タバコ中毒考

 (最新見直し2014.09.21日)

 (ほう吉のショートメッセージ)
 ここで、タバコの薬害について確認しておく。

 2014.05.18日 ほう吉拝


【タバコと日本 貝原益軒と鎖国】
 江戸時代初期の医師、貝原益軒は自書養生訓でこう申している。
 「烟草(タバコ)は毒性あり。烟(煙)をふくみて、眩い倒るる事あり。習へば大なる害なく、少は益ありといへ共、損多し。病をなす事あり。又、火災のうれひあり。習へば癖になり、むさぼりて後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初よりふくまざるにしかず。貧民は費(ついえ)多し。
 (現代語訳)
 たばこは天正・慶長年間の近年になって、他国から渡ってきた。淡婆姑は日本語ではなく、外国語である。近世の支那の書に多く書いてある。また烟草ともいう。朝鮮では南草という。日本ではこれを莨とうとするのは誤りである。煙草と莨とうとは別のものである。

 煙草の性は毒である。煙を飲んで目がまわり倒れることがある。習慣になってもそれほどの害はないが、少しは益もあるといわれるが、結果的に損失が多い。これにより病気になることもある。また火災の心配もある。習慣になると癖づき、中毒症状でむさぼるようになり、ついにやめられなくなる。こうなると、煩わしいことが多くなって、手前自身の小用を増す。最初から近づけないのがもっともよい。貧しい者には出費が多くなり負担を増すことになる。(「森下ジャアナル」参照)


【禁煙デー&保険治療考】
 5.31日は世界保健機構(WHO)が提唱する世界禁煙デー(World No-Tobacco Day)の初日。毎年5.31日から6.6日までが禁煙週間。この日、禁煙マークをプリントしたTシャツを着てマラソン大会などを開き、世界的に禁煙を呼びかけている。1987年の世界保健機関決議WHA40.38により、世界保健機関が設立40周年を迎える1988.4.7日が「第1回世界禁煙デー」と定められた。1988年に採択された決議WHA42.19で世界禁煙デーを毎年5.31日とすることが定められ、翌1989年以降この日に実施されている。1995年時点で世界の喫煙者は10億1000万人であり約5人に1人の割合となっている。毎年世界で300万人が喫煙が原因とみられるがんや心臓病で亡くなっており、このままでは2030年代初頭には喫煙による死亡者が年間1000万人に達するとWHOは警告している。

 日本は1992(平成4)年より加盟している。タバコの自販機をジュースの自動販売機の横に無造作に設置しているのは世界でも日本だけです。タバコ依存症に対する手立てとして、日本においても2006年4月から禁煙治療に対し保険が適用されることになった。以前は全額自己負担だったが3割負担となる。

【タバコに含まれる有害物質総論】
 タバコの煙には分かっているだけで約4000種類の化学物質が含まれ、その内200種類以上はニコチンなどの発がん性物質は69種類あると云われている。他に有害性が明らかな物質も200~300種類見つかっている。こうした化学物質は肺で吸収された後、血液の流れに乗って全身を駆けめぐるため、体中にさまざまな病気をもたらす。

 その中でも特に人体に害をもたらす三つの有害物質がニコチン、タール、一酸化炭素(含・排気ガス)である。その他の有害化学物質として ヒ素(含・アリ殺虫剤)、ダイオキシン、ベンツピレン、フェノール、カドミウム(含・カーバッテリー)、クレゾール、窒素酸化物、シアン化水素、ニトロソアミン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、アンモニア、アセトン(含・ペンキ除去剤)、ブタン(含・ライター用燃料)、トルエン(含・工業溶剤)など、日頃よく目や耳にするものが検出されている。

 タバコの煙には2種類あり、一つは喫煙者本人が吸い込む主流煙。もう一つはタバコの先から立ち上がる副流煙。他人の煙を吸うのを受動喫煙。タバコを一本吸うと5分30秒寿命が縮まる!という統計があります。
有害物質の種類 有害物質名
発がん物質
(ng/本)
ベンゾ(a)ピレン、ジメチルニトロソアミン、メチルエチルニトロソアミン、ジエチルニトロソアミン、ベンゼン、ホルムアルデヒド、N -ニトロソノルニコチン、ニトロソピロリジン、キノリン、ヒドラジン、2-ナフチルアミン、0-トルイジン
その他の有害物質
(mg/本)
タール、ニコチン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、フェノール類

【タバコに含まれる有害物質その1、ニコチン】
 ニコチンのネーミングは、1550年にタバコ種をパリに持ち帰ったフランスの駐ポルトガル大使・ジャン・ニコに由来する。ニコチンは天然のタバコの葉に含まれる有害物質で「毒物及び劇物取締法」の別表1第19項に指定されている毒物で、青酸カリやヒ素と並ぶ猛毒である。日本でも江戸時代から殺鼠剤や害虫駆除剤として用いられており、その毒性が知られていた。且つヘロイン・コカインに匹敵する強力な依存性を持っている。

 ニコチンは、あっという間に体内に吸収され、すぐに脳に達する。初めてタバコを吸ったとき、フラッとしたり、気分が悪くなったりするのはニコチンの急性毒性症状である。脳の中枢神経には、ニコチンの受け皿が広範囲に分布しているためニコチンの影響は脳の広い範囲に及ぶ。特に、脳を覚醒させ、集中力を高める作用を担う神経系(ドーパミン神経系と呼ばれている)が、ニコチンによる依存性の形成に重要な役割を果している。ニコチンは脳の快楽を司る旧皮質の大脳辺縁系部分に作用し、ドーパミンやβエンドルフィン、セロトニン、ノルアドレナリンといった快楽物質を放出させ快楽の感覚を伝達する。これらを脳内麻薬様物質と云う。(あるいは、ニコチンというのは脳内の幸せ物質であるセロトニンというものと科学構造が似ており、タバコを吸うとセロトニンの代わりとして作用する。だからタバコを吸うと落ち着いたりリラックスする) ニコチンが減少すればまたそれを補うべく喫煙行為は際限なく繰り返される結果になる。結果的にニコチンがニコチンを呼び脳がニコチン浸けになる。

