2020大統領選不正選挙その3

 更新日/2020(平成31→5.1栄和元年/栄和2).12.11日

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 2020(平成31→5.1栄和元年/栄和2).12.11日 れんだいこ拝


 2020.12.11日、木村 朗 /鹿児島大学名誉教授平和学・ 国際関係論専攻「大噴出した「不正選挙疑惑」…トランプは本当に負けたのか」。
 山ほどある「不正選挙疑惑」

 今回の米大統領選挙で主にトランプ陣営から出されている不正選挙疑惑(多くの民主党員・民主党支持者からの内部告発・証言を含む)を具体的に列挙すれば下記の通りである。また、11月3日の投票日までに、郵便投票や期日前投票に関して、44州で300件以上の訴訟が提起されていたことも留意しておきたい。

 激戦州での投票率の異常な高さ(例えば、ウィスコンシン州での今回の投票率は90.2%で前回の同州の選挙での60%台を大幅に上回っている)。
 大統領選挙と同時に行われた上院・下院議員選挙の投票率がかなり異なっていたこと(特に激戦州に限って、大統領選挙だけに投票して上院・下院議員選挙には投票しなかった郵便投票が大量に存在すること。
 郵便投票での無効票があまりに少なすぎること(例えば、ペンシルバニア州では今回の選挙の無効投票の割合は0.03%、ジョージア州では拒否率が0.2%にすぎなかった。一方、2016年の大統領選時の拒否率は6.4%だった)。
 選挙監視人が立ち合いを許されない状況で集計された票は無効(例えば、ペンシルベニア州アレゲニー郡の投票用紙68万2479票)。
 全米の29州の352郡で公式調査での有権年齢住民数よりも有権登録者数の方が合計180万人も多かった。
 ペンシルベニア州では、異なる老人ホームの25000人の居住者が全員同時に郵送の投票用紙を申請した可能性がある。
 ペンシルベニア州では、多くの有権者が郵便投票用紙を2通も受け取ったが、彼らの多くは民主党支持者だった。
 ネバダ州からすでに転居した約9千人による投票が、ネバダ州内で確認されたこと。
 ネバダ州やニューヨーク州では郵便投票の消印がなくても有効とされた。
 ジョージア州グイネット郡では登録有権者58万人のうち、投票したのは40万人だったにもかかわらず、最終的な集計結果は81万人が投票を行ったことになっている(一人が複数回投票を行った可能性)。
 ジョージア州ではなぜか有権者の署名が本人の署名であるか確認されることなく、たくさんの票がバイデン氏に流れた。署名が本人の署名とマッチするか確認する必要がある。
 アリゾナ州とペンシルベニア州での、投票所係員がトランプ支持者にシャーピーで投票用紙に印をつけるよう強いたためにそうしたところ、票がシャーピーのインクで滲み、集計マシンが票を読み取ることができなかった。票がカウントされなかった、との訴え。
 集計システム「ドミニオン」を使って数百万のトランプ票をバイデン票に入れ替えて集計した、またドミニオンは全米で270万のトランプ票を削除したというという告発(このドミニオンは、今回の選挙で、ペンシルベニア、アリゾナ、ミシガン、ネバダ、ジョージア、ウィスコンシンなど6つの激戦州を含む全米28州以上で使用された)。
 ミシガン州の「アントリム郡(Antrim County)」では集計システムの「不具合」「人為的なミス」で6000票のトランプ票がバイデン票に計上されたことが確認された。同じソフトは同州の47の郡で使用されているので再検査が必要である。
 ミシガン州ではトランプ氏が大幅にリードしていたのに、午前6時31分に突然、149,772票がバイデン 氏に入った。
 ミシガン州は、大統領選挙での投票集計問題に加え、同州連邦上院議員選挙においても、夜中の3時半に突然3万5000枚もの疑わしい票が集計された。また開票センターの窓ガラスが覆われたり、郵便投票の消印が改ざんされたりするなど多くの不正行為が報告されている。
 ミシガン州デトロイトでは、選挙管理人が、同じ票を何度もカウントした。また、複製された票もある。多くの票がみな同じ署名だった。
 ミシガン州では多くの投票者の生年月日が1900年1月1日になっていた(1万人以上の死者が投票した可能性)。
 ペンシルベニア州では少なくとも2万1000人がすでに死亡したにもかかわらず登録有権者になっていたこと。
 激戦州であるミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州の3州でトランプ優勢が伝えられていたが、11月3日深夜から翌日早朝のあいだに集計作業が一時不自然に中断され、10万票以上の郵便票が持ち込まれ、再開直後にはバイデン票が逆転するという「不可解なこと」が起こっている。
 ドミニオン集計システムの請負業者の一人は、新たな宣誓供述書で、投票日にミシガン州デトロイトの投票所で「不正行為が行われた」のを目撃した、と述べている。
 ジョージア州が採用する電子投票システム「ドミニオン」が、実際よりもバイデン票を25%多く、またトランプ票を25%少なく集計するように設定されていた。
 ミシガン州でドミニオン集計システムがインターネットに接続されているという驚くべき証言。
 「勇敢な愛国者」の告発

 これに関連して、郵便局で働く、元海軍兵のリチャード・ホプキンス氏は、11月5日、同氏が働くペンシルベニア州エリーの郵便局で不正が行われていた、「郵便局長のロバート・ワイゼンバッハ氏がスーパーバイザーの1人に、11月3日午後8時の締め切り以降に届いた郵便投票にも投票日の消印を押したと話すのを聞いた」と「プロジェクト・ベリタス」を通じて告発していた。これに対し、トランプ氏がTwitterでホプキンス氏を「勇敢な愛国者」と讃えた一方、ワイゼンバッハ氏は、Facebookで、ホプキンス氏の訴えは「100%誤りだ」と否定している(参照:飯塚真紀子「郵便投票の消印が改ざんされた?=宣誓供述書 トランプ、内部告発者を「勇敢な愛国者」と賞賛 米大統領選」)。その後、11月10日になって、ホプキンス氏が訴えを撤回したとのワシントン・ポストの報道が流れた。

