北朝鮮憲法考

 (最新見直し2010.11.01日)

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 2010.11.01日 れんだいこ拝



 北朝鮮の憲法史は次の通り。

 1948.9.8日、朝鮮民主主義人民共和国憲法(1948年憲法)を承認。1972.12.27日、最高人民会議第5期第1回会議において、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法(北朝鮮の現行憲法)を制定(1972年憲法)。1992.4.9日、最高人民会議第9期第3回会議において、1972年憲法を修正(1992年憲法)。1998.9.5日、最高人民会議第10期第1回会議において、1992年憲法を修正・補充(1998年憲法)。朝鮮民主主義人民共和国主席の規定の削除や国防委員会の権限強化など、大幅に改正された。2009.4月、最高人民会議第12期第1回会議において、1998年憲法を修正・補充した(2009年憲法)。


 1998年憲法では、以下のように全七章で構成されていた。

 序文

 第一章 政治(全18条)
 第二章 経済(全20条)
 第三章 文化(全19条)
 第四章 国防(全4条)
 第五章 公民の基本権利及び義務(全25条)
 第六章 国家機関 
  第一節(最高人民会議)(全13条)
  第二節(国防委員会)(全6条)
  第三節(最高人民会議常任委員会)(全11条)
  第四節(内閣)(全14条)
  第五節(地方人民会議)(全8条)
  第六節(地方人民委員会)(全8条)
  第七節(検察所及び裁判所)(全16条)
 第七章 国章、国旗、国歌、首都
  国章(第163条)、国旗(第164条)、国歌(第165条)、首都(第166条)。


 1998年憲法序文

 朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な領袖金日成同志の思想と指導を具現したチュチェの社会主義祖国である。偉大な領袖金日成同志は朝鮮民主主義人民共和国の創建者であり、社会主義朝鮮の始祖である。金日成同志は不滅のチュチェ思想を創始し、その旗のもとに抗日革命闘争を組織、指導して栄えある革命伝統を築き、祖国解放の歴史的偉業をなしとげ、政治、経済、文化、軍事の各分野で自主独立国家建設の強固な基礎を築き、それにもとづいて朝鮮民主主義人民共和国を創建した。

 金日成同志は主体的な革命路線を提示し、各段階の社会革命と建設事業を賢明に導き、共和国を人民大衆中心の社会主義国、自主、自立、自衛の社会主義国に強化、発展させた。金日成同志は国家建設と国家活動の根本原則を示し、もっともすぐれた国家・社会制度と政治方式、社会の管理体系と管理方法を確立し、社会主義祖国の富強、繁栄とチュチェの革命偉業の継承、完成の確固たる土台を築き上げた。

 金日成同志は「以民為天」を座右の銘とし、つねに人民のなかにあって人民のために一生涯をささげ、気高い仁徳政治をもって人民を見守り、導き、全社会を一心団結の大家庭に変えた。偉大な領袖金日成同志は民族の太陽であり、祖国統一の救いの星である。金日成同志は国の統一を民族至上の課題とし、その実現のために労苦を尽くし、心血を注いだ。金日成同志は共和国を祖国統一の強力なとりでにうちかためる一方、祖国統一の根本原則と方途を示し、祖国統一運動を全民族的運動に発展させて、全民族の団結した力で祖国統一偉業を成就する道を開いた。

 偉大な領袖金日成同志は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念を示し、それにもとづいて国の対外関係を拡大、発展させ、共和国の国際的権威を顕揚した。金日成同志は世界政治の元老として自主の新時代を切り開き、社会主義運動と非同盟運動の強化、発展のために、世界の平和と諸人民間の友好のために精力的に活動し、人類の自主偉業に不滅の貢献をなした。

 金日成同志は、思想・理論と指導芸術の天才であり、百戦百勝の鋼鉄の総帥であり、偉大な革命家、政治家であり、偉大な人間であった。金日成同志の偉大な思想と指導業績は朝鮮革命の万年の財宝であり、朝鮮民主主義人民共和国の隆盛、繁栄の基本的保証である。

 朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民は朝鮮労働党の指導のもとに、偉大な領袖金日成同志を共和国の永遠なる主席として仰ぎ、その思想と業績を擁護、固守し、継承、発展させて、チュチェの革命偉業をあくまで完成していくであろう。朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は、偉大な領袖金日成同志の主体的な国家建設思想と国家建設業績を法文化した金日成憲法である。

 2009年憲法序文

 朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な首領金日成同志の思想と領導を具現した主体の社会主義祖国である。偉大な首領金日成同志は、朝鮮民主主義人民共和国の創建者であられ、社会主義朝鮮の始祖であられる。金日成同志は、永生不滅の主体思想を創始し、その旗じるしの下に抗日革命闘争を組織領導され、栄えある革命伝統を築かれ、祖国光復の歴史的緯業を成し遂げられ、政治、経済、文化、軍事分野において自主独立国家建設の頑丈な土台を作り、それに基づいて、朝鮮民主主義人民共和国を創建された。

 金日成同志は、主体的な革命路線を示し、諸段階の社会革命及び建設事業を賢明に領導されて、共和国を人民大衆中心の社会主義国家に、自主、自立、自衛の社会主義国家に強化発展させられた。金日成同志は、国家建設及び国家活動の根本原則を明らかにして、最も優れた国家社会制度及び政治方式、社会管理体系及び管理方法を確立され、社会主義祖国の富強繁栄及び主体革命偉業の継承完成のための確固たる土台を築かれた。

