自民党改憲案の旧統一教会改憲案の一致考

 戦後憲法の持つ実践的有効性、論理的整合性を理解しえぬ低能人士によって「憲法改正合唱団」が結成され、コーラスされようとしている。れんだいこが苦言を呈しておく。君達の粗雑な頭脳では何もいじらぬ方がまだましだ。少なくとも十年論議を目指せ。日本の知性のみならず、国際的な知性をも招きいれ、要所要所の徹底的な喧々諤々から滲み濾過されてきた規定をもって検討せよ。僅か3年程度のアリバイ論議で、為しえるようなやわな対象ではないのだ。

 急遽思い起ち、「れんだいこの日本国憲法和本・英訳同時併載文」と「戦後憲法理念及び原理の秀逸さ確認考」を用意した。これから更に充実させていくが、とりあえず用意した。特に中・高校生は英語学習も含めて学べば良い。れんだいこは、格好のテキストであると信ずる。こういうテキストを提供する事も無く口先だけで護憲運動してきた連中の責任感の軽さよ。いやそれはもう云うまい、こうしてサイトアップしたので眼を皿にして活用せよ。

 戦後憲法は、人類が獲得した最高傑作憲法である。今のところ、これ以上できの良い憲法は無かろう。この指針に従えば、日本は栄え世界も順次感応されるであろう。粗雑な頭脳でいじれるほどのおもちゃではない。「憲法改正合唱団」よ、このことを深く知れ。そして汝らが進めんとしている動きを恥よ。

 憲法改正論者が姑息にも持ち出す事は、憲法で規定されていない様々な諸権利が持ち上がっており、それらを明記する必要があるから改正するのだ云々。それはうそ臭い。憲法は国内法規の最高規定であると同時に基本法である。基本法には何から何まで規定せねばならぬということは無い。むしろ、基本法は簡潔明解さこそ肝要ではなかろうか。例えば、教育基本法のように下位法で仔細に明記する事こそ望ましい。更に手引法で詳論するという方法もあろう。憲法第十条【日本国民の要件】は、「日本国民たる要件は、法律(国籍法)でこれを定める」とある。これを思えば、法律で補足すれば良かろう。

 次に持ち出されるのが、読売新聞社の憲法試案のように、国民的諸権利のありとあらゆるところに制限的な公共性遵守規定を付加せんとする論拠である。それはほぼ権利の窒息を意味し、万事を玉虫色規定にさせてしまう。申し訳ないが、そのような制限付き権利はもはや権利ではないのだ。むしろ、憲法裁判所でも設置して、違憲合憲を審査させ判例を積み上げた方が何等倍も有益だ。この方が急がれる。よって、読売試案をも採るに足らず。

 次に持ち出されるのが、憲法9条改定の動きである。恐らく、いち早く達成した日共綱領のように前文放棄に向かうのかも知れない。してみれば、日共は、良いお手本を見せてくれたものだ。この党は日本を次第に悪くしている。「偽の友」似非左翼に罹るとこういう症状を呈する事になる。

 その他云いたい事があるが、まずは以上を書き付けておく。

 2004.2.7日 れんだいこ拝


【憲法改正箇所考】
 2022.8.2日、東京新聞「旧統一教会側と自民党、改憲案が「一致」 緊急事態条項、家族条項…濃厚な関係が影響?」。
 安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、自民党との深い関係が露呈した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)。その旧統一教会の政治部門とされる国際勝共連合(勝共連合)の改憲案と、自民党の改憲草案が、「緊急事態条項」や「家族条項」などで一致していることが、注目を集めている。被害者弁護団から「反社会的勢力」とも指摘される旧統一教会側の主張が、関係の濃い自民党の改憲草案にも反映されていたのか。(特別報道部・山田祐一郎、中山岳)

 ◆中国の覇権的行動、北の核・ミサイル、大地震や原発事故の対応が最優先

 国際勝共連合の関連サイトでは、安全保障や憲法、家族政策などについての同団体の考えが動画で紹介されている。その一つに、「憲法改正」がある。2017年4月に公開された長さ約17分の動画で、渡辺芳雄副会長が同団体独自の改憲案を解説している。渡辺氏は「個人においても組織、国家においても変化に対応できなければ存続できない。滅びるのであります」と改憲の必要性をこう訴えかける。日本を取り巻く状況の変化について、「中国の覇権的行動」「北朝鮮の核・ミサイル開発や挑発的行動」「大規模地震や原発事故」などを指摘した渡辺氏。改憲の優先順位として「緊急事態条項の新設」を真っ先に挙げた。災害時を想定して「政府の権限を強化して、所有権を一時的に制限したり、食料や燃料の価格などをしっかり規制したりして命を守る」とした上で、こう述べる。「早く憲法で明記して憲法を守りながら国民の生命と財産を守る状況を作らないといけない」

