鳩山政権史3

 (最新見直し2014.11.04日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 ここで、鳩山政権史3を確認しておくことにする。

 2009.9.12日 れんだいこ拝




2010(平成22)年

 2010.5.30日、社民党は、東京都千代田区の東京都内のホテルで全国幹事長会議と常任幹事会を開き、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で福島瑞穂党首が閣僚を罷免されたことを受け、今後の対応を協議した。午前、常任幹事会で「鳩山内閣の退陣が受け入れられなければ、政権離脱の方向を確認する」との方針を文書にまとめ、執行部が全国幹事長会議でこれを提案した。福島党首は幹事長会議の冒頭、「連立政権の下で、さまざまな役割(を果たせたこと)と(政策など)できたことに意義があることは認識している。しかし、社民党の1丁目1番地の平和と基地の問題に関し、(同県名護市)辺野古の海に基地を造る政治に加担することはできない」と説明した。党執行部は幹事長会議に対し、離脱方針とともに、3党連立政策合意の扱いや参院選での民主、国民新両党との選挙協力など今後の対応も提起した。

 地方組織の沖縄県連は既に役員会を開き、連立離脱に加え、閣外協力もしないよう求める方針を決定している。他にも北海道、青森、宮城、埼玉、静岡、岡山、愛媛、香川、高知、徳島、福岡、鹿児島各道県連が「離脱すべきだ」などの方針を決めている。これに対し、社民党現職候補を抱える新潟県連や大分などが離脱に反対ないしは慎重な対応を表明した。出席者から「分かりにくい」との声が相次いだため、常任幹事会を再度開いて「政権離脱を確認する」と文言を修正し連立政権から離脱することを決めた。これにより、 昨年9月に発足した民主、社民、国民新3党の連立体制は8カ月半で崩れることになった。昨秋の3党連立政権合意に盛り込んだ政策や次期参院選での選挙協力については、離脱後も引き続き民主党や国民新党などと協議する。

 福島氏は幹事長会議終了後の記者会見で、「政権離脱を決定した」と報告。その上で概要「全国の党員や幹事長から罷免については良かった。筋を通したと言ってもらった。これから新しい政治を切り開くべく全力で頑張る。今後の党の対応については法案によって是々非々でやっていく」と語った。重野安正幹事長は会見で「われわれは離脱するが、政党間の付き合いは粘り強く追求したい」と、民主党などとの協力関係を続ける方針を示した。社民党の辻元清美国土交通副大臣は31日にも、前原誠司国交相に辞表を提出する運びとなった。

Re::れんだいこのカンテラ時評740 れんだいこ 2010/05/31
 【ポスト鳩山、れんだいこのつぶやき】

 鳩山政権は、民主党を核として左右に国民新党、社民党を配する形で出発した。しかしながら、政権発足より今日までの間に鳩山政権のやるやる詐欺性がはっきりするに応じて支持率が更に下がり始め既にゾンビ化している。そういう折の2010.5.29日、社民党切り捨てを決断した鳩山首相自身はやる気まんまんのようである。この自信はどこから来るのだろうか。世上で宇宙人のあだ名を与えられているが、れんだいこにはクラゲの方が相応しいように見える。

 鳩山首相続投は権力への妄執以外の何物でもないように見受けられる。鳩山首相派は今や小沢派と決裂状態に入っており、ネオシオニズム奥の院の支持を支えにして難局を乗り切ろうとしてるように思える。いずれこうなることが予想されていたが何ともはやアサマシイ。この様は、中曽根政権が田中角栄派の後押しを得て政権に辿り着き、次第にシオニスタン政治に移行し、後に満展開させた経緯を想起させる。ダブって見えて仕方ない。あの時も推進力は「政治とカネ」問題であった。
 
 それはともかく、日本政治史の特徴として、政権がネオシオニズムの御用聞きを露わにすれば忽ち人心が離れる。よってシオニスタン政治に舵を切った鳩山政権の今後はますます支持率を下げることになろう。現在、米軍基地、対北朝鮮を廻る米日韓中の包囲網、宮崎牛殺処分、消費税増税、憲法改正、自衛隊の無制限武装派兵等々の諸問題に直面しているが、それらが全てに於いて国益に反する形で策動されることになろう。

 既に、内治外治両面に於いて、郵政再改革、その他の小改革を除けば、重要案件になればなるほど自公政権のそれと何ら違わず、何の為の政権交代であったのか分からなくなっている。相変わらずのバラマキ政治、景気浮揚逆行政治は却って酷いとも云える。鳩山首相派は、それでもこの道を進む。なぜなら根っからのシオニスタンであるからである。そういう風に飼い慣らされ雇われていると思えば良い。殆どビョ―キの世界に入っていると思えば良い。