 しかし、この報道に対しホプキンス氏は、自分は訴えを撤回していない、ワシントン・ポストは記事を撤回すべき、とツイッター動画で反論した。ホプキンス氏は郵便局監察総監室の調査員の尋問を受けたが、その際に、その調査員から訴えを撤回する供述書に署名するよう強要されたという。

 ここには、メディアによる情報操作と権力の癒着、そして郵便局監察総監室がトランプ大統領の意思に反して不正選挙を告発する勇気ある市民の告発を妨害しているという恐るべき実態が露呈している(参照:飯塚真紀子「郵便投票の消印が改ざんされた?=宣誓供述書 トランプ、内部告発者を「勇敢な愛国者」と賞賛 米大統領選」)。

 最近になって、トランプ大統領とコロナ対策などをめぐって鋭く対立してきた民主党のニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は、偏向報道を繰り返す主流メディアに対し「トランプ大統領に敬意をはらえないのは、気を付けた方がいい」と警告している。

 また、Twitterはトランプ大統領などからの強い抗議を受けてか180度方針転換してその封印を解いた。トランプ大統領と激しく敵対してきたCNNも11月27日にトランプ大統領が再選する可能性(選挙人投票でいずれの候補者も過半数270人の選挙人を獲得できなかったときに下院が大統領を選ぶことになり、トランプ氏陣営の共和党が過半数26票を投じてトランプ再選の道筋が見えてくるというもの)について報道していることが注目される。

 その一方で、これまでトランプ氏寄りと思われてきたFOXがバイデン当確をCNNよりもいち早く報じるなどの「トランプ切り」とも思われる「豹変」した対応を見せているのも不可解である。現時点でいえることは、いまだ大統領選挙の明確な決着はついておらずバイデン氏は正式な手続きを得て確定した次期大統領当選者ではないということだ。なぜなら、何よりもトランプ大統領自身がいまでも「敗北宣言」を拒否して、今回の大統領選挙での大規模な不正行為を明らかにして勝利を獲得するするまで最後まで諦めずに戦う、との明確な意思表明を行っているからである。

 また、主にトランプ陣営などから出されてる不正選挙疑惑をめぐる法廷闘争(現在「激戦州」を中心に行われている各種の州レベルの訴訟だけでなく、これから始まるであろう連邦最高裁での違憲訴訟も含む)や大統領選挙人団選出をめぐる州議会での取り組み・駆け引きがいま現在でも続いているからである。

 混迷中の大統領選のこれから

 ここであらためて、「メディアが大統領を決めるのではない」ということを確認しておきたい。その点に関連していえば、主流メディアの一方的発表による「当選確定」や「激戦州」での州知事・州務長官による「(勝利の)認証」だけで、バイデン氏の当選決定として、バイデン陣営が不正選挙疑惑に一切対応せずに移行チームを発足させ正式な移行手続きをマーフィー長官ら関係者への脅迫を含めて性急に求めたり、外国政府首脳との接触のみならず交渉(例えば、日本の菅首相との電話会談で日米同盟強化・尖閣諸島の日米安保条約適用を確認)まで行っているのは異常事態であるといえよう(こうした行為はマイク・ポンペオ国務長官も示唆しているように、ローガン法に反する違法行為の疑いが濃厚)。

 2000年の共和党のジョージ・ブッシュ氏とアル・ゴア氏との大統領選挙では、フロリダ州の集計をめぐる対立が続き、大統領選挙から約5週間後の12月12日に下されたブッシュ氏勝訴の連邦最高裁の決定(再集計の必要なし)でゴア氏が正式に敗北を認めて、ようやく正式な政権移行手続きが取られたという事実・前例を想起すれば明らかであろう。

 その点で、日本や英仏独などの欧州諸国の首脳が相次いでバイデン氏勝利に祝意を表している中で、ロシアのプーチン大統領、メキシコのオブラドール大統領、ブラジルのボルソナロ大統領(「米大統領選に不正あった」と発言している)、スロベニアのヤンシャ首相、北朝鮮の金正恩委員長、などが沈黙、あるいは司法判断を待つという慎重な姿勢を示していることが興味深い。

 米大統領選についての今後のスケジュールは、下記の通りである。

(1)11月3日:全米での投票最終日・集計開始
(2)12月8日:全ての州で票集計と結果の確認が終了
※11月5日~12月11日:州による選挙結果の認定
(3)12月14日:各州の選挙人が州都に集まり、結果に従って正式に投票する
(4)12月23日:選挙人団による証明書が指定された政府高官に到着する期限
(5)来年1月6日:上下両院が共同で、選挙人の投票を集計する。午後1時に開票結果が確定
(6)来年1月20日:大統領就任式で新大統領が宣誓を行う

 米国の主流メディアは、「次期大統領はバイデン氏で確定した。その選挙結果を覆そうとするトランプ氏の試みは次々と失敗に終わった」と報じている。しかし、少なくとも12月14日の選挙人投票日までは、「誰が大統領になるかまだ分からない」と言わなければならない。いや、そのような言い方も実は必ずしも正確ではない。というのは、その日までに今回の大統領選挙の最終結果が確定しているとは現時点では誰も明言できないからである。現在、トランプ陣営は、3つの分野・戦線で不正選挙を正す戦いを続けている。それはまさに「憲法と民主主義を守る戦い」である。そのトランプ大統領と「ディープ・ステート」との暗闘(「死闘」といった表現の方がふさわしいかもしれない)については次回に述べたい。


 2020.12.11日、木村 朗 /鹿児島大学名誉教授平和学・ 国際関係論専攻「全然スッキリしない「米大統領選」、最大の敗者は「マスコミ」だった…!」。
 大統領選で「思考停止」に陥った人々

