッションについて物申したことを告白。その翌日からマフラーとサングラスが外れていたことも明かし、「親の言うこと聞いてくれますね」と嬉しそうに語った。松本人志(54)から、息子と直接連絡を取らないのかと質問され、「13年近く連絡取ってません」と事実上の絶縁状態であることを明かした藤田。その理由については「私も息子も意地っ張り。私から『そんなこと言うんだったら電話してこないで』って言ったのが最後なんです」と説明。「私が(電話を)かければ絶対に取ると思うんです。でもかけません」と、息子を信じつつも自分からは電話をかける気がないことを明かしていた。


 「貴乃花、理事選惨敗までの一門「まさかの分裂」全内幕とは?」。
 2月2日、今後の角界を大きく左右する相撲協会の理事選の結果が明らかになった。一部報道では、貴乃花親方の優勢が伝えられ、理事当選確実とも言われていたが、フタを開けてみれば、わずか2票という「惨敗」に終わった。これにより昨年10月に起きた元横綱・日馬富士による貴ノ岩暴行事件に端を発する貴乃花親方(45)による「貴の乱」第2幕は大きな曲がり角を迎えることになった。

 相撲協会の改革を掲げ、古来からある「相撲道」に回帰する一方、“モンゴル互助会の粉砕”にまい進してきた貴乃花親方だけに、今回の落選は大きな禍根を残すことになりそうだ。スポーツ紙相撲担当記者が理事選の裏事情を説明する。「今回の『貴の乱』の敗因は、ズバリ、一門の絆をガッチリ固めることができなかったことにあります」。

 2月6日発売の週刊アサヒ芸能2月15日号では、理事選を控え、理事候補を調整するために開催された一門会の様子を詳細にレポートしているが、「10票あれば当確といわれる理事選で、貴乃花一門はもともとの8票、新たに加入した元二所ノ関一門の親方が3票、合わせて11票を持っていた。それだけに、仮に貴乃花親方1人だけが出馬していれば、文句なく理事に返り咲くことが確実だった。しかし、貴乃花親方の再出馬に反対する親方が多かったため、阿武松親方(56)とのW出馬に切り替わったのです」(前出・相撲担当記者)。同誌によれば、怒号さえ飛び交ったという、一門会の紛糾ぶりと、貴乃花親方の“勝算”についても詳報している。いったい、貴乃花親方は、なぜ、玉砕覚悟の出馬に踏み切ったのか──。

 アサ芸プラス / 2018年2月13日 「貴乃花一門「まさかの分裂」怒号内幕(1)貴乃花シンパが激減して…」。
 「私は1票だけでいい」捨て身の単身出馬で相撲協会理事候補選に挑んだ貴乃花親方。しかし、結果はあえなく惨敗。日馬富士暴行事件に端を発した協会とのガチンコ決戦のリベンジに失敗した形だが、その一門会は怒号飛び交う内紛状態だった。

 2月2日、今後の角界を大きく左右する相撲協会理事候補選の結果が明らかになった。これにより昨年10月に起きた元横綱・日馬富士による貴ノ岩暴行事件に端を発する、貴乃花親方(45)による「貴の乱」第2幕は大きな曲がり角を迎えることになったのだ。

 相撲協会の改革を掲げ、古来からある相撲道の伝統に回帰する一方で、モンゴル互助会の粉砕に邁進してきた貴乃花親方だけに、今回の理事選での惨敗は大きな禍根を残すことになりそうだ。

 スポーツ紙相撲担当記者が理事選の裏事情を説明する。

「今回の『貴の乱』の敗因はズバリ一門の絆をがっちり固めることができなかったことにあります。10票あれば当確といわれる理事選で、貴乃花一門はもともとの8票、新たに加入した元二所ノ関一門の親方が3票、合わせて11票を持っていた。それだけに、仮に貴乃花親方1人だけが出馬していれば文句なく理事に返り咲くことが確実だった。しかし、貴乃花親方の再出馬に反対する親方が多かったため、阿武松(おうのまつ)親方(56)とのダブル出馬に切り替わったのです」