 しかし、こうなると、7月の参院選が戦えないのは云うまでもない。日本人民大衆はそうはバカではない。云うか云わぬかは別にして腹に逸物持っている。かくて参院選前の後継問題が急浮上することになる。しかしながら、権力の甘い蜜を吸うウマ味を覚えた連中が自ら政権を手放すことはない。均しく中毒化するのが歴史の法理である。よって、引きずりおろされるまでしがみつこうとする。これをどうするかが問われている。参院選結果を踏まえての辞任論が生まれているが、そうは悠長に構えてはいられない。代表が自ら敗北するよう立ち回る変態をどこまで許すのかという問題が突き付けられており、待ったなしの局面を迎えていると受け止めるべきであろう。そういう意味で民主党内は正念場に入ったことになる。

 で、一体だれが相応しいのか。ここが肝心な議論になる。鳩山派の岡田、前原、枝野、仙石その類のシオニスタンは論外である。こ奴らは早晩叩きださねばならない。元々自民党の出馬枠がなかったから野党から出自した手合いでしかない。そのシオニスタンぶりは自民党内若手のそれよりも酷いと云える。よって論外。

 となると管がどうだろうかということになる。本来かく予定されていたのだが、このところ急激に消費税増税論者に転換しており色褪せ始めている。社民連上がりの頭脳の程度のお粗末さであろう。そこで腕組みして考えねばならない。順当なところは小沢以外にあるまい。元々は小沢代表で先の総選挙に臨む筈であったのであるからして、小沢の下での選挙でも相当に勝てた筈であるからして小沢には資格がある。党内が急速に小沢でまとまることを期待したい。

 ウルトラCは国民新党代表の亀井であろう。しかし何分にも少数政党過ぎる。郵政再改革後は、水戸黄門的立場での御意見番役が良いような気もする。次に原口の線が出てくる。貫禄的に見て少し早い気がしないでもないが1959年生まれと云うから51歳である。田中角栄が首相になったのは54歳であるとを思えば年の頃は丁度良い。

 実際には誰がなるか分からない。誰がなるにしても護憲尊憲派が条件となるべきである。仮に改憲派であっても急進的な改憲派でなければ良いと手綱を緩めておこうか。そうだ、福島が良いかも知れない。村山政権の先例もあり、村山政治の愚挙を禊する意味でも福島が手を上げるべきかも知れない。れんだいこは、この話に乗りたい。次期政権を首相・福島、幹事長・原口、副総理・亀井にすると打ち出し、参院選を小沢代表、原口幹事長体制で臨めばどうだろう。消費者・少子化相は田中真紀子か姫井由美子でどうだろう。次期政権はこの二人を抜擢せねばならない。

 とか云う風に書きだしたらキリがないので、これぐらいにしておく。要するにポスト鳩山を真剣に討議せねばならないということだ。軽口過ぎる政治遊び人の鳩山を首相としてこのまま続投させ続けると日本はますます壊れてしまう。これは確かだ。本質的に彼は無責任が過ぎる御仁だ。これは治るまい。我々が、これ以上付き合う義理はない。

 2010.5.31日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評741 れんだいこ 2010/06/01
 【「鳩山善玉、小沢悪玉」論評の懲りない面々へ告ぐ】

 社民党切り捨てにより一気に崩壊過程に突入した鳩山政権であるが、今朝のテレビ政治評論で、「新党請負人」の異名を持つという触れ込みの伊藤惇夫なる政治評論家が「鳩山善玉、小沢悪玉」論を聞かせていた。不快な評論であった。この御仁が細川政権の知恵袋だったとすると、細川首相もトンだ御仁に世話になったもんだと思う。

 福島党首に続いて辞表を提出した辻元国交副大臣の「外務官僚・防衛官僚が辺野古現行案で囲い込みを行った、社民党はその圧力を鳩山総理と共に押し返そうと必死だった。(鳩山首相には)踏ん張って頂きたいと思っているが、もはやその様な流れが出来あがっている、気の毒なことだ」発言もウソ臭い。鳩山続投エールの変種に聞こえる。考えて見よ、鳩山首相と外務官僚・防衛官僚を対立させているが、前原、岡田、北沢等の名うてのシオニスタン、その配下の外務官僚・防衛官僚を登用したのは鳩山采配ではないのか。この人事にこそ胡散臭さがあるのではないのか。

 鳩山政権発足8カ月有余、与党内部で誰が政権交代効果を前進させ、誰が抑制し、誰が縁の下の力持ちしているのか、これを理解することは難しい話ではない。沖縄問題のみならず高速道路無料化問題でも、誰が極力公約の線で努力しているのか、却って割高にせんとして棹差しているのか。これを理解することは難しい話ではない。これを逆に説くのが「雇われ」政治評論家のお仕事らしい。伊藤惇夫の弁の不快さはこれによる。

 小沢批判は専ら「政治とカネ」問題に終始しているが、これは政治的識見に於いて批判できないことの裏返しであり、為にする小沢批判に過ぎない。政治見識に於いて、他のどの政治家よりも小沢のそれの方が護憲的であり清濁あわせ呑む責任政治である。このことは、小沢政治の逐一を対照させて見ればよりはっきりしよう。しかしながら、自公、日共、マスコミはこぞって「悪の代名詞」を小沢に被せてきた。れんだいこは、ネオシオニズムの命令であり、その御用聞きとして吠えているに過ぎないと読む。キタない奴らだ。