 ニコチンは末梢神経に作用して毛細血管を収縮させる。結果として血圧と心拍数を上昇させ動悸を激しくさせることになる。長期にわたるニコチン摂取は動脈硬化、脳卒中、心筋症など生活習慣病の引き金になる。ニコチンの致死量は、成人で 50~60 mg、子供の場合は10~20mgといわれている。これを紙巻タバコの本数に換算すると、大人なら2本、乳幼児ならたった1本と云われている。ニコチンはコカイン、モルヒネ、アコニチン(トリカブトに含まれる猛毒)などと同系列のアルカノイドの一種であり、マリファナよりもニコチンの方が依存度が高いといわれている。そのニコチンがタバコを通して販売されているのでニコチンは最も身近な依存性薬物ということになる。

 ニコチン同様の依存物質の類を挙げると他にアルコール、ヘロイン、コカイン、カフェインがある。毒性順位はアルコール、ヘロイン、コカイン、ニコチン、カフェイン。それでは精神依存性順位は、ニコチン、ヘロイン、コカイン、アルコール、カフェインである。


 麻薬に関して、興奮するほうと鎮静するほうの2種類に分かれる。ニコチンには両方の作用がある。
【タバコに含まれる有害物質その2、タール】
 タバコのヤニのようなものがタールの正体である。皮膚の粘膜から身体に食い込み、歯に着くと歯は黄色くなり、歯肉も黒ずむ。歯の隙間や裏側にびっしりと着いたヤニは口臭の原因にもなる。肺から取り込まれたタール成分は肺や気管を真っ黒にする。タバコの煙には、自動車の排ガスに含まれるベンツピレン、カドニューム、ロケットや航空機の燃料に含まれるヒドラジンなどの発がん物質が微粒子として浮遊している。毒性物質も含まれている。これが喫煙によりジワリジワリと人体に蓄積されていく。ちなみに、タバコ1本に含まれるタールの量を10mgとして、1日に1箱吸ったら1年で73g(コップで半分弱分)、70歳になるまで50年間続けたとすると、約3.5kg(コップ20杯分)の毒の詰まったタールを飲み込む計算になる。ニコチンの呪いでがんの素が詰まったヘドロを体内に詰め込んでいることになる。主として肺に蓄積されるので肺がんになるのは当たり前である。

 タールを確認する方法は、喫煙の息をティッシュペーパーに吹き付けることで分かる。茶色いものが付く。これがタールである。あるいは手指や歯が黄ばむ。これでも分かる。
【タバコに含まれる有害物質その3、一酸化炭素(CO)】
 血液中のヘモグロビンは本来であれば酸素と結合すべきところ、喫煙によって一酸化炭素と結合する。一酸化炭素のヘモグロビン結合は酸素のそれより200倍も強いと云われている。これによりヘモグロビンの酸素運搬機能が阻害されて、一酸化炭素が過度に体内に吸収されることになり全身的な酸欠状態が引き起こされる。これ以外にも血管壁や血小板を傷付けたり、肝臓でのコレステロールの代謝を阻害することにより、動脈硬化を促進させるといわれている。

 一酸化炭素と血中のヘモグロビンが結合するとカルボキシと頭に形容詞がつく嫌なヘモグロビンが組成される。タバコを1本吸うと、このカルボキシヘモグロビンは1~2%増加する。長年の喫煙習慣により、心臓や呼吸器に疾患がある場合は、このカルボキシヘモグロビンの体内濃度が上昇すると、少しの運動でもすぐ息を切らしたりする。また、血液は酸素とともに、栄養を全身に供給する大切な役割を持っているため酸素が欠乏すると、栄養の供給が妨げられる、老廃物の回収が遅れるといった現象も付随して出てくる。更に、体内が酸欠になると、心臓はより多くの血液を送り出そうとするので血圧が上昇し血流も速度を増す。大量の血流が血管にへばりついた老廃物の中を通っていくので当然に血管の内皮は傷つく。結果として血管の柔軟性は失われ、動脈硬化が進み、病が沈潜し、老化に拍車がかかるという不健康極まりないスパイラルに陥ることになる。ニコチンや発がん物質を含むタールはタバコのフィルターである程度除去できるが一酸化炭素はフィルターを余裕で通り抜けてしまう。ニコチンという名のローレライに手招きされ毒を盛られ続けていることになる。「そんな高いサプリ買うんだったらタバコやめたらいいのに。ビタミンとってもタバコの酸化物質でチャラだよ」。
【タバコに含まれる有害物質その4、シアン化水素(HCN)】
 シアン化合物は、酸化酵素の働きを阻害し、組織呼吸に障害をもたらすといわれている。たばこ煙から吸収されたシアン化水素の一部はそのまま肺から排泄されるが、大部分は肝臓で毒性の弱いチオシアンとなり、一部は活性型ビタミンB12のハイドロオキシコバラミンと結合してシアノコバラミンとなる。活性型ビタミンB12が不足することで有髄神経に栄養障害をきたすことになり、その結果「弱視」になり易いといわれている。
【タバコに含まれる有害物質その5、アンモニア】
 アンモニアは、依存症を形成させやすくするためだけの役割で添加されており,アルカリ性(だから煙が目やのどにしみる)でニコチンが吸収しやすく、アンモニアが添加されることによりタバコの売り上げが爆発的に伸びて来た。結局「タバコは正常な使い方をして体にはっきりした害のある唯一の商品」(米国疾病予防センター長官の言葉)ということになる。

