羽毛田・宮内庁長官発言考

 (最新見直し2009.12.19日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 ここで、シオニスタンによる執拗な小沢パッシングを確認しておくことにする。

 2009.9.12日 れんだいこ拝



Re::れんだいこのカンテラ時評634 れんだいこ 2009/12/16
 【羽毛田・宮内庁長官発言考】

 思わぬところから「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」を思い出すことになった。2009.12.14日、中国の習近平国家副主席が来日し、翌12.15日、皇居で天皇陛下と会見したが、これに先立つ12.12日、羽毛田信吾・宮内庁長官が、天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見が決まった経緯に関して記者会見を開き、次のような異例のコメントを発表した。

「今回、外務省を通じて内々に宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切った段階でしたから、ルールに照らしお断りをした。その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があり、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわらずやってきたのだからぜひルールを尊重していただきたいと申し上げました。その後、再度、官房長官から、総理の指示を受けての要請という前提でお話がありました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官の指示には従うべき立場。大変異例なことではありますが陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあってほしくないというのが私の切なる願いです」。

 このコメント後、自民党の「天皇の政治利用批判」が相次ぎ、これに唱和する形で鳩山首相と小沢民主党幹事長辞任批判が巻き起こった。例によって読売が音頭を取っている。「宮内庁には羽毛田の発言について1千件の電話やメールが届き、多数が羽毛田の発言を支持するものであった。逆に民主党に対しては批判が殺到した」とある。

 12.14日、安倍元首相は、天皇陛下が中国の習近平国家副主席と特例で会見されることについて次のように批判した。去る日、やんちゃな坊っちゃん元首相は、ブザマナ引き際をしたことを棚に上げて、すっかり元気を回復しているように見える。意訳概要「今からでも遅くないから、陛下との会見は中国側に取り下げてもらうよう要請すべきだ。民主党の小沢一郎幹事長、鳩山由紀夫首相が国益ではなく自分たちのために天皇陛下を政治利用したと断じざるを得ない。強い憤りを感じる」。

 12.14日、これに対し、民主党の小沢幹事長が、語気鋭く次のように反論した。まま正論であろう。   意訳概要「『1ケ月前ルール』なるものは2005年以来のものであり、法律で決まっているものではない。そもそも天皇の国事行為、公的行為は内閣の助言と承認によるべきと憲法上明記されており、こたびの習・中国国家副主席と天皇の会見セツトはこれに当たる。天皇の公的行為を内閣がコントロールするのは日本国憲法の基本精神であり、これまでも同様の内閣判断により天皇のお出ましを願ってきた。こたびの宮内庁判断が内閣の判断に優越するかのようにふるまう羽毛田宮内庁長官発言は日本国憲法の基本精神を逸脱するものであり、私には信じられないほど日本国憲法、民主主義というものを理解していない発言である。内閣の一部局の一役人は内閣の方針、内閣の決定を順守する責務を負うところ、記者会見してくちばしを挟むのは越権であり、日本国憲法の精神、理念を理解していない。否民主主義そのものを理解していない。宮内庁の長官ともあろう者がかくなる発言をする以上、その重大性に鑑みれば辞表を出してから言うべきである。これが筋というものである。マスコミ諸君がこういうところを踏まえずに、役人の言う通りの発言を追従報道するのは同様に憲法に対する読解不足を示している。もし天皇陛下のお体がすぐれない、体調がすぐれないというのならば、それよりも優位性の低い行事をお休みになれば良い。羽毛田宮内庁長官発言に理があるかの如く云う諸君の理解はまったくオカシイ。内閣の助言と承認に基づく天皇陛下の国事行為を政治利用だと批判するのなら、この原則を否定するのであれば、天皇は内閣に助言も承認も求めないで単独で国事行為を行うことを良しとすることになる。それこそオカシイ」。

 続いて、前原国交相が15日の記者会見で、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が特例的に実現したことについて次のようにコメントし、自民党の天皇の政治利用批判を牽制した。意訳概要「この話は元々元首相から話があったと聞いている。元首相の要請が官邸に届いたのであって、われわれがルールを曲げたわけではないと聞いている」。

 前原国交相の伝聞が確かなものとすると、自民党のこたびの批判は何をかいわんやということになる。投げたブーメランが手前のところに戻って頭に当たっていることになる。この騒動を、れんだいこなりにもう少し愚考したい。

 羽毛田長官のいう「天皇陛下への面会を希望する際は、1カ月前に文書で申し込むという慣例」が不可侵的なものなら一応の筋は通っている。ところが、この「1カ月前慣例」について、「この慣例は戦後から続くものではない。2004年以降のものであり、それも、2005.1月にタイの上院議長が訪日した際も、申し込みが1日遅れたにもかかわらず、同国は直前のインド洋大津波で被災していたため『やむをえない』と政府が判断し、天皇陛下は慣例を破って会見を行っている事例がある」ことが判明している。

 こうなると、問題は、この筋論が、「民主党の天皇の政治的利用批判」をぶちあげながら、羽毛田発言そのものが極めて政治主義的な発言であることになる。既に「羽毛田長官こそ政治利用しているのではないか」という逆批判が生まれているが、実にその気配が強い。問題は、羽毛田発言が、どういう筋の差し金により為されたかにある。羽毛田発言は、宮内庁を代表しての義憤的な「民主党の天皇の政治的利用批判」である訳がない。これを思うべきだろう。

