貴乃花親方自作自演失脚事件考

 更新日2018(平成30).1.4日

【貴乃花親方擁護発言派の評論家考
 本事件につき、れんだいこ判定の親貴乃花親方派、中立派、協会派、親日馬富士、白鵬派は次の通り。
 親貴乃花親方派&相撲協会批判派は次の通り。

 日本テレビアナ/
堀尾正明(62)、フジテレビアナ/笠井信輔(54)、フジテレビ解説委員/平井文夫、フジテレビアナ/三田友梨佳(30)、テレビ朝日/玉川徹、元NHKアナにして東京相撲記者クラブ会友/杉山邦博(87)、スポーツライター/玉木正之氏(65)、ジャーナリスト/大谷昭宏、ジャーナリスト/山田敏弘相撲キャスター/銅谷志朗、ジャーナリスト/木村太郎、元ニュースステーションキャスター/久米ひろし

 漫画家/やくみつる(58)、漫画家/黒鉄ヒロシ、落語家/立川志らく(54)、霊能タレント/江原啓之、俳優/
梅沢富美男、モンゴル出身初の関取の元小結/旭鷲山(44)、タレント/坂上忍、作家/岩下尚史(56)、タレント/クリス松村、お笑い芸人/加藤浩次(48)、デーブ・スペクター、歌手/泉谷しげる(69)、ライター/岸本貞司、法主/池口恵観お笑い芸人/カンニング竹山、タレントの薬丸裕英、タレントの木村祐一(54)、作家・スポーツライター/小林信也  

 相撲協会の外部理事と危機管理委員長も務めた弁護士/
宗像(むなかた)紀夫(75)、元裁判官で国際弁護士/八代英輝

 政治家。自民党・元幹事長/石破茂、元東京都知事/石原慎太郎、元衆院議員にして弁護士/若狭勝(60)、。

 実業家のホリエモン/堀江貴文、IT・ネット直球リポートの
本田雅一モチベーションファクター株式会社代表取締役/山口博、大相撲ジャーナリスト/大見信昭、日本サッカー協会最高顧問/川淵三郎(81)、読売新聞記者フリーライター/上村吉弘、MBA経営代表取締役/山田修、人事コンサルタントの新井健一社会学者/古市憲寿(32)。
 親貴乃花親方系中立派は次の通り。

 フジテレビ系「とくダネ!」キャスター/小倉智昭(70)。元横綱貴乃花(現貴乃花親方)の兄の3代目若乃花にして現タレント/花田虎上、その母でタレント/藤田紀子、百年コンサルティング代表/鈴木貴博、アナ/安藤優子、元プロ野球選手でタレント/長嶋一茂(51)、前東京都知事/舛添要一(68)、元宮崎県知事/東国原英夫(60)、スポーツジャーナリスト/二宮清純(57)、作家で僧侶/瀬戸内寂聴
 親日馬富士、白鵬系中立派は次の通り。

 日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」の
宮根誠司キャスター(54)、元プロ野球選手/張本勲(77)、元サッカー日本代表/ラモス瑠偉(60)、俳優/中尾彬(74)。 
 協会派は次の通り。

 日本相撲協会の評議員会で議長を務める/
池坊保子(元文部科学副大臣)、リポーター/横野レイコ(55)、“尾木ママ”こと教育評論家/尾木直樹(70)。

 親日馬富士、白鵬派は次の通り。

 
朝青龍、広島市にある蓮華院金剛寺座主/木原秀成(72)、タレント/デヴィ夫人、コラムニスト/マツコ・デラックス(45)、元衆院議員/上西小百合(34)、ロック歌手で好角家/デーモン閣下、脳科学者/茂木健一郎(55)。

【貴乃花親方の怪
 暴行問題に関する貴乃花親方の一連の動きには、多くの“謎”が指摘されている。
 事件の日の巡業に参加した貴ノ岩の相撲映像が放映されているが、額と頬にかけてのスリキズが見られない。と云うことは、事件をフレームアップする為にヤラセで作られた傷の可能性がある。
 貴ノ岩は、事件直後、鳥取市内の病院で応急処置を受けているが、その時の診断書が公開されていない。
 貴乃花親方は当初「転んだ」と貴ノ岩から報告を受けながら、秋巡業最終日の10.29日に鳥取県警へ被害届を提出。その際に診断書が提出されているはずであるが所見内容が明らかにされていない「怪」がある。
 被害届の巡業部長としてトラブルについて協会に報告せずの「怪」がある。協会は11.2日に鳥取県警からの連絡で事件を把握すると云うお粗末で協会がコケにされている。巡業を管理する部長として協会執行部へ問題の報告を入れることは規約に定められており、これの違反に当る。これがマスコミに咎められていない「怪」がある。協会理事の一人は「立場のある人には責任が伴う。これは社会通念。巡業全体の管理という点でいえば連絡の義務もあり、知らなかったでは済まされない」と断言している。
 11.2日、貴ノ岩とともに福岡・田川市役所を表敬訪問している。その際、貴ノ岩は市長訪問の際、田川市の風治八幡宮参拝の際、九州場所出場と2桁勝利の必勝祈願をしている。その貴ノ岩休場の「怪」がある。
 11.3日、協会側の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)の電話聴取に、「(状況は)よく分からない」と答えていた。他方で、「ビール瓶で殴られ頭が割れている」と煽っている「怪」がある。
 貴ノ岩の初日からの休場に関して、本場所2日前に提出すべき診断書が本場所2日目に遅れて提出された。同診断書を作成した医師は、その後の協会側の調査に「初日から相撲を取ることに支障はなかった」と回答している。
 11.3日、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)が貴乃花、伊勢ケ浜両親方に電話で聴取ヒアリングをした。この際には2人とも事実関係について「分からない」と答え、詳細な情報が得られなかった。貴乃花親方は「転倒してけがをした。(状況は)分からない」、「暴行を受けたかわからない。階段から落ちたと聞いた」とした上で、弁護士に相談している旨をうかがわせている。
 11.14日、貴乃花親方が評論家を務めるスポーツニッポンのスクープで事件が発覚、公然化し、日馬富士のビール瓶殴打事件として一斉報道された。このタイミングはわざわざ本場所中に事件化させることを狙っているように思える。
10  11.14日、貴乃花親方はこの日の協会による事情聴取の席上で「(第三者を)立てなきゃいけないようになるかもしれない」と、代理人を立てた法的措置を視野に入れた発言をしたとされる。貴乃花親方が事件を大きくしようとしていることが分かる。
 ベテラン記者はこういう。「加えて、現在の貴乃花のブレーンとみられているのが北の湖・前理事長(故人)の時代に顧問として相撲協会の事務を取り仕切ってきた人物だ。この元顧問は、八角体制になってから協会を追い出され、不当解雇だとして協会と裁判で争っている最中だ。現在の執行部と対立する元顧問からすれば、復権するには貴乃花理事長体制を誕生させるしかなく、これが最後のチャンスとみているはずだ。もともと、協会の会計なども管理していた人物だから、どんな“金銭スキャンダル爆弾”が飛び出してもおかしくない」(週刊ポスト2017年12月8日号)。

【事件の伏線考その1、貴ノ岩による同じモンゴル人力士殴打事件】
 大相撲の横綱・日馬富士(33歳、伊勢ケ浜)に暴行を受けた前頭8枚目・貴ノ岩(27歳、貴乃花)の同じモンゴル人力士殴打事件が発生している。関係者によると、日馬富士は貴ノ岩の乱暴なふるまいに立腹しており、10月25日に鳥取市内で暴行に及んだ要因の一つになっているという。後輩への説教のつもりが度を越し、日本中を騒がせる横綱による暴力事件につながった可能性がある。被害者である貴ノ岩も暴力を振るっていた。

 関係者によると事件が起きたのは2017年の夏巡業中で、殴られたのは別の部屋の幕下以下の力士。宿舎の風呂場の湯が出なかったため、貴ノ岩は確認を命じたが、報告が十分に伝わらずに激高。顔面を数発殴り膝蹴りしたという。この場面を多くの力士が目撃している。暴力行為は許されることではないが、殴った相手が同郷の先輩後輩の間柄の関取ということで、大事にせず被害届など表立った行動は起こすつもりはないと言う。その後、この件が白鵬、日馬富士に伝わり、今回の日馬富士の暴行事件に繋がっている可能性がある。後輩の貴ノ岩の態度を許せないと判断した横綱の“制裁”の意味もあったことになる。
 2017年、夏巡業の際、貴ノ岩が宿舎で暴行事件を起こしている。その日の巡業が終わり風呂に入っていたが、その際風呂のお湯が出ないことがあった。この時貴ノ岩が確認させに行かせたのですが、結局お湯が出ることはなくその事に激怒…。貴ノ岩はその怒りを後輩モンゴル人にぶつけていたそうで、顔面を蹴ったり膝蹴りなどの暴行を加えたそうです。しかしこの時の暴行を加えたのは貴乃花部屋の力士ではなく、他の部屋の力士だった事で、あまり騒ぎになることがなく貴乃花親方の耳に入らなかった。この時貴ノ岩が暴力を振るっていたモンゴル人力士は、同郷の先輩と後輩ということで暴行される事に…。そうなると当然同じモンゴル出身のあの人達の耳にも入る事に…。貴ノ岩が暴行していたことは当然のように横綱白鵬や日馬富士、他の力士の耳にも入る事になった。このような行いを知った日馬富士は貴ノ岩に対して当然いい気はしなかったと思いますよね。

【事件の伏線考その2、東京・墨田区の錦糸町のバーでの説教事件】
 2017.9月下旬、秋場所後、東京・墨田区の錦糸町のバーで貴ノ岩が元幕内の先輩力士らと口論になるトラブルがあった。この日、酒に酔った貴ノ岩はモンゴル出身の若い衆を説教していた。声を荒らげるなどヒートアップしたため、同席していたモンゴル出身の元幕内力士、元十両力士(いずれも現在は引退)らが「ほかにお客さんもいる。力士が大声出したら怖がられるからやめなさい」などとなだめようとした。しかし、貴ノ岩はおさまらず、モンゴルから来日した白鵬の友人もいる中「俺は白鵬に勝った」、「あなたたちの時代は終わった」、「これからは俺たちの時代」などと言い、口論になった。同席していた元幕内力士は「注意したつもりが、貴ノ岩はでかい声で返してきた。横綱の友人もいたのに…」と振り返る。白鵬を否定されたように受け止めた白鵬と懇意にしている友人は、気を悪くしていたという。後日、同席者によって、事情は白鵬に伝わった。 

 貴ノ岩は、大相撲の元小結・旭鷲山との電話で、「錦糸町では一切、しゃべっていない。勝ったからうれしくて頑張らないといけないという話しをした」と説明したという。

【事件発生考/一次会】
 10.25日、貴の岩の母校の鳥取城北高校の「石浦校長先生が主催した会」があり、鳥取市内での会食に「行かなくちゃいけない。恩師の誘いだから行った」と説明している。その会合に日馬富士、白鵬、鶴竜の3横綱がいたが、A氏が「その時に何か小言を言われる予感はしたか」と聞いたら「しました」と明かしていたという。
 10.25日夜、鳥取城北高校の関係者が秋巡業に参加していた卒業生の力士を激励するための食事会を鳥取市内にある現役の幕内力士・石浦の父親が経営するちゃんこ鍋屋「ちゃんこ石浦」で開いた。白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、貴ノ岩、石浦のほか高校の関係者も参加し、モンゴル出身者だけの集まりではなかった。

 「石浦関は鳥取城北高校相撲部の石浦外喜義(いしうら・ときよし)監督の長男として生まれ、幼少期から相撲をしていた。母も同校の養護教員です。外喜義氏は現在、相撲部総監督であり校長でもある。同校出身の幕内力士は、元大関の琴光喜のほか、現役では石浦、逸ノ城、照ノ富士、そして貴ノ岩がいるなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。同校の相撲部寮は石浦監督の自宅にあり、その1階が『ちゃんこ石浦』になっているという。

 3時間ほど続いた
一次会の終わり頃、白鵬が貴ノ岩に対して、9月場所中に東京・錦糸町のモンゴルバーで貴ノ岩が白鵬の友人に対して発した言葉について、「大分えらそうだったそうじゃないか。これからは俺たちの時代だと言ったそうじゃないか」と、咎めた。貴ノ岩は、「そんなことは言ってません」などと答えていた。二人の話に割って入り、白鵬に対して「言っていないと言っているじゃないですか」と、貴ノ岩をかばうように反論。貴ノ岩に対しては「お前、そんなこと言っていないんだろ。俺の目を見て言ってみろ」などと問いただした。貴ノ岩が「言っていない」と答えると、日馬富士は白鵬に対し、「言っていないということなので、もういいでしょう」と説得してその場を収めた。日馬富士が貴ノ岩をかばったことにより、両横綱の間で険悪な雰囲気が漂った。貴ノ岩は両親を亡くし、日馬富士も父親を亡くしており、日馬富士は境遇が似ている貴ノ岩を日頃から可愛がって相談に乗ったり食事に誘ったりしていた。一次会では、日馬富士は白鵬の攻撃から貴ノ岩を守っていたことになる。