 タバコの煙が目に入ると痛いのはアンモニアが原因である。ニコチンはガス化することでたばこのフィルターを通ることができる。そのためにアンモニアが必要になる。アンモニアがないとニコチンはガス化できずに人間の体内に入らない。タバコはニコチンを摂取してナンボの商品で、気化(ガス化)したニコチンを体に摂取して初めて満足感が得られる。紙巻タバコにはニコチンを体に取り入れる為に、アンモニアやアンモニウム塩が添加されている。パイプタバコは紙巻と違い、アンモニア添加が出来ないので紙巻タバコのような目への刺激性は低い。アンモニアを多くすればニコチンがより多く気化して体内に入り込み、ニコチン依存がより顕著に現れる。アンモニアあってのニコチンの関係にある。

【タバコに含まれる有害物質その6、活性酵素】
 喫煙は活性酵素を多量に発生させる。活性酵素は細胞膜を破壊したり、DNAを傷つけ、酸素の働きを阻害するなどして、老化や癌の元凶となったり、血栓(血液の塊)をできやすくすることで心筋梗塞や脳卒中(脳血栓・脳梗塞・くも膜下出血)を引き起こす。
【タバコに含まれる有害物質その7、放射性物質
 たばこには放射性物質が含まれている。ポロニウム(Polonium)210、セシウムなどである。ポロニウム210は、2006年、ロシアの元情報部員アレクサンドル・リトビネンコ氏の不審死で検出されたことで知られている(アレックス・ゴールドファーブとマリーナ・リトビネンコ:リトビネンコ暗殺、早川書房、東京、2007)。「Wikipedia」は次のように記している。「ポロニウムはウランの100億倍の比放射能(単位質量当りの放射能の強さ (Bq/mol, Bq/g))を有し、ごく微量でも強い放射能を持つ。このため、昇華性のあるポロニウムは内部被曝の危険が大きいため、厳重な管理の下で取り扱われなければならない」。キュリー夫人が発見し、祖国ポーランドの独立を祈ってPoloniumと名づけた。娘のイレーヌ・キュリーも科学研究者であったが、事故でポロニウムのガスを吸引したため急性白血病で死亡した。Poloniumはα線を放射するので、通常のガイガーカウンターでは計測できない。これについて、2011.10.17日付け「日本禁煙学会緊急声明」(日本禁煙学会理事長・作田学)が発表されており、「タバコにポロニウムが相当量(0.51~0.60pCi/本)含まれていることは事実である」、「ホットスポットのポロニウムが十分に肺がんを引き起こすことも証明されている」、「日本はタバコに世界で最も高濃度のポロニウムが含まれている国の一つである」としている。

 3.11日の東日本大震災による福島第1原発事故で飛び散ったセシウムも葉たばこから微量ながら検出されており、日本たばこ産業(JT)が2011.9月に検査結果を公表し、社内暫定基準値をすべてクリアしているとしている。2012.10.9日、JTのタバコの契約農家が栽培している葉タバコから100Bq/kgを超える放射性セシウムが検出されたために購入を見送ったとあり、JTのサイトでもその内容が掲載されている。但し、JTは放射能汚染されたタバコ葉を使用したタバコの販売を開始している。JTのHPを見れば判明するがセシウム100bq/kg以下は出荷と明記している。暫定基準値を500bq/kgとしており、それより以下とアピールしている。
暫定基準値とは、「核戦争が起こった場合に安全な食べ物が入手しづらい場合に3ヶ月間だけ許される数値」を云う。
【タバコに含まれる有害物質その8、添加化学物質】
 タバコには色々な銘柄がある。銘柄の味の相違は葉の種類にもよるが、それ以上に添加される化学物質の種類で味の相違をだしているのではないかと思われる。そういう意味でタバコに添加される化学物質は企業秘密とされている。
【タバコに含まれる有害物質その9、農薬】
 タバコ葉の農薬汚染。規格外の有毒な農薬入りのタバコ、どんな猛毒の農薬を使っているのか想像もつかない中国から輸入されているタバコの葉で製造されている。

【タバコ喫煙による疾患】
 タバコを吸うことで罹りやすくなる病気を喫煙関連疾患と呼ぶ。肺がんが最も有名であるが、肺などの呼吸器にとどまらず循環器や消化器など身体の様々な部位の病気にタバコとの因果関係を見い出すことができる。また、病気とはいえないまでもタバコにより吐き気や咳の程度がひどくなったり、身体の免疫機能が低下してアレルギー症状が出たり、傷の塞がりが遅くなったりすることも分かっている。更に、タバコに含まれる一酸化炭素により、酸素供給が不足するので、運動機能の低下を招き、ニコチンにより、血管が収縮してビタミンCが破壊されますので、皮膚の温度が低下したり、皺が増加することにもなる。スポーツ美容容にも、タバコは大敵というわけである。以下、代表的症状を確認する。
 血の汚れ

 タバコは血を汚す。血の汚れは万病の元である。故にタバコは良くないという三段論法になる。
 動脈硬化
 タバコが動脈硬化を引き起こすメカニズムは次の通り。肺から入った酸素は血液中のヘモグロビンに吸収されて全身に運ばれる。ところが、タバコを喫煙すると、その煙に含まれる一酸化炭素が酸素の240倍の力でヘモグロビンと結合し、酸素は一酸化炭素に先を越されてヘモグロビンと結合できなくなる。その結果、酸素の運搬が妨げられるので全身に酸素が不足することになる。危険信号を感じた心臓は全身の酸欠状態を解消しようと血流を増加させる。結果として血圧が上昇し血管に傷がついて弾力性が失われ動脈硬化が起こる。
 歯の病気  

