選挙結果の総評 |
「2003.4月の一斉地方選挙」の総括を廻っての、公明党と共産党のロジックを検討する。公明党は、2003.4.30日付け「統一地方選後半戦 市区町村議選の結果分析」で次のように述べている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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第15回統一地方選 前半戦の結果分析(2003年4月16日付) 公明、95年以来の完勝 「生活与党」への期待示す 共産、社民は大惨敗 |
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第15回統一地方選挙の前半戦となる44道府県議選、12政令市議選、10都道県知事選、1政令市長選が終わった。このうち道府県議選と政令市議選で公明党は、合わせて324人の候補を擁立、見事に前々回の統一地方選挙以来の全員当選を勝ち取り、公明党への国民の期待感の高まりを示した。その一方で共産、社民両党は大きく議席を減らした。ここでは、公明党の戦いを中心に前半戦の結果を分析した。 統一地方選挙の前半戦である44道府県・12政令指定都市の議会選挙は13日、投開票が行われ、公明党は324人の公認候補が全員当選(うち10人は無投票当選)を果たし、1995年以来の完全勝利を収めた。 今回の選挙は、21世紀初頭の日本の政治の針路を足元から問う選挙戦となり、また次期衆院選や2004年夏の参院選への前哨戦と位置付けられ、各党とも総力を挙げた。公明党は道府県議選に178人、政令市議選に146人を立てて戦った。 この結果、公明党は道府県議選で前回比10人増、政令市議選で同3人増(今回から政令市となったさいたま市の11議席は含まず)をそれぞれ果たし、完勝した。今回の結果は、生活者の目線で政策を実現する「生活与党・公明党」に対する期待の広がりを示し、地方政治改革をリードする基盤を確保するとともに、国政においても公明党の存在感が大きく高まることになる。 道府県議選を党派別で見ると、全体的には「与党3党が堅調だった一方、共産、社民両党の公認候補と無所属候補の議席が減少したのが目立つ」(読売新聞 14日付)結果となり、共産、社民両党の退潮傾向が際立った。 自民党は道府県議選で1309人、政令市議選で252人となった。民主党は道府県議選で205人、政令市議選で126人に。自由党は道府県議選で25人、政令市議選で5人を確保した。保守新党は道府県議選で4人が当選した。 これに対し、共産党は道府県議選で前回より45人も少ない107人となり、約3分の1を失う大惨敗を喫した。政令市議選でも、さいたま市(8議席)を除くと24議席の減となった。 社民党は道府県議選で前回より21人下回って2割以上減らし、過去最低の73人に。政令市議選でも同2人減の13人で過去最少だった。 一方、知事選では、北海道、福井、島根、福岡、大分の5道県で公明党が支持・推薦した候補が当選したほか、東京は都本部が支持した候補が圧勝した。神奈川は公明推薦の候補が健闘したが、次点となった。 道府県議選 「定数2」17選挙区を制す 各地で議席増、奪還、初議席 東京、茨城、沖縄を除く44道府県議選で、公認候補178人が全員当選(無投票当選6人含む)を果たし、前回当選者168人(推薦2含む)を10議席上回る大勝利を飾った。148選挙区のうちトップ当選は65選挙区。公明候補の総得票数も299万5329票と前回を約28万票上回る躍進を遂げた。 公明党の勝利を端的に示すのは「定数2の壁」に挑んだ17選挙区での完勝。中でも、前回44票差で惜敗した神戸市兵庫区で雪辱を果たしたほか、大阪府和泉市では12年ぶりに議席を回復した。さいたま市北区、北九州市門司区では定数減による激戦を見事に突破した。 