石原慎太郎論その3、都知事時代2006年-2012年まで

 (最新見直し2012.10.29日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「石原慎太郎論その3、都知事時代2006年-2012年まで」を考察する。

 2012.10.29日 れんだいこ拝


 2006(平成18)年

 【日本橋を移転】
 1.20日、記者会見にて、 東京名所「日本橋」を覆い隠している首都高速道路について、現在の景観は「ナンセンスで非常に野蛮な街の造形」と述べながら、「首都高を造り直すとか、ビルの中を通すとかは大変。あの場所になくても、あの橋そのものがあればいい」、「つまらん金かけるより、日本橋をどこか近くの川に移したらいい」、「こういう発想をするのが小説家なんだよ」。

 【日本橋を移転】
 1.27日、定例記者会見にて、 「ジェンダーフリー」をバッシングして、「何もね、日本なんだから英語使うことねえんだよ、わけのわからない英語をね。だからね、日本語にうまく訳せばいいじゃないですか。そうすればもっとわかりやすいよ。「ジェンダー」とか「フリー」とか言ったってね、英語のわからない人はさっぱり、おじいさん、おばあさんはわからんよ、そんなものは。日本語でやってくれ、日本語で」。

 【三宅村村議会に暴言】
 2.3日、三宅村「感謝の集い」のレセプションにて、 三宅村が国、都に復興への財政支援を求めていることについて、「アイデアはいくらでも出すが、『国・都から金出せ』ってのはだめだ。甘ったれちゃいけない」、「人を(観光で)連れて行くためにはアトラクションをしなくちゃいけないが、すぐ反対するやつが出る。三宅島は伊豆七島で一番意見がまとまらない島だ。反省した方がいい」。2000年に都職員を助役に選任する議案を村議会が否決したことについても触れ、「せっかく(当時の村長に)頼まれて人を送ったら村議会のばかどもが否決した。おれは『お前ら、東京の顔をつぶしたな。そのうちひどい目に遭わせてやる。覚えていろ』と言ったんだ」 。 参考:【三宅村議会バカ呼ばわり】 【三宅島公道危険レース】 【恥をかくのはてめえ発言】 【ほえ面かくな発言】

 【ニートは穀つぶし発言】
 3.14日、予算特別委員会で、 「フリーターとかニートとか、何か気のきいた外国語使っているけどね、私にいわせりゃ穀つぶしだ、こんなものは」。

 【黙って聞けこの野郎発言】
 3.16日、都議会予算特別委員会の共産党の大山とも子議員への答弁の中で、知事が「あなた方の、何かの一つ覚えみたいな発言を聞いていますと…」と答弁を始め、「質問に答えて」と声が上がったことに対して別の同党議員に向かって「答えてるんだ。黙って聞け、この野郎」と大声を上げ、「失礼じゃないか貴様、答えている時に」と続けた。

 【自分の国の言葉を完全にマスターしない人間】
 4.7日、記者会見で小学校での英語必修化の動きを批判して、「自分の国の言葉を完全にマスターしない人間が、外国の知識の何を吸収できるのか」、「若い人の国語力は低下している。人間の感性や情念を培うのは国語力だ」。

 【フランス美術を侮辱発言】
 4.20日、東京都現代美術館「カルティエ現代美術財団コレクション展」のオープニングセレモニーで、 「今日ここに来て、何かすごいものが見られると思っていた。ところが実際は、何も見るべきものがなかった」、
「ここに展示されている現代美術は、まったくもって笑止千万なもの」。

 仏フィガロ紙21日付は、「日本文化は西洋文化より優れている 東京都知事」の見出しで、石原氏が「ためらうことなく、現代美術を『無そのもの』と評した」とし、二千人近くが参加したセレモニーに「冷や水を浴びせた」と報じた。仏リベラシオン紙24日付は「会場には衝撃が走った」と述べ、ポスターにもなった彫刻作品に対する揶揄発言なども併せて報じた。各紙による石原氏評:「国家主義的思想の持ち主」「右翼ポピュリスト」(フィガロ)、「札付きの国家主義者」(リベラシオン)。参考:【フランス語侮辱発言】

 【石原都知事一行が米国ニューヨーク視察、大名旅行】
 4月、台湾(18人)、1504万円。

 【英国ロンドン、マン島の超豪勢な「7日間海外視察」】
 5-6月、五輪招致を名目として英国ロンドン、マン島の「7日間視察」。出張の目的は、「オリンピック招致方策等調査・視察、マン島観光施策調査・視察等」。18人で3573万円使っている。「飛行機はチャーター機やファーストクラス、宿は超一流ホテル」の贅沢ぶりだったと云われる。「石原都知事はいつも優雅にファーストクラスで出張するため、航空運賃は米国の往復で1人当たり100万~140万前後、 欧州の場合は150万~170万円。現地交通費も超高級車を借りるため、欧米の場合、1回当たり100万~180万円、リムジンに乗ったときは6日で126万円も払っている。ホテルも一流ホテルのデラックスルーム。特定の旅行会社、同じ通訳を使っており、通訳料は1回200万円」(都議関係者)。

 【東京地裁判決「ホテル代高過ぎ」】
 6.16日、定例記者会見で、石原知事らが海外出張した際の旅費を巡る訴訟の判決で東京地裁(杉原則彦裁判長)は「条例に定められた事前協議を経ずに増額された」として請求額の一部を違法支出と認定し、石原知事ら2人に計約98万円の返還を請求するよう都に命じた。都の条例で認められる宿泊費(5日分)約20万円に対し、70万円余を公費で支払ったことが違法と認められた。増額する際は事前に都人事委員会と協議する必要があったが、協議していなかった。

 「事務の手続きのミスで、それを指摘されれば、やっぱり是とせざるを得ないでしょう」、「今までの規定は低過ぎる。いつも申請してプラスアルファのところに泊まってるが、あの時は申請が遅れたようです」。参考:【40万円返還を命じる判決「単なる接待」】 【都政私物化 - 豪華海外出張】【東京地裁判決「ホテル代高過ぎ」】

 【ほえ面かくな発言】
 6.23日、定例記者会見にて、 瑞穂町議会が五輪招致決議案を否決したことについて、「頭がどうかしてるんじゃないのかよ。やっぱり頭を冷やした方がいいと思うね。何も得にならないと思うね。オリンピックが仮に決まって、その前に三多摩は(2013年開催予定の東京国体が)あるわけでしょう。その時になってほえ面かかないようにした方がいいよ、本当に」。

 【国威発揚オリンピック】
 1月、「スポーツと都市」をテーマにしたトークショーで、東京でオリンピック開催の意義についての発言「このごろ日本は元気がない。周りの国からなめられている。『日本をなめたらあかんぜよ』という表示にオリンピックをやりたい」。

 5.14日、 フジテレビ[報道2001」に出演して、なぜ1964年に続いて再び東京五輪なのかを質問され、「オリンピックを招致する意義は国威発揚のため。日本人はもっと自信を持つべきだ」。

 6.13日、東京都議会 代表質問での答弁。「日本が持っている力はいろいろあるわけでして、そういったものを顕示するためにも、古い言葉かもしれませんけれども、国威発揚のために、私は国がやっぱりその気にならなければ、新しいオリンピック、東京ならでは、日本ならではのオリンピックはできないと思いますので」。

 7.3日、記者会見で、海外メディアのインタビューで北京五輪ボイコットを呼びかけたことについて質問され、「中国が勝たない試合で大衆が騒ぐというのは、そういうレベルの低い国でオリンピックをあえてしようとするなら、そこら辺がどれだけの問題としてクローズアップするか知らないけども、その完全な保証がないんだったら、私はこのオリンピックというのは余り好ましくない、ボイコットの声だって出てくるんじゃないかということを言ったわけです」 。さらに、ナチスのベルリン五輪と対比されたようだが、との質問に、「ああ、そうですね。国威発揚というのかな。周りの国の侵犯というものを続けながら、一種の覇権主義というものを遂行する、その一つのインパクト、デモンストレーション、その国力を見せることの正当化というんですか、相手を有無を言わさない形でねじ伏せる、そういう意図にやや似てるんじゃないかという気がしますな」 。

 7.4日、千代田区内での講演で、「(北京五輪は)ヒトラーがやった非常に政治的なベルリンのオリンピックに、ある意味で似ているような気がしますが」。

 12.14日、都議会自民党の高島直樹政調会長の祝賀会の挨拶で、「共産党はオリンピック反対だって言うけど、この中にオリンピック反対の人いたら手挙げてもらいたい。そんなやつはぶったたけばいいんだ

 朝日新聞による2007年3月の調査では、「これまで通り進めるべきだ」は31%、「再検討すべきだ」が40%、「中止」も19%だった。 参考:【ほえ面かくな発言】 【怪しげな外国人発言】 【死ぬ気で戦え発言】 【五輪開催地としての東京の資格】

 【浜渦前副知事が都の参与に任命される】
 7.22日、石原都知事により都の参与(都政の課題について知事に助言する非常勤の特別職)に任命される。

 【オリンピック招致活動】
 8.30日、2016年夏季オリンピックの東京都での開催を目指し、招致活動を進め、国内候補地選定委員会において福岡市を破った。招致経費は55億円とされている。東京都は開催に向けて2006年度すでにオリンピック基金1000億円を積み立てており、その後3年間でさらに3000億円積み立てると表明した。「五輪が決まれば国が動かざるをえない。東京の欠点は交通渋滞。五輪を引き金に東京の暮らしがよくなる」とオリンピック招致の理由の一つとして道路渋滞の解消を挙げた。
 8.30日、プレゼンテーション後の祝賀パーティーのあいさつの中で、 五輪の国内立候補都市を巡り日本オリンピック委員会(JOC)の選定委員会で福岡市の応援演説をした姜尚中・東大教授に対して、「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」。

 【核兵器2年で持てる発言】
 9.2日、記者会見で、 自民党の中川昭一政調会長が、日本の核保有について「議論はあっていい」と発言したことについて質問されて、「議論したらいいんだ。中川発言って非常に大きな意味を持ったね。あれで中国はびっくりしたんですよ。中国が一番嫌ったのは日本の核保有だよね。日本はやろうと思ったら(核兵器を)2年で持てますから」。

 【またまた三国人発言】
 9.15日、都内であったシンポジウムで、 「不法入国の三国人、特に中国人ですよ。そういったものに対する対処が、入国管理も何にもできていない」。

 2000年の発言が問題になった時、一旦は「意図した意味と異なり、差別的に使われていた言葉だった」として「今後は、誤解を招きやすい不適切な言葉を使わない」と自ら表明している。

 【日の丸君が代強制に違憲判決】
 9.26日、都議会の答弁で、9.21日の東京地裁による入学式や卒業式での国旗・国歌の強制は違憲とした判決に対して、「当然控訴しますよ。あの裁判官は、東京の中学校、特に都立高校の実態というのを見ているのかね。現場を裁判官は行って見てみた方がいいよ」、「子供たちの規律を取り戻すために、ある種の統一行動は必要。その一つが国歌、国旗に対する敬意だ」。「判決は不当なものであり、控訴することは当然であります。あの判決に喜んでいるのは多分共産党と、今やかなりたそがれてきた日教組の残党と、当の裁判官くらいじゃありませんでしょうか」、「公務員は法令に従う義務がありまして、まして教員は、法令に基づく学習指導要領により、児童生徒を指導する義務があります」。

 【トーキョーワンダーサイトに於ける四男・延啓の重用を廻る質疑と釈明】
 9月、記者会見で、都立文化施設への都費支出が02年度比で2~4割カットなのに比べて「ワンダーサイト」事業(四男・延啓氏へ流れている都税)は8.4倍の4億7152万円と突出していることに関して、「(ワンダーサイト事業は)私が考えついたんだからね。トップダウンですよ」とコメントしている。(2011-04-09 「★石原慎太郎4億7152万円都政私物化 四男・延啓氏へ流れている都税 ・・・・・」)

 11.23日、日本共産党都議団が、都庁内の記者会見で、民間人である息子と知人を深く関与させているとして、「ワンダーサイト」事業の実態を告発した。

 11.24日、記者会見で、四男が都の事業の外部委員となって、公費で欧州出張していた問題を会見で質問され、(事業の委員に四男を選んだのに知事は関与したのかとの質問に)「私が別に命じたわけじゃなしに、それは(参与の)今村君なんかが決めたんじゃないですか」、「だって、息子でありながら立派な芸術家ですよ」、「余人をもって代え難かったら、どんな人間でも使いますよ、私は、東京にとってメリットがあったら。当たり前の話じゃないですか、そんなこと」。

 12.1日、記者会見で 、「あなた方、ちょっとおかしいんじゃないの、それ、私は、自分の子どもだろうと、誰だろうと、外国人だろうと、才能のあるというか、それはもう今村君に任せてる。私が決めたんじゃないんですよ。だれだっていいから、役に立つ人間で、しかも民間の人をボランティアで使ったらいいじゃないですか。おかしいね、ちょっとあなた方の感覚ってのは」。

 12.7日、都議会本会議で、共産党都議団の吉田信夫幹事長の質問に答えて、「いかにも共産党らしい貧しい発想」と返答している。都議会本会議終了後、報道陣に、「共産党がネガティブキャンペーンをやって、世間は面白がってね」とコメントしている。

 12.14日、都議会自民党の政調会長の祝賀会で次のようにコメントしている。「共産党がネガティブキャンペーンをやって、世間は面白がってね」、「私いま、共産党にあることないこと言われ続けて、頭きちゃうんだけど。これに便乗してメディアが、わけのわからんこと言って。いじめられていますが、決して自殺しませんから」。

 12.17日夜、フジテレビの番組に出演して、スイス・ダボスのパーティーで、四男に旅費などが公費から支出されていた問題で、「私からも『君やってくれるか』と頼みましたよ、息子に」と発言している。都はそれまで「四男に制作を依頼したのは大鼓演奏家側の意向で、知事の口添えはない」と説明していた。石原知事も都議会で、「(パーティーの企画を)受託した会社から委託され、派遣されたもの」と答弁していた。

【イジメられ自殺予告手紙に対する発言】
 11.10日、記者会見で、いじめが原因で「自殺する」との手紙が文部科学省の伊吹文明大臣宛に「僕は、いじめが原因で11月11日土曜日に自殺することを証明します」と綴られた手紙が届いた。この問題で次のようにコメントしている。
 概要 「自殺なんか、予告して死ぬなって、そんなものは。大体甘ったれというか。あんなのは、大人の文章だね。愉快犯っていうか。今の中学生にあんな文章力はない。理路整然としていて。私は(本物とは)違うと思う。(少し笑みを浮かべながら)(予告日は)明日ですか?今まで文科省が何やったか知らないけど、あれだけの騒ぎになって(文書を送った)当人は満足して、死なないの? 死ぬの?。私なんか、子供にけんかの仕方を教えましたよ。そしたら効果があって、たちまち相手を倒して番長になっちゃった。そういうことを親が教えればいい。こらえ性がないだけでなく、ファイティングスピリットがないと、一生どこへ行ってもいじめられるんじゃないの。「予告して自殺するバカはいない。やるならさっさとやれっていうの」 。

 後日、石原氏宛には「一生どこへ行ってもいじめられるのはつらいので『死にます』」などと書かれた自殺予告はがきが届くことになる。このはがきも大人のいたずらだという見方があるが、石原氏の発言は世間の反発を招いた。

