「自民党をぶっこわす」と叫ぶ小泉恫喝の真相 No.71【2005年8月6日】
■「否決」されたら、「解散」はウソ?
小泉首相が、選挙の公約として「自民党をぶっこわす」と叫んで来たために、郵政民営化法案が否決された場合は、当然のように即日衆院を解散に踏み切る、と小泉首相はマスコミに誇らしげに語っているし、マスコミもそれを疑っていない。民主党の岡田党首あたりは、恐らくそうなることを首を長くして待ち望んでいるにちがいない。
また自民党の公認がもらえなければ、当選2回の新人である永岡議員等は、当選がおぼつかなくなり、派閥の亀井派と執行部である武部幹事長の強い締め付けの板ばさみとなって、精神的に追い込まれてしまった可能性も高い。地元選挙区と派閥の意思である民営化反対を貫けなかった永岡氏は、このまま解散総選挙になってしまったら、衆議院として国会に戻ってこられない確率のほうが高いと判断していたようにも思われる。もちろん本当のことは誰にも分からない。
古賀誠元幹事長は4日夜、参院堀内派の若手約10人を集めて、「我われが反対に回らなくとも、法案は否決されるだろう。総選挙になったら野党になるかもしれないが、別にいいじゃないか」と語り、武部幹事長は、同日都内のホテルに阿部幹事長代理や副幹事長を集め、「万が一の場合に備えてほしい」と支持したようである。さらに小泉首相の側近中の側近である飯島が、すでに総選挙に向けてのコマーシャル枠を押さえるように動き出したようである。いよいよ総選挙突入かといった感じである。
しかし本当にそうなのだろうか。私の推測からすれば、どうも怪しい。たぶん郵政民営化法案は「否決」されない、いや、されては困るのである。「否決」されては困るからこそ、「否決」されたら、「解散だ」と脅しをかけているのである。もし「否決」されたら、本当のところ、解散は「ナシ」なのである。そしてたぶん、小泉首相のオーラは、一気に弱まってしまう流れである。
つまり、「政治」というものには常に「裏」がある。そういう風に考えると、中国の異常な「靖国参拝反対」にも裏があるように思われる。もしかしたらアメリカのために動いている可能性もある。そしてもしかしたら、小泉首相からバトンタッチされる次期首相の役割にふさわしい流れをつくるために…。
仮に運よく「可決」されても、8月15日の靖国参拝で花を持たされて、やはり次期首相への流れが一気に表面化してくる可能性が高い。今後の極東に於ける日本の役割において、小泉首相では、恐らく役不足なのかもしれない。
■「構造改革」の元ネタはすべて「年次改革要望書」
まあ、それはともかく以前のコラム、 見えない軍隊とその戦場3No.38
、 見えない軍隊とその戦場4No.46 、 六本木ヒルズコネクション No.
