● 条文
127、もし人がエントム(高位の尼僧)または人の妻に対して、貞操に関する悪評をして、確証出来なかった時は、その者を裁判官達の前に連行し、彼の耳を切る。
128、もし人が妻を娶とって、その女に関する契約書を定めない時は、その女は決して妻では無い。
129、もし人の妻が他の男と共に横たわっていて取り押さえられた時は、彼らを縛って水に投ずる。もし、妻の主が彼の妻を生かす時は、国王または彼の奴隷(人民は国王に対しては全て奴隷)を生かす。
130、もし人が人の妻であって男を未だ知らないで、その父の家の中に滞在している者に暴力を加えて、彼の女の膝に横たわった時、彼を取り押さえた時は、その者は殺され、その女は放免される。
131、もし人の妻がいて、夫が彼の女に疑いをかけたが、他の男と共に横たわるのを取り押さえられなかった場合は、彼の女は神のもとに誓って、彼の女の家に帰る。
132、もし人の妻がいて、他の男との貞操に関する悪評があるが、他の男と共に横たわるのを取り押さえられ無かった時は、彼の女は彼の夫の為に河神のもとに潜る。
133(1)、もし人が捕虜となった時、家の中に食べることが出来るものがある時は、彼の妻は・・と彼の女の身を護り、他人の家には決して立ち入ることは無い。
133(2)、もしその女が女の身を護らずして他人の家に立ち入る時は、その女に確証して、その女を水に投じる。
134、もし人が捕虜となって、彼の家の中に食べることが出来るものが無い時は、彼の妻は他人の家に立ち入る。その女は決して責は無い。
135、もし人が捕虜となって、彼の家の中に食べることが出来るものが無い時は、彼の帰還前に、彼の妻が他人の家に立ち入って子供を産み、その後彼の女の夫が帰還して町に到達した時は、彼の女は前配偶者に帰り、子供は彼の父の方に赴く。
136、もし人が彼の町を投げ捨てて逃亡し、彼の妻が他人の家に立ち入った時は、もしその者が帰還して彼の妻を取り押さえても、逃亡者の妻は、彼の女の夫に決して帰ることは無い。
137、もし人が子を彼の為に産んだ下級尼僧シユギートム・高位尼僧ナディトムと離別する時は、彼の女の嫁資を返し、原・園・動産の一部を与え、彼の女は子を成長させ、その後、子に与えられる物の中から、一人の相続人に相応する分前を彼の女に与え、その後彼の女は心中の夫を取る。
138、もし人が子と産まない配偶者と離別する時は、彼の女の花嫁代の総額に当る銀を彼の女に与え、彼の女の父の家より持参した嫁資を彼の女に完済して、彼の女と離別する。
139、もし花嫁代が無かった場合は、銀1マヌーを手切れ金として、彼の女に与える。
140、もし賎民の場合は銀1/3マヌーを彼の女に与える。
141、もし人の妻が家を去ろうとして醜態を演じ家を乱雑にし、夫を忽にする時は、彼の女に確証し、もし夫が離別を言い渡すのであれば、離別する。旅費や手切れ金の類は決して彼の女に与えられない。夫が離別を言い渡さない時は、夫は他の女を娶り、前妻は女奴として彼の家に止宿する。
142、もし女が夫を嫌悪して「決して妾を抱いて下さるな」と言う時は、その事情が彼の女の門にて審査され、そしてもし彼の女が身を護れる者で過誤がなく、夫が外出勝であまりに彼の女を忽にした時は彼の女に決して責はない。彼の女の嫁資を取って彼の女の父の家に赴く。
143、もし彼の女が身を護る者では無く、外出勝で、家を乱雑にし、夫を忽にした時は、その女を水に投じる。
144、もし人が高位尼僧ナディトムを娶って、そのナディトムが女奴を夫に与え、そしてその女奴が子を産んで、その者を下級尼僧シュギートムを娶ろうとした時は、彼らに決して許すことはなく、彼はシュギートムを決して娶ることは無い。