 金日成同志は、《以民為天》を座右の銘とされ、常に人民と共におられ、人民のために生涯を捧げられ、崇高な人徳政治で人民を見守り、率いられて、すべての社会を一致団結された一つの大家庭に転変させられた。偉大な首領金日成同志は、民族の太陽であられ、祖国統一の救いの星であられる。金日成同志は、国家の統一を民族至上の課題として掲げ、その実現のためにあらゆる労苦と心血をすべて捧げられた。金日成同志は、共和国を祖国統一の強力な堡塁として固める一方、祖国統一の根本原則と方法を提示し、祖国統一運動を全民族的な運動に発展させられ、全民族の団結された力で祖国統一偉業を成就するための道を開いておかれた。

 偉大な首領金日成同志は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念を明らかにし、それに基づいて、国の対外関係を拡大発展させられ、共和国の国際的権威を高く轟かされた。金日成同志は、世界政治の元老として自主の新時代を開拓され、社会主義運動と非同盟運動の強化発展のために、世界平和と人民間の親善のために精力的に活動され、人類の自主偉業に不滅の貢献をされた。

 金日成同志は、思想理論と領導芸術の天才であられ、百戦百勝の鋼鉄の霊将軍であられ、偉大な革命家、政治家であられ、偉大な人間であられた。金日成同志の偉大な思想と領導業績は、朝鮮革命の万年財宝であり、朝鮮民主主義人民共和国の隆盛繁栄のための基本担保である。

 朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民は、朝鮮労働党の指導の下に偉大な首領金日成同志を共和国の永遠の主席として高く崇め、金日成同志の思想と業績を擁護固守し、継承発展させて、主体革命偉業を最後まで完成していくだろう。朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は、偉大な首領金日成同志の主体的な国家建設思想及び国家建設業的を法化した金日成憲法である。


 第一章 政治

第1条 朝鮮民主主義人民共和国は、全体朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。

第2条 朝鮮民主主義人民共和国は、帝国主義侵略者に反対し、祖国の光復及び人民の自由と幸福を実現するための栄えある革命闘争において成し遂げた輝かしい伝統を受け継いだ革命的な国家である。

第3条 朝鮮民主主義人民共和国は、人間中心の世界観であり、人民大衆の自主性を実現するための革命思想の主体思想、先軍思想を自己の活動の指導的指針とする。

第4条 朝鮮民主主義人民共和国の主権は、労働者、農民、軍人、勤労インテリをはじめとする勤労人民にある。
勤労人民は、自らの代表機関である最高人民会議及び地方各級人民会議を通じて主権を行使する。

第5条 朝鮮民主主義人民共和国においてすべての国家機関は、民主主義中央集権制原則により組織され、運営される。

第6条 郡人民会議から最高人民会議に至るまでの各級主権機関は、一般的、平等的、直接的原則に従い、秘密投票で選挙する。

第7条 各級主権機関の代議員は、投票者と密接な連携を持ち、自分の活動について投票者の前に責任を負う。
投票者は、自分が選挙した代議員が信任を失った場合には、いつでも召還することができる。

第8条 朝鮮民主主義人民共和国の社会制度は、勤労人民大衆があらゆるものの主人になっており、社会のすべてのものが勤労人民大衆のために服務する人間中心の社会制度である。
国家は、搾取と圧迫から解放され、国家と社会の主人となった労働者、農民、軍人、勤労インテリをはじめとする勤労人民の利益を擁護し、人権を尊重し、保護する。

第9条 朝鮮民主主義人民共和国は、北側で人民政権を強化し、思想、技術、文化の三大革命を力強く繰り広げ、社会主義の完全な勝利を成し遂げ、自主、平和統一、民族大団結の原則で祖国統一を実現するために闘争する。

第10条 朝鮮民主主義人民共和国は、労働階級が領導する労農同盟に基づく全体人民の政治思想的統一に依拠する。
国家は、思想革命を強化し、社会のすべての構成員を革命化、労働階級化し、全社会を同志的に結合した一つの集団とする。

第11条 朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮労働党の指導の下にすべての活動を進行する。

第12条 国家は、階級路線を堅持し、人民民主主義独裁を強化して、内外の敵対分子の破壊策動から人民主権及び社会主義制度をしっかりと保衛する。

第13条 国家は、群集路線を具現し、すべての事業において上が下を助け、大衆の中に入って、問題解決の方途を探し、政治事業、人との事業を前面に出して、大衆の自覚的熱誠を呼び起こす青山里精神、青山里方法を貫徹する。

第14条 国家は、三大革命赤い旗争奪運動をはじめとする大衆運動を力強く繰り広げ、社会主義建設を最大限に促進する。

第15条 朝鮮民主主義人民共和国は、海外にある朝鮮同胞の民主主義的民族権利及び国際法で公認された合法的権利及び利益を擁護する。

第16条 朝鮮民主主義人民共和国は、自己の領域内にある外国人の合法的権利及び利益を保障する。

第17条 自主、平和、親善は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念であり、対外活動原則である。
国家は、わが国を友好的に接するすべての国と完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉、互恵の原則で国家的又は政治、経済、文化的関係を結ぶ。
国家は、自主性を擁護する世界人民と団結し、あらゆる形態の侵略と内政干渉に反対して、国の自主権及び民族的、階級的解放を実現するためのすべての国の人民の闘争を積極的に支持声援する。

