ポスト菅総裁選考

 更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).9.14日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「ポスト菅総裁選考」をものしておく。

 2019(平成31).5.8日 れんだいこ拝


自民党の派閥考
 自民党の派閥と人数は次の通り。
第1派閥 細田派
(清和会)
97人 自主投票
(岸田、高市)
旧・森派。形式的な会長は細田博之。実質的な領袖は安倍晋三前首相。下村博文政調会長、萩生田光一文科大臣、西村康稔コロナ大臣。福田達夫54歳。 まだ当選三回だが父は福田康夫、祖父は福田赳夫という政界きってのサラブレッド。
第2派閥 麻生派
(志公会)
53人 自主投票
(岸田、河野)
麻生副総理兼財務相が領袖。麻生派の前身は河野派で河野洋平が領袖。甘利明税調会長。河野太郎行政・規制改革相が出馬の意向を固めた。
第3派閥 竹下派
(平成研究会)
52人 自主投票 会長/竹下亘・元総務会長(引退声明)、会長代行の茂木敏充外相、加藤勝信官房長官。参院は、引退した青木幹雄・元参院議員会長が仕切っている。
第4派閥 二階派
(志帥会)
47人 自主投票 二階俊博幹事長が領袖。
第5派閥 岸田派 46人 岸田 岸田文雄・前政調会長、元外相が領袖。
第6派閥 石破派 16人 河野 石破茂幹事長が元領袖(現在、会長の座を放り投げた)
第7派閥 石原派 10人 自主投票 石原伸晃元幹事長が会長。実態は森山裕国対委員長が領袖。
菅派 約30人 (無派閥ながら)菅首相派
谷垣グループ
(有隣会)
 森喜朗・元首相(84)や青木幹雄・元参院議員会長(87)ら、古賀誠・元幹事長(81)ら政界引退後も影響力を保つ重鎮の動向に注目が集まっている。
 大半の派閥が支持候補の一本化を見送る異例の展開となった。
 鈴木宗男の派閥論。「自民党は保守層からリベラルまで幅広いのが強みだ。この中で、独自のカラーを持つ派閥が脈々と続き、そうそうたる人材を育ててきた。私が自民党にいたときは、派閥は同じ『志』や『考え』を共有し、総理総裁を目指す人材をつくる組織だと教えられた」 、「寄らば大樹で、日ごろは派閥にすがりながら、いざというときに、やれ『自主投票だ』、『勝手に行動させろ』というのでは筋が通らない。そういう行動は派閥を離脱してやるべきではないか。そんな自分本位の人物に国の将来を任すわけにはいかない。政治が劣化している」。

 
 河野太郎(こうの・たろう)(58歳)行政改革担当相 ワクチン担当相 
 米ジョージタウン大卒。民間企業を経て96年に衆院初当選。自民党国際局長、国家公安委員長、外相、防衛相、行政改革担当
相を歴任した。神奈川15区、衆院当選8回(麻生派)
推薦人代表
無派閥 田中良生(4) 武村展英(3)
衆院
細田派 穴見陽一(3、大分1) 義家弘介(3、神奈川16)
麻生派 阿部俊子(5、岡山3) 高橋比奈子(3、東北比例)
竹下派 野中厚(3、埼玉12) 宮崎政久(3、九州比例)
二階派 伊藤忠彦(4、愛知8) 岡下昌平(2、近畿比例)
石破派 平将明(*、東京4) 古川禎久(*、宮崎3)
石原派 坂本哲志(6、熊本3) 石原宏高(4、東京3) 上野賢一郎(4、滋賀2)
無派閥 伊藤達也(8、東京22) 田中良生(*、埼玉15) 武村展英(*、滋賀3)
参院
麻生派 中西健治(2、神奈川)
竹下派 山下雄平(2、佐賀)
無派閥 園田修光(1、比例) 島村大(2、神奈川)
 岸田文雄(きしだ・ふみお)(64歳)前政調会長
 早大卒。銀行員、衆院議員秘書を経て93年に衆院初当選。自民党青年局長、沖縄北方担当相、党国対委員長、外相、党政調会
長を歴任した。広島1区、衆院当選9回(岸田派)
推薦人代表 鈴木俊一(9、岩手2)
選対本部長 遠藤利明元五輪相(谷垣グループ(有隣会)代表世話人、森“子飼い”と云われる程関係が深い)
顧問 甘利明税調会長(麻生派(志公会)所属)
衆院
細田派 高木毅(7、福井2) 吉野正芳(7、福島5)
麻生派 鈴木俊一(9、岩手2) 山際大志郎(5、神奈川18)
竹下派 渡辺博道(7、千葉6) 西銘恒三郎(5、沖縄4) 鈴木隼人(2、東京10)
岸田派 根本匠(8、福島2) 堀内詔子(3、山梨2)
無派閥 土屋品子(7、埼玉13) 石田真敏(7、和歌山2) 梶山弘志(7、茨城4)
大野敬太郎(3、香川3) 加藤鮎子(2、山形3) 本田太郎(1、京都5)
参院
細田派 森雅子(3、福島) 宮本周司(2、比例)
麻生派 今井絵理子(1、比例) 猪口邦子(2、千葉)
竹下派 二之湯智(3、京都)
 高市早苗(たかいち・さなえ)(60歳)前総務相
 神戸大卒。松下政経塾生、民放キャスターを経て93年に衆院初当選。沖縄北方担当相、自民党政調会長、総務相、衆院議院運営委員長を歴任した。奈良2区、衆院当選8回(無派閥)
推薦人代表
細田派 西村康稔(6)(兵庫9) 馳浩(7)
衆院
細田派 西村康稔(6)(兵庫9) 高鳥修一(4)(新潟6) 佐々木紀(3)(石川2)
竹下派 木原稔(4)(熊本1)
二階派 山口壮(6)(兵庫12) 小林鷹之(3)(千葉2) 小林茂樹(*)(奈良1)
無派閥 古屋圭司(10)(岐阜5) 江藤拓(6)(宮崎2) 城内実(5)(静岡7)
黄川田仁志(3)(埼玉3) 石川昭政(3)(茨城5)
参院
細田派 山谷えり子(3)(比例) 山田宏(1)(比例) 佐藤啓(1)(奈良)
竹下派 小野田紀美(1)(岡山)
二階派 衛藤晟一(3)(比例) 片山さつき(2)(比例)
無派閥 青山繁晴(1)(比例)
 野田聖子(のだ・せいこ)(61歳)幹事長代行
 上智大卒。会社員、岐阜県議を経て93年に衆院初当選。郵政相、消費者行政担当相、自民党総務会長、総務相、党幹事長代
行を歴任した。岐阜1区、衆院当選9回(無派閥)
推薦人代表
無派閥 三原じゅん子(2、参院神奈川)
衆院
竹下派 百武公親(1)(北関東比例)
二階派 福井照(7)(四国比例) 大岡敏孝(3)(滋賀1) 神谷昇(2)(近畿比例)
出畑実(1)(南関東比例)
石原派 宮路拓馬(2)(九州比例)
無派閥 川崎二郎(12)(東海比例) 渡海紀三朗(9)(兵庫10) 浜田靖一(9)(千葉12)
木村弥生(2)(近畿比例)
参院
竹下派 渡辺猛之(2)(岐阜) 元栄太一郎(1)(千葉)
二階派 鶴保庸介(4)(和歌山) 三木亨(2)(比例) 岩本剛人(1)(北海道)
清水真人(1)(群馬)
無派閥 三原じゅん子(2)(神奈川) 山田俊男(3)(比例) 柘植芳文(2)(比例)
徳茂雅之(1)(比例)

 
河野太郎 行政改革担当相
ワクチン担当相

(58歳)
衆院神奈川15区選出で当選8回。河野氏は党内第2派閥の麻生派に所属する。菅首相の側近の一人。新型コロナワクチンを担当し菅政権のコロナ対応を支えてきた。7月には、ワクチン供給の大幅減で、自治体や医療機関に大混乱をもたらした。安倍内閣では外相と防衛相として悪政の一翼を担った。改憲について、集団的自衛権の行使を前提に「自衛隊を憲法上に位置付ける改正には賛成」と主張。安倍内閣の外相時代には、対ロシア外交をめぐって、国会や記者会見で領土問題の質問に答えず、国民に対する説明を一切拒んだこともある。自身のツイッターに都合の悪い意見を言う人は、発信が見られないようブロック(表示禁止)するなど、ブロック機能を多用することでも知られる。
 祖父の一郎氏は1964年、池田勇人首相の有力な後継候補とされたが、池田氏は佐藤栄作氏を指名した。洋平氏は野党時代の93年に党総裁に就き、95年の総裁選で出馬断念に追い込まれた。河野にとって、首相の座は父の河野洋平・元衆院議長(84)、祖父の河野一郎・元農相(故人)と、河野家3代にわたる悲願といえる。
テレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」の玉川徹。ジャーナリストの田原総一朗。元大阪府知事の橋下徹。
 鈴木宗男票「突破力に面白味がある。何をするか分からない手法も、時には必要だ。ただ、持論の『脱原発』を封印し、原発再稼働を容認するような発言も始めた。どこまで自身の信念を曲げずに覚悟を持って政策を語るのか。あまりブレると、河野氏のカラーが薄れるのではないか」。
岸田文雄 前政調会長
(64歳)
12年の第2次安倍政権発足以来、最長の4年8カ月にわたって外相を務め政権を支えた。外相として、15年には安保法制=戦争法強行などを推進した。総裁選立候補の会見で、自民党の改憲4項目について「改正をしっかり考えていくべきだ」と表明。外相時代には、核兵器の使用について「(保有国は)少なくとも個別的・集団的自衛権に基づく極限の状況に限定するよう宣言すべきだ」と容認を明言した。ツイッター(4日)では「コロナ禍は、感染症危機が…経済危機、外交危機にも発展しうる有事対応であることを示した」などとコロナ危機に乗じた有事対応の法整備の必要性を示した。
 鈴木宗男票「国会は山賊、海賊の集まりで、『俺が俺が』の世界だが、岸田氏には我がない。安倍晋三前政権時代は、外相としてしっかり首相の意向を踏まえ、丁寧に対応した。芯もある。バランス感覚にも優れているのがいい」。
高市早苗 前総務相
(60歳)
「日本会議国会議員懇談会」の中心メンバーで、安倍前首相の側近の一人。安倍内閣で総務相を務め、放送局が9条改憲反対を繰り返し放送した場合の電波停止の可能性に言及。憲法が保障する「表現の自由」を踏みにじった。自民党の国会議員の有志でつくる議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表として選択的夫婦別姓への反対を呼びかける書状を42道府県議会の議長あてに出したことを3月に表明。同氏らは、「家族が崩壊する」などとして夫婦別姓制度の導入を阻んできた。8月のインターネット番組では、「安倍前総理にもう一度立候補してくださいということを何十回と頼んだ」と述べ、安倍氏から拒否されて立候補を決意したと明かしている。
安倍前首相。選対本部長/古屋圭司議員(68)。当初は高市さんを推していたはずの萩生田文科相と世耕参院幹事長も最近は腰が引けている。
 鈴木宗男票「女性政治家として、堂々と『保守の理念』を訴えている。度量もある。大したものだ。自分なりの政策を淡々とした語り口で主張する点は、一定の評価を得るだろう。周りはそんな高市氏をしっかりと見ている」。
野田聖子 幹事長代行
(61歳)
安倍内閣で総務相を務めた。20年には、性暴力の被害者への相談事業をめぐり、「女性はいくらでもうそをつける」と攻撃した杉田水脈(みお)衆院議員の辞職を求める13万超の署名の受け取りを拒否した。
石破茂 元幹事長
(64歳)
B 13年11月、米軍普天間基地の「県外移設」を公約としてきた沖縄県出身の衆参国会議員5人を党本部に呼んで、公約を撤回させ、辺野古への新基地建設容認へと露骨な圧力をかけたことがある。昨年9月の総裁選に出馬し、最下位となった。
 鈴木宗男票「 (出馬は)白紙だと念仏のように繰り返している石破茂元幹事長については、日和見主義で、自分中心の最たるものだ。たとえ世論がもてはやしても、周りの議員が付いてこないのには理由があるのだ」と手厳しかった。
小泉進次郎 環境相
茂木
甘利明 党税制調査会長
下村博文 政調会長

