【ナベツネの2007.11小沢パッシング事件考】

 (最新見直し2007.11.10日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 2007.11月、読売新聞系の総帥ナベツネの「昇り竜の民主党代表小沢パッシング事件」が発生した。政治的に意味の深い事件であると思われるので採り上げることにする。11.2日、「福田対小沢党首会談」が設営され、大連立構想が話し合われた。小沢が党に持ち帰ったところ大ブーイングが起こり、面目を失った小沢が代表辞任を申し出る事態に陥った。この機を捉えて、会談の仕掛け人ナベツネが、子飼いの読売新聞紙面及び系列の日本テレビ系電波網を使って、「小沢の方から大連立持ちかけ」との虚報で小沢パッシングに出るという事件が発生した。ここまでを事件の前半とする。

 民主党は大混乱に陥ったが、事態を正確に受け止め、分析し、団結して小沢の慰留に手分けして努め、小沢辞表を撤回させ元の鞘に納まらせる形で乗り切った。この経緯を後半とする。これを仮に「2007.11月、小沢党首辞任騒動−ナベツネの小沢パッシング事件」と命名する。以下、この事件を検証する。情報が限られているので、足らざる部分はれんだいこが大胆に推測した。正確な日時については判明次第後日訂正することにする。


 2007.11.11日 れんだいこ拝


【福田対小沢党首会談仕掛け−小沢パッシング事件考その1】

 2007.7月頃、ネオ・シオニズム奥の院が、中曽根−ナベツネ一派に対し「自民−民主大連合」を指令する。これを受けナベツネが政界工作に乗り出す。これが「2007.11小沢パッシング事件」の伏線となる。同下旬、ナベツネが、森・元首相に「自民−民主大連立」を指示する。森は使い走りし始める。7.29日、参院選で自民党が惨敗し、民主党が過半数を制したことにより衆参捩れ現象が生まれる。安倍首相が続投表明する。

 8.16日、ナベツネが読売新聞社説で、「大連立 民主党も「政権責任」を分担せよ」の見出しで「大連立構想」を発表。

 お盆明けの政局が、内閣改造・自民党役員人事へ向けて動き出している。安倍首相は、これによって党内の求心力回復を図りたいということだろう。

 だが、首相が求心力の回復に成功しても、参院の与野党逆転状況に変わりはない。法案はすべて民主党の賛成を取り付けるか、参院での否決後、あるいは参院送付の60日後に、衆院で再可決するしかない。その再可決の手法も、そう簡単に使えるものではあるまい。

 予算案は衆院が優先するといっても、予算関連法案が成立しなくては、予算が執行できない。国民生活にも重大な影響が及ぶことになる。

 仮に、与党が次の解散・総選挙以降も衆院での多数を維持し続けられるとしても、3年後の参院選でも過半数を回復するのはきわめて難しい。6年後も難しいだろう。

 となれば、国政は長期にわたり混迷が続くことになりかねない。

 こうしたいわば国政の危機的状況を回避するには、参院の主導権を握る野党第1党の民主党にも「政権責任」を分担してもらうしかないのではないか。つまり「大連立」政権である。

 自民党は、党利を超えて、民主党に政権参加を呼びかけてみてはどうか。

 衆参ねじれ状況は、民主党にとっても、苦しい対応を迫ることになる。

 対決姿勢、政府・与党への揺さぶり戦術だけでは、政権担当能力を疑われることになる。国民生活や国益に配慮して、現実的な妥協をせざるを得ない場合も少なくないだろう。でなければ、国政混乱の責任だけを負わされることにもなりかねない。

 しかも、いま直ちに解散というならともかく、いつまでも現在のような追い風が続くとは考えにくい。1年後、2年後の総選挙に勝てるという保証はない。

 民主党にとっても、政策理念を現実の施策として生かす上で、大連立は検討に値するのではないか。

 現在の日本は、緊急に取り組まなくてはならない重要な課題を、いくつも抱えている。

 例えば年金、医療、介護といった社会保障制度の立て直しだ。少子高齢化の加速に伴い、社会保障費の年々の自然増に対応するだけでも大きな財源が要る。

 他方で、財政再建も喫緊の課題だ。国・地方合わせた長期債務は770兆円にのぼり、今後も増え続ける見通しだ。歳出削減だけで解決できるような状況ではない。消費税率の引き上げが避けられないことは、自民、民主両党とも、実は、よくわかっているはずだ。

 外交・安全保障でも、北朝鮮の核の脅威にどう対応するかという国家的な難題に直面している。日米同盟の緊密化、中国との連携強化が不可欠だ。

 これらの課題を巡る自民、民主両党の主張には、いろいろな差異がある。大連立に際しては、そうした差異を解消する方向性を示す大枠での政策協定を結べばいいのではないか。

 他の政党も、その政策協定に賛同できれば、政権に参加すればよい。

 当面するテロ特措法の期限延長問題も、国会駆け引きを超えた政権内部の協議となれば、互いの主張の調整・妥協もしやすくなるのではないか。  ミサイル防衛(MD)や米軍再編に伴う諸問題も同様だろう。外交・安保については、自民党と民主党の主流の基本的な考え方に、それほど大きな違いがあるようには見えない。

 年金をはじめとする社会保障政策についても、政権内部での率直な意見交換により、従来の意見を超えた新たな政策システムを構築できるかもしれない。

 自民党はこの秋から、税制の抜本改革論議を始めるという。その論議に民主党も加わる形になれば、核心のテーマとなるはずの消費税率引き上げにしても、国民の理解を得やすくなるだろう。

 ドイツには、かつて、社会民主党(SPD)が、長らく政権を担当してきたキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との大連立を経て、社民政権を樹立したという歴史がある。

 大連立により第2党の存在感が薄れることになるか、政権担当能力への信頼感が厚くなるかは、その政党の努力次第だということである。

 05年11月に成立した現在のメルケル政権も、第1党CDU・CSUと、第2党SPDとの大連立政権だ。

 メルケル政権は、日本の消費税に当たる付加価値税の16%から19%への引き上げを実現し、増収分の3分の2を財政再建に、3分の1を雇用保険料の引き下げに充てた。また、所得税の最高税率を42%から45%へと引き上げたが、これはSPDの主張を受け入れたものである。

 これにより、財政再建に一定のメドがつき、08年から法人税率の引き下げを実施することになっている。

 大連立内部では、時に両党間の議論が過熱することもあるが、全体としては、国政運営は効率的で安定している。

 秋の臨時国会が自民、民主両党の建前論がぶつかり合うだけの状況になる前に、両党は早急に大連立の可能性を探ってみてはどうか。

(私論.私見) 

 このナベツネ社説は要するに、先の参院選での民主党の大躍進による衆参のねじれの結果、ネオ・シオニズムの御用聞き政治にブレーキがかかったことを憂慮し、ドイツの例を引き合いに出して「自民−民主の大連合」を呼びかけたものである。これが、ネオ・シオニズム奥の院の指令でもあるということになる。ネオ・シオニズム側の先の参院選の衝撃がそれほど大きかったということになる。

 8.21日、ナベツネが民主党の鳩山幹事長を呼び出し、大連立の根回しを依頼する。その後、中曽根−森元首相ラインが小沢に個別折衝している模様である。8.27日、安倍政権画内閣改造。8月末、小沢がナベツネに呼び出され、ナベツネ・中曽根・森・小沢の四者会談となり、「お国のために大連立を」と持ちかけられる。この時、小沢は返答せず、「そういうたぐいの話は現実に政権を担っている人が判断する話であって、私どもからとやかく言う話ではありません」と「首相自らの申し出」を要求する。

 安倍首相に「大連立」の話が持ち込まれ、9.12日、安倍首相が小沢に党首会談を申し込む。手違いも有り相手にされず。同正午前、安倍首相が、「小沢さんが党首会談に応じてくれない」ことを理由の一つに挙げて突如辞任表明する。福田と麻生の総裁選が始まる。9.25日、自民党総裁選で、福田が選出される。麻生が善戦する。

 10月半ば過ぎ、ナベツネが小沢に再度連絡し、「福田総理もぜひそうしたいとの考えだ。ついては、総理の代理の人と会ってくれ」と申し入れる。小沢は、「むげにお断りできる相手の方ではないので、じゃあ参りますと言って指定の場所に行き森元首相と対談する。小沢が、「本当に総理はそんなことを考えているのか」と質問すると、森は、「総理もぜひ連立をしたい、ということだ」と応答する。小沢が、「では、あなたも本気か」と問うと、森は、「おれも本気だ」と答えている。小沢は、「総理がその気であれば、総理から直接お話をうかがうのがスジではないでしょうか」と返答する。

