竹中平蔵よ、お前は、既に包囲されている。手を上げて出てこい。
●『月刊日本』の「政商・竹中平蔵大批判」特集の中の、衆議院議員・亀井亜紀子氏のインタビュー記事です。森ゆうこ参議院議員、篠原孝衆議院議員に続いて、亀井亜紀子衆議院議員も、竹中平蔵批判に取り組んでいるようです。広範な「竹中平蔵包囲網」を構築して行きたいものです。一過性の竹中平蔵批判で終わらせてはなりません。執拗に、粘り強く、竹中平蔵の政治犯罪を追及していかなければなりません。
●亀井亜紀子氏は「竹中平蔵」だけではなく、あまり馴染みのない「原英史」という名前も出して、批判しています。「原英史」とは、森ゆうこ参議院議員の質問や批判を、「事実無根の誹謗中傷」と言い、「人権侵害」だか「名誉毀損」だかで提訴し、裁判闘争を仕掛けている、竹中平蔵の仲間です。
〓〓〓〓以下引用〓〓〓〓
公共サービスや公共財産を民間に売り飛ばす。竹中平蔵が進める「民営化」という名の「私物化」<亀井亜紀子氏>
2020/06/25 15:32ハーバー・ビジネス・オンライン
竹中平蔵
国家戦略特区
スーパーシティ亀井亜紀子利害関係地方公共団体
規制緩和未来投資会議スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会私物化
公共サービス
Icon sns twIcon sns fbIcon sns hb
0
竹中平蔵氏 Photo: Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images
◆竹中平蔵氏は政府諮問会議から退くべきだ
スーパーシティ法案(改正国家戦略特区法)が成立しました。AI(人工知能)とビッグデータを活用し、自動運転、キャッシュレス、遠隔医療などが可能な「未来都市」を構築する構想とされていますが、「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」の座長としてこの法案を推進したのが竹中平蔵氏です。
亀井亜紀子氏(以下、亀井):今回もまた、利害関係者である竹中さんが法案を主導しました。これまでも竹中さんは、国家戦略特区諮問会議の民間議員として、様々な規制改革を推進してきましたが、何度も利益相反を批判されてきました。例えば、国家戦略特区の大阪、神奈川などで外国人家事代行サービスが解禁されると、竹中さんが会長を務めるパソナがいち早く参入しました。また、竹中さんが社外取締役を務めているオリックスの子会社であるオリックス農業が特区の兵庫県養父市に参入しました。竹中さんは、東洋大学教授という肩書きを使い、学識者として政府の有識者会議に入り込み、自らが会長や社外取締役を務める企業に有利な規制改革を推進しているのです。許されることではありません。
私は、4月15日に開かれた衆議院の地方創生に関する特別委員会でも、利害関係者が有識者会議のメンバーになっていることは問題だと追及しましたが、北村誠吾地方創生担当相は、有識者懇談会には「国際的な動向を始めとするすぐれた識見をお持ちの人」が委員になる必要があると述べています。しかし、竹中さんのような利害関係者ではない有識者、専門家はいくらでもいるのです。利害関係者である竹中さんは、ただちに民間議員を退くべきです。
「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」座長代理は、コンサルティング会社「政策工房」社長の原英史さんが務めています。彼もまた竹中さんと同じように国家戦略特区諮問会議の民間議員を務めています。2018年には漁業法が改正され、漁業権が漁協から取り上げられて知事権限になりましたが、特区ワーキンググループ委員を務めている原さんが、真珠養殖の拡大を目指す真珠販売会社社長の相談に乗っていたことが問題*になりました。
〈参照:しんぶん赤旗〉
◆公有財産の私物化を許すな
── 国家戦略特区では、反対論が強くて実現が困難な規制緩和も認められてきました。
亀井:国家戦略特区における規制緩和は、ありとあらゆる分野に広がっています。法律で規制されていることであっても、特区法の改正によって何でもできるようになってしまうということです。まさに無法地帯です。しかも、決定プロセスに大きな問題があります。国家戦略特区では、区域ごとに区域会議が設置されていますが、そのメンバーとなっているのは、担当大臣、地方公共団体の長、特定事業を実施すると見込まれる者だけです。計画段階の議論に住民代表が入っていないのです。地域住民不在のまま、参入する事業者のために規制緩和の議論が行われているのです。参入する事業者と地方公共団体の長、担当大臣が組んでしまえば、大枠は決まってしまうということです。
特区には、国家戦略特区以外に、総合特区と構造改革特区がありますが、総合特区と構造改革特区は地方公共団体が主体となって規制緩和を進める特区であり、ボトムアップ型です。
これに対して国家戦略特区は、国家戦略特区諮問会議がトップダウン型で主導しています。その諮問会議の民間議員に利害関係者が入り込めば、地元住民の意見が無視されたまま、参入する事業者に都合がいいように規制改革が進められてしまうということです。しかも、地方創生といいながら、特区に指定されているのは、東京圏、関西圏、愛知県など都市部が中心です。住民不在のまま規制改革を推し進める国家戦略特区は廃止すべきです。
竹中さんは未来投資会議(旧産業競争力会議)の民間議員も務めています。行政が公共施設などを保有したまま、民間企業に運営権を売却・委託するコンセッション方式を推進し、水道民営化を主導したのも未来投資会議です。オリックスは、水道事業にも参入しています。
また、国有林で最長50年間の伐採権を民間業者に与える改正国有林野管理経営法が、今年4月に施行されました。この国有林の民間開放を提唱していたのも、竹中さんです。未来投資の名のもとに、公共サービスや公有財産を民間に売り渡し、私物化しているのです。竹中さんは、未来投資会議からも退くべきです。
◆住民がスーパーシティ構想に声を上げるしかない
── スーパーシティ構想によってプライバシーが侵害されると懸念されています。
亀井:スーパーシティ構想では、「自動走行」「ドローンでの自動配送」「キャッシュレス決済」などが計画されています。こうした構想を実現する際、個人情報が参入企業に提供される危険性があります。地方公共団体は、家族構成、収入、納税、健康保険料など、幅広い個人情報を保有しています。
例えば、ドローンによる医薬品配送を行う事業者に、市立病院が保有する個人の医療情報が提供されるといったことも懸念されます。一部の企業に個人情報が集積されることは重大な問題です。グーグルはトロント沿岸部にスマート・シティを構築する事業を推進していましたが、プライバシーの侵害や監視社会になることへの反対運動が高まり、撤退を余儀なくされました。
また、きちんとしたルールを整備しないまま、スーパーシティ構想を進めれば、様々な問題が生じます。スーパーシティでは自動運転に注目が集まっていますが、仮に死亡事故が発生した場合に誰が法的責任を負うのか明確になっていません。2018年には、米国アリゾナ州で、ウーバー・テクノロジーズの自動運転実験車両が死亡事故を起こしています。
法案は成立してしまいましたが、特区の住民がスーパーシティ構想の問題点に気づき、声を上げ続けるしかありません。そのために、私たちは、住民に対してスーパーシティ構想にどのような問題があるかについての情報発信をしなければなりません。マスメディアが果たすべき責任も大きいと思います。
(聞き手・構成 坪内隆彦)
かめいあきこ●立憲民主党所属の衆議院議員。学習院大学法学部政治学科卒業後、カナダに留学。カールトン大学マスコミュニケーション学科卒業。通訳や政策秘書を経て政治家へ。
Twitter IDは@kameiakikoweb
<『月刊日本7月号』より>
【月刊日本】
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
|