 【都政私物化 - 豪華海外出張】
 11.16日、石原知事が就任以来2億4000万円の海外出張費を使っていたことを共産党都議団が会見で明らかにした。石原知事の報道陣に対するコメント「知らないよ、私は。そういうことは事務局に言ってくれ。何も豪勢な旅行しようと思って行っているわけじゃない。直すところがあったら直したらいいじゃないですか」。

 11.24日、記者会見で、石原知事が規定額を大きく上回る海外出張を重ねていた問題について質問されて、「完全に事務局任せですからね。私はどのホテルに泊まりたいとか、どうこうしたいと言ったことはありません」、「私は別に官費でする旅行には注文つけたことはありません」。これにつき、朝日新聞の特集記事「おごる『大統領』-知事権力」(2006年12月10日付)などによると、知事はホテル宿泊の際、エレベーター横の部屋だったため「エレベーターの音がうるさくて眠れないじゃないかっ!誰だ!この部屋を用意した馬鹿者は!」と都の職員を怒鳴りつけたことがある。都職員らは『神経質な知事に気をつかった結果、あんな高額になってしまった』と声をそろえている。

 共産党都議団による調査が口火を切り、海外出張などの際に都条例で定められた規定を大幅に超える高級ホテルに宿泊するなど、税金の無駄遣いが常態化していることが次々と指摘された。

- 1999年の就任以来、19貝の海外出張のうち資料が入手できた15回分で費用は計約2億4350万円
- 条例の規定の数倍、ときには6.6倍もの高額なホテル代
- 2001年9月のワシントン出張では、1泊で26万3000円のホテルに宿泊
- 2001年6月のガラパゴス諸島への出張では206万円をかけて大型クルーザーを5日間借り切り、諸島を見物。出張費用の総額は1400万円を超えた。知事は後日「(都議選の応援が)面倒くさいからガラパゴスへ行っていた」と語った。
- 2006年5,6月のロンドン・マン島出張ではオリンピックの調査は実質約一時間半で、マン島でのオートバイレース見物を含め、3600万円
- 随行した特別秘書の航空運賃は条例が規定するビジネスクラスでなくファーストクラスを利用。同行した夫人の宿泊費なども公費で賄われていた


 【「慎太郎銀行」経営ピンチ】
 12.1日、記者会見で、 都知事の発案でスタートし、都が1000億円も出資している新銀行東京が2006年度中間決算で154億円の赤字になったことについて、(1千億円出資を都議会に諮った際の、当初計画が楽観的過ぎたのではないか、との質問に)「事業ってのはやっぱり5年、10年見通してものをやるんでね、1年4カ月ぐらいの実績を見てすべてその原案が間違ったって言うことはちょっと酷じゃないですか」、「一つの公器ですから、東京は大株主としてものを言って、3年先の目的が達成できるように努力しますよ。ご不満ですか」。 新銀行東京は2006年9月の中間決算で154億円もの当期赤字を計上、開業1年4カ月で純損失は約350億円に膨らんだ。当初資本は約1200億円なので3分の1が吹っ飛んだことになる。 参考:【銀行税問題】 【慎太郎銀行の赤字膨らむ】 【1500億円の税金をドブに -石原銀行-】

 【公金で一晩数十万円の散財 超グルメ生活は舛添氏も真っ青 石原慎太郎 腐敗の13年】
 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK214 」の赤かぶ 氏の2016 年 10 月 19 日付投稿「公金で一晩数十万円の散財 超グルメ生活は舛添氏も真っ青 石原慎太郎 腐敗の13年(日刊ゲンダイ)」。
 公金で一晩数十万円の散財 超グルメ生活は舛添氏も真っ青 石原慎太郎 腐敗の13年
 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192126
 2016年10月19日 日刊ゲンダイ 文字お越し

 長男・伸晃氏(左)とも税金で会食(C)日刊ゲンダイ

 “セコイ”と非難囂々だった舛添要一前都知事は、参院議員時代に天ぷら屋や回転寿司、イタリア料理店での私的な支出を政治資金から拠出していたことを問題視された。しかし、石原慎太郎元都知事は“セコイ”どころのレベルではない。都税が原資の「知事交際費」で、“身内”と共に高級割烹や一流レストランで舌鼓。超グルメ生活を満喫していたのだ。

 日本共産党都議団が07年、都に情報開示請求し入手した資料によると、00年4月から06年12月までの7年、側近などとの飲食費は総額1600万円にも上った。例えば、00年6月26日は高級料亭「永田町瓢亭」で都の参与ら12人で総額約42万円。02年12月26日には、銀座の高級和食「菊川」で都の参与ら5人と会食し、総額12万円を支出。05年5月9日には最高級フランス料理店「アピシウス」で、1本2万円の高級ワインに前菜のフォアグラ、アワビのステーキなどに38万円を支払っている。

 ■裁判で「違法認定」

 中でも許し難いのは、19万円を支出した01年3月13日の「永田町瓢亭」での会食だ。“身内”どころか、実の息子まで同席させていたのだ。「共産党都議団が入手した文書には〈相手〉欄に〈渡辺喜美様ほか〉とだけ記されていたのですが、01年3月30日付の日経新聞で、そこに長男・伸晃氏が同席していたことが分かったのです。新聞には、都知事がワイン片手に渡辺氏や伸晃氏、塩崎恭久氏らに対し『政治グループ“四騎の会”をつくれよ』と一席ぶった様子が描かれています。都知事の公務というより、父として息子の激励。これには世間から『私的な支出は許されない』と批判の声が上がりました」(都政記者) そんな都民の怒りは裁判に発展。04年5月に葛飾区の市民団体が、都知事が不当な支出をしたとして、慎太郎本人に対し00年6月~03年11月にわたる計78回の飲食費約1194万円を都に返還するよう求める住民訴訟を、東京地裁に提訴した。最終的に最高裁まで争われ、09年9月、慎太郎の支出した飲食費の一部が違法と認められ、都に返還されている。問題視された舛添の飲食費は、高くても1回8万円前後だった。慎太郎の場合はケタが違う。舛添以上に血税を“サイフ代わり”が当たり前だったのだ。


 2007(平成19)年

 1.12日、自民党が、石原氏の推薦を決定。

 1.19日、定例記者会見で、自民党が石原知事を推薦したことについて聞かれて、「推薦結構ですね。できたら共産党以外、公明党も、民主党にも、推薦してもらう。みなさん、政策にずっと賛成しておられたんだから、その成果も出ている。そうしていただくとありがたい」。しかしその後、石原氏は、「首長の選挙は政党の看板に支えられて戦うものとは考えていない」と、自民党推薦をドタキャンする。但し、推薦辞退後も、「従来通り私のスタイルでやっていきたいが、自民党は最大の友党で、その関係は不変だ」と述べ、自民党の支援を期待する考えを示した。 「こちらは(石原知事に)推薦してくれと言われたから推薦を出した」(党幹部)、「話が違う。党候補ではないというポーズをとった方がいいと思ったんだろう」(党都連幹部)、「知事はいつもブレる」(ベテラン都議)。

 【トーキョーワンダーサイトに於ける四男・延啓の重用を廻る質疑と釈明続編】
 1.26日、その後、航空運賃や宿泊費など実費だけではなく、日当や支度料も、同行した、都の参与と同額が支払われていたことが判明。これは石原知事の「ただ働きする人間が必要」という説明と矛盾していた。次のようなやり取りをしている。
石原 「あのね、私、小さなこと知らないの。正確に報道してもらいたいけど」。
記者 「知事は四男の起用を、『ただ働きだから』と説明していたが?」。
石原 「ほとんどただ働きじゃないですか」。
記者 「日当や支度料が出ていても『ただ働き』ということか」。
石原 「ですから、その内容はわかりません。だけど、日当というのは、実質的に実費弁償ということですからね、その中に交通費も入ります、当然ね。ちょっとヒステリックになっているんじゃないの、あなた方。ちょっと不思議だね」。

 ワンダーサイトの玄関と二、三階に飾られているステンドグラスは、都費から制作費300万円支出している。原画作者は、石原延啓氏である。石原知事がスイス・ダボスでの会議に出席した際、延啓氏が大鼓演奏の舞台背景制作者として同行している。事前調査と合わせ、2回分の旅費約120万円は公費支出している。但し、費用の支出を決めた都の契約書類には四男の名前が一切記されていなかった。 四男の知り合いである、建築家で、文化芸術での実績が特段見られない今村氏が、都参与となりワンダーサイトの館長に就任。今村氏の妻である家村佳代子氏をワンダーサイト青山館の館長とワンダーサイト副館長に採用している。

 2.22日、都議会予算特別委員会の答弁で、「トーキョーワンダーサイト」の一環として計画された「能オペラ」の脚本料として知事に百万円の予算が計上されていた。その後「能オペラ」は中止された。この時の経緯で、「アイデアがあるので私でどうだと言った」、「私の原稿料として百万円は安い」等々答弁している。


 【40万円返還を命じる判決「単なる接待」】
 1.30日、 都参与ら都の公務員同士の懇談に対する都費支出の妥当性が問われた裁判で、高級料亭での支出は「単なる接待」と、都知事に計約40万円の返還を命じる東京地裁判決が下された。「会食の必要性は疑問。一人当たりの額が四万円を超えるなど、実質的には料亭を利用した接待」(鶴岡稔彦裁判長)。判決が返還を命じたのは、(1)石原知事と高井特別秘書、テレビ局プロデューサーの東京・銀座の割烹料理店で開かれた会食費。(2)石原知事、棚橋泰都参与らが、東京・築地の高級料亭「新喜楽」で行った会食費。

 2.2日、都は、石原知事らの交際費支出の一部を違法とした東京地裁判決を受け、知事交際費の執行状況を都のホームページ(HP)で公開すると発表。交際費をチェックする手始めとなる都の情報公開の進み具合は、他県より立ち遅れている。但し、全国市民オンブズマン連絡会議が毎年公表している都道府県の情報公開の進度を順位付けで、閲覧の有料化などのため東京は10年連続でランキング圏外の「失格」(2007年3月16日発表分まで)。石原知事は「適正に支出してきたが、誤解を招いたので透明性の向上を図る」と説明。情報公開は知事の初当選時からの公約の一つだったが、実現されておらず、「事務方との意思疎通が円滑にいかなかった」と釈明した。

 【穀つぶし発言余波】
 2.14日、都議会で、「私の言葉を勝手に引用されまして歪曲されていますが、私が穀つぶしといったのは、これはフリーターじゃありませんよ。ニートのことはそう申しました。こういう歪曲した引用というのは非常に卑劣だと思います」。

 【非核3原則を拒否】
 2.14日、都議会で、非核3原則に触れて、「作らぬ持たず持ち込まずって、それで済むんですか。現に横須賀に来ている(米空母)キティホークは核弾頭積んでますよ。見せてくれるかどうか分からんけども」、「抑止力というからには、顕在化させなければ抑止力にならない。それを是としているわけではないが、そういう現実なんですよ」 。参考:【死の商人発言】 【核保有の主張】 【軍事政権を作って核を持て発言】

 【不規則発言で通告】
 2.17日、都議会の予算特別委員会で、民主党の田中良幹事長の質問に対する不規則発言があった。石原氏のトップダウンで始まった「新銀行東京」について「業績悪化の責任を取るべき」などと追及していたところ、石原氏は指名されていないのに「バカな質問するな!」と怒鳴り声を上げた。いったん取り消したが、小声で「バカな」などと繰り返し最後には「卑怯で下賤だ」などと吐き捨てた。 

 2.22日、都議会予算特別委員会は2007年2月26日午前の理事会で、発言を慎むよう注意することを決め、川井しげお委員長が石原氏に通告した。参考:【宮崎県訪問ブチ切れ帰京】 【こらえ性がない発言】 【黙って聞けこの野郎発言】

 【三宅島公道危険レース】
 2.23日、都議会の予算特別委員会にて、 石原知事の発案で2007年11月に初開催を予定している三宅島での公道を使ったオートバイレースで、準備のためにテスト走行したプロライダー3人のうち2人が「安全対策が十分でない」「公道レースは絶対に開催すべきでない」とする内容の報告書を都に提出していたことを共産党都議に指摘され、「あの島に活力を与えるには、これしか方法がない。これしか活路がない」と、レースを強行する姿勢を示し、「反対ばっかしないで、お前もコースを見てこい!」とキレて、ヤジを飛ばした。
 結局、一般参加は30台だけという予定を大幅に下回る規模で強行された。(観光業関係者)「自然が売りの島なのに公道レースでは、都知事の発案から無理があり、ゴタゴタで計画が遅れた」 。参考:【三宅村議会バカ呼ばわり】 【三宅村村議会に暴言】 【三宅島モーターレースは思い付き】

 2月の都議会定例会。質問に立った民主党都議(当時)は、苦虫を噛み潰したような表情で知事席に座る慎太郎に向かって、こう問い詰めた。〈平成17年9月14日、糸山英太郎氏の呼びかけで、水谷元会長と石原知事、三男宏高氏ら5人が、銀座の高級料亭吉兆で宏高氏の当選祝いの宴席が行われた(略)。その宴席に入る直前、糸山氏から知事に焼酎箱が渡され、その箱に1000万円とも2000万円ともいわれる現金が詰められていたという疑惑であります〉。 

 疑惑の中身は、05年9月の衆院選で初当選した宏高と慎太郎が、選挙を支援した水谷建設の水谷功元会長らと宴席を持ち、幻の焼酎といわれる「森伊蔵」の空箱2つに詰められた2000万円のカネを受け取った――などと週刊誌で報じられたのだ。慎太郎は「息子の選挙の関係で飲み食いしただけ」なんて否定したが、水谷元会長といえば、「政界裏工作の請負人」「フィクサー」と呼ばれ、06年に脱税事件で特捜部に逮捕されたフダツキの人物である。

 【東京マラソン】
 2007年、2月の第3日曜日、石原都知事が主導的役割を果たして、東京都主催の東京マラソンが始まった。東京でのマラソン大会は、エリートランナー向けマラソンの東京国際マラソン(男子)と東京国際女子マラソン、市民ランナー・障害者向け10kmロードレースの東京シティロードレースがあった。それらを一つに統合してニューヨークシティマラソン、ロンドンマラソン、ボストンマラソンに匹敵する市民参加型大規模シティマラソンとして東京マラソンが企図された。

 【自作映画に自画自賛】
 3.2日、 石原知事が製作総指揮と脚本を担当し特攻隊を描いた映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」の記者会見で、「(自作は)よくできた作品。ライバルになると思って見たけど、あの映画よりずっとマシだね」。(「あの映画」とはクリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」。10.17日、第20回東京国際映画祭で、「(「硫黄島からの手紙」は)大したことなかったね。映画見てても方向がよく分からないし、素人だよね」)

 しかし石原氏が製作総指揮した映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」は18億円をかけて製作されたが、興行収入は12億円止まりだった。

 【江戸っ子向きじゃない発言】
 3.6日、前宮城県知事の浅野史郎氏の都知事出馬表明について皮肉って、「出たり引っ込んだりして、やっぱり出たってことかな。あまり江戸っ子向き、東京っ子向きじゃないね」。

 【政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で東京地検に告発される】
 3.8日、石原慎太郎都知事(74)が、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で兵藤茂特別秘書と共に東京地検に告発された。

 【公明党と協力】
 3.21日、公明党に協力を要請しており、公明党側も実質的な支援を決定した。しかしかつては公明党及びその支持母体である創価学会を痛烈に批判していたこともあった。2007年参院選では公明党による都知事選支援の見返りとして、東京選挙区から出馬する公明党公認の山口那津男の応援で街頭演説するなどしている。