 日米の主流メディアの大半はジョー・バイデン氏の大統領当選を確実として、次期バイデン政権の閣僚人事など政権移行チームの動きを追いかけ続けている。そのため多くの人々は、米大統領選はすでにバイデン氏勝利で決まりであり、いまだに敗北を認めようとしないドナルド・トランプ大統領の姿勢を「往生際が悪い」「悪あがき」「潔くない」と反発・嫌悪感を感じているようである。トランプ大統領に先駆けて「勝利宣言」を行ったバイデン氏も、トランプ氏が敗北認めないのは「恥ずかしい」と批判している。また、多くの人々は、「今回の大統領選挙では大規模な不正が行われたため、トランプ勝利の票が違法な操作によって盗まれた」というトランプ陣営の訴えを、「明確な証拠がない陰謀論」「フェイクニュース」として切り捨てる日米の主流メディアの影響を受けてか、そうした訴えに耳を傾けようとする人々はごく少数のようである。この背景には、「11月3日の大統領選の開票結果によると、バイデン氏は全米で選挙人306人を獲得、勝利に必要な過半数の270人を大きく上回った。トランプ氏は232人にとどまった。また得票数でもバイデン氏は8000万票を獲得して7400万票のトランプ氏よりも600万票余り上回った」とする選挙報道を鵜吞みにして「思考停止」に陥っている状況がある。

 また、バイデン陣営がこの間「安全保障政策やコロナ対策で重大な支障が生じる」「新型コロナウイルスのワクチン供給計画に関する情報も得られていない。人命にかかわりかねない事態だ」と批判して強く要求してきた政権移行手続きを米連邦政府の一般調達局(GSA)のマーフィー長官が11月18日にようやく許可してトランプ大統領がそれを追認した、という主流メディアの最近の報道によって「バイデン次期大統領」「バイデン政権」が「既成事実化」する「世論誘導」がなされてきたことがある。

 マーフィー長官は同じ記者会見で、「自分や家族、スタッフだけでなくペットに対しても身の安全に関わる脅迫を受けた」と明らかにしたことや、トランプ大統領がマーフィー長官たちの身の安全を考慮して政権移行手続きの「一部だけ」を容認したという経緯を、なぜか主流メディアはほとんど報じなかった。

 しかし、そのような見方・認識は、本当に真実、すなわち実際に起こった事実やそれを前提とした正しい認識の反映といえるのであろうか。それとは真逆の有力な見方(バイデン氏勝利は不正選挙によってもたらされたものであり、米国の主流メディアとそれに追随する日本の大手メディアの報道によって作られた「虚構(幻想)」)もある。以下、そのことを具体的に検討していきたい。 

 「フェイクニュース」はどちらか

 まず最初に抱く素朴な疑問は、事前の選挙予想と実際の投票結果との大きな乖離である。米国の主流メディアは今回の大統領選挙ではかなり前からバイデン氏圧勝を予測し、「世論」や選挙情勢にも少なからぬ影響を与えてきた。しかし、実際の選挙結果では、トランプ氏がコロナ惨の逆風を受けながらも「驚異的な追い上げ」によってフロリダ州での圧勝など予想外の得票(前回の6298万票を大幅に上回る7400万票、黒人やヒスパニックからの票も増えて1000万人以上の増加)を獲得しただけでなく、上院・下院の選挙でも過半数獲得の勝利を予想されていた民主党は上下両院においても苦戦を余儀なくされている。上院選挙(定数100)では、与党・共和党が50議席、野党・民主党が48議席を確保したが、ジョージア州2議席は来年1月4日まで持ち越しとなっている。下院選挙(定数435)では、民主党は過半数を維持したものの議席を減らしたのに対し共和党は議席を増やした。また上院選挙では、民主党が過半数を獲得するとの事前予想を覆し、共和党は議席を少し減らしたものの過半数を維持する勢いである。

 それにも関わらず、今回の大統領選挙ではバイデン氏が6つの「激戦州」を制して、前回の大統領選挙でヒラリー・クリントン民主党候補の獲得した6584万票やオバマ大統領の獲得した6950万票を大幅に上回る史上最多の8000万票を獲得したとされている。この大統領選挙と議会選挙との大きな乖離やバイデン氏の獲得した8000万票というあまりにも巨大な得票数(「あり得ない数字」)はきわめて不自然で違和感がある。

 なぜ米国の主流メディアは前回の大統領選挙に続いて今回の大統領選や上院・下院選挙でも事前予測を大幅に見誤ったのであろうか。また、日本の主流メディアも独自取材・調査をすることなく、前回の大統領選挙に続いて今回の大統領選挙でも米国の主流メディアの偏向した報道をオウム返しするという失態をなぜ再び演じたのであろうか。これは単なる「誤報」ではなく、まったくのデマ、「意図的な情報操作」ではないのか。このような疑問を抱いた人は少なくないと思われる。

 大統領選の最中、多くの主流メディアは、バイデン候補がトランプ氏に対して圧倒的優勢にあるという報道(例えば、多くの世論調査会社や主流メディアは10ポイント以上の差でバイデン氏の圧倒的優勢を報じていた、バイデン候補が勝利する確率9割と報じた一部のメディアもあった)を繰り返してきた。この事前報道の誤りについて、「3日に行われた米大統領選の結果は、またしても世論調査会社の面目を失わせた。4年前と同様に多くの州が接戦となったほか、携帯電話、二極化、ドナルド・トランプ氏というこの時代に特有の要因を考慮し、政治的意見を測定する自分たちの能力を見誤ったという紛れもないメッセージを発しているからだ」という指摘もなされている(ウォール・ストリート・ジャーナルWSJ「米大統領選の世論調査、今年は何を間違えた?」、琉球新報デジタル版に転載)。

