「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」考】

 (最新見直し2006.9.22日)

 (れんだいこのショートメッセージ)


【ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件 】
 1998(平成10).2月、かって銀行のMOF担とよばれる行員が旧大蔵官僚の接待にノーパンしゃぶしゃぶ店「楼蘭」(東京都新宿の歌舞伎町)を使っていたことがマスメディアに暴露され、話題となった。楼蘭では、大蔵・通産等各省は言うに及ばず、日銀、羽田や首都高等の公団、国民金融公庫まで事務次官・総裁・理事長クラスが顧客になっていた。楼蘭はその後、東京地検特捜部の家宅捜索を受けている。事件発覚後、その官僚の一人・山口 剛彦 (厚生次官)が不可解な自殺を遂げている。これを仮に「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」と命名する。

 「ノーパンしゃぶしゃぶ」とは、女性店員がノーパンで接待してくれるしゃぶしゃぶ料理店のことを云う。多くの店では床を鏡張りにして、覗きやすいようにしていたともいい、高いところにアルコール類を置くことで、女性店員がそれらを取ろうとして立ち上がることで、覗きやすくしていたともいう。また女性店員の上半身もスケスケの衣装やトップレスにしているケースが多いという。起源はノーパン喫茶にあると見られ、他にもノーパン焼肉などがある。なぜ通常の風俗店でなく、こういう店を利用したかは、飲食費として領収書が落とせるというのが理由としてあげられる、とある。

 ここに転載する「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭 顧客名簿(平成10年2月26日)」は、 日本の官僚の売国奴派の一覧表としての意味を持ちそうである。後日の証として確認しておく。れんだいこ流儀で編成替えした。

 次のように前口上されている。
 話題の ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」の顧客名簿を入手しましたので掲載いたします。楼蘭では昭和62年から昨年末までの12年間、政界、財界、官界、等々、多方面の顧客1万人以上の名簿を FDに保存しております。その顧客名簿の中から官界の一部をプリントアウトしたものが当方に送られてきましたので、そのまま掲載いたします。
日銀
   福井 俊彦 (日銀副総裁。事件後、日銀副総裁を辞めた後、平成11年に富士通総研理事長に就任。2003年、小泉内閣時に日本銀行総裁に就任)、永島 旭 (理事)、本間 忠世 (理事)、米澤 潤一 (理事)
大蔵省
   橋口  収 (大蔵元次官)、長岡  寛 (大蔵元次官)、保田  博 (大蔵元次官)、西垣  昭 (大蔵元次官)。

松尾 直良 (元関税局長)、吉田 正輝 (元銀行局長)
厚生省
   山口 剛彦 (厚生次官、事件発覚後死亡)、近藤 純五郎(厚生官房長)、田中 泰弘 (厚生総務審議官)、伊藤 雅治 (審議官)、谷  修一 (健康政策局長)、小島 比登志(総務課長)、小林 秀資 (保健医療局長)、木村 政之 (企画課長)、小野 昭雄 (生活衛生局長)、羽入 直方 (企画課長)、宮島 俊彦 (指導課長)、中西 明典 (医薬安全局長)、吉武 民樹 (企画課長)、鶴田 康則 (審査管理課長)、安倍 道治 (安全対策課長)、間杉  純 (監視指導課長)、羽毛田 信吾(老保福祉局長)、水田 邦雄 (企画課長)、青柳 親房 (老人福祉計画課長)。

 江口 隆裕 (老人福祉振興課長)、横田 吉男 (児童家庭局長)、伍藤 忠春 (企画課長)、渡辺 芳樹 (家庭福祉課長)、畠山  博 (育成環境課長)、小林 和弘 (保育課長)、小田 清一 (母子保健課長)、外口  崇 (血液対策課長)、山本  章 (麻薬課長)、高木 俊明 (保険局長)、中村 秀一 (企画課長)、霜鳥 一彦 (保険課長)、矢野 朝水 (年金局長)、紺矢 寛朗 (企画課長)、大谷 泰夫 (年金課長)、高橋 直人 (企業国民年金基金課長)、塩田 幸雄 (資金管理課長)、皆川 尚史 (運用指導課長)。
農林水産省
   高橋 政行 (事務次官)、東  久雄 (審議官)、堤  秀隆 (官房長)、石原  葵 (総務審議官)、鈴木 信毅 (技術総括審議官)、加藤  孝 (審議官)、小畑 勝裕 (審議官)、小高 良彦 (審議官)、竹中 美晴 (審議官)、西藤 久三 (審議官)、田原 文夫 (企画課長)、上谷 敏博 (情報化対策室長)、城  知晴 (秘書課長)、関川 和孝 (総務課長)、須賀田 菊仁(文書課長)、熊澤 英昭 (経済局長)、林  正徳 (総務課長)。

