3246 | ルソー(1712−1778) |
スイスのジュネーブ生まれ。
「人間不平等原因論」、「社会契約論」はフランス大革命の理論となった。この理論が大衆を掴んで、近代世界史の偉大な転回点を創造する武器となった。その他「エミール」、「懺悔録」
「人間は生まれながらにして自由である。しかし、いたるところで鉄鎖につながれている」(契約論)
概要「土地に囲い込みをして『これは俺のものだ』と宣言することを思いついた最初の人が市民社会の本当の建設者であった」(人間不平等起源論)
「凡そ人間の内でもっとも社交的であり、もっとも人懐こい男が、全員一致で仲間はずれにされたのである。−−−そのような仕打ちを受けても、僕は彼等人間を愛したつもりだった」
「自然に帰れ」
「人類を組成しているのは一般人民だ。人民でないものは考慮する必要も無い。人間はあらゆる身分を問わず同一だ。だから、最も多数を占めている身分のものが最も尊敬されねばならぬのだ」(エミール)
「土地に囲いをして『これは俺のものだ』と宣言することを思いつき、そしてそれをそのまま信じるような、ごく単純な人々を見出した最初のものが、市民社会の建設者だった。仮にもし、杭を抜きあるいは溝を埋めながら『こんなペテン師の云うことを聴いてはならぬ。土地は何人にも属さず、果実は万人のものであることを忘れたら、これこそ諸君の身の破滅だ!』と、その同胞に絶叫した者があるならば、如何に多くの犯罪と戦争と殺人とを、又如何に多くの悲惨とを、彼は人類に省いてやれたことであるだろう」「人間不平等起源論」
「国家は一つの道徳的存在であって、一つの意思すなわち一般意思を持っている。この一般意思は全体及び各部分の保存と幸福の為に存在し、種々な法律の源泉となるものである。またそれは、全成員相互間における、また成員と国家全体との関係における正義と不正とを判断する規範となるものである」、概要「国家は有機体と考えられる。国家を身体に例えれば、主権は頭であり、法律や慣習は脳髄ないし神経の源泉であり、公共財産は心臓である」(「政治経済論」)
エンゲルスは、「反デューリング論」の第一編第15章「弁証法、否定の否定」で次のように述べている。「ルソーは不平等の発生を一種の進歩とみなしたが、しかし、このような進歩は敵対的関係を含むもので、それは同時に又一つの退歩でもある」、「文明が一歩前進するごとに、不平等も又一歩前進する」、「最高潮に達した不平等は又あらためてそれ自体の反対のものに転化する」、「このようにして、不平等は、再び平等に転化する。だがしかし、(今度は)言語を持たなかった原始的人間の古い自然のままの平等にではなく、更に高度な社会契約に転化する」。
著作
学問・芸術論(1750)
人間不平等起源論(1754)
政治経済論(1755)
社会契約論(1762)
(私論.私見)