 米国内では「この選挙戦における最大の敗者は、世論調査会社とそれと結託した主流メディアだ」という声が上がっているという。今回の選挙で世論調査会社と主流メディアが信用を大いに失墜したことだけは確かだ。

 驚異的な投票率から見えること

 今回の大統領選挙では、トランプ陣営は徹底した戸別訪問や多くのトランプ大統領が登場する大規模集会の開催などを通じて共和党への登録者数を大幅に増やしていた。それに対し、バイデン陣営がしたことはバイデン氏による地下室からの情報発信と小規模集会の開催というかたちでの限られた選挙活動であった。そうした事実を前提として考えれば、78歳の高齢で認知症とも思われる失言を繰り返すバイデン氏がなぜ圧倒的人気を誇ったオバマ氏や熱狂的な支持者を持つトランプ氏を大幅に上回る前代未聞の得票数を今回の選挙で得ることができたのだろうか。

 そうした疑問を裏付けることになったのが、今回の大統領選挙での投票率である。例えば、APの投票数を用いると、ウィスコンシン州の投票率は90%超という驚異的な投票率(「あり得ない数字」)となっている。全体の投票率も67%という120年ぶりの高水準であった。また、全体の投票数は約1億6000万人、そのうちの事前投票が約9000万で、その中での郵便投票が約6400万、残りの600万が期日前投票・不在者投票、海外在住者(軍人を含む)などの票であった。コロナの感染防止を名目に導入された郵便投票が異常に多かったことがわかる。

 ウィスコンシン州では、選挙2日前(事実上、選挙前日)まで登録有権者数368万4726人だった。だが、選挙当日、登録者がいて、かつ、その人達が投票している。だから、登録有権者数よりも、投票数が多くても特に問題はないとロイターは言及している。また、『STATISA』の「2020年11月4日現在の米国大統領選挙の投票率(州別)」によれば、ウィスコンシン州の投票率は76.1%と全米第6位だったが、その後まもなく、およそ90%の投票率となった(約14ポイントの激増)。同様のことは、ミネソタ州でも起きている。短時間で79.2%から89.4%と10ポイント以上も投票率が上昇したのである(澁谷司氏「米大統領選、不自然な高投票率」朝香豊「統計的に見てあまりに異常! 激戦州でのバイデン票!」鈴木貴博「米大統領選でやはり「不正」があったかもしれない、ちょっとした状況証拠」などを参照)。こうしたバイデン票のまさに「あり得ない票の動き(バイデン曲線)」は、「ベンフォードの法則」(自然界に出てくる多くの数値の最初の桁の分布が、一様ではなく、 ある特定の分布になっている、という法則)に反するものであり、何らかの組織的な不正行為が行われたことの証明である。

 主流メディアがもはや「敵」

 米国の主流メディアは、前回の大統領選挙の最中から政権交代後今日にいたるまで、結局は根拠のないでっち上げであった「ロシア・ゲート」(いまでは逆に「オバマゲート」や「ヒラりー・メール問題」に焦点が向けられようとしている)などを通じてトランプ氏の「嘘」「フェイクニュース」を非難するネガティブ・キャンペーンを一貫して続けてきた。NYTは今回選挙戦の直前にも、「トランプ大統領が税金をほとんど払っていない」というビッグニュースを報じ、CNNやABCなど大手テレビ局はトランプ大統領が「我々は勝利している」など主張したスピーチを、「これは嘘であり、報じる必要がない」と放送を中断しさえした。その一方で、バイデン親子の「ウクライナ疑惑」を報じた「ニューヨーク・ポスト(NYP)」の記事が拡散することを主流メディアだけでなく、Twitter、FacebookなどのSNSが封じた。

 また、今回の大統領選では、「投票や開票に不正行為があった」「多くのトランプ票がバイデンによって盗まれた」とする人々の声を「フェイクニュース」、「陰謀論者のプロパガンダ」として一方的に削除したり、彼らが「誤った情報」と判断したツイートには注釈をつけ、非表示とする「(事実上の)検閲」を行ってきている。「ハンター・バイデンの疑惑の真相を知っていたらバイデン氏には自分の票を投じなかった」という声もあるように、主流メディアの「報道しない自由」や大手SNSの「拡散制限」によって、国民に真実が伝わらずに選挙結果に少なからぬ影響を与えた可能性は否定できないであろう。選挙後に行われた“Biden Voter Messaging Survey Analysis”(2020年11月9月~18日)という調査結果では、バイデン候補に投票した16%の有権者が「もし、バイデン一家のスキャンダルを知っていたら、同候補に投票しなかった」と答えている(参照:澁谷 司「米民主党、トランプ政権にクーデター?」)。 

 これに対して、トランプ陣営やトランプ大統領の支持者、あるいは公正な選挙と報道を求める人々(民主党支持者も含む)から、「公的機関でないメディアに大統領を決める権利はない!」「トランプ大統領には不正選挙疑惑の調査・実態解明と公正な報道を求める権利がある!」「大手メディアは嘘、フェイクニュースを垂れ流すな!」との声が上がっているのは至極当然の反応であろう。

 マイク・ペンス副大統領がホワイトハウスの記者会見でメディアからの質問を受けずに沈黙したまま退場したのもケイリー・マケナニー大統領報道官が11月9日に「ペンシルベニア州アレゲニー郡の投票用紙68万2479票は選挙監視人が立ち合いを許されない状況で集計された。これはメディアが追及すべき問題だ。我々が望んでいるのは、真相、透明性、公開性だけだ。残念ながら我々は今、本来ならあなた方が質問すべき問題について質問している」「メディアは自身の職責を真摯に履行すべき」と訴えたのもトランプ陣営からの主流メディアへの怒りの抗議表明であった(参照:NTD)。同じ記者会見でマケナニー大統領報道官が、「民主党が不法投票結果を歓迎している」と公に主張すると、4大ネットワーク(CNN、NBC、ABCだけでなく、トランプ寄りのFOXニュースも)が「根拠がない」という理由で生中継を打ち切る事態が起きている。