 佐藤 正明 (調整課長)、白須 敏朗 (金融課長)、宮本 昌二 (国際部長)、山本  徹 (構造改善局長)、岡本 芳郎 (次長)、川村 秀三郎(総務課長)、小林 新一 (農政部長)、石原 一郎 (農政課長)、高木  賢 (農産園芸局長)、高橋 徳一 (総務課長)、皆川 芳嗣 (企画課長)、坂野 雅敏 (農産課長)、中須 勇雄 (畜産局長)、梅津 準士 (畜産課長)、本田 浩次 (食品流通局長)、田中  誠 (総務課長)、上原 勝美 (企画課長)。
食糧庁
   高木 勇樹 (長官)、川口 将志 (次長)、樋口 久俊 (総務部長)、米田  実 (総務課長)。
通産省
   渡辺  修 (事務次官)、中川 勝弘 (審議官)、村田 成二 (官房長)、中島 邦雄 (総括審議官)、今井 康夫 (審議官)、北村 俊昭 (秘書課長)、前野 陽一 (参事官)、北畑 隆生 (総務課長)、原山 保人 (参事官)、増田  優 (参事官)、松島  茂 (企画室長)、伊佐山 建志(通商政策局長)、佐野 忠克 (通商政策局次長)、柴田 治呂 (審議官)、大慈弥 隆人(審議官)、藤岡  誠 (審議官)、田中 伸男 (総務課長)、小川 恒弘 (通商企画官)、大木 勝雄 (通商渉外調整官)、鹿島 幾三郎(国際経済部長)、石毛 博行 (国際経済課長)、日下 一正 (経済協力部長)、鈴木 善統 (経済協力課長)、今野 秀洋 (貿易局長)、北爪 由紀夫(貿易局審議官)、安達 俊雄 (貿易局審議官)、青木 宏道 (総務課長)、松倉 孝男 (管理審査官)。

 星  政志 (貿易為替検査)、新木 雅之 (農水産室長)、守谷  治 (貿易調査課長)、桑山 信也 (輸出課長)、江崎  格 (産業政策局長)、杉山 秀二 (審議官)、望月 晴文 (総務課長)、鈴木 英夫 (知的財産政策審議官)、中村 雅弘 (管理審査官)、斉藤  浩 (民間活力推進室長)、板東 一彦 (知的財産政策企画室長)、並木  徹 (環境立地局長)、岡本  巌 (審議官)、石海 行雄 (審議官)、作田 頴治 (基礎産業局長)、入野 睦則 (審議官)、林 由紀夫 (総務課長)、広瀬 勝貞 (機械情報産業局長)、河野 博文 (機械情報産業局次長)、水谷 四郎 (生活産業局長)、土屋  博 (審議官)、吉海 正憲 (総務課長)、中村  薫 (工業技術院総務部長)、稲川 泰弘 (資源エネルギー庁長官)、太田 信一郎(資源エネルギー庁次長)、林  康夫 (中小企業庁長官)、中村 利雄 (中小企業庁次長)。
運輸省
   黒野 匡彦 (事務次官)、戸矢 博道 (審議官)、梅崎  壽 (官房長)、和田 敬司 (総務審議官)、土井 勝二 (運輸政策局長)、辻  道明 (運輸政策局次長)、小幡 正人 (鉄道局長)、縄野 克彦 (鉄道局次長)、荒井 正吾 (自動車交通局長)、金澤  悟 (総務課長)。

 岩崎 貞二 (企画課長)、梶原 景博 (旅客課長)、桝野 龍二 (貨物課長)、大野 裕夫 (保障課長)、岩村  敬 (海上交通局長)、柴田 耕介 (総務課長)、山本  孝 (海上技術安全局長)、楠木 行雄 (航空局長)、羽生 次郎 (航空局次長)。
郵政省
   五十嵐 三津雄(事務次官)、楠田 修司 (審議官)、天野 定功 (官房長)、濱田 弘二 (総務審議官)、長谷川 憲正(郵務局長)、池田  仁 (郵務局次長)、安岡 裕幸 (貯金局長)。

