菅政権史5

 (最新見直し2010.11.26日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 ここで、菅政権史5を確認しておくことにする。

 2010.06.04日 れんだいこ拝



Re::れんだいこのカンテラ時評852 れんだいこ 2010/11/11
 【「中国漁船衝突、船長逮捕尖閣事件」、「神戸海保職員による尖閣事件映像漏洩事件」の胡散臭さ考】

 尖閣諸島海域での「中国漁船衝突、船長逮捕尖閣事件」(以下、「衝突逮捕尖閣事件」と云う)、「神戸海保職員による尖閣事件映像漏洩事件」(以下、「尖閣事件映像漏洩事件」と云う)の胡散臭さについて述べておく。まず「衝突逮捕尖閣事件」は、9.1日公示、9.14日投開票の民主党代表選の最中の9.7日に発生している。これは偶然だろうか。なぜこの時期に発生したのだろうか。そもそも、この時、偶然に中国漁船が現れ事件に及んだのか、平素より漁活動していたところを急に警告を発し、衝突逮捕に及んだものか、これに対する検証がされていない。中国漁船衝突事件のキーポイントはここにあると思われるのに、これを詮索しようとしていない。前者なら、中国漁船が急に現れた事由を解析せねばならない。後者なら、海上保安庁が急に拿捕含みの警告を発した事由を解析せねばならない。どちらにしても事件は工作された気がしてならない。

 現在、尖閣事件の映像漏洩事件が発生しているが、それぞれの艦船が2時間に及ぶ捕りもの劇の映像を残している。この映像は、海上保安庁が常時この程度の映像能力を持つことを示していると云うことだろうか。あらかじめ事件が想定されており、しっかりと映像化した面があるのではなかろうか。れんだいこが映像を見て思うのに、海上保安庁側も中国漁船側も、これから何が起こるか予見していたような「双方の落ち着き」が見て取れる。これは、この事件が工作されたことを意味していないだろうか。

 マスターテープの映像の全てが開示されたなら、中国漁船が海上保安庁の艦船数隻に包囲され、逃げることができたのかできなかったのかが判明しよう。海保は、「当初、領海外への退去を警告。逃走後はマイクや電光掲示板などを使い中国語で停船を呼びかけ、危険でない程度に前方に回り込んだり、放水も行った」と発表している。一方、漁船は危険な動きを繰り返し、逃走開始時に巡視船「よなくに」、逃走中に「みずき」と接触した。海保関係者は「意図的でないと考えられない動き」と解説している。確かに直接の衝突シーンでは誰が見ても中国漁船の方が突っ込んだ形になっている。しかしながら、突っ込むように誘い追い込んだ可能性も捨てきれない。その時の海上保安庁の艦船数隻の位置も確認しなければ不公正だろう。あるいは、端から衝突予定で現われているのかも知れない。

 そういう意味で、警告活動開始から漁船拿捕までのマスターテープ映像全てが公開されなければオカシイ。下手な編集は要らない。菅政権は、何を思ってかひたすら隠そうとし、こたび漏洩された。政権交代前の「国民の知る権利擁護」と比べオカシイではないか。補足しておけば、菅政権の言動と行状は、今後野党に転落した場合、二度と政府批判できないような悪例を積み重ねつつある。一々挙げたらキリがないほどであり、「オマエモナ―」の一言で済まされてしまうであろう。問題は、なぜそういう愚行をするかである。

 もとへ。全マザーテープの全公開が要望されている。菅政権の粗脳オツムで判断するより、我々の判断の方がよほど事態を正確に認識し得る。特にはっきりさせておきたいことは、件(くだん)の中国漁船が尖閣諸島周辺を常日頃から漁場としていた顔なじみなのか、突如やって来た不思議な漁船なのかの詮索である。前者なら、海上保安庁側がこの時なぜ急に拿捕含みの警告活動に入ったのか、指令があったのかどうかが追証されねばならない。後者なら、現場に珍しい中国漁船がなぜやって来たのかが詮索されねばならない。肝心のこういうことが判明しないと云うことは、マトモな報道が為されていないことを意味する。逮捕された船長、乗組員然りで本当の漁師なのか、俄か仕立ての漁師なのかも分からない。これについては一部で、中国軍人説が流されている。これも検証せねばならない。

 事件は、中国漁船乗組員全員が拘束され、中国船長が逮捕され起訴された。乗組員は釈放された。この事件が速報されるや中国で反日デモ、日本で反中デモが起り、中国政府がレアアース(希土類)輸出制限を持ち出し、9.23日、中国在留の建設会社フジタの社員4名逮捕事件へと飛び火した(10.9日釈放)。9.24日、那覇地検が「政治的判断含みの独自の判断」により船長が釈放されたのは衆知の通りである。これを廻っても反日デモ、反中デモが増幅された。この反日デモ、反中デモは自然発生的なのだろうか、工作含みの面があるのではなかろうか。結果的に、外交果実として日中離間がプロパガンダされた。この事件は、いつしか起こるものが偶々この時に発生したのか、仕組まれた事件なのかはっきりさせねばならない。

 れんだいこが想起するのは、1974(昭和49)年の田中政権下での田中首相一行のASEAN歴訪時の反日デモである。1.7日、田中首相が、フィリピン、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの東南アジア5カ国歴訪に出発した。1.8日、フィリピンのマルコス大統領と会談。1.9日、タイの首都バンコクで、「経済侵略反対」、「田中帰れ」と叫ぶ学生らの激しい反日デモに迎えられた。日本商品がタイの総輸入の半分近くを占め、対日赤字が毎年2億ドル(約580億円)にものぼる日本の対タイ経済政策に対する反発で、約5000人のデモ隊が首相一行の宿舎前に押しかけ、田中首相の似顔絵や日本車の模型を次々に焼いた。田中首相は、学生代表と対話集会に臨むと云う異例の外交履歴を残している。タイ国王のラマ9世(プミポン大王)が「あなたたちの使っているマイクも日本製だ。皆が持ちつ持たれつだ」と戒め、デモが鎮静化した。1.10日、タイのサンヤ首相と会談。1.11日、シンガポールのリー・クァン・ユー首相と会談。1.14日、マレーシアのラザク首相と会談。1.15日、インドネシアのスハルト大統領と会談。ジャカルタでも1万人のデモ隊が暴動化し、日本大使館の国旗が引きずり降ろされ、日本車など200台以上が焼かれる騒ぎとなった。

 この時の反日デモが工作されたものであり、背後に国際金融資本帝国主義(この場合はCIA)のヤラセがあったとも伝えられている。これについてネット情報を検索してみたが詳細なものがない。確か、どなたの論文を読んだことがある。今後確認して見たいと思う。これを思えば、事件の背後には時に「国際金融資本帝国主義のヤラセ操作」があると勘繰らねばならない。れんだいこは、ロッキード事件の喧騒の裏にもこの種のものがあったとみている。この論法によれば、当然こたびの事件もこの線から洗われねばならない。口角泡を飛ばして正義ぶるのは遠慮勝ちぐらいで丁度良い。

 さて、現在はユーチューブ投稿による「尖閣事件映像漏洩事件」へ転じている。この事件の臭いところは、容疑者が露見するまでは海上保安庁側か検察庁側か不明、犯人割り出しは難しいとされていたのに、読売テレビの山川友基記者が逸早く容疑者を洗い出し、事前に取材しているところにある。

 山川記者は、この情報をどのように入手したのだろうか。山川記者がどうやって嗅ぎつけたのか、それとも誰かが読売テレビにリークし、山川記者が担当するよう命ぜられたものなのか説明責任があろう。容疑者の神戸海上保安部の海上保安官(43)氏も、件の映像をどのように入手したのか説明責任があろう。漏洩を義挙と看做す向きもあるが、ことは単純ではない。神戸の海上保安部で入手できたのであれば他の地域でも可能であったと云うことになる。厳重に管理されていたとするなら、どうやって入手したのだろうかか。単独犯ではないと云うことになろう。厳重管理前の入手説も胡散臭い。問題は、神戸海上保安部の海上保安官(43)氏が単独入手したのか、介在者が居るのかどうかである。それが義挙精神で為されたものかどうか、政権揺さぶりの陽動作戦なのかどうか今現在は分からないとすべきだろう。

 真の問題は、この両事件を通じて悶着が起こるように起こるように誘導されていることにある。菅首相からして事件勃発の数日後に於いても「映像確認していない」と平然とのたまわってきた。それが違和感なく許されてきたが有り得てならないことではなかろうか。あきれる官邸主導政治の実態ではなかろうか。

 前原外相以下他の閣僚も日本領土論をぶち上げ、ことが揉めるように揉めるように誘導して来た。仙石官房長官も同じであるが、先日は厳秘メモをわざわざ撮影されるように開いて見ていて、盗撮されたと臭い芝居をしていた。厳秘メモを開いて見ていること自体がオカシイではないか。その前には柳腰外交論をぶって顰蹙を買っている。漏洩容疑者逮捕情報が海上保安庁長官に伝えられていたにも拘わらず、国会質疑中と云う理由で三時間近く捨て置かれ官邸に伝えられなかった。これもオカシイではないか。全てが悶着が起こるように誘導されているのではないのか。

 れんだいこには次第に衆院解散の足音が聞こえてくる。政権交代効果の期待で発足した民主党が、鳩山-菅政権の二代にわたってマニュフェストを徹底的に棚上げ又は変造し、消費税増税、武器輸出禁輸解禁、農産物完全自由化、自衛隊派兵、同海外援助金の大盤振る舞い等々、意図的故意に民主党はアカンとする食傷化政策を押し進め、政権交代機運をすっかり壊した揚句に衆院解散、元の木阿弥に戻そうとしているように見える。これを上からやっているところが異常である。そういう筋書きが有り、役者が踊っていると云うことであろう。

 世の中何が幸いするか分からないので、与野党こぞって臭い芝居をし続けるが良かろうが、これだけは云っておく。今後、れんだいこの近くに菅及びその一派が寄ってきたら、罵声以外にないということだけは覚悟しておけ。サヨもダメだが、リベラルも同じ穴のムジナだったということが明確になり、失望するやらスッキリするやら。これが唯一の果実となった。

 2010.11.11日 れんだいこ拝

 中国漁船が「トロール船」であったことに関して、次のような情報が交わされている。「トロール船」は、近海漁業とは異なり、魚群を追いかけて遠洋に出る。当然、魚群探査機を積載する。魚群探査機は「レーダー」であり、中国ではいかなるレーダーも軍の許可無くしては取り付けられない。とすれば、このトロール船は軍部の許可を得た船という結論が出る。導き出される可能性は3つ。1・軍のカモフラージュ船だった。2・軍の代理人として出航していた。3・軍部の許可を得た船が操られた。前二者からは、こたびの衝突が、人民解放軍の作戦行動だったことを推測させる。後者からは、軍部の許可を得た船を操った者の政治的意図が推測されねばならない。いずれにせよ、単なる漁船の衝突事件である訳がないと云うことになる。

