天孫降臨、神武天皇東征神話研究 |
(最新見直し2006.12.5日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
高天原王朝は、アマテラスの孫ニニギの命を地上の王になって日向の国に天降らせる。その子ホオリの命がウガヤフキアエズの命、その子がカンヤマトイワレ彦の命(後の神武天皇)という系譜が出来る。アマテラスの曾孫(4代目)の代になって東征に向かうことになる。神武天皇が日向を立って橿原に都を定めるまでの色んなエピソードが、古事記と日本書紀にほぼ同じ内容で記録されている。これを神武東征譚と云う。神武伝説は、伝説か史実かどうか未だ不詳であるが、誠に興味深い内容を記している。 2006.12.4日 れんだいこ拝 |
【ニニギの命の登場とアマテラスの降臨命令譚】 | |
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オシホミミの命=。ニニギの命=邇邇芸命、瓊瓊杵命。アメノコヤネ=、中臣氏の祖神。フトダマ=、忌部氏の祖神。アメノウズメ=、猿女氏の祖神。イシコリドメ=、鏡作の祖神。タマノオヤ=、玉作の祖神。アメノオシヒ=、大伴氏の祖神。ヒコホノ二ニギ=。アメノイワトワケ=。タジカラヲ=。アメツクメ=天津久米命。 | |
![]() 「ニニギの命の登場とアマテラスの降臨命令譚」は、天孫族が、出雲王朝を屈服せしめた報を受け取ったアマテラスにより打ち出された葦原中国平定の降臨命令の様子を伝えている。 |
【サルタ彦の水先案内人登場譚】 | |||||
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サルタ彦=猿田昆古。 | |||||
![]() 「サルタ彦の水先案内人登場譚」は、高天原王朝の天孫降臨に当って、サルタ彦が水先案内することになった経緯を伝えている。「上は高天原を照らし、下は葦原中国を照らす」とは、高天原と葦原中国の双方に事情通であったという意味であろう。 |
【ニニギノ命の一行が日向の国高千穂の峰に天孫降臨譚】 | |
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日向の国=現在の宮崎県の高千穂の峰に比定されている。 | |
![]() 「ニニギノ命の一行が日向の国高千穂の峰に天孫降臨譚」は、ヤタの鏡と草薙の剣と八坂の勾玉(まがたま)が三種の神器であること、筑紫の日向の国の高千穂の峰に天孫降臨したことを伝えている。これにより、高天原族は天孫族とも云われることになる。以降、仮に天孫族と云いかえることにする。なお、本居宣長の「古事記伝」に拠ると、「この高千穂は、霧島山を云うなり」とある。 |
【ニニギの命とコノハナサクヤ姫の結婚譚】 | |
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コノハナサクヤ姫=木花咲耶比売。イシナガ姫=石長比賣、イワナガ姫。ホデリの命=火照命。ホスセリの命=火須勢理命。ホオリの命=火遠理命、 | |
![]() 「ニニギの命とコノハナサクヤ姫の結婚譚」は、ニニギの命がオオヤマヅミ神の娘コノハナサクヤ姫と結婚した事を伝えている。これは、天孫族がオオヤマヅミ族系と同盟関係に入った事を伝えているのだと悟らせていただく。これが最初の同盟となった。 |
【海幸彦と山幸彦譚】 | |
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シオツチの神=塩椎神。ワタツミの神=綿津見神。豊玉姫=豊玉比売。 | |
![]() 「海幸彦と山幸彦譚」は、天孫族の海幸彦山幸彦兄弟の仲違いを伝えている。これは、天孫族の内部対立を語っているものと思われる。山幸彦が、ワタツミの神の娘豊玉姫と結婚したことも伝えている。これは、天孫族がワタツミの神系と同盟関係に入ったことを伝えているのだと悟らせていただく。これが次の同盟となった。 |
【ウガヤフキアエズの命譚】 | |||||
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ウガヤフキアエズの命=鵜茸草茸不合の命、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命。玉より姫=玉依昆賣。イツセの命=五瀬命。イナヒの命=稲氷命。ミケヌの命=御毛沼命。ワカミケヌの命=若御毛沼命、カンヤマトイワレ彦命=神倭伊波礼毘古の命、神武天皇。 | |||||
![]() 「ウガヤフキアエズの命譚」は、山幸彦が結婚したワタツミの神の娘豊玉姫の子供であるウガヤフキアエズの命が天孫族の皇統を継承した事を伝えているのだと悟らせていただく。 |
【天孫族の東征始まる譚】 | ||
日向国高千穂宮に住居していた天孫族の東征の時の様子が次のように書かれている。
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速吸門=はやすいのと、豊予海峡。筑紫=現在の福岡県が比定されている。豊国=現在の大分県が比定されている。安芸国=広島県。たけりの宮=多祁理宮。吉備国=岡山県。キタカネツ日子=木高根津日子、さお根津日子とも記す。 | ||