 10月末頃、デイヴィッド・ロックフェラー(92歳)氏が来日。表向きは著書「ロックフェラー回顧録」(新潮社)の日本語版刊行記念。ロックフェラーの来日がどう絡むのかはっきりしないが、奇妙に「自民−民主大連立工作」が具体的に進展し始める。

 10.30日、森が小沢を呼び出して「福田との党首会談」を念押しし言質を取る。その後、福田と小沢が45分間にわたり膝詰めで語り合った。これを仮に「第1回極秘党首会談」とする。

 この頃、公明党が事態を憂慮し始めており、その対策と思われるが、10.31日昼、森が、自民党本部で細田博之幹事長代理に「第1回極秘党首会談」の動きを伝え、概要「福田首相に1・公明党との連立維持、2・大連立構想に乗らない、3・早期解散に応じないの3条件を譲らぬよう提言している」ことを漏洩。細田幹事長代理は当然、公明党に森発言を伝え釈明したものと思われる。

 11.2日朝、公明党有力幹部が、「今日の党首会談で憲法改正、中選挙区制、恒久法の3つが合意に向け大きく動く。完全な公明外しだ」との情報を流布。支持母体の創価学会が「悪魔のシナリオだ」(関係者)と反発する。首相が、小沢会談に先立ち、公明党の太田昭宏代表と会談。小沢との会談に臨む方針を伝えた。太田代表は「首相を信頼しているのでお任せする」と述べた。

 11.2日午後、国会議事堂3階の常任委員長室で、福田首相と民主党の小沢代表の党首会談が行われた。自民党の伊吹文明幹事長と鳩山民主党幹事長が控え室に移動。午後3時過ぎ二者秘密会談となった。1時間10分で会談中断。これを仮に「第2回極秘党首会談」とする。午後6時半すぎに再開。席上、大連立構想が切り出され、小沢は「了承を取り付けるべく党に持ち帰り、結果を報告する」と述べ、午後7時26分会談終了。これを仮に「第3回極秘党首会談」とする。

 同夜、民主党の緊急役員会が開かれ、小沢代表が、「大連立を視野に入れ、まずは政策協議から始めるべき」と提案。役員会は猛反発し、「自民−民主大連立申し出」を断ることを申し合わせた。小沢が福田に不首尾に終わったことを電話連絡。小沢は不信任と受け止め、政治責任に伴うけじめとして党代表を辞任する意向を表明した。役員会が慰留に努めたのに対し、「暫く考えさせて欲しい」と保留した。小沢の身柄は役員会に預けたられた。


 11.3日、読売社説は、「党首会談 政策実現へ「大連立」に踏み出せ」の見出しで次のように主張した。

 衆参ねじれの下で、行き詰まった政治状況の打開へ、積極的に推進すべきである。自民党総裁である福田首相が民主党の小沢代表との党首会談で、連立政権協議を提起した。いわゆる大連立である。実現すれば、日本政治に画期的な局面を開く。

 だが、小沢代表は、民主党役員会での拒否の決定を福田首相に電話で伝えた。役員会の大勢が、「先の参院選の民意に反し、国民の理解を得られない」としたからだという。 これは疑問だ。

 会期末を目前にしながら、法案は一本も成立していない。国益や国民生活の安定のための重要政策の推進という、政治の責任がまったく果たされていない現状こそが、国民の利益に反することをしっかりと認識すべきである。

 衆院解散・総選挙で、与党が勝利し、政権を維持しても、参院で野党が過半数を占める状況は変わらない。しかも、長ければ10年近く続くと見られる。

 国際社会も日本の経済・社会も大きな転換期にあって、国内の不安定な政治情勢のために、それに対応した政策の推進ができないとなれば、日本の将来は極めて危う い。

 こうした事態を避けるためには、重要な政策を推進するための安定したシステムを構築しなければならない。そうした判断に立って、福田首相が「大連立」を提起したのは、極めて適切な対応だ。

 小沢代表も、政治の現状への強い危機感があるからこそ、党首会談に応じたはずだ。連立協議の拒否で通るのか、ぜひ、再考してもらいたい。

 民主党内には、参院選の余勢を駆って、政府・与党を追い込み、衆院解散で政権交代を目指すという主張が根強い。だが、いたずらに“対立”に走った結果、今日の政治の不毛を生んでいるということを直視すべきだ。

 大連立を選択肢から排除することは、責任政党の取る姿勢ではない。

 各小選挙区で自民党と民主党が競合していることを理由に、大連立を困難視する声もある。だが、これはおかしい。大連立にあっては、大政党同士が、国益や国民生活の問題の解決にどう具体的に貢献し、成果を上げるかを競うことが大事だ。その結果を総選挙で問えばよい。

 大連立への試金石となるのは、インド洋で海上阻止行動に当たる多国籍軍艦船に対する海上自衛隊艦船による給油活動の早期再開だ。

 その一環として、自衛隊の国際平和活動のための恒久法の制定問題も、重要なかぎとなる。

(私論.私見) 

 この読売社説は要するに、「自民−民主大連立構想」に拒否回答した民主党に再考を促す最後通牒的意味合いのものである。


【福田対小沢党首会談仕掛け−小沢パッシング事件考その2】
 11.4日、読売新聞朝刊が、一面トップで「一大連立、小沢氏が提案」の見出しで党首会談の模様を報じた(「私は読売新聞の購読やめました〜「読売・世紀の誤報」と報道機関としての良心」)。

 ナベツネは、「自民−民主大連立」シナリオが崩れたのを見届けるや今度は小沢ハッシングに転じた。衣の下の鎧がもろ見えとなり、そもそもこの間の政治工作が小沢叩きを主眼にしていた事が明らかになった。

 同午前5時半、小沢代表の側近、樋高剛・元衆院議員が名古屋市内に滞在していた鳩山幹事長を訪ね、「一身上の都合で辞任します」と認めた辞職願を渡した。鳩山は、「受理できない。民主党は小沢さんのおかげでここまで来た。辞められては党が持たない」と辞任を拒絶した。鳩山はすぐさま新幹線で帰京し、東京都世田谷区深沢の小沢氏の私邸を訪ねた。しかし小沢氏は不在。赤坂の個人事務所にいた小沢氏をつかまえ、山岡賢次国対委員長と翻意を促した。

 午後4時に党本部で記者会見がセットされたが、党本部の代表室で説得が続いた。菅直人代表代行は、「小沢さんしか代表はいない」。直嶋正行政調会長は、「衆院選を小沢さんにやってもらうのがみんなの気持ちだ」。小沢は、「そんなに言ってもらえるなら、みんなに(進退を)預ける」。民主党幹部は、「連立入りが代表続投の条件になるのは絶対、駄目だ」と釘を刺しつつ慰留を続けた。

 同午後4.30分過ぎ、小沢が党本部で辞任表明記者会見を行い、次のような辞任の弁を述べた。

 民主党代表として、けじめをつけるにあたり、私の考え方を一言申し上げる。福田総理の求めによる2度の党首会談で、総理から要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外に対するけじめとして民主党代表の職を辞することを決意し、本日、鳩山由紀夫幹事長に辞職願を提出し、執行部をはじめとして同僚議員の皆様に私の進退を委ねた。

 ひとつ。11月2日の党首会談において、福田総理は衆参ねじれ国会で自民、民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために、民主党と連立政権を作りたいと要請するとともに、政策協議の最大の問題である、わが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換を決断された。

 そのポイントは、1、国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連安保理、もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る。したがって特定の国の軍事作戦については、わが国は支援活動をしない。2、新テロ特措法案は、できれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力態勢を確立することを最優先と考えているので、連立が成立するならば、あえてこの法案の成立にこだわることはしない。福田総理は、その2点を確約された。

 これまでのわが国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるだけに、私個人は、それだけでも政策協議を開始するに値すると判断した。

 ふたつ。民主党は先の参院選で与えていただいた参院第一党の力を活用して、マニフェストで約束した年金改革、子育て支援、農業再生をはじめ、国民の生活が第一の政策を次々に法案化して、参院に提出しているが、衆院では依然、自民党が圧倒的多数を占めている現状では、これらの法案をいま成立させることはできない。逆にここで政策協議を行えば、その中で国民との約束を実行することが可能になると思う。

