ニュー山王ホテル前で50人が気勢(高橋清隆の文書館)

 更新日/2024(平成31→5.1栄和改元/栄和6).2.3日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「別章【日米合同委員会考】」をものしておく。

 2024.2.3日 れんだいこ拝


日米合同委員会考
 東京都港区にニュ-山王ホテルがある。このホテルは普通のホテルではなく、米海軍が管理している在日米軍の施設である。このホテルの中はアメリカ領なので、日本人が立ち入るには許可が要る。このホテルで隔週木曜日の午前11時から日米合同委員会が開かれる。日本の政策は、その殆どがこの委員会で決められている。当然非公開である。アメリカ側は軍人、日本側は高級官僚で、ディべ-トではなくアメリカ側の指示を承る場になっている。1994年以降常態化したアメリカの対日要求をまとめた年次改革要望書を受けて、日米合同委員会で決め、その政策を持ち帰って国会で審議するスタイルになっている。鳩山元首相は、「日本は占領されている」、「総理の私にも一切知らされていませんでした」と証言している。2009年、鳩山首相が、日米合同委員会の存在を暴露したことで廃止され、それをCSISのア-ミテ-ジ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国務次官補の「ア-ミテ-ジ・ナイレポ-ト」が引き継いで行った。

日米合同委員会(※)の廃止を求める集会
 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293」「ますらお 日時 2024年2月02日」、「日米合同委員会廃止を求め、ニュー山王ホテル前で50人が気勢(高橋清隆の文書館)」。
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2060584.html
 日米合同委員会(※)の廃止を求める集会が2月1日、東京都港区にあるニュー山王ホテル前で開かれ、市民約50人が「日米合同委員会をやめろ!」などと気勢を上げた。国の重要政策を事実上、米軍に指示されるこの秘密会議を糾弾し、同委員会の廃止などを求める要求文書を米側代表である在日米軍副司令官、ジョージB.ラウル4世に手渡そうとしたが、受け取りを拒否された。
 動画URL: https://www.bitchute.com/video/86I5XyHFECSU/
 日米合同委員会は隔週木曜午前11時から、外務省とニュー山王ホテルで交互に開かれている。ただし、具体的な開催日と場所は公表されていない。「国会や憲法より上にある秘密会議」とやゆされる同委員会に一人で抗議した勇者はいるが、これだけの大人数で声を上げたのは初めてではないだろうか。

 抗議集会を主催したのは、市民団体「#みちばた」所属のトラック運転手、甲斐正康さんと同ラッパーの「YouTuber.JT3Reload」こと川口智也さん。動機について甲斐さんは、「外国の軍隊が日本にいて、国民の頭越しに決めているのが許せない。政府のことは誰でも批判するが、この最大の問題に向き合おうとしない。だったら、自分がやるしかないと思った」と話す。

 午前10時半、会場となるニュー山王ホテルの反対側に市民が集まった。ホテル脇の歩道は、麻布警察署に規制された。同ホテルは米軍人関係者専用の宿泊・娯楽施設で、一般の日本人は入ることができない。「独立国」にある租界だ。

 初めに甲斐さんがビールケースの上に立ち「今日は日本にとって、とてもとても大事な抗議街宣。日本の未来を憂いて、この場所にお集まりくださいました。普段は長距離トラックのドライバーをやっている労働者ですが、本日は有休を使って来た。集まられた皆さまには、右翼や左翼など政治思想は一旦横に置いて、この対米従属、米国支配のこの日本を独立に向け、本気で団結するときが今です」とあいさつした。

 TPP(環太平洋連携協定)や日米貿易協定、種子法廃止や種苗法改正、水道民営化、貧困、能登半島地震などを挙げ、「さまざまな問題があるこの現実を支配しているのは米軍、米国政府。戦後79年たっていまだに右や左で争っていたらいつまでたっても言いなりですよ。それを画策しているのが彼らCIAじゃないですか」と提起。「右翼に対しての批判、左翼に対しての批判を口にした方は、すぐに退場してもらいます」とくぎを刺し、「一致団結して日本のために声を上げましょう」と呼び掛けた。

 同じく主催者の川口さんは、「日米合同委員会は米国の民主主義の基準にも違反している。ここで密約が行われ、米軍の意向に沿った日本の国益を損なう決定が行われている。米国にも名誉や騎士道のような愛国心なりがあるなら、このような非民主主義的な会合を許していいのか」と糾弾した。