 そうした折、ネオシオニズム系御用提灯専門の言論大砲たるマスコミに野中証言が降りかかった。これにマスコミ諸君がどう対応したか。今に至るまで逃げ回り、まともに採り上げていない。こうなると、「言論とカネ」問題に釈明できないマスコミ各社が、「政治とカネ」問題で見識ぶること自体が許されまい。今まで許されてきたことの方がオカシイ。

 れんだいこが思うに、官房機密費、外交報償費問題は何も「言論とカネ」問題と云う風に採り上げるまでもない。もっと下のレベルの一般的な就業規則の類で考えれば良い。どの会社に於いても、公務員ならなおさら、業務に関わることで給与以外の報奨金を無断で他者から貰うのは禁止されている。これが露見すればクビである。立派な解雇事由に相当する。この違反を平気の平左で何食わぬ顔して頂戴していたのが政治記者であり政治評論家であったということになる。それとも何か言論人に限り、手前は裏金貰いが許され、且つその手と口で世間に向けては「政治とカネ」講釈を説く芸当が許されるなどと云う便利な取り決めでもあると云うのだろうか。

 この問題を切開できない言論人が、小沢幹事長の「政治とカネ」問題を殊更に大きく採り上げ、「天の声」まで詮索するよう東京地検特捜部と呼吸を合わせてきたのが実際である。普通には何のカンバセ有りておめおめとテレビにでてくることができよう。その点、三宅久之はエライ。「たかじんのそこまで言って委員会」で堂々と開き直った。但し、そう云えば大昔に貰っていたことがあるなぁ程度のゴマカシと居直りの弁であった。問題は大昔のことではなく、例えば小泉政権時代の郵政選挙前後、飯島秘書官采配のマスコミ対策大盤振る舞い時に手を出していたかどうかなのだが、肝心のこの件ではダンマリしている。

 この件では立花隆なぞにコメント取るのも面白かろう。あれほど金権批判を繰り広げてきたこの御仁がよもや「言論とカネ」問題で汚名を着せられることはあるまいが、今のところ質問したと云う話さえ聞かない。オカシナことである。立花よ、「政治とカネ」に続いて「言論とカネ」について蘊蓄を聞かせてくれないか。誰かインタビューしてみよ。

 もとへ。「鳩山善玉、小沢悪玉」論を唱えて鳩山政権の延命を図ろうとする者達よ。君たちに聞きたい。普天間基地移転問題で見せた鳩山首相の「国外、最低でも県外」言質(げんち)を自公政権時の辺野古案差し戻しという事態を踏まえれば、鳩山首相が今後何を公約しようと空約束にしかならないと受け止めるのが筋ではなかろうか。否今後は律儀に公約を守りますと云う証文が見せれるものなら見せてほしい。これなしに鳩山続投を支持するのは鳩山同様に政治を遊びにしていることに他ならないのではなかろうか。普天間基地問題で見せた鳩山の軽口一切を一事万事と受け止めるべきではなかろうか。

 もはや鳩山がどう述べようと信が置けない。そういう意味で、鳩山首相は致命傷を負っていることになる。思えば、社民党の福島党首を斬るのではなく、手前こそが辞任すべきだったのではなかろうか。そもそもこの覚悟で臨めば局面転回できたかも知れない。その覚悟なしに何度も思わせぶりにしていた「5月末期限」を迎え、辺野古案と云う最悪の結論に至った。云い訳は「抑止力に対する勉強不足だった」だと。あきれてものが言えないとはこのことだろう。

 これにより、公約通りの主張をしていた福島を斬り、手前は続投意思を表明して居直っている。これを擁護する政治評論家がいる。マスコミは、この手の評論家を滅法好んで登場させている。エエ加減にして貰いたい。こう確認すべきところ、多弁饒舌を繰り返し鳩山続投を説く者、そういう者を登場させる者の魂胆こそ臭いと云うべきではなかろうか。鳩山政権続投派はここを説明する義務がある。

 政治発言特に首相発言となるなら尚更のこと、その重みを弁えるべきであろう。朝に云うたことを夕べに翻し、飽きもせずすんまへんを繰り返す首相は史上、鳩山以外には見当たらない。今後どうなるか五里霧中ではあるが、賞味期限を過ぎた鳩山政権を終わらせ、後継政権の手で政権交代効果を発揮させるのが筋ではないのか。そうしてこそ政権交代一番手としての鳩山政権の功績が活かされよう。鳩山政権の居座りは腐臭以外の何物でもない。私はこう思う。

 2010.6.1日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評742 れんだいこ 2010/06/02
 【鳩山首相辞任考】