 【東京都知事選挙に3期目当選】
 4.8日 、東京都知事選挙に出馬。選挙公約 (3期目)は次の通り。
環境革命の続行
子育て支援プログラムと中学3年生まで医療費ゼロ
都立施設や都立小中高校の食事・給食に東京ブランドの食材導入推進
神奈川県・千葉県・埼玉県の各知事と首都圏知事連合をつくって、道州制を実現
2016年に東京オリンピックを招致 (2009年に招致失敗)
高齢者の起業やNPO法人の活動を支援する機関を作る
都庁の展望台や都の保有財産を有効利用して、歳入を増やす
公立小中高校グラウンドの芝生化
 
 投票の過半数にあたる281万票を獲得し、浅野史郎、吉田万三、黒川紀章らを破り3選される。
石原 慎太郎 2,811,486 無所属、自民、公明支援
浅野史郎 1,693,323 無所属、民主、社民支援
吉田万三 629,549 無所属、(推薦)共産
黒川紀章 159,126 共生新党公認
ドクター・中松 85,946 無所属

 【前頭葉の退化した老人が都知事に再選】
  再選後のテレビなどのインタビューで、「一部のメディアに、かなりアンフェアに陰湿に根拠のないバッシングをされた」、「当選したから言うわけじゃないけどね。よく都議会の議事録を読んでもらいたいね。海外出張でもなんでも、そんな贅沢したとかじゃなくてだね。中には噴飯ものもあるんだよ。冗談じゃない!」。高額出張などに対して「説明不足」を反省していたはずが、説明どころか選挙が終わったとたんに化けの皮がはがれて気色張った言動と高飛車な態度に戻り、反省姿勢は口先だけだったことが分かった。「(石原氏に)謝らせるのは大変だった。でもオウンゴールは止めさせないと」とは石原氏の選対本部長を務めた佐々淳行氏による、「高額海外出張費」「側近政治」「身内重用」などの問題について反省の意を示して始めた選挙の反省戦術についての発言。 選挙後には「環境対策」の名目で、ニューヨークへ1600万円、ツバル・フィジー(9月)にも1500万円の税金を使って海外視察に出掛けた。

 「美濃部さんのように前頭葉の退化した六十、七十の老人に政治を任せる時代は終わったんじゃないですか」(1975年の都知事選で現職の美濃部亮吉氏に対する当時42歳だった石原氏の発言 - シジフォスの四十日」沢木耕太郎著より)

 (都議会や庁内の各部署回りの中、民主党会派の部屋で、「いいオリンピックを期待してます。メリハリつけて」と声をかけられ、「メリハリが必要なのはそっちだろう。借りは返すからな」。都職員の前でのあいさつで、「都民の良識に支えられ、当選できました。ほとんど中傷に近いバッシングが幸いして、見事な逆効果になった」。 参考:【都政私物化 - 豪華海外出張】 【都政私物化 - 身内重用】 【4期目に立候補】

 【デタラメな防災意識】
 4.8日、夜の会見で、「神戸の地震の時なんかは(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2000人余計に亡くなったわけですよね」。 これに対し、震災後に兵庫県の初代防災監を務めた斎藤富雄副知事は、 「全く根拠のない発言で、誠に遺憾。将来の備えのためにも、過去の災害を適切に分析してほしい」。西宮市の震災時の市長、馬場順三氏は、 「震災を実際に体験していないから言える発言ではないか」。兵庫県の井戸敏三知事は、 「『関東大震災』が起こるとされている東京都のリーダーが、そのような認識だといささか心配だ。都民も心配で眠れなくなるのではないだろうか」。兵庫県警の検視では、83.7%が家屋の下敷きになった圧死や窒息死。ほとんどがほぼ即死状態で揺れてから15分以内に亡くなっていたと分析されている。

 【核保有の主張】
 5.17日、ニューヨークの日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」での講演で、「(尖閣諸島有事などの際に)米国が日本を守らないなら、日本は自分で自分を守る努力をする。これは米国が懸念する核保有につながるかもしれない」。 参考:【核兵器は国家として重要発言】 【核兵器2年で持てる発言】 【非核3原則を拒否】
(外部リンク)石原慎太郎氏の核兵器に関する発言録

 【従軍慰安婦問題で「軍が調達した事実はない」】
 5.17日、世界大都市気候変動サミットに参加のため訪問中のニューヨークで、日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」での講演後、 「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」。

 米下院の与野党議員が日本の公式謝罪を求める決議案を提出し、安倍首相の対応などにアメリカ国内で批判と反発が広がる中の発言。日本政府の公式見解は、様々な証言や証拠を吟味した結果、軍の関与を認めた上で、慰安婦の募集や移送、管理などで全体として強制性があったことを認定している。その後、アメリカでの決議は可決され、さらに同様の対日非難決議はオランダ、カナダ、EUの議会にも広がった。

 【「俺は、君のためにこそ死ににいく」】
 5月、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」を発表。制作・指揮・脚本を手がけた。

 【慎太郎銀行の赤字膨らむ】
 6.1日、定例記者会見で、 累積赤字が849億円と当初予測の約2倍に膨らみ、都の全出資金に迫る勢いであることが判明したことに対して、「これを発案したのは私であります。それで、その責任は私にありますが、これはやっぱり出資はいたしましたけど、決して責任転嫁をするつもりはありませんけれども、私も金融の専門家ではありませんし、担当の大塚副知事を含めて民間からのいろんな意見を聴いて、こういう人事を採用したわけですけれども、採用した限り、経営者の経営責任というのはあるわけでありますから、そういう意味で、それを重視して今回は人事を改選いたしましたが、まあやっぱりまさに進むも地獄、引くも地獄のところまで来ましたんでね、これは乾坤一擲、前に向かって打って出る以外にないと思っています」。参考:【「慎太郎銀行」経営ピンチ】 【1500億円の税金をドブに -石原銀行-】

 【猪瀬直樹氏を副知事に任命】
 6月、石原都知事が、4人目の副知事として作家の猪瀬直樹氏に副知事に任命した。猪瀬氏は作家活動の傍ら、小泉内閣時に道路関係4公団民営化推進委員として民営化に取り組んだ履歴を持つ。

 【高慢オリンピック招致】
 6.22日、五輪招致に向けた競技団体の会合で、 「議会でも共産党は反対しておりますし、何でも反対に引きずられる非常にサディスティックな、しかもメディアが物事の足を引っ張り、人をつぶす、ものをつぶすという傾向が強うございまして」。

 7.6日、記者会見にて、「(安倍首相が打ち出す)美しい国に美しい人を増やし、美しい心を植え付けるためにも、五輪はいい意味での財産を若い人たちに残していける」。

 【減税公約を撤回】
 9.7日、定例記者会見で、都知事選前に公約として掲げた、低所得者を対象にした住民税減税導の撤回を発表。公約違反ではないかとの記者の質問に対して「何が違反ですか」と声を荒らげ、「公約の進化だ」と居直ったが、具体的な代案は示さず。

 【ミシュランはダメ発言】
 11.22日、定例会見で、「観光誘致のために非常に役立つと思う」と満足そうな様子を見せていた。

 12.2日、フジテレビ「報道2001」に出演して、 話題になった「ミシュランガイド」東京版についてコメントして、「かなりいいかげんだからね」と酷評。「あんなの全然ダメ」と具体的なことは何も示さないまま批判しまくった。さらに「東京版のね、真実のね、”ジェニュイン(本物の)ミシュラン”っていうのをつくってやろうと思って」と対抗意識をむき出しにした。

 【築地市場移転先問題】
 移転予定地の土壌から高濃度の汚染物質が検出、用地買収が中断し、専門家会議による調査が行われた。その結果、浄化可能として汚染対策費が計上されたが、食品を扱う築地のイメージから反対が続出した。

 2008(平成20)年

 【新銀行東京の経営破綻表面化】
 新銀行東京が、2005年4月から2008年1月までに出資した2300社が経営破綻し285億円が不良債権化し、3月までに1016億円の累積赤字であることが判明した。東京都の出資分が1000億円を超過しており、石原都知事は同銀行の再建について「経営者に責任がある」、「不退転の決意で必ず再建する」として400億円の東京都による追加出資を行う方針を示した。しかし与党自民党も含め都議会の一部も増資に反対した。

 【新銀行東京に追加融資】 
 1.11日、都議会で「トップダウンで銀行設立を決めた知事の責任が大きい」との追及に対し、「私が社長ならもっと大きな銀行にしていた」、「都民から預かった大事な税金を失いきる前に、私には銀行を再建する責任がある」と反論し、責任を否定すると共に存続を主張した。結局、都議会は400億円の税金投入による銀行再建を自民、公明両党の賛成多数により可決した。追加出資の400億円は都民1人当たり約31000円に相当し、すでに都が出資した855億円を合わせて都民の負担は約11000円に達する。

 ●石原慎太郎の犯した歴史的罪 都民血税1400億円をドブに捨てた「人気取り政策」
 http://biz-journal.jp/2015/06/post_10374.html

 【非常にチープな政治家】
 2.1日、定例記者会見にて、 不公正判定疑惑でハンドボール北京五輪アジア予選がやり直しになり、アジア・ハンドボール連盟のアーマド会長が再予選を行えば2016年五輪招致を目指す東京都を「支持できない」と発言したことについて、「自分の言うことを聞かなかったら邪魔をするぞというのは、フェアじゃない。スポーツマンの言うことではない。非常にチープな政治家ですよ」、「こういう言い分は理不尽だと抗議することがまさにオリンピック精神だと思う」。

 【1500億円の税金をドブに -石原銀行-】
 2.15日、定例記者会見にて、 都が税金から1000億円を出資し、07年9月中間期の決算で累積損失が936億円に達するなど破たん状態の新銀行東京に対して、これまで「考えていない」としてきた発言をひるがえし、追加出資を数百億円規模で実施する考えを表明。「この銀行は旧経営陣によって、ちょっと常識から外れた運営がなされたんですね」。経営陣を任命した知事自身の任命責任について問われて、「これはしかし、要するに財界に諮ってですね、経団連のある重鎮から推挽を受けて、私たち、安心してこの方を引き受けたんですけどね。その人の能力を審査する、こっちはその知識も能力もありませんし。これはやっぱり日本を代表する経済界の推挽というものを私たち信用して、引き受けざるを得ないんじゃないですか」。

 3.7日、 定例記者会見にて、追加出資に反対する都民の声が8割にのぼることへの感想を問われて「都民の方々は詳細を知らない」などと批判逃れに終始。知事が私財を投じてでも責任を取るべきだ、という意見について「法律の体系の中でどういう責任があったかで、心情的に言われても世の中に通る話じゃない」と不愉快そうな顔。

 3.11日からの都議会予算特別委員会で、「銀行を発案したのは私だが、私がプランをつくったわけではない」、「決まった人事を了承したが、私がこの人間をと決めたということではない」、「私が最初から社長ならもっと大きな銀行にした」。旧経営陣を非難して、「聞く耳を持たぬ唯我独尊という姿勢ではだめだ」。「マスタープランを運転するのは運転手(経営者)。その才覚で自動車をあちこちにぶつけて、こういう体たらく、傷だらけになっちゃった」 。

 新銀行への出資予算を審議した2004年3月の都議会では、石原知事は「今回出資する一千億円が、やがては数兆の値になると信じております」(3月2日)などと答弁しており、徹頭徹尾トップダウンで設立を強行した上にここまで放置してきた知事がもっとも重大な責任を負っていることは言うまでもない。旧経営陣に責任を転嫁する知事の姿勢に対し、旧経営陣からは「都などが作った当初計画に沿った事業をした」と反論の声が上がった。同行の社外取締役には都OBや石原知事の知己も入っていたことや、都自身が2006年6月の株主総会で融資拡大を当時の経営陣に求めたことも判明している。都が押しつけた過大な経営計画に縛られ、ずさんな融資を繰り返した結果が経営悪化につながった。参考:【「慎太郎銀行」経営ピンチ】 【慎太郎銀行の赤字膨らむ】
これまでの発言
2004年2月 経営陣にすぐれた人材を各界から迎え、開業3年後には総資産1兆6千億、自己資本比率は邦銀トップクラスの13%を目指す (都議会にて)
2005年8月 目算の狂いはあるが、現況の中で私は順調にいっていると思う (会見で目標の下方修正について)
2006年6月 間違ったことをしていると思わない(会見で赤字200億円の初年度決算について)
2006年12月 いろんな手違いもあったし、見込み違いもあった。大株主としてものを言って、3年先の目的が達成できるよう努力する (会見で累積赤字456億円の中間決算について)
2007年春 「2年で経営を立て直す」 (3期目の知事選で)
2007年6月 決して責任転嫁をするつもりはないけれども私も金融の専門家ではない。進むも地獄、引くも地獄のところまで来て、乾坤一擲前に向かって打って出る以外にない (会見で累積赤字849億円の2期目決算について)
- 2008年3月5日、「東京中小企業家同友会」は、会員を対象にした調査で、62%が「中小企業のために役立っていない」と回答した、と発表。

- 2005年の開業から3年間で役員17人が辞任していたことが判明(3月10日朝日新聞報道)。初期に辞めた役員は放漫経営の見直しを訴えたが聞き入れられず、任期途中の辞任や不再任になった、と複数の元幹部が証言。

- 2008年3月10日、内部調査による経営悪化の原因についての報告書を公表。計画の妥当性を検証する部分は無く、設立を発案した石原知事や都関係者の責任にも触れず。
<報告書に対する都議会各会派の反応>
民主・田中良幹事長「無能な旧経営陣の暴走が経営悪化の原因という内容だが、銀行設立そのものが暴走。旧経営陣が暴走せざるを得ない状況を作った発案者の知事の責任が最初に問われるべきだ」
共産・吉田信夫幹事長「よく恥ずかしげもなく旧経営陣にすべてを押し付ける報告書を出せたのものだ」
生活者ネット・大西由紀子幹事長「『仁司さん(元代表執行役)が悪い』という責任転嫁が多く、品がない。(設立時に)行政としてどこまで精査したのか疑問。

- 予算特別委員会で共産党の吉田信夫議員の追求で、新銀行設立時のマスタープラン原案にあったデータを都幹部が「三年後赤字」から「大幅な黒字」に書き換えたことが明らかに。

- 3月末に都から400億円を追加出資する議案が可決。出資金調達のために発行した都債の利払いに100億円要るため、都は銀行に税金から合計1500億円を投じることになった


 【チベット人権問題】
 4.18日、定例記者会見で、長野市の善光寺が「チベットの人権問題」などを理由に北京五輪の聖火リレーの出発地を返上したことについて述べて、「独自の文化や長い伝統を持った民族が、大きな政治の力で淘汰されていくのは見るに忍びない」、「(中国の)大国主義は無理があると思う。文化も民族も違う人間が一つの独裁政権に束ねられていくのは気の毒」。

 【パンダ泣いて悲しむほどでもない】
 5.2日、定例記者会見で、 東京の上野動物園で4月30日に死んだジャイアントパンダ「リンリン」について、「別にみんなで大泣きして悲しむほどでもないじゃない」、「(パンダなんて)御神体じゃないんだから、いてもいなくてもいいじゃない。そんなもんは、どうでも」。