 「米軍が駐留している表向きの理由は第二次大戦終了後、共産主義の脅威と戦うためとしている。それに逆らう者には共産主義者みたいなレッテルが貼られるが、ちょっと待て。冷戦時代、核弾頭技術をソ連に流したのは誰だったっけ」と問い掛ける。ヘンリー・キッシンジャー国務長官やゼネラル・エレクトリック社が共産主義国に軍事技術を横流し、90年代からはインテルやマイクロソフトなどが民主・共和の両政権下で中国に技術供与していた実態を挙げ、「中国やロシアの脅威を拡大して思いやり予算よこせというのは、みかじめ料を取るやくざと飲食店の関係だ」とやゆ。「この悪習をやめない限り、私たちは抗議し続ける」とけん制した。

 再び甲斐さんが、後で手渡す予定の要求文書を読み上げた。要求項目として①日米合同委員会を廃止すること②過去行われた日米合同委員会の議事録をすべて開示し、広く日本国民に公表すること③国民不在の中取り決められた日米合同委員会での密約を日本国民に広く公表した上で、その全ての密約を白紙とすること――が盛り込まれている。

 項目を読み終わる度、「そうだ」と歓声と拍手が湧いた。

 要求文書には賛同人名簿も添付され、鈴木宣弘東大教授や政治経済学者の植草一秀氏、小林興起元衆院議員、池田利恵日野市議などのほか、愛国団体「一水会」の木村三浩代表や新社会党委員長の岡﨑ひろみ元衆院議員も名を連ね、左右を超えて民族自決を目指す姿勢が表れている。

 学者で米国大統領にも立候補した経験のあるエマニュエル・パストリッチさんはもう一通、独自の要求文書(本記事の最下段に日本語版を掲載)を持参した。ユダヤ系米国人の立場から現在の米国の姿勢を叱咤(しった)したものだ。

 登壇したパストリッチさんは日米合同委員会が続いていることを参加者らに謝罪した後、「米国にはいいところがあったが、戦争中毒になり帝国に変身し、大変危険な国になってしまった。だから皆さんと力を合わせ、この秘密主義の行政運営をやめさせるしかない」と訴えた。

 その上で、「日本の軍隊と米国の軍隊がイランとの戦争を準備している。戦争が始まったら、日本の経済は崩壊してしまうし、世界大戦になりかねない」と危機感を表明。「秘密主義をやめ、日米の対等な関係を持って、市民を中心とした健全な社会を一緒につくりましょう。皆さんとの協力を約束する」と宣言した。

 ここから、希望した参加者によるマイクリレーが行われた。

 池田利恵日野市議はリンカーン大統領の「人民の人民による人民のための政治」を引き合いに、民主主義の本来の在り方に言及。「これをないがしろにしているのが日米合同委員会」と切り出した。「私たちの先人たちは、落とさなくていい原爆を2発も落とされながら、これだけ豊かな日々を築いてくださった。私たちの最も重要な使命は、真の自立を確立すること」と主張。

 日米安保条約第6条と日米地位協定による「全土基地方式」は1950年の朝鮮戦争でわが国を擁壁として使ったことに由来するとして、「だから北方領土は返って来ないんだ。今日2月1日を、真の自立に向けて歩みを進める記念日にしなければ」と訴えた。

 元海上自衛隊パイロットで「日防隊」を主宰する石濱哲信氏は開口一番、「日米地位協定に反対の声を上げた人は過去、全員抹殺されている」と警告した。その上で、「米国は理想のキリスト教国家を造ろうと独立したが、最初から金融ユダヤが入り込んでいる」と指摘。イスラエルによるパレスチナ人虐殺を南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提訴したことについて、「暫定の中止も、やめろとも言わない。日本の上川陽子外相はイスラエルを全面支援しているが、イスラエルのバックは米国」と斬った。

 「1960年の日米安保条約が結ばれたが、一番重要なのが日米地位協定に基づく日米合同委員会。ここで日本の戦後の全ての政治は決められてきた」と述べ、種子法廃止や食品の安全基準などを挙げた。「トルーマンが言ったように、サルである日本人をできるだけいたぶって薬漬けにしてもうけて殺していくのが戦勝国の特権であると。これは善良な米国人の言うことではない」と指弾した。

