四元義隆の言行録

 (最新見直し2008.3.19日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 2004.8.14日 れんだいこ拝


【四元義隆の言行録】
 「やはりリーダーが間違うと国家全体が間違うということだ。まずトップがよくならなければだめなんだ」。
 「組繊には核心があり、会社には社長、国には首相がいる。とんな組織でも、その一人の決断と指導力の出来、不出来で栄えもし、滅びもする」。
 「大徳寺一七○世の清巌和尚の「狂人走不狂人走」の一句は僕にとって長い間の公案というべく、又長年の課題であり続けている。歴史を見れば「狂人走不狂人走」の例は数多い。悠久の歴史でいえば短いとも云える狂人に依る暴走は幾多の不幸な狂気の悲惨な痕を残している。しかし人間社会は絶えず復元しながら成長していく。しかし、逆のことも起こる。しかし、逆のことも起こる。一人の狂人が走ったから、狂人でない人間まで走った。一人の狂った独裁者のために、日本中が戦争へ突き進んだんだ。一人の賢人が多くの人々を指導して全社会が健全に成長してゆく時代もある。古人の哲人政治の理想は然り。

 人類の社会にとり最も大切なことは、一人のリーダー出よということである。一人一人では決してない。このような時代においては、大衆は心から、すぐれたリーダーを待望していること間違いない。どんな小さな組織であれ、また巨大な組織であれ、まず一人のリーダーこそ大切である。一人のリーダーは決して独りではない。その独り独りの結集はその全組織を起こす。国家であれ、会社であれ、すぐれたリーダーの結集に依り興り、それ無くば即ち亡ぶ。古語にいう、『天下一人にして興り、一人にして亡ぶ』。

 群(むれ)よびにひとつ奔(はし)ると見るが中に   
     長々しくもつくる蟻(あり)みち  (曙覧 作)

 利(まうけ)のみむさぼる国に正しかる     
      日嗣(ひつぎ)のゆゑをしめしたらなん (曙覧 作)」。

 

 「中曽根総理の一番大事な瞬間はこれからくる。必すやってくる引き際だ。それまでの時間を短くても、長くてもいい、党の決議でもして、いつでも辞められるようにしておけは十全。 辞め方と辞め時の『方』と『時』は、同じことを意味する。それは総理・総裁が見識と責任をもって自分独りで決断することだ。タイミングを失うと、自民党が大混乱に陥るし、首相の政治家としての成果もいっペんに水泡に帰しかねない。首相のこれからの一瞬、一瞬はこれまでにも増して、真剣勝負になる」。

 「四十四年の総選挙で佐藤首相は自民二百八十八議席(当選後入党を加え三百二議席)を得て、長期政権の基礎を固めたがめたが「引き際があまり上手ではなかった。一方、中曽根首相は同日選の前は「私のよう俗物はなかなか煩悩が消せない」といっていた。同日選は、中曽根政権の最高の結末だ。実は今が辞め時だと思うが、次に引き継ぐことも考えないといけない。政権をだれに橋渡ししたら自分が納得できねか、それは首相に決断してもらわないと仕方がない」。

 「自民党が一番警戒しなきゃならんのは金権に陥ることだ。確かに政治にはカネがかかる。しかし『君子は財を愛す。これを取るに道あり』というじゃないか。不正なカネは手にしてはならん。民意は見るべきものはちゃんと見ている。カネでどうにでもなる国や政治なら、他国からも尊敬されない。民族の誇りもどこかに吹き飛んでしまう。政党自体が人間のつくっている集団だから、ほうっておけば堕落もする。それをよくする最高の責任は総理・総裁にある」。

 「三百を超える議席を得た機会に、自民党は何を最重要の党是とするべきか、というところまで帰らなければならん。もし憲法を改正したら日本がすぐよくなる、国民生活の豊かさの基礎が固まるというのならそれもいいが、そんな簡単なもんじゃない。下手をすると悪くなるくらいだ。時代は変化している。憲法には運用による面が確実にある。運用するのは人間だ。人間が主体性を持つことこそ民主主義だ。総理・総裁は主体他の権化でなくてはならん」。

 「政治はそれを担当する者の主体と責任を抜きには考えられない。一番危険なのは、だれが何を推進しているのか訳のわからん状態で、流されていくことだ。平穏なときは指導者があえて主体性を振りかざす必要もないが、いまは国境の垣根を越えた経済の危機、核軍拡が深刻で、まかり間違うと世界中が大変なことになる。何だか遠いことのように思えても、実は身近に迫っている。日本国の総理・総裁はグローバルにものを考えて、指導力を発揮せねは、役割を全うできない時代なんだ」。

 概要「(田原・でも四元さんはもともと民族派、いわば右翼出身でしょう。憲法改正派かと思っていましたが)。いや、僕は右翼じゃないです。あえて言えは、右のさらに右、左のさらに左」。

 「何をさておいても早速にやらなけれはならないことが山ほどある。中曽根政権のなかで民意の洗礼をうけた国鉄改革、税制改革、経済構造調整などの大公約だ。政治生命をかけてこれらをやり遂げ、あるいは軌道に乗せる仕事ができるのは、中曽根政権をおいてない。それがいまの政界の正直な実情だよ」。

 「同日選圧勝は、やれ遺族会のお陰じゃ、農協の頑張りじゃ、という連中がいるが、そりゃ−なんほかは働いただろう。だが、そんなものの機嫌をとって迎合するような政治をやるもんじゃない」
 「首相にとって欠かせないのは、本当の意味で謙虚さに徹することだ。本当の謙虚さは私心を去らないと生まれない。謙虚さを口にして、政治の方便にするのではいけない。おごるなかれ、三百議席の自民党だ」。




(私論.私見)