 自民党は、12年にまとめた改憲草案の中で、外部からの武力攻撃や大規模災害時に、首相が緊急事態の宣言を行い、緊急政令を制定できるなど首相や内閣の権限を強化、国会議員の任期を延長できるなどと定めた。その後の議論を踏まえ、18年に公表した「たたき台素案」では、大規模災害時の対応として同様の緊急事態対応を規定。対象に「外部からの武力攻撃や大規模テロ・内乱」を含めるかについては、「対象にすべきだとの意見がある」と付け加えた。

 ◆旧統一教会との関係は改憲にもマイナスに働く?

 岸田文雄首相は今年5月、改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで、改めて緊急事態条項の必要性を訴えた。新型コロナウイルスへの対応やロシアによるウクライナ侵略を挙げて「有事における迅速な対応を確保するため、こうしたことを憲法にどのように位置づけるかは極めて重要な課題」と強調。大規模災害以外の有事にも対象を拡大する印象を与えた。「18年の素案で、緊急事態の対象が限定されたような印象を与えたが、現状は12年の草案の考え方に逆戻りしている」と話すのは、愛媛大の井口秀作教授(憲法学)。「一番の懸念は、国会を通すことなく政令によって国民の権利が制限される可能性があるということ。必要な根拠も、新型コロナやウクライナ侵攻など後付けで増えている」と緊急事態条項の問題点を指摘する。

 安倍氏の死去を受け、岸田氏は「思いを受け継ぐ」と改憲への意欲を見せたがその後、霊感商法などで多くの被害者が出ている旧統一教会と自民との関係が次々と明らかになった。勝共連合が緊急事態条項の創設を唱えることに、井口氏は「反共を掲げる団体の素直な主張なのだろうが、自民草案との間に因果関係があるのかは分からない」としつつ、「旧統一教会との関係は改憲派からも反発を呼び、改憲にマイナスに働くのでは。自民が緊急事態条項など改憲の主要項目を戦略的に変更することもあり得る」と話す。
◆「教団側に都合の良い自民の改憲草案」

 改憲を巡る自民草案と旧統一教会側との「一致」は、まだある。渡辺氏は先の動画で、憲法に「家族保護の文言追加」を主張。「家庭という基本的単位が、最も社会国家に必要。だから保護しなきゃいけないという文言を、何としても憲法にいれなくてはならない」と強調する。これに対し、自民草案で新設された24条条文には「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される」とある。双方の「家族重視」は、よく似通っている。旧統一教会は2015年の改称で家庭連合と名乗っている通り、関連団体を含めて「家庭」「家族」はキーワードだ。創始者の故・文鮮明氏を「真のお父さま」と呼び、「神様の下に人類が一つの家族である世界」を理想に掲げる。こうした教団の「家族観」について、北海道大の桜井義秀教授(宗教社会学)は「目指しているのは文氏を中心にした『真の』家族。自由恋愛や婚前交渉は論外で、信者には合同結婚式で相手が選ばれる」と解説する。こうした教義に基づく家族観は、自民草案のうたう家族とは似て非なるものだ。ただ、桜井氏は、勝共連合が教義に基づく家族観を前面に出さず自民草案に同調していると指摘。その思惑について「教義を真正面から説くだけでは、多くの人々は受け入れず信者も増えない。だから教団側に都合の良い自民の改憲草案に乗っかり、利用しようとしている。実際に関連団体は『家庭づくり国民運動』などの講座を開き、旧統一教会の名を出さずに布教につなげてきた」と述べる。

