32421 | バブーフ |
【バブーフ(Francois Noel Babeuf(Gracchus Babeuf)、 1760-1797)】 |
フランスの革命家。マルクスとエンゲルスによる『共産党宣言』(一八四八)に先立つもっとも初期の社会主義思想の提唱者の一人。サンクアンタンに小官吏の息子として生まれた。若年にして地方の農地における不平等の実態を、間近に見たことから、フランスにおける土地の平等な分配の必要性を信じるにいたり、フランス革命に身を投じた。 一七八九年以降、ストライキを組織し、役所の襲撃にも参加、たびたび投獄される。一七九五年に政治機関誌の出版を通じて悪名をはせ、一方で一七九六年に「平等派の陰謀」と呼ばれる運動をはじめ、当時の総裁政府の転覆を企てたが発覚、ほかの運動指導者とともに逮捕、拘留される。長期にわたる裁判を経て死罪が確定、一七九七年五月二七日、断頭台にて処刑された。 「平等の共謀」は、権力把握の方法を洗練したことと、「普遍的に平等が実現される時代は、人民の独裁によるすべての私有財産の情け容赦のない廃棄を経た最終革命によって実現できる」という信念を育てたことによって、革命の理論と実践に先鞭をつけた。 |
「バブーフの思想は、モレリー、マブリーから受け継いだ自然法思想の徹底であって、もっと元を正せばルソーをラジカルにしたものといっていい」(加藤尚文「名言百選」)。 「バブーフの陰謀」(フランス大革命期のジャコバン独裁の挫折後、つまりロペスピエールの失脚後、武装蜂起によって人民独裁の革命権力を樹立しようとして武装蜂起を計画していたが未遂に終わった、その陰謀のことを云う)は後にブランキに影響を与えた。 |