 5.16日、 定例記者会見で、「よほど見たけりゃ、ほかの動物園へ行けばいい」、「上野でパンダグッズが余ったら、ほかの動物園に分ければいい」。パンダはワシントン条約の規制で、原則的に無償貸与できず、雌雄2頭でレンタル料は年間1億円以上とも言われていることに対して、「法外な値段だと思うね。友好、友好と言っているが、友好の印で金を取るっていうのはどういうもんかな」、「金を払うなら(都立の)上野動物園が払う。都の税金だよな。それまでして見たいかね、パンダね」。

 上野動物園ではゴールデンウイーク中、リンリンのパンダ舎前に記帳所が設けられた。「さようなら」「天国でも元気でね」など、6日までに1万人以上が記帳し、リンリンの“遺影”を見て「どうして死んじゃったの」と涙ぐむ子どもたちも相次いだ。2009年4月に公表された調査では、上野動物園の2008年度の入園者数は前年度より60万人も落ち込み、60年ぶりに300万人を切った。パンダ不在の影響が大きかったことが指摘された。また、園内に設置した意見箱に寄せられる「見たい動物」の1位はパンダだった。

 【木っ端役人が発言】
 7.4日、2016年夏季五輪の招致活動で石原知事らによる皇太子への協力要請について宮内庁が否定的な考えを示したことについて、「政府が正式に申し込んだら別な話だと思うね。宮内庁ごときが決めることじゃない。国家の問題なんだから。木っ端役人が、こんな大事な問題、宮内庁の見解で決めるもんじゃない」(2008年7月4日)

 7.11日、定例記者会見で、「役人の出てくる話じゃねえんだ」「国民投票したら圧倒的に皇太子に行っていただきたいに決まっています」。

 7.17日、全国知事会議で、 「宮内庁のばかが余計なことを言って」、「(五輪招致は)国民が熱願すること。宮内庁が反対する理由はないと思う」、「せっかくある皇室をわたしたちは大切にしてきたんだから、この際、お国のために皇太子さん頑張ってくださいよと声を上げるのはごく当たり前だと思う」。


 【要するにただの風俗小説発言】
 7.18日、定例記者会見にて、 芥川賞を受賞した中国人の楊逸さんの「時が滲む朝」について、「要するにただの風俗小説にすぎない」、「残酷な政治のもたらす人生の主題について書かれてない。丸、三角、バツの採点で、私は三角をつけた」、「日本語としてはかなり滑らかになったが、まだ妙な表現がないではない」。

 【死ぬ気で戦え発言】
 7.28日、北京五輪日本選手団結団式で、「1人でも多くメダルを取ることで東京招致への声も高まってくると思う。体を張って死ぬ気で戦ってきてほしい」、「(成績がふるわなかった選手が)言い訳かどうか知らないが『私は成績は気にしていません。十分楽しんできました』と。こんな選手じゃかなわないんだ国民は」。
[関連情報]

- IOC の独自調査による世論支持率が最下位だったことについて報道関係者から質問され、「君たちのせいだよ。メディアが足を引っ張るから」と声を荒げて他人のせいに。

- なぜオリンピックを招致するのかという理念を問われ、「理念なんかどうにでもつくれる

- 都民から寄せられた意見を「都民の声」として毎月まとめてきた都は、7月分から名称を「都への提言、要望等の状況」に変更。理由は、前月、東京五輪招致の賛成意見が2割に満たなかったため。石原知事が「そんな数字はあてにならないと思う。都民の声課ってどこにあるの」と発言していた。

参考:【国威発揚オリンピック】 【怪しげな外国人発言】 【高慢オリンピック招致】 【非常にチープな政治家】 【五輪はもうかる発言】 【五輪開催地としての東京の資格】 【オリンピック東京落選 - 清涼感を味わえた発言】 【「それなら自分の金で行きゃいいんだ」発言】


 【石原都知事一行が北京五輪開会式視察、大名旅行】
 夏、石原都知事一行が北京五輪開会式視察、大名旅行。夫人に4万円余の支度料まで払って同伴し1泊24万円の超豪華スイートルームに宿泊。

 【五輪開会式を褒めたり貶したり】
 8.8-9日、北京市滞在中、記者団に、 「僕が一番感じたのはね、やっぱりボランティアの大学生ですね。とっても親切で礼儀正しくてね、(中略)あの世代の若者たちが明らかに日本の大学生と違ってね、期待を持っているということをね、青春の生きがいみたいなものを感じているってのはうらやましく感じましたね」。

 8.15日、定例記者会見で、 北京五輪の開会式について訪中時には称賛、「13億人のエネルギーをひしひしと感じた」。

 帰国後は一転して罵倒、「人口を誇る国ならではのマスゲームってのは、迫力はあっても、同じことを繰り返されるといささかうんざりですな」。


 【五輪はもうかる発言】
 10.2日、五輪開催都市決定1年前イベントで、 招致への支持率が低いことについて、「戦争の時に横を向いている人が多かったら、その国は負けちゃいますよ。みんながその気になってくれないと」、「反対する理由がね、そんなことに金を使うなら福祉とか教育なんだとか。これね、あんまり言いたくないんだけど、オリンピックってね、もうかるんです。どうやったってね3兆円もうかる。経済効果で」。 当然ながら各方面から、平和の祭典である五輪の招致を戦争に例えるのは不適切との声が上がった。「招致に賛成しない者は非国民であるかのような発言は、五輪の趣旨に反する。経済効果といってもインフラ整備などで一部の企業の利益が上がるだけ」(共産党都議団の吉田信夫幹事長)

 【ネットカフェ難民はファッション発言】
 10.3日、定例記者会見にて、 ワーキングプアが社会問題化する中、不況で増加するネットカフェ難民(生活困窮者)について、「カフェ難民、難民って言うけれども、あなた山谷のドヤに行ってごらんなさいよ。200円、300円で泊まれる宿はいっぱいあるんだよ。そこへ行かずにだな、何か知らんけれどもファッションみたいな形で(泊まって)ね、1500円っていうお金を払ってね、そこへ泊まって『おれは大変だ、大変だ』って言うのはね」、「1500円の宿泊料を払えるんだったら、もっと安い泊まり宿がいっぱいあるよ、東京は」。

 山谷地区には約160軒の簡易宿泊所があり、中には相部屋で1泊1000円程度の宿泊所もあるが、おおむね2000円程度はする。「今は200円、300円という時代ではない。都のトップがそういう認識というのは非常に残念だ」(台東区の吉住弘区長)。生活困窮者への居住支援を行っているNPO法人「もやい」は「事実誤認も甚だしい」として石原都知事に公開質問状を出した。その後、「200~300円」とした点については撤回したが、『ファッション』という認識については「そう思ってますよ。もっと安いとこ行ったらいいじゃないですか」(2008年10月10日定例会見)と改めて発言した。 参考:【ニートは穀つぶし発言】 【生活保護は甘えている発言】

 【都病院妊婦たらい回し死亡事件】
 10.24日、定例記者会見にて、救急車で運ばれた妊婦が都立墨東病院など8病院に受け入れを断られて死亡した問題について、舛添厚生労働相が「都に大きな責任がある。とても都に任せられない」と発言したことに対して、「あの人は大見え切ったつもりでいつも空振りするけどね、こういう発言する時に現場を踏んで、起こった事実を分析して掌握したうえでモノ言ってもらいたい」 。

 【アフリカなんぞの黒人国家が発言】
 11.7日、定例記者会見にて、 五輪候補地のシカゴを地元とする民主党のオバマ氏が米大統領選挙で勝利したことについて、「これはね、やっぱりね、世界一の大国の大統領に黒人がなったんでね、アフリカなんぞの黒人国家というのが、親近感を持ってね、そういう票が雪崩をうって動いたりすると、ちょっと厄介ですな」。

 【他人の不幸をチャンスとして喜ぶのは】
 11.12日、横浜市で開かれた首都圏の8都県市首脳会議前に、 兵庫県の井戸敏三知事が「(東京一極集中の打破には)関東大震災は(関西にとって)チャンス」と発言したことについて、「役人の浅知恵だな。良く言えばばか正直。他人の不幸をチャンスとして喜ぶような表現は日本人の感性に合わない。政治家は言葉を大事にしないとね」。

 2009(平成21)年

 【中国が北朝鮮を合併するのが一番楽発言】
 1.13日、日本外国特派員協会の会見で、 6か国協議などで膠着する核などの北朝鮮問題について、「中国が北朝鮮を合併することが、一番アメリカにとってもイージーで、一番楽で。まあ、そんな魂胆があるんじゃないかと思いますよ。中国も、それを決して拒否しないでしょう」。

 【成人年齢引き下げはただの人気取り】
 1.16日、定例会見で、民主党が成人年齢引き下げの法案を提出する構えを見せていることについて、「私はナンセンスだと思うし、ただの人気取りの政策だ」。石原知事はかつて成人年齢引き下げを公約に掲げたことがある。「最初の参議院に出たとき(1968年)、キャンペーンのひとつが選挙権を18歳にまで引き下げることだった」、「これは非常に間違っていた」と珍しく反省の弁。

 【築地市場 移転予定地の土壌汚染問題】
 1.30日、定例記者会見にて、 築地市場の移転予定地で高濃度の発がん性物質が検出されながら、都は数値を公表していなかったことを問われ、「(土壌汚染を)隠したってこと? 隠してませんよ」、「全体の報告をね、聞いてからものを言ってほしいな。何かね、都は殊さらこの問題隠しているように疑われるけど、またこれ変な風評被害を併発するんだよ。考えて物言え、考えて物を。人をおとしめるだけが君らの仕事じゃないだろう」。参考:【高慢オリンピック招致】 【築地市場の豊洲移転問題】

 【歌舞伎座デザインにイチャモン】
 1月、新たに公表された建て替えられる歌舞伎座のデザインが、以前公表されていた現在の外観を継承するものから一転することが判明。デザイン改悪の理由は石原知事が次のような文句を付けたためだった。「銭湯みたいで好きじゃない」、「オペラ座のようにしたほうがいい」。

 作家の麻生千晶氏は次のように批判している。 「私も完成予想図のひどさにビックリしました」、「歌舞伎座は世界的な文化遺産ですよ。それを銭湯呼ばわりしたうえに、オペラ座にしろとはどういう神経でしょう。石原さんは右翼的な考え方のくせに、日本の伝統を壊そうというわけですね」。

 【五輪開催地としての東京の資格】
 2.13日、2016年夏季五輪立候補ファイルをIOC本部に提出した東京オリンピック・パラリンピック招致委員会が都庁で行った記者会見で、 「我が国は世界で唯一、第2次大戦ののち60年一貫して平和を築いてきた。その日本で五輪を開催することは世界平和への大きな貢献になる」、「世界に紛争は絶えないが、幸い私たちの国は、憲法という理念だけではなく、地政学的な条件も含めて敗戦以来、今日まで大小問わず危機にさらされることなしにきた。世界の他の地域で起こっている物事を眺めると、私たちの努力が正しかったという気がする。胸を張って、オリンピックの舞台を通じて世界に平和を呼びかけることができる」。IOC ロゲ会長宛の書簡の中で、「私の祖国日本は、第二次大戦後、自ら招いた戦争への反省のもと、戦争放棄をうたった憲法を採択し、世界の中で唯一、今日までいかなる大きな惨禍にまきこまれることなく過ごしてきました」。

 現行憲法に一定に評価を示してみせたことについて問われて、「日本の平和をもっと確かなものにするために、いまの憲法は変えたほうがいいと思っている。ただ、その憲法の効果もあって平和でこれた。そりゃやっぱり歴史の事実としてたいしたもんだと思いますよ」。

 4.8日、東京五輪招致をテーマに都内の日本外国特派員協会で講演して、「オリンピックは人類の平和と連帯を願って行う人類最大の魅力的、効果的なイベント」、「日本人は皆当たり前だと思っているけど、第2次世界大戦後、日本はいかなる紛争にも巻き込まれず、戦争にも加担してこなかった。だからこそ日本、東京こそが最もふさわしいと考えます」、「世界は紛争が耐えない、あるいは紛争が起こりそうなこの時代に五輪をするということは、他のどの都市よりもその資格を持っていると自負しています」。

 4月、IOC評価委が来日し視察。4日間の間に3億1700万円の税金をつぎ込み、半日程度で終わった競技会場視察だけで1億6200万円を使った。また、視察に合わせて、5000人の児童を「校外学習」の名目で委員を歓迎する「さくら」として動員するなどした。東京招致委が1月に実施した調査では五輪開催支持率は70%と発表した。しかし、その直前にも同様の調査をしたが思わしくなく「賛成が増えるよう質問を工夫し」(2009年2月13日朝日新聞記事)、2度目の調査結果だけを公表していた。IOCによる2月の調査では支持率56%、共同通信社による4月の調査による都民の支持率は55.6%だった。 

 4月、 定例会見で、そもそも東京の立候補は、当初から「大義名分や理念に乏しい」と指摘されてきたが、石原知事は、「理念はそんなもの、こっちは物書きだからいくらでも書ける。平和主義とか聞きなれた言葉をいまさら繰り返してもしょうがない」。


 【北朝鮮ミサイル落ちた方が発言】
 3.27日、定例記者会見にて、 北朝鮮の人工衛星打ち上げと称するロケット発射について、「非常に拙劣な技術で彼ら(北朝鮮)が打ち上げてね、変なものが例えばね間近に落ちるようなことがあった方が、むしろ日本人ってのはね、ある危機感というか、緊張感を持つんじゃないかな」、「何万分の一かなんか知らんけど、危険が我々の間近にあるという認識を持つことは、必要だと思いますね」、「(日本によるミサイル迎撃は)これだけの準備をしていて、来たら落とすぞということだ。中空で破壊するってのは、そういう操作をするために税金を積んできたんだから、やらなかったら政府が責任を問われると思いますよ」。

 【核を使うということは発言】
 4.8日、東京五輪招致をテーマにした講演を行った都内の日本外国特派員協会で、北朝鮮の「ミサイル」発射について問われて、「仮にこの世界の中で(ミサイルを)いったいどこに落とすんですか? 落とした瞬間、世界中から報復を受けて滅びますよ。世界全体の外交が全体に未熟、ポーカーのワイルドカードのように、核を使うということは旧態依然として未成熟です。持っていることが大きなブラフになるということは、たいへん滑稽な現象だと思いますね」。

 5.26日、北朝鮮の地下核実験に対して発表したコメントで、「平和と安全の実現に努力する我が国に対しての重大な挑戦であり、この暴挙に厳重に抗議する。日本を含む北東アジアの安定を損なうばかりか、国際秩序を根底から覆すものであり、断じて容認できない」。 (外部リンク) 石原慎太郎氏の核兵器に関する発言録

 【骨身にしみて反省させる発言】
 4.10日、定例会見にて、東京都下水道局が新調した職員の作業服用のワッペンのデザインに内規違反があるとして約3400万円をかけて作り直していたことが判明し、「くだらねえ完全主義だ。骨身にしみて反省させる」、「バカじゃねえか。役人の悪い意味での律義さは世間では通じない」、「3400万円かけて作り直すって、ばかじゃないか本当に。税金に慣れてるお役所ってのは怖いね」、「他の大事な行政の部分だって、都民は被害被りかねませんよ」。

 4.17日、定例会見にて、下水道局長を減給処分として、「何ていうか、常識的な感性というものがやっぱりないんだったらね、これはもう本当に行政がとんでもない間違い、もっと大きなことするんじゃないかと思ってね。しかも使ったお金がべらぼうなものだから、これはやっぱり減俸というきちっとした形にしないと済まないよと、世間はうんと言わないよということでですね」。

