「文芸春秋社『マルコポーロ』廃刊事件」考 |
(最新見直し2007.9.24日)
関連サイト、「レトリック」
(れんだいこのショートメッセージ) |
2004.3月、「角栄の孫娘のプライバシー漏洩にまつわる週刊文春販売差し止め事件」が発生した。これに対しれんだいこは「「孫子の代までの謗り当然論」弾劾考」サイトで、大方のコメントとは見解を異にし、文芸春秋社の政治主義的な立ち回りの虚構を衝いた。この過程で、文芸春秋社にかって生起した「マルコポーロ廃刊事件」の重大性に気づいた。文芸春秋社の政治主義性は「マルコポーロ廃刊事件」と重ね合わせるとよりはっきりと見えてくる。そういうわけで、このサイトで「文芸春秋社マルコポーロ廃刊事件」を考察する。 2004.4.2日 れんだいこ拝 |
【「文芸春秋社マルコポーロ廃刊事件の背景事情」】 | |
デイヴィッド・グッドマン/宮澤正典(藤本和子訳)の「ユダヤ人陰謀説:日本の中の反ユダヤと親ユダヤ」(講談社、1999.4月)」(2006.9.9日付投稿「マルコポーロ廃刊の内幕。『事実の検証』を『反ユダヤ主義』と言い換えるレトリック」)は、雑誌マルコポーロの廃刊事件の真相をレトリックで捻じ曲げようとしている悪文であるが、当時の文藝春秋社長・田中健五、マルコポーロ編集長花田和凱(はなだかずよし)氏について他に無い情報を知らせているのでこれを参照し、れんだいこ風に整理してみる。それによると、マルコポーロ事件前の伏線は次の通りである。
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【「文芸春秋社マルコポーロ廃刊事件の経緯」】 | ||
文芸春秋社の月刊誌「マルコポーロ」(MARCOPOLO、花田紀凱編集長)は、「ホロコースト50周年」記念特集を企画した。その結果、記念特集に相応しいありきたりのものとせず、通説に異議を差し挟む「西岡論文」をメインに据えての意欲的な編集となった。1995.2月号(1.17日発売)で、内科医師・西岡昌紀(まさのり)氏の10ページにわたる寄稿文「戦後世界史最大のタブー。ナチ『ガス室』はなかった」を掲載した。(れんだいこは「西岡論文・ナチ『ガス室』はなかった」考」に採録している) この西岡論文に対し、「マルコポーロ」編集部は次のような紹介文を付していた。
後に、当時の「マルコポーロ」編集長・花田氏は、掲載の経緯を次のように述べている。
「ユダヤタブー」に触れたこの企画がトンデモ騒動を引き起こし、「マルコポーロ」の廃刊、花田紀凱編集長の解任、同社社長の辞任という一大事件に発展することになる。 |
【西岡論文「戦後世界史最大のタブー ナチ『ガス室』はソ連の捏造だった」の論理構成】 | ||||||||||||||||
西岡論文「戦後世界史最大のタブー ナチ『ガス室』はソ連の捏造だった」の論理構成はどのような内容のものであったのか、これを検証してみる。概要を述べると次のようになる。
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【西岡昌紀氏の「ドイツではみんなこう思って居る」】 | |
「阿修羅ホロコースト版4」の西岡昌紀氏の2007.9.11日付投稿「文春への電話:ドイツではみんなこう思って居る」を転載する。
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この西岡論文及びそれを掲載した文芸春秋にユダヤ人擁護組織「SWC」が噛み付いた。
【Simon Wiesenthal Center(略称「SWC」)とは】 |
Simon Wiesenthal Center(略称「SWC」)は、1977年創立で、アメリカのロサンゼルスを中心に、アメリカ、カナダ、フランス、イスラエルに事務所をもつ。本拠地はロサンゼルスにある。サイモン・ヴィーゼンタールは、第二次世界大戦後、ナチの戦犯アイヒマンを追跡逮捕したことで一躍有名になった人物である。ロサンゼルスには、類の相互理解を促進させる目的で、現代の差別と偏見の現実と、ナチによるホロコーストを展示した「寛容の博物館」を設置していることでも知られている。(日本に圧力をかけるシオニスト組織「SWC」その他参照) |
【マルコポーロ事件の経緯】 | |||||||||||||||||||||||
上述のような内容の西岡論文を掲載した「マルコポーロ」1995.2月号はどのようなリアクションを呼び起こしたか、以下追跡する。 留意すべきは、著者の西岡氏は前年の9月の時点で論文を「マルコポーロ」側に渡していたということである。それから約3ヵ月後に掲載される事になる。この間、西岡論文が社内でどのように取り扱われてきたのかは今もって明らかにされていない。云える事は、発売と同時に用意周到とも云えるリアクションが為されていることである。以下、その経緯を検証する。 |