145、もし人が高位尼僧ナディトムを娶って、子を儲け無い為、下級尼僧シュギートムを娶ろうとする時は、その者はシュギートムを娶り、彼の家に立ち入る。但しそのシュギートムは正妻と共に決して同格に立つことは無い。
146、もし人が高位尼僧ナディトムを娶って、そのナディトムが女奴を夫に与え、そしてその女奴が子を産んで、その女奴が彼の女主と共に同格に立つ時は、子を産んだ故に女主は、銀の為に彼の女を売却することなく、ただ奴隷の目印を彼の女に施して、女奴に彼の女を算入する。
147、もしその女奴が子を産まない時は、彼の女の女主は銀の為に彼の女を売却する。
148、もし人が妻を娶って、ラーブム病が彼の女を捕らえ、他の女を娶ろうとする時は、娶る。しかし、ラームブ病の彼の妻は決して離別することは無い。その女は彼が建てた家に止宿して、生存する間は夫は彼の女を引き取る。
149、もしその女が彼の夫の家の中に止宿することに同意しない時は、彼は彼の女が父の家から持参した嫁資を彼の女に完済し、その後、彼の女は行く。
150、もし人が彼の妻に、原・園・家又は動産を賠償し、捺印証書を渡した時は、彼の女の夫の死亡後は、彼の女の子は決して彼の女に取り戻しを請求することが無い。母は彼の女の遺産を愛する彼の女の子に与え、他の兄弟には決して与えることは無い。
151、もし人の家の女が、夫の利息債権者が彼の女を捕らえる為に夫を契約をもって拘束し、証書を作成させた時は、もし夫がその女を娶る以前に夫に利息債務が有る時は債権者は彼の妻を決して捕らえることが無く、もし女に以前から利息債務がある時は夫は決して捕られることが無い。
152、もしその女が人の家に立ち入った後に、彼らに利息債務が生じた時は、彼ら両人が証人に返済する。
153、もし人の妻が他の男の為に、彼の夫を殺させた場合は、彼の女を杭の中に置く。
154、もし人が彼の娘を知った時は、その者を町から立ち去らせる。
155、もし人が彼の息の為に花嫁を求婚して彼の息が彼の女を知り、息の父がその後に彼の女の膝の中に横たわって、彼を取り押さえた時は、その者を正しく縛って水に投じる。
156、もし人が彼の息の為に花嫁を求婚して、彼の息が彼の女を知らないで、息の父が彼の女の膝の中に横たわった時は、銀半マヌーを彼の女に支払い、彼の女が父の家から持参した者を彼の女に完済し、その後彼の女の心中の夫が彼の女を娶る。
157、もし人が彼の父の死亡後に彼の母の膝の中に横たわった時は、彼ら両人を焼く。
158、もし人が彼の父の死亡後に彼を成長させた者に対して、子を産んだ者の膝の中で取り押さえられた時は、その者は、父の家から追い出される。
159、もしその義父の家に結納を持参し、花嫁代を与えた者が他の女に眼を向けて彼の義父に向かって「貴方の娘御は決して娶りません」と言った時は、娘の父は彼に持参されたものを留める。
160、もしその義父の家に結納を持参し、花嫁代を与えたが、娘の父が「私の娘は決して貴方に差し上げません」と言った時は、娘の父は彼に持参されたものは、総て2倍にして返す。
161、もしその義父の家に結納を持参し、花嫁代を与えたが、彼の同僚が彼を中傷し、彼の義父が妻の主に「私の娘は決して娶って下さるな」と言った時は、彼の義父は彼に持参された物を総て2倍にして返し、彼の妻を彼の同僚は決して娶ることが無い。
162、もし人が妻を娶り、子を彼に産み、その後その女が死亡した時は、彼女の嫁資に対して彼の女の父は決して請求することが無い。彼の女の嫁資は、正しく彼の女の子のものである。