 この日、同委員会が開かれたかどうかは分からない。後で外務省に問い合わせても教えてくれなかった。ただし、正午過ぎに黒塗りの背の高い車が数台出て来たほか、背広姿の日本人が固まって出てくるのが見えた。

 抗議集会は2時間40分ほど続いた。終盤、甲斐さんが代表してジョージB.ラウル4世に要求文書を渡そうと、ニュー山王ホテルに入ろうとする。パストリッチさんの要求書と共に、日本語版と英語版を用意した。途中、警察官が「あそこの中は、治外法権だから」と漏らした。筆者が「えっ、治外法権?」とただすと、「いや、われわれも入れないんだ」と訂正した。

 ホテル側の歩道からは、甲斐さんとカメラマンの2人だけが通行を認められる。しかし、日本人と思われる風貌のホテル従業員に敷地内への侵入を制止された。

 「何で駄目なのか」「われわれは何も言える立場にない。受け取れない」、「じゃあ、ここに置いていく」、「それは困る」。

 押し問答が15分ほど続く。「中に聞きに行く」と言った男性従業員が奥へ消え、戻らない。警官が「ここはアメリカだから、下手なことはできない。アメリカ大使館と一緒」と忠告したという。カメラマンを務めた河中葉さんは「イスラエル大使館でさえ、『ここに置いといてください』と対応してくれた」と米軍の異常さに驚いていた。

 通行人の反応は千差万別だった。気になって近付いて来て、しばらくして立ち去る人が多い。沿道沿いの店舗の前に動画撮影機材を置いて数人が立っていたら、店主が出勤してきた。「すいません」とすぐさま撤去しようとすると、「頑張って」と声を掛けてくれた。

 一方、70代と思われる男性が人だかりの歩道を迷惑そうに歩きながら、「売国奴」「売国奴」とつぶやいていた。現状に何か異を唱えていると、全てが反日左翼に見えるのだろう。占領国による思想工作がここまで深く浸透した証しである。

 横浜市内に住む30歳の男性会社員は、一人で参加した。「米国の内政干渉にむかつき、黙っていられなかった」と動機を吐露。居眠り運転により静岡県内で3人を死傷させた米兵が米国に移送後仮釈放された報に触れ、「不平等すぎるし、妻の居直った発言に腹が立つ。『日本は謝罪すべき』と発言したマイク・リーという共和党議員にも」と非難。「米国と敵対しろとか、中国に迎合するというわけでなく、独立した真の主権国家になることを望む。日米合同委員会はさっさとなくすべき」と主張する。

 主催者の川口さんは「密室政治を葬り、真の民主主義を取り戻さないと。この問題意識を広めるべき」と展望。「ただ、ネットやSNS(交流サイト)は拡散されないように操作されてるので、リアルな活動が必要」と強調する。独立運動に対する抹殺を「陰謀論」と切り捨て、「CIAもモサドも人員不足でそんなことできない。孫崎享さんも言っているが、正当な理由を理路整然と主張すれば向こうも聞くはず。自己抑制が一番の敵だ」と訴えた。

 要求文書は結局、配達証明付き書留郵便で同日、発送された。

※日米合同委員会
 1952年の日米安保条約や日米地位協定の発効に伴って発足。表向きは米軍の待遇や施設の提供・返還について協議する委員会だが、財務や民事裁判、車両通行、環境など35の部会を擁し、さまざまな問題を協議する。議題や議事録は一切公開されていない。

 外務省のホームページによれば、同委員会の日本側代表は外務省北米局長、米側は在日米軍司令部副司令官。代表理事は日本側が高級官僚、米側が全員米軍関係者。ただし、内容は非公開のため、密約の温床になっている。

 戦争になったら自衛隊は米軍の指揮下に入る「統一指揮権密約」や米軍関係者による犯罪に関して日本にとって著しく重要な事件以外は裁判権を行使しない「裁判権放棄密約」などが、これまで交わされてきた。いずれも米側の公開文書で明らかになったもので、氷山の一角にすぎないと思われる。

 高度2450キロメートルから最高7000メートルまでの空域を米軍が独占管理する「横田進入管制空域」、通称「横田ラプコン」もこの委員会で決まった。日本側の筆頭代表代理に法務省大臣官房長が据えられていることから、重要な裁判の方針もここで決められていると考えられる。