 9.17日(金)
 9.17日、菅首相の後継を選ぶ自民党総裁選が告示され、河野太郎規制改革担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4氏が立候補した。複数の女性が出馬したのは初めて。今回の総裁選は、国会議員票と党員・党友票をそれぞれ383票ずつ、合計766票で争われる。過半数を獲得した候補がいなければ、上位2人が国会議員票と47都道府県連に1票ずつの合計430票による決選投票で当選者を決める。立候補した4人の陣営の出陣式が行われ本格論戦がスタートした。

 衆院選が直後に控える中、今月29日の投開票に向け、新型コロナウイルス対策や党改革、原発・エネルギー政策などを争点に激しい論戦が展開される。  河野氏は党本部で開かれた演説会で「コロナ対応を河野太郎の実行力に任せてほしい」と力説。岸田氏は「寛容で丁寧な政治で衆院選と来年夏の参院選に勝ち、国民の負託に応えていく」と呼び掛けた。高市氏は「美しく、強く、成長する日本をつくる」と強調。野田氏は「日本初の女性首相になったら、女性閣僚を全体の半分にする」と訴えた。 
 9.17日、上川陽子法相は17日の記者会見で、共産党の「敵の出方論」に立った暴力革命の方針をめぐり、「現在においても共産党の方針に変更はないものと認識している」と述べた。
 河野陣営の出陣式は、午前9時からオンライン形式で開かれ、石破元幹事長や小泉環境大臣など、派閥を横断した82人(議員65人、代理人17人)が出席した。議員会館の自らの事務所で出陣式に臨んだ河野は、「国民と共に笑い、国民と共に泣き、国民の思いや不安を受け止めて、皆さんから共感していただける政治を作っていく」、「社会の分断を修復し、もう一度、日本をひとつにして、人が人に寄り添う、ぬくもりある社会をつくっていかなければならない。目の前の重いとびらを押し開け、日本を前に進めるために、私はこの国のリーダーを目指していく」と述べた。出席者は画面越しにそろって「頑張ろう」と三唱した。河野はこのあと閣議などに臨んだ。河野は、自民党総裁選挙の出陣式をオンライン形式で行ったことについて「こういう感染状況の中で、できる限り、密になる状況は避けたいという陣営の思いがあり、行ってみた。新しい出陣式のあり方と言うのかどうかは分からないが、うまくいったと思っている」と述べた。河野陣営は、正午から国会近くのホテルで選挙対策本部の役員会を開き、およそ30人が出席した。この中で、河野は「自民党が、国民の声にしっかりと耳を傾ける政党だと、この選挙で示さなければならない。それを、一番、体現しているのが河野太郎だと言われるように頑張っていく。選挙戦略はただ1つで、国民の広い支持をバックに、この総裁選挙を勝ち抜いていく」と述べた。

 午後、国会内で、みずからを支援する8派閥横断の国会議員の会合に出席し、石破や小泉から激励を受けた。この中で、河野は「自民党の総裁が総理大臣になることを考えれば 国民の広い支援や支持をバックに、しっかりと説明責任を果たし、政治を動かしていきたい」と抱負を述べた。これに対し、石破は「戦いは勝たねばならない。『自民党を変えてくれ、日本を変えてくれ、政治を変えてくれ』という声にこたえ、納得と共感の政治を取り戻すため、河野氏を先頭に、国民とともに戦い、勝利しよう」と呼びかけた。また、小泉は「日本を大きく前進させていきたいという思いを持った議員が集まった。私のもとにも、全国から、河野氏の必勝でなんとか世の中を変えたいという方々からさまざまなメールが来ているので、必ず勝ち抜きたい」と述べた。
 9.17日午前9時ごろ、東京都内の議員宿舎を出る際、岸田は記者団に対し「すっきりと朝を迎えることができ、大変気持ちが盛り上がっている。政策論争を通じて、国民の信頼を回復し、自民党を改革するという思いをしっかり訴えていきたい」、「最後の最後まで1人でも多くの方に、私の思いや政策を理解頂き、共感して頂けるよう努力を続けていきたい」と述べた。

 岸田陣営の出陣式は午前11時半から国会内で開かれ、選挙対策本部長を務める遠藤・元オリンピック・パラリンピック担当大臣や、甘利税制調査会長ら60人あまりが出席した。岸田は次のように述べた。
 「去年の総裁選挙で敗北してから1年、多くの方の声を聞いてきた。『今の時代が求めているリーダーは私だ』という強い確信を持っている。コロナ禍でバラバラになりそうになっている、わが国の一体感をしっかり取り戻すために最後まで頑張っていきたい」。
 「政策論争を通じて、国民の信頼を回復する。そして自民党を改革する。こうした思いをしっかりと訴えていきたい」。

 地元・広島からも県連関係者などがインターネット中継で見守り、この会場には、早くから支援を明らかにしていた竹下派の平口衆院議員も姿を見せた。出陣式には、二階派を除く岸田派、麻生派、最大派閥の細田派、竹下派、石原派、谷垣グループから計107人(議員63人、代理人15人、オンライン29人)が出席して気勢を上げ、その熱気は他陣営を圧倒した。河野が所属する麻生派(53人)からは甘利明税調会長、鈴木俊一元五輪相、森英介元法務相の3重鎮が出席し岸田の選対顧問に就任した。甘利氏は「明日から総理ができるような幅広い政策がある」などと岸田を高く評価し反河野を打ち出した。石原派会長の石原伸晃衆院元国交相議員は選挙対策本部の顧問に就任。また、広島からは竹下派の新谷衆院議員が出席し支援する立場を鮮明にした。谷垣グループの代表世話人の中谷元元防衛相、細田派の塩谷立元文科相や竹下派の船田元氏も選対顧問に就任するなど、派閥横断した支持を拡大させている。出陣式は、新型コロナウイルスの感染防止のため「頑張ろう」のコールは見合わせ、拍手で岸田氏を送り出した。このほかオンラインで参加した議員もいた。
 高市陣営の出陣式は、午前11時から国会内で開かれ、かつて所属していた細田派などからおよそ60人の国会議員が出席した。冒頭、選挙対策本部長を務める古屋・元国家公安委員長は「自民党は保守政党だからこそ多様な意見を受け止めていく。高市氏の政策立案能力や曲がらない信念を国民や党員、国会議員に見てもらい、輪を広げていこう」と挨拶した。そして高市は「いよいよ戦いが始まった。ここに集まった全員は、派閥に関係なく、国家理念や強い経済をつくる政策に賛同した同志だ。ともに美しく、強く成長する日本を作っていきたい。必ず勝ちに行く」、「精一杯、私の政策を訴え、そして多くの国会議員の皆様、党員・党友の皆様に対して、しっかりと伝わっていくように努力を続けてまいります」と決意を述べた。そして、高市を応援するため作られた、タオルを掲げながら全員で「頑張ろう」と三唱した。これに先立ち高市前総務大臣は、国会内で記者団に対し「いよいよ総裁選挙のステージに立たせてもらうことになった。昨夜は、立会演説会の原稿の作成などで多少、睡眠不足だが、地方議員も含めて、日に日に賛同してもらえる人が増えていると思うので、力尽きるまで頑張っていく」と決意を述べた。
 野田陣営の出陣式は、午前9時から党本部で開かれ、推薦人になっている浜田・元防衛大臣や三原じゅん子・厚生労働副大臣ら10人あまりの議員が出席した。この中で、野田幹事長代行は「どちらかと言うと自民党のど真ん中にはいない私だが、私の自負は、目の前にいる人たちと一緒に生きてきたことだ。出会った人たちの悲しみ、苦しみ、喜び、不安、そんなものをしっかりとお伝えし、政治を前へと進めていける、そんな1人になりたい」と述べた。その上で「政治は強いリーダーでするのではない。多くの人たちが関わり、喜びをつくりあげることが、国民政党としての自民党のきょうじだ。コロナ禍だからこそ、寛容で、誰もがこの国に生まれてよかった、生きる価値があるんだとしっかりと伝えていきたい」と述べた。そして最後に、出席者全員で「頑張ろう」と三唱し、結束を確認した。野田は、出陣式のあと党本部の会議室で、推薦人らとともに立候補の受け付けの様子をオンラインで見守った。そして、立候補が受理され、届け出順が決まると、拍手が起きた。記者団が「ほっとしたか」と質問したのに対し、野田は「緊張感がありました」と述べた。このあと陣営の選挙対策本部長を務める三原・厚生労働副大臣らが届け出の受領証を持って帰ると、一緒に記念撮影を行っていた。