 2010.6.2日、鳩山首相が辞任表明した。これを確認しておく。

 この日、鳩山首相は、民主党両院議員総会で「この職を引かせていただ く」と述べ正式に辞意を表明した。同時に小沢幹事長を道連れ退任させたことも明らかにした。鳩山首相は、退任理由について、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる辺野古案への差し戻し、社民党の連立離脱などでの政権運営の混乱の責任、「政治とカネ問題」を挙げた。「国民が聞く耳を持た なくなった」と指摘し神通力切れを認めた。なお政治資金問題に関連して小林千代美衆院議員の辞職を促した。これをどう評すべきか。またぞろ森田実を始めとするピンボケ評論が罷り通ろうとしているので、れんだいこが棹差しておく。

 そもそも鳩山首相辞任は致し方なかった。本人も認めているように完全に食傷されており、賞味期限切れであった。問題は、小沢幹事長道連れ退任は如何なものであろうかということにある。マスコミ好みの「鳩山善玉、小沢悪玉」論からすれば、小沢同時退任は当然と云うことになろうが、「小沢善玉、鳩山悪玉」論を掲げているれんだいこの観点からすると、「鳩山らしいイヤラシイ抱き合わせ心中」の強制でしかない。なぜなら、政務の鳩山は次から次へと失態していたのに比して党務の小沢は賢明懸命に仕事をこなしていたからである。よって、一般通念からすれば、仕事のデキが良い者を辞めさせる理由がない。鳩山が自爆すれば良いだけのことである。

 しかしながら、鳩山は小沢を道連れにした。前日の6.1日の鳩山−小沢会談後の記者団通過時の左手の親指立ててのサインは何であったのか。普通は「ヤッタぜベイビー」サインと解き、「うまく行った」と告げていると読む。では誰に向けてのサインであったのだろうか、ここを詮索せねばならない。これは、鳩山がなぜ小沢を道連れにすることに拘ったのかを解明すれば解ける。こういう場合、来る参院選の影響という観点から考えるのが一番的確であろう。小沢幹事長采配下での選挙戦突入は、民主党にとって不利なのか有利なのか。一概には言えないが有利と見る。参院選は後1ケ月有余、いよいよこれから小沢采配が光るところである。それを阻止したことになる。では、鳩山は何故に参院選の為に党の為にならないことを承知で小沢を道連れにしたのか、ここを切開せねばなるまい。

 れんだいこは、先祖墓蹂躙事件以来、公然と鳩山を掣肘しコントロールし続けている背後のネオシオニズム奥の院の指令によると見立てる。ネオシオニズム奥の院は、鳩山辞任後、民主党内で小沢の影響力が一層強めることを最も恐れている。子飼いの岡田、前原、仙石、枝野辺りでは太刀打ちできず、何より鳩山引退のきっかけとなった辺野古案差し戻しに尽力した手合いでは党内も世論も許さない空気を察知している。そこで何はともあれ小沢引きずりおろしを鳩山に命じ、鳩山はその意を受け、小沢、興石、平野との四者会談で強引執拗に抱き合わせ心中を迫り、その結果としての「ヤッタぜベイビー」サインであったと思われる。しかし、こうなると、鳩山は引き際でもミソをつけたことになる。

 鳩山は、その後の首相官邸での記者団の質問に答え、「次の総選挙には出馬はしない」ことを明らかにしている。但し、任期途中での議員辞職は否定した。また、民主党代表選への出馬を表明した菅副総理に対して、「影響力を行使してはいけない。(後継)指名する意図はない」と話している。それなりの鳩山美学であろう。問題は鳩山政治のオタク性にある。ここを衝かない鳩山政治論は民主党の今後の為に良くない。れんだいこが見立てるところ、鳩山政治とは終始一貫、「改革仮面」を被った政治の遊び人性にあったと思われる。その意味で小泉式劇場型政治とハーモニーしている。恐らく背後の指示勢力が同一な為と思われる。

 民主党が教訓を得るべきは、数々の大衆受けの公約は良いとしても、田中角栄式「政治は生活である」とする責任政治を全うせねばならないと云うことではなかろうか。この姿勢があれば、「米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる辺野古案への差し戻し」など有り得なかった。選挙前にそう主張し、選挙後に首相の口から何度も「国外、最低でも県外」と繰り返している以上、後になってそれは首相個人の発言に過ぎず党の公約ではないなどと云う云い訳が通用する筈がない。ましてや自ら「5月末期限」を云い、それで時間を稼ぎながら、期限を迎えると「必ずしも5月末に拘らなくても良い」などと云いだし、その舌の根も乾かぬうちに急転直下辺野古案に差し戻した。この間、徳之島で移転騒動が起きている。こういう政治芸は遊び人のそれ故に起こるものであって、責任政治を引き受ける事を自らに課している者には有り得ない。れんだいこが、本質的に政治遊び人と断ずる所以である。

 退任表明での「自分自身が政治資金規正法違反の元秘書を抱えていたなんてことは、私自身まったく想像だにしておりませんでした」も胡散臭い。元秘書にしてみれば迷惑な云われ方であろう。そう云えば、マミー献金もウソ臭い。あれが果たしてマミー献金なのかどうか詮索されていないが、それは一部であって変な筋からの献金が含まれていたことが十分考えられる。故人献金もケシカラン。政治資金収支報告書に記載されておらず、小沢のように記載している事例に比べてよほど悪質ではないか。その鳩山が小沢降ろしに「政治とカネ」問題を引き合いに出し引責させたというのも臭い話である。