 【エマニュエル・パストリッチさんの要求文書】

 ジョージ・B・ロウェル4世准将
 在日米軍副司令官
 親愛なるローウェル将軍

 私たちは、日米間の建設的、積極的かつ透明性のある協力に献身する米国市民として、貴殿に手紙を差し上げました。私たちは、今日の日米関係を支配している違憲の日米合同委員会(日本語では「日米合同委員会」)について懸念しています。
 この書簡は、思慮深い日本の市民グループによって起草された、同じ日米合同委員会に関する別の書簡に添えられたもので、その問題点を詳しく述べている。
 秘密の日米合同委員会は近年、悪質な傾向を帯びてきており、選挙で選ばれた議員や日本国民、あるいは米国市民に対する説明責任を果たすことなく、秘密裏に政策を決定するためのプラットフォームとして機能している。
 秘密の日米合同委員会という概念そのものが、最初から違憲で非倫理的なものだった。東京の繁華街で定期的に開かれ、選挙で選ばれたわけでもない米軍将校と日本政府高官が政策を決定するこの不透明な機関は、日米両国の熟議民主主義と法の支配のプロセスを台無しにする。その行動は、過去20年間にアメリカの連邦政府と軍に忍び寄った違憲の秘密統治への危険な傾向を助長し、幇助している。
 このような秘密統治は、イギリス東インド会社として知られる、政府、民間銀行家、傭兵がグロテスクに入り混じった大英帝国に起源を持つ。ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンのような祖先たちが独立宣言に署名したとき、正当に拒否したのだ。
 アメリカ合衆国は共和制国家であり、その政府は1776年の独立宣言と1787年の憲法によって定義されている。わが国は、裕福で影響力のある個人による秘密の統治や、大英帝国で行われたような軍の民営化を容認することはできない。悲しいことに、日米合同委員会はまさにそれを実践している。
 この説明責任のない秘密機関を同盟国である日本に押し付けることは、日本の主権に対する侮辱的な侵害であるが、アメリカ側にとっても違憲であり、建国の背景にある法的・道徳的要請に違反している。
 
あなたが署名した軍人の入隊宣誓には、"内外のすべての敵に対して合衆国憲法を支持し擁護することを厳粛に誓います "という言葉がある。米国の市民として、私たちはこの憲法へのコミットメントを共有している。
 言い換えれば、在日米軍の第一の任務は、憲法に従って米国民に奉仕することである。憲法を守るには、透明で説明責任を果たす政府が必要です。
 私たちの尊敬すべき日本の同僚たちは、日本国の主権を擁護する書簡を提出しました。この書簡には、在日米軍(USFJ)、米軍全体、連邦政府に対する3つの要求が含まれている。私たちは、これらの要求が正当かつ適切であると感じています。

1. 日米合同委員会を廃止すること。
2. 日米合同委員会の設立以来のすべての議事録を公開し、すべての日本国民がアクセスできるようにすること。
3. 日米合同委員会が民主的手続きを経て日本国民の承認なしに決定したすべての密約を日本国民に公開するとともに、そのようなすべての密約が今日から無効であることを保証するための行動を直ちにとること。

 日米合同委員会によって結ばれた密約が、日本の憲法と主権を侵害し、米国の憲法をも侵害していることが、機密解除された文書によってすでに明らかにされている。
 日米同盟が日米両国民の間で維持され、両国の憲法に完全に合致していることは極めて重要である。
 私たちの軍隊は憲法に従わなければならず、そのメンバーは、日米合同委員会やその他の場所で出された、憲法の文言や精神に反する秘密指令を拒否しなければならない。コンサルタント、企業、銀行、そしてそれらの代表者は、意思決定プロセスにおいていかなる役割も果たすことはできない。
 最後に、私たちを透明で道徳的に健全な、生産的で持続可能な経済活動に基づく経済から引き離し、戦争、膨張、搾取、支配に基づく経済へと引きずり込もうとしている、軍や連邦政府全体に働く悪意ある力について考えることは、アメリカ人としての私たちの責任である。
 武器製造会社(その多くは米国でほとんど税金を払っていない)の武器を売るために軍人が違法かつ違憲に使用されていることであれ、超富裕層を代表するコンサルティング会社やロビイストが軍に要求していることであれ、私たちはこのような説明責任のない統治と際限のない領土拡張を止めなければならない。過去5千年の歴史的記録は、際限のない軍拡がどのような悲劇的結末をもたらすかを正確に物語っている。
 米国の統治は20世紀、国家安全保障という曖昧な概念によって憲法と連邦法が破壊され、危うくなった。 その結果、帝国主義の経済的・構造的要請に従いながら、憲法が定める共和制を守るふりをする国家安全保障国家が確立された。
 日米合同委員会の存在は、米国が共和制国家ではないことを米国人と世界に宣言している。世界帝国のように振る舞い、同盟国であるはずの日本をクライアント国家として扱うことは恥ずべきことである。私たちは今日、日米合同委員会に関して行動を起こすことを求めます。そして、この書簡へのご回答をお待ちしております。敬具