 ここで、羽毛田宮内庁長官と「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」の絡みが出てくる。この事件を持ち出すのは、単に羽毛田の品性劣悪を再確認する為ではない。事件の持つ深い政治的意味を再確認せんが為である。同事件は、1998(平成10).2月頃、発覚し、官僚腐敗の極致事件として注目されたが、それは表層的な受け止めようでしかなく、この事件の持つ真相は、当時に於けるシオニスタン官僚の炙り出しにこそ意味があるのではなかろうか。今日、ここに参画した官僚名簿は「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭 顧客名簿(平成10年2月26日)」で公開されているが、楼蘭に参集した官僚群こそ「手前の立身出世の為にシオニスタン官僚として売国奴的に身売りした連中」なのではなかろうか。かく位置付けることによって、名簿の重要性が浮き上がってくることになる。

 シオニスタン官僚はそれ故に、武家時代なら切腹申しつけられるべきところ、意外や意外逆に「約束通りの立身出世街道」へ向かっている。これが、今日的官僚腐敗の真の原因であり温床となっているのではなかろうか。その典型が、事件当時の日銀副総裁・福井俊彦であり、事件後、日銀副総裁を辞めた後、翌1999(平成11)年に富士通総研理事長に就任。2003(平成15)年、小泉内閣時に日本銀行総裁に就任している。この期間中に大枚の日銀資金をブッシュの戦争政策に注ぎ込んだのは衆知の通りである。羽毛田宮内庁長官の例も然りで、事件当時は老保福祉局長であったが、事件後と思われるが厚生省保険局長に転じ、1999(平成11)年、何と厚生事務次官に上り詰め、2001(平成13)年、宮内庁次長、2005(平成17)年、宮内庁長官に就任している。この二例しか判明しないが、小泉政権が、同事件関係者を意図的故意に重用したことが透けて見えてくる。 

 ここでは、羽毛田宮内庁長官を論じているので、彼の宮内庁での立ち働きを確認しておくが、「ウィキペディア羽毛田信吾(2009.12.15日現在)」を参照すれば次のように記されている。概要「宮内庁長官就任時の任命権者である小泉首相と同じく、女性天皇・女系天皇を容認する皇室典範に関する有識者会議の結論を支持している。寛仁親王が男系維持を希望する発言をした際には、発言を自粛するよう要請している。悠仁親王が誕生した直後に、皇位継承の安定は図れないとして、女性天皇・女系天皇の容認に含みを残した。2009年9月10日、記者会見で民主党などの連立政権による内閣が近く発足することに関し『皇位継承の問題があることを(新内閣に)伝え、対処していただく必要があると申し上げたい』と述べ、皇位継承の対象を男系の男子皇族に限定している皇室典範の改正問題に取り組むよう要請する考えを示した。厚生省出身であり、有識者会議の古川貞二郎とは先輩・後輩の関係である」。

 天皇制是非問題はさて措くとして、小泉派の「女性天皇・女系天皇の容認運動」が伝統的天皇制の慣例を破る異色の対応策であることは論をまたない。してみれば、こたびの宮内庁長官発言は、天皇の政治利用批判を口実にして天皇制擁護のポーズを見せているものの、実は羽毛田宮内庁長官その御仁が天皇制の破壊者であり、天皇制の政治利用の請負屋であるというパラドックスを孕(はら)んでいることになる。

 こうなると逆に、「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」に関与したような不届き者を宮内庁長官に認容した政治主義的登用こそどす黒い意図に貫かれていることになる。よりによって例のごとくシオニスタン狂人首相小泉その人の采配である。全く、小泉のしたことでろくなものがありゃしない。その狂人を名宰相として囃したてた田原以下の評論士よ、口を拭うことは許されない。小泉名宰相論を堂々と弁じて見せよ。

 さて、ここまで確認すれば、こたびの羽毛田宮内庁長官発言の後処理をどうすべきか明快ではなかろうか。同時に、「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」そのものの再検証が必要で、単に官僚腐敗の例証としてのみ位置付けるのは片手落ち過ぎるのではなかろうかということになる。誰か、この認識を共にせんか。

 2009.12.16日 れんだいこ拝

【1カ月ルール考】

 宮内庁がつくった「1カ月ルール」の由来が判明した。1996(平成7).3.13日の宮内庁から外務省へ送られた通達文がある。これがルールの始まりだと思われる。次のように記されている。

 「外国要人の謁見の正式願い出は、希望日の真近が多々あ り、好ましくないのみならず、日程調整にも支障をきたしています。ついては平成7年度から、原則として希望日の一か月以前に要請をされるよう願いたく関係方面にもこの趣旨が徹底されるようおとり計らいください」。

 次に、2004(平成16).2.3日の通達では、外務省から1カ月ルール を無視した申請が多いことを「遺憾」としたうえで、次のように記している。

 「やむを得ず一か月ルールに抵触する願い出については、儀典総括官から式武官(外事担当)へ可及的速やかに通報の上、その取り扱いにつき貴官の意見を添えた文書を持って打診願います」。

 羽毛田・現宮内庁長官は、厚生事務次官退職後、小泉政権に請われて宮内庁入り し、この通達をした当時は宮内庁次長だった。








(私論.私見)