 そういう訳で、政権交代第二政権は愚直な者が望ましい。愚直ではあってもネオシオニズム奥の院に愚直なシオニスタンではイケナイ。論外である。政権交代効果を継続する有能の士を選出せねばならない。「道半ば」の観点から鳩山辞任を惜しむ声が為されているが、れんだいこには鳩山政権が政権交代事業の推進力になっていたとは思われない。むしろ前原の如く公約阻止に動いている面が強い。ヤルヤル詐欺政権という批判は当たっていると見立てる。鳩山政治のそういうオタク性、本質的に遊び人性が総括されねばならないと思う。

 既に管が出馬表明している。無難と云うことになるのだろうか。但し、管が愚直な人物であるかどうかは疑問である。特に昨今では消費税増税にシフト替えしているので危険極まりない。「私の任期中は上げない」と公約しない限り支持し難い。今安易に財源不足解消策として消費税論議にのめりつつあるが、消費税は政治の薬物中毒税であり、根本から見直す時間が必要である。そういう意味で、「私の任期中は上げない」と云わせない限り、管に対しても端から警戒してかからねばならない。

 もとへ。鳩山内閣は近く総辞職。民主党は後継代表を選出する両院議員総会を4日に開催する。その後、国会での首相指名選 挙を経て新政権を発足させる方針だと云う。16日までの会期を延長しない方針のため、残りの審議日数を考えると、郵政改革法案の今国会での成立は困難な情勢となったとある。いろいろ云いたいことはあるが見守るしかなかろう。民主党の能力がみえることになろう。

 2010.6.2日 れんだいこ拝

【鳩山政権史】
 鳩山内閣の歩みは次の通り。(肩書は当時)

 2009年8月30日 衆院選で民主党が308議席の圧勝

 9・16 鳩山内閣が発足

 10・26 臨時国会召集。鳩山由紀夫首相は所信表明演説で「戦後行政の大掃除」を宣言

 11・11 無駄遣い削減に向け「事業仕分け」開始。9日間実施

 13 来日したオバマ米大統領との首脳会談で首相は米軍普天間飛行場移設問題で「トラスト・ミー(信頼して)」と強調

 12・4 臨時国会閉幕。日本郵政株式売却凍結法など成立

 8 7兆2千億円の追加経済対策を決定

 24 首相の資金管理団体などの虚偽記入事件で、東京地検が元公設秘書を起訴。首相は陳謝

 25 10年度予算案を閣議決定。一般会計総額は92兆2992億円と過去最大

 10・1・6 藤井裕久財務相が辞任。菅直人副総理が兼務

 15 北沢俊美防衛相がインド洋で給油活動に従事する海上自衛隊艦船に撤収命令

 同 小沢一郎幹事長の資金管理団体の虚偽記入事件で元秘書の石川知裕衆院議員ら逮捕

 18 通常国会召集

 19 日本航空が会社更生法の適用申請

 24 沖縄県名護市長選で普天間飛行場の同市への移設反対を掲げた稲嶺進氏が当選

 29 施政方針演説

 2・4 東京地検が石川議員らを起訴、小沢氏を不起訴。小沢氏は続投表明

 10 首相が枝野幸男元民主党政調会長を行政刷新担当相に任命

 3・9 日米密約を調査した外務省有識者委員会が岡田克也外相に報告書を提出

 4・21 首相が党首討論で普天間問題の5月末までの決着に「職を賭す」と発言

 27 検察審査会が小沢氏について「起訴相当」と議決

 5・4 首相が就任後初の沖縄入り。県内移設の意向を表明

 7 首相が徳之島3町長に普天間の基地機能の一部受け入れを要請、3町長は拒否

 21 東京地検特捜部が小沢氏を嫌疑不十分で再び不起訴

 23 首相が沖縄を再訪問し、名護市辺野古崎への移設を初めて表明

 27 首相が全国知事会で沖縄県の基地負担軽減への協力を要請

 28 日米両政府が辺野古崎地区とこれに隣接する水域を移設先とする共同声明を発表。首相が政府方針に署名しない社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相を罷免

 30 社民党が連立政権離脱を決定

 (共同) [2010年6月2日10時28分]


【鳩山、小沢の刺し違い同時退陣劇の舞台裏考】
 鳩山辞任劇を解剖しておく。以下は推定であるが、こういうやり取りであったと思われる。

 5.31日、鳩山首相、小沢幹事長、参院議員会長・輿石東の三者会談がセッティングされた。やや遅れて平野官房長官が入り四者会談となる。輿石は、世論の声を伝え、1カ月後の参院選におののく参院民主党の窮状を訴えた。言外に鳩山退陣を催促していた。小沢は寡黙で、輿石が代弁した。鳩山は受け流した。輿石は執拗に「政治における信」の肝要さを説き続けた。鳩山は、辞任には及ばないとして乗り切りを図った。「もし私が辞任するなら、小沢さんも同時に辞めて貰いたい」。これが鳩山首相の切り札であった。輿石は、支持率の低下は政務の失策によるものであり、党務には何の問題もないことを説き続けた。鳩山は、辞任する意思のないことを繰り返した。小沢幹事長も同時辞任要請を受け入れず話し合いは膠着した。「結論は明日に持ち越そう」ということになった。