 【国連は役に立たない発言】
 4.12日、陸上自衛隊練馬駐屯地の創立58周年記念式典で、北朝鮮ロケット発射問題などに関連して、「日本は相変わらず国連さまに依存して、結局その国連は何の役にも立たなかったじゃないですか」、「私たちは国連やアメリカを気にしなくとも自分自身でこの国を十分守れる」。

 【日本の韓国統治美化論】
 4.16日、国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会の現地調査に関する記者会見で、 英国人記者から「知事は日本の朝鮮半島への行為を矮小化しているため開催地に選ばれるべきではないという、韓国での報道を知っているか」と問われて、「やっぱりヨーロッパの国によるアジアの植民地統治に比べてですね、日本の統治はむしろ非常に優しくて公平なものだったと朴大統領(朴正熙-パク・チョンヒ-・韓国元大統領)から聞きました」。参考:【日韓併合は朝鮮人の総意発言】 【常習的な歴史歪曲-南京大虐殺編】 【従軍慰安婦問題で歴史歪曲、「軍が調達した事実はない」】 石原慎太郎の歴史観

 【大阪は空気が悪い発言】
 4.24日、定例記者会見で、 都知事就任10年間の実績を質問され、排ガス規制を挙げて大気環境が大幅に改善されたと得意満面で答えて、「大阪行ってごらんなさい、空気もっと悪いですから」、「そういう現実の格差があるんだからね、何で首都圏でやって成功したことを、国民の健康にかかわることだからね、(見習って)やったらいいと思う」。 これに対しては大阪の橋下知事が「環境基準達成率が東京よりも大阪の方が優れている」と、データを添えて反論した。

 【新銀行東京の決算評価】
 5月、新銀行東京の2009年3月期決算において、同行の赤字が再建計画より少ない金額に留まったことについて「いい成り行きを見せており、とても嬉しい。早く単黒 (単年度黒字) を出すようになってもらいたい」と述べている。

 【皇太子夫妻のIOC総会出席要請】
 5.28日、在京大使館関係者との情報連絡会後、2016年の開催都市が決まる国際オリンピック委員会(IOC)総会について報道陣に対して、「決め手は何てったって10月2日ですからね。まああの、うーん、もうぜひね、皇太子殿下にお願いしようと思っています」、「皇太子殿下に、内閣を通じて正式にお願いしたい。皇室から日本人のためにお力をいただくのは日本の歴史のために絶対必要」、「何と言ったってやっぱり日本あっての皇室、皇室あっての日本ですからね。やっぱり皇太子殿下でも出していかないとね」、「やっぱり国民のそれは要望だと思いますしね、国民の意思を代表して、間違ったお願いではないと思いますね。ぜひね、あの皇室にはご理解いただいている」。

  6.20日、候補4都市による五輪招致プレゼンテーションが開かれたスイスから帰国後、成田空港にて、野村一成・宮内庁東宮大夫は、「殿下のお立場から考えると慎重な対応が求められる。殿下も同じ気持ちであられると思う」と話していると記者に問われ、「それは分からないね。それは違うと思うね。宮内庁の役人がね、殿下のお心をどうやって推察するんですか」。これに対して、石原都知事が次のように反論している。「役人がそういうことを先に出して言うことが間違いですよ。どこもそういう答えを引き出したら報道しないでもらいたい。だってとにかく日本を象徴する人でしょ、天皇陛下っていうのは。その要するに地位を継がれる方がね、仮に東京でオリンピック実現すれば天皇陛下お出ましになるんですよ。当然皇族出られるんですよ。みんな国民がね、これ国民に問うてもらいたいんだよ。国民の中でね、(IOC総会が開かれる)コペンハーゲンに日本を代表して皇太子に行ってもらいたくないという人がいたらお目にかかりたいね、僕は。皇室はそのためにあるんじゃないんですか」。

 6.26日、定例記者会見で、皇太子夫妻の出席要請について、五輪招致運動には政治的要素があるため慎重に対応したいとの宮内庁の声に対して、「オリンピックというのはですね、文化の祭典、民族の祭典ですよ。これがもし東京で実現されたら天皇陛下はご臨席になる。閉会式もお出になる。そういう行事なのにね」、「何でオリンピックで招致運動、オリンピックそのものが政治的なんですか。それはヒトラーがやったりね、どっかの独裁者がやるオリンピックとは違いますよ」。

 【新銀行東京融資問題で提訴】
 6月、NPO法人情報公開クリアリングハウスが、東京都が新銀行東京に出資金した金額のうち計1255億円が回収が見込めないとして石原都知事と旧経営陣への賠償請求を都に求める住民訴訟を起こした。

 【石原都知事一行が北京五輪開会式視察、大名旅行】
 6月、石原都知事一行がスイス視察、大名旅行。10人で2500万円計上。

 【石原都知事一行がシンガポール視察、大名旅行】
 7月、石原都知事一行がシンガポール視察、大名旅行。7名で740万円計上。

 【反対するヤツの気が知れない発言】
 7.5日、東京都議選の自民候補の応援演説で、 「オリンピックを、やろうじゃありませんか。反対するヤツの気が知れない」。

 【東京都議選 石原与党惨敗】
  応援演説にて、苛立ちをを露わにしながら、「おかしな風が東京にまで吹いてきた。いったい都政のどこに問題があるのか!」。

 7.12日、投開票。都議選結果は、石原与党の自民・公明両党が過半数を割り込む惨敗。「大迷惑な結果だ。政府が作った人心の離反のツケを、東京が払わされた」。選挙結果が石原都政への不支持とは受け止めないか、との質問に、「ちょっと違うんじゃないですかね」。


 【靖国参拝中止について】
 8.7日、定例記者会見で、8月15日は世界陸上ベルリン大会視察で海外出張中のため靖国神社を参拝しないことについて、朝日新聞記者の質問に答えて、「私、毎年参拝していますけど、韓国や中国から、この問題について名指しで非難受けたこと1回もありませんけどね。お互いが大人になって考えればいいことでね。あんまり朝日がガタガタ騒がない方がいいんじゃないかね。君ら孤立するだけだと思うよ」。オリンピック招致への影響を問われ、「オリンピックというのは調和、平和を念願するわけですからね。そういうものを踏まえてね、この問題について、波風立てるほど、相手の国は大人なんじゃないかな。朝日も、もう少し大人になった方がね」。

 【石原都知事一行がベルリンの世界陸上見学、大名旅行】
 8月、石原都知事一行がベルリンの世界陸上見学、大名旅行。13名で3300万円計上。「飛行機はチャーター機やファーストクラス、宿は超一流ホテル」の贅沢ぶり。

 【政権交代で民主党政権が誕生】
 8.30日、第45回衆議院総選挙で民主党が選挙区・比例代表区を含めた全定数480のうち308議席を確保し、政権交代が実現することとなった。9.16日、鳩山民主党代表が国会で首班指名を受け、同日、鳩山内閣が発足した。1993年の非自民党8党派による細川内閣の発足以来で、自民・公明の連立政権は10年の歴史に終止符が打たれた。
 衆院選で、自民党が惨敗した結果の感想を問われて、「あんまり出来のよくない総理大臣が出てきて、漢字も読めない」、「総理を含めて自民党は軽蔑されましたな。これはやっぱりね、自業自得だと思う」、「ただやっぱり、日本人というのは風に弱いな、という感じがしましたね。空恐ろしい。この振幅の激しさというのはやっぱり怖いね」。

 【人類にとって最後の五輪になる発言】
 9.30日、IOC総会を控えた懇親会の場にて、東京五輪の環境面でのアピールとして、「16年が人類にとって最後の五輪になるかもしれない」、「地球の環境は宇宙にも影響を与える」、「五輪も宇宙との関係が大事」。地球滅亡論のような発言に、フランスの記者が、「東京が選ばれないと五輪が続かないということか?」とつっこみを入れたり、別の海外の記者は「(鳩山)首相夫人の『宇宙人を見た』とか、今日の石原都知事といい、日本はぶっ飛んでいる」と感想を述べた。

 【オリンピック招致活動落選】
 10.2日、国際オリンピック委員会(IOC)第121次総会で開催都市が決定され、東京は2回目の投票で1回目と比べても2票を減らし、東京が選ばれなかった。「私はね、実は帰りの飛行機で泣きました。とても気持ちのいい涙を流したなあ」、「結果は負けたが、私たち総力挙げて戦ったので、本当に悔いのない戦いをしたと思う」、「自分の人生の中で非常にいい経験をした」、「勝敗は兵家の常だが、チームプレーでとても良い試合をした清涼感を久しぶりに味わえた

 オリンピック招致計画策定や宣伝、ロビー活動などに投じた招致費用は都税100億円と、民間からの協賛金や寄付など50億円の総額150億円とされる。当初55億円とされていた招致経費が、あれよあれよと膨らんだ。随意契約で電通との委託契約が為されており、「招致活動費は公表している150億円どころじゃない。招致本部以外の局にも関連イベントをやらせている。総額いくらになるのか。200億円に上る」とも指摘されている。石原都知事は「責任を取らなきゃいかんでしょうね」と発言している。


 10.4日、帰国会見で、IOC総会での開催都市決定には、「もっと目に見えない非常に政治的な動きがありますな。これは歴然としている。昔の自民党総裁選挙みたいなものだね」、「きれいごとでは決してすまない」、「例えば、ブラジルの大統領が来てですね、聞くところ、かなり思いきった約束をアフリカの(IOC委員の)諸君としたようです。それからサルコジ(仏大統領)がブラジルに行って『フランスの戦闘機を買ってくれるなら(五輪招致で)ブラジルを支持する』とか」。

 10.5日、ブラジル・リオデジャネイロの招致委員会が、石原知事の発言はライバル都市のイメージを損なう論評を禁じた国際オリンピック委員会(IOC)の規則に抵触し、不適切かつ上品さにかける発言だと非難する声明を出した。また、リオ招致委員会のマイク・リー顧問は「リオは公正でクリーンなレースをして勝った。(マドリードとの決選投票は)66票-32票で勝ち、最高の招致だったことは明白だ。ブラジルは誇り高く、大きな自尊心を持った強い国だ。ブラジルを侮辱したことになる」と批判した。

 10.9日、会見で、 「実際のことで、それを悪いといってるわけじゃない。ただ日本ができなかっただけのこと。日本はそういう意味の総力戦ができなかった」、「僕は本当のことを言っただけ」、「ブラジルの大統領が国費を使って援助をするから頼むぞ、というのは総力戦からすれば当然」。 

 10.9日、記者会見で、招致費用の支出が都財政に与える影響について述べて、
「知事就任時、都の貯金は200億円しかなかったが、人員を整理し歳費をカットして10年で1兆を超す貯金をつくった」、「財政再建の余剰分であり、(招致活動をやっても)東京の財政は痛くもかゆくもない」、「余剰分で夢を見ようと思って(招致活動を)やったのは間違いじゃない」 。参考:【五輪開催地としての東京の資格】 【2020年夏季五輪招致の意向表明】

 【コペンハーゲンへ豪遊旅行
 10月、石原都知事一行がコペンハーゲンへ豪遊旅行、わずか数日間で1億2千万円を支出している。

 【繰り返される巨額の税金無駄遣い - 財政は痛くもかゆくもない発言】
 10.27日、「しんぶん赤旗」。巨額のオリンピック招致費用

 計画策定や宣伝、ロビー活動などに投じた招致費用は都税100億円と、民間からの協賛金や寄付など50億円の総額150億円とされる。(参考に、2012年五輪の招致に成功したロンドンの招致活動費は60億円だから2倍以上) しかも、民間からの寄付も計画通り集まらないため、赤字法人も含む都の外郭団体などに寄付を要請して集めていたことが分かり「公的資金の二重支出になり、問題だ」と批判もされた。

 そもそも、一事が万事、ドンブリ勘定で済ませて、湯水のように税金をつぎ込んだ結果、当初55億円とされていた招致経費が、あれよあれよと150億円まで膨らんだものだった。都と東京五輪招致委員会が、民間に委託した招致関連業務の98%が、入札をしない随意契約で、150億円の3分の1を超える約53億円の100%近くが入札なしの随意契約で電通との委託契約。電通に制作を依頼した約10分間のPR映像の制作費は約5億円だったことも判明した。また、週刊文春の記事によれば、石原知事お気に入りのデザイナーを起用してデザインされた東京招致関係者の衣装の値段がひとりあたり一式30万円。これを総会に出席する関係者約50人分オーダー(プレゼンで登壇するのは10人)され、合計すると1千500万円。衣装は総会後には着用者がそれぞれ保管し、今後の利用予定はないという。

 さらに、"隠れ支出"で、経費は公表された150億円を上回ることが明らかに

 落選後、都の幹部は「招致活動費は公表している150億円どころじゃない。招致本部以外の局にも関連イベントをやらせている。総額いくらになるのか」と指摘。都内にばらまいたのぼり旗やポスターの回収、廃棄費用もかさむことが分かった。 その後、日本共産党都議団が情報公開請求し開示された文書などから、公表していた招致活動経費150億円以外に、招致に関わって50億円を超える税金が支出され、招致関係経費は総額200億円にのぼることが明らかにされた


 【オリンピック再招致活動】
 11.9日、2020年夏季オリンピックにも東京都を再度立候補させる意向を表明した。

 12.2
日、「笑っていいとも!」の名物コーナー「テレフォンショッキング」に出演して、2020年の夏季五輪招致について語り、「東京に限らず日本でやったらいいだろう? 楽しいしお金ももうかる。今度は総力戦でやれば絶対勝てる」。

 【生活保護は甘えている発言】
 11.18日、さいたま市で開かれた8都県市首脳会議で、東京・日比谷の「年越し派遣村」などの求職者について発言し、「就職世話しても、これも嫌だ、あれも嫌だ、要するに生活保護受けた方が楽だという、そういう価値観。甘えているところがある」。会議終了後、記者団に対して、 「生活保護というのは、人生に対する姿勢としていかがなものかと思う」。

 【三宅島モーターレースは思い付き】
 11.24日、三宅島モーターサイクルフェスティバル開会式後、報道陣にオートバイのオフロードレース会場候補地を視察した感想を問われ、「あの山(雄山)の上の(オフロードの)モトクロスだったら、絶好の条件がそろっているというのが専門家の意見なんで」、「公道を使ったレースは、ちょっとあきらめました。いろんな事情を聴いてみても、私も思いつきで言いましたけどね」。参考:【三宅島公道危険レース】 【三宅村村議会に暴言】 【三宅村議会バカ呼ばわり】

 【オリンピック招致活動費居直り】
 12.8日、都議会代表質問での酒井議員(民主)らの「かゆさは感じなくても、納税者の痛みは感じてもらいたい」に対して、「他の都政サービスに影響がないから、痛くもかゆくもない」と発言しているとのことである。石原都知事が何の痛痒も感じていないことが判明する。

 12.8日、都議会代表質問で、酒井議員(民主)らの「かゆさは感じなくても、納税者の痛みは感じてもらいたい」との指摘に対して開き直り、「他の都政サービスに影響がないから、痛くもかゆくもないと言った」。