 喫煙者全てに共通するのは歯と歯茎がニコチン&タール(以下、「タバコヤニ」と云う)汁で黒く汚損され、歯肉にメラニン色素が沈着し歯茎の色が汚くなる。歯が黄色くなり普通の歯磨きでは落ちにくくなる。タールその他が歯茎に着床し、歯茎が黒ずむ。虫歯、歯周病(歯槽膿漏)、歯肉炎にかかりやすく喫煙者特有の口臭を放つ。喫煙は、歯科治療に悪影響を与える。その後の治りにも悪影響を及ぼす。

 虫歯
 煙草のニコチンが歯肉の血管を収縮させて、血流障害を起こす。
 歯周病(歯槽膿漏)
 煙草のタール成分の付着が歯周病の原因となる歯垢、歯石を付きやすくする。
 歯肉炎
 喫煙者は白血球数が多く、煙草の各種成分が白血球を刺激して局所の炎症を強くする。喫煙による活性酸素を除去するためにビタミンCが消費されて、歯肉にある線維芽細胞のコラーゲン合成を齟齬させる。
 がんの元

 喫煙による様々なガンが発祥している。例えば、タバコの煙の流通路に添うように口腔ガン(喉頭(こうとう)がん)、咽頭(いんとう)がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膀胱(ぼうこう)がん。肺がん。「平山雄による計画調査(1966~82)」の「非喫煙者の死亡率を1としたときの喫煙者の死亡比(男)」は次の通りである。
咽頭がん 3.3倍 喉頭がん 32.5倍
食道がん 2.2倍 肺がん 4.5倍
胃がん 1.5倍 すい臓がん 1.6倍
肝臓がん 1.5倍 膀胱がん 1.6倍
全がん 1.7倍    
【呼吸器系疾患】
 肺の病気
 肺がん
 タバコは、アスベスト、ヒ素などの他の発癌物質と相乗的に働き、肺がんを発生させることが知られている。戦後、急速に死亡率が増加して問題になっている病気が肺がんである。現在では胃がんを抜いて男性のがん死亡者数のトップに躍り出ている。原因としてタバコ、大気汚染、職業病等が挙げられている。一説に、タバコの本数が増えれば増えるほど肺がんで死亡する確率が増え、1日に20本タバコを吸う人はタバコを全く吸わない人に比べ肺がんにかかる確率が約5倍になるという(「タバコ研究者の平山雄博士の研究報告」)。禁煙すると4年で2倍、5年で1,6倍、10年で1,4倍の確立に低下するとのことである。「タバコを吸うとベンツピレンなどとの複合汚染となり、高率に肺がんを引き起こす」とされている。
 「タバコの害について」を転載する。
 「喫煙者の80%は60歳以上になって慢性の咳と痰に悩まされる。このような特徴を持つ疾患別名たばこ病と呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の約90%は喫煙由来である。日本のCOPDの患者数は推定約530万人で喫煙者のほぼ6人に1人であり、COPDで1度でも入院すると1人当たり最低でも年間100万円程度の医療費を要すると思われるのでCOPDが国民医療費に与える影響は甚大である。タバコ喫煙が肺機能に及ぼす影響は、胎児のときの母親の喫煙に始まり、子供のときの受動喫煙、青少年期の能動喫煙など、人生すべての段階が、後の人生のCOPDのリスク要因となる。非糖尿病患者の末梢循環疾患の約90%、大動脈瘤の約50%はタバコ起因性である。タバコは、高血圧や血中脂質高値というようなリスク要因と相乗的以上の影響を及ぼす。冠動脈の患者を禁煙させると数年以内で心筋梗塞志望のリスクが減少し始め、15年で非喫煙者のリスクと似たレベルになる。最近は、タバコが土壌と肥料の放射線金属を集積し、吸ったときに気管支分岐部にα線を放出するポロニウム210のホットスポットを作ることを、タバコ会社が長年隠していたことが専門誌で発表された。喫煙者がタバコの葉と思って吸っている茶色の部分の多くが、再構成タバコシートと呼ばれる、タバコのくずや茎、添加物などの煮汁をしみ込ませた紙であることを話せば効果的である。JT日本たばこは、このタバコシートへの置き換えを、人口タバコと称して1970年代から促進し、安価で危険なタバコの生産を行ってきた」。
 肺炎
 肺は、肺胞と呼ばれる億単位の1mm位の小さな球形状の臓器で構成されており、肺胞の周りには網の目状に毛細血管が走っている。口や鼻から吸い込まれた外部からの空気が入ってきて、酸素が肺胞の毛細血管にある赤血球に取り込まれ、運ばれてきた不要な炭酸ガスが肺胞を経由して身体の外に排出されていく。つまり新鮮な空気と不要な空気のガス交換を行っている。ところが、タバコを吸うと、タバコの有害物質が気管支経由で肺胞まで吸い込まれてしまうので気管支、肺胞とも炎症を起こしてしまう。気管支に炎症が起きると粘膜がただれて気管支の管が狭くなり、これに染み出だ粘液が詰まって呼吸がしずらくなる。これが慢性気管支炎という病気でタン、セキ、息苦しさを伴う。
 肺気腫(正しくは慢性肺気腫)
 肺胞が炎症を受けて壊れると肺気腫症という病気になる。肺胞は破壊されるとお互いに合体して元の形に似た大きな袋を形成する。しかし、この袋は弾力性がなく、膨らみっぱなしなため空気の出入りが悪く、毛細血管の数も少なくなるので酸素と炭酸ガスの交換がうまくいかなくなる。この結果、身体全体が酸欠によって窒息状態になり息苦しさを感じるようになる。タバコ煙には0.02マイクロメーターという極小の粒子まで含まれており、口やのど、太い気管支への沈着だけでなく、有害物質が肺の奥にまで入り込む。やがて一番奥の細気管支を壊し、さらに酸素交換の場である肺胞まで破壊する。細い気管支が痛むと吸い込んだ息の吐き出しが正常にできなくなり肺は過膨張状態となる。すると息を吸っても肺はそれ以上膨らむことができず呼吸は苦しくなる。喫煙を続けることにより肺胞の破壊は徐々に進行し、気づいた時には手遅れという場合も少なくない。我が国の肺気腫の原因は、そのほとんどが喫煙であることがわかっている。
 心臓の病気
 狭心症
 心臓の病気の中でも代表的なものに虚血性心疾患がある。これは、心臓の筋肉に血液を供給する冠状動脈が狭くなったり塞がったりして心臓の筋肉が酸素不足に陥ることで引き起こされる病気である。冠状動脈が狭まって心筋が一時的に酸素不足に陥る病気を狭心症と云う。狭心症は胸が押されるような痛みや、詰まるような症状が数分から十数分続く。
 心筋梗塞
 冠状動脈が完全に詰まってしまい心臓の筋肉に全く酸素がいかなくなる病気を心筋梗塞と云う。心筋梗塞は、胸の激しい痛みが長時間持続する。狭心症は和らぐこともあるが、心筋梗塞は好転しないので直ぐに救急車を呼ぶ必要がある。虚血性心疾患の主因は冠状動脈の動脈硬化といわれており、タバコは高コレステロール血症、高血圧症とともに動脈硬化をもたらす要因の一つにあげられている。
 循環器疾患

