読売新聞政治部記者・石井誠変死事件

 (最新見直し2013.10.17日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで「読売新聞政治部記者・石井誠変死事件」を確認しておく。

 2013.10.17日 れんだいこ拝


【読売新聞政治部記者・石井誠変死事件】
 2007.4.5日、読売新聞政治部記者の石井誠(享年36歳)氏が変死した。文京区白山の自宅で手錠&口の中に靴下が詰め込まれた状態でその上から粘着テープをはってあった。後ろ手に回した両手には手錠がかかり、左手に手錠の鍵を持っていた。頭部を玄関方向に向けており、左側体部を下にした状態で、上下の服は着ていた。玄関は施錠され、室内に物色された形跡はなかった。男性は母親(65)と2人暮らし。母親は3日から旅行に出かけ、5日午後4時20分頃、帰宅したところ玄関に倒れている男性を発見。駆けつけた警視庁富坂署員が 死亡を確認した。死因は窒息死とみられる。

 4.6日、捜査に当たった警視庁は、事件→自殺かと迷走したが、最終的に事故との見方に落ち着いた。「事件性はなく事故の疑いが濃厚」と発表した。室内からは手錠などとSM系に関連した 用具も多数発見されたという。捜査関係者は「男性が1人で何かをしていて、アクシデントが起こった可能性が高い。自慰行為中の事故とみられる」と話している。専門家は「見る人が見れば一目瞭然の特殊プレー」と指摘している。所属の読売を含め大手紙が軒並み黙殺に近い状況。スポーツ紙、夕刊紙に至っては、「SM趣味が昂じて」と報じるなど、故人を貶める報道に終始した。これに対しインターネットユーザーが猛烈に反発し今日に至っている。

(私論.私見)

 石井誠変死事件を「SMプレー中の事故死」としているが、玄関先でさような行為をするなどと信じる方が変態だろう。これは儀式殺人特有の嘲笑ぶりである。警視庁の判断能力が問われるが、そういう風にみなして処理せよとの上からの達しによるものだろう。

【読売新聞政治部記者・石井誠・氏の生前の記事】
 石井誠氏は、読売新聞社でインターネットやCS放送での報道を行うメディア戦略局の管理部社員。編集局政治部の記者も兼務し、総務省を担当していた。竹中平蔵氏が所轄大臣だった頃より、同氏が進める郵政民営化やNTT解体などへの批判記事を多数執筆している。石井誠氏は、郵政民営化や竹中平蔵氏の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が進めるNHKの組織改革、NTTの解体などについて批判的な記事を多数執筆していた。また、総務省が作ろうとしているインターネットを規制するための法制度について、「言論の自由」との矛盾を追求すべく調査を進めていた。石井誠氏の記事は次の通り。

 YOMIURI ONLINE 郵政4社長の人事迷走

 2007年10月の郵政民営化に伴い日本郵政公社から分社化される4事業会社の社長人事が難航している。

 竹中総務相「7月末までの内定理想」

 竹中総務相は22日の日本郵政会社の株主総会での決着を目指していたが、結局1人の社長候補も決定できなかった。背景には民営化される各社の経営の自由度が限られ、ビジネスモデルが描きにくいことや、9月以降は郵政改革を推し進めてきた小泉内閣の後ろ盾がなくなることなどがあるとみられる。

 東京・虎ノ門の日本郵政会社で22日行われた株主総会は、唯一の株主である政府代表として財務省の担当者が出席し、現役員の再任を決めただけで、午前10時から約20分で終了した。

 株主総会で本来、郵便局の窓口ネットワーク会社である「郵便局会社」、物流会社の「郵便事業会社」、郵便貯金事業を引き継ぐ「郵便貯金銀行」、簡易保険事業を引き継ぐ「郵便保険会社」の各社長候補を、日本郵政の取締役に選任するはずだった。

 難航ぶりを象徴したのが、郵貯銀の初代社長就任を内諾していた小笠原日出男・三菱東京UFJ銀行名誉顧問が21日午後に突然、辞退を申し出たことだった。民営化で巨大金融機関になる郵貯銀に対し、金融界から民業圧迫との批判が強いことなどが背景にあると見られている。

 また、来年10月の民営化当初は、各事業会社とも郵政公社と同じ業務範囲でスタートするが、その後、どのようなペースでどこまでの業務拡大が認められるのかは不透明だ。

 小笠原氏の辞退で郵貯銀社長の人選はさらに難航が予想され、東京海上日動システムズ社長の進藤丈介氏を充てる方向で調整中の郵便保険会社や、イトーヨーカドー執行役員の川茂夫氏の名前が挙がっている郵便局会社も含め、他の事業会社の社長選定も最終決定に至っていない。

 郵政民営化の原動力となっていた小泉首相が9月に退陣するのも、候補が決まらない一因との見方が強い。「(各事業会社の社長候補は)次の政権から辞令を受け取りたいのではないか」(関係者)といった声も聞かれる。

 竹中総務相は22日の閣議後会見で、「7月末に(承継計画の)骨格が出されるに当たっては、4事業会社のトップが内定しているのが理想だと思う」と述べるにとどまった。(石井誠)