![]() 「天孫族の東征始まる譚」は、天孫族の東征がいよいよ始まったことと、東征行程を伝えている。 |
【ニギハヤヒの命王朝譚】 | ||||||||
記紀の記述が齟齬しているが、河内から大和一体にかけてこの時既に天孫族の高天原王朝よりも早く外来系のニギハヤヒの命率いる王朝が成立していた。これに触れておく。ニギハヤヒの命が、どこより降臨したのかを廻って、天孫系、出雲系、その他系の三説ある。れんだいこは、以下の如く推理する。
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トミ=鳥見、登美。奈良市富雄町と比定されている。ナガスネ彦=那賀須泥毘古、長髄彦。ニギハヤヒの命=邇芸速日命、天照国照彦天火明櫛玉饒速日命、大物主。ミカシヤ姫=三炊屋媛。 |
【天孫族と河内王朝の激戦譚】 | |
河内国の難波津に到着した天孫族は、ニギハヤヒの命率いる国津族出雲系王朝軍と闘うことになった。難波の日下で、ニギハヤヒの命の義父にして元々の土地の豪族ナガスネ彦軍と闘い敗れる。その時の様子が次のように書かれている。
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日下=現在の大阪府東大阪市に比定されている。ヒコイツセの命=。ヒコイナイの命=。ワケミケヌの命=。ワケミケヌの命=。アビ彦=。紀州熊野=現在の和歌山県新宮市)に比定されている。 | |
![]() 「天孫族と国津族の激戦譚」は、天孫族と国津族の戦いが凄まじく、摂津で重大な敗北を喫したことを伝えている。 |
【天孫族の紀州熊野迂回上陸譚】 | |
第四皇子なるワケミケヌの命が天孫族を率いて、紀州熊野に上陸して山と平定に成功する。その時の様子が次のように書かれている。
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【ワケミケヌの命の神夢譚】 | |
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【天孫族と国津族の第二の国譲り譚】 | ||
天孫族と国津族の第二の国譲り譚が次のように記されている。
この下りの神話は、物部氏の伝承「先代旧事本紀」(せんだいくじほんぎ)に拠れば、次のように記されている。れんだいこが意訳する。
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【神武天皇即位譚】 | ||
第四皇子なるワケミケヌの命がカムヤマトイワレ彦命となり、初代天皇として即位した。その時の様子が次のように書かれている。
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タカクラジ=。葛城地方の土豪と推測されている。オワリ氏の祖。 ヤタガラス=八咫烏。葛城のカモ氏の祖。ウカシ=宇迦斯。カムヤマトイワレ彦命=神倭伊波礼毘古命。 | ||
![]() 「神武天皇即位譚」は、天孫族がやむなく迂回して紀州熊野に上陸し、国津族の内部分裂を誘いながら大和に侵入し、ワケミケヌの命が即位してカムヤマトイワレ彦命となり大和王朝を創始した経緯を伝えている。 |
【神武天皇とイスケヨリヒメの結婚譚】 | |
神武天皇は正妃を定め、旧出雲王朝系から貰い受けている。次のように記している。
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アヒラ姫=阿比良比賣。タギシミミの命=多芸志美美命。キスミミの命=岐須美美命。オオモノヌシの神=大物主神。ヒメタタライスケヨリ姫=比賣多多良伊須気余理比賣、ホトタタライススキ姫。ヒコヤヰの命=日子八井命。カムヤヰミミの命=神八井耳命。カムヌナカハミミの命=神沼河耳命。 | |
![]() 「神武天皇とイスケヨリヒメの結婚譚」は、天孫族の皇統を継ぎ大和王朝の初代天皇となった神武天皇が、河内王朝ー出雲王朝系のイスケヨリ姫と結婚したことを伝えている。これは、大和王朝と河内王朝ー出雲王朝の同盟を暗喩していると悟らせていただく。逆に云えば、河内王朝ー出雲王朝の協力なくしては大和を平定できなかったこと、出雲王朝が隠然と勢力を蓄えていたことを暗喩しているのではなかろうか。 |
【八紘一宇詔勅発令譚】 | |
神武天皇は、神武天皇は、畝傍山(うねびやま)の麓橿原(かしはら)に都を築き、橿原宮に遷都した。この時、「八紘(あめのした)をおおいて宇(いえ)と為す」の八紘一宇詔勅を発令した。「橿原遷都の詔 皇宗 神武天皇」は、次のように記している。
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![]() 「八紘一宇詔勅発令譚」は、出雲王朝の協力を得た大和王朝が「八紘一宇」を掲げ、全国平定に乗り出した事を伝えていると悟らせてていただく。 |
【諡名「ハツクニシラス」天皇考】 | |
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ハツクニシラス=御肇国。 | |
![]() 崇神天皇の諡名も「ハツクニシラススメラミコト」と付けられている。この同名諡名の意味が詮索されている。 |
(私論.私見)