 読売テレビの山川友基記者の容疑者割り出しについて疑問が広がりつつある。「IPアドレスの特定から神戸の漫画喫茶という場所を特定」したというところがミソになるが、読売グループが事前に情報をかなり掴んでいた様子が判明しつつある。「読売テレビ ニュース&ウェザー」によると、「読売テレビ記者が、この人物に数日前から接触、話を聞いていた」ことを明らかにしている。では、読売テレビの山川記者はいつ頃、割り出したのだろうか。世間が大騒ぎになった5日から、たったの2日くらいで犯人に辿り着けたことになる。山川記者の千里眼ぶりも検証されねばならないだろう。

 尖閣ビデオを流失させた海保保安官の実名が一色正春であることが判明した。朝日新聞グループの雑誌・アエラに海保保安官の個人情報がリークされ、ネットで大騒ぎとなっている。それによれば、I氏(神戸在住)は韓国人妻をもち、韓国語がペラペラのようです。I氏は自分がやったと言っているだけで、別に関与者がいる可能性もある。ユーチューブにアップしたハンドルネーム・Sengoku38の解明もされていない。
 2010.11.19日、海保が参院予算委員会に提出した資料により、尖閣事件の元映像が4本、計4時間36分であることが判明した。それによると、最初の衝突事件となった巡視船よなくには16分と29分の2本、2度目の衝突事件となった巡視船みずきは1本で2時間12分、みずきが衝突するところを映像した巡視船はてるまは1本で1時間39分。しかし、これもオカシイ。事件が2時間に及んでいるのなら、各巡視船は同程度の映像を記録するものではなかろうか。ましてや、最初の衝突事件となった巡視船よなくにの16分と29分とあるのが臭い。時間が短すぎるではないか。
 上記文の阿修羅版「政権交代も元の木阿弥 衆院解散の足音が聞こえる 「尖閣事件」「映像漏洩事件」の胡散臭さ考 れんだいこのカンテラ時評852」に対するコメントで注目されるべき一文があるので転載しておく。
 11. 2010年11月13日 13:56:31: WQU01HuQI6

 ここまで政権コンセプトの無い内閣も珍しい、菅総理に見られることは<何をどのような方法でどうやりた(いの)か?>では無く如何に自分が総理の座に少しでも長く坐ろうかであろう。しかもその魂胆が全て露見してるという現状である。
しかもこの内閣の実質のリーダーは仙谷官房長官なのだがこの官房長官、総理を支え内閣を束ねる、そんな気概は何処を捜しても見当たらない。この男、内閣の為、民主党のため、国益の為、そんな気持ちは一切ないらしい。この不思議は面白い、まあ私利私欲のため仙谷は現職にいるのは確かだが(ベトナムの原発)能力の所為だけではかたずけられん無能ぶりである。

 バラバラの要点を少し整理してみた。
①鳩山内閣以来であるが、ドジで間抜けな前原君、この無責任男、マスコミ的には極めて無傷なのだ。無能で馬鹿で、KYな男は存在自体が犯罪とおもうのだが・・官房長官の職務では無能無気力、口先だけも口害撒き散らし・・それでもマスコミ的には傷つくことがない・・なんかへんだぞ。
②本来ならば総理の女房役の官房長官、ポスト菅に意欲充分の噂が・・・・なんか変だぞ
③気弱な地上げ屋さんのブログから
赤坂の高級お寿司店でナベツネと枝野と仙谷が定期的に会食と鳩内閣の頃から・・
★前原君、野党のころ、民主を離党し自民党へのはずが記者会見前夜にドタキャン・・
★枝野クン、郵政民営化廃止法案たけなわのころ住友の高級住宅地にある三井住友の迎賓館で西川社長と秘密に会食・・・
★内閣も菅、岡田と仙谷、前原夫々のタッグの対立の噂・・・

★日テレといえば反小沢の牙城、ナベツネの黒板みたいなZEROであるが,友好的よいしょの雰囲気のなか前原君、2度ほど生出演(私が見たのは・・)

 という事は?菅総理は小沢氏を陥れる為の咬ませ犬、捨石。年内か年明けか解散総選挙、前原中心の仙谷後見人の新党立ち上げプランであろうが、このとらタヌ上手く行くかどうか? ネオコン政権はぜがひでも阻止せねば。ロシアンブルー

(私論.私見)

 このコメントの仙石、前原、枝野の親ナベツネ情報は貴重である。チェックしておく。

 2010.11.13日 れんだいこ拝

 2010.11.4日、「sengoku38」氏により、尖閣事件記録ビデオ映像がユーチューブに投稿されネットに漏洩された。名乗り出た海保職員の巡視船航海士(I氏)は、事前によりによってナベツネ率いる読売テレビ(大阪)の山川友基記者に告白し、神戸市内で2時間に渡って取材を受けていたことが判明している。山川記者は、読売テレビが11日午後2時から放送された「情報ライブ・ミヤネ屋」に生出演。保安官が残したメモを披露し、取材時の様子などを詳細に語った。概要は次の通り。

 11.10日朝、「ビデオが神戸市内の漫画喫茶から流出した」とのニュースが流れた直後に保安官が山下記者に電話し、「今から上司に話す」と告げたことで本物であるとの「確証を持った」という。投稿の動機は「あれを隠していいのか。おそらく私が公開しなければ闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまうのではないか。国民には見る権利がある」と説明。「本当に私がやったことが国民の倫理に反することなら甘んじて罰を受ける」と言い切ったという。 「sengoku38」の投稿者名については、「仙谷官房長官でもあるし、戦国時代でもある。今の日本を取り囲む状況が戦国時代さながら。そういう意味にも取れるのではないか。あえてその辺は私の胸の中」と言葉を濁した。

 11.10日、保安官が上司に投稿を打ち明け、上司の通報により警視庁捜査1課と東京地検の事情聴取が始まった。取り調べは第5管区海上保安本部(神戸市)5管で行われ、初日の聴取は午後9時半に終わった。3日連続の取り調べになった。


 11.12日、警視庁捜査1課は、関与を認めた第5管区海上保安本部(神戸市)の神戸海上保安部に所属する海上保安官(43)に対し、「当面は任意で事情聴取を継続する」方針を決めた。3日間にわたって国家公務員法(守秘義務)違反容疑で取り調べたが、容疑の裏付けが不十分と判断。週明けにも逮捕の可否を判断するとみられるが、捜査は長期化の様相も見せ始めている。

 5管は13日未明、報道陣に対し、保安官直筆の文書を読み上げた。内容は以下の通り。(原文のまま)

 「私○○はこのたび世間をお騒せしたこと及び多くの人々に多大なる御迷惑をおかけした事を一番最初に心からお詫び申し上げます。本日私がここに宿泊いたしますのは、貴方たちマスコミのおかげです。私がこの建物を出たならばさらに多大なる迷惑を多くの人々にかけてしまうからです。本日、私がここに泊るのは私の意志に基づくものであります。過熱した報道を少しはひかえて下さい」。

 また保安官は、11日から2回面会した弁護士を解任した。


Re::れんだいこのカンテラ時評853 れんだいこ 2010/11/13 22:32
 【民主党連合政権の三番手出でよ、直ちにウォーミングアップを始動せよ】

 今我々が目にしている菅政権に対して、あれこれ批評する段階は終わっていると思う。はっきり異常と断ずるべきではなかろうか。この際の異常とは、菅政権が、自分たちの立脚する民主党と昨年の衆院選来の政権交代政権を意図的故意に加虐し続けていると云う変態性を指している。

 民主党及び政権交代政権が、旧政権の自公派によって引導渡されようとしているのではない。民主党及び政権交代政権の執行部が自ら上から党と政権を潰そうとしている。この異常性を異常としてそのままに察知すべきである。意図的故意にしている訳だから批評で済まされる訳ではない。それを良しと思うなら支援すれば良い。イケナイと思うなら引きずりおろさねばならない。長引けば長引くほど事態は悪化し不利になろう。

 菅政権が内政的外交的に無能力を示しているのは地金であろうが、事態はそれだけでは済まされない。拙い内政、外交に添うようにして、意図的故意の民主党及び政権交代政権に対する幻滅化政策が画策され続けている。れんだいこは既に何度も指摘しているが、あと何回言えば分かって貰えるだろうか。れんだいこ史観によれば、現代世界を支配している国際金融資本帝国主義は、自公政権であろうが民主党連合政権であろうがお構いなしに、彼らの望む政策を要請し、何と鳩山政権、菅政権の方が自公政権よりも御用聞き度が強まっている。逐一政策を挙げないが、人民大衆がある程度の期待感で遇している間に、怜悧な政治が布石、履行され続けている。

 我々が政権交代政権に期待したのは少なくとも小沢系政治の方であり、政権交代効果を意図的故意に毀損し続ける菅政権の方では決してない。このことを今やはっきりと確認すべきではなかろうか。

 阿修羅版「政権交代も元の木阿弥 衆院解散の足音が聞こえる 「尖閣事件」「映像漏洩事件」の胡散臭さ考 れんだいこのカンテラ時評852」に対して「11. 2010年11月13日 13:56:31: WQU01HuQI6 」氏が注目されるべきコメントをしている。それによれば、「赤坂の高級お寿司店でナベツネと枝野と仙谷が定期的に会食と鳩内閣の頃から・・」、「前原君、野党のころ、民主を離党し自民党へのはずが記者会見前夜にドタキャン・・」、「枝野クン、郵政民営化廃止法案たけなわのころ住友の高級住宅地にある三井住友の迎賓館で西川社長と秘密に会食・・・」、「日テレといえば反小沢の牙城、ナベツネの黒板みたいなZEROであるが,友好的よいしょの雰囲気のなか前原君、2度ほど生出演(私が見たのは・・)」とある。

 補足すれば、菅については、中村てつじ(中村哲治)民主党参議院議員がブログで次のように述べている。「ふと落選中の出来事を思い出した。アメリカ領事館から電話があった。『各国の次の世代のリーダーに3週間アメリカを訪問して頂くプログラムがあります。菅直人先生も経験されています』。私はそこまでやってもらうことに引っかかりを感じ行く決意ができなかった」(http://twitter.com/#!/NakamuraTetsuji/status/18412586443)。

 これは、命のかかった内部告発ではなかろうか。れんだいこには、中村氏に仕掛けられたモーションはネオシオニスト特有のエージェントスポンサー活動であることが直ぐ分る。してみれば、広告灯として利用されている菅はかなり早くから籠絡されていることになる。これにより、菅の小沢政権を創らせない為にハシャギ、シャカリキの裏舞台が透けて見えて来よう。