 演説会で野田は、森友学園問題を念頭に「総裁になったら党に解明チームをつくる」と言明。「野田内閣」では閣僚のうち半分を女性とする考えを明らかにした。
 9.17日、加藤官房長官は記者会見で、自民党総裁選に出馬した河野のオンライン出陣式に、坂井学官房副長官が首相官邸の執務室からスマートフォンで参加したため、注意したと明かした。その上で「国民に不信を招かないよう配慮が必要だった」と苦言を呈した。加藤によると、坂井は「公務の合間に対応する必要があった」と理由を説明したという。坂井は今年4月、菅首相に近い自民党の無派閥若手議員グループの会合を官邸で開き、加藤から注意を受けている。
 9.17日、自民党総裁選で、山本公一元環境相(衆院愛媛4区、谷垣グループ)が投票を棄権することが分かった。関係者が同日、明らかにした。山本氏は入院治療中で、昨年の総裁選も棄権した。次期衆院選への不出馬を表明している。 
 9.17日、岸田氏が経団連会長から期待・激励されたことを読売・電通系マスコミが報じない。埼玉はじめ自民党県議団岸田支持G(県議過半数)旗揚げも。岸田推薦Gが続々結成されている。
9.17日、自民党石原派(近未来政治研究会、10人)会長の石原伸晃元幹事長が、自身のツイッターで、同日告示された党総裁選で岸田を支持することを表明した。石原氏は「政策的に共鳴する岸田文雄前政調会長を応援します」と投稿した。石原氏は同い年の岸田と関係が深く、平成24年の総裁選では岸田が幹事長だった石原の推薦人を務めた。今回の総裁選では、石原派は派としての支持する候補者の一本化を見送り、自主投票とすることを決めている。
 9.17日、青森県内の4人の国会議員(大島衆院議長を除く)のうち、江渡聡徳衆院議員と滝沢求参院議員が岸田支持を表明した。江渡氏と滝沢氏は同じ麻生派に所属している。津島淳衆院議員、木村次郎衆院議員は現時点で態度を明らかにしていない。江渡氏が青森市内で報道陣の取材に応じ、「考え方が一番近い。安全保障、エネルギー政策、人口減少に対して進む道をどう作っていくか、総合的な観点から考えた」と岸田支持の理由を挙げた。滝沢氏も同日、読売新聞の取材に対し、投票先に岸田を選んだことを明かし、「私はエネルギー政策は推進の立場。近いとなると岸田氏だ」と述べた。一方、昨年の総裁選で江渡氏とともにいち早く菅首相支持を打ち出した津島氏はこの日、投票先を明らかにしなかった。今回の総裁選では、津島氏が所属する竹下派を含め、主要派閥の多くが自主投票を決定、または調整している。津島氏は党内若手議員らで発足した派閥横断グループ「党風一新の会」に参加している。会では、近く候補者らとの意見交換の場を設ける予定で、「立場上、終わるまでは姿勢を示すべきではない」と語った。 木村氏もこの日、弘前市内で報道陣の取材に応じたが、「熟慮中。政策全体を俯瞰(ふかん)して判断したい」とだけ述べた。
 9.18日(土)
候補者討論会  9.18日、日本記者クラブ主催で自民党総裁選の候補者討論会が行われ、4人の候補が論戦を交わした。数多い討論会の中で最も時間が長く、毎回NHKが全国生中継することで国民の注目度も格段に高い。それだけに、討論中の各候補のさまざまな表情が波紋を広げた。討論会で披露される恒例の揮ごうも、今回は1つに絞り、座右の銘から今回訴えたいことまで自由に書くことになった。それぞれ書き初めのように墨汁に浸した筆を使い、河野は「温」、岸田は「天衣無縫」、高市は「崇高雄渾」、野田は「愛」と書き上げた。候補者同士の討論では1人の候補者が3回、合計12回の質疑・応答を行う。岸田、高市、野田3氏は相次いで河野を質問相手に選んだ。テーマは年金改革と原発問題で、いずれも河野の主張が他氏と異なるからだ。河野は基礎年金を高齢者の生活の最低保障とするため、財源をすべて税金にする案を提唱している。これに対し、他の3氏は「大幅な増税が必要になる」(岸田)、「年金制度に大きなひずみが出る」(高市)などと集中攻撃した。河野は持論を曲げなかったが、肝心の増税幅については「独り歩きする」と言葉を濁し、論争は中途半端に終わった。また、河野がかねて主張してきた脱原発についても、3氏がそれぞれの理屈で論争を挑んだ。中でも野田は「国民は河野氏に『脱原発』の印象を持っていた」と指摘し、今回の総裁選で原発再稼働を容認した河野の「変節」を槍玉にあげた。しかし、河野は「そんなことは言ったことがない。(日本は)緩やかに原子力から離脱すると言っているだけだ」とかわした。岸田も核燃料サイクルの見直しに言及した河野に「原発再稼働と両立しない」と質したが、論議はかみ合わないままだった。代表質問後、一般記者からの質問が河野に集中した。対照的に高市はなかなか質問されず、口を開く場面も河野に劣った。これにブチ切れたのが高市の支持者たち。ネット上は「記者クラブの〝河野推し〟ひどすぎる」、「茶番の候補者討論会だ」と大荒れ。ジャーナリストの門田隆将氏もツイッターに怒りの連投だ。 「出陣式の出席人数まで改竄して“河野上げ、高市下げ”を続けるNHKも真っ青の日本記者クラブ候補者討論会が行われた。なんと対中国、対韓国、また憲法という重要問題に対し発言を許されたのは河野太郎氏と岸田文雄氏だけ。こんな公平性欠如の偏向運営による討論会は必要ない。次回からなくして頂きたい」。別のツイートでも「国民が知りたい中国、韓国、憲法問題という重要課題に記者クラブから指名され、発言を許されたのは河野太郎氏と岸田文雄氏だけ。公平性を意識していた質問者は橋本五郎氏のみだった。高市早苗氏に発言させなければ高市票は増えないし、総裁選が“河野vs岸田”に印象づけられるという訳。これがマスコミ」と切り捨てた。今後に遺恨を残す討論会になってしまったようだ。
 9.18日、読売テレビ・日本テレビ系「ウェークアップ」の自民党総裁選報道で、MCの弁護士・野村修也氏に「一番リードしているのは?」と聞かれた政治ジャーナリスト・田崎史郎の分析は次の通り。「本命が岸田さん、対抗が河野さんという構図は依然として変わってない。なかなか判別しづらいんですけど、本命が岸田さん、対抗が河野さんという構図は依然として変わってないと思います。少し遅れて高市さん、大きく遅れて野田聖子さんじゃないかなと思います」。

 9.18日午前7時現在、国会議員214名の態度が既に明らかになっている。この214名の支持候補者別を見ると、岸田が77名でリードし、河野65名、高市51名、野田聖子21名となっている。国会議員票383票の半数は192票で、現時点では議員票の過半数を獲得できる候補者が現れる可能性は低くなっている。各陣営は決選投票も見据えた多数派工作を激化している。仮に1位を岸田が取った場合、決選投票は「1、3、4位連合」となる。岸田が2位になった場合、「2、3、4位連合」となる。河野は刺回目で過半数を取らない限り厳しい。