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SWCとイスラエル大使館の予想以上の抗議と圧力を受けた文芸春秋社はどう対応したか。以下追跡する。
つまり、文芸春秋社は、記事に対するユダや人団体サイモン・ヴィーゼンタール・センター(SWC)やイスラエル大使館の抗議に遭うや、日頃の硬派論調はどこへ行ったのか忽ち腰砕けになり、何と廃刊、田中社長の辞任、花田編集長の解任の挙に及んだ。 |
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文芸春秋社は、2004.3月の「角栄の孫娘のプライバシー漏洩にまつわる週刊文春販売差し止め事件」に際して「表現の自由」の為に不退転の決意で闘うなる声明を発しているが、それをいうなら「マルコポーロ廃刊事件」の時には何ゆえ腰砕けと屈服的対応に終始したのか。これを弁明してみよ。 文芸春秋社はそれまで、日本の言論界の一方の旗頭としてタカ派系の論調で一家言為していた。その文芸春秋社が、シオニズムの圧力にいとも容易く腰砕けになった経緯が見て取れよう。未だに西岡論文のどこが誤りなのかさえまったく究明されていない。肝心の問題の焦点が巧みにすり替えられ、廃刊という形で強引に封殺されてしまった。 こうなると次のことが判明する。日本のタカ派系ジャーナリズムの正体は、シオニズムに対しては屈服し、日本の国家権力(官僚制及び与党)とは和合し、野党に対しては傲慢不遜に向き合い、左派運動に対しては手厳しく論難するのを得手としているということか。ならばこれも新種の売国奴でしかないではないか。 2004.4.3日 れんだいこ拝 |
【SWC(ユダヤ団体)の二枚舌について】 | |||||||
「マルコポーロ事件」を検索していたら、「イルミナティ(啓明会)の創設者(アダム・ワイスプト)の手紙」なるサイトに出くわした。ここで、事件後、文芸春秋社とSWC合同で「SWCセミナー」が開かれた時の様子が明らかにされている。以下、これを紹介する。なお、「日本に圧力をかけるシオニスト組織SWC」に更に詳しく書かれているのでこれも参照する。
このセミナーの席で、「元マルコポーロ編集部員の一人」が次のように質問したとのことである。
それに対するSWCのバリッツアー博士の答は、こうだった。
このサイトの管理人は次のようにコメントしている。
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【「文芸春秋社『マルコポーロ』廃刊事件」の諸影響】 | |
「マルコポーロ廃刊事件」以来、日本のジャーナリズム界では、ホロコーストも含め「ユダヤ人問題」の批判的考察はタブーとなった。しかも力ずくの「タブー」とされ、触れることさえ許されない状況になった。
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【小石牧師の「『マルコポーロ』廃刊事件」批判】 | |
小石牧師は、「なぜマルコポーロの記車に過剰反応するか」の中で次のように述べている。
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【花田編集長の述懐】 | |||
解任された花田編集長は「戦後史企画室」へ移動させられた。その後次のように述懐している(「日本タブー事件史」、別殺宝島、2005.1.28日初版参照)。
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【「西岡論文に対する当時のマスコミ報道」考】 | |
「文芸春秋社マルコポーロ廃刊事件」を当時のマスコミはどういう論調で対応したのか、次の一文が参考になる。出典不明であるが次のようにコメントされている。
こういう受け止め方が幅を利かせているようである。つまり、西岡論文はあまりに衝撃的過ぎて、というか西岡論文の指摘が意味あるものとすると「ガス室大量虐殺」という戦後の「定説」総体の見直しに向かわねばならず、それにはシオニズムの厚い壁があり、それでも突き進むことには何のメリットも無いことを察知してか、奇説として葬り去られた。 しかし、インターネット上では両見解が並存している。西岡論文系に「見直し論者たちのホームページ」、それに対抗する「反見直し論者のホームページ」がある。(DOHCメニュー) |
【オウム真理教の「『マルコポーロ』はなぜ潰されたのか?」】 | |||||||||||
