その15 党見解に対する党員の党内質疑について

 反戦運動家小西氏は、自ら主宰の「社会批評社フォーラム」の2002.12.30日付け投稿「批判者・異論に必ず持ち出される論理ー『敵を利する』」の「続きです」で、党内議論の重要性に関する次のようなレーニンとエンゲルスの見解を披瀝している。なるほどと思うので引用する。

 概要「われわれは、あらゆる問題を、みずからの特定の見地から審議しながらも、われわれの機関紙の紙上での同志たちのあいだでの論戦を決してしりぞけるものではない。ロシアのすべての社会民主主義者と自覚的な労働者のまえでの公然たる論戦は、現にある意見の相違の深さを明らかにするため、係争問題を全面的に審議するため不可欠であり、のぞましい。明らかにくいちがっている諸見解のあいだでの公然たる論戦の欠如、きわめて重大な問題についての意見の相違をおしかくしておこうとする志向を、われわれは現在の運動の欠陥のひとつとさえ考えるものである。」(『レーニン全集』第四巻)

 概要「
こいつが公式の機関紙に転載されることによって、敵側の利用はその切っ先を折られて、われわれはこう言えるようになる。見たまえ、われわれがどんなふうに自己批判をやるかを―われわれはあえてそのことをやる唯一の党である。まあ、われわれのまねをしたまえ!」(『マルクス・エンゲルス全集』第三八巻)

 エンゲルスの論評は、マルクスの『ゴータ綱領批判』の発表を「敵に利用される」という口実でドイツ社会民主党が、これを押さえようとしたことに対して発表されたものである。いつの時代においても「敵に利用される」という口実で、組織内部の公然たる批判・反批判を押さえる傾向が厳として存在する。そして、こういう左翼組織の作風・非民主性が、今日の日本の左翼の危機をまねいていることも明らかである。だから、私は強く言明する。いまや、一切のタブーは存在しない、中核派の批判をはじめ、すべての組織・党派・政党の誤りを俎上にのせよ、検証せよ、と。



【党中央に対する「意見書」の提出について】

 木村氏は云う。私は、そういう党の体質を十分承知の上で、何度も意見を提出した。いかなる上級機関に対しても直接意見を提出して回答を求めることができるという、明確な規約に基づく権利を行使して、チャウシェスク問題に関する意見を提出した。代々木の党本部の一室で、確か「国際部長」の肩書きだったと記憶するが、典型的な組織官僚に、ねちねちと陰湿な脅しを受け、さらに、そのやり方に対して、抗議の意見書を提出した。

 このチャウシェスク問題での衝突は、一応規約に違反しない行為だったから、それで処分を受けるということはなかったが、実質的には以後に影響した。これもまた後に詳しく述べるが、私が「除籍」になった時、中央委員会の実情に詳しい先輩党員の一人が、その経過を聞くや否や、ハッハッハと笑って、「別件逮捕だね」と言い放ったのである。今の日本共産党の場合には、除名、除籍であり、「反党分子」.「トロツキスト」などなどによる「追い討ち」である。 





(私論.私見)