 9.18日、政治ジャーナリストの田崎史郎が、読売テレビ・日本テレビ系「ウェークアップ」にリモート出演し、自民党総裁選について次のようにコメントした。概要「1回目に過半数を取る可能性があるのは河野太郎さん。しかし、河野さんにとって痛かったのは野田聖子さんが立ったことなんです。1回目に過半数をとれるかどうかが河野さんにとって大きな勝負。河野さんは1回目で決めないと岸田さんが有利になる。台風の目は高市さん。おそらく議員票で383票のうち100票くらいとると思う。そうするとその100票が決選投票の段階で岸田さんに乗っかってくる。そうすると、1回目で河野さんが決めないと岸田さんが有利になる」。
 9.18日、毎日新聞が全国世論調査を実施した。自民党総裁選で誰に総裁になってほしいか尋ねたところ、河野が43%と最も多く、高市15%、岸田13%、野田6%の順となった。自民党支持層では河野が50%、高市が25%、岸田は14%、野田が3%。
 9.18日、共同通信社が全国世論調査を実施した。自民党総裁選に関する全国の党員・党友に対し、新総裁にふさわしい人を尋ねたところ、河野48.6%、岸田18.5%、高市15.7%、野田3.3%だった。次の首相に期待する課題は、新型コロナ対策が26.8%、経済対策24.2%、外交・安全保障19.4%と続いた。固定電話で「自民党員・党友」と答えた1028人の回答を集計した。
 9.18日、小渕優子衆院議員(群馬5区)が、群馬県富岡市で開かれた自身の後援会の会合後、上毛新聞の取材に応じ、自民党総裁選について、岸田を支持することを明らかにした。 小渕氏は理由について、岸田が唯一、派閥の代表として立候補したことに触れ、「派閥をまとめてきた実績があり、安定感のあるリーダーになっていただける」と説明した。岸田が政調会長だった時に政調会長代理を務めたつながりもあり、「財政再建のような耳の痛い課題にも向き合っていた。いろんな声に耳を傾けていただける候補者だ」とした。 支持者にも同日、方針を説明した。 小渕氏のほかに、群馬県関係国会議員ではこれまでに、井野俊郎衆院議員(群馬2区)が河野、上野宏史衆院議員(比例南関東)と中曽根弘文参院議員(群馬選挙区)が高市、清水真人参院議員(同)が野田をそれぞれ支持する意向を示している。
 9.18日、石破が、鳥取市の党県連本部で記者会見を開き、総裁選で河野を支持する理由について「改革を志向する勢力が一本になって、国民に説明責任を果たす国民のための自民党にしていかねばならない、という思いからだ」と説明した。石破は河野について「自分と異なる意見について聞く耳がある。世間で言われるようなイメージとは全く違っている」と述べた。これまでの総裁選での敗北を「批判すべきことを批判して敬遠され、議員の支持が少なかったことが大きい」と振り返り、今回の不出馬に関して「目的達成のために、多くの議員の皆さんが結集できる行動を取ることが必要だという観点に基づいた」と語った。県内党員には「河野支援」を呼びかける考えも示した。石破の地元事務所は自身の選挙区(衆院鳥取1区)内の党員約5000人に、河野の総裁選用の政策パンフレットなどを送付。石破はこの日午後、倉吉市と鳥取市で党県連支部の幹部らと会議を開き、河野への支持を訴えた。
 9.18日、宮城県選出衆院議員5人の内訳が判明した。竹下派の秋葉(2区)のみが「検討中」と答えた。
高市 土井亨(1区) 最大派閥の細田派所属。
西村明宏(3区)
河野 伊藤信太郎氏(4区) 麻生派
岸田 小野寺五典氏(6区) 岸田派幹部。
野田
 9.18日、自民総裁選 岸田氏が最多10人 東北選出議員の支持動向。自民党総裁選で、東北選出の党所属衆参議員のうち約8割の19人が支持動向を固めた。最多は岸田文雄前政調会長で10人。河野太郎行政改革担当相が5人、高市早苗前総務相が4人。現段階で野田聖子幹事長代行を支持する議員はいなかった。投票権がない大島理森衆院議長(青森2区)を除く6県25人のうち、告示日時点の判明分をまとめた。事実上の自主投票とする派閥が多い状況を踏まえ、6人が「検討中」「最終盤まで見極めたい」などとの考えを示した。
岸田 10 最大派閥の細田派から4人、自身が会長を務める岸田派、同じ流れをくむ谷垣グループ、麻生派から各2人
遠藤利明 谷垣グループ 選対本部長。衆院議員(山形1区)
鈴木俊一 麻生派 推薦人代表衆院議員(岩手2区)
河野 麻生派の3人と竹下派の2人。
高市 細田派の4人。
 9.19日(日)
 9.19日、産経新聞が、自民党総裁選を廻る国会議員票の支持動向は岸田、河野、高市に三分。これを野田が追い、未定は約3割となっている。党員・党友票は河野が優位、他候補も支持拡大に躍起となっている。決選投票も視野に入れた駆け引きが続いている。竹下亘元復興相の死去に伴い、党所属国会議員票と党員・党友票各382票の計764票を争う。岸田は国会議員票の4分の1近くを固め、河野、高市両氏もそれに迫る勢い。野田は推薦人20人から大きな上積みができていない。 岸田は自身が率いる岸田派(宏池会、46人)を固め、細田派(清和政策研究会、96人)や麻生派(志公会、53人)、旧竹下派(平成研究会、51人)という主要派閥のベテランに浸透。17日の出陣式には代理を含めて107人が出席した。態度未定の中では来年の参院選を見据え、安定感を重視する参院議員の間に岸田を支持する動きがある。河野は、菅首相ら現政権の中枢幹部に加え、「選挙の顔」や世代交代を求める中堅・若手が支持する。17日にオンラインで行われた出陣式には代理を含め約80人が出席した。石破、小泉らの支援も受けている。保守層の期待が高い高市は細田派衆院議員の7割超から支持を得る。同派出身の安倍前首相が支持する影響が大きく、19日には稲田朋美元防衛相がツイッターで高市支持を表明した。17日の出陣式には代理を含め93人が出席した。陣営幹部は「世論調査で支持も上がっている。議員票は100を超える」と語った。野田は現時点で支持が広がっていない。 共同通信が17、18両日に行った党員・党友に対する支持動向調査では河野が48・6%と最多で、総裁選の仕組みに沿って換算すると、党員・党友票のうち河野氏は210票を超えた。今のところ河野が優位とされるが、岸田、高市両氏陣営も手応えを感じており、情勢は流動的だ。1回目の投票で過半数を得る候補がおらず、上位2人による決選投票に進むとの見方が強い。その場合、国会議員票の比重が高まるだけに、各派閥の合従連衡が想定される。
 9.19日、河野の。9.16日の「年金の財源は消費税発言」が波紋を呼んでいる。河野はかねてから「年金の財源は消費税に」と主張してきた。2012.1月の自身の公式サイトで「基礎年金を満額、必ず支払うためには、保険料の徴収をやめ、税で基礎年金を支払う必要がある」とつづり、さらにこう続けている。「消費税を基礎年金の財源とする方式であれば、買い物をするたびに必ず消費税を支払うので、未納や免除は生じないので、全ての日本人が65歳になれば満額の基礎年金を受け取ることができるようになる。高齢者の生活保護も廃止できる。消費税ならば消費金額に応じて年金財源を負担することになり、現在の収入の多寡にかかわらず一律金額の保険料を徴収する方法よりも公平」云々。
 9.19日、読売新聞社が、自民党総裁選を廻る国会議員票の支持動向は河野41%、岸田22%、高市20%、野田6%と発表した。1回目の投票で誰も過半数に届かず、上位2人の決選投票となる可能性が高まっている。党員調査は全47都道府県で実施し、総裁選の投票権を持つ党員・党友だと確認できた1514人から回答を得た。読売新聞社が行った党所属国会議員の支持動向調査では、岸田94人(25%)、河野83人(22%)、高市71人(19%)と3氏が競い、野田は16人(4%)となっている。調査は6日から始め、19日までに投票権を持つ議員382人の99%にあたる379人の意向を確認した。「未定」「答えない」が約3割を占めている。党員票と議員票の合計では、トップの河野氏でも4割に届いていない。総裁選は、竹下亘・元総務会長の死去に伴い、衆参両院の議長を除く国会議員票と、同数の党員票を合わせ計764票で争われる。決選投票になった場合は、国会議員票382票と47都道府県連各1票の計429票で競う。
 自民党OBの長老政治家17人。深谷隆司・元通産相は岸田。「混乱期には経験を積み、人格が落ち着いた人、誠実な人が総理・総裁にふさわしい。岸田さんが外務大臣時代に私の事務所を訪問していただく約束があった。しかしその日、米国大統領選でトランプ氏の当選が確定。“日程はキャンセルだろうな”と思っていたら、岸田さんは約束の時間に来てくれた。この誠実さは評価すべきです」。舛添要一・前東京都知事(元厚労相)は「消去法で岸田を選ぶ」。「これまでの安倍-菅政権はコロナ対策にうまく対処できなかった。デフレ克服もアベノミクスには限界が見えている。だからこそ、今回の総裁選では別のアプローチを取る政権への交代が必要だが、河野太郎は尖りすぎ、高市早苗は外交、安保、天皇制など右に振れすぎている。政策的には石破茂が一番だと思うが、党内の調和が保てるのか不安がある。だから岸田。『新自由主義からの転換』を掲げる岸田が総理・総裁になれば自民党内で“疑似政権交代”のような雰囲気を出せる」。 小泉内閣の郵政民営化に反対して自民党を離党した自見庄三郎・元郵政相も同意見だ。「岸田氏は公約で『小泉政権以来の新自由主義的な政策を転換する』と言った。それを評価する。岸田氏本人の総裁としての資質はたいしたことはないと思うが、その政策はぜひ進めてほしい」。
高市動向  9.19日、稲田朋美元防衛相がツイッターに投稿。自民党総裁選に関して「私が目指す強くて優しい、温かい日本の国柄を守るため、譲れない国家観を共有する高市早苗候補を支持します」と表明した。 この日朝に地元福井の番組で総裁選について語ったことも伝え「高市早苗候補の支持を表明しました」と記した。片山さつき元規制改革担当相も高市氏の推薦人となり、支持している。
 9.20日(月)
 9.20日、時事通信は党所属国会議員の支持動向を調査した。それによると、河野と岸田が競り合い、高市が激しく追っている。野田は挽回に懸命。ただ、2割程度が態度を決めておらず、党員・党友票の行方を含め、情勢は流動的だ。 竹下亘衆院議員の死去を受け、総裁選は国会議員票と党員・党友票各382票の計764票で実施される。河野、岸田両氏は党所属議員の25%前後の支持を固め、高市氏も約2割の支持を得て2人を猛追し、野田は約5%にとどまっている。岸田派を除く6派閥が事実上の自主投票とする中、河野は岸田派以外の中堅若手を中心に支持を広げ、所属する麻生派(53人)では約半分の支持を獲得。石破派(17人)の半数以上も固め、二階派(47人)、石原派(10人)、無派閥にも浸透する。岸田は自身が率いる岸田派(46人)をまとめ、細田派(96人)、麻生派、無派閥からもベテランや参院議員を中心に支持を取り付けた。安倍前首相が後押しする高市は、安倍が影響力を持つ細田派の中堅若手に浸透。麻生派、竹下派(51人)、二階派にも食い込みを図る。野田は推薦人20人からの上積みが課題だ。一方、47都道府県連の幹部を対象に時事通信がアンケート調査を実施したところ、岸田支持が12人で最多だった。河野支持は3人、高市支持は2人、野田支持はいなかった。ただ、河野の地元神奈川、野田の地元岐阜を含む29都府県連が支持候補を回答しなかった。岸田支持は福島、石川、広島、福岡などの幹事長ら。河野支持は北海道、青森、鳥取。高市支持は滋賀、奈良の幹事長らだった。
田崎史郎証言  9.20日、政治ジャーナリストの田崎史郎氏が、TBS系「ひるおび」に出演し、自民党総裁選の投票用紙について解説し、事前に選挙の状況が漏れる可能性を示唆した。 自民党員・党友の投票期間は今月18日から始まり28日が締め切りとなっている。国会議員の投票は29日。田崎氏は今月17日に投票用紙の発送が始まったと伝えた上で「早いところでは土曜日(18日)に着いていて、明日(21日)届く方もいらっしゃる」とした。「今週中にはだいたいの方が投票してしまうとみられています」と大まかな流れを説明した。司会のホンジャマカ・恵俊彰は「(党員・党友の投票結果が)発表されるのは当日(29日)なんですか」と質問。田崎氏は「当日まで郵便局に置いておくんです」と“一応は”当日開票の形を取るとした。しかし、続けて「シールなんかしてないんですよ。誰に投票したか、名前を書くんですけど、見ると分かっちゃうわけ」と管理が厳密ではない実情も暴露した。郵便局に集まった投票用紙を各都道府県連の担当者が集めて当日に開票し、結果を報告するため、党員の間では、事前に情報が伝わる可能性もあるという。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「『ある程度事前に把握できるんだよ』って言う人は多いですね」と付け加えて説明した。
 9.20日、政治路線は、岸田が小泉内閣以来の新自由主義からの転換を主張して分配政策を重視する穏健派。高市は「サナエノミクス」を掲げ、小泉内閣以来の新自由主義的国家による投資・成長政策を指針させている国家主義ラジカル。河野は、マクロ経済政策への言及があまりなく、よく分からない部分もあるが、中身が抽象的ながら「日本を前に進める」とする改革路線。野田が女性や高齢者、障害者も活躍できる社会を掲げるジェンダー路線改革ラジカル。コロナ対策については、岸田は野戦病院の開設や「健康危機管理庁」の設置、電子的ワクチン接種証明活用、検査の無料化・拡充を掲げる。高市は医薬品やワクチンの国産化に向けた体制整備を訴える。河野はワクチン接種3回目の準備、必要なときは思い切った人流抑制を打ち出している。経済・財政政策については、岸田は相当規模の経済対策、科学技術立国、経済安全保障、デジタル田園都市、令和版所得倍増、経済再生なくして財政健全化なし、財政健全化の旗を堅持といった主張だ。高市は金融緩和と財政出動に加え、危機管理投資・成長投資を柱に、インフレ率2%まで基礎的財政収支(プライマリーバランス)規律を凍結、法人に対する現預金課税、金融所得税率引き上げを訴える。河野はデジタルとグリーンをイノベーションの核として、テレワークなどで改革を前進させるほか、現実的なエネルギー政策として当面は原発再稼働を認める。金融政策は日銀にある程度任せるとしているがインフレ率2%にはやや懐疑的だ。野田は地方を活性化させ、経済の構造や質を改善すべきだとしている。岸田と河野、野田は積極財政にやや後ろ向きだが、高市は積極財政派だ。安倍政権と菅政権で行われたアベノミクスは、(1)マクロの金融政策(2)マクロの財政政策(3)ミクロの成長戦略から成り立っている。この組み合わせは世界標準だが、候補者によって力点の置き場所は少し違っている。過去の総裁選では、政策の差異というより、思わぬ失言が命取りになったこともある。良くも悪くも、これが自民党総裁選だ。 (「元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一」参照)
 9.20日、自民党総裁選に向けた公開討論会(党青年局、女性局主催)が開催され、各候補者と応答した。高市は、北朝鮮による拉致問題で「(北朝鮮に)乗り込んででも、しっかりと話して来る」と強い姿勢を示した。党役員の任期や比例名簿の定年制については明確さを欠いたが、拉致問題や憲法改正では他の3候補との明確な違いをアピールした。拉致問題に関して高市の存在感が際立った。「最重要課題の1つ。ご家族の高齢化を考えますと、もはや一刻の猶予もない」とした上で「あらゆるルートを模索しながら(金正恩氏と)1対1の対談の場を作りたい。何としても、(北朝鮮に)乗り込んでも」と、強硬姿勢だ。さらに「NHKは受信料でなり立っている。国際放送には税金が投入されている。もっともっと、拉致の問題を発信して」と注文をつけた。 この日、高市と岸田は左胸に議員バッジと、拉致被害者の救出を願うブルーリボンバッジを着用した。野田は議員バッジのみ。河野は両方ともに未着用だった。拉致問題について野田は「安倍、菅政権の重要な問題解決の1つだったが、何か前進したか。私は何も聞いていません」と批判したが、河野は「米中韓ロシアと意見交換して土壌を作っていく」などと、かなりの温度差を感じさせた。 憲法改正に関しても高市は「今の憲法は、技術革新、安全保障環境、社会の変化に追い付いていない」などと、ブレない主張を繰り返した。また、討論会後には台湾の蔡英文総統とオンライン会談し、東アジアの安全保障などについて意見交換した。河野は「国会でしっかりと議論して、だいたい合意に至るよね、というところから順番に国民投票にかけていく。情報発信をていねいにやっていく」とするにとどめた。 しかし、衆議院比例代表73歳定年制、若手登用に関しては、「自民党の強みは若い世代からシニアの世代まで幅広い年齢層が活躍していて、全世代の安心感を創出するという意味では何歳にするかというのは慎重に」と、支持を受ける党の重鎮への忖度(そんたく)を伺わせた。「自分が総裁になったら決選投票でも党員・党友の意向が反映するように総裁選改革を実現する」と発言した。