 12.21日、日本共産党都議団が公表した調査結果によると、オリンピック招致活動の名目で2009年6月から10月にかけて4回行った海外出張での浪費ぶりは総額約1億3046万円に上る。旅客機はファーストクラスでベルリン往復に240万円、ローザンヌでは五つ星ホテルの豪華客室に宿泊し、条例の上限額の3.7倍の1泊12万2850円、知事特別秘書も同2.9倍の6万2370円を支出。4回の出張で現地で借りた高級専用車の代金は総額4270万円。石原知事と同行の特別秘書ら4人の宿泊費は、延べ88泊中83泊が都条例の規定を計約295万円超過していた。


 【築地市場移転先問題】
 都議会が与野党逆転し、築地市場移転反対、築地再整備を主張する民主党が最大多数派となったことで見直し機運が高まり、築地再整備案が提出される中で、早期に市場整備を進めたい業者の陳情を受けた石原都知事は独断で豊洲移転を決定、それに対して都議会が対立色を深め、問題が膠着状態に陥っている。

 【財政悪化問題】
 石原都政は、当初は財政再建に取り組み、青島都政で作られた大幅な赤字を制度改革で解消し好況の波にのって黒字化を遂げたが、その後は放漫財政にシフトし、2009年度都政会計は、歳入全体の約74%を占める都税が4兆2561億円で、前年の5兆2933億円に対して約1兆円の減となり歳入全体でも4191億円減。歳出を大幅に減少させたことで実質収支はぎりぎり6億円の黒字に収まったものの一気に財政悪化が進行した。これに対する無策がその後の流れとなる。

 都の基金(貯金)残高も、青島都政終了時の1999年は869億円に対し、2008年に過去最高の1兆5814億円を記録した後、2010年度は1兆228億円となっている。2008年税制改正で福田内閣により制定されたのが地方法人特別税で、法人事業税の約半分を国税化し全国都道府県に人口等で按分することになったが、東京都がこの影響を最も受け、試算では2009年度で2800億円減、2010年度で3200億円減となり、この実施を巡って国との間で交渉が行われている。現在のところ、法制化されているが実施はされていない。さらに法人税減税が経済学者や一部政党を中心に話題になっているが、今後政府が法人実効税率を40%から25%に下げた場合、都税収入はさらに5100億円減収となるとみられている。

 2000年代の著作は次の通り。「この日本をどうする 」、「いま魂の教育 」、「生きるという航海」、「僕は結婚しない」、「東京の窓から日本を」、「 わが人生の時の人々」、「 老いてこそ人生」、「日本よ」、「 惰眠を貪る国へ」、「息子たちと私」、「日本よ、再び」、「石原愼太郎の文学」、「 東京の窓から世界を 」、「 オンリー・イエスタディ」、「 私の好きな日本人」、「火の島」、「 生死刻々」。

 2010(平成22)年

 【永住外国人の地方参政権について】
 1.15日、定例会見で、「地方主権ということを言われている時にね、国籍を持たない人たちの意向で(中略)国そのものが左右されかねない。私は、その発想そのものがおかしいと思います」、「そういう(外国籍の)人たちが束ねて民族移動のような形でね、案件によって投票(権)を行使したら、例えば千代田区のような1人区というのは人口が極めて少ないのに、(中略)そういうものを想定するとですね、私はとても危ない試みだと思いますね」。

 4.6日、全国知事会議で、「地方行政が(日本人と)違う価値観や目的を持った外国人に左右される可能性がある」。 参考:【「与党は帰化した子孫多い」発言】 【「三国人」発言】 【治安に対する偏見と差別】

 【政治とカネ】
 2.5日、定例会見で、小沢一郎・民主党幹事長が資金管理団体の土地取引事件で不起訴となったことについて発言して、「国民から見たらどう考えても非常識というか、我々の常識になじまないもんだと思いますな。非常に不愉快、不透明、不可解と言いましょうかね」、「私たちが一生かかったって使い切れないカネの問題が不透明にさらされてる。しかも、それが非常識な説明でまかり通ろうとしていることに(中略)国民はやっぱり反発しますよ」。

 5.7日、定例会見で、小沢氏をどう思うか問われて、「(政治とカネの問題は)やっぱり国民に対してはっきり説明をしないとね」、「金銭に関する説明は国民にきちっとする必要があるんじゃないかと思いますけどね」 。


 【「それなら自分の金で行きゃいいんだ」発言、「金メダルじゃねぇんだろ」発言】
 2.12日、定例会見で、 バンクーバー冬季五輪への期待を問われて、「いや、期待してるよ。それだけですよ。だから壮行会で言ったんだ。楽しむだけじゃだめだぞって、必ず勝ってこいって。勝たにゃ、国民満足しないよってどっかバカな選手が、どっかのね、オリンピックでね、私は後悔しておりません、楽しんできましたって。それなら自分の金で行きゃいいんだ、そんなものは。国費を費やして養成した選手が惨敗してね、楽しんできましたじゃ国民報いられないよ」。

 2.19日、定例会見で、バンクーバー冬季五輪について、「日本勢が不振であることは誰が見ても確かだと思いますね」、「選手たちが思ったより高く跳べない、思ったほど速く走れないのは、重いもの背負ってないからなんだよ。国家というものを背負ってないから、結局、高く跳べない、速く走れない、と私は思いますね」
「教育の問題が出ましたが、修身の復活なんて陳腐に思えるかもしれないけど、考えてみた。やはり刷り込みなんだね」、「基本的な道徳教育というんでしょうか、責任教育というんでしょうか、そういったものは必要なんだなということを改めて感じていますけど」。

 高橋大輔選手が日本フィギュア男子初のメダルを取ったことについて、 「金メダルじゃねぇんだろ。否定はしませんよ、しかしそんなに快挙かねそれは。それほど。ま、結構でしょう。慶賀に耐えないとまでは言わないけどな」。

 2.25日、バンクーバー五輪の日本選手の活躍に対する国内の反応について、報道陣に「銅(メダル)を取って狂喜するって、こんな馬鹿な国はないよ!」。


 【平沼赳夫新党を「たちあがれ日本」と命名し応援団長に就任】
 4.10日、4月、平沼赳夫元経済産業相や与謝野馨元財務相らが結成した新党を支援して、新党名は石原知事の発案で「たちあがれ日本」と決められた。命名者として応援団長に就任する。自主憲法制定を掲げ、右派色の強い新党のメンバーは70歳前後の議員ばかりとなり、さっそく「たちがれ(立ち枯れ)日本」「たそがれ日本」などとささやかれ、政界の反応も「イメージと実態が合っていない」、「長過ぎる」といったものだった。石原知事は、新党支援の理由を、「国を憂えている。若いやつは何してんだ。みんな腰抜けじゃないか。このままじゃ死ねない」などと述べた。

 【日教組攻撃で「藁人形叩き」】
 4.11日、 陸自練馬駐屯地創立記念行事で、「今の政権はこの日本をダメにしたのに非常に大きな功あった日教組がバックアップして、その幹部が中枢にもいますが、いったい国家が侵犯されたときに、戦後、彼らは何を教えてきたか。家族を犯され、殺されていてもなお、白旗を掲げれば寛容で相手は許してくれるというバカな教育をしてきた」。

 4.16日、定例記者会見にて、「これまでは人間は、書籍を読むということを通じて自分で考える力を養ってきました。しかし、急激にメディアが多様化して読書をめぐる環境が大きく変わってきた中で、物を考える力が弱まっていますな」、「若い人たちが情報をインターネットに頼る。(中略)過剰に摂取した情報の整理までを情報に頼る。その価値判断までを情報に頼るというね。(中略)一種のこの、メディアに対するリテラシー(情報を読み解く力)の問題だと思うんだけども」。

 【「与党は帰化した子孫多い」発言】
 4.17日、自民党を中心とした地方議員らによる永住外国人への地方参政権付与などに反対する集会で、「この中に、帰化された人とかね、お父さん、お母さんが帰化されて、そのお子さんって議員さんいますか」、「国会は随分多いんだね、調べてみると。インターネットの情報を見るとね。それぞれ検証しているんでしょうけれど、与党を形成しているいくつかの政党の党首とか、与党の大幹部ってのは、調べてみると多いんですな」、「ご先祖への義理立てか知らないが、日本の運命を左右する法律をまかり通そうとしている」。同じ席では、「日韓併合は韓国側が選んだ」「彼らにとって屈辱かもしれないけども、そう悪い選択をしたわけではない」と、またしても1910年の韓国併合を正当化する発言をしている。
 ※この発言の「党首」とは社民党の福島瑞穂党首を指すと見られ、福島氏は事実無根とした上で「帰化した人は日本人であり、日本人と完全に同等の権利義務がある。問題とすること自体、人種差別ではないか」と指摘した。

 4.23日、定例記者会見にて、福島党首からの抗議に対して、「いや、私は何も彼女を特定したわけじゃありませんから。一種の総論として言ったわけですから」、「(福島党首は)不快な感じに言われるなら、そうでないということを自分で戸籍を明かしたらいい」。発言の根拠について、「情報を明かせと言われたら、多すぎていつ誰が言ったか、さっぱり分かりませんな」。

 【米軍普天間飛行場問題】
 5.14日、定例記者会見で、米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山首相が全国知事会議の開催を要請したことについて、「知事会を開いて、どこか(移設の)受け手がないですかと聞くこと自体がナンセンスだ」、(米軍基地について)「危険の温床は、やはり北朝鮮と中国。基地というのは相手の近くにあればあるほど有利」、「戦術、戦略というものの良識、図式、本質を知らないでここまで来た人(鳩山首相)が、何をもって日本中の知事を集めて『どこかいいところないか』って聞いたってね」、「アメリカとの合議の上でしか(移設先を)選択できない。(戦後の占領など)経過を眺めれば、沖縄の人には気の毒だが、もう一回我慢してください(と言うしかない)」。

 【八ツ場ダム建設問題】
 6.18日、前原国土交通相が建設中止の方針を表明した群馬県長野原町の八ツ場ダムについて述べて、「上にいる人たちが(土地収用法で)やれって言ってくれれば、もっと早く済んだ。心遣い気遣いで時間がかかりすぎた」。

 【「首相を殴れ」発言】
 6.19日、札幌市内で開かれた、たちあがれ日本の集会であいさつして、「もし、(菅直人首相が自衛隊の)観閲式の国旗入場で立たなかったら、構わないから殴れ。殴られてもしょうがない」。

 【「都知事論とその給与論」】
 7.2日、定例会見で、(記者)昨年の知事の所得が公開された。知事報酬の2389万円は高いと思うか、安いと思うか。「妥当なとこじゃないですか」、「昔はもっと収入ありましたからね、物書きの頃、私は。大流行作家だったから」。(記者)現在の知事報酬を維持するべきだと思うか。「都の知事は、ほかの知事と違って、持ってる権限、預かってる予算から言ったって大変なもんだと思いますよ。それなりに重い、大きな仕事だと思いますよ。やりがいがあると思いますよ。総理大臣は日本で一番偉いかも知らんけど、くるくる代わって何もできないうちに罵詈雑言浴びて辞めるのに比べれば、とにかく自覚を持ってしっかりしてやれば4年間は頑張れるわけだから」、「日本の心臓部、頭脳部であるんだから、給料としては妥当なもんじゃないでしょうか」。

 【「真の指導者とは」】
 7月、「真の指導者とは」(幻冬舎)を出版する。

 【核保有は非常に勝手?】
 8.6日、定例記者会見で、国連事務総長らも迎えた65回目の広島の原爆の日について感想を求められて、「アメリカやロシアのような核をたくさん持っている国が、『自分たちも少しは減らすけど、お前たち持つな』という言い分も、非常に勝手」、 「広島、長崎という悲劇を私たちが忘れない限り、核兵器を使うことないでしょう、使えることもないでしょう。無抵抗な膨大な数の市民の被害、それが長く続いていることを、もっと世界に積極的に知らせる必要があると思いますな。1発の爆弾がこれだけの被害を長きに与えるという恐ろしさ。どんどん出したらいいと思いますね」。

 【高校無償化で朝鮮学校への差別】
 9.3日、定例記者会見で 高校無償化で朝鮮学校を除外することについて、「拉致問題とも関係あるんだけどね、やっぱり一部の人間は明らかに手引きして、とにかくその日本人をわなにはめて拉致して、ひどい目に遭わせているわけですからね。その状況証拠は濃厚にあるわけだし(中略)、学校でどういう教育を受ける、それがもし著しい反日教育なら、そんな学校に我々の税金で支援するというのはおかしな話でね。(中略)日本に害を及ぼすこと、拉致を含めて、それを是とするんだったら、お国に帰られたらいいんじゃないかと思いますけどね」。

 【尖閣問題で戦争と核保有を主張】
 9.21日、報道陣に対して、尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件について、(予定していた中国訪問について)「あんな不愉快な国は行かない。向こうから頼まれても行かない」。(閣僚級以上の交流停止に触れて)「私は閣僚以上ですから」、「中国がやっていることは理不尽な、やくざがやっていることと同じ」「何で政府は実行処置をとらないのか。例えば日本の潜水艦が韓国や北鮮、中国の領海を侵犯したら爆雷を落とされる。何で日本はやらないのか」。週刊誌上での発言で、「仮に日本が核を保有していたら、こんな事態にはならなかった。核保有の日本が戦争を始めたら、アメリカは困るから助ける。アメリカは自分が囲ってきた妾が、他の誰かの方へ行くよりはいいと考えるだろう。日本人はまず屈辱を感じないとね。それが怒りに転じて、自分のことをどうするのか具体的に考えるようになる」(週刊新潮)。

 【「日本人が欲に飲み込まれたのはアメリカのせい」発言】
 「SAPIO」2010年10月13・20日号、 日本は欲望に支配される社会になった、として、「日本人の精神が戦後65年かけて、『平和の毒』に侵されてしまったからでしょう。有史以来、平和とは、犠牲を払って獲得するものです。日本人だって、戦前まではそうしてきた」、「ところが戦後、アメリカにこの国は骨抜きにされてしまった」、「堕落した日本人は公に奉仕することを忘れてしまった。家族のため、公のため、国のために行動するという心がない」。

 【軍事力信仰】
 10.23日、北朝鮮による拉致被害者救出のための集い(都など主催)にて、「これはまさしく政治問題。解決するためには力、軍事力です」。

 10.24日、フジテレビ番組「新報道2001」に出演して、「日本は、外交交渉、経済交渉のための絶対に必要なインフラ、これは軍事力なんだ」、「米国が日本を核の抑止力で守っているのはうそっぱちだ。日本は2年で核兵器を持てるのに議論がタブーになっている」、「ドイツは非核3原則とかバカなことを言わずに米国の核をドイツに持ち込ませたから発言力がある」、「米軍の司令官は『日本は遠すぎて守れない』と言っている。何で日本は自分で核兵器を持たないのか。持てる力は十分にある」、「(過去に)日本が核保有していたら、北朝鮮に同胞をさらわれることはなかった」、「日本が軍事力をつけないと、この(尖閣諸島の)問題はたなざらしになって、そのうちに白骨化しますよ」。 参考:【核兵器は国家として重要発言】 【戦争暴言】 【戦争に賛成するバカ】 【敵を殲滅したらいい発言】 【領土問題で軍事力誇示を主張】 【「オリンピックボイコット」と「戦争」を呼びかける】 【尖閣問題で戦争と核保有を主張】 【外交交渉力とは核兵器】

