議員の世襲考


自民党の世襲新人が倍増=衆院選公示

 父親などが国会議員を務めていた世襲候補者は、174人で全体の1割強を占める。党派別では、自民党が120人、民主党が39人。両党で世襲候補の約9割に上る。特に自民は、新人候補の2割以上に当たる19人が世襲候補で、前回の10人からほぼ倍増した。
 自民党の世襲候補の比率は、前回より2.5ポイント増の35.7%に上昇、前職で41.0%、元職で32.4%が世襲候補となっている。今回の衆院選に出馬せず引退した27人中、9人が息子を後継として出馬させた。こうした後継指名への反発から、自民党ベテラン議員の息子が公認に漏れる例も出ている。
 一方、民主党の世襲候補は39人と前回より8人増え、全候補に占める比率は14.1%となった。(了)(時事通信)


衆院選:自民候補の34%が世襲

 衆院選に立候補した1159人のうち、父母または祖父母(義理の父母・祖父母や養子先も含む)が衆参議員経験のある「2・3世候補」の数は、前回00年衆院選より6人多い173人に上った。自民党は全候補者の34.2%(115人)が2・3世候補で占められ、民主党の15.5%(43人)を大きく上回った。特に今回の自民党では、ベテラン議員が引退した後、息子や娘婿に継がせるケースが目立っている。

 今回の衆院選で候補の「世襲」問題がこれまで以上に注目を集めるのは、自民党の2枚看板である小泉純一郎首相と安倍晋三幹事長が共に3世であるのをはじめ、2・3世が政界の主要なポストを占めているためだ。

 公示前に引退を表明した自民党議員は30人(元自民党の藤波孝生氏を含む)。このうち、小選挙区選出の18人に限ると、奥野誠亮元法相(奈良3区)、葉梨信行元自治相(茨城3区)、中山正暉元建設相(大阪4区)ら9人が息子や娘婿を後継に指名し、選挙地盤をそっくり譲り渡した。

 比例代表選出の前職も、高鳥修元経済企画庁長官(北陸信越ブロック)ら3人が親族を後継に据えた。そのうち、宮沢喜一元首相(中国ブロック)は、すでにおいの洋一氏が地盤の広島7区を継承済みだ。

 2・3世候補は、父母などの地盤を継承する「完全世襲型」と、父母らのブランド力を生かして別の選挙区から立候補する「看板型」に分かれる。今回の2・3世候補173人のうち「完全世襲型」は約7割の121人に達する。その内訳は自民党91人、民主党24人などとなっている。岡山1区から出馬した菅直人民主党代表の長男は「看板型」だ。

 さらに新人候補だけに限ると、2・3世候補は前回比3人増の38人で、自民が19人、民主が12人でこれに続いている。【上野央絵】

[毎日新聞10月29日] ( 2003-10-29-00:33 )






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