163、もし人が妻を娶り、子を彼に儲けず、その女が死亡した時は、もし彼の義父の家に持参した花嫁代を彼の義父が彼に返した時は、その女の嫁資に対しては彼の女の夫は決して請求することが無い。彼の女の嫁資は、正しく彼の女の父の家の物である。
164、もし彼の義父が花嫁代を彼に返さない時は、彼の女の嫁資の中から彼の女の花嫁代の全額を控除して、彼の女の嫁資を彼の女の父の家に返す。
165、もし人が彼の眼に入れた彼の長子に原・園または家屋を贈与し、彼に捺印証書を書いた時は、父の死亡後は、兄弟が遺産を分割するに当っては、父が彼に与えた贈与を取って、その他なお父の家の財産の中より、平等に分割する。
166、もし人が彼が儲けた子のために妻を娶って、年少の彼の息の為に、未だ妻を娶らない時は、父の死亡後は、兄弟が父の財産の中から分割するに当って、妻を娶っていない年少の弟には、彼の分け前に加えて花嫁代の銀を彼に置いて彼に妻を娶らさせる。
167、もし人が妻を娶って子を彼に産み、その女が死亡後に他の女を娶って子を産んだ時は、父が死亡した後は子は母別には決して分割することなく、彼らの母達の嫁資は各々取り、父の家の財産は平等に分割する。
168、もし人が彼の子を追い出そうとして裁判官達に「私の子を追い出します」と言った時は、裁判官達はその事情を審査し、もし子が相続人の地位より追い出すのがよい重大な責が無い時は、父は彼の子を相続人の地位より決して追い出すことがない。
169、もし子が相続人の地位より追い出すのがよい重大な責を、彼の父に負っている時は、彼らは1度は見送るが、もし重大な責を再度負った時は、父は彼の子を相続人の地位より追い出す。
170、もし人が、配偶者が子を彼に産み、彼の女奴も子を彼に産んで、父の存命中、女奴が彼に産んだ子に「お前達は私の子である」と言い、配偶者の子に彼らを算入した時は、父の死亡後父の財産から配偶者の子と女奴の子は平等に分割し、相続人である配偶者の子は分前の中からまず選択して取る。
171、もし父が存命中に女奴が産んだ子に「私の子である」と言わなかった時は、父の死亡後、父の財産の中から女奴の子は、配偶者の子と共に決して分割することが無い。その代り、女奴と彼の女の子の解放が行われ、配偶者の子は、女奴の子に対して、奴隷身分へ決して請求することが無く、配偶者は彼の女の嫁資と、彼の女の夫が彼の女に与え、証書の中に彼の女に記した贈物を取って、彼の女の夫の住居の中に、生存する間は用益しても、銀の為に決して売却することが無い。彼の女の遺産は彼の女の子の物である。
172、もし彼の女の夫が贈物を彼の女に与えない時は、子等は彼の女の嫁資を彼の女に完済し、そして彼の女は彼の女の夫の財産の中より、1人の相続人に相応する分け前を取る。もし彼の女の子が、家より立ち去らせる為に彼の女を罵り勝な時は、裁判官達はその事情を審査して、子に罰を科す。その女は彼の女の夫の家より決して立ち去ることは無い。もしその女が立ち去ろうとする時は、彼の女の夫が彼の女に与えた贈物を彼の女の子に渡し、彼の女の父の家よりの嫁資は、自ら取って彼の女の心中の夫が彼の女を娶る。
173、もしその女が立ち入った所で彼の女の後の夫に子を産み、その後その女が死亡した時は、彼の女の嫁資は前と後の子が分割する。
174、もし彼の女の後の夫に子を産まなかった時は、彼の女の嫁資は正しく彼の女の前配偶者の子が取る。
175、もし宮廷の奴隷、あるいは臣民の奴隷であっても「人の娘」を娶って、その女が子を産んだ時は奴隷の主は「人の娘」の子に対して奴隷身分へ決して請求することは無い。