【事件発生考/二次会で事件発生】
 盛り上がってもう1軒となった。高校関係者側が企画して横綱たちを誘って行われた。二次会を開くことは事前には決まっていなくて、一次会に参加した者のほとんどが二次会に参加した。が、鳥取市にはクラブはないし、大勢入れる場所がなく、後援者が紹介した居酒屋のような店に行った(同席した関係者)。現場となった飲食店は、JR鳥取駅近くにある繁華街の雑居ビル(6階建て)の4階の高級ラウンジ。夜の2時前後、モンゴル力士らの10人前後の一行が店に入った。店内にはカウンター席と個室がある。個室に入ったのはモンゴル出身横綱の白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱、日馬富士関と同じ伊勢ケ浜部屋の照ノ富士、貴乃花部屋の貴ノ岩、日本出身力士の十両・石浦関(27、宮城野部屋、同市鳥取城北高の相撲部出身で横綱・白鵬関と同じ部屋に所属)、石浦関後援者、地元相撲関係者2人(日本人とモンゴル人が1人ずつ)が同席していた。個室の外では関取衆の付け人が飲食し、女性店員が接客していたという。

 みんなかなり出来上がっていたが、白鵬関が、「これからも飲むぞ」と言い、ご機嫌に飲み直し始めた。食事はおつまみ程度でシャンパン、ビール、焼酎などを飲んだ。白鵬が一番上座に座って、日馬富士がその隣。それに照ノ富士、貴ノ岩という順番だった。最初はバカ話を交えた四方山話しをしていた。白鵬が、「俺は優勝50回を狙おうかな」と笑顔で語り、横にいた鶴竜が「俺は来場所苦しいかも…」と自虐的な発言をする等、和やかな雰囲気だった。

 白鵬が、貴ノ岩と照ノ富士の二人に対して、「礼儀をちゃんとしなきゃダメじゃないか。ここは日本、相撲は礼儀が大事」、「お前たちがこうして相撲を取って生活していけるのも、ここにいる(鳥取城北高校の)先生方のお蔭だ。その恩を忘れずに、社会人としてきちんと生活をしていきなさい」等々説教し始め、二人とも「はい」と聞いていた。日馬富士が、「先輩に対する礼儀がなっていない」として、先輩力士への口の利き方などをあらためるように言い聞かせ始めた。この間、白鵬が、貴ノ岩の9月の錦糸町での出来事、言動を口にし、「俺たちの時代は終わったって?」、「そういうことをいったのか」と問い詰めている。貴ノ岩は「そんなつもりでは」と答え誤解だと釈明している。

 白鵬の説教が続いていた時、貴ノ岩のスマートフォンが鳴り、話が一段落した時を見図ってテーブルの下でスマートフォンでメールをいじり始めた。これ見て、日馬富士が、「誰からだ?」と聞くと、貴ノ岩は「彼女からです」と苦笑いを浮かべながら答えた。日馬富士はその答えを聞くや、「な、なんだと。お前、大横綱が真剣に話をしている時に何をしているんだ!」と激高し、立ち上がって平手で貴ノ岩の顔面を殴った。「謝れ」と催促したところ貴ノ岩が謝罪せず逆に睨み返した。

 日馬富士が興奮し、「オラッ、コノヤローー」と発して再度立ち上がり、「なぜ、こんな態度をとるんだ。お前のことをさっきは守ってやったじゃないか。お前は横綱をなめているのか」、「お前は何様なんだ」、「お前は分かっていない」などと言いながら殴打し始めた。ビール瓶(シャンパンのボトル)を持って殴ろうとした瞬間に瓶が手から滑り落ちた為、その後はカラオケのリモコンや素手で頭を数回断続的に殴った。馬乗りになったことはない。白鵬が「物を持って殴るのは止めろ」と声をかけ制したが日馬富士の勢いが止まらず、素手とカラオケのリモコンで合計で十数発ほど頭を殴った。 

 日馬富士は警察の聴取に対し、素手、カラオケのリモコンなどで殴った暴行を認めた上で、「ビール瓶では殴っていない。馬乗りの事実はない」、「止めに入った年下の照ノ富士が止めに入るが聞かず、『止めろ』と下の者に命じていた白鵬が立ち上がって制止しようとしたが、日馬富士は『うるさいよ』などと手を振り払い、さらに貴ノ岩を殴ろうとした。何人もが止めに入り、2人を分けてようやく収まった」と説明したという。ビール瓶についてはどうやら「話に尾鰭がつき過ぎ」のようである。横綱・白鵬関は、「殴ったのはビール瓶ではない」、「ビール瓶を持ったものの、手から滑り落ちた」、「すぐに止めに入って(日馬富士関を)部屋から連れ出した」と証言している。

 モンゴル出身で元小結旭鷲山のダバー・バトバヤル氏の11.23日付けフェイスブックで、暴行問題について貴ノ岩から直接電話で聞いたとする内容がアップされ、「灰皿やカラオケのリモコンなどで40~50発殴られた。翌日病院へ行き、頭を縫いました。床山さんもうまく結えなかった」、「片方の耳が痛くて、頭も痛くなった。親方が怖くて秘密にしようと思ったが、親方に知られてしまい、親方が被害届を出した」などと話したという。 

 12.21日付スポーツ報知が、照ノ富士も元日馬富士によって暴行されていたと報道している。「稽古に気合が入っていない」と正座させられ、「何か言いたいことがあるか」と怒られ、「壁があるので言えません」と答えると、「おまえたちが壁を作っているんだ」と激怒し、素手で1、2回、叩かれたと云う。照ノ富士に対する暴行につき、貴乃花親方が協会に提出した報告書では「日馬富士は先に(同部屋の)照ノ富士を殴り、その後、貴ノ岩を殴った」と主張している。
 日馬富士の殴打事件の発端につき、「貴ノ岩の『もうあなたたちの時代ではない。これからは自分たちが…』という発言が端緒となった」とする書き込みがある。真偽は不明。アイスピックに関しては真反対の証言が出ている。一つは、「日馬富士がアイスピックを持って貴ノ岩を制した」。もう一つは、「貴ノ岩がアイスピックを持って対抗した」。
(私論.私見) アイスピックの怪
 アイスピック事件の事の次第を解明したいが追及できていない。れんだいこは、後者の説を推理している。なぜなら、後者の説は貴ノ岩―貴乃花側に不利であり、不利であるが故に貴乃花側に加担するマスコミの追及が為されようとしていないと読み解くからである。

 こういう類の次のような煽り、捏造記事もある。
 概要「テーブルや床にビール瓶やシャンパン瓶、皿が散乱するなど店は騒然としていた。貴ノ岩は頭から血を流しており憤慨した様子だった。店内でガラスが割れるような音に驚いた店関係者が事情を聴こうと部屋に行くと、貴ノ岩が血を流して倒れ、おしぼりで止血されていた」。
 概要「日馬富士は“何シカトしてるんだ”とモンゴル語で怒り、まずカラオケのマイクを貴ノ岩に投げつけた。ドスのきいた声で“オーイ!”と言いながら、さらに氷やマドラー、カラオケのリモコンを“オーイ!”と言いながらすごい勢いで投げつけた。日馬富士の口から相手を侮辱する最悪の言葉が出た。彼は何度も“ビスタ!”(モンゴル語で女性器のことで、“女のアソコでも舐めとけクソ野郎!”といった意味)と言って貴ノ岩を罵った。そのうちに日馬富士は身を乗り出して、相撲界で“クラワシ”と呼ばれる制裁方法で貴ノ岩のおでこを拳で力一杯何度も殴り始めた。当初はすみませんとやられるに任せていた貴ノ岩も耐え切れずにモンゴル語でこういった。『こんなことやってる場合じゃないですよ。だからモンゴル人力士はダメだって言われる。こんな下らないことはオレたちの時代で止めますから』。日馬富士の怒りにさらに火が付き、焼酎魔王の瓶を掴んで殴りかかろうとしたのを白鵬が制止し、外に連れ出した。戻ってきた日馬富士に貴ノ岩が謝り、日馬富士も、オレもやり過ぎだな、悪かったと謝って、皆で乾杯し直して、再び和気あいあいと飲み始めた」。

【事件発生考/事件その後】
 白鵬が日馬富士の手を押さえるなどして止め二人を引き離し暴行は止まった。日馬富士は日本酒を飲んでいたが、泥酔状態ではなく、記憶ははっきりしていると云う。この間、「横綱・白鵬の制止を振り切り、制御不能だった」、「日馬富士は止めに入った白鵬をも突き飛ばし、鶴竜には『おまえがしっかり指導しないからだ』と怒鳴った」、「竜関が自分の指導が悪かったからちゃんとさせますから、と謝ってくれて終わった」の記事もある。白鵬によると、酔いのさめた日馬富士は冷静になり、貴ノ岩に謝罪。両者は表面上、和解したという。次のように証言されている。 
 「やられた貴ノ岩は相当怒っていて、『くそ、痛えよ』、『訴えてやる』などと断片的に日馬富士に言っていた。白鵬が間に割って入って日馬富士を引き離した」。
 場が落ち着いた頃、元横綱は貴ノ岩関に「やり過ぎた」と謝罪。しかし、貴ノ岩が傷口をタオルなどで押さえながら宿舎へ帰った後、元横綱は白鵬や鶴竜ら数人とともにラーメンを食べに行ったと云う。
 真偽不明の「横綱・日馬富士の暴行事件で、スクープ証言」。

 今回の事件現場となった鳥取市の飲食店を出たあと、 酒に酔い、別の店に向かう日馬富士に声をかけられたと云う女性の証言。暴行事件の直後にあたる10月26日午前2時半頃、事件現場となった飲食店近くを自転車で通行した際、突然、日馬富士や白鵬、相撲関係者らのグループに声をかけられた。「(日馬富士から)自転車に乗らせてほしいと言われた。乗られたんだけど、ちょっとしたら横にこけた」、「草履も脱げていたから、草履を持って近くに寄った時に振り向きざまに『あなたのせいですからね』みたいに言われて」云々。日馬富士は女性の自転車に乗って悪ふざけをしていたと云う。「『あなたが乗っていいと言ったから、あなたのせいですからね』と言われて。お弟子さんからも『あなたのせいですよ』と言われて」、「ベロベロといっても、訳がわからないとかではなく、酔っているのは酔っているけどご機嫌な酔いだった」などと話した。女性の見た様子では、貴の岩殴打事件を特に反省しているようには見受けられず、酔っぱらっていたという。貴ノ岩がその場にいたがどうかについては覚えていないとしながらも、白鵬など関係者がいたと証言している。 FNNの取材に対し、捜査関係者は「女性の証言について傷害の立件に関わる話ではないので くわしくは言えないが、横綱の品格の問題ではないか」と話している。
 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00377606.html
 大相撲の横綱・日馬富士が平幕の貴ノ岩に暴行した問題について、モンゴルにいる貴ノ岩の兄ルブサン・アディヤが次のように証言している。「(貴ノ岩からは暴行の2日後の(10月)29日から30日あたりに連絡があったとしたうえで、)弟はビール瓶で殴られたうえ、素手でも30回か、それ以上殴られた」、「宴会の席で日馬富士が弟に対して怒っていたときに、弟が携帯電話を触ったため殴られた。弟は親方には2日間隠していたが、痛くて親方に事情を説明した」、「自分に落ち度、非がないのに暴行を受けたと声を震わせながら話した」、と述べている。「(日馬富士について)横綱なのだから自分がやったことに責任を持つべきだ。モンゴル人なのに自分がやったことを正直に話していない」。

 貴ノ岩の入院後の証言として、「(貴ノ岩のけがについては)10カ所縫って、右耳が炎症していて脳振とうで入院中と連絡を受けました」とし、入院するよう勧めたのが貴ノ岩の師匠である貴乃花親方であることも明かした。親方も事態を重く受け止めており、「(親方から)最後まで戦う気持ちでいきますと言われているそうです」と証言した。
 ■日馬富士公平(はるまふじ・こうへい、本名ダワーニャム・ビャンバドルジ) 

 1984年4月14日、モンゴル・ウランバートル生まれた。実際に生まれ育ったところはウランバートル市内であるが、取組前の場内アナウンスでは実父レグジーブーギーン・ダワーニャム(モンゴル語版)の出身地であるゴビ・アルタイ県を自身の出身地としている。

 
伊勢ケ浜部屋(入門時は安治川部屋)。身長185(186)センチ、体重129(137)キロ。血液型O型。金星1個。三賞10回。得意手は突っ張り、右四つ、寄り、押し出し。インタビューの際の口癖は「お客さんを喜ばせる激しい相撲をとりたい」。好きな言葉は「全身全霊」「なんでやねん」。締め込みの色は、2017年現在は黒。趣味は水彩画。

 2001年初場所初土俵。2004年春場所で新十両、同年の九州場所新入幕。2008.11月場所までの四股名は安馬公平(あま こうへい)。「公平」の名は、自身が「日本の父」と慕う後援会長の小巻公平にちなんだ。愛称はアマ。2009年初場所に大関、2012.11月、秋場所後にに第70代横綱。優勝9回。2014年4月から法政大学大学院政策創造研究科に入学し、史上初の大学院生横綱となった。日馬富士は9月の先場所(秋場所)で4敗を喫しながら、3横綱2大関が休場する異常事態にも助けられ、大関・豪栄道との優勝決定戦の末、7場所ぶり9回目の優勝を飾っている。とはいえ、今年は1月の初場所で右太もも肉離れを発症し7日目から休場したのをはじめ、古傷の左肘痛にも苦しみ満身創痍。
 ■貴ノ岩義司(27歳、たかのいわ・よしもり=本名アディヤギーン・バーサンドルジ)