58 等のコラム等で、これまで何度も述べてきているが、とにかくアメリカ大使館のホームページに掲載されている「年次改革要望書」にも記されているように、「郵政民営化」は、あくまでアメリカ政府が日本政府に要求していることなのである。日本のテレビ各局は大切なスポンサーを失いたくないから、一切そのことに触れないし、国会中継で、民主党の櫻井議員が「年次改革要望書」について竹中郵政担当大臣に質問すると、「見たこともありません」と答えているのだ。
そして竹中大臣をかばうように、もちろん小泉首相もまた「それは桜井さんね、思い過ごし」と白々しい答弁をしている。はっきり言って日本の政府とメディアはアメリカのいいなりだから、とんでもないウソをついても、日本ではまったく罪にはならないのである。この「年次改革要望書」は、1993年のクリントン大統領と宮沢首相との首脳会談で決まって以来、2004年まで、毎年日本政府に対して11回要求されてきているのだから、政府が知らないはずがない。
日本政府は、この「年次改革要望書」に記されていることのすべてを、自らの発案のように見せかけて、粛々と実行してきているのだ。橋本内閣の金融ビッグバンも、小泉首相の「構造改革」も、元ネタはすべてこの「年次改革要望書」なのである。
やれやれ
■ 「民営化」はハゲタカ外資のソフトパワー戦略
自民党をぶっこわすという怒りのポーズで、アホでマヌケな私たち国民を魅了し、世界でたったの1%のお金持ちであるハゲタカ外資のための「構造改革」である「郵政民営化」、「高速道路民営化」、「不良債権処理」等を加速して、小泉首相はさも国民のためであるかのように見せかけることで、その天才的手腕を発揮した。
おかげで日本の繊細なバランスのいいシステムがとことん破壊され、数え切れない中小企業を破産に追い込み、馬鹿げた「不良債権処理」を錦の旗にして、54行もの銀行を破産に追い込み、超優良企業を、ハゲタカ外資に乗っ取らせることに加担した。
公的なインフラが、ハゲタカ外資にわたってしまうと、最初は便利で安いと思っていたはずの料金が、最終的にはカリフォルニアで起った電力マフィアのように、何十倍ものとほうもない価格になってしまう可能性が高いのである。
郵便貯金や簡保にしても、巷の民間銀行がペイオフやら倒産等で、なんとも不安で仕方がないから、政府保証のある郵便貯金と簡易保険に、リスクを嫌う私たち国民のお金が逃げ込んできているのである。それなのに竹中平蔵金融担当大臣というアメリカのエージェントは、とにかく民営化することで、350兆円もの私たちの虎の子のお金をハゲタカ外資のために、総務省の管理から外してしまおうとしている。
そしてハゲタカ外資という弱肉強食のヨダレをたらした獣の前に、汗の結晶である350兆もの私たちのお金が、無造作に投げ出されてしまうのである。
「民営化」、「規制緩和」、「市場経済」、「小さな政府」等の聞こえのいい構造改革の仕組みは、すべて一握りのグローバリストという詐欺師たちが、世界から欲しい物を奪うための法に触れない「ソフトパワー戦略」なのである。
近い将来、「電気料金」や「水道料金」や「通信料金」等も、ほんの一握りの彼らの手に渡って好きな値段をつけられるようになってしまうにちがいない。それこそ「目に見えない占領」であり、それこそ「目に見える占領」であるアブグレイブ刑務所の虐待に象徴される「奴隷国家」になってしまうことになる。だからこそ小泉・竹中コンビや飯島氏に、私たちは騙されてはいけないのだ。
■猪瀬氏の民営化論もインチキ
もちろん高速道路を批判していた猪瀬氏の高速道路民営化論もインチキである。450億円もの建築費がかかった、豪華で安いと評判であったスパウザ小田原は、TV等とグルになって批判することでうまく誘導した結果、なんとヒルトンに、たったの8億円で売却されているのだ。そしてこの件で、たぶん猪瀬氏は、10%相当のコミッションを手にしたと思われる。
このスパウザ小田原は、雇用保険を納めている私たちが安く、豪華に楽しめるようにつくられたものだった。たぶんそれでも他のシティホテルの約半額ぐらいだったにちがいないのだ。なのにプライベートのハイヤー代等もすべて道路公団につけまわす公私混同の激しい猪瀬氏が、コミッション欲しさに、私利私欲でハゲタカ外資に売却してしまったのである。私たち国民は「真実」を見抜かなければならない。
まあ、そんなわけで私たちは、郵政民営化法案が「否決」されることを願うべきなのである。不合理な面が仮にあったとしても、時間をかけて徐々に手直しをしていけば、それでいいのである。私たちの350兆円がハゲタカ外資の手に渡ってしまうと、今後どんなにデフレが続こうとも、公共投資すら出来なくなってしまう。
そして日本の人口の8割を占めた中産階級が、まちがいなく3割までに目減りして、逆に貧困世帯が1割から6割になってしまうのである。「民営化」や「規制緩和」や「市場経済」には、すべてそういう裏があるのである。
やれやれ
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