 胃の病気
 食道炎
 胃と食道の境には括約筋と呼ばれる筋肉があって胃液が食道に逆流しないようストッパー役を果している。タバコを吸うとこの括約筋が緩み、胃液の逆流が引き起こされ胸が焼けるように感じられる。この病気が食道炎である。
 胃潰瘍
 タバコの喫煙により、胃粘膜の毛細血管が障害を受けて血流量が低下する。これにより胃酸と胃酸から胃壁を守る粘液分泌量との微妙なバランスが崩れ、胃酸により胃壁に穴が空いてしまう。これが胃潰瘍である。
 脳の病気

 
脳卒中(脳梗塞・脳出血) 。日本人のものとしては1980年から日本人男女1万人を14年間追跡調査したNIPPON DATA 80が有名で、30歳から65歳までの若年世代において喫煙者は本数に応じて、脳卒中で死亡する確率が上昇していた。 脳卒中は片麻痺(半身不随)になったり、寝たきりになったりなど健康寿命を短くする。
 美容

 喫煙は女性の美容を損ねる。喫煙者の肌は非喫煙者に比べて5歳ほど老化している。「 タバコは美容の大敵!」。
 白髪、脱毛

 喫煙は白髪、頭髪の脱毛などの原因とも云われている。「たばこと白髪の関係」は昔から研究されていて、1996年にはイギリスで研究発表が行われている。「たばこを吸っている人はたばこを吸っていない人にくらべて、白髪になる可能性が4倍高い」とされている。喫煙者が白髪になりやすいのは血液の流れが悪くなるからと考えられる。たばこの主成分のニコチンが血管を収縮させ、身体全体の血管を細くさせる。これによりスムーズに血液が流れることができなくなり、その結果、体温は低くなり、新陳代謝が低下する。これが頭皮や毛穴に悪影響を与え、白髪の毛を生えやすくさせる。喫煙がビタミンCを破壊し、ビタミンCの破壊が白髪の原因になるとも云う。
 妊婦への悪影響&出産に対する悪影響

 妊娠&出産に当っては早産や流産、低出生体重などの悪影響があり、且つ赤ちゃんの口蓋(こうがい)裂や口唇(こうしん)裂の奇形の要因になっている。妊娠中の女性がタバコを吸うと、胎盤の血流が悪くなり、その結果として赤ちゃんが酸欠状態になる。そして胎盤を通過する有害物質とか栄養不足のせいで発達が遅れて低出生体重の赤ちゃんが産まれる。乳幼児突然死症候群(SIDS)、新生児頭蓋内出血などは妊婦の喫煙との直接の関連が認められている。本数が増えるほど顔面に障害を持つ子どもを産む確率が高くなっている。妊娠初期の喫煙は非常に危険!とされている。タバコ煙に含まれる物質のうち、ニトロサミン、ホルムアルデヒドなどは単独で細胞のDNAを傷つけ遺伝子異常を引き起こす。またヒドラジン、ベンゾピレン、カドミウムなどは染色体異常を引き起こす。妊婦の喫煙によって先天異常が起こる確率は1,3~1,6倍で、喫煙本数が増えるとリスクはさらに上がる。喫煙女性の母乳は非喫煙者のそれと比べると、ビタミンCは半分、ビタミンEも8割程度で、栄養が少なく毒(ニコチン)入りお乳を飲まされていることになる。母子の健康と幸せのためにもタバコは止めましょう。
 性交意欲&能力に対する悪影響