 6.1日、前日に続いて2回目の会談となった。輿石は、小沢幹事長の辞任の非を説き続けたが、鳩山の「私が引く場合には小沢さんも幹事長職を引いていただきたい」を突き崩せなかった。双方の攻防舌戦が続いた。小沢はこの間、「俺が辞めるとした場合に、あなたも辞めるというのは間違いないか」と質していた。鳩山は「それは間違いない」と念質を入れている。小沢が辞められない事情を見越した居直りであった。再び「結論は明日に持ち越そう」ということになった。前日と違って、鳩山が押し切った流れとなった。

 ここから事態が急転する。2回目の会談直後、鳩山は、記者団の前を通り過ぎる時、笑みを浮かべ左手の親指を立てて去った。これは通常「やったぜベイビー」と云われる勝利凱歌サインである。つまり、鳩山が、小沢−輿石の退陣要請に対し、「同時退陣を迫り、受け入れられないとする小沢に対し、ならば私も辞任しないとして辞任要請を押し切った」ことを意味する。ところが、この「親指立て」が党内に怒りの火に油を注いだ。首相にあるまじき動作であり、如何にも鳩山らしい政治の遊び性を示していたからであった。

 小沢は、鳩山の「親指立て」を見て辞任を決断した。鳩山をこれ以上首相に据えておくわけにはいかないとして刺し違いを決意した。首相公邸に帰宅直後の鳩山に守秘ルート電話をかけ、辞任の腹を決めたことを告げた。「ついては約束通り、あなたも辞任してほしい」。鳩山は、抗するすべもなく了承した。こうして、双方の申し出による刺し違い辞任となった。

 小沢は、鳩山の気の変わらないうちにダメ押しの一手に動いた。輿石らに同時辞任を知らせ、事後の取りまとめを依頼した。次に、党幹事長室職員に2日午前7時半までの出勤を厳命し、所属議員全員に緊急ファックス通信を送付させた。「本日、緊急両院議員総会を開会することとなりました。鳩山総理・代表より大事なお話があります。万障お繰り合わせのうえ必ず出席くださいますようお願いいたします。幹事長 小沢一郎」。総会に出席できない議員には委任状を求めた。党規約の「緊急を要する事項については両院議員総会の議決をもって党大会の議決に代えることができる」(第7条2項)に従った。

 6.2日、鳩山首相は、出邸前に記者団に対して、「今日の両院議員総会で私の思いを申し上げたい。私の思いをそこでしっかりと申し上げますから、ぜひ聞いてください」と語った。執務室で外相、岡田克也らに電話で辞意を伝えた。10時前、鳩山が総会会場となった衆院別館5階講堂に到着した。小沢は2分遅れて到着した。2人は目を合わせなかった。壇上に上がった鳩山はこう伝えた。「私もこの職を引かせていただくが、小沢幹事長にも政治資金規正法の議論があったことは周知のことでございます。恐縮ですが、幹事長も職を引いていただきたい。そのことによってよりクリーンな民主党を作り上げることができる」。

 鳩山は、小沢道連れ退陣の正義を語った。政治の私物化性を示していることさえ弁えない鳩山の「意趣返し」の弁であった。演説を終えた鳩山は小沢に歩み寄り、二人は形だけの愛想で礼を交わした。小沢は視線を合わさなかった。総会後、小沢は国会内の幹事長室に閉じこもり、出てきたのは午後0時20分過ぎ。「ヨシッ!」と気合を入れ、記者団の待ち受ける衆院第16控室に現れこう語った。「まあ、任期半ばでこのような事態になったことは大変残念に思います」。最後を「もう皆さんと会うのも最後でございます」で締めくくった。


 以降の流れにつき「菅流で行こう!/小沢追放会議」を転載しておく。
 鳩山首相の退場から、菅新政権の発足へ―。民主党による政権交代の第2幕が開いた。だがそれは、政権内での主導権を巡る、血で血を洗う激しい権力闘争の幕開けでもある。鳩山首相の最後の一撃で、小沢前幹事長は強制的に退場処分となった。世に言う「道連れ辞任」である。

 小沢氏は事実上、失脚。これを見たある民主党ベテラン議員はこう語る。「これで小沢さんは、お終い。政治家として消えていく。小沢幻想、小沢神話に振り回されるのも、そろそろ終わりということだ。自民党で、森喜郎や古賀誠、青木幹雄らのことはもはや誰も気にしていない。同じことが小沢さんの身に起ころうとしている」。その一方で、小沢派の議員からは、猛烈な反発が沸き起こっている。「これは戦争だ。菅内閣が小沢グループを一掃するつもりなら、こちらにも考えがある。菅内閣など、単なる選挙管理内閣に過ぎない。後でほえ面をかくのは、菅や仙谷、枝野の方だ」(小沢側近の一人)。