 岸田は公約に打ち出した党役員の任期制限「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期まで」を重ねて強調するなど、長老支配からの脱却や若手、女性登用を訴えるなど、党改革への姿勢を貫いた。 討論会はユーチューブでもライブ配信された。チャットには高市氏を評価するものが多く、逆に河野氏に対する批判が多い印象だった。安全保障などの強硬論への賛否は別にして、高市のブレない姿勢は他候補と一線を画し、日増しに注目度をアップさせている。
 野田はこの日、地方議員とのリモート会議で参加者の質問に答え、夫が元暴力団員だとした週刊誌報道を念頭に「私は夫を信じている。身に覚えのないことを面白おかしくやられた。歯を食いしばって頑張りたい」と述べた。2018年の総裁選前に記事が出て「それを理由に推薦人を断られ、つらい目に遭った」とも語った。週刊文春と週刊新潮の報道に対し、野田は自身のブログで「事実無根」と否定している。
 9.21日(火)
 9.21日、政府は、菅首相の後任首相を選出する臨時国会の10月4日召集を閣議決定した。自民党総裁選で今月29日に決まる新総裁が、衆参両院本会議の首相指名選挙で第100代首相に選出される見通し。4日召集により、衆院選が10月21日までの議員任期を越えるのは確実。現行憲法下で前例のない事態となる。 新首相は選出されると直ちに組閣し、新内閣を発足させる。その後、副大臣・政務官人事などを手掛ける。国会で新首相の所信表明演説と各党の代表質問を実施するかどうかは新首相らの判断によるが、自民党総裁選の4候補はいずれも前向きな意向を示している。
 9.21日、「河野の総裁選圧勝」の予想がここにきて急ブレーキ。河野に当初見込まれたほどの勢いがなくなっており、1回目の投票で、いきなり過半数を獲得して当選を決めるほどのリードではなくなりつつあるとの見方が強まっている。その「致命的な理由」は、小石川連合結成である。その2の理由が、河野の抽象的な物言いに終始する論戦力の低さである。その3の理由が、たまに具体的な事をいつたかと思うと「他のどの候補よりも一押しの消費税増税アドバルーン打ち上げ」である。河野が一回目の投票で1位の座を獲得する芽がなくなっており、2位、場合によっては3位になる可能性さえある。河野氏は正念場を迎えている。一回目の投票が正念場になる。
岸田動向
 9.21日午前11時、岸田は、東京都世田谷区内の谷垣禎一元総裁の自宅を訪れ、谷垣氏と会談した。岸田は「最後までしっかりと戦い抜く」と決意を伝え、谷垣氏は「必ず勝利を果たしてほしい」と激励した。 岸田氏は会談後、自宅前で記者団に、「(谷垣氏から)力強い言葉をいただき、勇気100倍だ。しっかりと応えられるように頑張りたい」と強調した。 「すっきり断ち切って(総裁選に)お出になった姿は、まさに『三日会わざれば刮目して見よ』」。谷垣は中国の「三国志演義」に由来する慣用句を用い、岸田の気迫は以前と見違えるようだと評した。会談には、谷垣グループ(有隣会)の代表世話人を務める遠藤利明元五輪相や中谷元元防衛相らが同席した。谷垣グループは岸田氏率いる岸田派(宏池会)の流れをくみ、宏池会勢力を結集する「大宏池会構想」が何度も取り沙汰されてきた。谷垣グループは今回の総裁選で岸田氏を支持している。
河野動向  9.21日、党改革を求める若手議員らでつくる「党風一新の会」が、東京・永田町の党本部で、4氏と1人ずつ意見交換会を開き〝所信聴取〟した。目立ったのは午後2時に登場した河野だった。 官邸主導が目立つ「政高党低」への認識を問われると「政高党低じゃないと困ると思う。党はだれも説明責任を負っていない。国会で説明責任を果たすのは政府」と断言し、主に若手・中堅議員が就く各省庁の副大臣・政務官の「パワーアップ」を主張。官邸主導に不満を持つ重鎮議員も多いが、遠慮のない河野節を連発した。
 9.22日(水)
岸田動向  9.22日、自民党総裁選が29日の投開票まで1週間になった。総裁選の議員票は、竹下元総務会長の死去にともない1票減り、党員票とともに382票になった。議員票では、岸田が自身の岸田派や最大派閥の細田派など、派閥横断的に支持を広げ、3割を超える議員票を固めほかの3候補を数歩リードしている。 これを河野と高市が追う。野田は推薦人20人から支持が広がっていない。党員票を含めた1回目の投票で、岸田過半数に至るのか。決選投票にもつれ込んだ場合、岸田と河野の戦いになるのか、岸田と高市の戦いになるのか。岸田と河野の戦いになった場合、高市票、野田票はどちらに流れるのか、岸田と高市の戦いになつた場合、河野票、野田票はどちらに流れるのか。こう云う風に論を立て報道するメディアが欲しいわな。今のメディアは当初は石破を囃し立て、石破が無理になるや河野を囃し立て、河野の風向きが悪くなると高市を囃し立てている。そんじょそこらの評論家のお口を見よ、こんなんばっかりだから一々誰とは云わない。連中が持ち上げない岸田こそ是々非々の柔軟性を持つ、宏池会がようやく育てたサラブレッドにして時代が欲していると見る。
野田動向  9.22日、野田聖子氏が「夫が元暴力団」報道に反論。文春根拠の警察庁データベースは「怪文書」。野田がツイッターを更新。夫が元暴力団員だという報道に反論した。野田の夫については元暴力団組員だったとして週刊文春、週刊新潮」などが報道している。これに対し野田は「私が夫を信じる理由」として、ここまでの裁判の経緯などを明かした。野田は「私の夫が元暴力団員であるとする週刊誌報道が続いております。(中略)改めて『信じる理由』をご説明します」と書き出し、ツイートを連投。 「『文春』が根拠としている警察庁のデータベースについては、夫が文春を名誉棄損で訴えた裁判の判決において、証拠として全く信用されなかった怪文書であり、判決でも夫を『元暴力団員である事実を認めることはできない』と認定しました」と説明した。また、「『新潮』との裁判で証人として出廷し、取材を受けている元暴力団組長については、裁判で虚偽の証言をしたとして、偽証罪で刑事告発し、受理され、警察においてすでに捜査が始まっています」と続けた。その上で「今後の捜査により私の夫が元暴力団員ではないとの真実が明らかになると考えます。現在、夫は自身の名誉回復を求め係争中です。皆さまには諸事情ご理解の上、不当な誹謗中傷等はお控えいただければ幸いです」と訴えている。
 9.22日、自民党総裁選に立候補した河野、岸田、高市、野田がTBS系「news23」に出演した。その中で同局の遊佐勝美政治部長が「みなさん、党改革を訴えていらっしゃいますけど、党改革のポイントって人事じゃないですか?自分が総裁になった場合に他のお三方を幹事長とか要職で起用するお考えはあるんでしょうか?」と質問した。
野田 「もちろん、素晴らしい方々、スキルのある方々なんで当然リストの中には優先順位の中には入っています」
高市 「今回、ご一緒させていただいて、何か妙な連帯感が出てきておりますので、またそれぞれ素晴らしい政策も発信しておられますので、一緒にいろんなことをやりたいなと思っております」
岸田 「自民党中には優秀な素晴らしい人材がいっぱいいます。そして今日、ご一緒していただいている3人もその中の有力なメンバーです。その中でポストは限られていますので、しっかりと考えていかなければならないと思います」
河野 「閣僚、三役、非常に有能な方々ですから、ここはぜひと思っています」
 9.23日(木)
 総裁選は岸田が一発で決めるか、岸田と河野もしくは岸田と高市の決選投票となる可能性が高い。決選投票となれば4A側は岸田の側につく。最後に、もう1人、二階俊博幹事長がいる。二階も、「4A」と同じ眼を持つており、いずれの決選投票でも岸田を選ぶ。
 9.23日、共同通信社は、自民党総裁選の支持動向を党都道府県連の幹事長47人に尋ねたアンケートをまとめた。岸田16人、河野5人、高市3人、野田0人、未定または無回答23人となった。 総裁選は国会議員票382と同数の地方票も大きな影響力を持つ。県連幹事長の回答は個人的見解のため、地方票の結果に直結するわけではないが、地方組織で支持候補が割れる状況がうかがえた。岸田氏支持は地元広島のほか埼玉、香川、福岡など。河野氏支持は地元神奈川や鳥取など。
 9.23日、JNNが自民総裁選の議員票「 岸田がトップ」、「僅差で河野」と報道した。実情に合っていると思われる方向への軌道修正と云う意味では良い事だと思うが、まだ練りが足りない。それは「僅差で河野」と高市の票差である。本当に河野が2位なのか。「上位2人による決選投票となる見方が強まっています」としているが、岸田が1回目の投票で制する可能性があるのではないのか。こう云う風に伝えないとビビッドにならない。
 9.23日、毎日新聞が党員・党友票の動向を分析し、河野トップ4割強、岸田3割弱、高市2割強、野田1割未満と発表した。国会議員票の動向調査も踏まえると、1回目の投票で河野氏がトップになるものの全体の過半数に達するのは難しい状況で、上位2人による決選投票に持ち込まれる可能性が高いとみられる。今回の総裁選は、国会議員票382票と党員票382票の計764票で争われる。党員票は全国の党員・党友計110万4336人(16日現在)による投票結果を党本部で全国集計し、ドント方式で各候補に配分される。 1回目の投票では、1位河野、2位岸田、3位高市、4位野田となる可能性がある。仮に河野がトップになっても過半数の得票に達するのは難しい状況だ。上位2人による決選投票となる。国会議員票(382票)と都道府県票(47票)で争われ、都道府県票は、2人のうちその都道府県の党員投票結果が多かった候補に自動的に投じられる。1回目よりも国会議員票の比重が増すため、決選投票も見据えた各陣営の駆け引きが激しさを増しそうだ。
 9.23日、山梨県内の自民党の国会議員で、唯一態度を明らかにしていなかった中谷真一衆院議員は、23日までに岸田を支持することを決めた。県内の自民党国会議員は、森屋宏参院議員と堀内詔子衆院議員が岸田を、赤池誠章参院議員が高市を支持するとしている。
 9.24日(金)
 9.24日、候補者3人に推薦人を出しながら岸田氏にだけは出さなかった二階派が、「役員任期は1期1年、連続3期まで」とブチ上げ、露骨な二階幹事長“外し”に動いた岸田に対し、「岸田だけは絶対、許さない」として、 「まことしやかにささやかれているのが、二階派による高市氏全面支持です。二階派は支持を一本化せず、最初の投票を自主投票にしていますが、イザとなったら高市さんに票を集め、岸田さんを3位に沈めるつもりなのではないか、とみられています。二階派は47人なので、全員が高市さんに流れたら、岸田さんとの逆転はあり得る。岸田さんは決選投票に進出できない。河野さんと高市さんの決選投票になったら、二階派は結束して河野さんを支持する。河野さんを総理に担ぎ、最終的にキングメーカーとして影響力を残すシナリオを描いているといいます」(自民党関係者)。