176(1)、また、もし宮廷の奴隷、あるいは臣民の奴隷であっても「人の娘」を娶った時、その女が父の家からの嫁資本と共に、宮廷あるいは臣民の奴隷の家に立ち入って彼らが婚姻した後、彼らが家を建て動産を取得し、その後死亡した時は、「人の娘」は彼の女の嫁資を取り、彼の女の夫と彼の女が婚姻した後に取得したものを2個の部分に分割して、半分は奴隷の主が取り、半分は「人の娘」が彼の女の子の為に取る。
176(2)、もし「人の娘」が嫁資が無い時は彼の女の夫と彼の女が婚姻した後に取得したものを、2個の部分に分割して、半分は奴隷の主が取り、半分は「人の娘」が彼の女の子の為に取る。
177、もしその子が未だ年少である寡婦が他人の家に立ち入ろうとした時は、裁判官達の同意無しでは決して立ち入ることは無い。他人の家に立ち入るに当っては裁判官達は彼の女の前の夫の家の事情を審査し、その後、彼の女の前の夫の家を彼の女の後の夫と彼の女に託して、彼らに証書を作成させる。彼らは家を護りかつ幼少の子を成長させ、家具類は銀の為に決して売却することは無い。寡婦の子の家具を買う買主は、彼の銀を失い、物はその主に還る。
178、もし高位の尼僧エントム・ナディトムあるいはジクルムが、父が嫁資を彼の女に贈与し、証書を彼の女に書き、その中で彼の女の遺産を、彼の女の意に沿って与えることは記さず、それを許さなかった時は、父の死亡後は、彼の女の原と園は彼の女の兄弟が取るが、彼の女の分け前額に相応する食料、聖油及び衣服は、彼の女に与え、彼の女の心を満足させる。もし彼の女の兄弟が彼の女の分け前額に相応する食料、聖油及び衣服を彼の女に与えずに、彼の女の心を満足させない時は、彼の女の原及び園を、彼の女にとって意に副った耕作人に与えて、彼の女の耕作人が彼の女を引き取る。原、園及び彼の女の父が彼の女に与えた物は、彼の女が生存する間は用益するが、銀の為に決して売却することなく、決して他人に返済の資に充てることは無い。彼の女の相続分は正しく彼の女の兄弟の物である。
179、もし高位の尼僧エントム・ナディトムあるいはジクルムが、父が嫁資を彼の女に贈与し、捺印証書を彼の女に書き、その中で彼の女の遺産を、彼の女の意に沿って与えることを記して、それを許した時は、父の死亡後は彼の女の遺産を彼の女にとって意に副った所へ与え、彼の女の兄弟は決して彼の女に取り戻しを請求することが無い。
180、もし父が、彼の娘である尼僧院のナディトム、あるいはジクルムに嫁資を贈与しなかった時は、父の死亡後は彼の女は父の家の財産より一人の相続人に相応する分け前を分割取得して、生存する間は用益する。彼の女の遺産は正しく彼の女の兄弟の物である。
181、もし父が、高位の尼僧ナディトム、クワディシュトム、あるいは、ゼルマシュートムを神に奉納し、嫁資を彼の女に贈与しなかった時は、父の死亡後は、父の家の相続財産より、彼の女の相続分の1/3を分割取得して、生存している間は用益する。彼の女の遺産は正しく彼の女の兄弟の物である。
182、もし父が、バビロンのマルドックのナディトムである彼の娘に嫁資を贈与せず、捺印証書を彼の女に書かない時は、父の死亡後は父の家の財産から、彼の女の相続分の1/3を彼の女の兄弟と共に分割取得するが、彼の女は決して封を行使することは無い。マルドックのナディトムは、彼の女の遺産を彼の女にとって意に副った所へ与える。
183、もし父が、下級のシュギトムである彼の娘に、嫁資を彼の女に贈与し、夫を彼の女に与え、捺印証書を彼の女に書いた時は、父の死亡後は、父の家の相続財産より、決して分割取得することが無い。