 貴乃花親方といえば、一門の名前を冠するほどの「平成の大横綱」として、また相撲協会改革派の若手親方の代表格として一門内外からの求心力があった。ところが、今回の貴ノ岩暴行騒動以降の一連の相撲協会への背信行為や「貴乃花文書」と呼ばれる檄文の配布などでシンパが激減。そのため理事選を控え、理事候補を調整するために開催された一門会も常に紛糾する有様だったという。

 「これまでは一度の話し合いで貴乃花親方の一本化がすんなり決まっていましたが、今回ばかりはまったく一門の意思統一ができず、1月だけでも2度開かれたほどです。特に2度目の開催となった1月28日の会合では、理事選間近ということもあり、怒号が飛び交うほど紛糾したのです。というのも、一門はもともと阿武松派と貴乃花派に分かれていたが、新たに時津風一門から合流した錣山親方(55)=元関脇・寺尾=が貴乃花親方に対し、『もうあなたの下ではやってられない!』と反旗を翻し、阿武松親方の支持を表明したことで事実上の候補者一本化が不可能となったのです」(相撲部屋関係者)

 当初、錣山親方は昨年12月末に、湊親方(49)、立田川親方(36)らとともに時津風一門を離脱。元横綱・日馬富士による貴ノ岩殴打事件により孤立無援となっていた貴乃花親方の援護に回るものと思われていた。しかし、その内幕はまったく逆で、貴乃花親方に鈴をつける立場に回ったのだ。

 それにしてもなぜ錣山親方は反旗を翻したのか。「事件後、警察の捜査を最優先とし、協会に対しては完黙を貫く。この巡業部長とは思えない貴乃花の不可解な言動の背後には、北の湖理事長時代に協会顧問を務めたK氏のアドバイスがあったと言われている。K氏はパチンコ業界から現金を受け取る姿がネットに流出するなど裏金疑惑が浮上したほか、昨年末に協会から1億6500万円の損害賠償請求訴訟を起こされたいわくつきの人物。この人物を頼みとする貴乃花親方に、さすがの改革派の錣山親方も見切りをつけたのです」(相撲担当記者)。

 この分裂で、一枚岩だった一門は修復不能に陥ったのか。「必ずしも一門の名称=責任者ということはなく、そういう一門は複数ある。貴乃花一門の場合も、実は書類上の責任者は阿武松親方です。貴乃花親方の一門内での求心力が低下していることもあり、錣山親方としては、責任者が代わっていればそれでいいと考えています」(相撲部屋関係者)。加えて、暴行事件では被害者側の親方であるにもかかわらず、相撲協会からの風当たりも強くなる一方だった。貴乃花親方は今年1月4日に、巡業部長として協会に報告義務を怠ったなどとして理事解任の処分を受けたばかり。それだけに、わずか1カ月余りの解任期間で、理事に返り咲いたとしても、池坊保子氏が議長を務める評議員会が、理事就任を認めない可能性も指摘されてきたのだ。

 仮に理事に再選されたとしても評議員会から否認されれば貴乃花一門の理事はゼロになってしまう。そうなると相撲協会の最高機関である理事会に参加できなくなり、角界での影響力はなきに等しくなってしまう。ここは、何としても一門から理事を輩出しなければいけないという“事情”が貴乃花一門の分裂を招いたのだ。前出の相撲部屋関係者が内実を訴える。「貴乃花親方がそれでもダブル出馬に踏み切ったのは、一度、振り上げたこぶしを下ろしてしまったら弟子の貴ノ岩を土俵に復帰させるという大義が果たせなくなるばかりか、対立する八角理事長の軍門に下ることになってしまう。そうなると貴乃花親方の宿願である角界改革も大きく後退することになる。そもそも理事職は一門内の親方で持ち回りのため、貴乃花親方に対して『一回休んでは』という声も出た。そこで貴乃花は一計を案じ『皆さんは阿武松親方に投じてください』と話して、理事選の結果よりもまず、単身出馬に打って出たわけです」。