 モンゴル・ウランバートル出身。8歳で母親を心臓病で失っており、16歳の時に日本に相撲留学したがその3ヶ月後に父親を肝臓癌で失うという悲しい少年時代を送っている。少年時代に横綱・貴乃花を見て憧れ角界入りを目指した。モンゴルの選抜テストで合格。16歳で鳥取城北高校に相撲留学。2007年に国体で少年の部個人でベスト4に入賞。2008年には世界ジュニア選手権で準優勝。2008年11月、貴乃花に憧れ同部屋へ入門し、貴乃花部屋初のモンゴル出身力士となった。歌手、美輪明宏が「岩のようですね」と印象を語ったことでしこ名が決まった。2009年、初場所初土俵。部屋で初となる三段目優勝を飾る。2012年、22歳の時、5月場所後十両に昇進。部屋で初の関取となった。身長181センチ、体重148キロ。最高位は西前頭2枚目。次のように評されている。 部屋ではほかに幕内には貴景勝、十両に貴源治ら多くの弟子を抱えている。
 「貴乃花部屋で、幕内にいるのは現在2人だけ。関東高等学校相撲選手権で2連覇した貴景勝とモンゴル出身の貴ノ岩の2人。ほかにも、学生出身は幕下34枚目の貴健斗がいますが、貴ノ岩が期待の星だった」(貴乃花部屋の元力士)。

【貴ノ岩が鳥取市内の病院で応急処置を受ける】
 貴ノ岩は、暴行された直後の26日未明、関係者に連れられ夜間の救急窓口がある鳥取市内の病院で応急処置を受けている。
(私論.私見)
 この時の病院、手当てした医師の証言が出てこない。あまりにも不自然で奇怪である。

【鳥取県警が年内にも日馬富士を書類送検する方針を固める】
 「日馬富士 起訴か不起訴の分岐点は…犯行の悪質性が重要 「行列」北村弁護士に聞く 」参照。 

 横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に暴行し負傷させた問題で、鳥取県警は年内にも日馬富士を身柄を拘束した送検ではなく、書類送検との方針を固めた。これは日馬富士が逃亡する可能性も証拠を隠滅する可能性もないと県警が判断したとみられる。本件で証拠隠滅とは「例えば貴ノ岩に働きかけて自身に有利な証言をさせること」と北村弁護士。貴ノ岩は師匠貴乃花の庇護下にあり、この点について県警は問題ないとの判断をしたとみられる。送検されれば、その後は起訴か不起訴かが焦点になる。起訴となると横綱が被告として法廷に立つという異例の事態もありうる。

 傷害事件が不起訴となるためには一般的にどういうことが必要なのか。「一番大切なこと」として(1)示談の成立と(2)ケガの程度、次に(3)治療費や慰謝料を支払って被害弁償がなされているか、(4)社会的制裁を受けているか、(5)十分に反省しているか-と5項目をあげた。これらが伴わず、また貴ノ岩の「被害感情」が強ければ検察が不起訴にすることは難しい。さらに、日馬富士が暴行に及んだ動機や、犯行態様、すなわち平手だったのかビール瓶を用いて暴行に及んだのかという点も考慮される。これらは「犯行の悪質性」につながり、「悪質性が高いか否か」は起訴か不起訴の重要なポイントになる。起訴されれば略式起訴か公判請求となる。前者は簡易裁判所が公判を開くことなく、検察官が提出した資料に基づいて罰金を科す。後者は検察官が裁判所に対し公開法廷で裁判を請求すること。その場合には、日馬富士は被告として出廷を求められることになる。傷害罪は刑法204条によって「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する」と規定されている。


事件後の経緯

【その日の朝稽古で、日馬富士と貴ノ岩が和解】
 事件があった翌日の鳥取巡業で日馬富士と貴ノ岩が握手をしており、それを「見ている力士もいます」。白鵬「2人は次の日に握手を交わして、納得していた。こんなことになるとは思わなかった」と話した。貴ノ岩は貴乃花親方に「転んだ」と報告している。

【その日の朝稽古での貴ノ岩の様子】
 10.26日、貴ノ岩は26日以降も鳥取市内の鳥取県民体育館で行われた秋巡業に参加し取組を普通通りにこなしている。その表情も至って普通の様子が映像にされている。当日の稽古などを見守った玉ノ井親方は「(暴行は)全く知らなかった」とし、頭部や顔面の外傷は見受けられなかったと説明している。この時の「顔などにケガ傷がない映像」が公開されている。

 福岡入り後も田川市の宿舎で稽古している。協会では29日の広島・福山巡業まで貴ノ岩が帯同していることを確認している。日馬富士と稽古の土俵下で話し込む姿があったという目撃情報もある。

 次の証言がある。

 貴乃花親方も貴ノ岩もいなかったが、部屋付きの音羽山親方(元前頭光法)のもと、幕内貴景勝、十両貴源治らが稽古していた。地元市民も数人、稽古見学していた。いたって平穏で、常に報道陣に取り囲まれている今とは違い、取材で訪れていたのは1人だった。
証言(1) 「昨日(11月13日)まで貴ノ岩関は普通に稽古していますよ。昨日もおとといも、毎日です」。
証言(2) 「そこ(部屋宿舎)でまだ寝ていて、今も起こそうとしたのですが、まったく起きずに熟睡しています。いつも起こす役割の人間が早い時間から取組で出かけてしまったので、まだ寝ているだけだと思います。すみません」。
証言(3)  「まだ頭からぶつかることはできませんが元気そうで、そのうち場所も出られると思います」。
 日馬富士の暴行疑惑翌日、貴ノ岩が巡業で笑顔を見せる写真が凄すぎると話題に(画像あり)」によると、10月26日の鳥取巡業後の宴席で大怪我を負った貴ノ岩が、翌日以降も巡業に参加しており、その時の朝稽古の様子の映像がTwitterを中心にアップされている。その表情は至って普通。頭蓋底骨折している力士とは思えない明るい表情がみられる。
(私論.私見)
 この映像に対し、ネット上に「真相は分からないが、酒の席でのイザコザを土俵に持ち込まないプロ意識が凄い」、「重傷負ってるのに凄い精神力だな」、「これから貴ノ岩応援したい」などの応援コメントが多く寄せられていると云う。それはヤラセ書き込みだろう。「大怪我を負っていない」証拠として受け取るのが普通だろう。

【貴ノ岩が電話で旭鷲山に語っている内容】
 貴ノ岩は、旭鷲山との電話で、「ケガは午前1時過ぎていたんで次の朝、病院に行ったら傷口を止めて、頭が腫れてきた」。「(26日の鳥取巡業で貴ノ岩は取組に出場したため、旭鷲山氏が「なんで相撲取ったのか」と聞くと、)(ケガがあったため)床山さんが大銀杏結えないよと言われて。何とか時間をかけて髷を結って一応相撲を取れるようになった」と説明している。

【最初の診断書】
 10.26日、事件当日、病院で治療。その2日後の10.28日、広島で診断書を作成。10.29日、警察に提出された。これが「1通目の診断書」で、「脳震盪、左前頭部裂傷、右外耳道炎」と書かれている。相撲協会に提出された「2通目の診断書」に記載されている「右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」は書かれていない。「その診断書には“頭部割損”と書かれている」との記事もあり、東京女子医科大学・清水俊彦客員教授によると「“頭部割損”とはすり傷のこと。傷は大きくても2センチ、軽傷だったため巡業に参加できたのでは」とコメントしている。

 貴ノ岩は、貴乃花親方に、「照ノ富士と飲みすぎて、階段から転げ落ちて頭を打った」とウソの報告をしている。「事件の二日後、貴乃花親方の耳に、暴行の情報が入ってきた。そこで『日馬富士に殴られたのに何で黙ってたか?』と問い詰めると、貴ノ岩が当日の様子を説明した」と云う。


【伊勢ケ濱部屋の関係者が貴乃花部屋へ謝罪の電話】
 10.27日、伊勢ケ濱部屋の関係者が貴乃花部屋へ謝罪の電話を入れている。その際、先方から「病院へ行きましたが大したことはありませんでした」という返答があったと云う。

【貴乃花親方が、鳥取県警へ診断書と被害届を提出】
 10.29日、秋巡業最終日となる福山巡業のこの日、貴乃花親方が、相撲協会に相談することなく再び鳥取へ戻り、鳥取県警へ病院で作成された診断書と被害届を提出した。診断書の記載内容は「脳震盪、左前頭部裂傷、右外耳道炎」とある。この時の診断書には骨折の記載がなく、本場所前に相撲を取れる状態だったとされる。その貴ノ岩がぜ休場することになる。

 捜査は、「暴行」ではなく、罪に問われれば15年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められる「傷害」容疑で進められることになった。鳥取県警は現場となった飲食店など関係者の事情聴取を開始。暴行に至った事実関係を調べ、日馬富士本人や横綱白鵬ら当日の宴席参加者らからも事情を聴くとみられる。

 貴乃花親方は鳥取県警に被害届を提出しながら協会には報告していない。巡業部長の職責に於いて怪となっている。この「貴乃花親方の事件の協会無報告、警察届出」 につき次のように批判されている。
 「普通、トラブルがあったら協会に説明するのが筋。それを貴乃花親方は自身が評論家を務めているスポーツ紙が報道するまで当たり障りのないことしか言わず、いきなり警察に被害届まで提出している。これに多くの親方衆が『順序が逆だろう!』と怒っている。巡業中のトラブルだけに、巡業部長としての責任も問われる」。

 11.22日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜・前8時)で、理事の選任、解任に大きな権限を持つ相撲協会の評議委員会の池坊保子議長(75)が次のように批判している。
 「(今回の事件で貴乃花親方が協会に報告せず警察へ被害届を提出したことにつき、)定款の中にきちんと何か会った場合は上司に報告する義務があると書かれている。定款というのは組織の法律ですから、法律は守って頂いた方がいいんじゃないかなと思っています」。
 「(沈黙を守り続けるなど事件後の貴乃花親方の対応につき、)分かりかねるところもありますし、定款に沿ったことをしていただいた方がいいんじゃないかなと思います」。
 「(議長の立場として貴乃花親方の理事解任の可能性を聞かれ、)時期尚早。不可解ではあるけれど、不可解である事実を冷静に受け止めていつも公正公平でなければいけないと思っています」。

【日馬富士のその後
 11.30日、日馬富士が、新番付発表記者会見で、「お客さんに感動と喜びを与えられたら」と抱負を述べている。翌日は福岡県庁などを表敬訪問。各所で横綱土俵入りを披露しながら初日へ向かった。

【貴乃花親方と貴ノ岩のその後、田川市長表敬訪問
 11.2日、貴乃花部屋の貴乃花親方と貴景勝、貴ノ岩の幕内力士2人のほか後援会メンバーの計12人が田川市の二場市長を表敬訪問した。同部屋は、親方の父の故・二子山親方(初代貴ノ花)が同市川宮の「相撲茶屋貴ノ花」の先代社長と親しかった縁で、2011年から市内に宿舎を置いている。二場市長は「今年は2人の幕内力士がいる。年々、関取が増えて大きな部屋になり、うれしく思う」と激励。貴乃花親方は「勝ち越しで満足してては、田川の人に喜んでもらえない。幕内力士2人には(白星)2桁目標くらいの気持ちで挑んでほしい」と語った。貴ノ岩は「2桁勝利を目指します。頑張ります」と話している。田川市の風治八幡宮を参拝し、貴ノ岩は九州場所での必勝祈願をしている。この頃、ツイッターなどで貴ノ岩が稽古する姿もアップされている。

【協会が事件を鳥取警察から知らされる
 11.2日、危機管理委員会部長の鏡山親方(元関脇多賀竜)によると、警察から連絡があり被害届の事実を知る。

「横綱会」が福岡市内の料亭で3年ぶりに開かれる

【協会の対応
 11.3日、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)が貴乃花、伊勢ケ浜両親方に電話で聴取ヒアリングをした。この際には2人とも事実関係について「分からない」と答え、詳細な情報が得られなかった。両師匠が電話での聴取に「分からない」と答えたこともあり「何もなかったんだ、というのが我々の認識だった」(春日野広報部長)という。貴乃花親方は「暴行を受けたかどうかは分からない。階段から落ちて転倒してけがをしたと聞いた。(状況は)分からない」とした上で、弁護士に相談している旨をうかがわせたという。

貴乃花親方が水面下の示談交渉を断り事件化する
 ※週刊ポスト2017年12月1日号参照。

 若手親方の一人は、事件当事者の師匠である伊勢ヶ濱親方と貴乃花親方間で秘密裏に“示談交渉”があったと証言している。「伊勢ヶ濱親方から貴乃花親方には、金銭による示談が持ちかけられたそうですが、貴乃花親方が断固として拒否した。一方、被害届を出された鳥取県警としても、現役の横綱を傷害容疑で捜査するわけですから、“捜査を始めてから示談になった”では困る。だから示談になるかを繰り返し協会に確認したといいますが、貴乃花親方は“取り下げるつもりはない”という考えを曲げなかった」。貴乃花親方は水面下での“手打ち”に応じず、断固闘う姿勢を見せた。示談交渉が不調に終わるのと並行するタイミングで貴ノ岩は入院し、診断書が出された。そして、本場所が始まってからのタイミングで事件が表沙汰になった。


貴ノ岩が福岡市内の病院に入院
 11.5-9日、貴ノ岩が福岡市内の病院に入院した。

 暴行から入院までの時間差について、杏林大医学部の山口芳裕教授(救急医学)は、「頭蓋底骨折は、よほどひどい場合を除けば後から気付くこともある」と指摘する。当初はけがの痛みなどで気がつかないが、2~3週間たってから頭痛や嗅覚の違和感など脳神経に伴う症状が出て受診することもあるという。 