184、もし父が、下級のシュギトムである彼の娘に、嫁資を彼の女に贈与せず、夫を彼の女に与無かった時は、父の死亡後は、彼の女の兄弟は、父の家の力に相応する嫁資を彼の女に贈与して夫に彼の女を与える。
185、もし人が、年少者を彼の名の下に子の地位に収養して彼を成長させた時は、その養子は決して取り戻しを請求されることは無い。
186、もし人が、年少者を子の地位に収養して、彼を収養したその時、彼の父または彼の母を探し求めた時は、その養子は彼の父の家帰る。
187、もし宮人、宮廷使人の養子及びジクルムの養子は、決して取り戻しを請求されることはない。
188、もし手芸人の息が、他人の子を養子に収養して彼の手芸を彼に習得させた時は、決して取り戻しを請求されることはない。
189、もし彼の手芸を、彼に習得させられなかった時は、その養子は彼の父の家に帰る。
190、もし人が、彼の子の地位に収養して彼を成長させた年少者を彼の子に算入しなかった時は、その養子は彼の父の家に帰る。
191、もし人が、彼の子の地位に収養して彼を成長させた年少者を、彼の家を建て、その後子を儲けて、養子を追い出そうとした時は、その養子は空手にて出ることは決してない。彼を成長させた養父は、彼の財産の中から彼の相続分の1/3を彼に与え、その後養子は家より出る。原・園または家の中よりは決して彼に与えることは無い。
192、もし宮人の子あるいはチグルムの子が、彼を成長させた養父または彼を成長させた養母に向かって、「貴方は決して父ではありません」「貴方は決して母ではありません」と言った時は、彼の舌を切り取る。
193、もし宮人の養子あるいはチグルムの養子が、彼の父の家を見つけて彼を成長させた養父または彼を成長させた養母を嫌悪して彼の父の家に赴いた時は彼の眼を抉る。
194、もし人が、彼の子を乳母に与え、その子が乳母の手の中で死亡し、乳母は彼の父または彼の母の同意なくして他の子を胸に抱いた時は、彼の女に確証し、彼の女の胸を切り取る。
195、もし子が彼の父を打った時は、彼の手を切り取る。
196、もし人が人の息の眼を潰した時は彼の眼を潰す。
法典の内容と特徴
第196条 もし彼(上層自由人)がほかの人(上層自由人)の目を損なったならば、彼は彼の目を損なわなければならない。 第197条 もし彼(上層自由人)がほかの人(上層自由人)の骨を折ったならば、彼は彼の骨を折らなければならない。 第198条 もし彼がほかの人(一般層自由人)の目を損なったか、骨を折ったならば、彼は銀1マナ(約500グラム)を支払わなければならない。 第199条 もし彼がほかの人の奴隷の目を損なったか、骨を折ったならば、彼はその(奴隷の)値段の半額を払わなければならない。 第200条 もし彼(上層自由人)がほかの人(上層自由人)の歯を折ったならば、彼は彼の歯を折らなければならない。
第201条 もし彼がほかの人(一般自由人)の歯を折ったならば、彼は銀三分の一マナ(約
197、もし人の息の骨を折った時は彼の骨を折る。
198、もし賎民の眼を潰し、または賎民の骨を折った時は、銀1マヌーを支払う。
199、もし奴隷の眼を潰し、あるいは人の奴隷の骨を折った時は、その価格の半額を支払う。
200、もし人が彼と同格の人の歯を落とした時は彼の歯を落とす。
201、もし賎民の歯を落とした時は、銀1/3マヌーを支払う。
202、もし人が彼とよりも豪い人の頬を打った時は、民会に於いて牛鞭にて1シュシュム度(60回)打たれる。
203、もし人の息が彼と同格の人の息の頬を打った場合は銀1マヌーを支払う。
204、もし賎民が賎民の頬を打った場合は銀10シクルを支払う。