 またトランプ大統領の11月5日の記者会見も「郵便投票で不正が行われている」とのトランプ大統領の主張を「根拠がない」として、ABC、CBS、NBCなどの多くの米主要メディアは中継を途中で打ち切っている。CNN、FOXニュースは会見を最後まで中継したが、CNNは画面のテロップに「根拠なく不正が行われていると主張」などと表示していた。このような不正選挙疑惑の全面的な調査を政府当局者の当然の要求を無視してその発言を封じる主流メディアの「不作為」や「検閲・情報統制」は、ジャーナリズム本来の使命の放棄、まさに「民主主義(言論の自由)の否定」であり、「メディアの自殺行為」であると言ってもよい。

 最新の情報によれば、そうした偏向報道を続ける主流メディアのトランプ憎しとも思える感情的な姿勢は、調査ジャーナリスト組織「プロジェクト・ベリタス」(ジェームス・オキーフ代表)によって録音されたCNN幹部たち(CNNのジェフ・ザッカー社長、特派員のジェイミー・ガンジェル氏、プロデューサーのステファニー氏)の会話からも明らかになっている。それは、トランプ陣営の言論を抑圧し、トランプ大統領を退陣に追い込むというCNNの方針、いかにしてニュースプラットフォームを利用してトランプ陣営の選挙不正の告発をいかに抑制するかを話し合ったものだった。また、トランプ大統領に敗北を認めさせ、バイデン陣営と早期の政権移行を開始させるために、彼らが考え出した戦略は『9・11委員会報告書』を利用することであった。これはもはや主流メディアが病的なまでの反トランプの立場を超えて「民主主義の敵」「国家の敵」になっていることを示している。まさに信じがたい驚くべきことである。そこには、公器としてのメディアの客観性も中立性もなく、単なる民主党の広報機関に成り下がった主流メディアの本性がさらけ出されているといえよう。