 松井  浩 (貯金局次長)、金澤  薫 (簡易保険局長)、中山 治英 (簡易保険局次長)、木村  強 (通信政策局長)、谷  公士 (電気通信局長)、品川 萬里 (放送行政局長)。
労働省
   野寺 康幸 (総務審議官)、渡邊  信 (官房長)。
建設省
   伴  襄  (事務次官)、小野 邦久 (官房長)、小鷲  茂 (総務審議官)、橋本 万里 (総括監察官)、三沢  真 (審議官)、山本 繁太郎(文書課長)、五十嵐 健之(建設経済局長)、澤井 英一 (審議官)、風岡 典之 (審議官)、山中  敦 (技術調査官)、関川 紳一郎(総務課長)、木下 博夫 (都市局長)、倉林 公夫 (審議官)。

 伊藤 英昌 (審議官)、尾田 栄章 (河川局長)、吉井 一弥 (河川局次長)、平口  洋 (総務課長)、阿部  健 (水政課長)、佐藤 信彦 (道路局長)、板倉 英則 (道路局次長)、松井 邦彦 (道路公団、本四連絡道監)、峰久 幸義 (道路総務課長)、小川 忠男 (住宅局長)、那珂  正 (審議官)、亀本 和彦 (監理官)、小神 正志 (総務課長)。
水資源開発公団
   近藤  徹 (総裁)、安橋 隆雄 (副総裁)。
地域振興整備公団
   工藤 敦夫 (総裁)、柳   晃 (副総裁)。
森林開発公団
   塚本 隆久 (理事長)。
石油公団
   小松 國男 (総裁)、公文  宏 (副総裁)。
新東京国際空港公団
   中村  徹 (総裁)、佐々木 建成(副総裁)、永井 隆男 (理事)、皆合 達夫 (理事)。

 大山 克巳 (理事)、高橋 四郎 (理事)、小坂 英治 (理事)
首都高速道路公団
   三谷  浩 (理事長)岡本 堯生 (副理事長)。
その他
   黒木 武弘 (福祉医療事業団理事長)、森  仁美 (年金福祉事業団)、木下 博生 (中小企業事業団理事長)、白井  太 (簡易保険福祉事業団)、尾崎  護 (国民金融公庫総裁)、安部  彪 (国民金融公庫副総裁)、坂本 龍彦 (環境衛生金融公庫理事長)、柳澤 健一郎(環境衛生金融公庫理事)、鶴岡 俊彦 (農林漁業金融公庫総裁)、藤原 和人 (農林漁業金融公庫副総裁)。

 角谷 正彦 (中小企業金融公庫総裁)、角南  立 (中小企業金融公庫副総裁)、望月 薫雄 (住宅金融公庫総裁)、伊藤 博之 (住宅金融公庫副総裁)、児玉 幸治 (商工中金理事長)、茶谷  滋 (元厚生省)

 「探偵ファイルのノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭の厚生労働省系リスト」は次のように記している。
 女性器を見ながらしゃぶしゃぶを食っていた官僚。

山口 剛彦    厚生事務次官    (今回の事件で死亡)
近藤 純五郎  厚生官房長
田中 泰弘    厚生総務審議官
伊藤 雅治      審議官
谷  修一      健康政策局長
小島 比登志    総務課長
小林 秀資      保健医療局長
木村 政之      企画課長
小野 昭雄      生活衛生局長
羽入 直方      企画課長
宮島 俊彦      指導課長
中西 明典      医薬安全局長
吉武 民樹      企画課長
鶴田 康則      審査管理課長
安倍 道治      安全対策課長
間杉  純      監視指導課長
羽毛田 信吾    老保福祉局長
水田 邦雄      企画課長
青柳 親房      老人福祉計画課長
江口 隆裕      老人福祉振興課長
横田 吉男      児童家庭局長
伍藤 忠春      企画課長
渡辺 芳樹      家庭福祉課長
畠山  博      育成環境課長
小林 和弘      保育課長
小田 清一      母子保健課長
外口  崇      血液対策課長
山本  章      麻薬課長
高木俊明       保険局長
中村 秀一      企画課長
霜鳥 一彦      保険課長
矢野 朝水      年金局長
紺矢 寛朗      企画課長
大谷 泰夫      年金課長
高橋 直人      企業国民年金基金課長
塩田 幸雄      資金管理課長
皆川 尚史      運用指導課長

Re::れんだいこのカンテラ時評634 れんだいこ 2009/12/16
 【羽毛田・宮内庁長官発言考】

 思わぬところから「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」を思い出すことになった。2009.12.14日、中国の習近平国家副主席が来日し、翌12.15日、皇居で天皇陛下と会見したが、これに先立つ12.12日、羽毛田信吾・宮内庁長官が、天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見が決まった経緯に関して記者会見を開き、次のような異例のコメントを発表した。