 (2006年6月23日 読売新聞)YOMIURI ONLINE 竹中懇 独自路線貫く

 竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇)が6日にとりまとめた最終報告書は、1日に示された座長案に比べ、NHKのチャンネル削減対象を明記するなど、より踏み込んだ内容となった。(田中左千夫、清岡央)

 その結果、通信・放送改革について、すでに報告書を公表している自民党の小委員会との見解の違いが際立つ形となった。今後、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」がとりまとめられる7月上旬に向け、自民党との調整は難航が予想される。

 竹中懇の最終報告と自民党の通信・放送産業高度化小委員会(委員長・片山参院幹事長)で見解が異なるのは、NHKとNTTの改革案についてだ。

 NHKのチャンネル数削減をめぐっては、自民党は「各チャンネルが果たしている役割を十分に検証する必要がある」との観点から、削減数の明示を見送るように再三、説得したが、竹中懇はFM放送と衛星放送の計3チャンネルを2011年までに削減する具体案を示した。

 また、NTTの組織改革やNTT法などの改正は、自民党が2010年ごろに検討すべきとしているのに、竹中懇の報告書は、速やかに検討を始め、2010年までに持ち株会社廃止などを実現するように求めている。

 最終報告書が、自民党との妥協を避けて、独自性にこだわった背景には、竹中総務相の閣内での影響力低下を見透かすように、自民党側が発言力を強めていることへの抵抗があるとみられる。

 竹中総務相は6日の最終会合後の会見で「与党と意見を調整していきたい。個別の問題には隔たりがあり、議論を重ねて政府・与党の合意できる点を見いだしていきたい」と語ったが、自民党は「最終的にどうするか決めるのは国会だ」(片山氏)と、与党主導との姿勢を崩していない。

 竹中懇最終報告書の骨子

 【NHK改革】
▽2011年までに8チャンネルのうち、FMラジオと衛星放送の計3チャンネルを削減して5チャンネルにする
▽NHKの受信料は大幅に引き下げた上で、支払いを義務化し、その後、必要があれば罰則化も検討
▽不祥事が続発した娯楽・スポーツなどの制作部門は公共性が必ずしも高くないため、本体から分離

 【通信・放送改革】
▽マスメディア集中排除原則は持ち株会社方式やキー局の地方局への出資などが可能な自由度の高い形で早急に緩和
▽地上デジタル放送のIP放送による同時送信は基本的に地域限定を設けるべきではない
▽「通信」と「放送」に分かれた法体系を見直し、伝送(放送波の送信)・プラットフォーム(放送サービス)・コンテンツ(番組制作)といった区分ごとの法体系にすべき

 【NTT改革】
▽2010年に通信関係法制を見直し、NTT東西の業務範囲規制を撤廃、NTT持ち株会社を廃止。東西は、加入者回線の機能分離が実施されない限り、両社間やその他の事業者との合併・統合は認めない

 国民の視点ない

 服部孝章・立教大教授(メディア法)

 「『国民の視点で議論する』と言っておきながら、通信と放送の経済的な環境を見ただけで、国民の視点がどこにもない結論だ。『NHKの肥大化』と言うが、衛星放送もFMラジオも、行政や国会が認めたもので、NHKが勝手にやってきたわけではない。肥大化を言うのであれば、行政や国会の責任も論じるべきだ。有識者が8人も集まったのに、少数意見への配慮も欠けていた」。

 (2006年6月7日 読売新聞)「議論 わずか5か月」

 竹中懇は、今年1月下旬からわずか5か月間の議論で、通信・放送の抜本改革について最終報告をとりまとめた。しかし、NHK、NTTという巨大な組織の抜本改革にとどまらず、通信、放送、著作権など様々な法律にまたがる複雑な問題に一定の結論を出すには、十分に議論が尽くされたとは言えない。松原座長は竹中懇の狙いについて当初、「国民の視点から通信・放送の在り方を検討する」と説明していた。しかし、実際には、懇談会は、関係業界からのヒアリングを行った2回を除いては、非公開で行われ、詳細な議事録も公開されていない。松原座長や竹中総務相の懇談会後の記者会見の内容と、発言者が明記されないA4判で2枚の議事要旨が、総務省のホームページで公開されるだけだ。政府の税制調査会などの諮問機関は議論が公開されている。議事録は発言者も明記した詳細なもので、運営方法は原則公開が時代の流れだ。

 竹中総務相周辺は「議論の途中で委員の意見は変わることもあり、自由な議論を確保したい」と説明したが、「密室での議論」(民放幹部)との批判はくすぶり続けた。イギリスでは、英国放送協会(BBC)の事業内容を規定する特許状の更新にあたり、3年近くを費やして数千通に及ぶ国民の意見書や、放送局の独立規制機関や議会の調査書や勧告書などを集約して政府の報告をとりまとめた。

 通信・放送全般の改革をめぐる議論は、NHK、NTTなど当事者ばかりでなく、テレビの視聴者である国民、NTTの株主など多くの関係者の意見が集約されたうえで、とりまとめられるべきものであるはずだ。それが、わずか5か月間の議論では、拙速との批判は免れないだろう。(石井誠)





(私論.私見)