 タバコ喫煙は性衝動を押え全体として性欲の減退を招く。これは、男性器の海綿体に血液が流れこんで勃起する仕組みになっているところ、このメカニズムにニコチンが悪作用する為である。加えて肺活量が落ちるためスタミナも落ちセックス能力を減退させる。これらが原因で性欲減退作用を生み且つ性的に淡白にさせる。禁煙後、次第に体力が回復し始めると共にセックスに意欲的になることで、逆に喫煙中の性欲減退に気づかされることになる。但し、タバコ喫煙はED(勃起障害)までの悪作用はない。ここまで謂い始めるとウソっぽい。

【喫煙衝動考】
 喫煙衝動は連続的なものではない。断続的である。故に、その嵐のひと時を凌げば良い。これを凌げずに「1本」に手を出し、ズルズルと元の木阿弥に戻ってしまう。禁煙も最初の三日を過ぎると、禁煙効能とでも呼べる禁煙プレゼントが恵まれる。この禁煙プレゼントの恵みを浴しながら喫煙衝動に襲われ、意思が弱いと懐柔されてしまう。これにどう対処すべきか。これが問題だ。

【禁煙後の機能改善考】
 肺の場合、禁煙後1ヶ月以内で一定の機能改善がみられ(一説には30%の機能改善だとか)、また、本格的な浄化には数年が必要とも云われている。

【タバコと酒の中毒性の相似と異質性考】
 「酒とタバコの中毒性の相似と異質性考」、次に「酒とタバコのどちらが止めにくいか」をノートしてみたい。後者の問いに関連して「タバコ、酒、パチンコ、覚醒剤。どれが1番辞めにくいですか?」と云う問いが生まれる。最後に「若者の○○離れ」にコメントしておきたい。 「クルマ離れ」、「高級ブランド品離れ」、「タバコ吸わない、酒飲まない、ギャンブルしないの『しない3拍子』」。これに「仕事をしない」、「結婚をしない」を加えると「しない五拍子」となる。こうなると腕組みせざるを得ない。

【副流煙考】
 タバコの煙には2種類あり、一つは喫煙者本人が吸い込む主流煙。もう一つはタバコの先から立ち上がる副流煙と云う。他人の煙を吸うのを受動喫煙と云う。喫煙者が吸い込んだ後に吐き出す煙を「呼出煙」と呼び、副流煙と合わせて環境タバコ煙(ETS:Environmental Tobacco Smoke)と云う。ここで副流煙、受動喫煙の害について確認しておく。

 これに関係する為になるブログを見つけたので採録しておく。
 概要「酒は適量なら体に良い面がある。タバコにはそういう面が確認できない。仮にあったとしても害の方が多い。酒の飲みすぎによる糖尿の場合には本人が困るだけだが、タバコは煙が出て周りを巻き込んでしまう。そこが他人から嫌がられる大きな原因の一つである」。

  副流煙は主流煙よりも有害と云う。有害成分は低温の不完全燃焼時により多く発生するため、副流煙は主流煙よりも多量の有害物質を含むことが知られている云々。

【喫煙両論考】
 先日、リポーターの梨本さんが肺がんで亡くなられましたが、タバコ 全然吸ったこと無かったようです。タバコをずっと吸い続けて 85歳超えても問題なく元気な人もいます。実際のところ、寿命にはタバコが悪いのか良いのか分かりませんね。

【「禁煙セラピー」著者のアレン・カー考】
 「禁煙セラピー」著者のアレン・カー(Allen Carr)は、1934.9.2日、イギリスのロンドンに生まれた。18歳の時から煙草を吸い始め、会計士の職にあったときは1日に100本以上吸うヘビースモーカーであった。喫煙者だった33年の間、ありとあらゆる禁煙方法を試し、そして挫折を繰り返した。「こんなに努力しても止められないのだから、もうやめられるはずがない。自分は一生タバコを吸い続ける事になる」と悲観していた。そのアレンが喫煙人生33年、48歳の時の1983.7.15日、遂に禁煙に成功した。以降、余生の全てを禁煙啓蒙活動に捧げた。1985年、「禁煙セラピー 読むだけで絶対やめられる」(原題:The Easy Way to Stop Smoking)を出版した。それまでの「強い意志(精神力)に頼った禁煙方法」とは一味違うアレン自身の経験をもとに開発した「やさしい禁煙法(メソッド)」を伝えていた。この書物が世界中35ヶ国語以上の言語に翻訳され、世界45カ国で書籍化され、書籍とDVDを合わせて1000万部以上売れるベストセラーとなった。アレンは世界41ヵ国で150ヶ所以上の禁煙クリニックを開設した。

 2006年、アレンは肺癌と診断され、同年11.29日、スペイン南部のマラガにある自宅で死去した(享年72歳)。彼が死の直前に残した言葉は、「Since I smoked my final cigarette, 23 years ago, I have been the happiest man in the world, I still feel the same way today」.(23年前、最後のタバコを吸い終えて以来、私は世界一の幸せ者だった。そして今でもその思いは変わらない)。
 「タバコはニコチンという麻薬を摂取する行為であり、麻薬が切れるから人はニコチンを摂取したくなる」、「致死が1番多いにもかかわらず、騒がれない。それがタバコなのである」。
 「禁煙セラピー」の著作権ガードが強いようなので、ほう吉流に解して「ほう吉コメント」を付していくことにする。
 「第1章 決断さえすれば成功したも同じ」。
 「第2章 本当に吸いたいから吸っているのか」。
 「第3章 ニコチンの罠のしくみはこんなに簡単」。
 「第4章 精神力でタバコはやめられない」。
 「第5章 減煙で禁煙はできない」。
 「第6章 奴隷生活よ、さらば」。
 「第7章 人生はニコチンなしの方がずっと楽しい」。
 「第8章 禁煙セラピーはこれで終了」。