 民主党を揺るがす権力闘争の一端は、6月9日に行われた、小沢氏から枝野氏への新旧交代幹事長引き継ぎ会談からも垣間見えた。昨年9月、約20年ぶりに奪還した国会内の与党幹事長室を、わずか8カ月あまりで退散することになった小沢氏は、表面上、淡々としていたが、内心はハラワタが煮えくり返る思いだった。「格下の枝野なんかに何を引き継ぐんだ?あんな小者に何ができる。ケッ!」と言わんばかりの尊大な態度。従って枝野新幹事長との面談は、たった3分。膨大な資料を枝野氏にドサリと渡しただけの形式的な作業で、小沢はそっぽを向いたままだった。「勝手にしろ。お前なんかに、どうせまともに幹事長職が務まるワケがない」。小沢氏のこの3分間の引き継ぎは、枝野氏にそう通告したに等しい。ただ、小沢氏がそうした対応に出ることを、人事を決めた菅新総理も、仙谷新官房長官も、十分に承知していた。

 組閣の直前、菅、仙谷氏らが集まり「小沢追放」のための対策を話し合った会議でのこと。当の枝野氏本人が「私が幹事長で本当に大丈夫なんですか?」と就任を渋った。菅首相の側近中の側近・荒井氏(国家戦略相)も、「それでは政権がもたない」と猛反対していた。では何故、菅首相と仙谷長官は、それでも枝野氏を幹事長に任命したのか? 実は仙谷氏には、“小沢封じの秘策”があった。小沢氏の影響力が残る党と幹事長室を掌握し、コントロールする方法 ―それは、従来は国会内にあった幹事長室を、「官邸内」にも設置しようという構想だ。国会対策を含めた党務の最高責任者である幹事長の執務室は、党本部以外は、通常、国会内にある。小沢氏もその慣例を踏襲し、「モノを言いたい」時だけ首相官邸に乗り込み、鳩山政権の政策を鶴の一声で左右し、誇示してきた。仙谷氏は、そのシステムを破壊しようとしている。「小沢氏の力の源泉は、幹事長室、選対、国対の3つ。逆に言えば、ここから小沢氏の影響を取り除けばいい。そこで、幹事長室そのものを官邸内に移し、菅−仙谷コンビに直轄してしまえ、というのがこの構想です。幹事長職を実質的に官房長官の管理下に置くことで、枝野氏を仙谷氏がバックアップする。同時に、選挙もカネも、これからは官邸が主導権を握る。党からの横ヤリは許さない。たったこれだけで、小沢氏は丸裸になる」(仙谷氏周辺)。

 カネのない小沢氏には何もできない。そのことを一番よくわかっているのは、小沢氏本人だ。だからこそ、小沢氏はあれだけカネに執着してきたワケだが、そのカネを、今度は反小沢グループが掌握したのだ。「もともと政府側は、前原国交相や岡田外相ら、反小沢議員ばかり。今度は、官邸そのものが“小沢追放”秘密会議の場となる。昨日まで小沢氏が自由に使っていたカネは、これからは小沢潰しのために使われる」(全国紙政治部記者)。そして仙谷氏は、枝野氏には別のある因果を含め、幹事長に送りだしたという。「小沢氏が幹事長時代に使ったカネの流れを、徹底的に洗え、という指示です。少しでも不正なカネの流れがあれば、小沢氏の政治生命を完全に断つことができる。仙谷氏は、小沢一派の息の根を止めるまで、追及の手を緩める気はないようです」(民主党幹部)。

 鳩山政権下で、小沢氏によって逼塞させられていた仙谷氏ら反小沢系議員は、息をひそめるようにして、機会を窺ってきた。そして、小沢氏退場によって機が熟したと見るや、その影響力を根絶すべく、一気に追い打ちをかけ始めたのだ。鳩山氏が両院議員総会で辞任を表明した6月2日の夜、彼らは素早く行動を起こした。菅首相はすでに、代表選に勝って総理に就任することを前提に、定宿にしている東京・赤坂のホテル・ニューオータニの一室で、仙谷氏、枝野氏と向き合っていた。「小沢追放会議」の始まりだ。仙谷氏はのっけから、「この際、徹底した人事を断行して、党を再構築しようじゃないか」、「政治とカネの問題で、しっかりケジメをつけてほしい」と、小沢氏切りを菅首相に強く迫り、了承を取り付けた。これは、前原氏、岡田氏、野田氏ら、反小沢派の「七奉行」が、菅氏を総理に担ぐ条件でもあった。

 菅首相はこれまで、小沢派にも、反小沢派にも属してこなかった。小沢氏とは折に触れ連絡を取り合い、つかず離れずの絶妙な遊泳術で党内の地位を保ってきた。ただそれはすべて、「首相になる」という菅氏自身の野望のため。徹底した現実主義者としても知られる菅氏は、反小沢の流れに乗れば総理の座が転がり込んでくると見るや、小沢氏への友好的態度をかなぐり捨て、即座に小沢潰しの行動に踏み切ったのである。