 仙石については、2010.9.15日、首相官邸でアーミテージ米元国務副長官と昼食を取りながら会談したことが報ぜられている(http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010091500515)。尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突した事件や、菅直人首相が今月下旬に訪米する際に行われる見通しのオバマ米大統領との首脳会談について意見交換した、とある。何と、小泉政権下で官邸を自在に出入りしていたあのタコ入道が仙石とツーカーの仲と云うことになる。

 してみれば、ポスト小泉後の自公政権が安倍、福田、麻生と次第に小泉式「改革」路線から離れて行ったのに比して、政権交代後の民主党系鳩山、菅政権が逆に小泉路線にリバイバル接近していることが分かる。どうやら、菅政権の正体がすっかり見えてきたのではないのか。ここにナベツネも登場している。「11. 2010年11月13日 13:56:31: WQU01HuQI6氏コメント」等を参考にすれば、菅、前原、枝野、仙石、岡田はどいつもこいつも強度のシオニスタンと云うことになる。酷い話ではある。

 菅政権中枢の異常性がここまで明らかになっているのに、民主党はなお菅政権を戴き続けるのだろうか。れんだいこの眼には、がけっ淵に向かう集団行進自殺としか映らない。今なら立て替えが間に合うのか合わないのか分からないが、やるしかなかろう。既に用意周到に衆院解散、それによる民主党の解党的大敗のワナが仕掛けられている。後はタイミングの問題でしかない。衆院解散をやらさない為の三番手政権の登場が望まれている。直ちにウォーミングアップを始動させよ。年末までにカタを付けるのが良かろう。

 菅政権の批評の段階は終わった。将棋ではツンでいる。囲碁ではオワっている。後は腐臭でしかない。小沢で行くのか、亀井で行くのか、誰でも良い、日本の政治は日本の為にやるの精神だけで良い。もはや党も関係ない。ヘッドが決まれば後は助け合いあるのみ。とにかく待ったなしで行こうや。これ以上は体に悪い。

 2010.11.13日 れんだいこ拝


Re::れんだいこのカンテラ時評854 れんだいこ 2010/11/14
 【略語における日本語の秀逸考、TPP問題考】

 2010..11月、「降って沸いた『TPP』の謎?!」が問題になっている。まず言語的に意見しておきたい。「TPP」では意味が分からないことを問題にしようと思う。日本語では、こういう略語はない。日本語に於ける略語は、当の対象のものの意味をギリギリ分からさせ、なお且つ本質を言い当てる形で代用させるのを慣わしとする。それに較べて、アルファベット文字言語の略語の何と空疎なことだろうか。「TPP」では何も分からない。その原語の「Trans-Pacific Partnership、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement」(環太平洋経済協定、環太平洋戦略的経済連携協定)を知って初めて理解できることになる。

しかし、これは言語としての不完全さを意味しているのではなかろうか。略字にした場合、表意文字の漢字文化圏ならすぐさま分かるものが、表音文字の西欧文化圏の場合には分からない。日本語の優秀さを思うべきであろう。このところ、日本語の軽視政策が進められている。愚かなことであろう。

 ここまでなら、言語の違いで済ませられることができる。問題なのは、政治家が、ことの意味が分からないままの略語で事態を曖昧にさせたまま政治を仕切ることにある。これは、人民大衆を騙す政治であり、背徳政治なのではなかろうか。政治学的に見て、「政治とカネ」で目クジラし、敢えて小沢どんを政治訴追するのに忙しい与野党ではあるが、事の是非を明らかにしない、議論を要しないままの拙速で処断して行く「略語政治」の方が悪質なのではなかろうか。

 それが証拠に、小沢どんの「政治とカネ問題」で問われているのは秘書寮の建設であった。それは、敢えて云えば、人民大衆的にはどうでも良い話である。ところが、小沢どん追撃派の与野党諸君は、手前のことは棚に上げて、これほど悪質なものはない、「天の声」まで精査せよとカナ切り声を挙げ延々と今日に及んでいる。しかして、「TPP問題」では菅政権の専権事項かの如くに見過ごそうとしている。オカシイではないか。我々は集団催眠術に掛けられているのではなかろうか。

 「TPP問題」の核心は、国際金融資本帝国主義が籠絡せんと狙いを定めた各国の食糧自給率を致命的水域まで格下げ、支配の道具にしようとしていることにある。石油を代表とする資源然り、情報然り、続いて主食糧まで完全コントロールしようとしていることにある。これにより、御用聞きしない国家に対して政治封鎖、経済封鎖、情報封鎖で締め上げることができるようになる。現に世界のあちこちでヤラれて来た話ではないか。先だってはイラクの悲劇を見たばかりでないか。

 日本は戦前の1941年に既に痛い目に逢わされている。ABCD4ケ国による経済封鎖包囲網を仕掛けられ、資源を断たれた日本軍が南方作戦に向かったのは衆知の通りである。大東亜戦争の是非は別としても、日本軍が多くの内通者の手引きにより空しい戦闘を余儀なくされ、無駄死にさせられた様子も次第に明らかにされつつある。原爆の悲劇同様、こういう経験を持つ日本に於いては決して他人事ではないとすべきではなかろうか。

 多少でも歴史を学べば知れるこのことを議論せず、目下の菅政権は今遮二無二に「降って沸いたTPP」に率先太郎している。幾らシオニスタンといえども許される限度が超えていよう。続いて消費税増税を仕掛けようとしている。武器禁輸の解禁は既に処置された模様である。自衛隊派兵も弾みがついている。やっていることが小泉政治よりヒドイのではなかろうか。次第に我々の我慢の限度を超えつつある。菅派の今後には小泉派同様明日はない。放逐し、彼らが親と頼み仕える母国へ強制送還させねばなるまい。

 補足しておく。日本は独裁国家ではない。一応の建前上は代議員が不正のない選挙の洗礼を受けて国会に集う民主主義国家である。しかし、官邸主導政治が導入され、次第に実態が明らかになって来た。これは専権国家である。国会はあれども用を為さない。どうでも良いことを議論する場にさせ、肝心な政治は官邸で仕切り、碌な審議もせずに勝手に外交で条約調印、国内で新法化させる。その判断が粗脳な分だけ独裁国家より劣るのではなかろうか。北朝鮮を笑う者が多いが、政治能力的に見て北朝鮮より以下と云うことが分かるにつれて笑えなくなるだろう。

 多くの法学者が居り、最近では法科大学院流行りだと云うのに、これを誰も咎めない。トンだ法学なことよ。そんな法学なら止めてしまえ。これは経済学者でも然り、農学者でも然りである。明日から直ちに補助金なぞ一切カットせよ。こんな程度のところへ税金を注ぐのがもったいない。博士号なぞおこがましい、一切剥奪せよ。オカシイ時にはオカシイと云う声を挙げる。王様が裸であることを正確に伝えるのが学の見識だろう。

 それはそうと、最近白眉の重大事件である「最高検による地検幹部逮捕事件」のその後の様子が遮断されている。マスコミメディアは呼吸を合わせてダンマリし続けている。これもオカシナことである。れんだいこの眼には、角栄なきあとの日本が次第に劣化し、遂に落ちるところまで落ちている気がする。それともまだまだ落ちるのだろうか。我々は耐え忍ぶ以外にないのだろうか。

 2010.11.14日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評855 れんだいこ 2010/11/17
 【民主党内シオニスタン六人衆考】

 菅政権の度し難いシオニスタンぶりが、あのヒドかった小泉政治より更に酷いものであることが露呈しつつある。外交も小泉路線であり、親米、反中、反露にシフトしている。先だってのAPECでの日米首脳会談でのオバマに対する相好、それに較べて日中首脳会談での胡錦濤主席との冷淡、日露首脳会談でのメドベージェフ大統領との喧嘩腰ぶりが実に対照的であった。これに対称的なのは角栄政治であった。親米、親中、親ソで国際協調路線を切り開いていった。角栄政治がもう数年続いていたら随分と景色が変わっていたのではなかろうか。残念ながら、その途上で金権政治批判なる名目で引きずりおろされた。なぜ金権政治批判になったのか。それは政策的に批判できなかったからであると考えられる。なぜなら最も有能にして且つ護憲的であったからである。これがれんだいこの史観である。

 APECでの日米首脳会談では、来春の首相訪米時に日米同盟深化へ向けた共同声明を目指すことを申し合わせた。菅政権の日米同盟論は自公政権のそれより深のめりしつつある。れんだいこには、戦後教育のツケが出ている気がする。祖国と民族の精神を持たない教育により生まれた政治家がいかにも安逸に国際金融資本奴隷に成り下がっているブザマさが見えている。日本政府はこの先どこまで貢ぎ続けるのだろうか。国家財政、国内景気は政務の無策により引き続き悪化している。この状態で海外支援金がいつまで続くのだろうか。打ち出の小槌も底をついている筈なのに。最後には血のションペンしか出なくなるだろう。

 日中首脳会談はわずか22分間だったことからも分かるように儀礼的なやりとりに終始した。胡錦濤主席は恐らく、首脳会談の場で端から目と目を合わさず原稿を読んで会話しようとする管首相に対して、どうしようもないクズとして愛想つかしたのではあるまいか。

 日露首脳会談で、菅首相がメ大統領の国後島訪問について「日本の立場、国民感情からも受け入れられない」と抗議している。日本では「よくぞ云った」と評する者も居るが、オカシナ話である。北方領土を実効支配しているのはロシアである。そのロシア大統領の北方領土視察の非を咎めるのなら、ロジック的に見て、日本が実効支配している尖閣諸島への菅首相の尖閣諸島訪問に対し、中国は「中国の立場、国民感情からも受け入れられない」と抗議できるのではあるまいか。つまり、日本外交は北方領土と尖閣諸島で二枚舌を使い分けていることになる。得手勝手が過ぎるのではなかろうか。菅よ、試しに尖閣諸島を訪問してみれば良い。その時、菅が、「中国の立場、国民感情からも受け入れられない」との抗議に、どういう風に口を回すのか聞いて見よう。

 領土問題につき、れんだいこは、棚上げ論、共同統治論を唱えている。これ以外の方法としては戦争解決論、話し合い解決論しかない。とはいえ戦争解決論は採用し難い。となると、話し合い解決論しかない。しかしながら、双方が互いに「我が国の領土である」と云い張り物別れになるのは外交と云えるだろうか。双方の主張を踏まえて、どう解決するのか、直ぐに解決するのか長期的交渉にするのかを探り、1ミリでも解決に近づけつつ実を取ろうとするのが外交の本義なのではなかろうか。

 その点で、菅政権の外交は子供騙しの類のものである。抗議したとか、主張したとかは子供でもできよう。外交の場で単に領土論を持ち出し、これに終始するのは却ってことをまぜるだけに過ぎない。棚上げ論か共同統治論かのどちらかを打ち出し、経済交易の拡大を求めて行くのが有能な在り方なのではなかろうか。菅政権の外交は、双方に望まれている経済交易の拡大を阻止せんとして領土論を持ち出しているように見える。それが国際金融資本帝国主義の命令であり、指令国のアメリカの意向抜きには何一つ解決しないよう自ら求めて懐に入っているように思える。北朝鮮外交に於ける六ケ国会議、米国の後ろで舌を出す外交ぶりなぞ典型的であろう。