 理事選立候補前日の1月31日、愛弟子・貴公俊(20)の十両昇進会見に同席し、喜色満面の笑みを浮かべた貴乃花親方だが、その笑顔の陰で胸中には期するものがあったようなのだ。

 さらに水面下では、理事選直前まで、相撲協会の八角理事長体制に対する擁護派とアンチ派による暗闘が繰り広げられてきた。貴ノ岩暴行事件で地に落ちたイメージを払拭するために躍起になってきた相撲協会だったが、それをあざ笑うかのようにスキャンダルが次々と発覚。相撲協会の執行部も相次ぐマスコミリークに“内通者”の存在を指摘。さながら情報戦の様相を呈していたのだ。「年明けには立行司のセクハラに始まり、初場所中には大砂嵐(25)の無免許運転までが発覚。さらには所属力士による暴行事件を春日野親方(55)が隠蔽していたことまで報じられた。行司のセクハラ騒動は明らかに内部からリークされたもので、次期理事長を狙っている春日野広報部長も不機嫌な様子だった。そして追い打ちをかけるように暴行隠蔽がすっぱ抜かれた。実はその直前の貴乃花一門会の会合で貴乃花親方が『いい情報が入ってきた』とほくそ笑んでいたといいます」(相撲担当記者)。

 叩けばホコリまみれの相撲界ではその後もスキャンダルの応酬合戦が続いている。執行部側の不祥事が続いたかと思えば、お次は貴乃花親方の右腕と言われる立浪親方(49)の銀座ホステス愛人との密会が写真週刊誌にスクープされたばかり。「イケメンの立浪親方は“角界の暴れん坊将軍”と呼ばれ、女グセが悪いことで知られている。いまさら女性問題など、驚くようなスキャンダルとは言えないが、写真誌に直撃を受けた際、立浪親方が『こんなことをして誰が得するんだ』と一喝したのが象徴的でした。まさしく今回の醜聞リーク合戦のターゲットになってしまった証左と言えるでしょう」(相撲部屋関係者)。

 実は、貴乃花親方の笑顔の裏には“秘策”があったという。かつて、2010年に角界浄化を掲げ、二所ノ関一門を割って、理事選に強行出馬。いわゆる『貴の乱』を起こしたが、その際に一門以外の“隠れ貴派”の親方衆の支持を集め、まさかの逆転で理事に当選した経験をもとに、周到な票獲り工作を仕掛けていたというのだが‥‥。「10年の『貴の乱』では、一門を超えて貴乃花に票を投じたのが立浪一門だった音羽山親方(44)=元幕内・光法=でした。その後、一門を破門となり、貴乃花のもとで部屋付き親方をしていたが、今度は、同じ一門である阿武松部屋に所属する小野川親方(元幕内・大道)が、所有者側から親方株の返還を求められたため、貴乃花親方は阿武松部屋に貸しを作るために、自分の傘下にいた音羽山親方の年寄株を大道に譲り、廃業を言い渡したのです。貴乃花親方は、音羽山親方に一時は『生涯をかけて守る』と言ったにもかかわらず、貴乃花一門での影響力を誇示するために、『貴の乱』の功労者すらバッサリ切り捨てたのです」(前出・相撲部屋関係者)。