世間ではさほどにはしられていないが、オウム真理教は反ユダヤ主義を公言し、シオニズムの文明的汚染に対してそれなりの観点を保持している点で耳目を引いている。日本のジャーナリズムは、1995年の地下鉄サリン事件以来オウム真理教の「ハルマゲドン」説や「マインドコントロール」等々を盛んに取り上げ批判してきたが、「オウム真理教の反ユダヤ主義・歴史修正主義」については言及していない。マルコポーロ事件の影響が影を落としているのかも知れない。 ニューズウィークは次のような記事を掲載した事がある、と云う。
そのオウム真理教は、機関誌「ヴァジラヤーナ・サッチャ」誌上において「マルコポーロ」廃刊問題」に関して次のような所見を披瀝している。れんだいこには、貴重な「この問題に対する最も果敢な挑戦」であったように見える。「ヴァジラヤーナ・サッチャ」第8号のP165〜173(1995.3.25日付け:販売は1995.2月末から)に「超裏読み・超過激ラディカル・トーク。『マルコポーロはなぜ潰されたのか?』」が発表され、次のように解析している。要点だけ摘出する。 |
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「ヴァジラヤーナ・サッチャ」は、「文萎春秋社とSWC及びイスラエル(ユダヤ)の指導的な立場にある組織が手を組んでいるのではないかということだ」と推測して見せた。れんだいこは、これを半分支持する。残りの半分は、タカ派系論調で鳴る文萎春秋社内の民族主義国粋派とシオニズム国際派との確執があり、国粋派に脳震盪が見舞われ当事者が放逐されたというのが本質である、と捉えたい。 |
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本多勝一氏(以下、ホンカツと記す)が、「週刊金曜日第65号」(1995.2.10日)の「『マルコポーロ』は廃刊にして『諸君!』は廃刊にせぬ文春を嗤う」で、「マルコポーロ廃刊事件」について次のようにコメントしている。興味深いことは、ホンカツ氏は、「マルコポーロ事件」を文芸春秋社のもう一つの政治言論誌「諸君」と比較しているところであり、「だが、ここで文春の日ごろの反平和・反反核・反市民運動を主軸とする反動タカ派の非論理・非倫理が一挙に露出し、だれにもわかりやすいかたちで矛盾が見えてくる。整理すれぱおよそ次のようになろう」として次のように云う。
つまり、ホンカツ氏は、ホロコーストと南京大虐殺事件との奇妙な通底性を踏まえており、ホロコースト問題で躓(つまず)いたマルコポーロが廃刊になったのに、南京大虐殺事件で躓いた筈の「諸君!」が廃刊にならないのはおかしいではないかとして、「ともあれ、『南京』を否定した文春は完敗した。アウシュビッツを否定した文春の今回の態度が、もし本心からの反省であるなら、『諸君!』こそ廃刊にすべきであろう」と云う。 れんだいこが興味を覚えるのは、次の点である。ホンカツ氏は、
以上から、ホンカツ見解の位相が判明する。れんだいこは、ホンカツ見解とは凡そ対極の立場に位置しているが、「ホンカツ氏の@・ホロコーストと南京大虐殺事件との奇妙な通底性を踏まえている」点のみ、奇妙に一致している。それにしても「廃刊当然論を唱えるマスコミの大御所」の痴態を恥じることなく披露しているホンカツの言論人としてのお粗末さが見えてくるケッタイな論考「『マルコポーロ』は廃刊にして『諸君!』は廃刊にせぬ文春を嗤う」ではある。れんだいこは、この一事で以ってホンカツを信用しない。ジャーナリストの沽券にかかわる失格者と見なす。 |
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【「アウシュヴィッツの争点」の著者・木村愛二氏の参戦】 |
「アウシュヴィッツの争点」の著者・木村愛二氏が参戦し、本多見解とは反対に西岡論文の擁護に向かった。木村氏によれば、「ホロコースト見直し」は為されるべきであり、「アウシュヴィッツ問題」は、「現在、世界で最後の法的な人種差別国家となったイスラエルの支配権を握る極右集団の思想的根幹をなす〈政治的シオニズム〉に対しての根本的な批判」として意味を持つ、と云う。 この木村氏とホンカツ氏間には犬猿の確執とも云える対立が発生しているが、西岡論文を廻っても相まみえており、「『週刊金曜日』への公開問題提起文」がこの辺りの事情を紹介している。木村氏も、「憎まれ愚痴」サイトの「本多勝一"噂の真相"同時進行版」で自己解析している。 |
【「『週刊ポスト』の廃刊ピンチ事件」】 | ||||
「マルコポーロ廃刊事件」以外にも「『週刊ポスト』の廃刊ピンチ事件」があったようである(1999.11.5日付けの「内外タイムス」に 「『噂の“深層”』15・本誌編集長・岡留安則」よりとして概要次のような記事が掲載されている。