貴ノ岩の入院に緘口令が敷かれる
 11.5日、福岡県田川市の石炭記念公園で地元イベント「田川チビッコ相撲大会」が開かれ、貴乃花部屋の面々が集まっていた。貴乃花親方や21歳の部屋頭・貴景勝(前頭1)をはじめ部屋の関係者がこぞって参加していた。但し、前頭8枚目・貴ノ岩の姿だけがなかった。現地では記者に対し、場所前の親睦イベントであるにもかかわらず、部屋の力士たちへの個別取材禁止が伝えられた。実は、この日から、貴ノ岩は福岡市内の病院に極秘入院していた。貴乃花部屋では箝口令が敷かれ、その事実はひたすらに伏せられた。

貴乃花親方が被害届を協会に提出
 11.9日、貴乃花親方が被害届を協会に提出している。

【貴ノ岩が11月場所休場と発表
 11.10日、取組編成会議が開かれ貴ノ岩が11月場所を全休場すると発表した。

協会が臨時理事会を招集
 11.11日、初日前日、臨時理事会を招集し席上、伊勢ケ浜親方が貴乃花親方に謝罪した。貴乃花は表情を変えず無視していた。暴行についての議論は上がらなかったという。暴行が明らかになりながら一部報道を受けての公表となった。 

九州場所が始まる
 11.12日、11月場所(福岡場所、九州場所とも云う)が始まる。

【貴乃花親方が日本相撲協会に貴ノ岩の診断書を提出
 11.13日、福岡場所2日目、貴乃花親方が日本相撲協会に11.9日付けの診断書を提出した。貴ノ岩の初日からの休場に関しては、本場所2日前に提出すべき診断書が本場所2日目まで遅れたことになる。

 診断書は、秋巡業中の10月26日受傷、「1脳しんとう、2前頭部裂傷、3右外耳道炎、4右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」、「全治2週間程度の見込み」と記している。最初の診断書の「脳震盪、左前頭部裂傷、右外耳道炎」に「右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」が追加されている。後に判明するが「かなり盛った診断書」になっている。後日、同診断書を作成した医師(宮城知也医師)は、その後の協会側の調査に「初日から相撲を取ることに支障はなかった」との回答をしている。この日、貴乃花親方は、「本人の体調が悪い、ビール瓶で殴られて頭が割れている、相撲を取れる状態ではない」と話している。

 東京慈恵医大の武田聡教授(救急医学)は「脳振盪を起こしているということは一回は意識をなくしている。骨折もあり、強い衝撃が伝わったのだろう」と説明している。右中頭蓋底骨折は右耳の周辺を殴られて起きたと考えられる。協会の発表では「全治2週間程度」だったが、骨がくっつくには1カ月ほどかかり、けがをした直後なら全治1カ月程度の重傷と診断された可能性が高いという。


【日馬富士が3日目から九州場所を休場
 11.14日、3日目、横綱・日馬富士が前頭・貴ノ岩への暴行を認め謝罪、左腕などのけがを理由に3日目から九州場所を休場した。
 暴行問題発覚の朝、貴ノ岩は…驚きの新証言」によれば、11.14日、田川市にある貴乃花部屋の朝稽古は普通は午前6時頃に終わるが、その日は同7時半ごろまで行われた。この時点ですでに一部報道で暴行問題が発覚していたが、早朝から稽古していた部屋関係者は、そのことを知らなかった。貴乃花親方も貴ノ岩もいなかったが、部屋付きの音羽山親方(元前頭光法)のもと、幕内貴景勝、十両貴源治らが稽古していた。地元市民も数人、稽古見学していた。いたって平穏で、常に報道陣に取り囲まれている今とは違い、取材で訪れていたのは1人だった。部屋関係者や地元市民に話を聞くと、今では驚きの証言が次々と飛び出した。 証言(1) 「昨日(11月13日)まで貴ノ岩関は普通に稽古していますよ。昨日もおとといも、毎日です」。証言(2) 「そこ(部屋宿舎)でまだ寝ていて、今も起こそうとしたのですが、まったく起きずに熟睡しています。いつも起こす役割の人間が早い時間から取組で出かけてしまったので、まだ寝ているだけだと思います。すみません」。証言(3) 「まだ頭からぶつかることはできませんが元気そうで、そのうち場所も出られると思います」。

 さらに翌日の11月15日の様子として、写真週刊誌にも笑顔の写真が掲載されていた。約1カ月後の現在まで姿を見せないままとは、この時は思ってもいなかった。相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「貴ノ岩の体調が心配」と繰り返す。貴ノ岩の息づかいが聞こえてきそうな問題発覚当初とは違い、部屋関係者も口を閉ざし、元気かどうかさえ分からない状態。出身のモンゴルでも、本格的に安否を気遣う声が出始めているという。捜索という別な側面で、警察が介入する事態にならないことを願うばかりだ。【高田文太】


【日馬富士が謝罪
 11.14日午前8時半頃、日馬富士関が福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋の宿舎の稽古(けいこ)場に姿を現し、普段通りに稽古に汗を流した後に報道陣の取材に応じ、「貴ノ岩のけがについて貴乃花親方、貴乃花部屋後援会関係者の皆様、相撲協会、うちの部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわびします」と神妙な表情で語った。

【八角理事長(元横綱・北勝海)ら協会幹部が緊急会合
 11.14日午前9時40分頃、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が九州場所が開かれている福岡市の福岡国際センターに姿を現した。同10時頃、八角理事長(元横綱・北勝海)ら協会幹部が集まって緊急会合が開かれた。伊勢ケ浜親方は早々に会合を離れて宿舎に戻ると「貴乃花部屋に行く。謝罪とどこまで(のけがの程度)かを聞きに行く」と話し、日馬富士関とともに同県田川市の貴乃花部屋の宿舎に向かった。

【貴乃花親方が評論家を務めるスポーツニッポンのスクープで事件が発覚
 11.14日、貴乃花親方が評論家を務めるスポーツニッポンの「日馬富士がビール瓶で思い切り殴打した」とする事件スクープが報ぜられ、事件が公然化した。日馬富士のビール瓶殴打事件として一斉報道された。

 八角理事長(54、元横綱北勝海)が次のように述べている。「(過去に繰り返された暴行事件の反省に立ち、講習会を開くなど再発防止に努める等)脇を締めてきたつもりだけど残念。ファンの方々には場所中に申し訳ない気持ちでいっぱいです」、「(貴ノ岩は)場所前の稽古にはきちんと出ていたみたい。きのう診断書が出て、そこまで悪かったのかと」。協会は事実関係を調査。日本相撲協会では毎年1回、警視庁関係者らを招き両国国技館で、力士ら全協会員を集めての講習会を開いている。野球賭博や暴行事件などを受け、再発防止には躍起になって取り組んでいる。

 スポーツニッポン新聞のスクープ記事を見せられた日馬富士が漏らした一言は「怖いな」、だった。

【日馬富士酒乱報道
 この頃、「ビール瓶殴打」と並行して「日馬富士酒乱報道」が意図的故意に虚報喧騒された。次のように報じられている。
 概要「日馬富士の酒癖の悪さ、酒乱の前科は有名で度々問題を起こしている。酒の席で大声を出して怒鳴っている日馬富士は珍しくない。銀座とか大阪の北新地でも暴れたことある。何回か後援者が謝ってまわり弁償した。出入り禁止になった店もある。酔うと手が出るといい“被害者”は数多い。若い衆を足蹴(あしげ)にし、たばこを押しつける場面も見られた。江原啓之が、『(暴力行為の)前例もあると聞いているし酒乱と断定していいと思う。こういう人は絶対、飲んじゃいけない。酒を断つしかない』とコメントしている。日馬富士の酒癖(酒乱)は、以前、相撲界追放(引退)を問われた過去がある、朝青龍から注意を受けていたエピソードがあるくらいヤバい。横綱の酒癖は表になっていないだけで何度も問題を起こしている。前名の安馬の時代から酔っては暴れていた。横綱昇進後の初場所中に朝青龍が会いに来ようとしたときは、『祝い酒になってトラブルになる恐れもある』と周囲が止めに入っていたほどである。酒が入って横綱に殴られたという後輩は数知れず。頭にできた傷を『稽古中にやりました』とウソでごまかす若手が何人もいた。『イジメられる弱い奴が悪い』と平然としていたので暴力がエスカレートしていたのでは」。
(私論.私見)
 これが虚報だとしたら虚報責任はどうなるのだろう。

【日馬富士と師匠の伊勢ケ浜親方が貴乃花親方に謝罪に向かうもすれ違いで会えず
 11.14日、福岡県太宰府市での部屋の朝げいこを終えた後、横綱日馬富士が取材陣に対し貴ノ岩への暴行を認め、騒動を詫びる会見をしている。伊勢ケ浜親方は、福岡国際センター内の日本相撲協会で事情を説明している。午前10時半頃、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と横綱日馬富士が神妙な面持ちで、 貴ノ岩が所属する貴乃花部屋の宿舎である福岡県田川市の貴乃花部屋へ向かった。大勢の報道陣が集まる中、車から降りた2人の横とすれ違うようにして貴乃花親方が乗っているとみられる白い車が出ていった。貴乃花親方は2人が敷地内で近寄ってきたのにもかかわらず車から降りず、そのまま外出した。これが為、謝罪がかなわなかった。伊勢ケ浜親方は貴乃花部屋の若い力士に貴ノ岩の所在を尋ねたが、「分からない」と答えられ、どちらにも謝罪することはかなわなかった。日馬富士は無言。伊勢ケ浜親方は「貴乃花親方には連絡はしていなかった。間に合うと思ったが、時間の関係で出て行ったのだろう」と話した。ちなみに、伊勢ケ濱親方(元旭富士)は2016年の理事長選で貴乃花親方に票を入れており、「親方同士で話ができる親しい関係」にあると見られていた。その伊勢ケ濱親方が無視された形になっている。

【貴乃花親方が怪気炎
 11.14日、問題が発覚したこの日、貴乃花親方が協会執行部の事情聴取を受けた。その際の“修羅場”の様子が分かった。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)によると、貴乃花親方は席上、「私も至らないところがあった。但し鳥取県警へ被害届を取り下げるつもりはない。(第三者を)立てなければいけないことになるかも」と法的措置を示唆した。春日野部長は、14日の聴取で同席した日馬富士関の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が貴乃花親方に対し、「悪かった。ただ他の力士もいるから、(訴えるのは)場所後にしてもらえないか」と謝罪したことも明かした。10月29日に鳥取県警に提出されていた被害届に関し、協会とともに取り下げることを願い出た。しかし、貴乃花親方は拒否をし続け、「協会に聴かれても堂々巡りだから、第三者を立てます」と法的手段も辞さない態度を示したという。被害届を撤回して日馬富士側と示談しなければ横綱の引退に発展するケースがあると告げられても「そのつもりはありません」と突っぱね、自身の弟子が被害者とはいえ協会理事が混乱を収めるどころか拡大する言動に終始した。春日野部長は「そんなやりとりが繰り返された」、「売り言葉に買い言葉じゃないけど、そこまで言うことないと感じた」と話した。「訴えるって、俺らに対してか?」と協会すら敵視する姿勢に首をかしげる理事もいた。八角理事長(元横綱北勝海)は相当な怒りを抱いているという。多勢に無勢という状況の貴乃花親方だが、協会幹部は「まともにコミュニケーションを取るのも難しい状況だ」と嘆息するなど協会との溝は深まるばかり。
 「協会側は貴乃花親方の前回の証言と報道された内容が全く異なることを指摘。『転んだだけで被害届を出すのはおかしい。詳細を知っていたなら、なんで報告しなかったのか』と問い詰めた。すると貴乃花親方は突如、逆ギレし、『そんなの……誰かに突き飛ばされて階段から落ちたかもしれないじゃないか!』と怒鳴り返したそうです。どう考えても、貴乃花親方の反論は全く筋が通っていない。『自分も報道を知るまで詳細は知らなかった』と主張したいがための、苦し紛れの言い訳にすぎないと吐き捨てる親方もいます。いずれにしろ、貴乃花親方の奇々怪々の言動に、協会は困惑することしきりです」 。

【貴乃花親方の異様ないでたち
 「品格と言えば、気になるのは貴乃花親方のいでたち。『アウトレイジ』を意識したのかどうかわからないが、レイバンのアビエイタータイプのサングラスをかけ、スーツの上からは大きく広げたストール。これではマフィアか闇社会の人にしか見えない」。

【元横綱3代目若乃花が貴乃花親方擁護発言
 11.14日、元横綱3代目若乃花でタレントの花田虎上(まさる、46、貴乃花親方は花田の実弟)が、自身のFacebookで、横綱・日馬富士による暴行疑惑について次のように記している。
 「19年ぶり日本出身横綱の誕生、17年ぶり4横綱、様々な相撲を取る役者が揃いだしようやくファンも落ち着いて大相撲を応援する事が出来ていたように感じていました。そんな中での今日のニュース」。
 「日馬富士からの暴行を受け貴ノ岩が大怪我を負ったという内容でしたが、これが本当であれば協会が判断するうんぬんではなく刑事事件として警察に任せる程の事だと私は思いました。今後の動向に心穏やかではありません。急な騒ぎとなりましたが、他の力士には平常心を保ち頑張ってくれる事を願っています」。