 3番目。もちろん民主党にとって、次の衆院総選挙に勝利し、政権交代を実現して国民の生活が第一の政治を実行することが最終目標だ。私もそのために民主党代表として全力を挙げてきた。しかしながら民主党はいまださまざまな面で力量が不足しており、国民の皆様からも、自民党はダメだが、民主党も本当に政権担当能力があるのかという疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は大変厳しい情勢にあると考えている。

 その国民みなさんの疑念を払拭(ふつしょく)するためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参院選を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営への実績も示すことが、国民の理解を得て民主党政権を実現する近道であると私は判断した。

 また政権への参加は、私の悲願である政権交代可能な二大政党制の定着と矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることによって、その定着を実現することができると考えている。

 4つ目。以上の考えに基づき、2日夜の民主党役員会において、福田総理の方針を説明し、政策協議を始めるべきではないかと提案をしたが、残念ながら認められなかった。それは私が民主党代表として選任した役員の皆様から不信任を受けたに等しいと考えている。よって多くの民主党議員、党員を主導する民主党代表として、また党首会談で誠実に対応してもらった福田総理に対し、ケジメをつける必要があると判断した。以上が私のコメントだ。

(私論.私見) 

 小沢は要するに、党代表の身柄を党に預けた。党首責任と党の機関運営主義の両権能を発揮させ、政治的に見事に処理した事になる。こうして、民主党がどう処理するかに問題が移ったことになる。

 この時の発言の「民主党の力量不足、政権担当能力疑問、次期総選挙での勝利困難」発言が党内に物議を呼び、小沢辞任止むなし論を生んでいくことになる。

 続いて、「中傷報道に厳重に抗議する」と題した次のようなコメントを読み上げた。

 中傷報道に厳重に抗議する意味において、私の考えを申し上げる。福田総理との党首会談に関する新聞、テレビの報道は、明らかに報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、私は強い憤りをもって厳重に抗議したい。特に11月3、4両日の報道は、まったく事実に反するものが目立つ。私のほうから党首会談を呼びかけたとか、私が自民、民主両党の連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について、小沢首謀説なるものまでが社会の公器を自称する新聞、テレビで公然と報道されている。いずれもまったくの事実無根だ。

 もちろん党首会談および会談に至るまでの経緯と内容について、私自身も、そして私の秘書等も、どの報道機関からも取材を受けたことはないし、取材の申し入れもまったくない。それにもかかわらず、事実無根の報道が氾濫(はんらん)していることは、朝日新聞、日経新聞等をのぞき、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自らその世論操作の一翼を担っているとしか考えられない。それにより、私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した明白な誹謗(ひぼう)・中傷報道であり、強い憤りを感ずるものだ。

 このようなマスメディアのあり方は明らかに報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機であると思う。報道機関が政府・与党の宣伝機関と化したときの恐ろしさは、亡国の戦争へと突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかだ。また自己の権力維持等のために、報道機関に対し、私や民主党に対する誹謗中傷の情報を流し続けている人たちは、良心に恥ずるべきところがないか、自分自身によくよく問うてみていただきたい。各種報道機関が1日も早く冷静で公正な報道に戻られるよう切望する。以上だ。

(私論.私見) 

 小沢は要するに返す刀で、読売−毎日系による小沢パッシングに切り替えした。ナベツネ系マスコミの度の過ぎた政治主義を批判し、政治は政治家に任せ、マスコミは公正報道に戻るよう訴えた。小沢ならではの胸のすくようなマスコミ批判であった。


 11.5日、読売新聞社説が、「小沢代表辞意 それでも大連立を目指すべきだ」の見出しで次のように主張した。

 行き詰まった現在の政治状況を冷静に見つめれば、大連立はやはり、なお実現を目指すべき重要な課題である。

 民主党の小沢代表が、辞任の意向を表明した。福田首相との党首会談で、福田首相が求めたとされる大連立の問題をめぐる政治的混乱にけじめをつけるため、という。

 小沢代表自身がけじめをつけても、衆参ねじれ国会の下で、国益や国民生活にかかわる重要政策が何一つ前進も実現もしない、という状況には変わりない。

 ◆一致すべき安保政策◆

 福田首相は、衆参ねじれ下で、重要政策を実現するため「新たな政治体制を作りたい」として会談に臨んだ。具体的には「大連立」である。

 小沢代表も、同様の問題意識に立って党首会談に臨んだことは、辞意を表明した記者会見からも明らかだ。

 小沢代表は、党首会談での核心が、インド洋での海上自衛隊艦船による多国籍軍艦船への給油活動継続問題をはじめ、安全保障政策だったとしている。

 国の存立と国民の生命、財産を守るための安全保障政策は、政府・与党と野党第1党が共通の基盤に立って、推進されるべきものだ。福田首相と小沢代表が、連立に向けて、「テロとの戦い」への国際社会の共同行動での日本の役割と責任を最重要テーマとしたのは、当然のことである。

 小沢代表によれば、国際平和活動に関する自衛隊の派遣について、福田首相は、「国連安全保障理事会もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連活動への参加に限る」とする見解を示したという。

 小沢代表は、海自の給油活動は、国連決議の明確な裏付けがなく、憲法違反として、反対してきた。福田首相の見解に対し、「国際平和協力の原則」を確立する根本的な“政策転換”と受け止め、これだけでも「政策協議開始に値する」と判断した、としている。

 小沢代表の考え方は、従来の政府の憲法解釈とは相いれない。一方で、政府の憲法解釈は、今日の国際平和活動の実態にそぐわなくなっている。国際平和活動のあり方で、与党と民主党が一致すれば、大連立の重要な基盤となる。大いに論議すべき問題である。

 ◆民主党の政権戦略とは◆

 小沢代表は、衆参ねじれの現状に何の手も打たなければ、次期衆院選で勝利し、政権交代を実現するという民主党の戦略も危うくなる恐れがあったと言う。

 何よりも、民主党には、先の参院選で大勝したとはいえ、なお政権担当能力に疑問符がつく。寄せ集めゆえの基本政策での党内一致の難しさや、党運営などでの不協和音である。

 政権担当能力を示すには、参院選で公約した基礎部分の全額を税でまかなうとした年金制度をはじめとする社会保障制度改革などの政策の実現が必要だ。だが、ねじれ下では、衆院で多数を占める与党の協力なしには、実現しない。

 「民主党が政権の一翼を担い、参院選で約束した政策を実行し、政権運営の実績を示すことが、民主党政権実現への近道」という小沢代表の考えは、こうした認識に基づいた政権戦略であろう。

 小沢代表が辞任の意思を固めたのは、こうした考えが、党首会談後の党役員会で認められず、「不信任に等しい」と判断したからだ、と言う。

 不毛な政治状況が続き、海自の給油活動の早期再開もできないとなれば、国際社会の信頼を失い、日米同盟を含め、日本の安全保障に重大な影響が生じる恐れがある。年金・社会保障制度改革も進まなければ、国民生活が不安定になり将来不安を増大させる。

 国民経済や安全保障への悪影響があれば、その責任は民主党にあるということになる。

 小沢代表を除き、民主党執行部は「参院での民意に反する」「福田政権を助けるだけだ」などとする大連立反対論が大勢だ。次期衆院選の戦術上、政府・与党を追い込むため、“対決”を貫くべきだということなのだろう。

 国や国民の利益のために必要な政策の実現を図るという、最も重要な政治の責任を忘れた姿勢だ。

 大連立には、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が2005年11月に発足したドイツのメルケル政権の例がある。

 ◆見るべきドイツの成果◆

 消費税に当たる付加価値税率の16%から19%への引き上げや、所得税の最高税率の42%から45%への引き上げを断行した。付加価値税率引き上げ分は財政再建や雇用保険料引き下げに充てた。年金受給開始年齢は、10年以降、65歳から67歳に引き上げられる。

 ドイツは、02年以降、欧州連合(EU)条約が課す財政赤字の「対国内総生産(GDP)比3%以下」を4年連続守れなかった。だが、06年度には、財政赤字は、対GDP比2・1%にまで下がった。安定的な経済成長や失業率の低下など、経済状況も改善された。

 衆参ねじれの下で2大政党が対立している状況を打開し、税財政、外交安全保障、社会保障制度などの重要課題を解決するには、やはり大連立が望ましい。

 民主党執行部は、小沢代表の辞職願を受理できないとしているが、そうならば、大連立を真剣に考慮すべきである。

(私論.私見) 

 読売新聞は要するにこの社説で、最後の望みを託して小沢及び民主党に翻意を促すという未練をささやいている、ということになる。

 読売新聞はこの時同時に「党首会談で「小沢副総理」一度は合意、17閣僚の配分も」なる見出しで、次のような記事を配信した。

 福田首相(自民党総裁)と民主党の小沢代表の党首会談で、民主党が連立政権に参加した場合、小沢氏が副総理格の無任所相に就任することで合意していたことが4日、明らかになった。