第18条 朝鮮民主主義人民共和国の法は、勤労人民の意思と利益の反映であり、国家管理の基本武器である。法に対する尊重と厳格な遵守執行は、すべての機関、企業所、団体及び公民において、義務的である。国家は、社会主義法律制度を完備して社会主義法務生活を強化する。

 第2章 経済

第19条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義的生産関係と自立的民族経済の土台に依拠する。

第20条 朝鮮民主主義人民共和国において生産手段は、国家及び社会協同団体が所有する。

第21条 国家所有は、全体人民の所有である。国家所有権の対象には制限がない。国のすべての自然資源、鉄道、航空輸送、逓信機関及び重要工場、企業所、港湾、銀行は、国家のみが所有する。国家は、国の経済発展において主導的役割をする国家所有を優先的に保護し、成長させる。

第22条 社会協同団体所有は、該当団体に入っている勤労者の集団的所有である。土地、農機械、船、中小工場、企業所等は、社会協同団体が所有することができる。国家は、社会協同団体所有を保護する。

第23条 国家は、農民の思想意識及び技術文化水準を高め、協同的所有に対する全人民的所有の指導的役割を高める方向で二つの所有を有機的に結合させ、協同経理に対する指導と管理を改善して、社会主義的協同経理制度を強固発展させ、協同団体に入っている全体構成員の自発的意思に従い、協同団体所有を順次全人民的所有に転換させる。

第24条 個人所有は、公民の個人的で、消費的な目的のための所有である。個人所有は、労働による社会主義分配並びに国家及び社会の追加的恵沢として形成される。自留地経営をはじめとする個人副業経営から出る生産物及びその他の合法的な経理活動を通じて得た収入も個人所有に属する。国家は、個人所有を保護し、それに対する相続権を法的に保障する。

第25条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民の物質文化生活を絶えず高めることを自分の活動の最高原則に据える。税金がなくなったわが国において増大する社会の物質的冨は、全面的に勤労者の福利増進にまわされる。国家は、すべての勤労者に食べて着て使って住めるあらゆる条件を用意してくれる。

第26条 朝鮮民主主義人民共和国に用意された自立的民族経済は、人民の幸福な社会主義生活及び祖国の隆盛繁栄のため確固とした源泉である。国家は、社会主義自立的民族経済建設路線を堅持し、人民経済の主体化、現代化、科学化を促進して、人民経済を高度に発展した主体的な経済に作り、完全な社会主義社会に適合する物質技術的土台を築くために闘争する。

第27条 技術革命は、社会主義経済を発展させるための基本な環である。国家は、常に技術発展問題を最優先にし、すべての経済活動を進行し、科学技術発展と人民経済の技術改造を促進し、大衆的技術革新運動を力強く繰り広げ、勤労者を困難で重い労働から解放し、肉体労働と精神労働の差異を減少させていく。

第28条 国家は、都市と農村の差、労働階級と農民の階級的差をなくすために農村技術革命を促進し、農業を工業化、現代化し、軍の役割を高めて農村に対する指導と幇助を強化する。国家は、協同農場の生産施設及び農村文化住宅を国家負担で建設する。

第29条 社会主義は、勤労大衆の創造的労働によって建設される。朝鮮民主主義人民共和国において労働は、搾取と圧迫から解放された勤労者の自主的で、創造的な労働である。国家は、失業を知らない私たちの勤労者の労働がより楽しいものに、社会及び集団と自身のために自覚的熱誠及び創意性を発揮して、仕事をする甲斐があるものになるようにする。

第30条 勤労者の一日労働時間は8時間である。国家は、労働の困難さの程度及び特殊な条件により一日の労働時間をこれより短く定める。国家は、労働組織を上手く行い、労働規律を強化して、労働時間を完全に利用するようにする。

第31条 朝鮮民主主義人民共和国において公民が労働する年齢は16才からである。国家は、労働する年齢に至っていない少年の労働を禁止する。

第32条 国家は、社会主義経済に対する指導及び管理において政治的指導と経済技術的指導、国家の統一的指導と各単位の創意性、唯一的指揮と民主主義、政治道徳的刺激と物質的刺激を正しく結合させる原則をしっかりと堅持する。

第33条 国家は、生産者大衆の集合的力に依拠し、経済を科学的に、合理的に管理運営する社会主義経済管理形態の大安の事業体系と農村経理を企業的方法で指導する農業指導体系によって、経済を指導管理する。国家は、経済管理において大安の事業体系の要求に合うように独立採算制を実施し、原価、価格、収益性等の経済的空間を正しく利用させる。

第34条 朝鮮民主主義人民共和国の人民経済は計画経済である。国家は、社会主義経済発展法則に従い、蓄積と消費の均衡を正しく捉え、経済建設を促進し人民生活を絶えず高め、国防力を強化することができるように人民経済発展計画を立てて実行する。
国家は、計画の一元化、細部化を実現して、生産成長の高い速度及び人民経済の均衡的発展を保障する。
第35条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民経済発展計画に従う国家予算を編成し、執行する。
国家は、すべての部門において増産及び節約闘争を強化し、財政統制を厳格に実施して、国家蓄積を体系的に伸ばし、社会主義的所有を拡大発展させる。