 9.24日、静岡新聞社の党静岡県連所属の県議40人の支持動向取材の結果、岸田が全県議のほぼ半数の19人の支持を集め、2位以下を大きく引き離した。支持の理由として「政治の安定」を求める声が目立った。2番手は高市7人。党員・党友票での優位が伝えられる河野5人、野田1人。岸田を支持する県議からは「安定感」への評価が多く聞かれた。宮沢正美県議(三島市)は「人柄に加え、外相など豊富な経験と政治力に期待したい」と述べた。天野一県議(静岡市葵区)は「(コロナ禍で)不安定な状況の中、新しいことをやる人ではなく、安定感がほしい」と支持理由を話した。県内国会議員9人中、最多となる4人が岸田支持。選挙区の国会議員の動向を理由にした県議も複数いた。高市を支持した県議からは「タカ派」とも評される外交や防衛政策、国家観などに対する評価の声が聞かれた。江間治人県議(磐田市)は「外交、防衛など国の重要課題に向き合う姿勢、国をつくっていくという強い思いを感じる」と述べた。鈴木啓嗣県議(浜松市西区)は「国がどうあるべきか、対外的施策をどう示すかという姿勢に共感した」と語った。河野は県議からの支持は伸び悩んだ。森竹治郎県議(下田市・賀茂郡)は「伊豆は祖父の一郎氏の代から河野家とゆかりのある人が多い」。別の県議は「支援者に人気が高い」と党の顔としての役割を期待した。野田を支持する県議は「以前から交流があった」とした。未定・非公開は8人で、過去4回の取材で最も多かった。
 9.25日(土)
 9.25日、岸田陣営の会議直前に最大派閥・細田派会長の細田博之元幹事長が激励に訪れた。同派は高市、岸田両氏を支持するとしているが、会長自らの登場とあって岸田周辺は「力をもらった」。 
 9.25日、FNNプライムオンラインが終盤戦に入った自民党総裁選挙について、全国1万人規模のインターネット調査を実施し、誰に投票したいか尋ねたところ、河野47%、岸田18%、高市18%、野田7%と続いている。自民党の支持層に限ると、河野47%、岸田18%、高市28%、野田4%と、高市氏が2番手に浮上する。 また、「自民党員で投票権がある」と答えた69人のうち、20人は河野氏、22人が岸田氏、12人が高市氏、7人が野田氏に投票したいと答えた。 党員票では河野が優勢とみられるが、国会議員票については、岸田が1歩リードし、河野、高市と競り合う構図となっていて、1回目の投票では、どの候補も過半数に至らず、上位2人による決選投票にもつれ込む公算が大きくなっている。
 9.25日、福岡県選出の国会議員は、岸田を担ぐ岸田派と、岸田の「二階幹事長外し」党改革案に反発する二階派が対立している。岸田派4、麻生派4、二階派3、石原1、竹下1と分かれる。読売新聞の調べでは、岸田5、河野4、高市1、野田0。残る3人は態度を公にしていない。岸田派の山本幸三・元地方創生相(10区)反発を強める二階派は、岸田氏だけに推薦人を出さない徹底ぶり。県内では宮内秀樹衆院議員(4区)ら複数議員が河野氏(麻生派)の支持に回った。ある議員は「『(二階氏が)党が駄目になった原因』と名指しされては岸田氏は推せない」と語る。党員らに手紙を送り、「争点は世代交代」などと河野氏支持を訴える。福岡は、麻生副総理兼財務相と、岸田派名誉会長だった古賀誠・元幹事長、石原派最高顧問の山崎拓・元副総裁の大物3人が影響力を示してきたが、今回は目立った動きを見せていない。
 9.26日(日)
 9.26日、共同通信社が25、26両日、自民党員を対象に総裁選の支持動向を電話調査で探ったところ、新総裁にふさわしい候補は河野47.4%、2位の岸田22.4%。
 9.26日、三重県国会議員の県内情勢は混沌としている。石破派の田村憲久厚労相(衆院三重1区)は河野、岸田派の三ツ矢憲生衆院議員(三重4区)は岸田。川崎二郎県連会長(比例東海)は野田の推薦人に名を連ねる。吉川有美女性局長(参院三重選挙区)は明らかにしていない。
 9.26日、総裁選ドキュメント。自民党総裁選に立候補した4候補が出演した26日午前のフジテレビ番組で、決選投票を想定した党内情勢に関する番組側の解説に対し、河野が「ひどいフェイクニュースだ!」と抗議する場面があった。 番組冒頭、解説者が「気になる動きを見せているのは河野氏の陣営だ」と切り出し、「河野氏と岸田文雄前政調会長の決選投票になると、岸田氏が議員票で逆転する可能性があるという考え方が一般的」と指摘。そのため、河野氏の陣営が1回目の投票で一部票を高市早苗前総務相に回し、高市氏を2位にしようとする動きがあると伝えた。 すると、「するわけないですよ、そんなこと! 冗談はよしてください!」などと河野氏の荒らげた声が流れた。解説者は「そういった意見も出ているということで聞いているが…」と目線を横に向けると、スタジオ脇で待機する河野氏らの姿が映し出された。 4候補の出演後、解説者は番組後半で「自民党総裁選の情勢を伝える中で、河野陣営の一部が高市陣営に票を移すべきだとの意見が出ていると伝えた。これに対して、出演した河野氏はこうした動きを否定している」と改めて説明した。
 9.26日、日本テレビが総裁選挙の最終盤の情勢を探ったところ、 9月25日~26日に実施 全国の有権者のうち自民党員・党友と答えた1002人が回答。河野が1位となるものの過半数は獲得できず、決選投票となるのがほぼ確実であることがわかった。総裁選挙で誰に投票するかたずねたところ、河野40%でトップ、岸田25%で続き、高市が19%、野田6%。「まだ決めていない・わからない」との回答は10%。この結果を総裁選挙の仕組みに従って党員・党友票に換算すると、382票のうち、河野が全体の40%を超える170票程度を獲得する情勢であるものの過半数には届かず、岸田は110票ほど、高市は80票ほど、野田は25票ほどを獲得する情勢であることがわかった。一方、同じ382票の国会議員票の情勢は、岸田が全体の30%強、120票程度を固めているほか、河野も30%を超え、120票をうかがう情勢、高市は約20%の70票程度を獲得する情勢で、野田は推薦人20人以上の支持が広がっていない。約10%の議員が態度を明らかにしていない。党員・党友票と国会議員票を合わせると、河野氏が280票以上獲得し1位となるが、過半数の383票を獲得できない見通し。このため、230票程度を固め、2位になる可能性が高い岸田氏と、河野氏による決選投票となることがほぼ確実な情勢。党員・党友への調査で「まだ決めていない」などと答えた人が約10%いるほか、国会議員では直前で投票先を変える議員も現れる可能性がある。このため、情勢は変わる可能性も残っている。
 9.26日午後、岸田が、記者団に対し、「混沌とした厳しい総裁選になることを覚悟している。激戦、接戦だが、なんとか戦いを進めることができている」。上位2人による決選投票については「頭の体操はしている」と述べた。
 9.27日(月)
 9.27日、石破派が、休会中だった山本有二元農林水産相が石破派を退会したと発表した。山本氏は17日付で鴨下一郎事務総長に退会届を提出していた。これにより、同派は16人となる。
 9.27日、岸田陣営が国会内で選挙対策本部会合を開いた。本部長を務める遠藤利明元五輪相は冒頭のあいさつで「何としてもみなさんの力で岸田新総裁を誕生させてほしい」と訴えた。 出席者によると、決選投票で河野と高市が対決する場合、高市の支援を回ることを確認したという。
 9.27日、旧竹下派(平成研究会、51人)会長代行の茂木敏充外相は派閥会合で、党総裁選についてベテランから若手まで『分厚いオール自民党』の体制を誰だったら築けるか(派内の)意見を聞いた。「現状では岸田を支持したいという声が多い」、「ただ、河野と高市、野田を支持する議員もいたとして、最大限尊重する」と述べた。その上で「1回目の投票はもちろん、特に決選投票では、できる限りまとまって対応していきたい」と訴えた。同派では35~40人程度が岸田支持に回る見通しで、茂木氏の発言は事実上の支持表明といえる。
 9.27日、岸田が、伊吹文明元衆議院議長の仲介を経て、二階幹事長と会談をしている。二階氏はこれまで“岸田氏だけは許さない”という態度を取っていたとされていたが、この会談が成立して、二階氏の岸田乗りの動きが決まった。
 9.27日、毎日新聞は終盤情勢を探った。岸田130票超、河野と高市が追う。党員・党友票を加味すると、河野が3割台半ばを占めて首位をうかがうが、当選に必要な過半数には達しない見通しで、上位2人による決選投票が実施されるのが確実な情勢だ。国会議員票の動向については、130票超の岸田に対し、河野が100票超、高市が80票超。野田は約20票。岸田は岸田派(46人)を固め、竹下派(51人)の半数以上から支持を受ける。細田派(96人)や麻生派(53人)にも浸透する。竹下派は態度決定を先送りしてきたが、27日の派閥総会で事実上、岸田支持を確認した。ただし、他3候補を支持することも容認する。河野は麻生派の約5割、石破派(16人)や石原派(10人)の多くから支持を受け、二階派(47人)の約4割にも浸透。高市は支持を受ける安倍前首相が強い影響力を持つ細田派の半数以上を固め、野田は苦戦している。 党員票の動向も加味すると、河野が全体の3割台半ばを獲得しそうだ。岸田は3割強の見込みで、両氏が競り合っている。高市は2割強、野田は1割未満の情勢だ。ただし、国会議員のうち1割程度は態度未定・不明で情勢はなお流動的な要素も残る。
河野 国民の広い支持をいただいて、それをもとに勝ち抜いていく戦略に変わりはない。
岸田 最後の最後まで結果は分からない。緊張感を持って戦い抜きたい。
高市 手応えはとても良くなってきている。
野田 最後まで走り抜く。
9.27日、自民党は27日、2017年の衆院選比例代表北陸信越ブロックの次点で落選した金子恵美元衆院議員の公認を取り消したと発表した。同ブロックで復活当選した石崎徹衆院議員=自民離党、無所属=が議員辞職願を提出しているため、辞職が認められれば金子氏は繰り上げ当選となるが、党執行部に辞退の意向を伝えていた。これに伴い、繰り上げ当選の対象は、金子氏の次の小松裕元衆院議員となる。
 9.28日(火)