 2020.12.13日、「トランプついに敗北か…「最悪の事態」が起こるかもしれない」。
 トランプ大統領の反撃開始
 トランプ陣営の切り札は、いま世界中から注目を集めているシドニー・パウエル弁護士(元連邦検事)とともに、マイケル・フリン氏(オバマ政権で国防情報局長官、トランプ政権で安全保障担当補佐官を担当、元米陸軍中将)であろう。  フリン氏が、あのでっち上げであることが明らかになった「ロシア・ゲート」で起訴されて窮地に追いやられていたときにパウエル弁護士が弁護団に加わって不起訴を勝ち取ったというのが両者の関係である。トランプ大統領は感謝祭の11月26日にフリン氏に対する恩赦を発表していることも注目される。  このフリン氏の復活を印象づけたのが、マイケル・フリン氏とその友人のトーマス・マキナニー氏(元米空軍中尉)が行った「WVWネットワーク」というネット放送局での電話インタビューである。  この電話インタビューで、フリン氏は、「今回の大統領選で大変な不正が行われていて、これは絶対に許してはならない。もしこんなことを許せばアメリカが崩壊してしまう、と主張している。マキナニー氏は、ドイツのフランクフルトにサーバーがあり、表面上はサイテルという会社の名前になっている。しかし、これは実質ドミニオンという会社であって、ドミニオンのサーバーになっているが、実質CIAが運用しているものである、アメリカの陸軍の特殊部隊(デルタフォースや米軍第305情報大隊の名前が挙がっている)がフランクフルトのある場所を急襲したが、その際に銃撃戦が起こり、米軍が5名、CIA側は1名が亡くなった。トランプ大統領は国家反逆罪が明確になるまではホワイトハウスを出てはいけない。ここで触れられている銃撃戦についての真偽はまだ不明であるが、もし事実であるとすれば衝撃的である(「WVW BROADCAST NETWOARK」2020年11月29日、澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)「米民主党、トランプ政権にクーデター?」)。  このマイケル・フリン将軍は、オハイオ州に拠点を置く非営利団体「We The People Convention」(パウエル弁護士とフリン将軍が主導して設立)が12月1日に発表した陳情書に触れて、トランプ大統領に臨時戒厳令を宣言し、2020年の大統領選の全国再選挙を実施して軍に監督させるよう呼びかけている(INDEPENDENT 03 December 2020)。  このフリン将軍の発言に呼応するかのように、シドニー・パウエル弁護士とリン・ウッド弁護士も12月3日のジョージア州の集会で、米大統領選挙で大規模な不正が行われ、民主主義が深刻な脅威にさらされていると強調し、戒厳令発令の必要性に言及している。  リン・ウッド弁護士は、トランプ大統領は今年の5月22日に、国家緊急状態法202(d)条を1年延長しており、国家緊急状態(戦争状態)は来年の5月19日まで続くことになる、この国家緊急状態法は、大統領に憲法の条項、例えば、人身保護令も中止することが出来る非常に大きな権限を与えている、トランプ大統領には、この最終手段が残っており 今回の不正選挙に関わったとされる、ジョー・バイデン氏、オバマ元大統領、ヒラリー・クリントン氏、ナンシー・ペロシ氏、チャック・シューマー氏、元CIA長官、元FBI長官、現在のCIA長官とFBI長官、など主要人物を始めとして、不正を知りながら加担した全ての人々を法的手続き無しで国家反逆罪として捕まえて軍事裁判にかけることができる、と述べている(芹澤絵美「アメリカ”戒厳令”発令の可能性」、リン・ウッド弁護士の演説)。  一方、トランプ大統領は、12月7日にマイク・ペンス副大統領とともにウィスコンシン州のミルウォーキー巡回裁判所に訴状を提出した。  その訴状では、民主党候補バイデン氏とハリス氏を提訴し、ミルウォーキー郡とデ-ン郡の選挙結果に不服を申し立て両郡の数十万もの不在者投票が廃止されるべきだと述べている。  ウィスコンシン州ではバイデン氏が2万票をリードしている。現職の正副大統領が次期に予定されている(確定ではない)を訴えることは、いうまでもなく米国歴史上初めての「前代未聞の出来事」である(それにもかかわらず、日米の主流メディアは完全に無視している)。  これは、トランプ大統領が依然として、戒厳令発動や非常事態宣言という最後の手段ではなく、法的手段、法廷闘争を優先して争う姿勢を示したものだと解釈できよう。  しかし、これは、「あくまでも現時点では」という前提での話であって、今後の情勢の展開次第では十分にあり得る選択肢であるといえよう。  またトランプ大統領は12月1日深夜にツイートし、来年度の『国防権限法』の中の第230条を廃止することを議会に強く求めている。この230条は、米国における1996年の『通信品位法』の法的規定である。  トランプ大統領は、第230条を盾に主流メディアやインターネット企業が「事実上の言論検閲」を実施し、法的責任を負わずに取り締まるための保護傘となっており、国家安全保障と総選挙の誠実と信用に深刻な脅威をもたらしていると指摘し、議会が来年度の『国防権限法』の中の第230条を廃止しない場合、同法案を否決すると表明した(ロイター12月9日)。  これは、トランプ大統領が主流メディアやSNSを運営する巨大IT企業(「ディープ・ステート」の一角を占める)が「ファクト・チェック」と称して自分たちに都合の悪い言論を封じてきたことに対して徹底的に戦う姿勢を鮮明にしたことを意味している。  これに対してGAFAの一角であるGoogleの傘下にあるYou-Tubeは、選挙不正があったと主張動画を削除する方針を発表している。12月8日が選挙を巡る各州の紛争の解決期限で、大統領選挙の開票結果が認定されたためとしている(「共同通信」12月10日)。  こうして中で一つの節目とされた12月8日を迎えた。全米50州が、選挙結果を認定して選挙人団の選出を行うことが確定したという(しかし、今後いくつかの州でそれが覆される可能性があることも否定できない)。  また、この日に連邦最高裁は、トランプ米大統領を支持する共和党議員らが大統領選後、東部ペンシルベニア州で全有権者に郵便投票を認めた州法は無効だとしてトランプ氏敗北確定の差し止めを求めた裁判で、「(州最高裁判決の)差し止めは認めない」と訴えを退ける決定を下した(BBC12月9日)。  最高裁の声明文はわずか2行で、決定の理由や異議を唱える判事の意見は示されなかった。  AFP時事の記事(12月9日)によれば、「8日は各州の集計結果の確定期限で、これ以降は新たな再集計の申し立てや提訴がほぼ不可能になるとされる。法廷闘争を通じたトランプ氏の逆転勝利が絶望的となった」と伝えているが、果たしてそうであろうか。  確かに、他の18州やトランプ大統領も参加したことで注目を集めていたテキサス州パクストン司法長官から提起された郵便投票のルール変更に関して4州(ジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン)を訴えた件での訴訟は昨日(12月12日)の段階で連邦最高裁が「当事者適格に欠ける」との理由で却下するという結果に終わったようである。  しかし、このテキサス州の提起した訴訟には、地元の支持者などの声を受けた106名の下院議員がトランプ大統領支援の署名をしたというニュース(「NEWSMAX」2020年12月11日)が示しているように、不正選挙を絶対に許すな、あるいは、不正選挙があったか否かを明確にせよ、という世論の大きなうねりが生まれ初めている。  テキサス州が提起した訴訟で敗訴した後でコロナ感染から復帰したばかりのジュリアーニ弁護士が明言したように、トランプ弁護団による連邦最高裁での訴訟はこれからも続くのであり、法廷闘争での決着がついたと現時点で考えるのは早計である。  トランプ大統領は、連邦最高裁決定の数時間前にホワイトハウスでの会合で、大統領選について「議員や最高裁判事の中に、万人が正しいと考えることをする勇気のある者がいるか、見てみよう」と発言して、バイデン次期大統領の勝利を覆す判断を下すことに期待を表明していた。  今回の判決はトランプ大統領の期待に沿うものとはならなかったが、周囲から相当の圧力(脅し・脅迫と買収・取引など)がかかっていると推察される最高裁判事たちの「勇気」が試されるのはまさにこれからである。もちろん、連邦最高裁がこれからもトランプ側のあらゆる提訴を門前払いする可能性はある。  トランプ大統領・弁護団、民主党陣営は、法廷闘争での勝利を目指すだけでなく、選挙結果とは無関係に州議会が選挙人を指名する戦略をとっている。そうであれば、大統領選の次のヤマ場とされる12月14日も一つの目安にしかならないはずだ。  大統領選挙をめぐる法廷闘争や議会闘争のより重要な期日は、選挙人団の投票がマイク・ペンス副大統領のもとに届けられる12月23日、さらには選挙人団の投票が開票される来年1月6日となるだろう。来年1月3日に予定されているジョージア州の上院選挙の結果も大きな意味を持っており、再び不正選挙疑惑が出ないように万全を期する必要があろう(すでに現在ドミニオンの使用をめぐってトランプ・バイデン両陣営で争いが起こっている)。  大統領選挙をめぐる法廷闘争や議会闘争のより重要な期日は、選挙人団の投票がマイク・ペンス副大統領のもとに届けられる12月23日、さらには選挙人団の投票が開票される来年1月6日となるだろう。来年1月3日に予定されているジョージア州の上院選挙の結果も大きな意味を持っており、再び不正選挙疑惑が出ないように万全を期する必要があろう。  トランプ大統領がいまは自重している最後の手段としての戒厳令発令・非常事態宣言を選択させないようにするためにも、今後の州議会での動きと連邦最高裁の対応が「憲法と民主主義を守る戦い」にかなった「司法の正義」を示すものとなることを願うばかりである(なお、米大統領の戒厳令発令・非常事態宣言については、浅川公紀「米大統領職と緊急事態権限」が参考になる)。