第36条 朝鮮民主主義人民共和国において対外貿易は、国家機関、企業所、社会協同団体がする。国家は、完全な平等及び互恵の原則で対外貿易を発展させる。

第37条 国家は、わが国の機関、企業所、団体と外国法人又は個人との企業合弁と合作、特殊経済地帯における様々な企業創設運営を奨励する。

第38条 国家は、自立的民族経済を保護するために関税政策を実施する。

 第3章 文化

第39条 朝鮮民主主義人民共和国で開化発展している社会主義的文化は、勤労者の創造的能力を高め、健全な文化情緒的需要を充足させることに寄与する。

第40条 朝鮮民主主義人民共和国は、文化革命を徹底的に遂行し、すべての人々を自然と社会に対する深い知識と高い文化技術水準を持つ社会主義建設者に作りあげ、全社会をインテリ化する。

第41条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義勤労者のために服務する真の人民的で、革命的な文化を建設する。国家は、社会主義的民族文化建設において帝国主義の文化的侵略と復古主義的傾向に反対し、民族文化遺産を保護して社会主義の現実に合うように継承発展させる。

第42条 国家は、あらゆる分野で古い社会の生活様式をなくし、新しい社会主義的生活様式を全面的に確立する。

第43条 国家は、社会主義教育学の原理を具現して、後代を社会と人民のために闘争する堅固な革命家に、至徳体を備えた主体型の新しい人間に育てる。

第44条 国家は、人民教育事業及び民族幹部養成事業を他のすべての事業の前面に出し、一般教育と技術教育、教育と生産労働を密接に結合させる。

第45条 国家は、1年間の学校前義務教育を含む全般的11年制義務教育を現代科学技術発展傾向と社会主義建設の現実的要求に合うように高い水準で発展させる。

第46条 国家は、学業を専門とする教育体系及び仕事をしながら勉強する様々な形態の教育体系を発展させ、技術教育及び社会科学、基礎科学教育の科学理論水準を高め、有能な技術者、専門家を育てる。

第47条 国家は、すべての学生を無料で勉強させ、大学及び専門学校学生には奨学金を与える。

第48条 国家は、社会教育を強化し、すべての勤労者が学習することができるあらゆる条件を保障する。

第49条 国家は、学齢前の子供を託児所及び幼稚園において国家及び社会の負担で育てる。

第50条 国家は、科学研究事業で主体を立て、先進科学技術を積極的に受け入れ、新しい科学技術分野を切り開いて、国の科学技術を世界的水準に立ち上げる。

第51条 国家は、科学技術発展計画を正しくして徹底的に遂行する規律を立て、科学者、技術者及び生産者の創造的協力を強化するようにする。

第52条 国家は、民族的形式に社会主義的内容を入れた主体的で、革命的な文学芸術を発展させる。国家は、創作家、芸術家が思想芸術性が高い作品を多く創作し、広範な大衆が文芸活動に広く参加させる。

第53条 国家は、精神的に、肉体的に絶えず発展しようとする人々の要求に合うように現代的な文化施設を十分に備え、すべての勤労者が社会主義的文化情緒生活を心ゆくまで享受させる。

第54条 国家は、私たちの言葉をあらゆる形態の民族語抹殺政策から守り、それを現代の要求に合うように発展させる。

第55条 国家は、体育を大衆化、生活化して、全体人民を労働と国防にしっかり準備させ、わが国の実情と現代体育技術発展趨勢に合うように体育技術を発展させる。

第56条 国家は、全般的無償治療制を強固発展させ、医師担当区域制及び予防医学制度を強化し、人々の生命を保護し、勤労者の健康を増進させる。

第57条 国家は、生産に先立ち環境保護対策を立て、自然環境を保存、造成し、環境汚染を防止し、人民に文化衛生的な生活環境及び労働条件を整える。

 第4章 国防

第58条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的、全国家的防衛体系に基づく。

第59条 朝鮮民主主義人民共和国武装力の使命は、先軍革命路線を貫徹し、革命の首脳部を保衛し、勤労人民の利益を擁護し、外来侵略から社会主義制度及び革命の戦取物、祖国の自由及び独立、平和を守るところにある。

第60条 国家は、軍隊及び人民を政治思想的に武装させる基礎の上に全軍幹部化、全軍現代化、全国民武装化、全国要塞化を基本内容とする自衛的軍事路線を貫徹する。

第61条 国家は、軍隊内において革命的領軍体系及び軍風を確立し、軍事規律及び群集規律を強化し、官兵一致、軍政配合、軍民一致の高尚な伝統的美風を高く発揚させる。

 第5章 公民の基本権利及び義務

第62条 朝鮮民主主義人民共和国公民となる条件は、国籍に関する法で規定する。公民は、居住地に関係なく朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける。

第63条 朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利及び義務は《1人はみんなのために、みんなは1人のために》という集団主義原則に基づく。

第64条 国家は、すべての公民に真の民主主義的権利及び自由、幸福な物質文化生活を実質的に保障する。朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利及び自由は、社会主義制度の強固発展と共により一層拡大する。

第65条 公民は、国家社会生活のあらゆる分野において誰もがみな等しい権利を有する。

第66条 17才以上のすべての公民は、性別、民族別、職業、居住期間、財産及び知識程度、党別、政見、信仰に関係なく選挙権及び被選挙権を有する。軍隊に服務する公民も選挙権及び被選挙権を有する。裁判所の判決により選挙権を剥奪された者及び精神病者は、選挙権及び被選挙権を有することができない。

第67条 公民は、言論、出版、集会、示威及び結社の自由を有する。国家は、民主主義的政党、社会団体の自由な活動条件を保障する。

第68条 公民は、信仰の自由を有する。この権利は宗教建物を作り、又は宗教儀式等を許容することにより保障される。宗教を外勢を引き込み、又は国家社会秩序を害するのに利用することができない。