 さらにはこんな話も。「八角理事長の部屋付きの陣幕親方は貴乃花親方の長男・優一氏の嫁の父。貴乃花部屋のパーティーにも顔を出していた。また、暴行事件での加害者であった伊勢ケ浜親方(57)にまですり寄っていたようです。なんでも、日馬富士を民事で訴えない代わりに票をくれ、という交換条件を出していたとささやかれている」(相撲協会関係者)。とはいえ、貴乃花親方による多数派工作は結局、「貴の乱」で貴乃花親方に票を投じた親方へ再度の協力を呼びかけたものの、今回の第2幕ではかつての同志も皆ソッポを向く形となった。「親方衆の中で最多優勝回数を誇る貴乃花は、一門を超えてシンパを広げてきたが、今回の一連の行動は相撲協会の膿を出すというより、ガンコなトラブルメーカーの一面が際立つ結果となった。前回理事長選で出羽海一門から一票を投じた山響親方(47)の出馬で、かつて貴乃花親方を支持していたグループの協力を取り付けることは絶望視されていました」(角界関係者)こうして非情なまでに票集めに徹した「貴の乱」第2幕はむなしく終わったのだ──。

 はたして、協会相手に対決を挑んだ貴乃花親方の信念は成果なしだったのか。「騒動直後となる初場所は5日目からは白鵬(32)、6日目からは稀勢の里(31)と横綱が相次いで休場した。さらに、モンゴル出身の照ノ富士(26)、阿武咲(21)、栃煌山(30)など、十両以上の休場は再出場者を含め11名。戦後6番目にケガの多い場所となった」(相撲担当記者)。途中休場で2横綱を欠いたとはいえ、それでも見るに値する場所でもあった。「白鵬が横綱相撲としては見苦しいと批判の多かったかちあげ、張り差しを封印し、持ち味を出せないまま自滅したのは印象的でしたが、それ以上に、このケガ人の多さはガチンコ相撲が増えたことを証明している。当たりの強い取組が新たな相撲ファンを虜にしたとも言えます」(角界関係者)。

 たび重なる不祥事が噴出したにもかかわらず、連日満員御礼が続いたのは、迫力ある取組をファンが支持したことに他ならない。前出・角界関係者が語る。「一世を風靡したモンゴル勢は暴行事件を受けガタガタ。代わって平幕優勝を遂げた栃ノ心(30)が場所を盛り上げましたが、実はこれまで、白鵬には25戦全敗、鶴竜(32)には1勝21敗とモンゴル勢を極端に苦手としてきただけに、一部では“モンゴルの犬”と嘲笑されていた。場所前に星回しをするモンゴル互助会を毛嫌いしていた貴乃花親方にとっては、理事選の結果はともあれ、明らかな人情相撲が鳴りを潜め、土俵の上は目指す相撲道に近づきつつあるのではないでしょうか」。理事長の椅子は遠ざかったとしても、貴乃花親方が得たものも多かった、とも言えるのだ。


【週刊朝日が貴乃花部屋の暴行史スクープ】
 週刊朝日2018年2月16日号(本誌・小泉耕平、上田耕司) 「法廷に出された貴乃花親方“弟子への鉄拳”疑惑 本人は否定」抜粋。
 貴乃花親方自身も理事選への立候補を表明した2月1日、自身のホームページでこう訴えている。
 <いま相撲界では、過去の反省を顧みない度重なる暴力事件や不祥事により、国民の皆様の期待を大きく裏切り、社会的な信用を損なった結果、組織としての公益性や透明性が大きく問われております>。

 だが、そんな貴乃花親方をめぐり、耳を疑う証言が裁判所で飛び出していた。問題の裁判は、貴乃花部屋に所属していた元幕下力士・貴斗志が2014年10月に貴乃花親方によって引退届を出されたことを不服とし、日本相撲協会に対し幕下力士としての地位確認等を求めているもの。昨年3月に一審で原告側が敗訴し、現在、東京高裁で控訴審が行われている。