◆類似するのは「個人の尊重を退け、父権主義的家族の中に埋没させる危うさ」

 自民草案は、現憲法20条にある「いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならない」の文言を削除。さらに、国とその機関の宗教活動を禁じた点も変え、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない」とする。政教分離の原則を緩めるとの批判はかねてあったが、旧統一教会と自民党との関係が問われている今、これを許していいのか。恵泉女学園大の斉藤小百合教授(憲法学)は「自民草案にはもともと、政治家による靖国神社参拝の違憲性を払拭ふっしょくし、国家神道を復権させるもくろみがあるとみていた。さらに旧統一教会との関係も浮き彫りになり、政教分離のハードルを下げる方向で改憲が進むならば、憂慮すべき事態だ」と警鐘を鳴らす。斉藤氏は、自民草案と旧統一教会の考えに類似するのは「個人の尊重を退け、父権主義的家族の中に埋没させる危うさ」とみる。「立憲主義の柱となる個人の尊重をないがしろにするかのような改憲に、自民と旧統一教会が足並みをそろえているように見える」と問題視する。ただ、自民草案への影響が取り沙汰される主張を展開してきたのは、旧統一教会・勝共連合に限らない。宗教団体の言説に詳しい評論家の古谷経衡氏は「日本会議や神社本庁などの『宗教右派団体』は、自民草案に一定の影響を与えてきた。旧統一教会とも共通するのは、復古的な家族観、夫婦別姓反対などだ。そうした『雑念』が自民草案には入っているといえる」と説く。古谷氏は「旧統一教会については、かつて霊感商法で多く被害者を生み、今も宗教二世たちは苦しんでいる。そうした団体のエッセンスが含まれる自民草案に沿う改憲は政治倫理上、許されないだろう」と述べ、こう強調する。「このまま改憲の議論が進み国会で発議され、国民投票にかけられるならば一部の宗教団体を利する面がある。国民は一度、立ち止まって考える必要があるのではないか」。

 ◆デスクメモ

 安倍氏が2006年に上梓し、改憲を訴えたのは「美しい国へ」。その2年前、勝共連合初代会長久保木修己氏の遺稿集として出た本が「美しい国 日本の使命」。偶然か、思想の一致か。今となっては2人とも故人だから確かめられないが、こんな縁が感じられる改憲は不気味だ。(歩)








(私論.私見)


<菅代表>イラク自衛隊参加、国連新決議で容認も

 【ニューヨーク尾中香尚里】民主党の菅直人代表は30日午前(日本時間1日未明)、ニューヨークの国連本部でアナン事務総長らと会談した。菅氏はイラク問題に関して「国連支援のための多国籍軍で、新たな国連決議があれば、自衛隊を送ることも十分検討できる」と述べ、主権移譲後のイラクで新たな国連安保理決議に基づく多国籍軍が編成されれば、新法を制定したうえで自衛隊参加は容認できるとの考えを示した。国連平和維持活動(PKO)以外で自衛隊の海外派遣が可能とした点で、これまでの姿勢から一歩踏み込んだと言える。

 会談で菅氏は、自衛隊の海外での武力行使を禁じた憲法に触れ、自衛隊が多国籍軍に参加する場合も「後方支援や人道支援に限る」と強調。そのうえで可能ならPKOの展開が望ましいとの認識を示した。しかし、アナン氏は「PKOは考えていない」と明言した。

 菅氏は会談後の記者会見で、多国籍軍への自衛隊派遣容認姿勢について「イラク問題に対応するには、PKOが編成されない以上、そういう選択しかない。武力行使と一体化しない後方支援なら、多国籍軍として出すことも可能」と語った。派遣の形態については「自衛隊内に『国連待機部隊』を設けて参加することもありうる」と述べた。

 ただ、菅氏は「(多国籍軍に)仏独露を含めた新たな部隊が参加するかは、(派遣の)大きな判断材料。実態が(現行の米英占領軍による統治と)変わらなければ、相当ハードルは高い」と述べ、実際の派遣にはフランスなどイラク戦争に反対した国の参加が必要との認識を強調した。

 一方、アナン氏は菅氏に対し、イラクにおける国連の役割拡大を目指し近く提案される見込みの新たな国連安保理決議について「国連のイラク国内でのかかわり、安全保障の保持の仕方、多国籍軍の権限、(主権移譲後のイラクの)新政府のあり方などについて言及されるだろう。新決議に基づき、新政府がさまざまな協議を行い、イラクの人民から信頼されるような政府の運営がなされるだろう」と述べた。(毎日新聞)

[5月1日11時57分更新]