第69条 公民は、申訴及び請願をすることができる。国家は、申訴及び請願を法が定めるところにより公正に審議処理するようにする。

第70条 公民は、労働に対する権利を有する。労働能力のあるすべての公民は、希望と才能に従って職業を選択し、安定した職場及び労働条件を保障される。公民は、能力により仕事をし、労働の量及び質に応じて分配を受ける。

第71条 公民は、休息に対する権利を有する。この権利は、労働時間制、公休日制、有給休暇制、国家費用による静養・休養制、継続して増大する各種の文化施設によって保障される。

第72条 公民は、無償で治療受ける権利を有し、高齢又は病気又は身体障害者で労働能力を失った者、世話する人がない老人及び子供は、物質的幇助を受ける権利を有する。この権利は、無償治療制、継続して増大する病院、療養所をはじめとする医療施設、国家社会保険及び社会保障制によって保障される。

第73条 公民は、教育を受ける権利を有する。この権利は、先進的な教育制度及び国家の人民的な教育施策によって保障される。

第74条 公民は、科学及び文学芸術活動の自由を有する。国家は、発明家及び創意考案者に配慮をする。著作権及び発明権、特許権は、法的に保護する。

第75条 公民は、居住、旅行の自由を有する。

第76条 革命闘士、革命烈士家族、愛国烈士家族、人民軍後方家族、栄誉軍人は、国家及び社会の特別な保護を受ける。

第77条 女子は、男子と同じ社会的地位及び権利を有する。国家は、産前産後休暇の保障、多くの子供を持つ母親のための労働時間の短縮、産院、託児所及び幼稚園網の拡張、その他の施策を通じて、母親及び子供を特別に保護する。国家は、女性が社会に進出するあらゆる条件を整える。

第78条 結婚及び家庭は国、家の保護を受ける。国家は、社会の基層生活単位である家庭を強固にすることに深い関心を向ける。

第79条 公民は、人身及び住宅の不可侵、書信の秘密を保証される。法に基づかなくては公民を拘束し、又は逮捕することができず、住居を捜索することができない。

第80条 朝鮮民主主義人民共和国は、平和と民主主義、民族的独立と社会主義のために、科学、文化活動の自由のために闘争して亡命してきた外国人を保護する。

第81条 公民は、人民の政治思想的統一と団結を堅固に守護しなければならない。公民は、組織と集団を貴重に感じ、社会と人民のために献身して仕事をする気風を高く発揮しなければならない。

第82条 公民は、国家の法及び社会主義的生活規範を守り、朝鮮民主主義人民共和国の公民となった栄誉と尊厳を固守しなければならない。

第83条 労働は、公民の神聖な義務であり、栄誉である。公民は、労働に自覚的に誠実に参加し、労働規律及び労働時間を厳格に守らなければならない。

第84条 公民は、国家財産と社会協同団体財産を大切にし、愛し、あらゆる汚貪浪費現象に反対し、闘争し、国の経営を主人らしくつましくしなければならない。国家及び社会協同団体財産は、神聖不可侵である。

第85条 公民は、いつも革命的警醒を高め、国家の安全のために献身し、闘争しなければならない。

第86条 祖国保衛は、公民の最大の義務であり、栄誉である。公民は、祖国を保衛しなければならず、法が定めるところにより、軍隊に服務しなければならない。

 第6章  国家機構

第1節 最高人民会議

第87条 最高人民会議は、朝鮮民主主義人民共和国の最高主権機関である。

第88条 最高人民会議は、立法権を行使する。
最高人民会議休会中には、最高人民会議常任委員会も立法権を行使することができる。

第89条 最高人民会議は、一般的、平等的、直接的選挙原則により秘密投票で選挙された代議員で構成する。

第90条 最高人民会議の任期は、5年とする。
最高人民会議の新しい選挙は、最高人民会議の任期が終了する前に最高人民会議常任委員会の決定により進行する。
やむを得ない事情により選挙をすることができない場合には、選挙をする時までその任期を延長する。

第91条 最高人民会議は、次のような権限を有する。
1 憲法を修正、補充する。
2 部門法を制定又は修正、補充する。
3 最高人民会議休会中に最高人民会議常任委員会が採択した重要部門法を承認する。
4 国家の対内外政策の基本原則を立てる。
5 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長を選挙又は召還する。
6 最高人民会議常任委員会委員長を選挙又は召還する。
7 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長の提案によって、国防委員会第1部委員長、副委員長、委員を選挙又は召還する。
8 最高人民会議常任委員会副委員長、名誉副委員長、書記長、委員を選挙又は召還する。
9 内閣総理を選挙又は召還する。
10 内閣総理の提案により、内閣副総理、委員長、相、それ以外の内閣構成員を任命する。
11 中央検察所所長を任命又は解任する。
12 中央裁判所所長を選挙又は召還する。
13 最高人民会議部門委員会委員長、副委員長、委員を選挙又は召還する。
14 国家の人民経済発展計画及びその実行状況に関する報告を審議し、承認する。
15 国家予算及びその執行状況に関する報告を審議し、承認する。
16 必要により内閣及び中央機関の事業状況の報告を受け、対策を立てる。
17 最高人民会議に提起される条約の批准、廃棄を決定する。

第92条 最高人民会議は、定期会議及び臨時会議を有する。
定期会議は、1年に1〜2次最高人民会議常任委員会が招集する。
臨時会議は、最高人民会議常任委員会が必要だと認める時、又は代議員全員の3分の1以上の要請がある時に招集する。