 日米同盟論を振りかざし、万事をアメリカの懐で外交するだけならオツムは要らない。更に云えば外務省そのものが不要ではなかろうか。外務省の腐敗はつとに有名であるが、米奴外交により必然的にもたらされたものであろう。外務省OBの場合、シオニスタンぶりの強度に応じて御身安泰就職の世話が為されているようである。れんだいこは平素より、外務省OBの骨の髄からのシオニスタンぶりに辟易させられているが、年をとって悔い改めるのは至難の業であるからして、連中が死の床に就くまで日米運命共同体論を聞かせられるのを我慢せねばなるまい。

 もとへ。菅政権閣僚のシオニスタン度が判明したので明らかにしておく。最硬度シオニスタンは前原、こ奴は鼻筋と口が曲がっている。続く硬度シオニスタンが菅、仙石、枝野、野田、岡田の順である。これを「民主党内シオニスタン六人衆」と命名しておく。このレベルは、自民党内若手シオニスタンの硬度を上回っている。これにあやかろうとして続いているのが、先だっての民主党代表選での菅候補支持者の面々である。お陰でシオニスタンの陣容を確認することができた。先の代表選効果の一つであろう。

 民主党の国会議員レベルでは丁度半々と出たのは衆知の通りである。この党内半数は今後勢力を増すのだろうか、衰退するのだろうか。れんだいこは急速に影響力を落とすと見ている。なぜなら、国際金融資本帝国主義頼みのシオニスタンでは政治も政局も御せないからである。国際金融資本帝国主義内部の分裂も可能性大であり、日本国内のシオニスタンは右往左往することしかできない。何より政治、政局の厳しさが振るい払うであろう。

 問題は、政治、政局の厳しさが誰を政治、政局の要に据えようとしているのかであろう。れんだいこが見るところ、小沢どんが一番資格がある。亀井もある。少なくとも、この二者を結集軸として日本再興の夢を見るべきではなかろうか。これに能く汗を掻いた者が次期政権候補であり、神輿を担いだ者、綱を引いた者、その又ワラジを編んだ者が登用されるべきではなかろうか。もはや待てない。急速に三番手政権構想論が浮上することを願う。自主独立派と米奴派の死闘戦を経ねば日本政治は変わらない。ここに日本の政治能力がかかっているのではなかろうか。

 2010.11.17日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評856 れんだいこ 2010/11/19
 【菅政権の変調疑惑考】

 ノックアウト寸前に追い込まれつつある菅政権の批評をしておく。れんだいこは多忙故、国会中継なるものを聞き続けることはできないが、合間を縫っての観戦によってでも少々奇異な印象を感じている。これを書き付け、世の判断を仰ぎたい。

 菅政権は、先の代表選の不正投票疑惑を抱えながらの出航であるからして、そもそもイカガワシイのであるが、その後の菅政権の足取りは出航時のイカガワシサに象徴されるかの如くの変調な動きを見せ続けている。何が変調かと云うと、まずは仙石官房長官が出張り過ぎて第二首相然とした答弁を繰り返しているところにある。歴代の官房長官は政権のスポークスマンであり、いわば政府と報道の繋ぎの役目であったと解したい。ところが、仙石官房長官は、首相そっちのけで「自身の判断、見解」を打ち出し続けており、時に首相をさえ押しのける形で答弁までこなし、うまくこなす場合は良いとしても火種、物議を醸し続けている。

 こういう官房長官の在り方を認めるべきだろうか。これは、機関運営民主主義の観点に照らせば民主党組織論の未熟さを象徴しているのではなかろうか。三権分立から始まる議会制民主主義の上からの破壊ではなかろうか。仙石官房長官の暴走を許し続けている菅首相の無能ぶりも奇異であり、何を企んでいるのか訝(いぶか)るべきではなかろうか。明らかに政治がお山の大将式に子供化している。

 第二に、菅政権下の諸閣僚の挑発、無能、失言のオンパレードぶりである。これも異常である。意図的故意のものであるなら、その片言節句を批判して事足れりとするものではなかろう。明らかに意図的故意に「挑発、無能、失言」がさみだれ式に生起しており、この裏にどういう事情、思惑があるのか詮議せねばなるまい。これにより、急速に民主党政権に対する人民大衆の愛想尽かしが始まっているが、これこそが狙いなのではなかろうか。そういう眼で見れば、菅首相、閣僚が政権護持に懸命になっている様子が見られないのも辻褄が合っていることになろう。

 第三に、衆参国会質疑に於ける自民その他諸党の菅政権批判にしゃしゃり出ているのは妙に見覚えのある面々ばかりである。糸を辿ると、何のことはない小泉政権の重役たちばかりではないか。小泉政権の重役たちが久々に表舞台に立ち、敢えて無能に演出された菅政権をこっぴどく叩いている構図が読みとれる。これは偶然なのだろうか。れんだいこには、衆院解散戦略に向けた布石であり策略としか映らない。来る衆院選の解散で、民主党の壊滅的打撃、自民党小泉派の復権が用意周到に画策され続けているように思われる。その日が来れば例のマスコミメディアの言論大砲が、小沢派叩きを強めつつ他方で小泉派の面々を大物ぶりに引き上げヨイショし、元の木阿弥政界へ引き戻そうと画策するであろう。そういうシナリオができていると読みたい。

 こういう動きが見えている。しかし、れんだいこの脳裏に映像すると云うことは同時に多くの方にも映像化されている訳だから、いずれ食傷されよう。つまり反作用が生まれ、執拗に繰り返されてきた小沢派叩きに対する疑惑が強まり、小沢政治待望論へと戻るであろう。この綱引きが政治の面白みであるように思われる。改めて確認しておきたいことは次のことである。菅政治が小泉派の復権を上手に促している、両者は掛け合い漫談で小泉派を水戸黄門に、民主党を悪代官に仕立て上げ、用意周到に小泉政治の再来を画策している。この下手な芝居に騙されないようにしよう。

 我々は逆の動きを強めれば良い。鳩山がダメで菅がダメなら、残されたもう一つのカードである小沢で勝負するしかない。これでダメなら民主党はお仕舞いであり、今はまだあきらめきれない。小沢三番手政権を待望する所以である。菅派の粗脳が次から次へ露呈しつつある今、そういう意味で事態はシンプルになりつつある。政局が煮詰まりつつあると云うことになる。かく確認しよう。

 2010.11.19日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評857 れんだいこ 2010/11/20
 【菅政権の異常事態考】

 2010.11月政局は「柳田法相失言問題」で揺れている。他にも仙石官房長官の「自衛隊=暴力装置発言」が物議を醸している。ここに新たに「北澤防衛大臣発言」が飛び出した。一体、菅政権は何故に次から次へこういうブザマな失言が続くのだろうか。これを偶然と看做すべきだろうか。明らかに意図的故意の民主党政権ダメ―ジ、衆院解散策動の一環として工作されている失言綴りではなかろうか。

 「柳田法相失言」を確認しておく。2010.11.14日、柳田法相は、地元の広島県内で開かれた法相就任祝いの会合の席上で次のように述べている。世上では、地元発言であることを見て気の緩みを指摘する向きもあるが、マスコミを引き入れての放言で有り直ちに映像・音声つきで報道されたことを思えば、「仕組まれた失言」だったと看做すべきではなかろうか。
 
 「9月17日(の内閣改造の際)新幹線の中に電話があって、『おい、やれ』と。何をやるんですかといったら、法相といって、『えーっ』ていったんですが、何で俺がと。皆さんも、『何で柳田さんが法相』と理解に苦しんでいるんじゃないかと思うが、一番理解できなかったのは私です。私は、この20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことはない。触れたことがない私が法相なので多くのみなさんから激励と心配をいただいた」。

 「法相とはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。『個別の事案についてはお答えを差し控えます』と。これはいい文句ですよ。これを使う。これがいいんです。分からなかったらこれを言う。これで、だいぶ切り抜けて参りましたけど、実際の問題なんですよ。しゃべれない。『法と証拠に基づいて、適切にやっております』。この二つなんですよ。まあ、何回使ったことか。使うたびに、野党からは責められ。政治家としての答えじゃないとさんざん怒られている。ただ、法相が法を犯してしゃべることはできないという当たり前の話。法を守って私は答弁している」。「(菅内閣について)大変評判が悪く、私もそう感じざるを得ない」。

 前者の発言は、菅首相の人事能力を皮肉っており、任命責任が問われる仕掛けになっている。後者の発言は、大臣答弁のお粗末なカラクリを暴露することで、菅政権に打撃を与えている。当然の如く「柳田法相の失言問題」が政局浮上し、問責決議案提出、辞任、罷免の進退問題に発展している。しかし、これは衆院解散に誘う為の遠隔工作騒動ではなかろうか。

 柳田法相の政治履歴は次の通りである(「ウィキペディア柳田稔」参照)。1990年、第39回衆議院議員総選挙に旧広島3区から民社党公認で出馬し初当選。1993年、第40回衆議院議員総選挙で再選。同年8月の細川内閣、続く羽田内閣の過程で民社党は解党し、大内や塚本三郎を除く民社党議員の多くが新進党結党に参加。柳田も新進党の結成に加わる。1996年、小選挙区制導入後初の第41回衆議院議員総選挙で広島県第7区から出馬し自民党の宮澤喜一に完敗し落選。1998年(平成10)、第18回参議院議員通常選挙に広島県選挙区から無所属で出馬し当選。後に民主党に入党し同党公認で再選。2009.9月、参議院厚生労働委員長に就任。2010.6月、民主党参議院幹事長に就任。2010.9.17日日発足の菅改造内閣で法務大臣(拉致問題担当相を兼務)に就任し初入閣を果たし現在に至っている。参院3期目、ブログ名は名字をもじったとみられる「ヤルキダくん日記」。

 続いて、仙石官房長官の「自衛隊=暴力装置発言」も物議を醸している。この発言の問題性は、官房長官の職責の者が敢えて火種を呼びそうなキワモノ発言をしていることにある。官房長官たる者は火消しが役目のところ、仙石は火付けに廻る習性があることが露見し続けている。毎度のことなのでもはや誰も相手にしようとさえしていない。これも菅首相の任命責任に繋がる話であろう。

 ところで、真にタマゲル発言は北澤防衛大臣の次の発言ではなかろうか。「管総理は自衛隊の最高指揮官であるが、このような指揮官の下では自衛隊は身を挺して­任務に当たれない。みなさん、どう思われますか? 領土問題がこじれたのは民主党の責任­。管政権は冷静と言われているが、何もしないだけ。こんな内閣は間違っている。現政権­の顔ぶれは左翼ばかり。みんなで一刻も早く、管政権をぶっ潰して、昔の自民党政権に戻­しましょう。みなさん、そうでしょう、民主党政権では国はもたない」。