205、もし人の奴隷が人の息の頬を打った時は彼の耳を切り取る。
206、もし人が人を喧嘩に於いて打って傷を彼に負わせた時は、その者は「知って彼を打ったのではありません」と誓い、かつ医師にその治療費を弁済する。
207、もし彼の殴打の結果死亡した場合は、彼は誓ってもし人の息の時は銀半マヌーを支払う。
208、もし賎民の息の時は銀1/3マヌーを支払う。
209、もし人が人の娘を打って彼の女の中にある胎児を流産させた時は、銀10シクルを支払う。
210、もしその女が死亡した時は彼の娘を殺す。
211、もしムシュケームスの娘を殴打の結果、彼の女の中にある胎児を流産させた時は、銀5シクルを支払う。
212、もしその女が死亡した時は銀半マヌーを支払う。
213、もし人の女奴を打って彼の女の中にある胎児を流産させた時は、銀2シクルを支払う。
214、もしその女奴が死亡した時は銀1/3マヌーを支払う。
215、もし医師が人に大手術を鉄?の手術メスにより施して人を治療し、あるいは、人の角膜を、鉄?の手術メスで切開して人の眼を治療した時は、銀10シクルを取る。
216、もし賎民の息の時は銀5シクルを取る。
217、もし人の奴隷の時は奴隷の主は医師に銀2シクルを与える。
218、もし医師が人に大手術を鉄?の手術メスにより施して人を死亡させ、あるいは、人の角膜を、鉄?の手術メスで切開して人の眼を潰した時は、彼の手を切り取る。
219、もし医師が人に大手術を鉄?の手術メスにより施して人を死亡させた時は、その奴隷に相当する奴隷を賠償する。
220、もし彼の角膜を、鉄?の手術メスで切開して彼の眼を潰した時は、その価格の半分を銀にて支払う。
221、もし医師が人の折れた骨を治療し、あるいは痛む腫れ物を治療した時は、傷の主は医師に銀5シクルを与える。
222、もし賎民の息である時は銀3シクルを与える。
223、もし人の奴隷である時は奴隷の主は医師に銀2シクルを与える。
224、もし牛あるいは馬の医師が牛あるいは馬に大手術を鉄?の手術メスにより施して治療した時は、牛あるいは馬の主は銀1/6シクルを医師に謝礼として与える。
225、もし牛あるいは馬に大手術を鉄?の手術メスにより施して死亡した時は、その値の1/5を牛あるいは馬の主に与える。
226、もし理髪師が、奴隷の主の同意なくして自己に属さない奴隷の目印を剃り落とした時は、その理髪師の手を切り取る。
227、もし人が、理髪師を欺いて自己に属さない奴隷の目印を剃り落とした時は、その者を殺して彼の門の中に彼を埋め、理髪師は「知って剃り落としたのではありません」と誓って放免される。
228、もし大工が、家を人の為に建てて完成した時は、家の敷地1サルに付き銀2シクルを彼の報酬として彼に与える。
229、もし大工が、家を人の為に建てて、彼の仕事を堅固にせず、その為建てた家が倒れて家の主を死亡させた時はその大工は殺される。
230、もし家の主の子を死亡させた時はその大工の子を殺す。
231、もし家の主の奴隷を死亡させた時は奴隷に相当する奴隷を家の主に与える。
232、もし物を滅失させた時は、滅失させたものを賠償し、かつ、建てた家を堅固にせず、その為に倒れた故に、彼自身の物で倒れた家を立て直す。
233、もし大工が、家を人の為に建てて、彼の仕事を完全に成し遂げず、その為に壁が倒れ落ちた時はその大工は自己自身の銀によってその壁を堅固にする。
234、もし船大工が、60クールの船を人の為に建造した時は、銀2シクルを彼の報酬として彼に与える。