【大相撲の元小結旭鷲山が横綱日馬富士の悪酒癖発言
 11.15日、大相撲の元小結旭鷲山のダバー・バトバヤル氏(44)が、フジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」(月~金曜後1・45)に電話出演。横綱日馬富士について次のように語った。
 「飲むとたまに酒癖が悪いという話は聞いていたが、手を出すとは聞いていなかった」。
 「(日馬富士が)若いころは何回も飲みにいったり飯を食ったりしたけど、そのときはおとなしくて優しい人だと思っていた」。
 元小結旭鷲山によると、「モンゴル人飲み会」は、1995年に旭鷲山が十両に昇進して初のモンゴル出身の関取となった後、元関脇旭天鵬(現友綱親方)と元幕下旭天山の3人で酒席を設けるようになったのが始まりと云う。年に数回開催するうち徐々に人数が増え白鵬や鶴竜が参加することもあったという。20年以上続いており、 「酒をたくさん飲んだこともあるが、けんかや暴行は一度もなかった」と云う。

【霊能タレントの江原啓之が日馬富士の悪乱癖発言
 11.15日、霊能タレントの江原啓之(52)が15日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜・後5時)に出演。大相撲の横綱・日馬富士について次のようにコメントした。
 「(暴力行為の)前例もあると聞いているし、酒乱と断定していいと思う。こういう人は絶対、飲んじゃいけない。(酒を)断つしかない」。
 「はっきり酒乱であることを告白して謝罪すれば、貴乃花親方も(話を)聞いてくれるのでは。とにかく、このままはないでしょう」。

【日馬富士が東京に戻る
 11.16日、左腕などのけがを理由に3日目から九州場所を休場している横綱・日馬富士関(33)が福岡から東京に戻った。その後、東京都江東区の会員制ホテルに滞在した。春日野広報部長によると、日馬富士の帰京は師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)から協会の鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)に報告があったという。この日の朝、福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋宿舎の稽古場に日馬富士関は姿を現さなかった。伊勢ケ浜親方は取材に対し、「相撲の話以外はしない」と話しただけだった。

【朝青龍が日馬富士擁護。怒りのツイートを日本語で連発
 11.16日、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)が、自身のツイッターを更新。大相撲の横綱日馬富士が10月の秋巡業中に、平幕貴ノ岩を殴打して大けがを負わせた問題で怒りのツイートを日本語で連発した。日馬富士の暴行問題について「内容悪方にさす日本のメディア!!本当の事聞きたくない日本のメディアたち」などと報道を批判し、「本当の事聞きたくないか?お前ら」と呼びかけた。さらに「謝りたい本人!!逃げる奴ら!!」、「モンゴル人同士の話し合いで進む話しちうんか?きせしゃ日本人!?」と立て続けにツイート。日馬富士がビール瓶で貴ノ岩を殴打したという報道には「ビールびんありえない話し!」との考えを示した。「日馬富士だけ悪とう書くマスコミに気食わない」と彼一人が悪者なっている報道に抗議している。

 また元小結旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が日本のテレビ局の取材で語ったことに関して「モンゴルの元相撲取りの奴の話し。その場にいたんか?」とツイートした。さらに「お前らの時代終わったと口誰が出した!?」、「先輩横綱に対して良いと言うわない!」と、一部で報じられた貴ノ岩が「もう、あなたたちの時代ではない」といった趣旨の発言をしたことにも触れ、「日馬富士だけ悪とう書くマスコミに気食わない!!」と改めてマスコミを批判した。(ツイートは原文のまま)

【白鵬が日馬富士擁護発言
 11.16日、暴行の現場に同席していた白鵬が、日馬富士の暴行について「相撲界、世間に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。いい相撲を取って頑張っていくしかない」と謝罪した。当時の状況について、「(日馬富士は)ビール瓶では殴っていない。持ったのは持ったが手から滑り落ちた」と説明した。

【鳥取県警が東京・両国国技館で日馬富士を任意で事情聴取
 協会の危機管理委員会(高野利雄委員長=元名古屋高検検事長)の調査は場所後から本格化するとの見通し。一方、鳥取県警の捜査に対して、春日野広報部長は「場所中だけど協力する」と約束した。
 11.17日、日馬富士が、日本相撲協会が所有し、本場所が開催される東京・両国国技館で、鳥取県警による任意での事情聴取を受けた。協会側の県警への協力の一環だが、国技館で事情聴取が行われるのは極めて異例だ。10月下旬に鳥取市内の酒席で起きた暴行の内容が、ビール瓶での殴打の有無など、証言者によって食い違いが出ており、危機管理委はこうした点を詰めていく方針だ。この日の午後に始まった聴取は9時過ぎまで及んだ。聴取を終えた日馬富士関は午後9時20分ごろ、口を真一文字に結んで後部座席に乗り込み、車で立ち去った。同日、国技館でイベントが開かれていたため、集まった数十人の報道陣は敷地内に入ることができず、門扉の外から様子をうかがうだけだった。
 協会は玉ノ井副部長からも聴取を行った。暴行が発生した宴席は10月26日未明まで開かれたが、貴ノ岩は同日に鳥取市内で行われた巡業に参加して取組も普通にこなした。当日の稽古などを見守った玉ノ井親方は「(暴行は)全く知らなかった」とし、頭部や顔面の外傷は見受けられなかったと説明した。

【危機管理委員会が調査結果を発表
 11.17日、協会内で「頭蓋底骨折の全治がわずか2週間というのはおかしい」と疑問の声が噴出しており、日本相撲協会の危機管理委員会(委員長/高野利雄・元名古屋高検検事長)が、貴ノ岩側が鳥取県警と相撲協会に異なる2通の診断書を提出していることについて、「脳振盪(しんとう)、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋(ずがい)底骨折、髄液漏の疑い」と記載した診断書を書いた済生会福岡総合病院の主治医のいる病院へ委員会メンバーの弁護士を派遣し、診断書を作成した病院に診断書の内容について説明を受けた。

 医師は、相撲協会の聴取に次のように答えている。
 概要「頭蓋底骨折などの疑いで受診したが、診察の結果、骨折や髄液漏などはなかった。頭蓋底骨折はあくまで“疑い”に過ぎず、今回の傷害との因果関係も分からない。開催中の九州場所(福岡国際センター)に出場しても差し支えないレベルである。CTスキャンをしたところ、骨折線とも考えられる線が確認されたが、このような線はもともと存在している縫合線である可能性が高いこと、あるいは、過去の衝撃等が原因で生じた骨折線である可能性もあるので、今回の傷害との因果関係も分からないが、念のため頭蓋底骨折の疑いとした。全治2週間というのは、事象が発生した10月26日から11月8日までの2週間という意味であり、11月9日の時点では状態が安定しており相撲を取ることを含め仕事に支障がないと判断したので退院とした。貴ノ岩の症状に現状は問題がないという認識である。当病院としても重傷であるように報道されていることに驚いている。誤解を生む表現だった点を謝罪したい。」。

 これを受け、協会の危機管理委員会が、貴ノ岩の診断書を作成した医師に聞き取りを行い、「頭蓋底骨折は疑い」であることを確認し、貴ノ岩側が日本相撲協会に提出した診断書の内容について、「頭部の骨折や髄液の漏れなどはなかった」との調査結果を発表し、貴ノ岩が重傷であることを否定した。聴取の際に「(貴ノ岩は)ビール瓶で殴られた。頭が割れている。相撲が取れる状態ではない」と語った貴乃花親方の休場理由とは食い違っている。

【貴乃花親方の長男/花田優一氏の初自伝「生粋」】
 2017.11.17日、貴乃花親方の長男で靴職人の花田優一(22)氏が、初の著書「生粋」(主婦と生活社)を上梓した。タイトルは「きっすい」と読むのではなく、片仮名で「ナマイキ」とルビが記されている。

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 次々と新しい事実が出てきて、貴乃花による相撲協会に乗っ取り謀略事件に発展しつつある。もう日馬富士暴行暴行事件はどうでもよくなったようだ。新事実は日馬富士に有利なものばかりだ。特に医師の診断書へのコメントがこれまでの報道を全く覆すものとなっている。

 

 それに比べて貴乃花の企み疑惑が次々と明るみに出ている。例えば2日貴乃花への協会の聴取への返答は「ビール瓶で殴られた」「頭部裂傷」「相撲の出来る状態ではない」だったそうだが、医師の診断書へのコメントと比べると、貴乃花は大げさな貴ノ岩の怪我の症状は全く嘘だったことがわかる。医師は場所に出場しても差し支えないといっている。つまり、この診断書は貴ノ岩休場の証拠になっていないのだ。単に骨折の疑いを貴乃花が協会に大げさに伝えて、無理やり休場させたのだ。その目的は相撲協会を揺さぶり、八角理事長のマネジメント能力不足のせいにして追い落とすことにあったと思われる。

 

 暴行事件のあと、本人どおしは仲直りをしているのに、貴乃花は無理やり被害届を警察に出して協会には知らん顔をしている。これは前回私が指摘したように、この被害届を何かの武器として使うためだったのだ。恐らく、理事長選で有利にするために週刊誌にリークするとか。

 

 テレ朝羽鳥モーニングショーに出てきた元相撲記者の山崎という老人は、貴乃花の味方らしく、八角理事長が信用できないから、報告してもキチンと扱われない。だから、警察の手に委ねたのだと馬鹿げた理屈を作って貴乃花を擁護する。しかし、元NHKの相撲記者の杉山氏は、理事で巡業部長の貴乃花は会社で言えば取締役に当たる。巡業部長として知り得たことは会社のトップに報告するのは当然ではないか、と反論。全くその通りだ。八角が信用できないから報告しなかったなんていうのは理屈になっていない。まさに苦し紛れだ。しかも、相撲協会の危機管理が機能していなかったと協会のせいにする論調もあるが、機能しないようにしたのは相撲協会という組織ではなく、理事巡業部長の貴乃花が報告を怠ったことからきている。つまり取締役の職務専念義務を放棄しているという点及び隠蔽で貴乃花は重大な違反行為を犯しているといえる。

 

貴乃花は何だか小池百合子にそっくりだ。現執行部を古い体質と決めつけ、中身もないのに改革を叫ぶ。しかし目的は権力者として頂上に昇りたいだけなのだ。小池が思わぬところでコケたように、貴乃花も下手な策を弄して、高転びに転ぼうとしている。貴乃花の策は拙劣だった。練りに練った計画とは到底思われず、降って湧いた貴ノ岩暴行事件を思わず謀略に使ってみようと思いついたのだろう。だから、ほころびが次々と出てくる。

 

 日馬富士の暴行が当初の報道よりわずかなものだったことがわかれば、処分はそこそことなり、引退という最悪の事態は避けられるかもしれない。(もし、日馬富士が引退となれば貴ノ岩の立場は最悪だ。親方に利用されたとはいえ、モンゴル力士からは仲間はずれの仕打ちを受けるだろうし、モンゴルで絶大な力を持つ朝青龍からも総スカンを食い、モンゴルでは生きていけなくなろう。だから、貴ノ岩は日馬富士に引退してほしくないと言っているとの報道もある。)

 

 日馬富士の処分が済んだら、貴乃花の理事・巡業部長としての責任を問われるだろう。理事の解任は当然だが、相撲界追放処分もあるかもしれない。あれだけ八角理事長に反発・無視し続ける貴乃花を理事長が許すわけがない。今回は貴乃花の嘘が発端なのだから厳罰で臨むだろう。マスコミも世間も貴乃花に全く味方をしていないから、孤立無援だ。

 

 一番の被害者は貴ノ岩だ。こんな親方のいる部屋にこれからもいられるだろうか。おっとその前に、貴ノ岩はいつまで休場しているのか。「全治2週間という診断については、先月26日から今月8日までの2週間という意味で、退院した11月9日の時点では状態は安定していて、相撲を取るのに支障がないと判断した。病院としても重傷であると報道されていることに驚いている」(医師のコメント)医師のコメントからすれば休場していること自体がおかしいということになる。早く相撲を取りたいだろうが、貴乃花が出場を許さないだろう。このままでは十両転落だ。

今貴乃花にとって、貴ノ岩の出場なんてどうでもいい。自分の身の潔白のための屁理屈をどうするか考えるのに忙しい。ならば、相撲協会自体が貴ノ岩を早いところ呼び出して、再度医師の診断を受け、出場を決めてやることだ。


【貴ノ岩に「仮病」疑惑が急浮上
 11.18日、貴ノ岩に「仮病」疑惑が急浮上。日馬富士の暴行問題に関して、新たな疑惑が発覚したと東スポが報じた。被害者とされる貴ノ岩に「仮病疑惑」が急浮上しているとのこと。仮病が事実だった場合、貴乃花親方の責任問題に発展する。

藤田紀子が貴乃花親方と絶縁状態であることを明かす
 2017.11.17日、「バイキング」(フジテレビ系)で、タレントの藤田紀子がゲストとして登場し、次男の貴乃花親方と今も絶縁状態であることを明かした。番組は横綱日馬富士の暴行騒動を取り上げた。宴の席で、伊勢ヶ濱部屋所属の日馬富士が貴乃花部屋所属の貴ノ岩に暴行したとする今回の騒動で、貴乃花親方と伊勢ヶ濱親方の関係が話題になった。貴乃花親方が立候補した昨年の相撲協会の理事長選で、2票の得票のうち1票が伊勢ヶ濱親方であり両者の関係は良好だったと云う。貴乃花親方の実母である藤田は、「貴乃花親方は(伊勢ヶ濱部屋との関係)それさえもダメにしてまで何をやりたかったのか」、「私自身が接していないのでわからないですし、もし私が接していて聞き出したとしたら、なおさらこういうところ(テレビ番組)に出て言えませんけどね」と続ける。司会の坂上忍が「まだ接してないんですか?」と聞き返すと、藤田は「全く接してませんので、わからないんですよ」とコメント。スタジオを沈黙が包んだが、藤田は「だから出ているんですよ」と笑いながら語った。藤田は貴乃花親方について「損得の計算できないかもしれない」、「だから私とも疎遠なんじゃないですか?」とにこやかに答えていた。

