2004年度国家予算
地方交付税16兆5000億円(地方配分ベースで16兆8900億円)で決着。5.2%減の16兆4900億円と大幅に削減
04年度予算の一般会計総額を03年度81兆7900億円比0.4%微増の82兆1109億円 地方への4249億円の税源移譲により、税収は41兆7000億円程度と、ほぼ03年度見込み(41兆7900億円)と同じ。歳入は、4250億円分の税源移譲の影響で、税収が0.1%減の41兆7500億円にとどまった。
政策遂行経費である一般歳出は47兆7000億円程度と、03年度の47兆5900億円から0.1%小幅増の47兆6320億円。公共事業費や防衛費、途上国援助などを軒並み削減したものの、高齢化の進展で社会保障費が膨らんだ。地方向け補助金も小泉首相の指示で1兆円削減されたが、社会保障関係の増加を受け、約400億円増の約20兆4100億円(特別会計含む)となった。
長年、景気対策の主役だった公共事業費は3年連続で削減。
新規の国債発行額は当初ベースで過去最大の36兆5900億円。03年度(36兆4500億円)から小幅増。
国債残高は04年度末には約600兆円まで膨らむ見通し。巨額の国債増発が今後も続けば、政府が最も恐れる国債価格の急落(金利の急上昇)のシナリオが現実になりかねない。
03年度は景気指標の回復基調もあって6年ぶりに補正予算で景気対策を打たず、04年度の公共投資関係費も3.3%減の8兆6149億円。国と地方を合わせた公共投資が国内総生産(GDP)に占める割合は01年度には4%台と、かつての6%台から低下している。ただ、欧米主要国は1〜3%で、国際的にはなお高依存構造だ。
代わって経済対策の主役に躍り出ようというのが科学技術分野。「原則削減」の査定方針の中で科学技術振興費だけは例外扱いされ、4.4%増の1兆2841億円に。有力な基礎研究・学術研究支援に3620億円、実用化が見込まれ、新産業・雇用の創出が期待される研究開発に1050億円の予算をつけた。
科学技術予算がGDPの1%弱にあたる欧米主要国に対し、日本は90年度の0.5%から03年度0.8%と追いあげつつある。政府は日本経済の中長期的な競争力強化に役立つと期待するが、景気への即効性は低い。
一般企業にとっては、1兆円超の法人税減税があった03年度から一転、04年度は「負担増の年」となる。減税措置は連結付加税廃止など小粒。逆に、企業が半分負担する厚生年金の保険料が現在の13.58%から17年度までに段階的に18.35%に上がることが決まった。1%の引き上げは法人税率4%に相当し、経済界は「負担を避けるため雇用抑制につながる恐れがある」と反発する。
雇用問題では、若者の就職難も深刻になっている。来春卒業する高校生の就職内定率は10月末現在48%。04年度予算では高卒者らがパート契約で働きながら職業訓練を受け、正規雇用を目指す制度(75億円)を設ける。
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