 「第23章 減煙は禁煙よりずっと難しい」。
 (ほう吉コメント)減煙は、一本吸うのに前より長く待たせることになるので、逆に一本一本をとてもおいしく感じさせることになる。待てば待つほど次の一本がより貴重なものになる。これは逆効果であろう。喫煙は習慣ではない。中毒である。減煙は禁煙をさらに難しくさせる。

 「第28章 必ず成功する禁煙のタイミング」。
 (ほう吉こコメント)喫煙は習慣でも喜びでもない。中毒であり病気である。喫煙は病気なのだから先延ばししても良くなる理由がない。止めるときは今しかない。又は今に一番近い決断どきである。

 「第29章 麻薬中毒者をうらやむことはない」。

 (ほう吉コメント)禁煙を始める前に確認しておこう。喫煙者が失っているものは健康、元気、お金、自信、平静心、勇気、落ち着き、自由、自尊心等々である。 

 「第31章 まやかしの動機で禁煙しても失敗するだけ」。

 (ほう吉こコメント)精神力禁煙法で止められる人はそれで良い。問題は本当にそれで止められるのかである。精神力禁煙法で止められない方に相応しい禁煙法を編み出すべきである。

 「第34章 禁煙の意志を粉々にする”一服”の破壊力」。

 (ほう吉コメント)一服は次の一服を呼ぶ。皆な初めはたった一本のタバコから始めたことを忘れないように。

 「第35章 職業がら禁煙しにくい人」。
 (ほう吉コメント)禁煙を難しくさせる要素は禁煙しようとする人の数だけある。人それぞれ性格も違うし、仕事も、私生活の事情も活動時間もさまざまである。

 「第38章 もう吸う必要のないことを心から喜ぶ」。
 (ほう吉コメント)タバコの誘惑をかわす方法としては次の二つの方法がある。1.タバコをいっさい手元に置かない。2.離脱期間中に「ストレスのたまるような状況」を避ける。また、「社交の場」に行かない。

 「第39章 素晴らしい真実が見えるとき」。
 (ほう吉コメント)肉体的禁断症状が消えるのがはっきりわかるのに五日、完全にタバコから開放されるのに三週間かかる。

 「第40章 さあ、最後の一本を吸おう」。
 (ほう吉コメント)最後の一本を吸うとき、基本的な点を二つだけ確認してください。必ず成功させると云う1・確信、2.強い意志。

 「第41章 最後の警告」。

 (ほう吉コメント)これからは「何の理由であれ一本たりとも吸わない」。これを人生の掟としてください。

 「第42章 五年間のフィードバック」。

 (ほう吉コメント)禁煙に失敗する喫煙者には3種類あります。1.簡単にやめても再び吸い始める人。2.やめるのを怖がっている人。3、タバコをやめてもまだもがき苦しんでいる人。その人に私が言いたいのは、タバコには真の喜びや心の支えはないということです。喫煙はただの幻想です。

 「第44章 吸わない人へのアドバイス」。

 (ほう吉コメント)禁煙に成功した元ヘビースモーカーの話を聞くのは良いことです。「自分もやめられる」と気づいてください。

 「終章 タバコ・スキャンダルに終焉を」。

 (ほう吉コメント)タバコは致死率ナンバーワンの麻薬で、リラックスや勇気のもとになるどころか人間の神経を破壊します。そういう事実を知らせないのは政治犯罪です。
 「女性のための第1章 タバコがやめられないすべての女性に」。
 (ほう吉コメント)スモーカーとノンスモーカーの本当の違い。それは、前者にはタバコを吸いたい気持ちがあるが後者にはないということ。喫煙問題の解決策は、吸いたいという欲求を永久に取り除くことです。

 「女性のための第2章 あなたが受けてきたタバコの洗脳を解いていきましょう」。

 (ほう吉コメント)タバコとは不安の綱引き。一方にはタバコの悪影響に対する不安。もう一方にはタバコなしには人生を楽しめないという不安。しかしタバコを吸わない人はどちらの不安も持っていないのです。

 「女性のための第8章 あなたはタバコの罠にはまっている」。

 (ほう吉コメント)タバコを吸う言い訳はいつも色々ある。でも言い訳はいつまでたっても言い訳でしかない。そして言い訳は真実に目隠しをする。

 「女性のための第10章 この麻薬に体が免疫力をつけてしまわないうちに」。

 (ほう吉コメント)どんどん増えてくる本数、深刻化する健康、経済問題。喫煙は小悪魔の虜(とりこ)になっていることを示しております。タバコの本数が増えて行くにつれ毎日咳が出るようになり、体く、息も切れやすくなる。その結果、生活のストレスが増し、ストレスが増すからタバコをもっと吸いたくなる。ハエが食虫植物のなかに入ってたらふく蜜を吸ったあと、飛ぼうと思ったけれども足が蜜にからんで飛べない。気がつけば蜜がハエの体を溶かし始めている。餌にありついたのはハエではなく食中植物のほうだった……それがわかった段階です。このとき喫煙者の頭の中では、ひとりの自分が「もっと吸いたい、もっと吸いたい」と言います。しかし同時にもうひとりの自分が「本数を減らして!」と叫ぶのです。満足いくまで吸えない、でももう十分吸いすぎている。こういう状態ではタバコは楽しいという幻想さえも消え去ってしまします。人生、どのように転んでも、いつでもタバコを吸う言い訳はあります。でも言い訳はいつまでたっても言い訳でしかありません。そして言い訳は真実に目隠しをします。
 『「禁煙」科の医者が書いた7日間でやめる本』(阿部眞弓)。◆“禁煙外来”の医師が公開、「ストレスのかからない科学的アプローチ」。 
1章 「禁煙」革命。長く、たくさん吸っている人ほどやめやすい!
2章 がまんして失敗する人、ラクなまま成功する人◆やめられないのは”意志が弱い”からではなかった!
 「脳をコントロールして禁煙する方法」を参照する。禁煙すると劇的に人生が変わる。禁煙効能は次の通り。結婚できた!彼女ができた!奥さんが優しくなった!愛娘が近寄ようになった!どす黒い顔がきれいな肌色になった!肌がスベスベになった!口臭が治った!胃痛がなくなった!咳・痰がなくなった!仕事に集中できるようになった!アルコール依存症も治った!パチンコに行かなくなった!人生が楽しくなった!自分に自信が出てきた!明るい笑顔を取り戻した!。禁煙すればこれだけ良いことが起きる。喫煙効能は幻想で幻覚である。これを打ち砕くことでタバコと決別できる。これに導くのが禁煙根本治療である。真の禁煙法は「タバコによる洗脳を解除」することです。これをやらない限り何度禁煙しても又吸い始めることになる。