貴乃花親方が民事訴訟などの法的手段を検討する意向を表明
 11.18日、貴乃花親方が、弟子の幕内貴ノ岩暴力を振るった横綱日馬富士側に対し、民事訴訟などの法的手段を検討する意向を示唆していたことが分かった。14日に日本相撲協会の事情聴取を受けた際に「第三者を立てなければいけないことになるかも」と話している。17日に協会が公表した重傷ではなかったとの診断内容と、貴乃花親方の協会への報告は食い違いをみせている。貴乃花親方の不可解な言動が事件の混迷に拍車をかけている。

 衝撃の新事実公表から一夜明けたこの日、福岡県田川市の貴乃花宿舎は厳戒態勢だった。稽古場に報道陣は立ち入り禁止とし、さらに隣接する駐車場からも締め出した。ピリピリムードの中、同親方は昼過ぎに車に乗り込み出発した。会場入り後、巡業部の部屋からはトイレに出るくらいで、こもりっきり。幕内取組も横綱戦を含む残り3番を見ることなく、結び前に無言で福岡国際センターを早退した。その際、協会の診断書に関する考えを問われたが何も語らなかった。春日野部長は、「(14日の聴取は)うそを言うことはできない。(八角)理事長の前で言ったんだから」と話すが真相は何か謎は深まるばかり。危機管理委員会を中心に再聴取する意向もある。不可解な行動を続ける貴乃花親方に説明責任が求められている。

【危機管理委員会が横綱日馬富士に対し事情聴取
 11.19日、日本相撲協会の危機管理委員会が、東京都墨田区の両国国技館で、大相撲の平幕貴ノ岩に暴行した横綱日馬富士に対し横綱本人から事情を聴いた。一連の問題で危機管理委による日馬富士関への聞き取り調査は初めて。日馬富士への聞き取りは約2時間、協会側は危機管理委の高野委員長ら5人が担当した。横綱は午前10時ごろ国技館に入った。高野委員長は、「彼(日馬富士)は淡々と事実関係に沿って話をした。きちんと粛々とお聞きした」と話した。今後は、貴ノ岩が暴行を受けた酒席に参加していた横綱白鵬らにも事情を聴く。同席した鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は福岡に戻って会見。日馬富士が暴力をふるった事実は認められたが「今後は鳥取県警の捜査に支障をきたさないよう配慮しつつ、関係者の聴取を進めていきますので、本日の日馬富士の供述内容についてはまだ詳しく申し上げられません」とした。

【日本相撲協会の八角信芳理事長声明
 11.19日午後、日本相撲協会の八角信芳理事長(54、元横綱北勝海)が、福岡市内で、今回の一連の問題を受けて初めて謝罪の言葉を口にした。
 「この度は、日馬富士の暴力問題につきまして、みなさまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしましたことをおわび申しあげます」。
 「不祥事の再発防止をみなさまにお誓い申しあげ、協会全体で取り組んでいたにもかかわらず、このような事態を起こしてしまい、痛恨の極みであります。関係者の聞き取りにつきましても、休場中の力士ら、可能な範囲で進めてまいります。できる限り早く、事実関係を明確にすべく、最大限の努力を致します」、「みなさまのご支援を裏切らないよう、いっそうの土俵の充実をはかるべく、取り組んでまいります」。

【危機管理委員会が本場所終了後の調査を指針させる
 11.19日、横綱日馬富士の暴力問題で日本相撲協会の危機管理委員会は、酒席への参加者のうち九州場所に出場している力士の聴取を本場所終了後の27日以降に行う意向を示した。証言者によって食い違いが生じており、詳細な内容を調べる方針だ。同席を認めている横綱白鵬は、19日の取組終了後に「それが出来たならよかったんじゃないですか。残りに集中できる」と話した。聴取には全面的に協力する考えだ。

【日本相撲協会が、12月に開催される冬巡業に貴乃花巡業部長、玉ノ井巡業部副部長を帯同させない方向で調整
 11.19日、大相撲の横綱日馬富士による暴行問題で、日本相撲協会は九州場所後の12月に開催される冬巡業に貴乃花巡業部長(元横綱、45)、玉ノ井巡業部副部長(元大関栃東、41)を帯同させない方向で調整していることが分かった。殴打された幕内貴ノ岩(27)の師匠でもある貴乃花親方は、秋巡業中に起きた問題の責任を問われることになる。貴乃花親方は貴ノ岩の師匠として被害届を取り下げず、強硬姿勢を崩していないが、巡業部長として報告を怠ったことなどを疑問視する指摘が協会内に広がってきた。師匠のなかには「安心して弟子を(巡業に)預けられない」、「大切な力士を預かっている意識が薄い」など、貴乃花親方に直近の冬巡業の管理を継続させることに疑問を投げかける指摘が浮上。これを受け、協会は貴乃花部長と玉ノ井副部長を冬巡業から外し、代理を立てる可能性が出てきた。関係者によれば、同部長にかわって貴乃花親方と同じ協会理事の山響親方(元幕内巌雄、47)、玉ノ井親方のかわりに山科親方(元小結大錦、64)らを軸に人選が進みそうだ。

 巡業部長

 力士出身の10人の理事から選ばれる日本相撲協会の役職で、地方巡業の最高責任者。春夏秋冬と年4回の巡業を開催する際、勧進元と呼ばれる各地の興行主との折衝などを統括する。地方巡業を通じて、全国に相撲道普及に努めるなどの業務も担う。

 協会は、貴乃花親方の一連の不可解な行動や執行部への敵対的な姿勢を看過できず排除に乗り出し、「貴乃花親方外し」が動き出した。巡業部長としての責任を問う形で、12月3日から始まる冬巡業に貴乃花巡業部長と玉ノ井巡業副部長(元大関栃東)を帯同させない方向で調整している。NHKの相撲中継の解説からも急遽外れることになった。

 そもそも、貴乃花親方は巡業部長として巡業中の力士を管理し、問題が生じた場合は協会に報告する責任がある。秋巡業中の10月25日夜から26日にかけて起きた貴ノ岩への暴行について、師匠の貴乃花親方は29日に鳥取県警に被害届や診断書を提出しているが協会には報告していない。11.2日、県警から協会に連絡が入り公然化している。11.3日、貴乃花親方は鏡山危機管理部長から聞き取り調査を受けたが、「よく分かりません」と回答している。11.14日、協会による事情聴取で、「(第三者を)立てなきゃいけないようになるかもしれない」と代理人を立てたうえでの民事訴訟などの法的手段を検討する意向を示した。

 この間、暴行の事実や背景をめぐってもも貴乃花親方側の言い分が巻き返されている。当初は日馬富士が「ビール瓶で殴打した後、馬乗りになって30発ほど殴った」としていたが、その後、「ビール瓶では殴っていない」発言が相次ぎ雲行きが怪しくなった。協会に提出された貴ノ岩の「2通目」の診断書に記載された頭部の骨折は「疑い」でしかなく、相撲を取れる状態だったことも協会が暴露した。

 日刊スポーツは、9月下旬に東京・錦糸町のバーで、貴ノ岩が「俺は白鵬に勝った。これからは俺たちの時代だ」と発言したことが白鵬側に伝わり、鳥取市内のちゃんこ店と2次会のラウンジで白鵬の注意を受けたと報じた。その最中に貴ノ岩がスマホを操作し、「誰とだ?」と尋ねた日馬富士に貴ノ岩は「彼女です」と答えたことで、日馬富士がブチ切れたという流れだという。

 貴乃花親方の協会に対する“不誠実”な対応に角界内で親方衆を中心に貴乃花親方への批判が噴出している。「理事の資格はない。降格させるべき」(ベテラン親方)との声も上がっている。本来であれば、貴乃花親方は被害者側の立場であるのに、なぜここまで周囲の怒りを買ってしまっているのか。今回の暴行騒動が表面化した九州場所3日目の11.14日、相撲協会は日馬富士の師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)と貴ノ岩の師匠の貴乃花親方を福岡国際センター内の理事室に呼び出した。その場で伊勢ヶ浜親方は貴乃花親方に深々と頭を下げて「今回のことは申し訳なかった」と謝罪した。その上で伊勢ヶ浜親方は「もう場所が始まっている。(場所に出ている)他の力士もいることだから(争うのは)場所後にしてもらえないか」と懇願した。これを貴乃花親方は拒絶。第三者である弁護士を介入させて、法廷で争う強硬な構えを見せた。貴乃花親方が対決姿勢を鮮明に示したことで騒動が拡大した。角界内には本場所の土俵を最重要視する風潮がある。相撲協会も、本場所開催中は相撲以外の重要事項の発表を控えるのが通例。力士の結婚や入籍などのおめでたい話でさえ、場所中を理由に発表を控えた例もあるほどだ。ましてや場所中に不祥事の話題を広げることなど、もってのほか。貴乃花親方の行動は親方衆には協会への重大な「背信行為」と映っている。この日も、貴乃花親方は報道陣の取材に無言を貫いた。角界内の目が厳しさを増している。


【鳥取県警が日馬富士関の立件の可否を年内に判断する方向
 11.20日、鳥取県警が日馬富士関の立件の可否を年内に判断する方向で捜査を進めていることが捜査関係者への取材で分かった。来年1月に開催される初場所への影響を考慮したとみられる。このため県警は、横綱・鶴竜関ら同席した関係者全員から状況を確認する方針で、白鵬関ら九州場所に出場中の力士には終了後に話を聞く。必要があれば日馬富士関にも再度、事情聴取する考えだ。

【鳥取県警が現場検証を実施
 11.21日、鳥取県警は、日馬富士関が暴行を認め、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことなどから、逮捕はせずに捜査を進める判断をしたもよう。捜査関係者によると、日馬富士が17日の事情聴取で「平手や拳、カラオケのリモコンで殴った」と説明していることも判明した。県警は既に、現場となった鳥取市内にあるラウンジの個室の現場検証を実施。これまでの日馬富士と貴ノ岩、同席者らの聴取内容と、それぞれが座っていた場所などの検証結果を合わせて分析し、詰めの捜査を進める。県警は近く、同席していた横綱鶴竜らからも聴取する方針。横綱白鵬は九州場所後に聴取するとみられる。貴ノ岩は県警の聴取で「目をつぶっていた」と話し、殴打された際の様子は全ては分からないという。頭部の傷は、角のあるもので殴打されてできたとみられ、県警は暴行時に使われたものを慎重に確認している。日馬富士は県警の聴取で、ビール瓶での殴打を否定しているが、この問題を巡っては当事者の証言が食い違い、一部の関係者は「ビール瓶で殴った」としている。ビール以外のアルコール類の瓶で殴打したとの同席者による新証言もある。

【貴の岩の休場とその後の消息不明
 相撲協会に提出された診断書を作成した福岡市内の病院の医師は九州場所に出ても支障はないとしたのになぜ師匠の貴乃花親方(元横綱)は休場させたのか。出場か休場かは師匠と本人が決めるもので診断書が全てではないが、どういう経緯で休ませたのか。貴ノ岩の居場所につき協会は把握していないという。協会員でもある貴ノ岩は、休場しているとはいえ場所中は居所をはっきりさせる“義務”がある。師匠は毎日相撲場に来ているのに何も明かさない。貴ノ岩は一切表に出ていない。これが親方采配だとしたら親方にかような権限があるのだろうか。

【貴乃花親方に対する理事剥奪の声が上がる
 11.20日、日本相撲協会は、東京・両国国技館で定例の評議員会を開いた。池坊保子評議員会議長(75=元文部科学副大臣)は、会見で貴ノ岩の師匠の貴乃花親方の対応に苦言。親方衆の間からも本来は被害者側であるはずの貴乃花親方に対する批判が一気に噴出しており、協会理事からの降格を求める声まで上がっている。 日馬富士の暴行騒動は評議員会の場も揺るがした。協会の尾車事業部長(60=元大関琴風)が評議員に今回の一連の騒動の経緯を報告。池坊議長は協会側に速やかな情報公開を要請した上で会見を開き「(貴乃花)巡業部長は何かあった時には、上司の(八角)理事長に報告をする義務が課せられている。速やかに報告していれば(協会として)対処のしようがあったのではないか。残念」と貴乃花親方の対応に苦言を呈した。池坊議長は私見を述べたにすぎないとはいえ、公益法人である相撲協会の最高決議機関の評議員会トップによる発言は重い。日馬富士が貴ノ岩に暴行を加えたのは10月の秋巡業中での出来事だ。巡業部長である貴乃花親方には、監督責任と相撲協会に対する報告義務がある。それにもかかわらず、暴行発生から3日後の10月29日に貴乃花親方は協会には報告せずに鳥取県警に被害届を提出した。
 貴乃花親方について、相撲協会内部では理事職の剥奪が検討されている。協会の定款には「理事が職務上の義務に違反し、または職務を怠ったときは、評議員会の決議によって解任することができる」(第18条及び第32条1)とある。報告義務を怠った貴乃花親方はこれに該当する。怠っているのは巡業部長としての職務に限らない。昨年4月は「反社会的勢力排除に伴う講習会」を理事でただひとり欠席。直前の理事長選に敗れ、「理事に与えられた仕事をまっとうしていきたい」と言った舌の根も乾かぬうちに協会の公式行事をばっくれた。さらに5月場所と9月場所前に行われた横綱審議委員会の稽古総見も欠席。9月の稽古総見は他の理事9人が出席したにもかかわらず貴乃花親方はひとり姿を現さなかった。「幕下は15枚目まで十両と幕内は8枚目まで」参加義務があるのに、前頭3枚目の貴ノ岩も総見に来なかった。弟子ともどもシカトして周囲のひんしゅくを買ったうえに、同じく理事で広報部長の春日野親方からお灸を据えられてもいる。巡業部長としての職務ばかりか理事としての仕事も怠っている。これらが定款に定められた「解任」に当たり、協会内部から「理事剥奪」の声が上がっている。