235、もし船大工が、60クールの船を人の為に建造し、彼の仕事を信用できる程には行わず、その為その年にその船が破損して、故障が生じた場合は、船大工はその船を解体して彼自身の物によって堅固に直し、そして強固な船を船の主に与える。
236、もし人が、彼の船を船頭に、賃借料の為に賃借し、船頭の不注意のために船を沈め、あるいは喪失した時は、船頭は船を船の主に賠償する。
237、もし人が、船頭と船を賃借して、穀物、羊毛、油、ナツメヤシまたは積むことが出来るものを積みいれて、船頭の不注意で船を沈め、その中にある積み荷を喪失させた時は、船頭は彼が沈めた船と喪失した積み荷を賠償する。
238、もし船頭が、人の船を沈め、その後これを浮揚させた時は、その値の半分を銀にて与える。
239、もし人が、船頭を賃借した時は、穀物6クールを年に彼に与える。
240、もし櫂船が、帆船に衝突して沈没した時は、沈んだ船の主は、船の中に喪失したものを神の前に於いて証明し、その後帆船を沈めた櫂船の主は、彼の船と喪失した彼の物を賠償する。
241、もし人が牛を質に取った時は、銀1/3マヌーを支払う。
242、もし人が一年間賃借した時は、軌畜の借料として、穀物4クール。
243、もし・・牛の借料として、穀物3クールをその主に与える。
244、もし人が牛馬を賃借して、野の中にて獅子がそれを殺した時は、損害は正しくその主に。
245、もし人が牛を賃借して、不注意の結果、あるいは殴打の結果、死亡させた時は、その牛に相当する牛を牛の主に賠償する。
246、もし人が牛を賃借して、その足を折り、あるいは首筋の腱を切り取った時は、その牛に相当する牛を牛の主に賠償する。
247、もし人が牛を賃借して、その眼を潰した時は、その値の半分を銀で牛の主に賠償する。
248、もし人が牛を賃借して、その角を折り、尾を切り取り、あるいは鼻輪の所の肉を引き千切った時は、その値の1/5を銀で与える。
249、もし人が牛を賃借して、神がこれを打って死亡した時は、牛を賃借した者は、神の下に誓って放免させられる。
250、もし牛が道路を通行中人を突いて死亡させた時は、その場合は請求権は決してない。
251、もし人の牛が突く癖があって突く癖があることを彼の門が彼に知らせたのにその角を短く切らず、その牛を繋がず、その為にその牛が人の息を突いて死亡させた時は、銀半マヌーを与える。
252、もし人の奴隷である時は銀1/3マヌーを与える。
253、もし人が人を、彼の原の面前に原の番をする為に賃借して、農具を彼に託し、牛を彼に託し、原の耕作に対して彼を拘束し、もしその者が種子あるいは飼料をぬすんで、彼の手の中に取り押さえられた時は、彼の手を切り取る。
254、もし農具を取って牛を弱らせた時は、取った穀物の・・を賠償する。
255、もし人の牛を賃借料の為に賃借し、あるいは種子を盗んで、原の中に何物も生じさせなかった時は、その者に確証し、その後収穫時に、彼は1イクーにつき穀物60クールを量る。
256、もしその義務を返済することが出来ない時は、その原の中で牛にて彼も引き摺る。
257、もし人が耕作人を賃貸した時は穀物8クールを1年に彼に与える。
258、もし人が牛番を賃借した時は、穀物6クールを1年に彼に与える。
259、もし人が鋤を田野の中で盗んだ時は、銀5シクルを鋤の主に与える。
260、もし・・鋤あるいは杷を盗んだ時は銀3シクルを与える。
261、もし人が番人を牛または小家畜の飼育の為に賃借した時は、穀物8クールを1年に彼に与える。
262、もし人が牛あるいは羊の・・の為に・・
263、もし彼に与えられた牛、あるいは羊を喪失させた時は、その牛に相当する牛、その羊に相当する羊を彼等の主に賠償する。