週間ポストは、同年の11.26日号に、次のような謝罪文を掲載している。
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【テレビ朝日の番組・「スーパーモーニング事件」】 | |
「SWC」による日本ジャーナリズム界への圧力は更に続いた。「日本に圧力をかけるシオニスト組織SWC」より引用する。
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【木村氏対高橋氏の「マルコポーロ廃刊の経緯論争」】 |
木村氏対高橋氏の論争は、「マルコポーロ廃刊の経緯」を廻っても為されている。木村氏は、「『週ポ』Bashing反撃:Web公開『偽イスラエル政治神話』1」を投稿し、高橋亨氏が「マルコポーロ廃刊の経緯考」で反論している。以下、これを検証する。 |
【木村氏の見解】 | |
木村愛二氏は、「『週ポ』Bashing反撃:Web公開『偽イスラエル政治神話』1」で概略次のように述べている。木村氏自身がついこの間まで「ホロコースト定説」を信奉していた。丁度「マルコポーロ』廃刊事件」直前の頃、@・ドイツにおけるホロコーストの実在性を疑う議論を禁止するための刑法の強化の動き、A・「シオニストとナチの共生関係」に対する気づき、B・シオニズム批判等々の観点から「ホロコースト定説」に疑問を覚え始めていた。 そうした折の1995.1.17日、文芸春秋社の月刊誌「マルコポーロ」に、西岡氏の寄稿文「戦後世界史最大のタブー。ナチ『ガス室』はなかった」が掲載された。木村氏は、(その後と思われるが)「アウシュヴィッツの争点」を出版し、元レジスタンス闘士、元フランス共産党政治局員のロジェ・ガロディ著「偽イスラエル政治神話」を翻訳し、世に問うた。 ガロディ氏は、「偽イスラエル政治神話」を出版。後、当然の如くユダヤ人団体から告発された。ガロディ氏は、その際、知人であるピエール神父に支持を要請した。神父は、それに応えて暴力によるイスラエル建国を非難、著作を支持する書簡を送った。1996.5.1日付け毎日新聞は、「仏『国民的神父』がナチスの大量虐殺否定?/カトリック教会『遺憾』」の見出しで、1996.5.8日付け朝日新聞は、「『フランスの良心』がユダヤ人大虐殺に疑義/『タブー視せずに探求を』発言に非難の大合唱」の見出しで報じている。しかし、その後のピエール神父は、「5月初めから仏を離れ、北イタリア、パドバの修道院で生活している」(1996.5.31日付毎日新聞)とのことである。 1996.9−10月号の「世界」に、藤村信(東京新聞記者のペンネーム)氏の「パリ通信/ピエール神父の孤独/ホロコースト、ヴァチカン、イスラエル」と題する長文論文が連載された。その中で藤村氏は、フォーリソン、ガロディ、ピエール神父らを「極右政治勢力の類」視して批判している。ロベール・フォリソン教授を「ネガショニズムの代表」と記している。
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【高橋亨氏の「マルコポーロ廃刊の経緯考」】 | ||
高橋氏は、上記の木村文に対して、「マルコポーロ廃刊の経緯考」で次のように述べている。
高橋氏は、「マルコポーロ廃刊事件の真相」として次のように述べている。
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![]() 何と、高橋氏は、マルコポーロの廃刊につき、「文芸春秋社内の単なるお家事情」なる説を唱えている。ディヴィッド・グッドマン、宮沢正典共著「ユダヤ人陰謀説」を紹介しているだけであるが、単なる紹介ではない。「真相はだいぶ違っているようです」とこの見解を支持する立場から紹介している。 それによれば、「SWCをはじめ、ユダヤ人団体が廃刊を要求したことは一度もなかった」(その割には、「結局、SWCの抗議などきっかけにすぎず」とも書いており、明らかに矛盾している)のだそうだ。「廃刊の理由はむしろ文芸春秋社内の政治的状況にあった」のだそうだ。意訳概要「田中健五、花田和凱コンビのスキャンダル路線が社内でも顰蹙を買い、遂に成敗された」のだそうだ。 田中健五氏はSWCとの共同記者会見の様子は、意訳概要「田中氏は、その席上でもホロコーストの史実に疑問を匂わせる発言をしていたので、SWCから見たら極めて不満の残る結末だった」のだそうだ。 更に、「大騒ぎになった割には、文芸春秋は結局マルコポーロを回収・廃刊しただけで西岡論文の検証に正面から取り組むことはついになかった」とも批判している。これによれば、高橋氏は、「西岡論文の検証」が為されていないのが不満らしい。ならば、文芸春秋に要求すれば良い。元に戻って、マルコポーロを廃刊させずに、誌上論争させれば良かったのではないのか。真面目顔で説いているのかどうか分からないが、一言で云えば、何をかいわんやの珍説では無かろうか。 |