【横綱・日馬富士が空路で福岡空港に到着
 11.21日、横綱・日馬富士が空路で福岡空港に到着。九州場所開催中の福岡に戻った。

【八角理事長が暴力問題再発防止の講話を予定と発表
 11.21日、日本相撲協会は、九州場所終了後の28日、福岡市内で八角理事長(元横綱北勝海)が全関取を対象に暴力問題の再発防止について講話する、と発表した。

【伊勢ケ浜親方伊勢ケ浜一門の会合で親方衆に謝罪
 11.21日、暴行騒動を起こした日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が属する伊勢ケ浜一門の会合が福岡市内で行われた。伊勢ケ浜親方は会の冒頭に一門の親方衆に謝罪。「騒がせて申し訳なかった。すみません」と報道陣に説明した。

【大相撲のモンゴル出身初の関取の元小結旭鷲山が来日
 11.21日、大相撲のモンゴル出身初の関取の元小結旭鷲山(44)が来日、民放各局に出演した。被害者でありながら、いまだに相撲協会も所在をつかめないという貴ノ岩に、表舞台に出るように説得を試みるという。

【横綱鶴竜がビール瓶殴打否定、殴打数についても素手で20~30発について「そんなに殴っていない。せいぜい、その半分」と発言
 11.21日、横綱日馬富士の暴行問題で、現場の酒席に同席していた横綱鶴竜(32=井筒)も、ビール瓶での殴打を否定していた。鶴竜と、同じく同席していた関脇照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は21日に福岡市内で、参考人として鳥取県警の事情聴取を受けた。関係者によると、鶴竜は「ビール瓶を持とうとしたが、すり抜けるようにして落とした。もし、ビール瓶で殴っていたら、ガラスの破片が飛んでいるはず。ないことが、使っていない証明」などと話しているという。素手で20~30発と報じられた殴打数についても「そんなに殴っていない。せいぜい、その半分」と説明。一方で、騒動の発端とされる貴ノ岩の「あなたたちの時代は終わった」などという言葉は、酒席の場ではなかったと主張しているという。貴ノ岩が以前に発言したその言葉を聞いた白鵬が、たしなめた形のようだ。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は鶴竜が帰京することを明かし、相撲協会危機管理委員会の聴取が行われることを示唆した。照ノ富士と2人の聴取は、早ければ今日23日にも行われる。

【石原慎太郎が貴乃花親方擁護発言
 2017.11.21日、大相撲の横綱・日馬富士が年内にも傷害の容疑で書類送検されると報じられた。 「日本相撲協会は早ければ年内に日馬富士の引退を発表する。また、被害者である貴ノ岩も力士を廃業するしかないとみられている」(相撲界関係者)。事件後、「階段から落ちた」と貴乃花親方に噓をついていた貴ノ岩の体調の急変の謎を解くカギは、休場発表後に提出された診断書にある。貴ノ岩側が相撲協会と鳥取県警に提出した二つの診断書の内容が異なることが明らかとなりさらに疑問が深まっている。貴ノ岩が記者会見に出てきてしゃべれば数々の疑問は氷解するが、貴乃花親方がそれを許さない。一部夕刊紙に「貴ノ岩監禁」の見出しが躍っている。貴乃花親方は「弟子が暴行されたのは自分が暴行されたと同じだ」と周囲に語っている。

 日馬富士は、事件翌日の10.26日に貴ノ岩とお互いに謝ったことですべて終わったと思っていた節がある。相撲協会も、貴ノ岩が福岡県田川市の二場公人市長を貴乃花親方と一緒に表敬訪問し、「二桁(勝利)目指してがんばります」と語っていたことから、よもや休場するとは思っていなかった。ましてや、第二の診断書が出てきることを予想していなかった。八角信芳理事長とその周辺は貴乃花親方への不信感を強めている。巡業中のスキャンダルである。巡業部長である貴乃花親方は、事実を知った段階で相撲協会に報告しなければならないのに報告していない。しかも、10.29日に貴乃花親方自身が貴ノ岩ともども鳥取県警に赴き、被害届を出している。一方、日馬富士の暴行の事実を把握していなかった伊勢ケ浜親方は、来年1月の相撲協会理事選挙に出られないだろう、と指摘されている。貴乃花も理事だが、来年1月にグループ内からもう1人理事候補を擁立するといわれている。 「来年の理事長選は八角理事長vs.貴乃花理事の対決になると予想されているが、貴乃花理事も無傷ではすまないかもしれない。たとえ立候補できても、貴乃花理事に勝ち目はないということで衆目一致している」(相撲界関係者)。貴乃花親方が評論家として契約している「スポーツニッポン」が14日に事件をスクープしたが、貴乃花親方は相撲協会に事実をきちんと報告せずに、協会のヒアリングに対し曖昧に答えていた。しかもその間に被害届を出していた。多くの親方衆は「順番が逆」と怒っており、貴乃花親方は孤立を深めている。

【石原慎太郎が貴乃花親方擁護発言
 11.22日、元東京都知事の石原慎太郎(85)が、ツイッターで、大相撲の横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に暴行した問題について触れ、被害届を提出した貴ノ岩の師匠・貴乃花親方を「素晴らしい」とたたえた。石原は「これだけモンゴル人の力士が増えると相撲協会も彼等に気兼ねせざるを得まい」、「横綱の目下の者への暴力は相撲道の恥だ」、「それを正式に告発した貴乃花親方の勇気は素晴らしい」(コメントは原文のまま)と、貴乃花親方を支持する考えを示した。

【貴乃花親方が協会の「協会の調査に貴ノ岩を出してほしい」要請を拒否
 11.22日午後1時15分頃、日本相撲協会は日馬富士が同じモンゴル出身の貴ノ岩に酒席で暴行を働いた問題について、中立親方(元小結・小城錦)を通じて、貴ノ岩が協会の危機管理委員会による聞き取り調査に協力するよう師匠の貴乃花親方(元横綱)に要請し、八角理事長(元横綱・北勝海)が九州場所が開催中の福岡国際センター内の1階の役員室に貴乃花親方を呼んだ。協会幹部4人(八角理事長、尾車事業部長(元大関・琴風)、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)、鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)で「協会の調査に貴ノ岩を出してほしい」と再三求めたが、貴乃花親方は「お断りします」と答え続け、25分間の会談が決裂した。貴乃花親方は報道陣の質問にも無言のままだった。相撲協会は外部理事らで構成する危機管理委員会が、日馬富士から事情聴取するなど独自の調査を行っているが、貴ノ岩からは事情を聞けていない。

 22日放送のフジテレビ系「バイキング」(月~金曜・前11時55分)で大相撲の横綱・日馬富士(33)が幕内・貴ノ岩(27)の暴行事件について特集した。番組では相撲協会の勢力図に焦点をあてて、東京相撲記者クラブ会友で相撲取材歴50年の大見信昭氏が解説。貴乃花親方を支持する理事は、去年3月の理事長互選では伊勢ヶ浜理事と山響理事が支持したが今回の事件で伊勢ヶ浜理事とは疎遠になり、さらに大見氏はもう一人の支持者だった山響理事も「去年の理事長選の時より疎遠になっているうわさがもっぱらです」とし次の理事長選で「もし立候補しても1票か0か」と分析した。その上で貴乃花親方の行動を二所ノ関一門を離脱し初めて理事に立候補した時などを例に挙げて「常に自分の思いが先走って周囲が大騒ぎするっていうのがいつものパターンですね」、「このままいくと孤立して、もしかすると巡業部長も追われるかもしれません」と指摘した。一方でMCの坂上忍(50)が今回の事件を受けた八角理事長の対応に「甚だ疑問なんです。説明不足の感は否めない」と首をかしげたが、大見氏は「支持層がしっかりしてますから、恐らく次も続投」と再選の可能性を示すと「こうなってくると、ボクらとしてはそこに若干、閉鎖的というか闇を感じずには」と坂上は応じた。そこに相撲取材歴30年の横野レイコリポーター(55)が「昔の不祥事だったら場所中に理事長がコメントするなんて一切なかった。八角理事長になってこれでも変わっている」などと、八角理事長の対応を評価し、協会の理事は「みんなが一つになっている。この理事の人達は、八角さんで次も行こうという思いで一致している」と解説していた。

【旭鷲山が「あの部屋の人を殴ったのが間違いだった」発言
 11.22日、放送のフジテレビ系「とくダネ!」で、21日に来日したモンゴル出身初の関取の元小結旭鷲山が、「あの部屋の人を殴ったのが間違いだった」と貴乃花部屋の力士を殴打したことに挙げ、「他の部屋の親方なら何とか話しすると思うけど、あの親方はちょっと話し聞かないと思います」とコメントした。

【横綱鶴竜の師匠、井筒親方(元関脇逆鉾)の発言
暴行問題が起こった酒席に同席していた横綱鶴竜の師匠、井筒親方(元関脇逆鉾)が21日、福岡市城南区の井筒部屋宿舎で取材に応じ、「相撲ファンの皆さんにご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪した。問題発覚後、表に出てこない貴ノ岩に疑問を呈し「被害者であればきちんと説明するなり、状況を知らしめることは大事だ。言わなければ周りの情報だけで誤解ばかり。早く出てきて、説明するのがベストだ」と言及した。井筒親方によると、九州場所を全休する鶴竜は12月3日からの冬巡業に参加する予定という。

【朝青龍が国家間的和解に動く
 11.23日、大相撲の横綱日馬富士による平幕貴ノ岩への暴行が、ついに国際問題に発展する可能性が出てきた。日本との関係を担当するモンゴルの大統領特使を8月から務める元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)が、今回の問題をバトトルガ大統領に報告したことが関係者の話で分かった。日本とモンゴルの友好関係への影響を懸念し、同大統領は今回の件で、安倍晋三首相と話し合いの場を持ちたい意向を持っているという。角界の枠を超えた展開に突入した。

 元朝青龍は16日に日本語で「ビールびんありえない話し!」(原文まま)とツイートし、日馬富士のビール瓶を使った暴行を否定するなど、今回の問題に強い関心を示していた。今回は日馬富士、貴ノ岩ともにモンゴル人による問題。相撲界だけでなく、日本でモンゴル人が敬遠されることを懸念し、大統領に忠告したという。現地では連日多くのメディアが、今回の問題を報じている。日本でモンゴル人力士への風当たりが強いという報道も少なくない。関係者は「バトトルガ大統領は、相撲がモンゴルと日本の友好関係に大きく影響していると思っている」と話し、今回の問題を発覚当初から軽視していなかったという。大統領自身、格闘技サンボの元モンゴル代表でモンゴル柔道連盟の会長を務めるなどスポーツ、特に格闘技への理解がある。そんな状況下で、元朝青龍から報告を受けた。関係者は続けて「大統領は安倍首相と今回の件で話し合いの場を持ちたい意向のようです」と明かした。トップ自ら問題の沈静化と友好関係維持に努めたい考えだ。

 今月いっぱいまで日本の外務省が公表している主な外交日程として、安倍首相をはじめ、政府要人がモンゴル政府と接触する予定はない。だが12月以降、アジア各国が集まる会議をはじめ、さまざまな可能性を模索して接触を図るとみられる。一方の日本政府も、菅官房長官が問題発覚翌日の15日に、政府としての立場としてのコメントは控えたが、迅速な問題解決を求めていた。日本相撲協会の枠を超えて警察、さらには国家間へと広がる様相を呈し始めた暴行問題。今後も思いがけない余波を引き起こす可能性を秘めている。

 ◆日本とモンゴル 1972年2月に国交樹立。日本からの経済援助などで良好な関係となり、大相撲では92年春場所で旭天鵬ら初のモンゴル人力士6人が誕生した。これまで60人が入門し、4横綱1大関を輩出している。