 両党首は連立政権の17閣僚の配分を自民党10、民主党6、公明党1とすることでも合意、「大連立」を前提に話し合いが行われていた。

 関係者によると、2日の党首会談では、民主党に割り当てる閣僚ポストとして小沢氏の副総理、国土交通相、厚生労働相、農相が挙がったという。副総理は内閣法に法的な位置づけはなく、あらかじめ首相臨時代理に指名された閣僚を指してきた。政府は、首相臨時代理を組閣時に5人指名しているが、臨時代理順位の1位を無任所相の小沢氏とする方針だったと見られる。

 このほか、自民、民主両党間に設置する政策協議機関のメンバーに民間人も参加することが話し合われた。

(私論.私見) 

 読売新聞は要するにこの記事で、小沢パッシング第二報を流した事になる。

 11.5日午後6時34分、福田首相は、東京・平河町の中国料理店「赤坂四川飯店」で報道各社の政治部長と懇談。8時16分出。同44分、私邸。11.6日午後6時31分、福田首相は、東京・大手町の大手町ファーストスクエアウエストタワー内のレストラン「トップ オブ ザ スクエア 宴」で、報道7社会の渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長らと会食。8時29分、同所発。

 11.6日、新聞各紙が一斉に小沢批判の論調で社説やコラムを載せる。毎日社説「なんとも不可解な小沢氏の言動」、読売編集手帳の「(小沢氏は)結果として子供の使いのような役回りを演じた」、朝日天声人語の「参院選で民主党を圧勝させた100日前の民意を、丸ごと置き去りにした」等々。その中で、産経の花岡信昭客員編集委員の「政論探求」が、「あえて小沢代表を擁護する」の論陣を張った。

 この頃、角栄チルドレンにして政治的盟友の面々(羽田、渡辺、石井)が慰留工作に乗り出す。民主党の過去の党首経験者である管−鳩山−岡田−前原らが対応を協議し、党内の意見集約に向かう。

 11.7日午後、民主党は、両院議員懇談会を開き、小沢代表の処遇問題を決着させた。2名の批判的質問を処理した後、圧倒的総意で小沢エールを決議した。小沢は党決議を受け入れ、「続投」を正式表明した。この後、記者会見が開かれ、小沢は難なく応答し無事儀式を終えた。

 11.8日、読売社説が今度は、「小沢氏辞意撤回 民主党の未熟な体質が露呈した」の見出しで、次のように主張した。

 民主党の小沢代表が辞意を表明して、わずか3日後に一転して撤回、続投である。

 何とも分かりにくいドタバタ劇を通じて浮かび上がったのは、小沢代表の政治指導者としての言動に対する疑念と民主党の未熟な体質だろう。

 小沢代表は4日夕、辞意を表明した記者会見で、与党との大連立を目指した政策協議が党役員会で認められなかったことを「不信任に等しい」とし、「けじめをつける必要がある」と言明した。

 進退にかかわる発言は重い。指導者ならなおさらだ。それがいとも簡単に覆された。どこが「けじめ」だったのか。民主党の支持者の多くも、疑問に思ったのではないか。

 より問題なのは、7日の続投表明の記者会見で「連立の問題は考えず、総選挙を頑張る」とし、次期衆院選での政権獲得へ、与党と厳しく対峙(たいじ)する従来の姿勢に、あっさり戻ってしまったことだ。

 小沢代表は、辞意表明会見で、民主党が政権の一翼を担って党の政策を実行し、政権運営の実績を示すことが、民主党政権実現の近道だ、としていた。

 基本的な政権戦略がくるくる変わり、十分な説明もない。これで、党のトップとして、信頼を得られるだろうか。

 民主党にとって深刻なのは、党の脆弱(ぜいじゃく)な体質が露呈したことだ。

 小沢代表は「力量不足」とか、「国民から、『本当に政権担当能力があるのか』と疑問を提起されている」などと、民主党の現状を酷評していた。そこまで言われながら、党の「総意」という演出までして、懸命に「慰留」に走った。

 小沢代表にすがりついているようでは、小沢代表以外に、党を率いる有能で力のある人材がいないことをわざわざ喧伝(けんでん)しているようなものだ。

 背景には、「壊し屋」とも評されてきた小沢代表が手勢を引き連れて離党するのではないか、という不安があった。党分裂を避けるために、小沢代表を続投させる必要があるという判断である。

 民主党は、いくつものグループの寄り合い所帯だ。小沢代表辞任で後継選出の代表選となれば、グループ間の対立や合従連衡で、党内に亀裂が走る恐れもあった。これも、小沢代表慰留の伏線となったようだ。

 今回の問題で、民主党は大きくイメージダウンした。党内には、代表の党批判などへの反発もくすぶり、小沢代表の求心力の低下は避けられそうにない。

 民主党は、「雨降って地固まる」どころか、さらに難題を背負い込んでしまったと映る。

(私論.私見) 

 読売新聞は要するにこの社説で、小沢が復帰した事で全てが水泡に帰したことを踏まえ、捨てゼリフを吐いたことになる。それにしても、「今回の問題で、民主党は大きくイメージダウンした。党内には、代表の党批判などへの反発もくすぶり、小沢代表の求心力の低下は避けられそうにない」とはよくも云うわ。

 こたびの事件で、小沢は見事に窮地を脱したのであり、傷ついたのはナベツネである。従って、次のように云わなければならない。「今回の問題で、ナベツネは大きくイメージダウンした。読売内では、代表政治主義的動きに対する反発もくすぶり、ナベツネの求心力の低下は避けられそうにない」。

 同夜、小泉元首相は、都内で二階俊博総務会長、中川秀直、武部勤両元幹事長と会談し、民主党が自民党との大連立構想を拒否したことに関して「残念だった」と語った。


【副島隆彦氏の事件考察】
 ネット界の論客として名声高い副島隆彦氏の「小沢一郎の突然の辞任を受けて」が、「昇り竜の民主党代表小沢パッシング事件」の本質を捉えている。これを転載しておく。

 ◆小沢一郎の突然の辞任を受けて 11月4日 副島隆彦
 http://www.snsi-j.jp/boards/bbs.cgi?room=sample1

 副島隆彦です。 今日、午後4時ごろの、小沢一郎・民主党党首の突然の辞任表明に、対して、私は、即座に、分析を始め、録音を取り、解明しました。 出来次第、「今日のぼやき」に載せます。 以下に、朝日新聞の最新の記事を3本だけ、載せておきます。

 小沢一郎と、福田康夫首相の党首会談を仕組んだとして、中曽根康弘と、読売新聞のナベツネの名前が、公然と出てきた。 このキッシンジャーの子分ふたり程度の、たいしたことのない丁稚(でっち)どもに、何かの力があるのではない。小沢への仲介をやらされただけだ。「無理にでも、福田首相との会談を行っていただきたい。あなたが、そうしなければ・・・・」

 森善朗と青木幹雄と中川秀直(なかがわひでなお)ごときの、日本の汚(きたな)い土人(どじん)の大親分程度の連中にも、何の力も無い。彼らも全員、真実を知っている。

 真実とは、チェーニー副大統領(イラク戦争の最高責任者、ネオコン派を動かす総帥)が、怒り狂って、「私に刃向かう、日本の小沢をつぶせ。あいつの資金源を洗え。 日本の警察・検察を使って、逮捕させて、政治生命を奪え」と、命令を出したからだ。小沢一郎が、金丸信(かねまるしん)から受け継いだ大切な日本改革用の資金のことだろう。 

 小沢一郎は、政治生命を狙われたのだ。命も狙われているだろう。それで、いつもの、私たちの日本国王の得意の手法に出た。さっさと椅子を放り出して撤退する作戦だ。死んだ振り戦術である。

 小沢一郎よ。私たち、日本国民は、あなたが、真の日本指導者だということを知っている。福田康夫首相も知っている。全員が、あなたの味方だ。町村信孝(まちむらのぶたか)官房長官も、小沢一郎に深く頭を下げている。伊吹文明(いぶきぶんめい)自民党幹事長は、「小沢氏の愛国者としての潔い行いに深く敬意を表する」と正直に発言している。

 山拓先生、加藤紘一(吉田派・宏池海のプリンスで、彼も首相になるべきだった人だ)、古賀誠(こがまこと)自民党選挙対策委員長、は、小沢一郎を援護すべく、「大連立反対」と、即座に、反応した。