第93条 最高人民会議は、代議員全員の3分の2以上が参席して初めて成立する。

第94条 最高人民会議は、議長及び副議長を選挙する。
議長は、会議を司会する。

第95条 最高人民会議で討議する議案は、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長、国防委員会、最高人民会議常任委員会、内閣及び最高人民会議の部門委員会が提出する。
代議員も議案を提出することができる。

第96条 最高人民会議毎期第1次会議は、代議員資格審査委員会を選挙し、その委員会が提出した報告に基づき、代議員資格を確認する決定を採択する。

第97条 最高人民会議は、法令及び決定を出す。
最高人民会議が出す法令及び決定は、挙手可決の方法でその会議に参席した代議員の半数以上が賛成して初めて採択される。
憲法は、最高人民会議代議員全員の3分の2以上が賛成して初めて修正、補充される。

第98条 最高人民会議は、法制委員会、予算委員会等部門委員会を置く。
最高人民会議部門委員会は、委員長、副委員長、委員で構成する。
最高人民会議部門委員会は、最高人民会議事業を助け、国家の政策案及び法案を作成し、又は審議し、その執行のための対策を立てる。
最高人民会議部門委員会は、最高人民会議休会中に最高人民会議常任委員会の指導下に事業する。

第99条 最高人民会議代議員は、不可侵権を保障される。
最高人民会議代議員は、現行犯の場合を除いては、最高人民会議、その休会中に最高人民会議常任委員会の承認なしに逮捕し、又は刑事処罰をすることができない。

第2節 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長

第100条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者である。

第101条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長の任期は、最高人民会議の任期と同じである。

第102条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、朝鮮民主主義人民共和国全般的武力の最高司令官となり、国家の一切の武力を指揮統率する。

第103条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、次のような任務及び権限を有する。
1 国家の全般事業を指導する。
2 国防委員会事業を直接指導する。
3 国防部門の重要幹部を任命又は解任する。
4 外国と結んだ重要条約を批准又は廃棄する。
5 特赦権を行使する。
6 国の非常事態及び戦時状態、動員令を宣言する。

第104条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、命令を出す。

第105条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、自己の事業について最高人民会議の前に責任を負う。

第3節 国防委員会

第106条 国防委員会は、国家主権の最高国防指導機関である。

第107条 国防委員会は、委員長、第1部委員長、副委員長、委員で構成する。

第108条 国防委員会任期は、最高人民会議の任期と同じである。

第109条 国防委員会は、次のような任務及び権限を有する。
1 先軍革命路線を貫徹するための国家の重要政策を立てる。
2 国家の全般的武力及び国防建設事業を指導する。
3 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長命令、国防委員会決定、指示執行状況を監督し、対策を立てる。
4 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長命令、国防委員会決定、指示に外れる国家機関の決定、指示を廃止する。
5 国防部門の中央機関を出し、又はなくす。
6 軍事称号を制定し、将令以上の軍事称号を授ける。

第110条 国防委員会は、決定、指示を出す。

第111条 国防委員会は、自己の事業について最高人民会議の前に責任を負う。

第4節 最高人民会議常任委員会

第112条 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議休会中の最高主権機関である。

第113条 最高人民会議常任委員会は、委員長、副委員長、書記長、委員で構成する。

第114条 最高人民会議常任委員会は、若干名の名誉副委員長を置くことができる。
最高人民会議常任委員会名誉副委員長は、最高人民会議代議員中から長期間国家建設事業に参加し、突出した寄与をした労働者がなることができる。

第115条 最高人民会議常任委員会の任期は、最高人民会議の任期と同じである。
最高人民会議常任委員会は、最高人民会議任期が終了した後にも新たな常任委員会が選挙される時まで、自己の任務を引き続き遂行する。

第116条 最高人民会議常任委員会は、次のような任務及び権限を有する。
1 最高人民会議を招集する。
2 最高人民会議休会中に提起された新しい部門法案及び規定案、現行部門法及び規定の修正、補充案を審議採択し、採択実施する重要部門法を次回最高人民会議の承認を受ける。
3 やむを得ない事情で最高人民会議休会期間に提起される国家の人民経済発展計画、国家予算及びその調節案を審議し、承認する。
4 憲法及び現行部門法、規定を解釈する。
5 国家機関の法遵守執行を監督し、対策を立てる。
6 憲法、最高人民会議法令、決定、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長命令、国防委員会決定、指示、最高人民会議常任委員会政令、決定、指示に外れる国家機関の決定、指示を廃止し、地方人民会議の誤った決定執行を停止させる。
7 最高人民会議代議員選挙のための事業をし、地方人民会議代議員選挙事業を組織する。
8 最高人民会議代議員との事業をする。
9 最高人民会議部門委員会との事業をする。
10 内閣の委員会、省を新設又は廃止する。
11 最高人民会議休会中に内閣総理の提案によって、副総理、委員長、相、それ以外の内閣構成員を任命又は解任する。
12 最高人民会議常任委員会部門委員会構成員を任命又は解任する。
13 中央裁判所判事、人民参審員を選挙又は召還する。
14 外国と結んだ条約を批准又は廃棄する。
15 外国に駐在する外交代表の任命又は召還を決定し、発表する。
16 勲章とメダル、名誉称号、外交職級を制定し、勲章とメダル、名誉称号を授ける。
17 大赦権を行使する。
18 行政単位及び行政区域を新設又は変更する。
19 外国国会、国際議会機構との事業をはじめとする対外事業をする。