 【羽田空港のハブ化】
 10月、羽田空港に四本目の滑走路と国際ターミナルが完成、32年ぶりに国際定期便が就航し競争力をつけている韓国の仁川空港、シンガポールのチャンギ空港に対抗した羽田空港のハブ化の第一歩となった。羽田の二十四時間空港化で周辺地域への騒音問題や事故の危険性が高まったが、羽田空港拡張事業に熱心に取り組み実現させた。

 【築地市場移転先問題】
 10.22日、石原都知事が、定例記者会見で、.「(築地市場問題について)移転を決断しました」と言明した。翌日、都の幹部が東卸を訪れて、知事の署名が入った「築地市場事業者の皆様」と題する文書を持ち込み、組合を通じて各事業者に配布された。反対派組合員が次のように批判している。
 「老朽化しているから建て替えるというのですが、そんなことは10年も20年も前からわかっています。問題は、なぜ観光資源となり、業者だけでなく都民の愛着もある築地を離れ、高濃度の発がん物質などで汚染された豊洲に移転しなければならないのかということ。それには答えず、議会や反対事業者を無視して強行突破しよういうのですから許せません」。

 【尖閣ビデオ流出事件でデマを拡散】
 10.24日、尖閣ビデオ流出事件について、フジテレビ番組「新報道2001」に出演して、石原慎太郎と佐々淳行が「中国の漁船(の漁師)がモリで突いてる」というデマをばらまいた。「政府の関係者から聞いた。日本の巡視船の乗組員が何かの弾みに落ちたのを、中国の漁船(の漁師)がモリで突いてるんだって。それは『仄聞ですが』と、数人の人から聞いたウソか本当か分からないが、その実態を私たちは知る必要があるし、(ビデオ映像を)公開すべきだと思う。それが、この問題に対する日本人の正当な世論を作っていく」。

  「…国民にむかって、外国から攻撃されるぞと戦意を煽り、平和主義者の奴らには愛国心がなく、国を危険に晒していると非難しておけばよいのです。このやり方は、どこの国でもうまくいきます」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリングのニュルンベルグ裁判での言葉とされている。「ゲーリング発言」としてでなく、好戦戦意高揚常套手法論として聞いておくべき)

 【表現規制と陳腐で通俗的な道徳観】
 11.29日、創作世界に「刑罰法規」を上回る規制を適用する都改正青少年健全育成条例に反対する漫画家らの記者会見が開かれたことに対して、「夫婦の性生活みたいなのを漫画に描くことが子供たちに無害だっていうなら、バカだね、そいつら。『頭冷やしてこい』と言っといてくれ」。

 12.15日、都改正青少年健全育成条例が成立したことについて、「当たり前だ当たり前。日本人の良識だよてめえら自分の子どもにあんなの見せられるのかね。大人で考えたら大人の責任だよ。当たり前だよ」。

 12.17日、定例記者会見で、「世の中には変態ってやっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて。やっぱりアブノーマル。幼い子の強姦がストーリーとして描かれているものは、何の役にも立たないし、(百)害あって一利もない」。
 石原氏は、かつては書籍『スパルタ教育~強い子どもに育てる本~』(光文社)でこんなことを書いていた。
「人間の想像力を培う糧である読書を、なにをもってよしとし、なにをもって悪とするかほど、根拠のないものはない。そのよしあしに、親が陳腐で通俗的な道徳をもちこむほど、子どもの大きな将来性をスポイルすることはない」。同書にはほかに、「いじめっ子に育てよ」、「子どもに酒を禁じるな」、「子どもに、戦争は悪いことだと教えるな」、「おじぎのしかたを教えるな」、「よその子にケガをさせても、親があやまりにいくな」、「先生を敬わせるな」などの文が見られる。

 ちなみに、過去には、その石原慎太郎が原作の映画「処刑の部屋」のレイプ描写に影響を受けたとして強姦事件などが起こったことがある。このほかにも石原氏の小説には、未成年の知的障害の少女を拉致監禁し輪姦し売春宿にに売り飛ばす話「完全な遊戯」などがあるそうだ。 さらに、都知事の就任直後に出版された小説「聖餐」には、主人公が森の中で性交する男女をカメラで撮影する場面が描かれている。その内容は、男が女の喉を切って殺害、内臓をえぐり出して、男も女の裂かれた腹に顔を突っ込んで絶命するという実にグロテスクなもので、これは条例が問題とする"刑罰法規に触れる性交"であろう。


【同性愛者論「やっぱり足りない感じ」発言】
 12.3日、都議会に、漫画やアニメにおける児童ポルノや近親相姦などの描写は規制するべきという、表現の自由を脅かすと批判の強い都青少年健全育成条例改正案の成立を求めるPTA団体による要望書「青少年健全育成条例改正案の成立に関する要望」提出を受けて次のように発言している。
 「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者の連中が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている」。

 12.7日、3日の発言の真意を記者に問われて次のように発言している。
 概要「(過去にサンフランシスコで)ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ。(同性愛者のテレビ出演は)それをことさら売り物にし、ショーアップして、テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね」。

 この発言を受け、国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチは、石原氏に発言の撤回を求めている。

 2011.2.16日、都議会で声を荒らげながら次のように答弁している。
「そういう歪んだ性愛ってものを描いて金を儲けている人間は、私は卑しいやつだと思いますな。しかし、しかし…」。

 【「赤信号みんなで渡れば怖くない」発言】
 12.10日、定例記者会見で、 知事にとって今年の漢字は、と問われて、「国全体で考えると、私は『衰』だね。衰弱の衰。国全体は。そんな感じがしますな。もう如実に」、「国全体が沈もうとしてますよ。まあ何か大連合(民主党・自民党の大連立)のうわさもあるけど、結構じゃないですか。単独の政党でできないんだったら組んで、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』で、みんなで渡るんだったらできることありますよね。消費税だってそうだし、憲法改正だってそうだし」。

 2011(平成23)年

 【都議会で4選出馬表明】
 3.11日、都議会で4選出馬表明。三陸巨大震災(東日本大震災)が日本中を震撼(しんかん)させる30分ほど前の出来事だった。

 【三陸巨大震災発生】
 3.11日、三陸巨大震災(東日本大震災)発生。

【震災天罰論】
 3.14日、三陸巨大震災(東日本大震災)を受け、節電対策をテーマに蓮舫氏と会談を実施。その後、報道陣の前に姿を現し、震災への所感を次のように発言している。
 概要「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して(日本人の)我欲をうまく洗い流す必要がある。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」。

 その後の会見でも「日本に対する天罰ですよ」、「受け止め方の問題だ」と開き直り発言撤回拒否する。後日、石原氏は「行政の長である私が使った『天罰』という言葉に、添える言葉が足りなかった」と謝罪した。

 【原発擁護論】
 3.23日、次のように原発擁護論をぶち上げている。
 「私は基本的に原発の推進論者」。
 「今までも訳の分からない連中が原発反対というので、福島に押しかけていってデモなんかをやったらしい」

 【原発推進論】
 3.25日、福島第一原子力発電所が爆発事故を起こし、大規模な放射能汚染が福島県のみならず東京都民の生活にも深刻な悪影響を及ぼしている状況の中で福島県災害対策本部を訪問した際、佐藤雄平・福島県知事と会談後、報道陣の前で次のように発言している。
 「私は原発推進論者です、今でも。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかないと思う。10メートルの津波やマグニチュード9など誰も想像できなかった。原発を冷静にとらえるべき」などと発言した。

 参考までに、過去次のような発言をしている。
 「日本の原子力発電所の管理体制は世界で一番」。
 「東京湾に造ったっていいくらい日本の原発は安全だ」。

 【東京都知事選挙に4期目当選】
 4.10日、一時は3期目での退任を考慮した中で、東京都知事選挙に出馬を決断して立候補する。東国原英夫、小池晃らを破り、2615120票を獲得して4選を果たした (得票率は43,4%) 。2011年東京都知事選挙において他の立候補者が原発の危険性を強く指摘し、原発の廃止や見直しを訴えていた中、原発の増設・推進に賛成の意を表していた立候補者は石原だけである。
石原 慎太郎 2,615,120 無所属(推薦)自民都連・公明
東国原英夫 1,690,669 無所属
渡邉美樹 1,013,132 無所属(推薦)民主都連
小池晃 623,913 無所属(推薦)共産
中松義郎 48,672 無所属

 【核兵器保有、徴兵制支持発言】
 6.20日、記者会見で、「日本は核(兵器)を持たなきゃだめですよ。持たない限り一人前には絶対扱われない」、「日本が生きていく道は軍事政権を作ること。そうでなければどこかの属国になる。徴兵制もやったらいい」と発言した。

 2012(平成24)年

 【芥川賞選考委員を辞任】
 1.18日、第146回芥川賞の選考会の前に候補作のほぼ全てを中傷したが、選考会後に受賞者の田中慎弥に批判を受けると「田中君の作品は評価していた」と発言をし、その直後に95年から務めてきた芥川賞(日本文学振興会主催)の選考委員を「今回をもってやめる。全然刺激にならないから」と述べ辞任した。「いつか若い連中が出てきて足すくわれる、そういう戦慄(せんりつ)を期待したけど全然刺激にならない。自分の人生にとっての意味合いの問題だ」と理由を説明。さらに最近の文学作品について「物書きとしての緊張感を覚えさせてくれる作品がない」と批判した。

 【4期目に立候補】
 1.23日、テレビ朝日の報道番組に出演し、都知事像を問われて、「東京の知事ってのは、偉そうに言うけど、総理大臣に次いで権限あるんですよ」、「(東京は)国家の中の国家みたいなものですよ。だから私もやりがいがあってやったんでね。ただ、やっぱり長くやるってのは良くない」。

 2.10日、記者会見で、みんなの党の渡辺喜美代表が「4期16年は長すぎる」と石原知事の4選出馬を支持しないと発言したことについて、「同感ですな。たまにいいこと言うね、渡辺君も」。

 2.27日、 フジテレビの報道番組に出演して、「人間が同じことを何回もやっちゃダメなんだ」、「人心もうんでくるしさ。やってる当人だって、だれてくるし」。このように不出馬の意向を仄めかしながらも、明言はしないまま、結局ぎりぎりで4期目の立候補を表明した。

 3期の実績を振り返ると、功少なく、罪多いと言わざるをえない。破綻寸前の新銀行東京に1500億円を投じ、予想通り失敗した東京五輪の招致には150億円とも200億円とも言われる税金をつぎ込んだ。その一方で、就任当初の雑誌インタビューで「何がぜいたくかといえば、まず福祉」と語ったとおり、大幅予算カットで都道府県最低レベルに落ち込んだ福祉と医療の現場は崩壊の危機に立たされた。少数派や市民の声を軽視する強権行政は、国会議員時代からの側近を重用したり、外郭団体のトップに財界の友人を送り込んだりと「都政私物化」が目立ち、取り巻きが権勢をふるった。深刻な汚染が判明し、震災で広範囲の液状化が確認された豊洲地区への築地市場移転を強行しようとして、さらに都民の生活と命を脅かしている

 【核武装国家論開陳】
 2.4日、「たちあがれ日本」の会議で、核保有を含め強力な武装国家になることを「真剣に考えなければいけない」、「アメリカは新しい核のシミュレーションを始めた。日本もやったらいい」と核武装を主張する。

 【石原慎太郎都知事会見で原発擁護発言】
 2.10日、石原慎太郎都知事会見で、「東京都原発投票署名が集まった事について」の発言中に出た言葉は次の通り。(「石原慎太郎都知事会見/原発反対は人間がサルに戻る事です」)
 「人間の進歩っていうのはね、 この近代精神っていうのは、とにかく、人間はね、技術を開発することで進歩してきたと。 それを容認するのがね、歴史の原理だという事を言っててね、その原発をとにかく反対って言う人は、代案も出さずに言っているからセンチメントで言ってるから、これは結局人間の進歩というのを認めない。まっ、人間がサルに戻ることです」。

 【ヘリテージ財団主催のシンポジウムで尖閣諸島買い上げ構想をぶちあげる】
  4.16日、訪米中の石原東京都知事が、アメリカの首都ワシントンにある米政策研究機関にしてブッシュ政権の軍事政策を支えたシンクタンクである「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで講演し、沖縄県石垣市の尖閣諸島で最大の魚釣島と北小島、南小島の3島を都が買い取る意向を示した。既に民間の地権者の同意を得ているという。「東京が尖閣諸島を守る。どこの国が嫌がろうと、日本人が日本の国土を守るために島を取得するのに何か文句がありますか」と述べた。これによって、当時の野田総理大臣は、政府による買い上げで「国有化」を行わざるを得なくなり、中国との関係を一気に悪化させることになった。
 石原慎太郎は、極東特に中国と日本の仲を険悪にする事を任務としているように思われる。ヘリテージ財団は「ミサイル財団」の異名を持っている。
http://d.hatena.ne.jp/rebel00/20120418/1334711376

 ヘリテージ財団は、スポンサーに軍需産業が多く名を連ね、ミサイル配備をはじめとする軍備増強を強硬に主張することから別名「ミサイル財団」とも呼ばれている。イラク戦争やAFRICOM(アメリカアフリカ軍)創設にも関与した。アジアで領土問題や歴史問題による緊張状態を煽る政策を推進し、中国や北朝鮮にミサイルを買うよう圧力をかけているのも同財団である。ヘリテージ財団は、自民党系タカ派や防衛族の議員とも関係が深い。同財団の講演会では07年、当時の久間章生防衛相が武器輸出3原則の見直しを発言している。今回の石原氏の尖閣に関する発言を契機に、その後、日中が棚上げしていた尖閣問題が再燃し、同時期に北朝鮮のミサイル発射問題も浮上して日本はミサイル防衛関連の新型兵器をアメリカから追加購入することになった。偶然とは思えない流れである。同財団の背後には数々の米軍産複合体がスポンサーについている(相関図参照)。
http://nikkan-spa.jp/327126

 【外交交渉力とは核兵器】
 2.18日、記者会見にて、「日本は非核三原則というばかなことをやった」、「(日本が)核を持とうと思ったら持てることを高いレベルで議論することは当たり前」、「核の保有ではっきりと敵意を持つ国が間近にある国家は世界に日本しかない」、「領土問題で日本がはっきり物を言う発言力をバックアップするのは軍の装備だ。世界はそういうメカニズムでしか動いていない」、「私はもともと核の保有論者」「(核の不拡散を訴える)国連なんてものはこれっぽっちも信用できない」。

 3.8日、英紙インディペンデント(2011年3月8日)によるインタビューで、「日本は1年以内に核兵器を製造することができ、世界に強いメッセージを伝えることができる」、「われわれの敵である中国、北朝鮮、ロシアは核兵器を持っている。同じ状況に置かれた国が世界にほかにあるか?」、「人々は(核開発の)費用のことなどを言うが、現実には外交交渉力は核兵器を意味する」。

 【給料減らすしかない】
 2.18日、定例会見にて、行政の財政改革には、公務員改革が必要だとして、「当たり前だ。見てみろよ、東京のやった財政改革を。人を減らすのと、給料減らすしかないんだ」。また、都職員の削減が必要だとして、「職場によりますけど、行くとやたらに人が立ってお辞儀するんだよね、知事様か何か知らんけど。余計だよ。1割くらい削れるんじゃないか」。

 自身は、1期目で4700万円、2期目で4500万円、3期目の4300万円の退職金まで受け取っているとか。

 【昔ならそんな人間は殺されている】
 2.24日、都議会で、来代勝彦自民党都議から「20代でIT企業をおこしたある人物が『尖閣諸島を明け渡せばいい』と発言した」などとして見解を問われたのに対して、「どんなやつか知りませんけども、昔ならそんな人間は殺されてますな。愛国の士もいましたから」。