 日本国民は、今、一致団結して、あなたを支えている。誰も、あなたのその日本の澄んだ秋空を見上げるような、清冽な態度に、感動しています。

 あなたは、今、どんな力にも負けない、本当の民族指導者として力を備えている。私たち日本国民は団結しています。どうぞ、また一騎で、野山を翔けて、そして何とか、生き延びてください。私たち国民が、あなたを守ります。

 他の自民党の実力者ども という自分の保身しか考えない、卑屈な連中でも、そろそろ、アメリカさまに、脅され続ける自分たちの惨めさをかみ締めている。いくら、ゴロツキ政治家人生50年でも、ここまで刳れば、自分で自分が惨めになるだろう。アメリカにこれほど日本国民の大切な資金(その最後が、郵貯、簡保だ)を500兆円(4兆ドル)も奪われて続けて、併進低頭し続けてきた。

 それでも、アメリカに尻尾を振って、屈従して、自分だけ生かしてもらって、日本の大臣になりたい、小心者たちは、それは、それでこれからもずっと残るでしょう。

 アメリカが育てて、自民党政治家たちよりも柄の悪い、民主党の若手のクルクルパーのアメリカの手先ども(代表、前原誠司、まえはらせいじ)でも、そのうちに、世界政治の真の怖さを知ったら、尻尾を巻いて、日本国民に一体化するか、あるいは、「けものみち」に入り込んで、そのまま地獄に落ちて行くだろう。あとは、人それぞれだ。

 小沢一郎憎しで、小沢潰しに、テレビの画面で喚(わめ)き続けている、田原総一朗を筆答する下賤な輩どもでも、自分自身がアメリカに脅されて使われているからああいう、引き攣(つ)ったような、どす黒い表情になる。いつまでも、お前たちのような国民洗脳用人材に、騙され続けるわけには、ゆかないのだ。森田実(もりたみのる)先生が言ってたごとく、「今の日本のマスコミ(テレビ、新聞)は、国民に向けられた刃物だ」のとおりである。

 メディア(マスコミ)と各省官僚どもが、今は、アメリカの忠実な家来なのだ。政治家は、何党であれ、国民の代表たちだし、政治活動家だから、いくらなんでもそこまでは出来ない、ということを知っている。馬鹿官僚たちには、その限度が無い。自分たち「お役人様集団の食い扶持」のことしか考えない。

 一般の日本国民を、あまり舐めない方がいい。私たちは、属国(ぞっこく)の民として、忍従の姿勢のまま、じっと耐えて生きて来たが、決して馬鹿ではない。

 「大連立は、小沢の方が持ちかけた」などど、ナベツネの子分の読売新聞は、そういう謀略記事を書くと、そのうち、自分たちが、あまりにも情けない嘘つき人間たちだということが満天下に露呈して、自責の念に駆られる。すでにそうなっている。

 小沢一郎は、いつでも、正々堂々と、日本国民の目の前で、選挙に訴えて、そして国民の審判を受ける、ということしか言ってこなかった。
日本人の誰が、一体、「日本の大連立の政権で、インド洋の米艦隊への無料の燃料補給を継続すべきだ」と、小沢が言うと思うか。

 以下の朝日新聞の、「小沢一郎の会見全文」という記事がなかなかいい。小沢は、私たちに、本当の事を、伝えてくれている。それを、私たち国民が、しっかりと受け留めればいいことだ。日本国民には、まったく分裂が無い。私たちは、田中角栄が育てた、小沢一郎の元で、一致団結している。

 めちゃくちゃな、理屈の通らない、政治劇(ドラマ)に仕立てられて、全くわけが分からない、と感じている、多くの日本人に、今こそ、副島隆彦の「属国・日本論」の大公式を教えなければ、ならない。これが、「帝国―属国の冷酷な関係」というものなのだ。私が築き上げてきた、「帝国ー属国 理論」以外の何の理論を使えば、この奇妙な事態を解明できるというのか。

 アメリカ帝国は、今や金融面から、どんぞん激しく崩れつつある。チェーニーの親分の”世界皇帝”デイヴィッド・ロックフェラー(92歳)は、今、日本に来ている。いくらなんでも、彼、本人が、小沢一郎を直接、脅迫したということはないだろう。 

 チェーニーは、ご主人さまであるデイヴィッドの言うことも聞かなくなりつつあって、戦争経済(ウォー・エコノミー)の法則もあって、イスラエルの肩を持って、イラン爆撃までやりたくて仕方が無いのだ。悪の帝国の内部も、割れている。アメリカ自身が、今が、正念場だ。

 シティグループ(シティバンク)の株価が、38ドルまで暴落している。デイヴィッドの大番頭の、サンフォード・ワイルが持っているメリル・リンチは、倒産するだろう。 

 アメリカ帝国の金融占領用の侵略派遣軍も、「帝国は内部から衰退・崩壊してゆく」の人類史の歴史法則に従って、日本からも撤退してゆくだろう。これは、世界中の主要な属国群のほとんどに、通用する法則である。ドイツ人だって、フランス人だって、自分たちの指導者(首相、大統領)を、アメリカの傀儡(かいらい)として、取られているとしても、それでも、しぶとく抵抗を続けている。これが、人類史というものだ。 

 以下の新聞記事では、ここの箇所が一番、大事です。小沢は、自分の命を狙われている最中でも、自分が脅迫され、強制されて無理やりやらされた、福田首相との会談を、逆にチャンスだと考えて、次のように、自民党と民主党の合意事項として、確認している。さすがである。

 「・・・ 首相が決断した1点目は、国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は国連安保理、もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る、したがって特定の国の軍事作戦(すなわち、アメリカ合衆国の軍隊との共同作戦のこと、「集団的自衛権」容認の策動のこと。副島隆彦注記)については、我が国は支援活動をしない。」

 小沢一郎は、まだまだ生きている。そして、そのあとに続く、彼が育てた、我らが日本国の、若い政治家たちが彼を仰ぎ見ている。なにくそ、負けてたまるか。

 今日は、ここまでにして置きます。 副島隆彦拝


Re:れんだいこのカンテラ時評338 れんだいこ 2007/11/04 20:36
 【小沢民主党党首の突如辞任事件考】

 れんだいこは、このところの政局が論評するに値しないので、もっと原理的なところを研究しているところであるが、小沢の突如の党首投げ出し事件が発生したからには、やはり一言しておかなくてはならない。テレビ実況を見ていないので生の声を聞いていないが、この時期の小沢の退陣はやはり異様としか言いようがない。先の安倍の所信表明演説後の突如の辞任といい、異例な事が異例でなく多発し過ぎている。この裏に何が有るのか、それを見極めねばならない。

 気になる動きがある。先の福田−小沢会談の仕掛け人として、中曽根−ナベツネの極悪コンビが徘徊している。ロッキード事件に於ける田中角栄パッシングに注目し続けているれんだいこには、名うてのネオ・シオニストであるこの二人が動くと何事かが起こることを察知している。してみれば、小沢の党首辞任の裏には、強度の脅迫があったのかも知れない。仮に、福田−小沢会談の中身が筒抜けており、会談内容を廻って脅されたのかも知れない。あるいは、個人資産を廻る決定的アキレス腱が突かれ、取引されたのかも知れない。あまり憶測で書くのは気が引けるが、辞任の裏には重大な何かが介在している事は間違いなかろう。ありえないことが起こったのだから。

 結論として、やはり我々は、60年安保闘争以来の悲願である既成左翼社共に代わる真の人民主義的左派党派の創出と満展開を目指すべきではなかろうか。問題をここに立てないと、全てが饒舌に流される。小沢退陣事件の後に起こる政界波乱は、ネオシオニズムの更なる政界ハイジャック化しか考えられない。これに抗すべき主体がないと我々はまた退屈倦怠な日々に引きこもりすることになろう。

 具体的に何をどうすべきか。れんだいこは6.15共同集会の動きしか知らないので、これに期待する以外にない。主張の隔たりは引き続き議論するとして、当面の一致点で人民大衆的意思を突きつけ、強まるネオシオニズム請負政策の阻止に向けて尽力せねばならない。

 この運動を通じて、必要な規制は見極め強め、圧倒的に必要でない諸規制からの緩和を勝ち取らねばなるまい。我々の生活圏に開放的気分を横溢させねばならない。中小零細地場の産業を振興し、地方が地方なりに生活できる基盤をつくらねばならない。我々は、とどまるところを知らない増税による重税から解放されねばならない。贅沢ではないほんのささいな息抜きの場をもっと創らねばならない。

