2018(平成30).1.4日午前、日本相撲協会が、東京・両国国技館で臨時評議員会を開き、昨秋の巡業中に起きた横綱日馬富士による傷害事件の報告を巡業部長として怠るなどした貴乃花親方(元横綱)の理事解任の審議をしている。評議員会は理事の選任や解任などの権限を持つ最高議決機関で、現在、池坊保子議長(元副文部科学相)ら外部有識者4人と力士出身者3人での計7人で構成される。4人以上の出席で成立し、その過半数の賛成で解任を決議できる。この日は海老沢勝二(元NHK会長)、千家尊祐(出雲大社宮司)の両氏を除く5人の評議員が出席した。
協会は昨年12月28日の臨時理事会で、事件の報告義務を怠った上、全協会員が協力することを理事会で決議したにもかかわらず、被害者で弟子の貴ノ岩関(27)の聴取を拒否し続けた貴乃花親方について「被害者側の立場にあることを勘案してもその責任は重い」として、貴乃花親方の理事解任を評議員会に提案することを全会一致で決めた。事件を巡っては、元日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が理事を辞任し、役員待遇委員に2階級降格になっている。現場の酒席に同席しながら暴力を止められなかった白鵬、鶴竜の両横綱は減給処分を受け、八角理事長(元横綱・北勝海)も残る任期3カ月の報酬を全額返上としている。
理事解任が決議されれば初となる。貴乃花親方は理事を解任された場合、役員待遇委員へ2階級降格になる。ただし、今月の初場所(14日初日、両国国技館)後に予定されている理事候補選挙には立候補できる。
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