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なお、高橋氏は、「『ガス室の嘘』オンライン論争の経験から」では次のように述べている。
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![]() ここで、高橋氏は、マルコポーロ廃刊事件に対し、二重見解(ダブルスタンダード)を披瀝している。僅かなこの文章の中に混乱が認められることに当人は気づいていないのだろうか。A・「国外からの激しい抗議にあって掲載雑誌の回収・廃刊という安易な対応がとられた」と云うかと思えば、B・「いまだにガス室の存在には何らかの疑惑があり、その解明を試みた論文がユダヤ人団体の圧力によって潰されたのではないか、というような誤解」とも云い為している。 「文芸春秋社内の単なるお家事情説」に傾く高橋氏の論を整合させるなら次のように云わねばならない。@・「マルコポーロ廃刊」に対してのSWCなどのユダヤ人団体の圧力は無かった。A・「マルコポーロ廃刊」はあくまで「文芸春秋社内の単なるお家事情」による内部問題である。高橋氏は、その持論を整合的にするならかく述べて論証すべきである。この点で、高橋氏の見解自体が分裂しており、読み手の我々は混乱せざるを得ない。 しかし、そのように論を張るとなるとこれまた問題が生じよう。本サイト冒頭の「マルコポーロ廃刊事件の経緯」を踏まえれば、SWCなどのユダヤ人団体の圧力は存在したのであり、それを否定するなどとは黒を白と云い含める言論詐欺に他ならなかろう。しかし、何の利益があってこのような曲解を振りまこうとするのだろう、れんだいこにはそれが解せない。 議論というのは、認めるべきところは認め認識を共有する。その上でそれから先における見解の相違を見出し糾していくというのが望ましい。いわゆる認識のらせん的発展であり、その作法を常道とすべきである。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式に何でもかんでも否定していくのは真っ当な議論では無かろう。 |
【デイヴィッド・グッドマン氏の「マルコポーロ廃刊の経緯考」】 | ||
「デイヴィッド・グッドマン/宮澤正典(藤本和子訳)「ユダヤ人陰謀説:日本の中の反ユダヤと親ユダヤ」(講談社、1999.4月)」(2006.9.9日付投稿「マルコポーロ廃刊の内幕。『事実の検証』を『反ユダヤ主義』と言い換えるレトリック」)は、雑誌マルコポーロの廃刊事件の真相をレトリックで捻じ曲げようとしている悪文であるが、「文芸春秋社マルコポーロ廃刊事件の真相」として次のように述べている。
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![]() 雑誌マルコポーロの廃刊は、西岡論文を奇禍としてユダヤ人権団体が激しく糾弾したためではなく、「発行元編集部の御家騒動が原因だ」と云う風にレトリックし、それをさも本当らしく立論している。 |
【中村敦夫氏の「雑誌〈マルコポーロ〉廃刊の謎・・・・アウシュヴィツのガス室は存在したか?」考】 | |
木村愛二氏は、「阿修羅ホロコースト1」の2005.4.24付け投稿「ホロコースト・ガス室を疑い拙著も紹介した『中村敦夫新聞』記事」で、1995.3.20日付「中村敦夫新聞第3号」の「 雑誌〈マルコポーロ〉廃刊の謎・・・・アウシュヴィツのガス室は存在したか?」を紹介している。高橋氏の「マルコポーロ廃刊は文芸春秋社内の単なるお家事情説」に対する否定となっており、興味深いので転載する。
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【ワールド・フォーラムの提言】 | |
ワールド・フォーラム代表幹事/佐宗邦皇氏は、「阿修羅雑談10」の2004.8.19日の「マルコポーロ廃刊事件と『出版の自由』弾圧の背景ーホロコースト神話は何故生まれたか?ー」で次のように述べている。
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【「太田龍・氏の時事寸評」の指摘】 | ||
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(私論.私見)