 こうした流れを生み出す左派新党を立ち上げ、現代政治の左バネにせねばならない。ある時は民主を応援し、ある時は社民を応援し、日共には宮顕総括を迫り、これを我々が納得いくように自己批判したらある時には支援し、この間自前の候補を極力多く政界に送り込まねばならない。

 この当たり前のことができぬまま、60年安保以来47年をやり過ごしている。実に愚かなことである。当時の闘士は70才前後となり、我々は60歳前後になりつつある。今日日の若手の頭脳たるや、不良少年少女さえ反体制的かと思いきや恐ろしく体制奴隷でしかないという恐ろしい時代に入っている。この現実を如何せんか。

 小沢辞任事件は、政界を面白くする動きが高まりつつある頂点で冷や水を浴びせた格好だ。その結果民主党内がどうなるのか不明であるが、右バネかぞろぞろと動き出す予感がする。我々に残された手立ては、これに抗する左バネを戦線強化する以外にない。合従連衡大いに結構、問題は竿をどちらに向けてさすべきかだろう。ここが肝心だ。

 以上、この局面で、れんだいこが一言申し上げておく。いざ出でよたすけあい党ふふふ。私は30万の党員が欲しいんだ。

 2007.11.4日 れんだいこ拝

小沢民主党党首の突如辞任事件考 虫の息@100%ぱくり 2007/11/05 19:36
 ・・・あなたは、今、どんな力にも負けない、本当の民族指導者として力を備えている。私たち日本国民は団結しています。どうぞ、また一騎で、野山を翔けて、そして何とか、生き延びてください。私たち国民が、あなたを守ります。

 他の自民党の実力者ども という自分の保身しか考えない、卑屈な連中でも、そろそろ、アメリカさまに、脅され続ける自分たちの惨めさをかみ締めている。・・・

ttp://www.snsi-j.jp/boards/bbs.cgi?room=sample1

れんだいこさん今晩は

Re:れんだいこのカンテラ時評338 こげぱん 2007/11/05 23:25
 【小沢民主党党首の突如辞任事件考】

 
れんだいこさん、ごぶさたしております。その後いかがお過ごしでしょうか。

>  この時期の小沢の退陣はやはり異様としか言いようがない。先の安倍の所信表明演説後の突如の辞任といい、異例な事が異例でなく多発し過ぎている。この裏に何が有るのか、それを見極めねばならない。
>  あまり憶測で書くのは気が引けるが、辞任の裏には重大な何かが介在している事は間違いなかろう。ありえないことが起こったのだから。

 小沢辞任で、小渕が「冷めたピザ」といわれていた頃の菅直人辞任劇を思わず思い出しました。裏など取れませんが当時聞いた噂では、菅は人気絶頂期に出席したダボス会議にて、日銀の国債直接引き受けを要求されて断ったため、ほどなく愛人で失脚したということでしたが、政権交代を目前にしての、国際金融資本筋の要求を断った直後の交代劇という共通点に何か引っかかるものを感じます。

 いずれにせよ、こちらが「愛人囲った奴が悪い」「従軍慰安婦認めない奴が悪い」「大連立仕組む奴が悪い」的な表面的反応に終始している間は、いつまでも手を変え品を変え騙され続けるような気がします。

>
>  今日の若手の頭脳たるや、不良少年少女さえ反体制的かと思いきや恐ろしく体制奴隷でしかないという恐ろしい時代に入っている。この現実を如何せんか。

 今日の「若手」が体制奴隷的なのはご指摘の通りですが、その原因の一つとしてセンター試験・内申書のような科挙的受験狂育による知的去勢が徹底的に行われてきたことが疑われます。「学べば学ぶほどバカになる」「肝心なことは教えない」大学・院の文系教育も悲惨ではありますが、それ以前に知的去勢されてしまっていては話になりません。余談ですが、センター試験・内申書即時廃止を主張する政党が出現すれば、共産だろうが維新政党新風だろうが、一票を投じても良いと思うようになりました。


Re:小沢民主党党首の突如辞任事件考 れんだいこ 2007/11/06 10:36
 虫の息さんちわぁ。副島さんの掲示板ご紹介有難う。腹の足しになる議論を心がける場のようで貴重ですね。「小沢一郎の突然の辞任を受けて 11月4日 副島隆彦」は秀逸です。れんだいこのリンク集に執り入れるつもりですが、現在更新不能になっておりますので予備サイトに確保しておきます。こういう良い掲示板が有りましたら適宜教えてください。

Re:れんだいこのカンテラ時評338 れんだいこ 2007/11/06 11:07
 【小沢民主党党首の突如辞任事件考】

 
こげぱんさんちわぁ。

> れんだいこさん、ごぶさたしております。その後いかがお過ごしでしょうか。

 何とか生き延びております。体の状態はほぼ元通りに戻りつつあります。問題は、世間と同じく処世のやり繰りです。何とか頑張ろうと思います。

> 小沢辞任で、小渕が「冷めたピザ」といわれていた頃の菅直人辞任劇を思わず思い出しました。裏など取れませんが当時聞いた噂では、菅は人気絶頂期に出席したダボス会議にて、日銀の国債直接引き受けを要求されて断ったため、ほどなく愛人で失脚したということでしたが、政権交代を目前にしての、国際金融資本筋の要求を断った直後の交代劇という共通点に何か引っかかるものを感じます。

 管の愛人騒動の裏にダボス会議の動きがあったとは貴重な指摘です。れんだいこはもう一つ、橋本首相の退陣の裏にダボス会議の動きがあったのを思い出しました。次のように記述しております。

 1998.2月、スイスの・ダボスで、世界の政治家や経済人が年に1度集まって、その後1年間の計画を決定する「世界経済フォーラム」が開かれた。これを通称ダボス会議と云う。会議の議題は、「アジアの経済危機に対する議論」に集中し、日本の対応が批判された。「橋本政権は間違った政策をとり続けている。橋本首相に任せておけない」として辞任の筋書きが決められた、と伝えられている。「彼らは一国の首相すら簡単に変えてしまう力を持っている」。「グローバリストのなかでも支配的立場にあるロスチャイルド家も、『日本の政権はすでに傀儡操り人形にした』と判断している」。

 「阿修羅版 すべては仕組まれていた!!、BIS(国際決済銀行)はなぜ東京で総会を開いたのか」は次のように記している。

 7.13日、自民党の大惨敗から一夜明けた日、BIS=国際決済銀行の月例総会と日米経済人会議が東京で開かれた。BISの月例会が開かれるのは、基本的に、ダボスと同じスイスにあるバーゼルという都市。例外は、毎年9月、アメリカのFRB=連邦準備銀行で開かれるときだけだ。それが、60年以上に及ぶBISの歴史上初めて、スイスとアメリカ以外の場所で開催された。それが、参議院選挙翌日の東京だった。

 BISの会議は、完全に秘密で行なわれる。BIS職員も、マスコミ関係者も一切出席できない。参加できるのは、BIS重役と招かれた客のみ。しかもその内容は一切発表されない。BISの13人の重役の中には、先進国とスイス、アメリカの中央銀行総裁がいる。日本は1994年から加わっている。ダボス会議に出席した、アラン・グリーンスパンFRB議長も重役の一人だ。

 取締役会議長BIS総裁:アルフォンス・ヴェルプライツェ(ブリュッセル)、副議長:キングスダウン卿(イギリス)、重役:アラン・グリーンスパン(ワシントン)、ウィリアム・J・マクドノー(ニューヨーク)、ハンス・メイヤー(スイス)、ハンス・ティートメイヤー(ドイツ)、ヘルムート・シュレージンガー(ドイツ)、ヴィンセンツォ・デサリオ(イタリア)、アントニオ・ファツィオ(イタリア)、エルヴェ・アヌーン(フランス)、ジャン=クロード・トリシェ(フランス)、エドワード・A・J・ジョージ(イギリス)、フィリップ・ウィルメ(ベルギー)、ノート・H・E・M・ウェルリンク(オランダ)、ウルバン・ベックストレム(スウェーデン)、ゴードン・G・テッセン(カナダ)、速水優(日銀総裁)

 今回の秘密会議には、世界経済に君臨する巨大財閥、ロスチャイルド財閥の重要人物が参加していた! ある証券アナリストは次のように述べている。

 「赤い盾マークのロスチャイルド家の指輪をしているフランス人で、同グループのアジアにおける総代理人的な立場の人物が極秘に来日したんです」(週刊現代8月1日号)