 本誌が注目したのは、この控訴審に原告側から提出された貴乃花部屋出身の元力士A氏の陳述書だ。A氏は貴乃花親方の付け人をしていた現役時代を振り返り、部屋内でのいくつかの暴力沙汰について証言している。その中で、「師匠からひどい暴行を受けたこともありました」と語っている。陳述書によると、事件があったのは13年11月の九州場所中のこと。貴乃花親方が急遽、審判部長の代理をすることになり、A氏は紋付き袴のアイロンがけを命じられた。ちゃんこの準備などの仕事もあり忙しかったA氏は、本来の仕事である衣類の洗濯を、同期の力士に依頼。ところが翌日、A氏は貴乃花親方から呼び出された。その時のやり取りはこうある。
 <ちゃんこの準備をしていると、師匠から呼び出され、洗濯ものがない、着るものがない、と言われました。調べてみると頼んだ同期の力士が洗濯を忘れてしまい、洗濯前の衣類が下の階に置いてありました。私がそのことを師匠に報告し謝ると、師匠は私の胸ぐらをつかみ、まず平手で10発くらい往復ビンタし、その後、こぶしで私の顔面を10発以上殴りました。私の口の中は切れ、血しぶきが飛び、師匠の部屋の壁と下着姿の師匠のTシャツに血がついたのを、私はみました>

 A氏はさらに、貴乃花親方が指輪をつけた拳で他の力士の顔を殴り、その力士が出血したこともあった、とも証言している。

 また、A氏は元日馬富士の暴行事件では被害者となった貴ノ岩から暴行を受けたと証言している。陳述書によれば、貴ノ岩の関取昇進後というので12年7月以降のことであろうが、A氏は仕事のできない後輩について、貴ノ岩から「殴っておけ」と指示されたという。A氏が後輩を殴るのが嫌で口頭での注意しかしなかったところ、<次の日、私は岩関(貴ノ岩)から呼び出され、「なんで殴らなかったんだ」と言われ、貴ノ岩関から、顔面を、拳で殴られました。私は、口の中が切れました>と書かれていた。なお、貴ノ岩については、同じ裁判の一審で、引退したB氏による証言調書の中に、エアガンで後輩力士を撃ってふざけていたことや、後輩力士のみぞおちに何度も“ブルースリー・パンチ”を打ちこんだなどの行為も書かれていた。これらの証言がもし本当ならば穏やかではない。

 本誌が貴乃花部屋に取材を申し込むと、代理人の弁護士から回答があり、ここまであげた貴乃花親方と貴ノ岩が暴力を振るったという裁判での証言のすべてを強くこう否定した。<いずれも事実無根の話です。このような事実無根の話を報道されるようなことがないよう、慎重にご対応されることを要望いたします>。果たして真相はどこにあるのだろうか。本誌はA氏を自宅で直撃し、改めて陳述の詳細を聞かせてほしいと取材を申し込んだところ、A氏は「今は体調が悪いので、また今度にしてほしい」と言い、話は聞けなかった。原告側の弁護士にも連絡したが「裁判中なので、取材はお断りしています」とのこと。

 だが、一審に証人として出廷した元力士のB氏は、本誌の取材にこのように話した。
 「親方が否定しようが、法廷で証言したことはすべて本当です。嘘偽りなく話すという宣誓もしましたからね。Aが殴られたところは直接見ていないが、当時、口とほっぺたが腫れていて『どうしたの?』と聞いたら、『失敗して師匠に殴られました』と言っていた。師匠の部屋の壁に少し血がついていた。Aの口の中が切れた血だというのは後で知った。怒られても仕方ない話ですけど、やりすぎ。Aは師匠の付け人をやるのはもう嫌だと言っていました」。

 B氏自身も貴乃花部屋の別の先輩にまな板や素手で殴られた経験を法廷で証言していた。
 「洗い物をしてて、声がしたから、振り向いたら、先輩から『呼んでるんだよ』と振り向きざまに殴られて、前歯が折れた。ちょうど口に当たったんです。歯は今もないままです。怒られて殴られて血が出ましたというのはあること。相撲部屋なんて荒くれ者の集まりですから、口だけで通用するような世界じゃない。鉄拳制裁はざらでしたから。度合いですよね。部屋で絶えず暴力がうずまいていたわけではない」。