 何と現役防衛大臣が、管政権打倒、自民党政権回帰を声明していることになる。この発言が見過ごされ、「柳田法相失言問題」の方がワイガヤされている。変な話ではなかろうか。れんだいこは、「北澤防衛大臣発言の問題性」とその問題性を不問にしている問題性を告発したい。誰しも発言は自由であるべきだろうから「北澤発言」そのものは有り得て良かろう。しかしながら、辞任声明とするならともかくも大臣のイスに留まりながら内閣打倒を呼びかることなぞ有り得て良いだろうか。

 ましてや鳩山-菅政権の二代にわたって大臣に治まっている職責の者である。こういうことが罷り通るなら世も末ではなかろうか。しかも防衛大臣である。まかり間違えばクーデター騒ぎとなる危険性がある。一番発言してはならない部署の大臣の内閣打倒宣言ではなかろうか。

 何度も申し上げているが、こういう失言綴りが偶然である訳がなかろう。裏で糸を引く仕掛けが有り、役者が演じているに過ぎないと看做す観点を確立する必要があろう。この危機事態に対して安逸に遣り繰りしようとしている菅首相そのものが臭い。つまり、菅政権は今や明らかに上から内部から寄ってたかって意図的故意の民主党政権ダメ―ジ、衆院解散策動を仕掛けていることになろう。前代未聞の政治史が綴られており、いつまで続くかが見ものになっている。

 これにどう対応すべきかが問われている。衆院解散と云う下手な策動に易々と乗せられる訳には行かない。しかしながら菅政権続行は有り得ない。ならば小沢政権創出以外にないではないか。一切はその後のことではなかろうか。これを奔流にせねばならないと思う。今後はあの手この手の逆流逆走事件が仕掛けられようが、真一文字に小沢政権誕生に向かうべきである。これは頭脳戦である。

 2010.11.20日 れんだいこ拝
 「北沢発言」の出所は「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK99」のgikou89 氏の2010.11.20日付け投稿「「管内閣をぶっ潰せ!」北澤防衛大臣が決起」。ビデオには「衆院予算委 国会中継」と字幕が有り、「発起人である北澤防衛大臣が決起文を朗読されました」とコメントされている。但し、コメントで、「03. こうじたん 2010年11月20日 04:15:17: tksnqsIXdLhyo : O9hfsaIxSU これは、先の11月3日の入間航空祭での自衛隊支援者の演説の文言の部分だけを取り出して加工した動画だと思います。北澤は、これを聞いて怒り狂ったそうですから、決起では無いと思います。面白い動画と言えばそれまでなんですが。私個人としては、民主党議員全員に死んでもらいたい」、「05. 2010年11月20日 07:47:52: gqatq8F2EY
明らかに編集した事実とは違う捏造投稿である、本当にこれが北沢の本意か?違うだろう。投稿者の品位、人格が疑れる、世の中には恥というものがあるということgikou89には知って欲しいものだ」、「06. 2010年11月20日 09:07:58: FMdMRKf5Fw 01<です。まんまとやられた!gikou89氏は最近やたらと投稿しているようだけど、ほとんど見てなかった。少し冷静に見れば、おかしいことに気づかなければと反省。gikou89は、「偽考吐く」ということだったのか?コメントに「発起人である・・・」を付加したことで、完全な捏造となっている。投稿差し止めにしてもらいたい」とある。


 ネット検索すると、「まるで北澤氏が民主党政権を非難している様に聞こえますが、11月3日の航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)が開いた航空祭で、自衛隊を後援する民間団体「航友会」の会長が行った挨拶です」とある。それにしても、これを代読したのかビデオそのものが捏造なのかはっきりしない。代読したのが事実なら、内容に鑑み問題があろう。最後の問題は、どういう観点からの代読であったかによろうが。判明するのは、民間団体が航空祭挨拶で「菅内閣ぶっつぶして」発言した。防衛省が、政治的発言する人を 自衛隊や防衛省がかかわる行事に招かないよう幹部に通達し、政務三役が指示した。ここまでが判明している。問題は、北沢防衛相が代読した前後の経緯であろう。朗読は事実として、その代読意図であろう。野党は「言論統制だ」と批判しているとのことであるが、自衛隊のクーデターを呼び掛けるような発言を許す公式行事が許されようか。こういうことが罷り通るなら全てが狂っている。

 2010.11.21日 れんだいこ拝

 2010.11.21日付け読売新聞オンラインによると、菅首相が6月に就任してから、国会で党首討論が開かれておらず、制度導入以降、首相就任から初開催までに要した期間の最長記録を更新中とある。首相と野党党首が直接討論する党首討論は2000年に始まった。原則は「国会会期中は毎週水曜日に開催」だが、「首相が衆参の本会議や予算委員会に出席する週は開かない」との与野党申し合わせもあり、頻度は多くない。菅氏は党首討論に一度も臨まないまま、20日で就任166日目。催のめどが立っていない。12月3日までの会期が延長されないと、候補日は事実上、12月1日だけ。もっとも、民主党は菅氏の求心力が低下する中での党首討論は避けたいのが本音と見られ、「延長しても実現は難しい」との観測もある。

 菅政権は始発の代表選からして変調だった。母斑として刻印された変調さは今も続いており、次第に露骨になりつつある。れんだいこ史観に照らせば、昨年の政権交代成果の自己否定の繰り返しと増幅である。これで政権が持つからには、よほど裏事情があるとしか考えられない。この間判明したことは、民主党内シオニスタンの自公シオニスタンを上回るシオニスタンぶりである。これほどヒドイものとは思わなかった。これをはっきりさせたと云うことが、昨年の政権交代の裏成果ではなかろうか。この連中と民主党内自主独立派の同居は許されない。民主党内シオニスタンが出て行くのか、民主党内自主独立派が出て行くのかが見ものとなっている。れんだいこ的には、民主党内自主独立派が出て行く理由は何一つない。ここは踏ん張って、正々堂々と奪権闘争に向かうべきだと考える。

 錦の御旗は、政権交代時マニュフェストの生硬な貫徹だろう。但し、その通りを復元するには及ばない。分かり易い例で、とにかく有料高速道路料金の無料化マニュフェストを全国一律の現行料金の3分の1化だけでも即時実行せねばならない。れんだいこには、議論ばかりで費やし一向に実行しないエセ掛け声の方が悪質と看做している。とにかく一度はやり切って、その経過を見て継続か見直しかに入らねばならない。一度も実行せぬままの生煮えが一番宜しくないと考える。鳩山政権―菅政権の悪質さは、意図的故意に生煮え、反故にしつつあるところにある。

 しかし、これも一般評論に過ぎない。もう一歩押し進めて、鳩山政権―菅政権が何故に意図的故意に生煮え、反故にしつつあるのを詮索せねばならない。これを偶然と看做すのはマスコミメディアの粗脳に任せれば良い。ネット言論ともなると、原因究明に向かわねばなるまい。れんだいこは、1970年代半ばのロッキード事件以降、日本政治は逆走政治に入らされたと見立てている。この逆走政治にも拘わらず当初は、それまでの高度経済成長政策、日本列島改造政策のぶりで国富が自然に溜まっていた。これを吐き出し続けて30余年、今遂に底割れして来た。この段階でなお逆走政治を許すのか、ブレーキをかけるのかが問われているように受け止めている。

 民主党内シオニスタンと自公シオニスタンは、この場に及んでなお逆走政治の忠勤派であると看做せよう。相当にオツムがヤラレテいるとしか考えられなが、この手合いが不思議と愛国ぶるので、これは狂っているとしか言いようがない。その代表が自民党の石破である。彼は、片方で地方のシャッター通りの閑散さを政治責任と云い、他方で日米同盟強化論を唱え更なるお供え路線を煽っている。相反することを平気で唱える政治心臓は尋常ではない。小泉も狂人であったが、石破の狂人ぶりも引けをとらない。

 菅のそれは政治ピエロと捉えれば良い。れんだいこ的には、政治の原点を反角栄で始発したところからネジレが見て取れる。その到着点が強度のシオニスタン政治被れと云う次第である。彼はどうも幕末維新、明治維新の流れを西欧化と云う名のシオニスタン化を是として評している風が見て取れる。何の事はない、軽佻浮薄の走りでしかない。その空疎性が、今日の菅政権の空疎性と繋がっているように思える。彼がシオニスタン秘密政治クラブの結社員だとして何の不思議もない。シオニスタン秘密政治クラブの結社員向けテキストを何の疑問も湧かさず鵜呑みにできる粗脳故に、必然的に辿り着いたと看做せよう。問題は、彼の個人的な趣味思想なら許せても、日本政治の最高権力者として日々権力を行使する権限までは許されないところにある。しかし、この御仁には云っても分からないので引きずりおろす以外になかろう。

 2010.11.21日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評858 れんだいこ 2010/11/22
 【とある政治学大学教授の粗脳考】

 2010.11.22日付け産経新聞の正論欄に、立命館大学教授、大阪大学名誉教授の肩書を持つ加地伸行氏の「民主党は『民の主人』になったか」なる小論が掲載されている。これにコメントしておく。
 (ttp://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101122/stt1011220345002-n1.htm)

 小論前段の仙谷官房長官の「暴力装置でもある自衛隊」論に対する論評、北沢防衛相の「自衛隊施設内における政権批判を許さぬ次官通達」に対する論評はくだらないので無視する。看過し難いのは次のような居直りの弁である。

 曰く「選挙による議員という民選政治家と、国家試験合格による官僚という“国選政治家”とは、上下の関係ではなくて対等の関係であると論じてきた。これは私の持論であり、議員らによる政治主導なるものへの真っ向からの批判である。それを公務員研修所という公的施設内で毎年、論じてきたのである」。

 加地氏は、持論陳述につき「時所構わず自由論」を述べている。これが許されないなら、「全国官公庁にある膨大な数の掲示板に貼(は)り出されている、労働組合の極めて政治的な諸反対声明文も許してはならない」とまで云う。果たして正論なりや。これを愚考する。

 れんだいこが思うに、この御仁は基本的に法治主義観念が欠如しているのではなかろうか。上述の弁はこのこと自己吐露している。法治主義に従う限り最高法規に則るべきであり、戦前は大日本帝国憲法、戦後は日本国憲法がこれに位置している。まずは、この法に従うべきである。つまり、既成法の一定のタガ嵌めを甘受せねばならない。

 法がオカシければ批判の自由をバネとして改正を目指すべきであり、それをも含めて政治活動の自由と云う。こういう権利が歴史的に認められてきたのが近代以降であり法治主義の精神であり原則であろう。補足しておけば「一定のタガ嵌め」を廻って、権力側の過度の強権規制は許されない。と云うか却って政権基盤を危うくするので自己規制されるべきものであろう。そういう経験智から「一定のタガ嵌め」が緩やかなのが民主主義であり、キツイのが強権政治、独裁政治又は全体主義であろう。