 9.28日、西日本新聞調査による九州7県選出の党所属国会議員44人の支持動向。岸田17人(38・6%)、河野13人(29・5%)、高市5人(11・4%)、野田1人。8人は非公表や未定。岸田は岸田派所属の11人がまとまって支援。細田派の衛藤征士郎氏(衆院大分2区)や麻生派の大家敏志氏(参院福岡選挙区)らベテランや中堅を中心に支持を集めた。「候補の中で最も政策に明るい」(衛藤氏)などの評価が上がっている。河野は、所属する麻生派の5人中2人が支持。推薦人には石原派の坂本哲志氏(衆院熊本3区)や旧竹下派の山下雄平氏(参院佐賀選挙区)らが名を連ねた。武田良太氏(衆院福岡11区)ら二階派の3人も推す。石原派の金子万寿夫氏(同鹿児島2区)は「改革意欲と突破力に期待した」と語る。高市は、旧竹下派の木原稔氏(衆院熊本1区)と無派閥の江藤拓氏(同宮崎2区)が推薦人。麻生派の井上貴博氏(同福岡1区)や細田派の谷川弥一氏(同長崎3区)らも支持する。野田の支持は推薦人の宮路拓馬氏(衆院比例九州)のみにとどまっている。麻生派会長の麻生太郎氏(衆院福岡8区)は態度を明らかにしなかった。鬼木誠氏(同福岡2区)は「私の支援者で推す候補が割れており、誰に入れたかは公表しない」と話した。一方、参院比例選出の九州関係議員の間でも支持が割れた。二階派の衛藤晟一氏は高市、無派閥の園田修光氏は河野の推薦人にそれぞれ付いた。二階派の自見英子氏は非公表としている。九州7県で県選出議員が13人で最多の福岡県。今回の自民党総裁選は、過去のケースと異なり、多くの派閥が事実上の自主投票としたが、岸田派(4人)は全員が岸田、二階派(3人)は全員が河野を支持し、態度を明らかにしていない麻生太郎副総理兼財務相(8区)を除く3人が3候補に分散した麻生派との違いが鮮明になっている。県選出議員は他に、旧竹下、石原の両派が各1人。岸田派は派閥副会長の山本幸三衆院議員(10区)ら衆参議員が結束。前回は菅義偉首相に敗れたが、今回こそ総裁に押し上げようと支持拡大に奔走する。二階派は4人の候補の中で岸田にだけ推薦人がいない。岸田が掲げた党役員任期の党改革案は、「1期1年 連続3期まで」などの内容。5年にわたり幹事長を務める二階俊博氏を狙い撃ちした形で、その影響がうかがえる。県選出では武田良太総務相(11区)らが所属する。対応が割れた麻生派は、各議員の思惑がにじむ。原田義昭衆院議員(5区)は「実行力がある」と河野に期待し、衆院選を念頭に「選挙の顔になる」。井上貴博衆院議員(1区)は麻生氏の盟友の安倍晋三前首相が後押しする高市を、大家敏志参院議員は岸田氏をそれぞれ支持する。県選出13議員の支持動向をみると、河野氏と岸田氏がともに5人で、拮抗(きっこう)している。
 自民党総裁選は最終盤に入り、決選投票を見据えた駆け引きが激化した。河野がリードしているとみて、岸田を推す甘利明党税調会長と、高市を支援する安倍晋三前首相が「2位―3位連合」を視野に会談。「河野氏包囲網」とも取れる動きに対抗しようと、河野陣営に加わる二階派の一部が1回目の投票で高市に票を回す「奇策」も浮上している。「岸田さんはしっかりしてきた。たくましくなった」。安倍氏は27日、衆院議員会館で甘利氏と向き合い、こう伝えた。岸田陣営は、決選投票に進んだ場合の支援についても「好感触」(幹部)を得たという。甘利氏はこの後、所属する麻生派の会長、麻生太郎副総理兼財務相と面会した。安倍氏との会談内容を報告したとみられる。安倍氏は、保守的な政治信条が重なる高市を全力で押し上げてきた。自らの支持基盤である保守層へのアピールに加え、岸田が告示前、森友学園問題について「国民が納得するまで説明する」と発言したことへの反発もあったとされる。だが、高市が決選投票に残った場合、岸田率いる岸田派(46人)は高市のタカ派的な政策と相いれず、河野支援に流れるとの見方がある。安倍氏が岸田への態度を和らげたとすれば、「政敵」である石破を取り込んだ河野の当選阻止に傾いている可能性もある。岸田は国会議員票で優位に立つが、「党員人気」では河野に遠く及ばない。このため、議員票の比重が大きい決選投票に進んで逆転する戦略だ。岸田支持が6割を占める旧竹下派の会長代行、茂木敏充外相は27日の同派会合で「決選投票はできる限りまとまりたい」との意向を示し、岸田陣営では結束しての支援に期待が高まる。高市も勝負を諦めてはいない。安倍氏の「しつこい」とまで言われる電話を使った多数派工作を背に議員票で岸田を猛追しており、党員票次第で2位に入る可能性も取り沙汰される。陣営は岸田を支持する議員の7割確保を目標に、決選投票で高市に投票するよう呼び掛けている。一方、河野陣営は議員票が伸び悩み、決選投票に不安が拭えない。こうした中、河野を支持する二階派議員が1回目に高市へ投票する動きがあると党幹部らが明かす。岸田をはじき出して、高市を相手にした方が勝算があると踏んでいるためだという。同派幹部は27日に党本部で対応を協議。28日には派閥会合を開く。ただ、同派会長の二階俊博幹事長は自身の対応も明言していないとされ、派閥の方針とは言えない。河野は26日のフジテレビ番組で、高市に票を回そうとしている動きを司会者が伝えると「ひどいフェイクニュースだ」といら立ちをあらわにした。周辺も「票を流す余裕はない。2位にすら入れなくなる」と否定した。野田は、記者団から決選投票への対応を問われ「一番目指して頑張るのみだ」と語った。 
 河野は、小泉環境相と東京・新宿区を訪れた。 その視察先で、河野氏が「おはようございまーす」とあいさつすると、「“総理”頑張って」と、気の早い声援を送られました。河野氏は「ありがとう!」と返しました。 報道陣から「決選投票が確実な情勢という見方が強まっていますが」と問われると、河野氏は「国民の広い支持をいただいて、それをもとに勝ち抜くという戦略に変わりはありません」と答えました。岸田)は、国会近くの日枝神社で、必勝祈願をしました。拝礼し、「最後の最後まで結果は分からない。そういう総裁選挙だと思います」と語りました。
 9.28日、『news zero』独自取材によると、総裁選情勢は河野「280票以上」、岸田「約230票」で決選投票の公算大。上位2人による決選投票を見据え、水面下の動きが活発になっている。1回目の投票で3位になった陣営が、2位の陣営を決選投票で推す「2位3位連合」も注目される。日本テレビが25~26日に行った独自取材では、党員・党友票と国会議員票を合わせると、河野氏が280票以上を獲得し1位となる情勢ですが、過半数には届かない見通しです。 1回目の投票では決着はつかず、230票ほどを固めて2位になる可能性が高い岸田氏と、決選投票になることがほぼ確実です。 こうした中、1回戦で3位になった陣営が、2位になった陣営を決選投票で推す「2位3位連合」が注目されています。取材に基づく情勢では3位の高市は27日、「思いがけない方から、応援のエールもたくさん賜っております。こうなったら勝ちに行きます」と話しました。 水面下で行われる、票の切り崩し。 高市氏陣営の議員 「『表向きは河野(ワクチン担当相)のままでいいから、こっちに来い』と言っている。寝返りそうな人には、高市本人にピンポイントで電話をかけさせている」 高市氏陣営の別の議員 「仮面をかぶっている議員が多いから、そこを1つ1つつぶしている」 支持拡大を狙い、終盤の戦いが熱を帯びています。陣営の議員から「出遅れが響いている」との声が上がる野田聖子幹事長代行(61)は、「今はとにかく、1番を目指して頑張るのみなので、仮定の話はありません」と述べました。
 9.28日、日刊ゲンダイが又もやゲンナリウンザリの与太記事「総裁選は“2番手”岸田文雄氏が決選投票で逆転勝利濃厚…自民の墓穴に野党はシメシメ」なる記事を載せている。勝手に河野を囃し立て1回目の投票で過半数を制して当選するなどとおだてていたが、終盤情勢で河野がトップに立つものの過半数には及ばず、2位予想の岸田との決選投票にもつれ込む。決選投票になれば2位・3位連合で高市の票が乗る岸田が断然、優位。 野党側は岸田総裁を歓迎している。河野総裁なら人気者の小泉氏や石破氏が幹事長などの要職について選挙応援に駆け回ることになったら野党は壊滅しかねません。その点、安倍傀儡の岸田政権なら戦いやすいとの立憲民主党関係者。「岸田氏が新総裁に選ばれた場合、自民党は50議席くらい減らす可能性があります」(政治評論家・野上忠興氏)。
 9.28日、二階幹事長は記者会見で、立候補した4氏の誰を支持するかについて「まだ決めていない」と明言を避けた。二階氏は当初、菅義偉首相の総裁再選を支持し、その後、出馬を断念した菅首相は河野への支持を明言している。記者団からこの点を問われた二階氏は「私が最初に(菅首相を)支持すると言ったことと、(河野氏を支持するかどうかは)物事は全然別のことじゃありませんか。なかなか誘導尋問はうまいけど、そうはいかない」とかわした。
 9.28日、週刊FLASH 2021年10月12日号が、最有力の岸田文雄氏も「勝ちたくない」とボヤキなめ記事を載せている。ほぼ全文駄文なので採り上げない。ポイントは、「岸田氏が『俺は今回、勝ちたくない』と周囲にそうこぼすことがあるという」の下りである。んなことは云い訳ないだろうに、伝聞で云ったとしている。噴飯ものとはこのことだろう。
 9.28日、議員票で一歩リードする岸田が決選投票で優位に立つ情勢となった。岸田は、党内第3派閥の竹下派が事実上の岸田支持を打ち出し、議員票の3割以上を固めた。決選投票では、3位になった高市さんの票を上乗せして勝つ戦略。対する河野陣営は苦戦。高市は、2位になれば混乱するとの警戒感から、ここにきて支持拡大を抑える動きが出ている。野田は支持が広がらず、決選投票になった場合、二階派の動きも見て決めたいとの声もある。  
 9.28日、テレビ朝日。自民党の総裁選は、国会議員票では、岸田と河野がそれぞれ3割を固め接戦となっている。ANNの取材によりますと、岸田は自身の岸田派に加え、竹下派の7割近くから支持を得ていて130票に迫る勢い。河野は、石破派と石原派の大半に加え麻生派や二階派から半数の支持を固め120票に届きそう。高市は2割以上を固め80票ほど確保したと見られている。野田は推薦人20人から広がりをみせていない。およそ40人は態度不明。党員票では、河野がおよそ半数をとり優勢とみられるが、全体の過半数をとるのは難しいとみられている。そのため、党員票で優位に立つ河野と議員票で優位に立つ岸田との決選投票となる可能性が高まっている。決選投票では、党員票が382票から47票に圧縮されるため、議員票で多くの支持を得る岸田氏が優位に立つとみられる。
 9.28日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」で自民党総裁選の分析が行われた。 1回目の投票では4候補ともに過半数に届かず、上位2人による決選投票となる見込みを伝えた。「1回目は河野280票以上、岸田約230票、高市約160票、野田約45票」との分析結果が示されたが、2回目の結果までを読み切るのは難しい状況を伝えた。出演した日本テレビ記者も、態度未定の議員も多く、現状は結果が読めないと答えると、司会の宮根誠司は「木村太郎さんは高市さんじゃないかと言ってんだよね」と明かした。高市は現状3位と予想されているが、猛追しているとの指摘もあり、宮根は木村氏の予想について「あの人、トランプ当てた人だから油断ならないのよ」とうなっていた。
 9.28日、高市は、二階俊博幹事長と党本部で面会した。総裁選の支援要請とみられる。
 9.28日夜、岸田と高市の両陣営幹部が東京都内で会談し、決選投票で岸田と高市のどちらかが河野と対峙(たいじ)することになった場合、両陣営が協力することで正式に合意した。両陣営の関係者が明らかにした。 総裁選をめぐっては3氏と野田のいずれも1回目の投票で過半数を得られず、上位2人による決選投票に進むとの見方が強まっている。関係者によると、岸田と高市の両陣営幹部は、河野の年金政策やエネルギー政策などが不安定だという問題意識を共有した。総裁選後に控える衆院選や来年の参院選に向け、「政権の安定性」を重視する観点から共闘することを決めた。
 9.29日(水)