 トランプ大統領は12月2日の午後、突然ホワイトハウスで40分間に及ぶ演説を行った。  トランプ大統領は冒頭に、「今回の演説は自分がこれまで行った中でも最も重要なものだ。自分はこれから米国2020年の選挙で起きた大規模な詐欺と不正行為を暴き、また包囲攻撃を受けている米国の選挙制度を守ることを決意している。自分は米国の法律と憲法を守るという大統領としての至上の責任を果たす」と宣言した。  また12月8日に記者団の質問に答えるかたちで語った、「選挙での不正の証拠は明らかだと思う。今、どのような行動ができるかが分かった。今後数日間に大きな出来事が起こるだろう」というトランプ大統領の言葉は、何を意味しているのだろうか。  日米の主流メディアはトランプ大統領の演説・発言の持つ重大な意味をほとんどまともに報じていない(CNNは「すでに虚偽と証明されたくだらない話」と強く批判している)。  それは、12月14日の選挙人による投票という重要な期日を前にして、これからトランプ大統領があらゆる選択肢を念頭に入れながら、「腐敗を一掃せよ! (drain the swamp! )」という自分の言葉を実行に移す、すなわち「ディープ・ステート」(軍産複合体や国際金融資本、大手メディア・IT企業などを含む巨大ネットワーク)と戦う覚悟を表明したということに他ならない(この「ディープ・ステート」については、オリバー・ ストーン/鳩山友紀夫/ピーター ・カズニック、木村 朗 (共著)『もうひとつの日米戦後史』詩想社、2020年5月を参照)。  トランプ大統領が選挙人団の選出を求める州議会での共和党の試みや「選挙結果の無効化」を求める連邦最高裁での違憲訴訟が不発に終わった場合には、非常事態線や戒厳令発布という最後の手段を使う可能性が出てくるだろう。  すでに不正選挙に関わったと思われる多くの人々がグアンタナモ基地に移送されて尋問を受けているという未確認情報も流れている。  そして、連邦議会上院では、バイデン氏の息子、ハンター・バイデン氏を召喚して中国やウクライナとの金銭問題疑惑に対する本格的な追求が始まっている。  一方、トランプ大統領はバイデン父子のこの疑惑には犯罪の可能性があるとして、特別検察官を任命して捜査することを、今年(2020年)の10月の時点でウィリアム・バー司法長官に指示していた。  バー司法長官は12月1日に2016年大統領選へのロシア介入疑惑をめぐる連邦捜査当局(FBI)の捜査について、その発端を調べているコネティカット州のジョン・ダーラム連邦検事を特別検察官に任命したと明らかにしている。  トランプ大統領は、すでに「オバマ・ゲート」、すなわち、いわゆる「ロシア・ゲート」疑惑の捜査の背後にいたのはオバマ前大統領であり、オバマ前政権とFBIなどの官僚組織が共謀して、トランプ政権への違法な妨害行為を行った、と考えており、マイケル・フリン氏が不起訴になった5月の時点で同じジョン・ダーラム連邦検事を特別検察官に任命したいたのである(「日系ビジネス」デジタル版「民主党に戻ってきたロシア疑惑ブーメラン」、NHK「“オバマ・ゲート”に揺れるアメリカ」、岡田善明『ロシアゲートとトランプ大統領__恐るべきヒラリーの暗躍』目白経済出版を参照)。  この問題は、「ロシア・ゲート」から「オバマ・ゲート」、「バイデン・ゲート」、そして「ヒラリー・メール」事件とも連動しており、トランプ大統領とオバマ氏、バイデン氏、そして、ヒラリー・クリントン氏との根深い対立・確執の種となっている。  これからバイデン氏は大統領になるか否かにかかわらずこの問題で苦しまされることになるのは間違いない。  米国は、いまだかってないほど社会の分断・二極化がますます激しくなってきており、まさに内戦の一歩手前の状況にあるといえる。  こうした事実上の内戦状況にあるという認識をトランプ氏・共和党支持層だけでなくバイデン氏・民主党支持層も含めて多くの人々が持ち始めている。  大統領選挙前から米国内では銃器の販売・購入が急速に拡大しており、すでに弾薬については品切れ状況という事実がそれを示している。  すでに米国内では、多くの暴動(例えば、11月14日のトランプ支持者による「MEGA100万人行進」の際の衝突事件)が起きているだけでなく、今回の大統領選挙に関連してジョージア州では死者さえ出ているのだ。  12月14日の選挙人による投票の結果がどちらになるにせよ、こうした米国社会の分断・二極化がさらに進むことだけは確かであろう。  またもう一つ懸念されることは、今回の大統領選挙で行われた大がかりな不正に中国やイラン、ロシア、セルビアなどの外国勢力が関わっているという情報がトランプ弁護団などから出されているという問題である。  シドニー・パウエル弁護士やリン・ウッド弁護士などから、ドミニオンの問題に関連して中国やイランなどが介入した確たる証拠を握っているとの言及が幾度もなされてきた。そして、大統領選挙を盗むために民主党関係者と外国政府が共謀したという疑惑を訴えている。  この件でのトランプ大統領の言及はごくわずかではあるが、こうした中国の「間接侵略」に対して何らかの「報復措置」をとるべきだとの声も上がってきている。  今のところ決定的な根拠は開示されていないが、これまでの在任中に大きな戦争をしなかったことで一定の評価を受けてきたトランプ大統領が明確な事実確認もせずに対中戦争(限定的な軍事攻撃!? )を発動するという最悪の事態も想定される。  私たちはこのような最悪な事態を避けるためにいま何ができるかを考えなければならない。もし中国など外国勢力の選挙介入が事実であったとしても、それを口実として戦争発動・武力行使をするのは正当化できない。  なぜなら、過去世界中で多くの国々への選挙干渉を行ってきたのが他ならぬ米国自身であり、今回の事態(CIAなどの不正選挙への関与)を通じてあらためてそのことが浮かび上がっているからである。  現在の状況は、すでに単なる選挙の勝敗を超えた米国の政治・社会構造の一大変革の予兆であり、さらに米国一国を超えた新しい世界秩序のあり方をめぐる地殻変動を示しているといえる。現段階では、大統領選挙の最終結果と「ディープ・ステート」との暗闘の結末がどうなるかの見通しは不透明である。  しかし、その大変革がもたらす新しい世界・社秩序がいかなるものになるかは、米国民だけでなく私たちにとっても重大な意味を持っていることはいうまでもない。  いまこそ私たちは、現在の「思考停止」状態から脱して、あらゆる情報を主体的かつ批判的に読み解く能力を身につけ、この問題を自分自身の問題として考えることが求められている(マーク R. レヴィン著『失われた報道の自由』日経Bには、なぜ米国一流メディアは偏向報道を続けるのか、ニューヨーク・タイムズやCNNをうのみにしてはいけない、が詳細に書かれており大変興味深い)。  (前回はこちら:トランプ「法廷闘争終焉」の今…不正選挙疑惑とどう闘うのか)