【「禁煙ビデオ」考】

【「タバコと酒と博打」考】
 「タバコと酒と博打」考をしておく。どちらも強度の中毒性があることで知られている。しかしこれを同列に論ずるのではなく相似と差異を際だたせ、排斥すべきものと適度であれば嗜むべきものの仕分けをしておきたいと思う。結論から云えば、タバコは問答無用の排斥、博打は強度の博打性のものを排斥、弱度のものは任意、酒は嗜む程度あれば可としたい。これは「囲碁吉スタンダード(基準)」である。

 2014.8.8日 ほう吉拝

【「有名人の喫煙名言」考】
 「タバコは心の日曜日」

 「酒は飲まない、タバコを吸う。女を好きにならないくらいなら、男をやめる。だからと言って、あるいはどんな理由であっても、革命家としての任務をまっとうできないのなら、私は革命家をやめる」。byチェ・ゲバラ

 「煙草が存在しなかった時は、セックスの後で皆な何をしていたのだろう」。byヴァシリス・アレキサス

 「私は、むやみにタバコを吸う。その一本一本が、じつは「棺桶」の釘であるということは本人がよく知っている」。by養老孟司

 「煙草をやめるなんてとても簡単なことだ。私は百回以上も禁煙している」。byマーク・トウェーン

 2014.8.8日 ほう吉拝

 「女性の方が「タバコが原因の肺ガン」を発症しやすい理由とは」。
 男性より女性のほうが長生きともいわれますが、“喫煙による肺ガン”リスクは、男性より女性のほうが高いことをご存じですか?「同じように喫煙していたら、男性と女性のリスクは同じなんじゃないの?」と思いますよね。でも、そうではないことが判明したのです……!そこで今回は、医療法人財団健康院理事長・折茂肇さんと株式会社ファンケル名誉会長・池森賢二さんの著書『病気にならない人の「考え方」』などを参考に、タバコが原因の肺ガンが女性に多い理由についてご紹介します!

 女性が長生きする秘密は染色体にあった

 タバコが原因の肺ガンが女性に多い理由の前に、まずは、女性が長生きといわれている理由を見てみましょう。性別を決めるのは“X・Y染色体”であるという話を聞いたことはありますでしょうか? 男性は“XY”で、女性は“XX”になるとか。<XXかXYか。これが男女の違いを決定づけますし、男女の免疫力にも関係しています。具体的には女性に二つあるX染色体に女性が長生きする秘密が隠されているのです>平均寿命のデータを見ても、約7歳“女性のほうが長生き”のようです。女性は2つの“X染色体”を持ち、この染色体が免疫機能に関係した遺伝子を数多く含んでいるとのこと。このことから、女性は男性よりも強い免疫を持ち、病気になりにくく長生きの傾向にあると考えられています。

 女性が肺ガンになりやすい理由も染色体にあった

 前述のとおり、染色体の組み合わせによって女性のほうが長生きということがわかりましたが、同著によれば、“喫煙による肺ガンのリスク”は、男性よりも女性の方が高いといいます。それはナゼなのでしょうか?<その理由として、最新の疾学研究では、気管支細胞の増殖を促す「ガストリン放出ペプチド受容体」の関与が明らかにされています。(略)この受容体(外界や体内からの変化を受け取り、反応する細胞)の遺伝子はX染色体に存在していますが、女性は男性よりも発現量が多く、喫煙によってグングン増えることが確認されています>染色体の組み合わせが、XXの女性は、XYの男性に比べると、肺ガンを発生させるリスクを持つ遺伝子(X染色体)を2倍持っているということ……! このため、喫煙による肺ガンは女性のほうがなりやすいのだそうです。

 喫煙していると“卵子の老化”も進行してしまう

 『WooRis』の過去記事「卵子の老化が進む!? タバコが“妊娠・出産”に及ぼす3つの恐ろしい影響」によれば、喫煙によって卵子の老化がどんどん進行していくとのこと。不妊や流産のリスクが高まるだけでなく、閉経の時期も5~10年早くなることがあるといわれているそうです。「20代だからまだ大丈夫」と思って、リスクを知らずにタバコを吸っていると、あとで泣くはめになるかも……。喫煙の習慣がある女性は、ご自身の身体や健康のことを考え、今すぐタバコはやめたほうがよさそうですね。以上、タバコを吸うことによる女性の健康リスクをご紹介しましたがいかがでしたか?女性がタバコを吸うことには大きなリスクがあることをよく知っておきましょう。妊娠・出産を考えている方は、タバコは絶対NG! 神様が与えてくれた“免疫力の強さ”に感謝しつつ、健康的な生活を送りましょうね。





(私論.私見)