 では、戦後の最高法規である日本国憲法はどういう「一定のタガ嵌め」をしているのか。末尾の第99条で、「憲法尊重擁護の義務」と題して「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と述べている。英文を正確に訳せば「天皇又は摂政同様に国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と云う規定になる。れんだいこには、この規制は最も緩いタガ嵌めのように理解する。これを悪用するのか善導するのかが問われているように思われる。

 このタガ嵌めに照らせば、「選挙による議員という民選政治家と、国家試験合格による官僚という“国選政治家”とは、上下の関係ではなくて対等の関係である」なる持論は許容されない。憲法の主権在民規定、代議員制規定、三権分立規定、文民規定、公務員の公僕規定等々が、全体として代議員制による政治に従うよう説き分けている。これが戦後民主主義の内実であり戦後政治の最も肝要なキモの部分となっている。

 加地氏が「民選政治家と国選政治家(官僚)対等関係論」を唱えるのは勝手自由であるが、憲法上そういう規定はない。人類史上未経験の法理論であり歴史に試されたことはない。当然具体的な法文もない。そう云う意味では無責任な持論を唱えているに過ぎない。加地氏が、公の席で、これに代わる持論をどうしても述べたければ、憲法ではかくかくしかじかと規定されているが、私はこう思うと云う具合においてのみ許容される。憲法との絡みに触れずに説くのは公の席では許されまい。

 加地氏は、得意然として次のようにも述べている。「あえて言おう。その事件が起こった埼玉県の航空自衛隊基地の近くに、人事院の公務員研修所がある。そこの講師として、この10年近く、毎年1回、私は出講してきた。対象は中央省庁の課長級であり、まさに、我(わ)が国を背負って立つ人材群である。その講義の際、私は自民党であれ民主党であれ、批判すべきものは批判した」。

 当人は新左翼が嫌いならしいが、加地氏の法蹂躙論は新左翼以上の法テロリストぶりを示しており滑稽である。思うに、加地氏の政治論は基本的に狂っている。氏が居酒屋だとか、政論会のようなところで述べるのであれば許容されようが、「人事院の公務員研修所の講習」で述べる筋の話ではなかろう。この御仁は、そういう場の弁えができないミソとクソの識別ができない質のようである。今後も「人事院の公務員研修所の講習」で述べ続けると云うのであれば当然掣肘されなければオカシイ。

 そういう御仁がよりによって「そもそも民主党は民主主義を誤解している」などと云う。民主党の詮議は別にして、一体、民主主義を誤解しているのはどちらだろうか。以下、次のようなデタラメを云う。「しかし、東北アジアでは、自立した個人という思想・実践はなかなか根付かない。そのため、投票という手段だけがクローズアップされる。個人主義という前提は問わず、形式・手段だけが目的化され、投票数の多さを競うのみとなる。故田中角栄氏やその流れの小沢一郎氏らがその典型だ」。

 れんだいこが、このコメントを書いたのは、ここの記述「故田中角栄氏やその流れの小沢一郎氏らがその典型だ」の下りによる。加地氏がロッキード事件以来の「諸悪の元凶角栄論」の系譜の御仁であり、今も平然と吹聴し続けていることが判明する。恐らく加地氏の立論は日共流もしくは立花流のそれであろう。こういうことが透けて見えてくる。れんだいこは、これに強く抗議したい。ここは田中角栄を論ずる場ではないので論証は差し控えるが、何でもかんでも諸悪を田中角栄、小沢一郎に結びつけるのは止してもらいたい。

 当人は、「投票という手段だけがクローズアップされる。個人主義という前提は問わず、形式・手段だけが目的化され、投票数の多さを競うのみとなる」持論に正論を感じているらしい。しかしながら暴論と云うしかない。選挙は当然「投票数の多さを競う」ことになる。何とならば、「投票数の多さを競うことのない選挙」が無意味であるからである。してみれば、加地氏の投票数尺度嫌悪論は過度の選挙軽視論に他ならない。選挙は代議員制の源であるからして、この論は必然的に代議員制を軽視していることになる。この論の発展は貴族院制、元老院制を良しとする発想になる。

 しかしながら、こういう類の持論を述べることを「人事院の公務員研修所の講習」で許すべきだろうか。繰り返すが、憲法ではかくかくしかじかと規定されているが、私はこう思うと云う具合においてなら許容されるかも知れない。憲法の規定を蹂躙するセンテンスで云うことは許されまい。

 加地氏は云う。「だから、選挙が終わると、民はお払い箱となり、単なる愚昧(ぐまい)な存在としか見なさない。民主党がそれであり、民が民主党を批判することなどもっての外で許さない。新左翼も、もし政権を握っていれば、そうなっていたであろう。つまり、〈民が主〉人ではなく、己れが〈民の主〉人と化す。これが、左翼的民主党の民主主義理解であり、大誤解なのである」。

 これもオカシイ。この論で民主党を批判し新左翼をも批判して得意がっているようであるが、ならば過去の政権党ならどう素晴らしかったかを明らかにしない限り公正ではない。透けて見えてくるのは民主党批判、新左翼批判だけであり、つまり偏向見解であることになる。そういう御仁が、「政治家にとって最も大切な心構えは、己れへの批判を感謝して受け止め生かす謙虚さである。それの方が形式的民主主義による多数決よりも価値が高いのである」と結んでいるが、何が云いたいのだろう。前段の「政治家にとって最も大切な心構えは、己れへの批判を感謝して受け止め生かす謙虚さである」は良い。後段の「それの方が形式的民主主義による多数決よりも価値が高いのである」は結びつく必然性がない。これを無理矢理に結びつけ得意然としているが、こういう論者をエピゴーネンと云うのではないのか。

 この御仁が、自民党政治、自公政治、民主党政治、新左翼政治を批判し続け、よりよい制度を展望し続けているのであれば聞き流すこともできる。ところが、過去の自民党政治、自公政治をヨイショする言動の持主であったとしたら、とてもではないが食えない御仁であることになる。さて、加地氏の小泉―安倍―福田―麻生政治論はどのようなものだったのだろうか。小泉時代のブッシュ政治支援諸政策、自衛隊武装派兵に諸手を挙げて賛同する御仁だったとしたらタダでは済まされない。

 それにしても、「それの方が形式的民主主義による多数決よりも価値が高い」はヒドイ。これによれば、選挙も多数決も形式民主主義と云うことになる。こういう政治学者が立命館大学教授 大阪大学名誉教授であるとしたなら、立命館大学も大阪大学も恥じねばならない。思う通りにならなければムズがり理屈をつける子供の政治論ではなかろうか。よほど昨年の政権交代が気に入らないらしい。これを厳粛に受け止める内反智が皆無ということになる。

 れんだいこが何を云いたいのか。この程度の粗脳の者が立命館大学教授 大阪大学名誉教授なる肩書で、産経新聞正論欄に登場している貧相さを嗤いたい。日本政治の粗脳ぶりを示す以外の何ものでもないと云う寂寥を覚える。教授の頭脳が地に堕ちたと云うべきか、元々教授頭脳などこの程度のものに過ぎないと云うべきか。それにしても、あらゆる角度からふるいにかけて行くと、現代世界を支配する国際金融資本帝国主義の意図を嗅ぎ取り、これをスポークスして処世している世渡り上手しか残らない。そういう手合いが大挙跋扈している嫌な世の中ではある。

 2011.11.22日 れんだいこ

 2010.11.23日、反小沢で名を売った生方衆議院議員の選挙区である千葉県松戸市で市議選が行われた。結果は、定数44、立候補者数68で、 「無所属22、公明10、共産5、自民2、民主2、みんな2、社民1」。民主党は11人の候補を立てたが、当選はわずか新人2人だけで1人は29位、もう1人は44位の最下位当選だった。現職4人全員が落選し、法定得票に満たない候補が3人いたという大惨敗である。4年前の松戸市議選での同党公認候補は5人で、このうち4人が当選していた。11人の得票総数は前回選の民主候補の得票総数1万1467票を3148票上回る1万4615票だった。立候補者倍増の11人擁立が共倒れを招いたことになる。


 2010.11.25日、民主党の小沢元代表を支持する当選1回の衆院議員が議員グループ「北辰(ほくしん)会」を発足させた。「北辰」は北極星を意味する。「北辰会」は当選1回生議員による「一新会倶楽部」を改編したもので、小沢氏を“不動”の北極星(=北辰)に位置づけている。今後は党内各グループの会合が集中する毎週木曜日に定例会を開き、小沢氏の理念や政策などについて理解を深める。。衆院第一議員会館で開かれた初会合には議員本人43人が出席。最高顧問に就任した小沢氏も駆けつけた。小沢氏は「勉強することで政治家の本分を果たし、国民に約束したことを実行しなくてはならない。自ら研さんを積み、見識を高めてほしい」とあいさつした。畑氏の音頭で「ガンバロー」三唱を行い、結束を確認した。代表世話人に石井章(比例北関東)、黒田雄(千葉2区)、京野公子(秋田3区)の3衆院議員を選出した。


 2010.11.25日、最高裁判所は、検察審査会が民主党の小沢元代表を「起訴すべき」とした2度目の議決をめぐり、議決の執行停止などを求めた小沢氏側の申し立てを退けた。東京地裁と東京高裁は「刑事裁判で争うべきだ」などとして退け、この判断を不服として小沢氏側が特別抗告と許可抗告をしていたが、最高裁がこれを退ける決定をしたことにより申し立て却下が最終的に決定されたことになる。「強制起訴は行政訴訟で争う対象とならない」とする初めての判断となった。

 小沢氏側が国を相手取って起こした行政訴訟は、来月21日に第1回口頭弁論が行われる予定で、最高裁の決定がこの裁判に影響を与える可能性もある。一方、検察官役となる指定弁護士に選ばれた大室俊三弁護士ら3人は、東京地検から証拠の引き継ぎを受け、強制起訴に向けた手続きを進めている。

Re::れんだいこのカンテラ時評860 れんだいこ 2010/11/26 19:58
 【「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」考】

 2010.11.26日、ネットで検索するのに読売新聞、産経新聞、赤旗が一斉に小沢どんの新たな政治資金疑惑を報じている。疑惑内容を確認する前に一言しておく。こたびの「小沢どんの新たな政治資金疑惑」に対する「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」による一斉報道こそ臭い。この連中によって小沢パッシングが組織的系統的に為されていることが分かる。この連合は今、何かと論調が揃いつつある。その昔、ロッキード事件でもこれが見られた。かの時、産経新聞は榎本秘書の自供を誘うべくニセ新聞まで拵えて検察捜査に協力し、取り返しのつかない汚点を刻んでいる。それでも平気で今日まで口をぬぐっているのが産経らしいところではある。