 一方で、その類の政界工作が得意のはずの小沢氏は、完全に出遅れた。6月2日の両院議員総会で、権力の座から強制退去させられた小沢氏は、菅−仙谷ラインが動き出した時、まだそのショックから抜け出せず、思考停止状態にあった。鳩山は替える。だが自分は選挙とカネの権限を手放さない。それが小沢氏の描いたシナリオ。だが、この目論見は前述のように鳩山氏の叛乱で、完全に覆されてしまう。自信の政治的影響力を維持するため、小沢氏は菅氏に対抗し、自分の息のかかった対抗馬を即座に立てる必要に迫られた。しかし、小沢氏の手元には“手駒”がいなかった。「頭は自分一人でいい」。そうやって後継者を育ててこなかったことが、この土壇場にアダとなった。こうした焦りが小沢氏のすべての判断を狂わせる。

 焦燥の小沢は、あろうことか田中真紀子元外相擁立を画策。しかも、あっさり袖にされてしまった。「真紀子さんの自宅まで口説きに行ったと聞いて、小沢さんの正気を疑いました。真紀子さんに総理が勤まるワケがない。目立つなら誰でもいいのか。田村亮子の立候補といい、どうも、政治的勘がボケてきてるんじゃないか」(菅グループの一人)。真紀子氏は、しつこく口説く小沢氏に対し、逆に「小沢さんが自分で代表選に出ればいい」と勧めたが、小沢氏は「ムリだ」と言って躊躇っていたという。この一連の経緯をすべて真紀子氏に暴露されてしまい、小沢氏はますます政治的立場を下げてしまった。菅新総理が確定した6月4日、小沢氏は配下の議員らと都内の料理店で残念会を開いた。しかし、集められた若手議員たちの態度は、いかにも冷めたものだった。「『必ず来い』と動員をかけられたんです。でも来たのは80人位。小沢さんは不自然にニコニコしてて、気持ち悪かった。もうキレちゃったのかも・・」。

 落ち目の小沢氏に対し、仙谷氏ら手を緩めない。選対委員長に就任した安住氏も反小沢派の一人。NHK政治部の出身ですが、自民党政権時代、国政選挙NHKの全国データが、自民党に流出してたのは公然の秘密でした。鳩山政権では、それが小沢氏のもとに届いていた。小沢氏は、こうした生のデータを他の幹部にも見せず独占してた。しかし、今後は、NHKとパイプのある安住氏が選対委員長になり、枝野氏が幹事長になったことで、それもできなくなる。もうまともな選挙情報は、小沢氏には届かない。

 また、仙谷長官らが、小沢追放の強硬路線に走った背景には、検察審査会の動向もあると見られる。弁護士出身で法曹界にネットワークを持つ仙谷氏は、東京地検が小沢起訴に備え公判準備を開始したとの情報を得ていました。小沢派の牙城である幹事長室に乗り込むことを枝野が渋った際、仙石氏はこう説得したという。「(強制起訴が間違いない)小沢の政治生命は終わりだ」菅首相も、財務大臣を務めたことで、小沢氏に対して強気に出る材料を得たのではないか、という見方もある。財務大臣が、脱税捜査を行う国税庁を統括しているのは周知の通り。そのため「首相は税務調査の結果を得て、首根っこを押さえたのではないか」(財務省関係者)と囁かれているのだ。

 小沢さんが党を割っても、側近以外は誰もついていかないよ。83人いた小泉チルドレンは、次の選挙で10人になった。新人議員は、自分たちが小沢氏の力でなく、民主党の看板で勝ったことをよく知ってる。飛び出せば落選確実なのに、誰が小沢さんについていく? 小沢さんは裸の王様だ。どう転んでも、これでお終いなんだよ」。「小沢氏に従っていれば選挙に勝てるし、逆らうと落選させられる。そう思ってみんな、小沢氏の顔色を窺ってきた。もうその必要がない。選挙が不安な議員ほど、次々切り崩されていく」(いずれも民主党若手議員)。

 小沢氏は「民主党には、権力のなんたるかをわかっている人間がいない」と嘆き、それを逆手にとって鳩山政権を操ってきた。その鳩山前首相は、6月9日に近い議員らが主催した慰労会で、「小沢さんが、子どもだった民主党を、大人の政党に変えてくれた。感謝しなければいけない」と語ったという。そう、小沢氏が見下していた民主党の者たちは、小沢氏から権謀術数のなんたるかを学び、最後にその小沢氏を、権力の座から引き摺り下ろすことに成功した。(『週刊ゲンダイ』6/26号より)

(私論.私見)

 肝心の見立ての部分がくだらない政論になっているが、小沢どん追放劇の裏舞台を晒しているところに意味がある。凡そこういう目論見だったのだろう。しかも、この流れが誘導されており、その流れに乗っただけと云う粗脳特有の行動パターンまで見えてくる。

 2014.11.4日 れんだいこ拝






(私論.私見)