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2016年10月19日 日刊ゲンダイ 文字お越し
長男・伸晃氏(左)とも税金で会食(C)日刊ゲンダイ
“セコイ”と非難囂々だった舛添要一前都知事は、参院議員時代に天ぷら屋や回転寿司、イタリア料理店での私的な支出を政治資金から拠出していたことを問題視された。しかし、石原慎太郎元都知事は“セコイ”どころのレベルではない。都税が原資の「知事交際費」で、“身内”と共に高級割烹や一流レストランで舌鼓。超グルメ生活を満喫していたのだ。
日本共産党都議団が07年、都に情報開示請求し入手した資料によると、00年4月から06年12月までの7年、側近などとの飲食費は総額1600万円にも上った。例えば、00年6月26日は高級料亭「永田町瓢亭」で都の参与ら12人で総額約42万円。02年12月26日には、銀座の高級和食「菊川」で都の参与ら5人と会食し、総額12万円を支出。05年5月9日には最高級フランス料理店「アピシウス」で、1本2万円の高級ワインに前菜のフォアグラ、アワビのステーキなどに38万円を支払っている。
■裁判で「違法認定」
中でも許し難いのは、19万円を支出した01年3月13日の「永田町瓢亭」での会食だ。“身内”どころか、実の息子まで同席させていたのだ。「共産党都議団が入手した文書には〈相手〉欄に〈渡辺喜美様ほか〉とだけ記されていたのですが、01年3月30日付の日経新聞で、そこに長男・伸晃氏が同席していたことが分かったのです。新聞には、都知事がワイン片手に渡辺氏や伸晃氏、塩崎恭久氏らに対し『政治グループ“四騎の会”をつくれよ』と一席ぶった様子が描かれています。都知事の公務というより、父として息子の激励。これには世間から『私的な支出は許されない』と批判の声が上がりました」(都政記者) そんな都民の怒りは裁判に発展。04年5月に葛飾区の市民団体が、都知事が不当な支出をしたとして、慎太郎本人に対し00年6月~03年11月にわたる計78回の飲食費約1194万円を都に返還するよう求める住民訴訟を、東京地裁に提訴した。最終的に最高裁まで争われ、09年9月、慎太郎の支出した飲食費の一部が違法と認められ、都に返還されている。問題視された舛添の飲食費は、高くても1回8万円前後だった。慎太郎の場合はケタが違う。舛添以上に血税を“サイフ代わり”が当たり前だったのだ。