 11.23日昼頃夜、貴乃花部屋の福岡県・田川後援会長、緒方正年氏(70歳。北九州を拠点に「山小屋」など筑豊ラーメンのチェーン店をはじめ、飲食店を国内外に展開する企業の名誉会長)が、後援会関係者宅に泊まった貴ノ岩を連れだし、JR小倉駅から新幹線に乗り約5時間かけて帰京した。「貴ノ岩は『だいぶ良くなったけど耳の中の方が痛いのと耳の後ろの方が痛い』と話していた」。「(貴ノ岩は車中で)元気がなく、目をつぶって、時々座席の後ろにもたれかかっていた」。東京都江東区の貴乃花部屋に入ると、おかみさんの景子さん(53)が涙ながらに「岩関、おかえり」と迎えに出た。「それを見たら目頭が熱くなった」と緒方氏。その後、景子さんに貴ノ岩がこう漏らしたという。「『おかみさん、僕は何も悪いことしてないのに、一方的に叩かれてケガまでさせられた。なんか僕が悪いようにモンゴルでは言われているのが悲しい。なぜ僕が被害者なのに悪く言われないといけないのか』と言っていた」。景子さんは「『岩関、そんなこと心配しなくていいよ。警察が調べて結果が出るまで辛抱しなさい。そうすればはっきり分かるんだから。こちらは被害者であって、向こうは加害者。モンゴルでもそれが明らかになれば心配することないよ』と話していた」と緒方氏は振り返った。(海野慎介)貴乃花親方の後援会長が胸中代弁」参照

【朝青龍と旭鷲山の対立
 11.24日、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏がツイッターを更新し、「嘘つけ!」、「モンゴルヒーロー男!」などと辛辣つぶやきを連発した。名前こそ出していないものの先輩力士の旭鷲山を意識したツイートと思われる。旭鷲山は、日馬富士の貴ノ岩への暴行問題が発覚した直後から親貴乃花親方-貴の岩よりの発言を続けている。旭鷲山は現在来日中で、各メディアに引っ張りだこ状態。モンゴル力士の関係や、今回の事件について関係者から聞いた話などを公表している。これに親日馬富士の朝青龍が反撃している。ツイッターで「また何?彼が話したと?嘘つけ!お互い相撲界に関係ないから見て方がいいじゃないの?あのモンゴルヒーロー男!」(原文まま)。ここからせきを切ったように「彼の顔見て!上手く嘘つけよ!ばれているよ!」、「恥ずかしいよ!本当に恥ずかしい!あの男!」、「我慢出来ない!彼一体何に物?本人喋ってる言葉の意味分かるの?」(すべて原文まま)。また暴行事件を事情聴取している鳥取県警についても「本当の事正しく選択して欲しいです!関係ない奴にベラベラ喋る必要がない!鳥取県警お願いします」と訴えている。

【旭鷲山のはしゃぎ過ぎにクギ
 「元旭鷲山氏に“日本の父”が「出すぎ」 日馬富士&貴ノ岩の合同会見導くよう諭す」。
 大相撲の横綱・日馬富士(伊勢ケ浜)の暴行問題の真相を解き明かそうと緊急来日中の元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤル氏(44)に対し、同氏の日本での父親的存在となっているモンゴル国立ラジオ・テレビ大学客員教授の宮田修氏(71)が24日、「待った」をかけた。

 宮田氏は旭鷲山に電話をかけ、「モンゴル力士のパイオニアとして両者を和解に導くのがあなたの役割だ」と混乱を招く言動をしないようにたしなめたという。

 「いくらなんでも出すぎじゃないか」。問題の当事者ではない旭鷲山氏がテレビなどでさまざまな情報を発信するのを目にして、20年来の信頼関係にあり、同氏の著書の監修をしたこともある宮田氏は、心配になってきたという。

 旭鷲山氏は日馬富士の暴行問題が表面化した14日以降、貴ノ岩が「ビール瓶で殴られた」と語ったことなどを明かしていた。23日には、自身のフェイスブックで貴ノ岩本人と電話で話した内容を書き込んだ。母国・モンゴルでも大きく報じられている今回の暴行問題。旭鷲山氏は母国に事実を伝えたいとの思いで来日し、さまざまなアクションを起こしているのだが、宮田氏はこの日、旭鷲山氏に電話をして、こう諭したという。

 「ちょっとブレーキを踏んだ方がいいんじゃないか。しゃべり続けて問題を引っかき回すのが、あなたのするべきことではない。この問題を解決するには、加害者と被害者がそろって記者会見して、握手をして、相撲ファンに頭を下げておわびするしかないんだ。そこに持って行くのが、モンゴル力士たちの仲立ちとして慕われているあなたの役割じゃないか。これでは溝が深まるばかりだ」

 考え込む感じで聞いていた旭鷲山氏は「あ、そうですよね」と返答したという。

 旭鷲山氏は、大島部屋の大阪後援会長を務めていた旧社会党の衆院議員・上田卓三氏(故人)の紹介で、1991年にモンゴル人初の力士として同部屋に入門。同期は友綱親方(元関脇・旭天鵬)ら5人。入門直後は相撲部屋の生活になじめず、他の力士たちと脱走し駐日モンゴル大使館に逃げ込む騒動を起こしたこともある。だが、心を入れ替えてからは、モンゴル相撲仕込みの多彩な技で、人気者となり、着々と番付を上げた。宮田氏とは十両時代に知り合い、意気投合した。

 後輩、朝青龍には徐々に番付で追い越され、確執が生じたが、日馬富士や横綱・白鵬ら後輩のモンゴル人力士たちの相談相手としても慕われてきた。現在は日本式の相撲のモンゴル協会会長を務め、両国相撲界のパイプ役となっている。宮田氏は「悪気がなくても、話をしているうちに整理がつかなくなっているのかもしれない。彼が本来やるべきことをやってほしい」と願った。(甲斐 毅彦)


【旭鷲山が貴ノ岩と電話でやりとり
 11.24日、大相撲の元小結・旭鷲山が24日放送のフジテレビ系「とくダネ!」に生出演し、前日の23日に貴ノ岩と電話をした内容を明かした。モンゴル国内では「ケガないよ」という世論が急速に広まっており、「ケガないのに、なんで横綱が辞めるようになっているのか」と貴ノ岩への批判が高まっている。こうした事態を受け、旭鷲山は、貴乃花親方と貴ノ岩が何も言わないから、こんなことになっちゃっているとして説明責任を果たすよう促したところ、貴ノ岩から電話でケガをしたことが分かる「証拠を出すように努力しますから」と言われたと云う。「そうしないとモンゴルに彼は帰れなくなっちゃう。証拠だけくれれば問題ないじゃないですか。それを持ってモンゴルに帰る」と述べている。

 11.26日夜、旭鷲山が“出稼ぎ”を終え日本を出国した。空港で報道陣から“ガセ情報”について突っ込まれると、「一部事実と異なる点があることには、僕もそうだろうと思った。何でかというと、モンゴル語でフェイスブックに書いたけど日本のテレビ局が翻訳してる。各テレビで内容が違うのでしょうがないと思った」と言い訳に終始していた。

 11.24日、横綱日馬富士から暴行を受けた幕内貴ノ岩の師匠である貴乃花親方(元横綱)が九州場所が開催されている福岡国際センターの役員室に呼ばれた。午後1時48分ごろ場所入りした貴乃花親方は無言で巡業部室へ入った。その後、中立親方(元小結小城錦)に呼ばれて、同55分頃に役員室へ。約3分後に出てきた。役員室に呼ばれたのは22日以来、2日ぶり。今回の騒動について、何らかの話し合いが行われたとみられるが、報道陣の問い掛けに無言のまま、貴乃花親方は巡業部室に戻った。

 11.25日、大相撲の横綱・日馬富士関の前頭・貴ノ岩関への暴行問題で、日本相撲協会はこの日、貴乃花親方(元横綱)に危機管理委員会の聴取への協力を改めて要請したが、貴ノ岩関の状態の悪さを理由に拒否されたことを明らかにした。春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)によると、協会は捜査中の鳥取県警に、貴ノ岩関の聴取について問い合わせ、「差し支えない」と回答を受けた。八角理事長(元横綱・北勝海)らは24日以降、貴乃花親方に「聴取に協力してほしい」と要請したが、貴乃花親方は「貴ノ岩の状態が良くない」と拒否の姿勢は変わらなかった。一方、協会は来日中のモンゴル出身の元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤルさん(44)が23日夕に貴ノ岩関と電話で話したと自身のフェイスブックで公表したことについても経緯を確認。貴乃花親方は2人が話した事実は認めた上で、バトバヤルさんが公表した話の内容については「不正確」と答え、協会に対し「2人を会わせることはない」と明言した。【飯山太郎】

 11.25日、九州場所14日目の25日、大相撲の横綱日馬富士の暴行問題で、負傷した平幕貴ノ岩の師匠、貴乃花親方が誤った情報を指摘した。日本相撲協会の役員室に呼び出されて対応。貴ノ岩と連絡を取った元旭鷲山のダバー・バトバヤル氏(44)がテレビやフェイスブックなどで発信している貴ノ岩発言が正確でないと説明した。協会から貴ノ岩への聴取は、引き続き拒否した。貴乃花親方が今場所初めて、役員室に2日連続で足を踏み入れた。前日24日は2度の呼び出しで計5分間だったが、この日は1度だけで午後2時4分から9分間。八角理事長(元横綱北勝海)ら相撲協会執行部との話し合いは、何も進展がなかったこれまでとは違った。貴ノ岩への、協会の危機管理委員会による事情聴取を受けることには拒否している貴乃花親方だが、この日は元旭鷲山について新事実を述べた。元旭鷲山がテレビやフェイスブックで代弁している、貴ノ岩のコメントは誤りと証言した。貴乃花親方は無言だったが、報道陣の取材に応じた春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)が、役員室でのやりとりを明かした。同部長は、元旭鷲山が貴ノ岩と電話で連絡を取ったことは事実と認めたが「(元旭鷲山が話している)貴ノ岩の話は不正解。貴乃花親方は2人を会わせることはないと話していた」と説明した。同部長はまた、どこが誤りか詳細は明かさなかったが少なからず「不正解」な部分を含むと明かしていた。

 元旭鷲山はフェイスブックなどで、貴ノ岩から聞いた話を代弁する形で「40~50回殴られた」や「片方の耳が痛くて、頭も痛くなった」などと説明した。警察の事情聴取にだけ応じ、これまで表に出てこなかった被害者側の新証言。来日後は次から次へとテレビ番組に出演し、日馬富士側との発言の食い違いが目立った。そんな中、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は、元旭鷲山の発言に「嘘つけ!」と反発するなど、場外戦の様相も呈していた。協会は引き続き、危機管理委員会による貴ノ岩への事情聴取を希望したが「貴ノ岩の状態が良くないという理由で応じてもらえなかった」(春日野広報部長)という。場外戦の情報は提供されたが、本筋では協会への対決姿勢を崩さない貴乃花親方に、協会は今後も協力を要請していく。
 貴乃花親方が2日続けて福岡国際センター内の役員室に入った。2回合計でわずか5分だった24日の倍近い9分間。八角理事長(元横綱・北勝海)とは、旭鷲山氏の発言に関して言葉をかわした。春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)によると、旭鷲山が貴ノ岩と電話で話したことは認めたが「殴られたのは40~50発」など、旭鷲山が出演した情報番組や自身のSNS上で語っていた貴ノ岩との会話の内容は不正確だと主張したという。貴乃花親方の“報告”が正しければ、旭鷲山が力説した会話の内容は虚偽を含め正確性を欠くことになる。モンゴル人力士のパイオニアとして緊急来日し、後輩力士たちのトラブルを修復する役目を名乗り出たが、実際は周囲を騒がせただけということになる。これまで貴乃花親方は相撲協会の聴取に協力的な姿勢を見せなかったが、旭鷲山の発言は明確に否定。無関係を強調したいという思惑も見え隠れする。快諾したとされる2人の接触についても「会わせることはないと話していた」(春日野部長)と否定。来日した最大の目的である貴ノ岩との面会は実現が不可能になってしまった。関係者によると、貴乃花親方は、貴ノ岩の意識が朦朧(もうろう)とした状態で正しく答えられないと主張しているという。相撲協会側が再三、要請している貴ノ岩の聴取に関しても、貴乃花親方は改めて拒絶した。鳥取県警から貴ノ岩への聞き取りが可能との許可を得た上で協会側はこの日、貴乃花親方に再要請したが「(体の)状態が良くない」との理由でかたくなな態度を変えなかったという。協会の危機管理委員会は貴ノ岩の診断書の根拠を確認し、11月9日の時点では相撲を取ることを含め仕事に支障がないと17日に発表済み。貴ノ岩の体調が急変していなければ矛盾が出てくる。貴乃花親方は午後5時38分に帰途につく際、週刊誌記者から「ガチンコで答えてください」と直撃取材を受けた。沈黙を守り続けることで臆測を呼び、旭鷲山の虚偽発言の可能性も含めて謎は深まるばかりだ。

 11.25日、自民党の石破茂・元幹事長はTBSの番組「時事放談」の収録で、横綱・日馬富士の暴行事件をめぐり、被害届を提出した貴乃花親方に対して理解を示しました。「暴行暴行と言いますが、これは傷害ですよね。相撲協会で明らかにすることも必要なのでしょうけれど、きちんと警察の手でどういうことだったのか、貴乃花親方がこれはうやむやにしてはいけないよという思いがあるのではないか」(自民党・石破茂元幹事長)。石破氏はこのように述べた上で、地元・鳥取で起きた日馬富士の暴行事件をめぐり、力士や親方、相撲協会は「“相撲は国技”という自覚を持つべきだ」との考えを示しました。

 11.26日午後、貴乃花部屋で、九州場所を終え、千秋楽後恒例のパーティーが行われた。関係者によると、貴乃花親方はパーティーの挨拶で、今回の日馬富士の暴行問題について「正当に裁きをしていかなければならない。それが巡業部長の務めだと、責任だと思います。この場を借りておわび申し上げます」などと話したという。





(私論.私見)