264、もし牛あるいは小家畜が飼育の為に自己に与えられた牧人が、彼の給料を全部受領し、彼の心は満足して、牛を少数にし、小家畜を少数にして、産まれる子を減少させた時は、彼の契約の文言に従って産まれた子と家畜の増殖を与える。
265、もし牛あるいは小家畜が飼育の為に自己に与えられた牧人が、不正直にして、家畜の目印を変更して銀の為に売却した時は、彼に確証し、その後牧人は盗んだものをその10倍、牛または小家畜を彼等の主に賠償する。
266、もし畜舎の中に神の崇り(伝染病)が発生し、あるいは獅子が殺した時は、牧人は神の前にて免責の誓い?を立て、その後畜舎の中に倒れた家畜を畜舎の主が彼より受取る。
267、もし牧人が不注意で畜舎の中に麻痺病を発生させた時は、牧人は畜舎の中に発生した麻痺病の損害を完全に賠償して牛または小家畜を彼等の主に与える。
268、もし人が牛を打穀の為に賃借した時は、穀物20クーがその借料。
269、もし馬を打穀の為に賃借した時は、穀物10クーがその借料。
270、もし小家畜を打穀の為に賃借した時は、穀物1クーがその借料。
271、もし人が牛、荷車及びこれを運ぶ者を賃借した時は、1日に穀物180クーを与える。
272、もし人が実?に荷車を賃借した時は1日に穀物40クーを与える。
273、もし人が賃金労働者を賃借した時は、年の初めより第5月迄は銀6シェを1日に与え、第6月より年の終わり迄は銀5シェを1日に与える。
274、もし人が手芸人の息を賃借する時は、・・の給料として銀5シェ、煉瓦師の給料の時は銀5シェ、麻織人の給料としては銀?シェ、印業者の給料としては銀?シェ、宝石細工人の給料としては銀?シェ、鍛冶工の給料としては銀?シェ、指物師の給料としては銀4シェ、皮職人の給料としては銀?シェ、葦細工人の給料としては銀?シェ、大工の給料としては銀?シェを一日に与える。
275、もし人が大船を賃借した時は、1日に銀3シェがその借料。
276、もし櫂船を賃借した時は、1日に銀2シェ半がその借料。
277、もし人が60クールの船を賃借した時は1日に銀1/6をその借料として与える。
278、もし人が奴隷女奴を買って、その月が未だ満了しないのにベンヌム病(癇癪病?)が彼の上に襲った時は、彼の売主に返して、買主は支払った銀を取る。
279、もし人が奴隷女奴を買って、取り戻しの請求を受けた時は、彼の売主は取り戻しの請求を満足させる。
280、もし人が敵国(外国)において人の奴隷女奴を買って、その奴隷女奴がバビロン国の内部に赴いて、奴隷女奴の以前の主が、彼の奴隷女奴を認めた時は、もしその奴隷女奴がバビロン国人である時は、銀が無くても解放が行われる。
281、もし他国人の時は、買主は神の前に於いて、支払った銀を告げ、その後、奴隷女奴の以前の主は、支払った銀を商人に与えて彼の奴隷女奴を請け戻す。
282、もし奴隷が彼の主に向かって「貴方は決して私の主人ではありません」と言った時は、彼に彼の奴隷となることを確証して、彼の主は彼の耳を切り取る。
● 後文(要約)
これらの法文はバビロンの基礎確固である神殿エーサギラに 国の法とし、裁決の為に碑として確固に設置した。 虐げられた者は、記載された碑文を読み、碑文の内容によって
訴訟の見通しや法を彼らに見出させることによって、彼らの心を安心させる。 「ハンムラビこそ、人民の福祉を、人民の為に、永遠に確立することによって、
バビロニア国に正義を得させる」と高らかに声に出して祈るがよい。
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