よさこい祭り振興会に著作権料請求考

 (最新見直し2009.1.17日)

【よさこい節騒動考】
 高知新聞の2008.12.27日付け朝刊記事「よさこい祭りに著作権料 日本音楽著作権協会が振興会に請求」その他を参照する。
 2008.5月、ジャスラックの四国支部が、高知県のよさこい祭りに有料の桟敷席や協賛広告があることを踏まえ、「営利性があるため、使用料発生の対象になる」とよさこい祭振興会に通知した。楽曲「よさこい鳴子踊り」の作詞・作曲著作者・武政英策氏は、昭和34年に同氏の作品の著作権を一括して同協会に信託。同氏が57年に死去した後は妻の春子さんが権利を承継し、2007年、春子さんが死去した後は遺言に従い親族が承継している。

 振興会は、春子さんが1994(平成6)年7月に「よさこい―」の著作権を「振興会に委譲する」と記した春子さんの署名と押印のある文書が当時の振興会会長にあて差し出していることを示し、ジャスラックの請求を拒否した。但し、著作権を振興会側に移転する正式手続きが為されていない為、「よさこい―」の著作権の所有権と使用を廻って同協会と振興会との間での協議が続けられることになった。

 2008.12.26日、両者の協議は、「振興会主催のよさこい祭りについては使用料を免除する」ことで決着した。振興会主催の祭りの関連商品(CD、DVDなど)の販売、振興会またはその構成員が運営するホームページ上の配信、そのほか、よさこい祭りに関連する活動―では使用料免除となることで合意に達した。

 ジャスラック広報部は、「祭りのために作った曲であることに配慮し、特別な取り扱いで利用許諾手続きを不要とした」と、あくまで異例の措置と説明し、「著作権は振興会にない」と主張している。一方、振興会は、「著作権がどちらにあるか明確になっていない。よさこいを全国にPRすることが大切。争うつもりはない」としている。

 結局、著作権の権利関係については曖昧なまま決着した。これにより、今後、全国約二百カ所に広がっている各地のよさこいに影響する懸念もある。同協会によると、「よさこい―」の使用料を既に支払っている祭りもあるという。高知県内外のほかの祭りや行事での使用は「事例ごとの判断」となり、全国各地で“著作権問題”が起きる懸念が残ることとなった。今回の合意の中では「(高知県の)よさこい祭りに関連する活動」も使用料免除対象。各地の祭りやイベントのうち、どれが営利目的に該当するのか、振興会の祭りと関連しているのかいないのかについては、「事例ごとに判断する」という。振興会事務局は「正調の楽曲を使っている所は全国的には多くなく、影響は限定的だと思うが、実際に事例が起きてみないとどうなるか分からない」と話している。





(私論.私見)