「今回、外務省を通じて内々に宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切った段階でしたから、ルールに照らしお断りをした。その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があり、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわらずやってきたのだからぜひルールを尊重していただきたいと申し上げました。その後、再度、官房長官から、総理の指示を受けての要請という前提でお話がありました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官の指示には従うべき立場。大変異例なことではありますが陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあってほしくないというのが私の切なる願いです」。

 このコメント後、自民党の「天皇の政治利用批判」が相次ぎ、これに唱和する形で鳩山首相と小沢民主党幹事長辞任批判が巻き起こった。例によって読売が音頭を取っている。「宮内庁には羽毛田の発言について1千件の電話やメールが届き、多数が羽毛田の発言を支持するものであった。逆に民主党に対しては批判が殺到した」とある。

 12.14日、安倍元首相は、天皇陛下が中国の習近平国家副主席と特例で会見されることについて次のように批判した。去る日、やんちゃな坊っちゃん元首相は、ブザマナ引き際をしたことを棚に上げて、すっかり元気を回復しているように見える。意訳概要「今からでも遅くないから、陛下との会見は中国側に取り下げてもらうよう要請すべきだ。民主党の小沢一郎幹事長、鳩山由紀夫首相が国益ではなく自分たちのために天皇陛下を政治利用したと断じざるを得ない。強い憤りを感じる」。

 12.14日、これに対し、民主党の小沢幹事長が、語気鋭く次のように反論した。まま正論であろう。   意訳概要「『1ケ月前ルール』なるものは2005年以来のものであり、法律で決まっているものではない。そもそも天皇の国事行為、公的行為は内閣の助言と承認によるべきと憲法上明記されており、こたびの習・中国国家副主席と天皇の会見セツトはこれに当たる。天皇の公的行為を内閣がコントロールするのは日本国憲法の基本精神であり、これまでも同様の内閣判断により天皇のお出ましを願ってきた。こたびの宮内庁判断が内閣の判断に優越するかのようにふるまう羽毛田宮内庁長官発言は日本国憲法の基本精神を逸脱するものであり、私には信じられないほど日本国憲法、民主主義というものを理解していない発言である。内閣の一部局の一役人は内閣の方針、内閣の決定を順守する責務を負うところ、記者会見してくちばしを挟むのは越権であり、日本国憲法の精神、理念を理解していない。否民主主義そのものを理解していない。宮内庁の長官ともあろう者がかくなる発言をする以上、その重大性に鑑みれば辞表を出してから言うべきである。これが筋というものである。マスコミ諸君がこういうところを踏まえずに、役人の言う通りの発言を追従報道するのは同様に憲法に対する読解不足を示している。もし天皇陛下のお体がすぐれない、体調がすぐれないというのならば、それよりも優位性の低い行事をお休みになれば良い。羽毛田宮内庁長官発言に理があるかの如く云う諸君の理解はまったくオカシイ。内閣の助言と承認に基づく天皇陛下の国事行為を政治利用だと批判するのなら、この原則を否定するのであれば、天皇は内閣に助言も承認も求めないで単独で国事行為を行うことを良しとすることになる。それこそオカシイ」。

 続いて、前原国交相が15日の記者会見で、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が特例的に実現したことについて次のようにコメントし、自民党の天皇の政治利用批判を牽制した。意訳概要「この話は元々元首相から話があったと聞いている。元首相の要請が官邸に届いたのであって、われわれがルールを曲げたわけではないと聞いている」。

 前原国交相の伝聞が確かなものとすると、自民党のこたびの批判は何をかいわんやということになる。投げたブーメランが手前のところに戻って頭に当たっていることになる。この騒動を、れんだいこなりにもう少し愚考したい。

 羽毛田長官のいう「天皇陛下への面会を希望する際は、1カ月前に文書で申し込むという慣例」が不可侵的なものなら一応の筋は通っている。ところが、この「1カ月前慣例」について、「この慣例は戦後から続くものではない。2004年以降のものであり、それも、2005.1月にタイの上院議長が訪日した際も、申し込みが1日遅れたにもかかわらず、同国は直前のインド洋大津波で被災していたため『やむをえない』と政府が判断し、天皇陛下は慣例を破って会見を行っている事例がある」ことが判明している。