 現在、読売新聞紙上で「時代証言者」シリーズに不破が登場連載しているが、これも「読売―日共の蜜月関係」を明らかにしていよう。保守系メディアに共産党の最高指導者が登場する時代の転変が面白い云々と評する向きもあるが、ノ―天気なのではなかろうか。

 この関係がいつ頃から生まれたのか。次第にアケスケになってきつつあるが、かなり昔から始まっている。戦後読売の最高指導者・正力松太郎が戦犯指定解除と引き替えにCIAとエージェント契約を結んでいたことは既に明るみになっている。正力後の読売の最高指導者・ナベツネもいずれ暴露されよう。

 そのナベツネは、戦後直後の共産党時代から宮顕と気脈通じている形跡が認められる。宮顕のその後の党中央登壇、壟断以降も、両者の関係は地下ルートで繋がっていたと容易に推定できよう。この関係は不破時代にも継承されており、こたびの「時代証言者」シリーズへの不破登場、小沢どんパッシングの「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」の背景でもあろう。正力、ナベツネが国際金融資本帝国主義のエージェントとすれば、そのエージェントと親密な関係にある日共がどういうことになるのか、述べるまでもなかろう。

 以上前置きして、取り敢えずこたびの疑惑内容を確認しておこう。

 2009.7.21日、昨年8月に行われた衆院選直前のこの日、民主党岩手県第4区総支部が、政治団体「改革フォーラム21」(東京都千代田区)の解党時残余金の中から3億7000万円の寄付を受けている。同支部は寄付を受けた翌日、小沢氏の資金管理団体「陸山会」(港区)に同額を寄付している。同支部はこの年、「寄付・交付金」として3億7062万円を支出している。このことが岩手県選挙管理委員会が公表した昨年分の政治資金収支報告書の要旨で判明した、としている。

 政治資金規正法は、政党や政治資金団体以外の政治団体が、同一の政治団体へ年間5000万円を超える寄付をしてはならないと規定している。「改革フォーラム21」から「陸山会」への直接寄付は、この規定に抵触するため、民主党岩手県第4区総支部を迂回(うかい)させた可能性がある。これにつき、昨年10月まで改革フォーラムの会計責任者を務めた平野貞夫元参院議員によると、改革フォーラムから同支部への寄付は、民主党の衆院選候補者に配るための資金だったという。小沢氏と改革フォーラム側が相談の上、衆院選候補者のための資金として同支部の口座に送金したという。

 「改革フォーラム21」は1993年、自民党時代の小沢氏らの政策グループの政治団体として発足。小沢氏らが新生党を設立した後も存続し、歴代の代表や会計責任者は小沢氏の側近だった故八尋護氏や平野貞夫元参院議員、樋高剛衆院議員らが務めた。同党が解散して旧新進党に移行した1994.12月、「改革フォーラム21」には新生党本部と新生党岩手第4支部など10支部から、総額9億2526万円が寄付されている。その後、1995年に約2億6000万円を支出した以外は、資金の出入りはほぼ毎年数十円~数百万円で推移し、2008年末には約6億9000万円が残っていた。 

 以上が概要である。「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」は、「政党資金の私物化ではないか」、「政党が使い残した“公金”をなぜ小沢氏が一人占めにできるのか」と疑惑している。これをどう評するべきだろうか。

 れんだいこの解答は簡単である。小沢どんに対する「陸山会事件」同様、これを咎める直接的法文規定がない以上は罰せられるべきではない。政治的道義的責任論は仕切りがない分、魔女狩り化される恐れが強く、採るべきではない。何より、政治資金収支報告書への記載があれば大過なく、政治資金収支報告書への記載のない金銭授受こそ重責とされるべきである。もう一つ、小沢どんに対する法規制は、他の議員、他の政党の離合集散にも等しく適用されなければならない。小沢どんのみ取り締まる法規制なぞ有って良い訳がない。

 もう一つ付け加えるならば、政治にはカネがかかると云う現実を踏まえ、それを個人の着服ならいざ知らず、こたびのように「民主党の衆院選候補者に配るための資金」、秘書寮の建設費、その他諸々の政治活動費に使われていたなら大目に配慮されるべきではなかろうか。法と云うものは弁えがあってこそ活きる。世の中の万事を法規制しようとするのは息苦しくなるだけのことである。

 一見聞こえの良い「キレイ、清潔、潔癖」論を押し進め過ぎると際限のない統制社会に陥る可能性がある。我々は何より、そういう社会を忌避すべきではなかろうか。れんだいこが、企業献金、業界献金、労組献金、団体献金につき収支報告書に記載するならば可論、資金も活動も極力自由自主自律論を唱える理由がここにある。それぞれ限度額を設定し、受け取りできるようにすれば良い。それが政治活力を生むと思っている。

 もとへ。そういう眼で見ると、「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」による「小沢どんの新たな政治資金疑惑」は不発である。破裂したのは「読売新聞、産経新聞、赤旗連合疑惑」の方である。ブーメランが帰って来たことになる。「読売新聞、産経新聞、赤旗連合」よ、何なら君たちの資金疑惑を採り上げて見ようか。君たちは天の声捜査に耐えられるか。こっちの方がよほど裏がありそうだ。いずれにせよ敵方が揃い踏みし始めている。何かが始まる前触れだろう。

 2010.11.26日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評861 れんだいこ 2010/11/28 10:55
 【韓国軍兵士2名の合同告別式考】

 2010.11.27日、北朝鮮軍による韓国・大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃で犠牲になった韓国軍兵士2名の合同告別式が、城南市にある国軍首都病院で営まれた。告別式には、金滉植首相や大統領府の任太熙・大統領室長らのほか、与野党幹部、日本の武藤正敏駐韓大使らも参席した。追悼の辞で海兵隊の兵長が悲痛な声で故人に呼びかけると、遺族席からすすり泣く声が響いた。

 我々は、この悲劇をどう受け止めるべきだろうか。これを愚考する。れんだいこが思うに、朝鮮民族は、第二次世界大戦後の冷戦構造の波をモロに被り続け今日まで至っている。南北分断がそれであり民族の悲劇であろう。いつか云いたかったことをこの際思い切って云わせて貰おう。

 北朝鮮―韓国では、戦後65年経って未だこの問題を解決できないばかりか、ますます南北間対立が強まりつつある。これは朝鮮民族の結合能力の欠如を物語っているのではなかろうか。朝鮮史を紐解いても朝鮮半島が統一された時期を知らない。正確には、1392-1910年まで続いた李氏朝鮮(りしちょうせん)時代に於いてのみ統一されていたようである。他は常に分裂抗争含み史である。

 こういうことは日本では有り得るだろうか。戦後日本は連合国の分割統治の危機に陥っていた。結果的に、国際的駆け引きを経て米帝一国型の統治に移行した。米帝統治を是認する訳には行かないが分断統治を免れることができたのは僥倖であったと思う。これにより、大和民族は第二次世界大戦後の敗戦にも拘わらず列島的統合を維持したまま今日に至っている。

 もし仮に糸魚川線辺りで東西に分断されたとするなら、日本民族はどう対応しただろうか。一刻も早い統合を目指すべきだろうし、この論調の方が常に主流になり、これを政治の一等課題として割合早く祖国統一に向かったのではなかろうか。日本民族にはそういう政治能力があると看做したい。これに比して、朝鮮半島では祖国分断を是とする分断固定強化論調が主流になり続けており今日まで至っている。

 れんだいこは、有り得てはならない論調だと思っている。そういう論調が支配的なことに対して朝鮮民族の政治的能力の欠如だと思っている。体制間差異は別にしても民族は極力統合されるべきであり、如何なる政治体制を敷くかはそれから後の話ではないかと思っている。この点で、ドイツの分離と統合史は大いに参考になる。第二次世界大戦後、ドイツは西ドイツと東ドイツに分断された。ベルリンの壁はその象徴だった。凡そ45年後の1989年、そのベルリンの壁が崩壊する。1990年、 ドイツ統一条約が調印され東西ドイツが統合されている。この経緯はドイツ民族の政治能力の高さを思うべきではなかろうか。

 1998年来のキムデジュン(金大中)政権、ノムヒョン(盧武鉉)政権下の南北融和は、東西ドイツの統合に触発されて進められた太陽政策ではなかったかと思われる。だがしかし、この政策は放擲され、現在のイミョンバク(李 明博)政権は再び元の木阿弥の南北対立路線に引き戻そうとして躍起になっている。振り子が揺れ続けている韓国政治に於ける二派の抗争は相当に根深いものとなっていると窺うべきだろう。

 れんだいこに云わせれば、これは民族の能力にかかっている。朝鮮半島における南北対立は、北朝鮮政治、韓国政治を論評する以前の話であり、余りにも馬鹿げている。恥ずかしい話である。これを踏まえれば、こたびの「韓国軍兵士2名の合同告別式」に流す涙は復讐を誓う涙であってはならず、民族分断の悲劇を解決する為の叡智を求める涙とせねばならない。問題は、朝鮮半島における南北分断固定化、対立激化を煽る論調にある。一体、誰が何の為に説き従うのだろうか。こう思慮を致す時、戦争屋の暗躍、コントロールを思わざるを得ない。同時に、日本政治もまたこの波に洗われていることに気づく。

 日本政治は昨年の衆院選で政権交代した。その果実を世界が注視した。だがしかし、現下の民主党二番手の菅政権の対応はさっぱり要領を得ない。与野党入り乱れての国会質疑は北朝鮮制裁強化論の話ばかりである。実にクダラナイ。自公政権時の外交と全く同一軌道で、或いはそれ以上に日米同盟強化論に傾斜し有事態勢論にシフトしつつある。朝鮮半島の緊張緩和を願うのではなく米韓日の共同軍事体制を強化しつつある。その為の軍事予算の更なる計上に向かいつつある。

 その癖、内治予算は削りに削り戦後最長の不況下を好景気と偽称しつつシャッタ―通り政治を促進しつつある。レンボウ派の事業仕訳のカラクリは、この路線上の芸能政治に他ならない。彼らは内治予算を削り外治あるいは軍事予算を底抜け化させつつある。消費税増税もこの動きの中にあると思うべきだろう。その彼らは、日本政治再生の唯一の契機となると思われる小沢政治を阻止する為の大政翼賛会政治を敷き続けている。黒幕の画策抜きに考えられるだろうか。

 してみれば、日本政治に於ける我々の能力、朝鮮半島の政治における彼らの能力も本質的に同じところが問われており、決して他人事ではないことが分かる。これを歴史的にみるのも興味深い。日本政治、韓国政治、北朝鮮政治、中国政治、台湾政治は波動的に列なっている。片方でアクションが始まれば他方でも触発されると云うことである。その好例は60年安保闘争史であろう。かの時、日本では岸政権打倒のデモの渦が巻いたが、韓国でも同様のうねりが起こり李承晩政権が打倒されている。日本では池田政権が誕生し、韓国は朴正煕政権へと移行した。かく連動している。その意味で、日本政治の再生は独り日本だけの問題ではない。韓国政治も又同様である。かく確認しておきたい。