 貴乃花親方については、こう話した。
 「師匠はアップダウンの激しい人。ニコニコしているのはアップの時だが、ダウンの時は部屋の力士、景子夫人にしか見せない別の顔がある。協会で何か言われると嫌な顔をして帰ってくる。貴乃花部屋では、断髪式をやってもらった力士って少ないんですよ。私もしていない。そういうことが多いこともあり、部屋を辞めた力士は引退後、あまり相撲界のことを話したがらないんです」。角界から暴力を一掃するのは、一朝一夕でできることではなさそうだ。

【相撲協会が不祥事の再発防止へ研修会 貴ノ岩は欠席】
 2.13日、相撲協会が不祥事の再発防止へ研修会 貴ノ岩は欠席。日本相撲協会が、東京・両国国技館で、不祥事の再発防止に関する研修会を16日まで行う「研修ウイーク」を開始した。初日となったこの日は、十両以上の関取を対象に実施。尾車事業部長(元大関琴風)と担当弁護士が同席し、昨年4月に交わした誓約書の内容について再確認した。同事業部長は「何回もやらないといけない。こういう時期だから。再確認することが彼たちへの諸注意になるから」と説明した。昨年11月に元横綱日馬富士関の傷害事件が発覚してから、立行司式守伊之助のセクハラ行為や十両大砂嵐の道交法違反(無免許運転)の疑いなど、不祥事が相次いでいるだけに注意喚起を徹底して行う構えだ。元横綱日馬富士関の傷害事件の被害者の十両貴ノ岩は、研修会を欠席した。尾車事業部長は「欠席の旨の連絡はありました」と説明した。

【貴ノ岩が約3カ月ぶりに姿を見せる】
 2.13日、暴行被害の貴ノ岩が約3カ月ぶりに姿を見せる。体調は順調に回復か。日馬富士から暴行被害を受けた貴ノ岩が13日、約3カ月ぶりに姿を見せた。体はややふっくらした印象で、部屋の朝稽古に向かったと思われる。足取りはしっかりしており、体調は順調に回復している模様だった
 SNSでは、貴ノ岩に対し、《早く場所に出てきて豪快な投げを見せて》、《世間の声に負けないで土俵で見返してほしい》、《本来、十両で取る力士じゃない》などと激励の投稿が集まっている。「順調にいけば貴ノ岩はいまごろ大関を狙えていた可能性もあったほど、将来を嘱望される力士です。相撲界はこの際、すべての稽古を“ガラス張り”にするなどして、徹底的に改革しないとファンがどんどん離れていくと思います。それほどこの暴力事件の意味は大きいものでした」(同・ジャーナリスト)。

【貴乃花部屋の力士の激励会】
 2.26日、貴乃花部屋の力士の激励会が大阪郊外のシティホテルの宴会場で行なわれた。ホテルの車寄せにつけられたマイクロバスからは、スーツ姿の貴乃花親方を先頭に、グレーの羽織袴姿の貴ノ岩、貴公俊、貴源治、貴景勝ら部屋の関取衆が次々と姿を見せた。宴会場の看板には「若手力士を囲む会~大相撲大阪場所に向けて~」とあるだけで、貴乃花部屋という表記はなかった。支援者らだけが参加する関係者限定の若手激励パーティである。出席者の一人はこういう。「関西方面での古くからの支援者を中心に、会場には約300人が集まっていました。午後6時半から2時間の予定でしたが、親方や力士たちとの交流が盛り上がり、時間をオーバーして午後9時過ぎまで続いてお開きとなった」。