 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293」「ますらお 日時 2024 年 2 月03日」「日米合同委員会の開催日電話で教えず 2/1は開催せず? [外務省] 高橋清隆の文書館」。
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2060607.html
 2.1ニュー山王ホテル前集会の拙稿で筆者は、2月1日に日米合同委員会が開かれたかどうかについて「後で外務省に問い合わせても教えてくれなかった」と書いた。電話での最終回答は「対外公表していない」というもだったが、初めに出た男性職員は「本日は開催しておりません」と答えていた。開催日が秘密事項なのか、情報の入手方法はあるのか質問を続けていると、「緊急用のお電話になりますので」と切られた。あまりに国民を侮った対応なので、通話の全音声と文字起こしを公開することにした。最初につながれた北米局日米安全保障条約課では、「日米合同委員会は今日、開かれたんでしょうか」との筆者のあっけらかんとした質問に男性職員が「本日は開催しておりません」と返答した。口を滑らせたのだろうか? 先月の開催実績についても「1月の中旬」と答えた。さらに詳しく聞こうとすると、「担当官のみで調整等をしておりますので」と渋り始める。担当者へ回してくれるよう頼むと、「長期で休暇を頂いております」と白々しいことを言う。次善に回された日米地位協定室の女性職員は、開催日について「対外公表はしておりません」と回答する。「国民に秘密と解釈してよいか」とただすと、「こういった照会の形では」と頑なに拒む。「どういった照会の形なら教えるのか」と突っ込むと、「情報公開では開示したことがございます」との返事。筆者は情報公開法に基づいて行政文書開示請求中だ。「開示請求すれば必ず出すのか」とただすと、「照会方法による」「そのときの判断」などあやふやな言葉を並べた末、「緊急用のお電話になりますので」と一方的に電話を切られてしまった。質問の都度、保留にして、話してよいか上司に確認を取りに行っている様子がうかがえる。上司が怖いようだが、その上司はよほど米国が怖いのだろう。
 通話は全13分。その音声と文字起こしは次の通り。
2月1日、外務省に電話したときのやり取りは以下の通り。(代表窓口より、日米安全保障条約課につながれる)
女1 日米安全保障条約課です。
ちょっと教えて欲しいんですが、日米合同委員会ってありますよね。あれは今日開かれたんでしょうか。
女1 少々お待ちください
本日は開催しておりません。
隔週で木曜日午前11時から開かれるんですよね。今度の開催はいつなんでしょうか。
ちょっとまだこちらとしては未定ということで予定しております。
今度、場所はどちらになるんでしょうか
ちょっとそれはまだ決まっていないのが現状です。
ちなみに、先月は何日に開かれたんでしょうか。
先月は1月の中旬に行わさせていただきました。
1回ですか2回ですか。
1回のみです。
それはどちらで。
そうですね、それは今、私どもまだ把握ができていないところがありますので。はい。
担当部署はこちらの条約課でしょうか
えっとそうですね。
把握はできていないんでしょうか
担当官のみで調整等をしておりますので。
あなたが担当官ではなくて?
ではなく、はい。
担当の方はいらっしゃいますか。
しばらく休暇を頂いておりまして。
秘密で、これは明かせないということなんでしょうか。
ではないんですけれども、そうですね。ちょっと、担当官の方が不在にしておりますので。
戻りはいつになるんでしょうか。
長期で休暇を頂いておりますので、ちょっと把握しかねるところでございます。
教えないことになってると理解してよろしいでしょうか。
というわけではないのですがちょっと。
どのようにしたら知ることができますか。
そうですね 担当官が戻り次第という形になってしまうんですが。
長期なんでしょう?
長期になっておりますので。
(笑)知ってるわけでしょ 開催してるわけですから。それは秘密主義と取られても仕方がないんじゃないですか。
ですね。一般的には、そう捉えられても致し方ないところがあるんですけれども。
一般的というか、そのものじゃないですか。おたくが開いているのに知らないってことはないでしょう。
一応ですが、広報の方がいますので。ちょっと今、別の電話に出ておりまして