 【「差別で言うわけではないが」と差別】
 週刊ポスト2011年2月25日号、 「携帯、テレビ、パソコンのバーチャルな対人関係によって、あまりにもひ弱になってしまった者たちには、意思に反して強いられる肉体的制約が必要なのです。同じように、人間社会の原理を幼い頃から子供たちに、頭ではなく体で刷り込むことも肝要だ。今さら教育勅語を復活させろとはいわないが、「父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し、朋友相信じ―」といった言葉は、いつの時代であっても否定し得ぬ原理です。差別で言うわけではないが、同性愛の男性が女装して、婦人用化粧品のコマーシャルに出てくるような社会は、キリスト教社会でもイスラム教社会でもあり得ない。日本だけがあってもいいという考え方はできない」。

 地震のために異例ずくめとなった選挙の末、結果は石原氏が2位に大きく差をつけて当選した。とは言え、得票率は前回よりさらに約8ポイント低い 43% にとどまり、有権者全体の中で候補者がどれだけの信任を得ているかの目安となる絶対得票率では 24.9% と、同時に行われた12都道県知事選の当選者12人中で2番目に低かった。

 【「津波は天罰」発言】
 3.14日、蓮舫節電啓発担当相との会談後に記者団から東日本大震災の国民の対応について問われて、「我欲に縛られて政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」。

 夕方、都庁で行った記者会見で、記者から「被災された方にとっては非常に不謹慎な発言だと思うが」と撤回の意思を問われても、発言を撤回しない考えを示して、「日本に対する天罰だ。大きな反省の一つのよすがになるんじゃないですか。それしなかったら犠牲者たちは浮かばれない」、「あの時申し上げたでしょうが。『被災された方には非常に耳障りな言葉に聞こえるかもしれないが』と(前置きで)言ったんじゃないですか」。 記者に対して次のように文句を付けた。「正確に人の言うことを聞いて、正確に聞き取って、正確に報道してもらいたい」。

 3.15日昼の記者会見で、「『天罰』という言葉に、添える言葉が足りなかった。撤回し、深くお詫びします」 。3.22日、4期目の立候補表明を受けて原宿・ニコニコ本社にて開催された会見で、天罰発言について、「言葉だけを引き抜いてマスコミが使うのはフェアじゃないと思う」。3.25日、佐藤雄平・福島県知事と会談後、報道陣に対して、「片言隻句をとらえて批判するのは報道として卑劣だ」、「福島県民に罪はない。国民全体の罪だ」。天罰発言の際には、同時に次のような発言もあった。「残念ながら無能な内閣ができるとこういうことが起きる。(1995年の阪神大震災の際の)村山内閣もそうだった」。

 【消防隊員「恫喝」発言に抗議】
 3.21日、菅直人首相との会談後に、 政府関係者(海江田万里経済産業相)から東京消防庁ハイパーレスキュー隊幹部に対して「速やかにやらなければ処分する」との圧力的発言があったとして、「離れたところにいる指揮官がね、指揮官が誰か知らんがね、現場の事情を無視して『(放水作業を)速やかにやれ。言う通りやらなかったら処分する』ということを上から言ってはいけない」、「担当大臣か何か知らないが、恐らく上から来るのだろう。そんなばかなことを言うのがいたら戦が戦にならない。絶対そんなことを言わさんでくれと(首相に)言ったんだ」。

 【築地市場の豊洲移転問題】
 3.22日、4期目の立候補表明を受けて原宿・ニコニコ本社にて開催された会見で、土壌や地下水が有害物質で高濃度に汚染された豊洲地区の旧東京ガス跡地に築地市場を移転する計画を、石原氏は強引に推し進めていることに対して、東日本大震災で豊洲が液状化を起こしていることを問われて、「築地を作り直すには非常に時間とお金がかかる。日本の土木工学を用いれば、下に何があろうが、汚染物質は除去できます。きちっとした基礎を作って、上に建物を作れば、液状化は起きません」、リスクのある豊洲移転にこだわる理由を問われて、「今の築地は古すぎる、狭すぎる、危険、汚い。アスベストがたくさん使われている。震災で崩れたらえらいことになる。土壌汚染の対策にせよ、日本の土木技術は一番進んでいる。その技術を日本人が信じなくてどうする。一流の学者達に(土壌を)調べてもらった」。

 ※石原都知事が「古い、狭い、汚い」と言った築地市場は震災でびくともしなかった一方、高濃度の土壌汚染が発見されている移転予定地では、90カ所の液状化が確認された。都は対策を施すとするが、専門家も「いずれの工法も、液状化対策としては不十分」と指摘する。

 【私は原発推進論者です】
 3.25日、佐藤雄平・福島県知事と会談後、報道陣に対して、東日本大震災で、深刻な高レベルな放射能漏れなどを起こしている福島第一原発事故に関して、 「私は原発推進論者です、今でも」、「日本のような資源のない国で原発を閉ざしてしまったら日本の経済は成り立たない。10メートルの津波やマグニチュード9など誰も想像できなかった。原発を冷静にとらえるべき」。参考:(過去の発言より)「日本の原子力発電所の管理体制は世界で一番」「東京湾に造ったっていいくらい日本の原発は安全だ」、【刈羽村原発住民投票】 【増殖炉は人類の夢発言】 【築地市場の豊洲移転問題】

 6.10日、定例記者会見で、定期検査中の原発の運転再開が困難な状況について問われて、「困ったもんだと思ってますよ。(中略)日本人ってのは、原子力に関しては非常に特異なセンチメントを持ってますからね、非常にトラウマ持ってますから。原爆で」、「風車? あんなもんで役に立つわけがないんだ、日本は雷多くて」。

 【パチンコと自販機はやめちまえ】
 4.9日、選挙戦最終日の街頭演説でまくし立てて、 原発事故が引き起こした電力不足に対する一連の発言自動販売機なんてやめちまえ。コンビニで買って家で冷やせばいいじゃない」、「(パチンコと自販機の)二つの電力がなけりゃ、福島の原発はいらない」。

 4.10日、都知事選終了後に報道陣に対して、 「今度の事故で(原発を)全部否定したら世界はどうなりますか。冷静な判断をしないと国の経済は持たない」、「(パチンコ店と自動販売機の電力消費の合計は)福島原発の電力供給とほぼ同じだ」、「こんなものに1000万キロワットも電力使っているなんて」、「パチンコやる人も我慢なさい。自動販売機なんてなくても生きていけるじゃない」。

 ※パチンコ店で最も電力消費が大きいのは空調で、実際には、東京電力管内の店舗の消費電力はピーク時でも約84万キロ・ワット。清涼飲料水の自販機は計26万キロワット。

 4.11日午前、都庁で記者団の取材に応じて、「福島の原発(の発電量)と同じくらいの電気が自動販売機とパチンコに使われている。外国に例を見ない状況で、必需品かといったら、絶対にそう思わない。特に自販機なんてなくても、何の痛痒も感じない」、「節電と言うが、今の政府は何でそういうものを対象にした政令を出さないのか」。

 4.15日の定例記者会見で、 強制力を伴う節電策として中央政府が政令を出せば良い、として、「(パチンコや自販機という)業種がかなりべらぼうな電力を食っている。自粛させるような具体性のある政令を出さないと効果が出てこない」、「(パチンコは)そんなに好きな人が多いんなら真夜中にやったらいいんだ」。国による制限に慎重な蓮舫節電啓発担当相に対して、「国が口を出さずに誰が出すのか?工場を止めるより自販機を止めたほうが、よっぽど国民の役に立つ」、「そんな『てにをは』の分からない大臣だったら悲しい話だな、国民は」、「(3月14日に)蓮舫なる人物がやってきて、握手してテレビ映って帰っていったけど、そんなものはスタンドプレーでしかない。彼女は非常に私に腹を立てているようだが、結構。腹立つのはいいんだが、トンチンカンというんだ、ああいうのは」。


 【知事の勤務実態】
 4.11日、 再選直後、記者から都政運営に関して「地震前の登庁は週二日程度だった」と問われて、「んなことはない。三日くらい来たよ。だって、仕事がないのにいてもしょうがない。別に家で寝ているわけじゃなくて、来ない日は東京を歩いていろいろ取材してるよ、あちこち。いいんじゃないか、それで」。

 6.3日、定例記者会見で、サマータイム導入に関連して「知事は出勤を早めないのか」と問われて、「私、あんまり早く出てきたことないですからね。痛痒を感じませんけども」。

 【東京都尖閣諸島寄附金募集】
 4月、東京都が尖閣諸島を地権者より購入する計画について記者会見し、4.27日より東京都によって東京都尖閣諸島寄附金が募られている。9月現在、寄付金は14億7千万円。

 【震災でパー、ざまあみろってんだよ】
 5.17日、動画投稿サイト「ニコニコ生放送」の番組「田原総一朗 談論爆発!」で石原氏がゲストとして出演し、都の青少年健全育成条例に漫画家や出版社が「表現の萎縮を招く」などと反発して「東京国際アニメフェア」への出展を取りやめた問題についての発言「大きな出版社までが、何を被害妄想かなんか知らんけどね、アニメフェアやったらね『あんなとこ行かない。おれたちは幕張でやる』って言ったらね、震災が来てね、両方ともパーになった。ざまあみろってんだよ」。 「地震が来て、やっぱり俺がやらなきゃいかんかな、宿命なのかな」は4期目の立候補についての発言。ちなみに過去には自身のこんな発言もある。「他人の不幸をチャンスとして喜ぶような表現は日本人の感性に合わない」(【他人の不幸をチャンスとして喜ぶのは】より)。

 【日本は軍事政権を作って核を持て発言】
 6.10日、ロイターのインタビューに対して、「(次期政権で話が出ている)大連立ができれば、再軍備、憲法改正、税制改正をやるべきだ。みんなが怖がってタブーになり、できていない課題だ」。

 6.20日、憲政記念館で開催された国民新党・亀井静香代表主催のセミナーの講演で持論を展開し、「日本は核を持たなきゃだめですよ。持たない限り一人前には絶対扱われない」、「世界の国際政治を見てご覧なさい。なんだかんだ言いながら、核を持ってる人間は、マージャンでいえば一翻(イーファン)ついてて上がれるけど、マージャンやっている人は分かっている、一翻がついていない人間は絶対に上がれない」、「日本が生きていく道は軍事政権をつくること。そうでなければ、日本はどこかの属国になる。徴兵制もやったら良い」。

 【2020年夏季五輪招致の意向表明】
 6.17日、都議会本会議での所信表明で2020年夏季五輪招致について、「被災地をはじめ、広く日本全体とスクラムを組んで東京にオリンピック・パラリンピックを再び招致することを、考えていただきたい」、「大震災から立ち直った9年後の日本の姿を披歴できれば、世界中から寄せられた友情や励ましへの何よりの返礼となるに違いない」。同日の記者会見で、「それから、一種の国際政治だけど、IOC に日本の代表をもっとたくさん送っていくような工作をしなきゃ」。

 【野田政権政府が尖閣諸島国有化】
 9.11日、野田政権政府が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島など3島を20億5千万円で購入する売買契約を地権者と交わし、3島を国有化した。これに先立ち、閣議で2012年度予算の予備費から購入費を拠出すると決定した。日本政府の買い取り対象は、5島と3つの岩礁からなる尖閣諸島のうち、魚釣島、北小島、南小島。購入後は海上保安庁が管理する。外務省は11日、尖閣諸島の国有化を中国政府に説明するため、杉山晋輔アジア大洋州局長を北京に派遣した。

 【自民党の総裁選で息子の石原幹事長が出馬、落選】
 9.26日、自民党の総裁選が行われ安倍元首相が選出された。2位は石破前政調会長、石原都知事の長男の石原幹事長は予想外に振るわず3位。直前の谷垣総裁の出馬を取り止めさせての出馬にしては痛い目に遭ったことになる。

 【石原慎太郎・東京都知事と橋下徹・大阪市長が党首の日本維新の会との連携の動き】
 10.29日、石原慎太郎・東京都知事が結党を目指す新党と、橋下徹・大阪市長が党首の日本維新の会との連携の動き。

 10. 29日、民主党の熊田篤嗣衆院議員(大阪1区)と水野智彦衆院議員(比例南関東)が離党届を出し、河村たかし・名古屋市長が率いる減税日本に参加する見通しとなった。減税日本の中には、石原氏と親しい議員が複数いる。

 【東京都知事選辞任
 10.25日、都庁で緊急記者会見を行い「本日をもって(東京都知事)辞任し、新党を結成する」と表明。会見後に都議会議長に辞表を提出した。10.31日に予定される臨時都議会本会議で承認されて正式に辞職となる。

 10.29日、都知事選の日程が「告示11月29日、投開票12月16日」と決まった。全国最大の有権者を抱える都知事選挙の費用総額は約50億円と云われる。前回選挙からわずか1年8か月余りで再び計上されることになる。


 ●石原都知事逃げた?都知事辞任前、五輪招致書類を紛失していた!8事業計約18億円分の文書!
 http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/790.html
 10.31日、東京都知事退職。石原の退職金は1億4700万円と推定されている。「石原が都庁に姿を見せるのは1週間のうち、2~3日だけ。1日の平均執務時間を計算したところ59分。時給に換算すると13万円余」という。
 任期13年で海外出張は34回、都合201日を数える。都庁に顔を出すのは週2、3回程度だったのに外遊は4カ月に1回ペース。西はスイス、東はエクアドルまで移動距離は27万キロを超え、地球7周分に及んだ。多い時は19人が随行する大名旅行。費用は当然かさむ。共産党都議団の調査によると、都が情報開示に応じたのは30回分のみ。「4回分は期限切れを理由に拒否された」(共産党都議団事務局)という。30回分の平均出張費は1681万8636万円。計5億455万円に達した。石原氏の偏った思想を反映したのか、行き先にはかなり偏りがある。ご執心だったのが、大好きな台湾だ。就任半年後の初外遊はもちろん台湾。計7回も訪台し、計28日間を過ごした。「総統就任式に3回出席し、国際会議もありましたが、視察をかたった物見遊山のようなものだった。観光地見物や政府関係者との面会が大半。現地合流した四男の延啓氏を要人に紹介したこともあった。かたや、大嫌いな中国訪問は1回だけ。東京五輪の招致に動いていた手前、北京五輪の開会式に出席したのですが、典子夫人帯同で1泊2日の弾丸スケジュール。夫人は公費でたびたび外遊に同行していました」(都政担当記者)。外遊決定はトップダウン。それに家族が入り交じっていたら、公私混同を疑われても仕方がない。その上、特定の通訳を重用し、1回約200万円をポンと支払い、日本から随行させていたのである。06年の都議会定例会で共産党の清水ひで子都議から豪華外遊を追及された慎太郎氏は、シレッとこう答えた。「現場主義のもとに、国内外に自ら足を運び、この目で確かめることで新しいアイデアを得、政策の実現につなげてまいりました」。通訳についての答弁は失笑ものだった。「質問がみんな同じものですから、面倒くさくなってマイナーなテレビには、はしょりましたら、彼女が日本のためだと補足してくれました。愛国的な非常にベテランな通訳で、頼りにしています」。公金で好き勝手にアチコチ出かけた揚げ句、煩わしいことは他人任せ。とことん自分勝手な人間だ。





(私論.私見)