 ロスチャイルド財閥は、グローバリストの中心であるといってもいい。むしろ、BISそのものがロスチャイルドの手足として働いているという実態もある。このロスチャイルド財閥のアジア担当者が、直接、日本にまでやってきた。彼らは本気なのだ。本気で日本経済を叩きつぶそうとしている。そのさまたげとなってきた橋本首相を叩きつぶすために、彼らは重要な秘密会議をわざわざ東京で開いたのである。もし橋本首相が辞任しなければ、彼らは圧力をかけて、むりやりにでも辞めさせるつもりだった。橋本首相はグローバリストにとって、そこまで邪魔者だったのだ。

 (転載以上)

 こうして、7.13日、橋本首相が、参院選敗北の責任で退陣表明した。この経緯を思い出しました。

> 今日の「若手」が体制奴隷的なのはご指摘の通りですが、その原因の一つとしてセンター試験・内申書のような科挙的受験狂育による知的去勢が徹底的に行われてきたことが疑われます。「学べば学ぶほどバカになる」「肝心なことは教えない」大学・院の文系教育も悲惨ではありますが、それ以前に知的去勢されてしまっていては話になりません。余談ですが、センター試験・内申書即時廃止を主張する政党が出現すれば、共産だろうが維新政党新風だろうが、一票を投じても良いと思うようになりました。

 センター試験についてはよくは分かりませんが、内申書重視はいけないと思います。生徒側が教師権力に媚びへつらうようになるのではないかと思います。れんだいこの経験によると、一発勝負の入試には悲喜こもごものそれなりの良さがあったと思います。もう昔の事になりましたが、たいていの場合には「正面から試験を受け通る」のが良いのではないでせうか。特殊技能は別枠で認められれば良いでせう。あの時代から比べて随分内申書が重視されていることになりますが、貧乏人の一発勝負側には良くない流れでせうね。

Re:れんだいこのカンテラ時評339 れんだいこ 2007/11/07 12:37
 【中曽根−ナベツネ老人の政治的徘徊考】

 「小沢民主党党首突如辞任申し出騒動事件」の舞台裏が次第に明らかになりつつある。それによると、中曽根−ナベツネ老人の政治的根回しにより「福田−小沢会談」が設営され、そもそも有り得ない大連合シナリオが崩れるや、メディアを使って一方的に小沢を叩き、あわよくば失脚させるという権謀術数が弄されていたことが判明する。

 小沢は、どういう経緯か不明であるが釣り針のついた餌を食らい、寸前のところで危機管理能力を働かせ、党内の合意を取り付けるという口実で餌から離れ、党役員会に身柄を預けるという芸当を演じ結果的に窮地を脱した。恐るべきは、メディアという言論大砲を使った中曽根−ナベツネ派の政治的狡知である。これを確認する事が、こたびの事件の教訓となるべきだろう。

 その小沢は本日、党内の禊を済ました後記者会見を開くという。恐らく十字砲火を受ける事になるだろう。わざと意地悪い質問でいたぶられるだろう。小沢がどう対応するか見ものである。万一の身辺警護もしておかねばならない。何しろネオ・シオニストの手口たるや何をするか分からない。

 れんだいこは、現代メディアの本質について、「シオン長老の議定書」の該当箇所で確認している(「言論機関、マスコミに関する記述一覧」、ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/judea/neozionismco/zionnogiteisyoco/theemabetuco/theemabetuco10.htm)。「愛宕北山氏のユダヤ問題考」は「第1章7節、世界の新聞統制(国際ユダヤ祕密力の世界新聞統制)」
で言及している(ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/neoshionizumuco/1_shibuntosei.htm)。
 
 興味深いことは、議定書の記述通りに、小沢パッシングに於いて、中曽根−ナベツネ派と評論家のその多くが呼吸を合わせていることである。ずぶずぶの御用評論家は無論のこと日共系のそれも小沢叩きに於いてはハーモニーしている。かの時の角栄叩き、細川政権誕生の時もそうだった。この現象をどう解くべきか。今やさほど難しい事ではない。選挙の際の自民に対する表からの公明支持、裏からの共産援護の構図とまるで同じではないか。いろいろ理屈はつけているが。

 要するに、賢明なる我々は事態を見抜き、小沢問題に戻れば民主党は仕掛けられた権謀術数派に惑わされず足蹴りにし、小沢体制の下でますます結束し疾駆していくべきだろう。逆の動きは中曽根−ナベツネ派の思惑に通じている。政治は最高度の頭脳戦でもある。ゆめ負けまじ。

 2007.11.7日 れんだいこ拝

Re:れんだいこのカンテラ時評340 れんだいこ 2007/11/07 22:13
 【五十嵐仁の小沢=自民党秘密工作員説考】

 「五十嵐仁の転成仁語」(ttp://blog.so-net.ne.jp/igajin/)の「11月5日(月) 民意を無視した「政局ゲーム」に熱中していて良いのか」の内容が、れんだいこの観点と余りにも対比的なのでコメントしておく。五十嵐なるものが私見を披瀝すること自体はれんだいこ同様良い事であろうが、公開すれば当然議論が生まれる。支持される場合も有れば批判される事もある。それは覚悟せねばなるまい。

 五十嵐氏は、こたびの小沢騒動に対し、小沢の「壊し屋」的性格を論い、小沢の政治履歴を専ら批判的に検証し、その結果次のように述べている。「小沢さんは、実は、14年前に自民党によって野党陣営に送り込まれた「秘密工作員」だったのではないでしょうか」。

 れんだいこは、この推測にこちんと来たので、ここで採り上げることにした。まさか、小沢をそこまで評しておいて、自分が評されるのは嫌だとは云うまい。五十嵐氏は続いて、「小沢さんの辞任は当然でしょう」と述べている。民主党役員会が慰留し、小沢が「時間が欲しい」と答えたのに対し、「何を今更。とっとと辞める方が民主党のためだろうにと、私は思います」とも述べている。

 民主党役員会の対応にも不満なようで述のように述べている。「民主党も民主党です。辞任会見で民主党の現状について「様々な面で力量が不足しており、政権担当能力に対する疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢だ」などと言われたのに、辞任撤回に向けて慰留するなんて、どうにかしています」。

 この後、福田批判に向かい帳尻を合わせたつもりになっている。しかし、れんだいこは見逃さない。この局面での小沢辞任当然論は、それが左からのものであれ、小沢辞任を仕掛けた中曽根ーナベツネ派の思惑と通底している。本来の左派であれば、れんだいこがチェックしたところたいていの者がさすがに、中曽根ーナベツネ派の仕掛け批判に向かっており、小沢の再登板をエールしている。これが普通の感性だろう。

 五十嵐なる者はそこが違う。民主党にエールを送っているかのポーズをしているが、発言内容は無責任極まりない。小沢の政治履歴批判のスタンスは日共のそれとほぼ同じでぬるぬる気色悪い。推測するに、「五十嵐さんは、実は、14年前に共産党によって民主党陣営に送り込まれた「秘密工作員」だったのではないでしょうか」と云いたくなる。

 五十嵐なる者が筋金入りのアンチ角栄であることが判明している。あらゆる事象と指標が、角栄政治の再評価を促しており、ロッキード事件の胡散臭さを公然化させつつあるこのご時世で何と、徳本栄一郎の「ロッキード事件無罪論を一蹴する機密資料! 『角栄の犯罪』25年目の新事実」の論旨を追従しエールしている。れんだいこは、「徳本栄一郎ー五十嵐仁−立花隆の御用漫談考」(ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/rokiido_goyomandanco.htm)で確認している。

 五十嵐の角栄批判がどこから生まれているのかは分からない。云える事は、角栄がキッシンジャー派によって葬られたという史実が有り、角栄の日本列島改造論の指針が今になって的確無比な提言であった事が判明しつつあるこの時点で、角栄批判のスタンスを維持し続けるのは相当変態イデオロギッシュな御仁だろうということである。

 推測するに、「五十嵐さんは、実は、かなり昔からネオ・シオニズムによって洗脳され、左派陣営に送り込まれた「秘密工作員」だったのではないでしょうか」と云うことになる。こう云われるのは嫌だろうが、「小沢さんは、実は、14年前に自民党によって野党陣営に送り込まれた「秘密工作員」だったのではないでしょうか」と自分だけ言いたい放題は世間が許すまい。

 五十嵐氏よご存知かどうか、スパイ問題に興味があるなら宮顕スパイ説の方が衝撃的であるぞよ。何なら、この問題に関する見解を聞かせてくれないか。れんだいこは、もう昔からサイトアップしている。グーグル検索で出てくるから検証してみたらどうだ。言い返してくれるのは大いに結構で、どういう見解が出てくるのか楽しみではある。

