財閥解体考



 (最新見直し2015.12.25日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、財閥解体考をしておく。

 2015.12.25日 れんだいこ拝


 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK198 」の笑坊氏の2015 年 12 月 25 日付投稿「歴史学者井上清の財閥論<本澤二郎の「日本の風景」(2214) <占領軍による財閥解体の実態> <諸悪の根源は財閥>」。
 http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52127033.html
 2015年12月25日 「ジャーナリスト同盟」通信

 <占領軍による財閥解体の実態>

 多くの日本人は財閥の存在を知らない。内外の日本研究者も無視している。したがって、日本が見えない、わからない。だが、まともな日本の歴史学者は、真実を見極めていた。井上清の「日本の歴史」(岩波新書)が見事に分析していた。財閥を「大企業」ととらえる政党・政治家も、根本的な間違いを犯している。

 <日本唯一の支配階級となった財閥>

 戦後「専制天皇制と地主階級がほろびた後には、資本家階級とくにその最上層の独占資本家階級が、経済的にも政治的にも、日本の唯一の支配階級となり、象徴天皇は、独占資本の王冠となった」と見事な分析をしている。また、井上はこうも書いている。「財閥の解体は、独占資本の解体ではなく、たんにその財閥家族の独占という半封建的な閉鎖的な形態を破っただけで、かえって独占資本主義の自由な発展の条件をつくった」(いずれも「日本の歴史」(下)の229Pから230P)

 <財閥解体が大膨張の原因>

 この井上歴史学に反論できる右翼学者がいるであろうか。恥ずかしいことに、筆者がこの井上歴史学を知ったのは、数か月前のことである。友人の本棚から見つけて、偶然、開いて見つけた。目からウロコとはこのことである。世の中に立派な学者は、数人いるものだが、井上こそがその一人なのだ。GHQは、財閥を戦前の家族独占から資本独占にして、独占資本を自由自在に羽を伸ばして活躍できるようにした。朝鮮戦争とベトナム戦争が財閥を急膨張させた。戦前を上回る支配権を確保してしまった。その典型が、今の改憲軍拡の天皇制国家主義への回帰なのだ。

 <農地・農民収奪はTPPで拍車>

 井上は「農地改革は、独占資本が直接に農民を収奪する大道を開き、また国内市場を一挙に拡大する前提をつくり、家父長制廃止は、女子労働力を資本が存分に利用できる条件をつくった」とも記している。財閥が強力に推進したTPPによって、農地収奪に拍車がかかることになろう。それにしても井上の慧眼には脱帽である。

 <足でかせいで判明した財閥の正体>

 振り返ると、筆者が財閥の存在に気付くのは、かなり遅かった。政治記者は当初、政治家が日本の権力を掌握していると勘違いした。その後に官僚なのかと判断したが、これも間違いだった。とうとう政治記者生活20年では、権力の根源を見つけることは出来なかった。政治評論活動を始めて数十年にして、日本の権力の掌握者が財閥であることに気付いた。足でかせいだ結論である。

 <ヒントをくれた宇都宮徳馬の一言>

 実を言うと、財閥のことについてヒントをくれた政治家がいた。平和軍縮派の宇都宮徳馬である。1972年7月7日に誕生した田中内閣は、大平外相のもとで日中国交回復の大事業が始まった。すると、国会周辺が騒がしくなった。右翼の街宣車が官邸と自民党本部を取り巻いた。それも連日のことである。駆け出しの政治記者は、宇都宮さんに尋ねてみた。「彼らの活動資金は誰が出しているのか」という問いに、彼は「財閥だよ」とひとこと言った。この一言は以後、耳を離れない。戦前の右翼は暴利をむさぼる財閥を攻撃した。戦後は、財閥が右翼を囲ってしまったのだ。そうしてみると、財閥の代弁者の商工官僚・岸信介が、戦後A級戦犯から首相にまで昇りつめ、いまやその孫が現在の政権である。正確には、財閥の傀儡政権といっていい。しっかりと因果関係で証明できる。

 <財閥にさからえない新聞テレビ>

 10余年前に愛読してきた朝日新聞をやめた。理由は、正義の勇気ある新聞で無くなってしまったからだ。社説の変化に気付いたからである。知り合いの人権派弁護士も同じだった。元環境庁長官は「東京新聞に切り替えた」と言ってきた。朝日の高級紙返上には、右翼の圧力が関係していた。内心はなんとか復権してもらいたいと願望しているのだが、朝日デジタルを見る限り、パンチのきいた記事がない。 そう、新聞テレビは財閥に逆らうことは出来ない。財閥のカネで養われているからである。悲しい日本の現状である。安倍内閣が存続している原因も、ここにあるのである。

 <諸悪の根源は財閥>

 日本国民最大の敵は財閥といっていい。諸悪の根源である。このことに国民が気づいたときに、日本は変わることが出来る。筆者は個人的に、東芝の医療事故事件を追及する過程で、直接、容赦なく膚で体験させられている。日本の内外政は、財閥のもとでコントロールされている。

 2015年12月25日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)

(私論.私見)
 この評もまだ甘い。「諸悪の根源は財閥」と云う観点は危険過ぎる。主なる敵は国際金融資本帝国主義、いわゆるロスチャイルド金融帝国主義であり、日本の財閥はその手下に過ぎない。主敵に向かわず手下に向かわせる評論は主敵に操作されている可能性がある。

 2015.12.25日 れんだいこ拝






(私論.私見)