第117条 最高人民会議常任委員会委員長は、常任委員会事業を組織指導する。
最高人民会議常任委員会委員長は、国家を代表し、外国使節の信任状、召喚状を接受する。

第118条 最高人民会議常任委員会は、全員会議及び常務会議を有する。
全員会議は、委員全員で構成し、常務会議は、委員長、副委員長、書記長で構成する。

第119条 最高人民会議常任委員会全員会議は、常任委員会の任務及び権限を実現する上で提起される重要な問題を討議決定する。
常務会議は、全員会議で委任した問題を討議決定する。

第120条 最高人民会議常任委員会は、政令及び決定、指示を出す。

第121条 最高人民会議常任委員会は、自己の事業を助ける部門委員会を置くことができる。

第122条 最高人民会議常任委員会は、自己の事業について最高人民会議の前に責任を負う。

第5節 内閣

第123条 内閣は、最高主権の行政的執行機関であり、全般的国家管理機関である。

第124条 内閣は、総理、副総理、委員長、相及びその他必要な構成員で構成する。
内閣の任期は、最高人民会議の任期と同じである。

第125条 内閣は、次のような任務及び権限を有する。
1 国家の政策を執行するための対策を立てる。
2 憲法及び部門法に基づき、国家管理と関連する規定を制定又は修正、補充する。
3 内閣の委員会、相、内閣直属機関、地方人民委員会の事業を指導する。
4 内閣直属機関、重要行政経済機関、企業所を新設又は廃止し、国家管理機構を改善するための対策を立てる。
5 国家の人民経済発展計画を作成し、その実行対策を立てる。
6 国家予算を編成し、その執行対策を立てる。
7 工業、農業、建設、輸送、逓信、商業、貿易、国土管理、都市経営、教育、科学、文化、保健、体育、労働行政、環境保護、観光、その他の様々な部門の事業を組織執行する。
8 貨幣及び銀行制度を強固にするための対策を立てる。
9 国家管理秩序を立てるための検閲、統制事業をする。
10 社会秩序維持、国家及び社会協同団体の所有と利益の保護、公民の権利保障のための対策を立てる。
11 他の国と条約を締結し、対外事業をする。
12 内閣決定、指示に外れる行政経済機関の決定、指示を廃止する。

第126条 内閣総理は、内閣事業を組織指導する。
内閣総理は、朝鮮民主主義人民共和国政府を代表する。

第127条 内閣は、全員会議及び常務会議を有する。
内閣全員会議は、内閣構成員全員で構成し、常務会議は、総理、副総理及びその他総理が任命する内閣構成員で構成する。

第128条 内閣全員会議は、行政経済事業で提起される新たな重要な問題を討議決定する。
常務会議は、内閣全員会議で委任した問題を討議決定する。

第129条 内閣は、決定及び指示を出す。

第130条 内閣は、自己の事業を助ける非常設部門委員会を置くことができる。

第131条 内閣は、自己の事業について最高人民会議及びその休会中に最高人民会議常任委員会の前に責任を負う。

第132条 新たに選挙された内閣総理は、内閣構成員を代表して、最高人民会議で宣誓をする。

第133条 内閣委員会、相は、内閣の部門別執行機関であり、中央の部門別管理機関である。

第134条 内閣委員会、相は、内閣の指導下に該当部門の事業を統一的に掌握し、指導管理する。

第135条 内閣委員会、省は、委員会会議及び幹部会議を運営する。
委員会、相委員会会議及び幹部会議においては、内閣決定、指示執行対策及びその他の重要な問題を討議決定する。

第136条 内閣委員会、省は指示を出す。

第6節 地方人民会議

第137条 道(直轄市)、市(区域)、郡人民会議は、地方主権機関である。

第138条 地方人民会議は、一般的、平等的、直接的選挙原則により、秘密投票で選挙された代議員で構成する。

第139条 道(直轄市)、市(区域)、郡人民会議の任期は4年とする。
地方人民会議の新しい選挙は、地方人民会議の任期が終了する前に該当地方人民委員会の決定により進行する。
やむを得ない事情で選挙をすることができない場合には、選挙をする時までその任期を延長する。

第140条 地方人民会議は、次のような任務及び権限を有する。
1 地方の人民経済発展計画及びその実行状況に対する報告を審議し、承認する。
2 地方予算及びその執行に対する報告を審議し、承認する。
3 該当地域で国家の法を執行するための対策を立てる。
4 該当人民委員会委員長、副委員長、事務長、委員を選挙又は召還する。
5 該当裁判所の判事、人民参審員を選挙又は召還する。
6 該当人民委員会及び下級人民会議、人民委員会の誤った決定、指示を廃止する。

第141条 地方人民会議は、定期会議及び臨時会議を有する。
定期会議は、1年に1〜2次該当人民委員会が招集する。
臨時会議は、該当人民委員会が必要と認める時、又は代議員全員の3分の1以上の要請がある時、招集する。