木村 朗(鹿児島大学名誉教授)


 「★阿修羅♪ > 国際30」の赤かぶ氏の2021 年 1 月 21 日付投稿「巨大資本支配下に回帰し
た米国政治(植草一秀の『知られざる真実』)
」。
 巨大資本支配下に回帰した米国政治
 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-739871.html
 2021年1月21日 植草一秀の『知られざる真実』
 1月20日、無事にバイデン政権が発足した。昨年11月3日に投開票が行われた米国大統領選挙で再選を目指したドナルド・トランプ大統領が敗北した。トランプ大統領は前回選挙での6900万票を上回る7400万票を獲得したが、バイデン候補は8100万票を獲得した。獲得選挙人数はバイデン306対トランプ232でバイデン圧勝になった。この獲得選挙人数は奇しくも2016年の大統領選と同数。トランプが事前予想を覆してクリントン候補に勝利した2016年選挙の獲得選挙人数と同じになった。2016年選挙ではクリントン女史の得票がトランプを286万票上回った。今回はバイデン候補が705万票トランプ大統領の得票を上回った。カリフォルニアで民主党が大勝する影響が大きいため、カリフォルニア州を除く全米での得票を見ると、2016年選挙ではトランプが141万票上回り、今回はバイデンが195万票上回った。2016年選挙は得票数でなく獲得選挙人数からトランプの地滑り勝利と表現された。これを踏まえると、今回選挙はバイデンの地滑り勝利になったと言える。トランプ前大統領は不正選挙を主張したが、決定的な証拠を示すことができなかった。したがって、選挙の集計結果に従うよりほかに道はない。

 選挙の接戦状況は2000年のブッシュ(子)対ゴアの対決がはるかに際どかった。獲得選挙人数はブッシュ271対ゴア266でブッシュが選出されたが、選挙人数が25人のフロリダ州の得票差が537票しかなかった。フロリダ州の結果が逆転するとブッシュ246対ゴア291でゴア勝利となる。ゴア陣営はフロリダ州の再集計を求めたが最高裁が訴えを退けてゴア候補が敗北宣言を行った。得票数はブッシュが5046万票、ゴアが5100万票でゴアが54万票多かった。カリフォルニア州を除く得票数ではブッシュが75万票ゴアを上回った。今回選挙ではコロナ感染拡大を背景に郵便投票が認められた。その影響で投票率が著しく高まり、120年ぶりになる66%を記録した。劣勢が伝えられたトランプがかなりの接戦に持ち込んだと言える。それでも、不正選挙を立証できなければ選挙結果に従うしか道はない。選挙不正は行われて良いわけがなく、選挙不正の余地を生まない選挙方法が検討されてゆかねばならない。2016年選挙でトランプが事前予想を覆して勝利した最大の要因は、「クリントン候補を大統領にしたくない」と考えた有権者が多かったことによると判断できる。
 今回選挙でバイデンが勝利した最大の理由は、「トランプ再選を阻止したい」と考えた有権者が多かったことによると判断できる。2016年のトランプ大統領誕生は意義深いものだった。米国支配者の支配下に位置しない者が米国大統領に選出されたからだ。米国支配者とは、軍事、金融、多国籍の巨大資本のこと。歴代米国大統領は基本的に、この米国支配者の支配下に位置する者だ。トランプがその慣習を打ち崩した意義は大きかった。しかし、トランプ大統領は米国の所得格差是正、米国の分断を是正する抜本的行動を示さなかった。TPPから離脱したが、対日政策ではTPP以上の成果を求める米日FTAを推進した。対中国政策では自由貿易の基本から外れる高率関税適用に突き進んだ。そして、白人至上主義的傾向を持つ施策を推進した。経済政策の基本には富裕層と大資本に対する減税措置が置かれた。所得格差の是正ではなく所得格差の拡大を推進する施策だった。民族間の分断、所得階層間の分断は推進された。その結果としての2020年大統領選結果であると判断できる。バイデンは「トランプでないこと」を背景に新大統領に選出されたが、これで米国に理想郷が広がるわけではない。米国大統領は元の米国支配者の支配下に位置する者に回帰した。米国は元の米国に回帰しただけである。バイデン新大統領が振出しに戻った米国において、多くの米国民の期待に副う政策運営を示せなければ、新たな失望を生み出すリスクに直面する。トランプに投票した7400万人の有権者は厳しい目で新政権の一挙手一投足に注目することになる。分断された米国の再統合の道は容易でない。





(私論.私見)