 2010.11.28日 れんだいこ拝

 今や公然と「論調での読売、産経、赤旗連合」、「国会共闘での自公共連合」するご時世に至っている。こういう時代を誰が予見できたか。れんだいこ史観に照らせば何の疑問もない、早晩かくなることは承知の介である。読売、産経、自民、公明の場合には陰ひなたなく主張しているからして驚きはしないが、日共のこの足取りは「公然の敵より味方顔の裏切りこそ始末に悪い」典型ではなかろうか。そういう眼で見れば、不破、志位、市川どれもこれも共産主義者の面貌ではない。ともかくも、日共のイカガワシサが次第に人民大衆的合意になりつつある。これは、人民大衆の政治能力が向上したと云うより、単に日共のメッキがますます剥げてきたに過ぎない。この機会に、人民大衆の政治能力が向上に資する面から日共の根本的批判を試みたい。

 日共の共産党ならぬイカガワシサはいつ頃より始まったのか、これを明らかにしておきたい。丁度今、不破が読売新聞紙上の「時代の証言者」の項で弁舌している。これと対比的に確認すれば良かろう。「時代の証言者・不破哲三№7」は、「50年問題後、共産党の混乱は続いていた。武装闘争路線を否定した55年の第六回全国協議会(六全協)を機に同党は統一に向かい云々」と肯定的に記している。れんだいこは、この時の六全協で、この頃より不破を登用することになる宮顕が「党中央の中央」に戦前来再度登檀したことが、「共産党の日共化」のそもそもの始まりだったと看做している。

 多くの論者は今日まで既成左翼系も新左翼系も含めて、この時の「共産党内宮廷革命」を是認している。即ち、それまでの徳球―伊藤律系党中央を否定し、「まだマシ論」で宮顕―野坂系党中央の出現を賛辞している。れんだいこは、ここに史観に不正があると見立てている。なぜなら、徳球―伊藤律系党中央は様々な面で不備ではあったが、日本政治に於ける共産党的影響力の投影に於いて常にマジメなものがあったのに比して、宮顕―野坂系党中央は逆の影響を及ぼし続けることになるからである。党中央交代の契機になった「50年分裂とその後の武装闘争」は朝鮮動乱最中の国際政治に翻弄されたが、武装闘争の漫画的仕掛けと不発による影響力の低下に対して逸早い警鐘乱打で党内議論の提起を呼び掛けているのは他ならぬ徳球であった。徳球―伊藤律系党中央時代何より党内議論が旺盛で、つまり党内反対派の反対意見も自由にされており、後に家父長政治と批判されるけれども実際は党内民主主義の原理原則が担保されていた。要するに公明正大であった。これが為に、この時代の左派的人士の理論能力が上がり今日とは比較にならない議論を旺盛にしている。

 かれこれ思えば、「六全協に於ける宮顕―野坂系党中央の出現」は決定的に間違いだった。というより許してはならなかった。なぜなら、随分後に発覚して除名処分に付されるが、この時既に野坂は、戦前の訪ソ時代、スターリン治下で同じく訪ソしていた山本懸蔵その他同志を密告売りしており、何食わぬ顔で党中央に登檀していたからである。「50年分裂」が野坂理論を廻って始まったにも拘わらず、日本の党の自主性を重んじて野坂を擁護した徳球―伊藤律系が断罪され、張本人の野坂が引き続き党中央に居座ることなぞ原理的に許されざる話であった。これが見識となるべきであったであろう。宮顕然りで野坂の腐敗に劣らない。宮顕は、戦前の党運動の不屈の党再建運動下でスパイ摘発闘争をなるものを仕掛け、最後の労働者畑出自の小畑中央委員を査問のワナを仕掛け、監禁リンチテロの末に逃亡を図った小畑を抑え込み圧死させた張本人である。その後逮捕され獄中18年、唯一の非転向人士を嘯くことになるが、これを精査すると何から何まで怪し過ぎる。ここでは論証しないが、宮顕派こそが当局スパイラインであり、そのスパイラインが党内スパイを摘発すると云う名目で戦前党運動を壊滅的混乱に引き入れ、実際に瓦解させると云う履歴を持っている。そういう曰くつきの野坂、宮顕が党中央を壟断する契機になったのが六全協であった。これを許した当時の共産党の眼力の底浅さを窺うべきであろう。

 れんだいこは、この札付きのワルでしかない野坂、宮顕が党中央を掌握して以来の共産党を日共と呼ぶことにしている。明らかに共産党運動の共産党らしからぬ運動への捻じ曲げが見て取れるからである。「共産党らしからぬ運動」とは、共産党の名を騙って、左から日本左派運動を混乱させ壊滅撲滅させる白色運動を云う。1955年の六全協以来の日共は、この路線をひた走り、遂に今日の如くの見るも聞くも無惨な日共運動に終点することになる。六全協直後から1970年代辺りまでは、それまでの運動の蓄積により日本左派運動は一定の力量を示したが、党内反対派を順次排斥した後の1980年以降の日共は誰はばかることのない右派路線を大手を振って歩み始めることになる。この間、戦闘的諸団体をこれまた順次破壊し人畜無害なものに仕立て直している。そういう党運動の成れの果てが2010.11月段階の「読売、産経、赤旗連合」である。かく認識せねばなるまい。これの論証は、別稿に譲る。

 では、日共の共産党ならぬイカガワシサはどのようなものであるのか。これを明らかにしておきたい。これを一言で述べれば、革命主義から投降主義への転換と云いなし得よう。それは単なる右派系路線への転換ではない。その右派系路線が現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義の左からの御用聞きとして政治的に利用され、喜々としてそれに奉公する変態運動に転じている。これの論証は、別稿に譲る。

 さて、そういう意味で日共問題が日本左派運動史上の大きなテーマとなっている。だがしかし、問題をこのように設定せぬまま「共産党のなれの果てとしての日共」を左派運動の一角に遇して評する穏和評論ばかりである。ここに日本左派運動のお粗末さが分かる。日共も日共だが、これを評す凡庸さも凡庸であるという辻褄によって成りたっている。しかしながら、日共のイカガワシサが我慢の限度を超えつつある。もはや撃つべしではなかろうか。戦後日本政党運動の最長政権として60年近くも同一系執行部が党中央を構成している日共の共産党的再転化こそ時代の正義ではなかろうか。その腐臭は今余りにも臭すぎる。それでも忍耐し続けるべきだろうか。こう問われている。

 2010.11.27日 れんだいこ拝

 2010.11.28日、米国と韓国が、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃の余塵醒めやらぬ中、曰くつきの朝鮮半島西方の黄海で4日間の日程で合同軍事演習を始めた。米海軍から原子力空母ジョージ・ワシントンや複数のイージス艦、韓国海軍もイージス艦「世宗大王」など最新鋭艦が参加している。これに対して、11.27日、北朝鮮は、国営メディアを通じて空母の黄海進入に対して警告するなど反発している。中国も黄海での軍事行動をけん制している。米韓は延坪島砲撃前から計画された定例の演習としているが、韓国軍は演習を「対北朝鮮抑止力強化と米韓同盟を見せつけるため」と説明、韓国軍は付近の海域で最高度の警戒態勢を敷いている。

 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の不手際を理由に、仙谷官房長官と馬淵国土交通相に対する問責決議案が参院に提出され、野党の賛成多数で可決された。票数は、仙谷官房長官に対する決議が賛成127、反対111、馬渕国土交通相に対する決議が賛成126、反対111。民主、社民、国民新は反対し、それ以外の野党が賛成に回ったことが分かる。

 自民党が提出した仙谷氏の問責決議は、中国人船長釈放の経緯の不透明さに加え、海上保安庁が撮影した衝突時の映像を非公開とした判断を厳しく批判している。馬淵氏の場合は、映像流出事件を招いた海保の杜撰(ずさん)な情報管理体制への監督責任を挙げている。問責決議に先立ち、総額4兆8000億円超の円高・デフレ対策を盛り込んだ今年度補正予算が成立した。


 2010.11.28日、沖縄県知事選は、現職の仲井真弘多(Hirokazu Nakaima)氏(71歳)が33万5708票を獲得し、前宜野湾(Ginowan)市長の伊波洋一(Yoichi Iha)氏(58歳)の29万7062票を上回り再選された。投票率は60,88%で、わずかながら2006年の知事選を下回った。米軍普天間飛行場(US Marine Corps Air Station Futenma、MCAS Futenma)の移設問題をめぐっては、仲井真氏は従来は県内移設容認の立場だったが、知事選に先立って県外移設要求へと政策を転換している。

 28日投開票の和歌山県知事選でも民主推薦候補が惨敗した。自民党が推薦した現職の仁坂吉伸氏(60)が、民主、国民新推薦の新人候補に3倍以上の得票差をつけて圧勝した。沖縄県知事選では「反米・反基地」派の伊波氏を見殺しにし、岡田克也幹事長は「特定候補の応援禁止」というの通達を出して支援活動を抑制した。自民県連や公明党などが推薦した仲井真弘多氏(71)の再選を許した。衆院北海道5区補選、福岡市長選に続く失態となった。

 11.27日、菅首相が、法相辞任と官房長官問責を受け、鳩山前首相と会食した際に「支持率1%でも辞めない」と強調したことが報道された。これに対し、「あれは鳩山さんが記者に話したこと」と訂正され始めている。

横粂氏「私が首相なら」仙谷官房長官クビ

 民主党の横粂勝仁衆院議員(29)が30日、参院で問責可決も続投を宣言する仙谷由人官房長官(64)への菅内閣の対応の遅れを批判し、内閣改造プランをぶち上げた。

 「1年生の私が偉そうなことは言えませんが…」と前置きしながら「いまだに内閣改造をしないのは遅すぎますね」と指摘。問責が可決された仙谷氏、馬淵澄夫国交相(50)は早期に解任し「総理がそれぞれの大臣職を兼務し、12月中に閣僚を一新するべき」と年内の内閣改造が必要だと主張した。

 さらに「私が総理なら…」と考え込むと、解任した仙谷氏を民主党幹事長に、岡田克也幹事長(57)を外相に、前原誠司外相(48)を官房長官に起用する、仰天の「三角トレード」を提唱した。「仙谷さんは党内にいる方が野党からの批判を避けられる。そうなると、岡田さんは外交のプロだし、内閣官房を取り仕切れるのは前原さんしかいない」と改造のメリットをあげた。

 また、同党の田中真紀子元外相(66)は同日、「首相は退陣が嫌であれば、好き嫌いを言わず、あまねく人を募るしかない」と強調。早期に内閣改造し、小沢一郎元代表(68)の起用を含め挙党一致態勢を構築すべきだと示した。

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(私論.私見)