第142条 地方人民会議は、代議員全員の3分の2以上が参席して初めて成立する。

第143条 地方人民会議は、議長を選挙する。議長は会議を司会する。

第144条 地方人民会議は、決定を出す。

第7節 地方人民委員会

第145条 道(直轄市)、市(区域)、郡人民委員会は、該当人民会議休会中の地方主権機関であり、該当地方主権の行政的執行機関である。

第146条 地方人民委員会は、委員長、副委員長、事務長、委員で構成する。
地方人民委員会の任期は、該当人民会議任期と同じである。

第147条 地方人民委員会は、次のような任務及び権限を有する。
1 人民会議を招集する。
2 人民会議代議員選挙のための事業をする。
3 人民会議代議員との事業をする。
4 該当地方人民会議、上級人民委員会決定、指示及び最高人民会議法令、決定、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長命令、国防委員会決定、指示、最高人民会議常任委員会政令、決定、指示、内閣及び内閣委員会、誠意決定、指示を執行する。
5 該当地方のすべての行政事業を組織執行する。
6 地方の人民経済発展計画を作成し、その実行対策を立てる。
7 地方予算を編成し、その執行対策を立てる。
8 該当地方の社会秩序維持、国家及び社会協同団体の所有及び利益の保護、公民の権利保障のための対策を立てる。
9 該当地方で国家管理秩序を立てるための検閲、統制事業をする。
10 下級人民委員会事業を指導する。
11 下級人民委員会の誤った決定、指示を廃止し、下級人民会議の誤った決定の執行を停止させる。

第148条 地方人民委員会は、全員会議及び常務会議を有する。
地方人民委員会全員会議は、委員全員で構成し、常務会議は、委員長、副委員長、事務長で構成する。

第149条 地方人民委員会全員会議は、自らの任務及び権限を実現する上で提起される重要な問題を討議決定する。
常務会議は、全員会議が委任した問題を討議決定する。

第150条 地方人民委員会は、決定及び指示を出す。

第151条 地方人民委員会は、自己の事業を助ける非常設部門委員会を置くことができる。

第152条 地方人民委員会は、自己の事業について該当人民会議の前に責任を負う。
地方人民委員会は、上級人民委員会及び内閣、最高人民会議常任委員会に服従する。

第8節 検察所及び裁判所

第153条 検察事業は、中央検察所、道(直轄市)、市(区域)、郡検察所と特別検察所がする。

第154条 中央検察所所長の任期は、最高人民会議任期と同じである。

第155条 検事は、中央検察所が任命又は解任する。

第156条 検察所は、次のような任務を遂行する。
1 機関、企業所、団体及び公民が国家の法を正確に守るかを監視する。
2 国家機関の決定、指示が憲法、最高人民会議法令、決定、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長命令、国防委員会決定、指示、最高人民会議常任委員会政令、決定、指示、内閣決定、指示に外れないかを監視する。
3 犯罪者をはじめとする法違反者を摘発し、法的責任を追及することを通じ、朝鮮民主主義人民共和国の主権及び社会主義制度、国家及び社会協同団体財産、人民の古い法的権利及び生命財産を保護する。

第157条 検察事業は、中央検察所が統一的に指導し、すべての検察所は、上級検察所及び中央検察所に服従する。

第158条 中央検察所は、自己の事業について最高人民会議及びその休会中に最高人民会議常任委員会の前に責任を負う。

第159条 裁判は、中央裁判所、道(直轄市)裁判所、市(区域)、郡人民裁判所及び特別裁判所がする。
判決は、朝鮮民主主義人民共和国の名前で宣告する。

第160条 中央裁判所所長の任期は、最高人民会議の任期と同じである。
中央裁判所、道(直轄市)裁判所、市(区域)、軍人民裁判所の判事、人民参審員の任期は、該当人民会議任期と同じである。

第161条 特別裁判所の所長及び判事は、中央裁判所が任命又は解任する。
特別裁判所の人民参審員は、該当軍務者会議又は従業員会議で選挙する。

第162条 裁判所は、次のような任務を遂行する。
1裁判活動を通して、朝鮮民主主義人民共和国の主権と社会主義制度、国家及び社会協同団体財産、人民の憲法的権利及び生命財産を保護する。
2 すべての機関、企業所、団体及び公民が国家の法を正確に守り、階級的敵とあらゆる法違反者などに反対し、積極的に闘争するようにする。
3 財産に対する判決、判定を執行し、公証事業をする。

第163条 裁判は、判事1人及び人民参審員2人で構成された裁判所がする。特別な場合には判事3人で構成してできる。

第164条 裁判は、公開し、訴えられる者の弁護権を保障する。
法が定めるところにより裁判を公開しないことができる。

第165条 裁判は朝鮮語でする。外国の人々は、裁判で自国語をすることができる。

第166条 裁判所は、裁判で独自的であり、裁判活動を法に依拠して遂行する。

第167条 中央裁判所は、朝鮮民主主義人民共和国の最高裁判機関である。
中央裁判所は、すべての裁判所の裁判事業を監督する。

第168条 中央裁判所は自己の事業について最高人民会議及びその休会中に最高人民会議常任委員会の前に責任を負う。

 第7章  国章、国旗、国家、首都

第169条 朝鮮民主主義人民共和国の国章は、《朝鮮民主主義人民共和国》と記した赤い帯で編み上げた稲穂の楕円形枠の中に雄壮な水力発電所があり、その上に革命の聖山白頭山とさん然と輝く赤い五画星がある。

第170条 朝鮮民主主義人民共和国の国旗は、旗の中央に広い赤地があり、その上に細い白地があり、その次に青地があり、赤地の旗竿よりの白い円の中に赤い五角形の星がある。
奇抜の縦と横の比は、1対2である。

第171条 朝鮮民主主義人民共和国の国歌は、《愛国歌》である。

第172条 朝鮮民主主義人民共和国の首都は平壌である。






(私論.私見)