 こうなると、問題は、この筋論が、「民主党の天皇の政治的利用批判」をぶちあげながら、羽毛田発言そのものが極めて政治主義的な発言であることになる。既に「羽毛田長官こそ政治利用しているのではないか」という逆批判が生まれているが、実にその気配が強い。問題は、羽毛田発言が、どういう筋の差し金により為されたかにある。羽毛田発言は、宮内庁を代表しての義憤的な「民主党の天皇の政治的利用批判」である訳がない。これを思うべきだろう。

 ここで、羽毛田宮内庁長官と「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」の絡みが出てくる。この事件を持ち出すのは、単に羽毛田の品性劣悪を再確認する為ではない。事件の持つ深い政治的意味を再確認せんが為である。同事件は、1998(平成10).2月頃、発覚し、官僚腐敗の極致事件として注目されたが、それは表層的な受け止めようでしかなく、この事件の持つ真相は、当時に於けるシオニスタン官僚の炙り出しにこそ意味があるのではなかろうか。今日、ここに参画した官僚名簿は「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭 顧客名簿(平成10年2月26日)」で公開されているが、楼蘭に参集した官僚群こそ「手前の立身出世の為にシオニスタン官僚として売国奴的に身売りした連中」なのではなかろうか。かく位置付けることによって、名簿の重要性が浮き上がってくることになる。

 シオニスタン官僚はそれ故に、武家時代なら切腹申しつけられるべきところ、意外や意外逆に「約束通りの立身出世街道」へ向かっている。これが、今日的官僚腐敗の真の原因であり温床となっているのではなかろうか。その典型が、事件当時の日銀副総裁・福井俊彦であり、事件後、日銀副総裁を辞めた後、翌1999(平成11)年に富士通総研理事長に就任。2003(平成15)年、小泉内閣時に日本銀行総裁に就任している。この期間中に大枚の日銀資金をブッシュの戦争政策に注ぎ込んだのは衆知の通りである。羽毛田宮内庁長官の例も然りで、事件当時は老保福祉局長であったが、事件後と思われるが厚生省保険局長に転じ、1999(平成11)年、何と厚生事務次官に上り詰め、2001(平成13)年、宮内庁次長、2005(平成17)年、宮内庁長官に就任している。この二例しか判明しないが、小泉政権が、同事件関係者を意図的故意に重用したことが透けて見えてくる。 

 ここでは、羽毛田宮内庁長官を論じているので、彼の宮内庁での立ち働きを確認しておくが、「ウィキペディア羽毛田信吾(2009.12.15日現在)」を参照すれば次のように記されている。概要「宮内庁長官就任時の任命権者である小泉首相と同じく、女性天皇・女系天皇を容認する皇室典範に関する有識者会議の結論を支持している。寛仁親王が男系維持を希望する発言をした際には、発言を自粛するよう要請している。悠仁親王が誕生した直後に、皇位継承の安定は図れないとして、女性天皇・女系天皇の容認に含みを残した。2009年9月10日、記者会見で民主党などの連立政権による内閣が近く発足することに関し『皇位継承の問題があることを(新内閣に)伝え、対処していただく必要があると申し上げたい』と述べ、皇位継承の対象を男系の男子皇族に限定している皇室典範の改正問題に取り組むよう要請する考えを示した。厚生省出身であり、有識者会議の古川貞二郎とは先輩・後輩の関係である」。

 天皇制是非問題はさて措くとして、小泉派の「女性天皇・女系天皇の容認運動」が伝統的天皇制の慣例を破る異色の対応策であることは論をまたない。してみれば、こたびの宮内庁長官発言は、天皇の政治利用批判を口実にして天皇制擁護のポーズを見せているものの、実は羽毛田宮内庁長官その御仁が天皇制の破壊者であり、天皇制の政治利用の請負屋であるというパラドックスを孕(はら)んでいることになる。

 こうなると逆に、「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」に関与したような不届き者を宮内庁長官に認容した政治主義的登用こそどす黒い意図に貫かれていることになる。よりによって例のごとくシオニスタン狂人首相小泉その人の采配である。全く、小泉のしたことでろくなものがありゃしない。その狂人を名宰相として囃したてた田原以下の評論士よ、口を拭うことは許されない。小泉名宰相論を堂々と弁じて見せよ。

 さて、ここまで確認すれば、こたびの羽毛田宮内庁長官発言の後処理をどうすべきか明快ではなかろうか。同時に、「ノーパンしゃぶしゃぶ楼蘭、官僚愛好御用事件」そのものの再検証が必要で、単に官僚腐敗の例証としてのみ位置付けるのは片手落ち過ぎるのではなかろうかということになる。誰か、この認識を共にせんか。

 2009.12.16日 れんだいこ拝






(私論.私見)