 2007.11.7日 れんだいこ拝

Re:れんだいこのカンテラ時評341 れんだいこ 2007/11/08 12:13
 小沢騒動が台風一過して、中曽根−ナベツネ派の悪巧みが透けて見えてきた。小沢と民主党は危うく致命傷を負うところだった。れんだいこは、70年代から始まり80年代に権力を掌握し、その後も隠然とした勢力を持ち今日までネオ・シオニズム・エージェントとして立ち振る舞う中曽根−ナベツネ派の悪事を人民大衆的に確認する機会だと思う。この極悪トリオの政治履歴を再検証せよ。

 それにしても指導者は大事だと思う。日本は、角栄−大平が絶頂期の頃と中曽根−ナベツネ派が後釜に座って以来と考え方から行い方まで全く様変わりしてしまった。70年代までの角栄−大平政治の再興と出藍こそ我々の政治的運動の眼目とすべきではなかろうか。

 サヨが当てにならないのは、この間一貫して反政府言辞を弄び、結果的にむしろ中曽根−ナベツネ派の台頭に手を貸した面があることである。ロッキード贈収賄ではっきりしているのは児玉−中曽根−ナベツネラインへの20数億円であるにも拘らずこれが不問にされ、冤罪の角栄への5億円授受のみが喧騒されていった。現代マスコミの要職者は、この時このシナリオに乗った者たちばかりである。角栄−大平派に与した者たちは窓際へ追いやられ登用から外されていった。これが今日のマスコミの腐敗と痴態の温床である。

 この貧困を如何せんか、ここが問われねばならない。このことに気づかねば解けない。

 2007.11.8日 れんだいこ拝

Re:れんだいこのカンテラ時評342 れんだいこ 2007/11/09 13:32
 【小沢騒動の教訓を見据えてかく訴える−たすけあい党党首声明】

 小沢騒動はひとまず決着したが、残ったしこりの始末をせねばなるまい。しこりとは、この騒動の仕掛け人ナベツネが読売新聞ないしその系列電波を使って意図的故意の扇動ないしは虚報を流し続けたという犯罪について、容認できるのかという問題である。これが今澱となって淀んでいる。

 れんだいこは、マスコミが自己主張することには反対ではない。公正中立的報道と云うのは、事件のたびに何が公正中立かと云う核心を明らかにしなければできず、それが難しい訳だから、いっそのこと各社が自由に見解を発表すれば良かろう。公正中立的報道はNHKに任せればよく、民間マスコミ各社はもっと独自見解を打ち出し競合すれば面白かろう。

 だから、読売新聞が国売新聞的に憲法改正を紙面に発表しようが、テロ特措法支持をプロパガンダし続けようが、ブッシュの臣下としてよろずイエスマン記事を書き続けようが、許されると思う。いっそのこと政党並みに堂々と世論誘導すれば良かろう。

 問題は、言論大砲的効果を狙って大本営発表、虚報、捏造報道することまで許されるのかということにある。これは、新聞社の政治見解発表自由是非論とは別の問題であろう。ナベツネ的政治主義は相当のお咎めを受けるべきれっきとした犯罪なのではなかろうか。従来この識別が為されず曖昧にしてきていることが、こたびのナベツネ的立ち回りを生んでいるのではなかろうか。

 政治は三権分立で規制され、政治家は資金出納でチェックされている。一人マスコミだけが無規制で何でも有りの自由ということが許されて良い訳ではなかろう。マスコミの第四権力化だけでも問題なのに今や第一権力化していてることになりやしないか。それは大いなる社会的不公正だろう。元来は、マスコミ自体が、政界、官界、財界、学界の自律的在り様水準に合わせて自らも弁えるところ、こたびのようなナベツネ的立ち回りを許すような寒い状況にある。その癖著作権には関心が強く、ナベツネの指揮する読売新聞は記事という記事に「無断転載禁止」を張り巡らしている。れんだいこには不快極まり現象であり故に購読しない。

 マスコミは、小沢騒動一過で残ったこのやり過ぎ問題質しに取り組むべきではなかろうか。こたびのナベツネの立ち回り、読売新聞の一方的小沢パッシングは不祥事である。コメンテーターとしてしきりにテレビに登場してナベツネ提灯し続ける毎日新聞出身の三宅久之の言動も然り、不見識極まる。か奴は何者なのか。恐らく森田実の代わりに登場しているのであろうが、劣性資質丸出しの御仁である。我々の大衆的言論機関銃で成敗せねばなるまい。

 もとへ。政界は小沢騒動で政治への信頼を毀損した。小沢だけが傷ついたのではなく福田も一国の首相がピエロでしかないブザマさを晒した。恍惚老人ぶりが印象づけられ、本人が気づいていないだけで福田の打撃も大きい。その意味で、中曽根−ナベツネ−森の政治工作過程を国会質疑でまな板に載せ検証せねばならない。場合によっては国政秩序及び国会権能侮辱罪、名誉毀損罪で(そういうものがあるとしてだが)牢屋に放り込まねばならない。

 しかしまぁ近いところで松岡農相変死事件不問の前例もある。一国の大臣が国会会期中の議員宿舎で、午後から質疑あるという寸前の白昼にパジャマ姿で首吊り模様変死したというのに、そこへか搬送された病院先でかかの悪名高い飯島・小泉元首相秘書官が駆けつけ采配しているというのに事件の真相は闇に葬られ、与野党とも合意で自殺処理して今日まで経過している。れんだいこは、大臣の値打ちがこれほど侮辱された例を知らない。

 本来こういう事件を徹底解明するのが政治だろうに、一円まで出納明細是非論にうつつを抜かし口角泡を飛ばしている。そういうことこそ審議会に任せ、政治家は松岡農相変死事件、安倍首相のシドニーでのブッシュ会談直後からのあらぬこと口走り事件、突如辞任事件、こたびのナベツネ出しゃばり事件等の背景を検証すべきではなかろうか。この肝心なところがいつもすり抜けられている。

 これができぬという事は、出来ぬように規制されているということである。れんだいこは、世界的ネオ・シオニズム帝国主義即ち国際金融資本その奥の院としてのロスチャイルド王朝即ちシオン長老の議定書派即ち現代パリサイ派即ち世界裏政府が司令塔であり資金源でありつまりは犯人だろうと推定している。この勢力と対決し駆逐するのが本来の政界浄化であり、一円まで出納明細で先鞭争いするのは枝葉末節であろう。軍事費用突出化、公共事業失速化、郵貯資金ハゲタカファンド運用化、年金資金の使途不明等々その他書けばきりがないので割愛するが、彼らの意のままに牛耳られているのではないのか。ここに長引く不況の原因があるのではないのか。この問題の根本的切開に向かわない旧社共式対応はピンボケしている。

 結論として、我々は今現に進行中の、「憲法改正による自衛隊の武装派兵、前線投入戦闘化」を主眼として、増税による格差社会の到来、高額給金で兵士を募りアジアとイスラムを闘わせようとする社会へ誘う動き総体を糾弾し闘わねばならぬ。現下の自公+民主+社共の馴れ合い翼賛型議員貴族体制はこの動きに対して全く非力であり、我々が政治の新潮流を創りださねばならない所以がここにある。皆さんそう思わないか。

 2007.11.9日 れんだいこ拝

【ナベツネ葬送曲】
 民主党の前代表の前原は「メール問題」で躓いたが、小沢は「ナベツネ工作事件」を乗り切った。力量の違いということになる。この事件の特異性を証拠に遺しておくため、「ナベツネの小沢パッシング事件考」で一括整理した。興味のある方は一読されるが良かろう。

 小沢が「神技」で窮地を脱したのに対し、ナベツネは又一つ晩節を汚し致命的な墓穴を掘った。人民大衆は怒り、読売新聞不買運動まで発展しそうな勢いを見せつつある。ナベツネに遺された道は、墓穴に自ら入り込しかない。ネオ・シオニストの晩年に相応しい似合いの姿だろう。こういう御仁に操られる80年代から今日までの不毛の30年間の日本政界の貧困との決別−これが時代のテーマとなった。

 振り返るのに、新聞の言論大砲に対するインターネットの言論機関銃の対決が始まったことになる。この機関銃は、そう易々と言論大砲の言いなりにはさせない。思えば、ロッキード事件の時にこの機関銃があったなら。その意味で角栄は時代的に不遇だったことになる。今更せん無い事だけれども。

 2007.11.12日 れんだいこ拝




(私論.私見)