【貴乃花親方が貴ノ岩への質疑を2分半で打ち切り】
 3.1日、元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者、西十両12枚目貴ノ岩(28)が、京都・宇治市の宿舎で、師匠の貴乃花親方とともに取材に応じた。朝稽古ののちに記者らの質問に答えた。まわし姿で浴衣も羽織らず、背中に砂をつけたままだった。貴ノ岩が公の場で発言したのは、昨年11月2日以来119日ぶり。小雨が降る中、朝稽古を終えた貴ノ岩が貴乃花親方とともに報道陣の前に姿を現した。テレビカメラ6台、約70人の報道陣を前にこわばった表情を見せた。

 
弟子の緊張を感じたのか、貴乃花親方は「元気に稽古しています。何か質問を」と促した。注目の第一声。現在の体調を聞かれた貴ノ岩は「少しずつ体を動かしています」と小さめの声で話した。体の感覚を問われ「まだまだしっくりきていない。相撲を取っていないので」と続けた。稽古は、京都入り後の2月26日から再開した。頭部を負傷した後については、「リハビリという感じ。入院しながら」と明かした。体重は149キロで、負傷前とほぼ変わらない。だが、稽古では相撲を取っておらず、ぶつかり稽古の激しさも本来とは程遠い。この日も四股、てっぽうなどの基礎運動で汗を流したが、関取衆による申し合い稽古には参加しなかった。ぶつかり稽古で、平幕の貴景勝に胸を出すだけにとどめた。それでも春場所出場について聞かれると「一生懸命やることだけを考えている」と、はっきりとした口調で話した。

 次々に来る質問に対して、貴ノ岩は真面目に答えた。しかし「横綱(元日馬富士関)に被害を受けた頭部の…」という質問の瞬間、貴乃花親方が「その話はごめんなさい。それじゃ、もうこの辺で」と遮った。弟子の背中を軽く押しながら囲み取材の場から立ち去った。ようやく沈黙を破ったものの、わずか2分半で打ち切られ、最後は微妙な空気に包まれた。昨年11月の九州場所から2場所連続休場で、全休すれば翌場所で幕下陥落が確実となる今場所。相撲勘の鈍りに加え、傷害事件の被害者という立場を精神的に乗り越えられるかが鍵となりそうだ。周囲からの視線は、間違いなく今までとは違う。険しい再起の道に挑むことになる。春場所(11日初日、エディオンアリーナ大阪)出場の可否は8日に判断する。


【貴乃花一門が連合稽古中止の異変】
 3.2日、貴乃花一門に異変 連合稽古中止、立浪親方も距離。貴乃花一門の結束力が揺らぎ始めた。大相撲の春場所(11日初日、エディオンアリーナ)に向けて、同一門が毎年行っている連合稽古が、今年は実施されないことが分かった。連合稽古は一門の結束力を高める意味も込めて年1度、春場所前に立浪部屋で実施していたが、立浪親方(49=元小結旭豊)は「今年はありません」と断言した。

 さらに近日中に開催される毎年恒例の激励会は、大阪市内の会場に「貴乃花一門」で予約されているが、一門の親方衆に案内が届いていないことが判明した。実質、貴乃花部屋激励会として行われる見通し。ある親方は「聞いていないものは行きようがない。誰も行かないのでは」と困惑気味だった。場所前の一門の行事はなくなることになった。そんな中で立浪親方は、一門離脱の手続きなどは予定にないものの、一定の距離を置く考えを明かした。「基本的に貴乃花一門を応援するのは変わらない。ただ、いろんな意見を聞いて相撲界が良くなるように、その都度最善の選択をしていきたい。錣山親方(元関脇寺尾)と近い考え方」と話した。錣山親方は昨年末に時津風一門を離脱して現在は無所属。2月の役員候補選挙では貴乃花一門に協力したが「自由な立場で意見を聞きたい」というスタンスだ。立浪親方は昨年末の一門総会で「貴乃花親方が理事長になるまで一生懸命応援します」と宣言していたが、今後は意見が分かれる可能性もある。一門の結束力に暗雲が漂ってきた。






(私論.私見)