このほか、埼玉県新座市、川崎市幸区、神戸市長田区、大阪府議選の大阪市西成区、住吉区、東住吉区、東淀川区、淀川区、守口市、門真市、大東市、松原市、岸和田市で定数2の激戦を突破し、議席を死守した。 さらに「議席増」に挑んだ選挙区では、千葉県松戸市、埼玉県川口市、神奈川県相模原市、新潟市で初の2議席獲得を果たしたほか、和歌山市、鹿児島市区でそれぞれ1議席増を勝ち取った。28年ぶりの挑戦となった静岡県富士市、初挑戦の仙台市宮城野区では悲願の初議席を獲得した。 一方、山口県徳山市・都濃郡では23年ぶりに議席回復を果たしたほか、同県防府市佐波郡、大分県別府市では16年ぶり、福岡市中央区では12年ぶり、神奈川県平塚市では4年ぶりにそれぞれ議席回復。札幌市白石区でも議席奪還を果たした。 このほか、山梨県甲府市、長野県長野市、同松本市、三重県四日市市、兵庫県尼崎市、北九州市小倉北区、長崎市でも定数減の激戦を突破した。 政令市議選 約半数の選挙区でトップ当選 公明党は、北九州市を除く12政令市議選の117選挙区に146人を擁立し、全員当選(4人が無投票当選)を達成した。政令市議選の総得票数は、今回初の選挙となったさいたま市を除き、前回より6万4776票増加し、126万7141票を獲得している。今回の結果に統一外選挙の北九州市の現有11議席を加えると、政令市議会における公明の陣容は、157議席へと躍進した。 今回、「定数2」の壁に挑んだ唯一の選挙区となった横浜市西区では、公明現職が次点と458票差で勝利をもぎとった。4年前に154票差で悔し涙をのんだ大阪市大正区では、前回票から2302票伸ばし、公明新人がトップ当選で雪辱を果たしている。同区を含め大阪市は、公明候補を擁立した18選挙区で14人がトップ当選。全体としても公明が挑戦した選挙区の半数に迫る54選挙区でトップ当選を飾った。 今回、定数1減になった15選挙区のうち、12選挙区で前回票に上積みして完勝している。なかでも定数1減の中、1議席増に挑んだ川崎市川崎区は、前回票から5096票伸ばす執念の押し上げで3議席を勝ち取った。同じく1議席増をめざした同市幸区でも前回票に3023票、名古屋市中川区は6351票と、それぞれ大幅に上積みして2議席へ躍進。福岡市東区でも2議席から3議席へと議席増を達成した。 デマ体質に厳しい審判 共産党 6県会で議席ゼロに 日本共産党は、統一地方選前半戦で地滑り的大敗を喫した。国民を欺く同党のデマ宣伝や朝から晩まで他党の悪口だけの常軌を逸した排他・独善の異常体質などに有権者の厳しい審判が下ったといえる。 44道府県議選のうち、共産党の議席がゼロになったのが栃木、愛知、三重、鳥取、佐賀、宮崎の6県。また埼玉は前回11から4、兵庫でも同15から8へと大後退した。 神奈川県川崎市議選でも共産党は前回14から7へと半減したが、同川崎区では同党は3現職のうち2人が落選、得票数も前回比で2965票減らした。 同区は、共産党が無関係を装うものの同党の集票マシンとなっている民医連(全日本民主医療機関連合会)所属病院の川崎協同病院を抱える選挙区。同病院は、筋弛緩剤の大量投与で患者を死亡させた事件の舞台となったところ。患者への医療活動そっちのけで病院関係者が選挙活動に狂奔する実態も浮き彫りになっており、それが市民から厳しく批判された形だ。 共産党惨敗の背景事情として、このほか、日常の議会活動でも“何でも反対”の同党が、選挙中はハイエナさながらに「これはわが党の実績」などと、大量のチラシでデマ宣伝戦術に明け暮れていることや、だれもが心を痛めているイラク問題さえも他党攻撃の道具に利用して使ったものの、「『反戦』訴え各地で苦戦」(14日付・東京新聞)と指摘されているように、同党の底意が見透かされ、有権者の反発を買ったのだろう。28年ぶりに県内の共産党議席がゼロになった愛知県議選の結果について14日付「中日新聞」では、同党が掲げた「戦争の賛否」は「有権者の心はとらえられなかった」と分析している。 |