 ◆ 総裁選「9月17日告示・同29日開票」で決定(自由民主党, 2021年8月26日)

 党員投票の締め切りは同28日。党員票は28日必着。同29日に党都道府県支部連合会で集計した各候補者の得票数を党本部で合算し、各候補者の得票数を基に党所属国会議員数と同数の「総党員算定票」をドント方式で各候補者に比例配分する。

 https://www.jimin.jp/news/information/201959.html
 
◆ 自民党総裁選2021 党員投票の締切は9/28(火)必着(TOKYO自民党)
  東京都内在住の党員・党友の皆様におかれましては、投票の締切が『9/28(火)銀座郵便局必着』となっております。
 https://www.tokyo-jimin.jp/2021/09/1217

 ◇29日の自民党総裁選スケジュール

 午後1時、投開票開始(東京都内のホテル) 午後2時20分めど投票結果発表
  ※過半数獲得の候補がいなければ上位2人で決選投票午後3時40分めど
 決選投票結果発表 夕以降   
 新総裁記者会見(党本部)
 9.27日、自民党は27日、菅義偉首相の後継を決める党総裁選について、党所属国会議員による投票を29日午後1時から東京都内のホテルで行うと発表した。28日に締め切られる党員・党友票と合わせて直ちに開票され、午後2時20分ごろに1回目の投票結果が発表される。過半数獲得者がいなければ決選投票に移り、午後3時40分ごろ最終結果が判明する見通し。 
 自民党総裁選は29日に投開票する。党員・党友票は都道府県連ごとに朝から開票し、党本部が合算して集計する。午後1時からの国会議員の投票が終わるまでは明かさず、午後2時20分ごろ議員票と同時に公表する。議員の投票心理に影響を与えないようにする狙いがある。党員票は告示日の17日に党員へ発送した往復はがきを28日必着で居住地の各県連に返送したものだ。各県連が4候補の得票数をまとめて同日午前のうちに党本部へ報告する。党本部は各県連の開票結果を合計し「ドント方式」と呼ぶ仕組みで4候補に割り振る。議員の投票が始まる午後1時までに計算を終える予定だ。議員票の内訳と同じタイミングで党員票を発表する。全国の党員票を集計する今回と同じ形式で開いた直近5回の党員票の投票率は平均60%だった。投票資格を持つ党員・党友はおよそ110万人いる。
 9.22日、BuzzFeed Japan / 千葉雄登「自民党総裁選の「投票用紙」がメルカリに。党員ではないのに届くケースも? 党本部の見解は…」参照。
 9月29日に開票が行われる自民党総裁選の「総裁選投票用紙」がフリマアプリ大手のメルカリに2万円で出品されていた。商品の登録カテゴリーは「チケット」。1~2日で発送すると書かれていた。出品者は「総裁選挙の投票用紙です。自民党員ですが、政治に興味がなくなりましたので、お譲りします」と説明している。ほかにも、SNS上では党員や党友でもないのに投票用紙が届いた、投票用紙が10枚も届いたといった声があがっている。一体、何が起きているのか?

 自民党は9月16日、今回の総裁選の投票資格を持つ党員・党友ら選挙人の数を110万4336人と発表した。 投票できるのは、党費・会費を過去2年支払った党員および党友(自由国民会議会員)だ。今回は2018年の総裁選と同様、前年の2020年だけ党費・会費を納めた人も投票できるという特例を設けている。 自民党公式サイトによると、党員が支払う党費は次の通り。「一般党員:年間4000円 ・家族党員:年間2000円 ・特別党員:年間2万円以上」。「投票用紙」をめぐるトラブルはこれだけではない。 「自民党の党員、党友でもなく会費払った記憶も無く、 そもそも自民党支持者でもないのに、 自由民主党滋賀県支部連合会から総裁選挙投票用紙の往復はがきが きた…」 。9月18日、あるTwitterアカウントは総裁選の投票用紙とみられる写真とともにこう投稿している。それ以外にも、「帰宅したら届いていた」、「宛名見たら別人だらけ」と10枚もの「投票用紙」の写真を投稿する人や、「夫の職場の理事長が自民党なため従業員は自動的に党員にされているらしく、総裁選の投票用紙が来た」と投稿するアカウントも確認されている。

 自民党総裁選選挙管理本部の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、メルカリに出品された「総裁選投票用紙」について次のように書面で回答した。 「フリマアプリ『メルカリ』に自由民主党総裁選挙党員投票の投票用紙と見受けられるものが出品されていたことは把握しております。同社事務局に対し、商品として不適切な可能性がある旨を報告し、すでに削除されております」 。SNS上で散見される「投票用紙」にまつわる投稿はどうか? 担当者は「総裁選挙に関し、SNS上にさまざまな投稿があることは承知しております」と回答。 党員・党友でもないのに投票用紙が届いたとする投稿については「投票用紙は、選挙人資格に基づき党員・党友名簿を精査した上で、郵送しております」、「入党手続きについては、党則、内規に基づき適切に行っております」と答えた。 あるアカウントが「宛名見たら別人だらけ」と10枚もの「投票用紙」の写真を投稿した件に関しては、「すでに削除されているため、回答いたしかねます」とした。 メルカリで投票用紙を購入したり、多数の党員を登録したりすることで、1人で複数票を投じることもできるのだろうか? 自民党本部の担当者は「選挙人の投票は1人1票です」「選挙人については、精査を行ったうえで確定しています」とルールを強調した。
 【政界地獄耳】メルカリに投票用紙…ずさん総裁選
 https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109250000063.html
 2021年9月25日8時17分 日刊スポーツ
★ネットには「自民党の党員、党友でもなく会費払った記憶も無く、そもそも自民党支持者でもないのに、自由民主党滋賀県支部連合会から総裁選挙投票用紙の往復はがきがきた…謎」などの書き込みが載る。ネットのフリーマーケット、メルカリには「総裁選挙の投票用紙です。自民党員でしたが、政治に興味がなくなりましたのでお譲りします。価値が分からないので、値段交渉OKです。一番高かった方にお譲りします。期限がありますので、普通郵便の速達でお送りします」との書き込みも投票用紙の写真とともに載る。

★自民党総裁選挙は国会の首相指名を経て首相になる可能性の高い人たちを選ぶものでありながら、ずさんな管理体制であることが露呈する。自民党の党勢拡大の旗の下、議員には党員獲得ノルマがかかることは知られている。党員を獲得できないと罰金が発生するといわれ、17年には五輪担当相・丸川珠代が罰金対象になった。「党員として大変お恥ずかしい」としたが、その時は党所属国会議員の中で最下位となった。14年からすべての所属国会議員に新規・継続をあわせて「党員1000人」のノルマがあり未達成分1人につき議員が2000円を党に納めるペナルティー制度もできた。

★丸川は潔い方で、数をそろえるために後援会社、組織が「4000円の党費負担はさせないから」という言い訳で、社員・会員名簿を出す。罪の意識がなければ、許可もなく友人知人をリストアップする。幽霊党員が出来上がる仕組みだ。これが公選法に抵触しないからなんでもありの責任政党の首相の選び方とは恐れ入る。

★無法地帯のベースはこの党員集めの時から始まっているといえる。今回も家族で10票あるとか、乱暴な話が飛び交う。もしこれが本当の選挙ならば大変なことだが、逆に言えば本当の選挙じゃないということか。お粗末な話だが、党改革はここからではないか。この国の異常な常識だ。(K)※敬称略
 毎日新聞 2021/9/26 16:54(最終更新 9/26 16:54)

 29日投開票の自民党総裁選を巡り、ツイッター上で「党員・党友じゃないのに投票用紙が届いた」と戸惑う投稿が相次いでいる。議員の支援者らを介して、本人の知らぬ間に党員登録されていたケースも発覚。国会議員や職員に課される党員獲得ノルマが一因との見方もあるが、事実上、次期首相を選ぶ重要な選挙だけに、手続きのずさんさに非難の声が上がる。「え?私…自民党員なん?全く身に覚えがないんだけど」。総裁選告示翌日の18日、大阪市内に住む女性はツイッターでこうつぶやいた。添付画像のはがきには「自由民主党大阪府支部連合会」の文字。紛れもない、総裁選の投票用紙だった。




(私論.私見)