いや、広報じゃなくて、あなたの方がより近い部署なわけでしょう。
いえ、当課の方でもっと詳しい者がおりますので。
北米課(局)ではなく?
ええ、当課の者で。少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。すいません、お名前とか伺ってもよろしいでしょうか。
はい 高橋と申します。
一般の方で間違えお間違いないでしょうか。
はい。
少々お待ちください。
(待ち約1分30秒)
お待たせしております 今戻りました 少々お待ちください。
(待ち約30秒)
すいません、お待たせしております。ただ今、担当が別件でちょっと対応中でして、再度お電話いただくことって可能でしょうか。
はい。それは額面通り受け取ってよろしいんでしょうか?
はいそうですね。対応いたしますので、申し訳ございませんが。
次は何て受付で呼び出せばいいんでしょうか。
そうですね、最初かけていただいた通り……。少々お待ちください。
女2 お電話変わりました。外務省日米地位協定室の○○と申します。
ちょっとお尋ねしたいんですが、日米合同委員会は今日開かれたんでしょうか?
女2 いつ開かれたかということですか?
はい、今日開かれたかどうか。
女2 えーっと、日米合同委員会の直近の開催日ということでしょうか。
今日開かれたかどうか。
女2 えーっと、…………今日、日米合同委員会が開かれたかどうかという問い合わせですか?
はい。
女2 (間)少々お待ちください。
はい。
(待ち約1分弱)
女2 すいません。日米合同委員会の開催日についてなんですが、対外公表していないので、お答えできないことになります。
これは秘密なんですか、国民に?
女2 そうですね、対外公表していません。
先月は何日に開かれたか、それは教えられるんでしょうか。
女2 そちらも、日米合同委員会の開催日については対外公表していませんので、お答えできません。
実はさっき、教えてくれたんですね。先月(のを)。
女2 なるほど。どなたからでしょうか。
教えない。
女2 (間、笑い)分かりました。
じゃあ、これは国民に秘密と解釈してよろしいでしょうか。
女2 そうですね、対外公表はしておりません。
まあ、国民にということですよね。お役所の内部関係者のみということですよね。 一般国民にはこれを教えないということでよろしいでしょうか。
女2 こういった照会の形での対外公表はしておりません。
それ以外、どんなことがあるんでしょうか。
女2 防衛省のピンナップ(公開資料)など、ホームページで公開されていることがございますので、そちらを見れば判明することもあります。
(笑い)おたくが所管なわけですよね。おたくが一番知ってるわけですよね、内情を。それを教えないということですか?
女2 こういった照会での対外公表はしておりませんので。
所管であるおたくは教えないということですね。
女2 こういった照会の形ではお教えしておりません。
どういった照会の形なら教えるんでしょうか。
女2 (無言)……情報公開では開示したことがございます。
日にちは秘密っていう理解でよろしいでしょうか。
女2 こういったご照会では対外公表しておりません。
それは何か、情報公開で出てきたってことは、付随的にうっかり出さざるを得なかったっていうことなんじゃないでしょうか?
女2 情報公開では出しているものの、こういった口頭での照会では出していないということになります。
じゃあ開示請求すれば、必ず出してくれるんですね。
女2 情報公開でそのようなそのような情報が明らかになることはあります。
100%じゃないということですか? 出さないかもしれないと。
女2 照会方法によります。
照会方法って何ですか? 「日米合同委員会はいつ開いたのですか」「今後の予定も決まっていたら教えてください」っていう言い方はどうですか。
女2 それに当てはまる文書があれば特定の上、開示を判断することになります。
今言ったような要件で書けば、公開してくれるってことですか?
女2 その時の判断、その時にきちんと上まで判断をした上で、確認することになります。
秘密だとして…
女2 (かぶせて)このお電話で一般のご照会はちょっと。緊急用のお電話になりますので。以上で照会を終わらせていただきます。
緊急用じゃないですよ。普通の代表にかけたんですよ。代表にかけました
音声:プープープー(切られる)




(私論.私見)