【徳川家から見た幕末維新考】 |
「太田龍の時事評論」の2,006.8.25日付けbP783「徳川宗家第十九代後継者、徳川家広氏の重大な発言(『ボイス』九月号)」を紹介する。(れんだいこ編集)
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【「明治よさらば 還ろう美の聖域へ」】 | ||
荻野宏幸氏も著「明治よさらば 還ろう美の聖域へ」(http://www.amazon.co.jp/gp/product/4895142272/
)()で同様視点から発言している。これを引用する。
http://www.chukoji.co.jp/hanbai/mokuroku/mokuroku12.html 『明治よさらば 還ろう美の聖域へ』 荻野宏幸 著 A5判 300頁上製本 定価4,500円(本体4,286円) 現代日本の礎を築いたのは、戦後の民主主義と米国主導になる経済成長主義、さかのぼれば明治維新で始まる近代化の成功だとする主張が大手を振るっている。西欧発の工業技術・知識は確かに日本を豊かにさせはした。だが、江戸末までの民族の文化的伝統・礼節は地に堕ち、利益追求を至上とする公徳心のない輩が自然破壊と公害のばら撒きに邁進する。その姿は醜悪とさえ言える。どうしてこうなってしまったのか。 本書は、「明治維新以後の近代化」についての鋭利な批判・論考と、著者持論の「通信一般理論」の序説及び好評を博した「デザイン論」の改稿を併載。 【目次・内容紹介】 1.人類の視野で慰霊を ──軍国明治の象徴、靖国神社の性格を検証。現在の自民党一部首脳たちが、いまだに犯す過誤の根幹を鋭く指摘する。 2.吉田松陰と軍国日本の回顧 ──維新政権の思想的拠り所となった松陰。その著作は若気と、時代が要請した狂気に彩られていると逐一検証。その危うさが現代に影を落としていると警鐘を鳴らす。 3.上杉神社に思うこと ──神仏分離令から廃仏毀釈に至る無節操な宗教政策は、維新後の国体思想とあいまって国家神道へと結実する。その結果がどうなったかを、上杉神社を実例にして論ずる。 4.荀子の性悪説を考える ──荀子の性悪説は、社会契約説や市場経済の裏にある功利主義に筋道が似ている。荀子を検討することで功利主義の功罪を明白にし、性悪説を今に生かす方法を探る。 5.瀬島龍三著『日本の証言』に反論する ──元大本営の参謀・瀬島による戦争責任の身勝手な弁明を論駁。彼の論拠の多くが「旧帝国憲法」にあることから、法そのものの歪みも検証。 6.通信一般理論序説 ──絶対的信仰や先験的な悟性にはもう頼れない。最新科学の成果をもとに「新しい世界観」を試論として提示。1?5章に至る考え方のバックボーンの表明でもある。 7.デザインと美の原点 ──美醜の要件とは何か。前著『文明としてのデザイン』の内容を改めて推敲。功利主義が蔓延させた醜悪さを捨て「本当に美しいものは何か」を求めるべきとの痛切な主張。 著者紹介:荻野宏幸(おぎの・ひろゆき) 1928年東京生まれ。東京大学経済学部卒。日本航空で11年間勤務の後、博報堂に招聘されて社長室長、同社取締役(3期)を歴任し、依願退任。1974年以後、獨協大学、拓殖大学で広告論、デザイン論の講師を務めるともに、画家として4回個展を開催。 著書に、『文明としてのデザイン』『誰がための文明─荘厳な嘘を超えて』。絵本に『若い木霊』『祭りの晩』(いずれも文は宮沢賢治)。現在は画業に専念。 |
戰時中、米内光政の身内や縁故者達から、國の機密に屬する事柄が敵國に渡されてゐた事は事實であり、然も其の事柄が、日本の戰爭遂行を不可能にするほどの重要なものであつた事を特筆しておく。 又、此の縁邊の者のうちには、首相であつた東條の鎌倉での生活費を賄つてゐた者もあり、其れらを取り卷く近親の者達の言動から察知された國家機密が、直ちに敵國に通報されてゐた事實も明白に成つてゐた。 日本に張り巡らされてゐた敵國のスパイ網は、ミッドウェーの完敗を喫した樣に、誰かが寫眞に撮り、誰かが盜聽し、其れを集めて誰かが通報する樣なスケールの小さいもの許りではなく、遙か以前から計劃的に仕組まれ、長年掛かつて出來上がつた全日本的なものが多く、單に一囘的なものだけではなかつた。 ミッドウェー海戰では、日本の攻撃の日時から空母の接近する方角まで通報されてゐた。戰時に於ける機密の重要性と情報の漏洩の結果とはどの樣なものか、なにもチャーチルに聽く事は無い。日本は、其れによつて再起不能と成つた。ミッドウェーに於る敗戰はウルトラ(米軍の對日暗號解讀作戰)によつたものではない。尤も怪しい人物は、猶太問題の犬塚惟成と國際聯盟に籍を置いた稻垣守克とである。彼らが通報したのである。 日本の財閥と稱されてゐた者達が、實は猶太の出店であり、日本の大會社や一流商社が彼らの資金によつて賄はれ、大工場等諸施設までが、全て技師を裝つた敵側の諜報員達によつて設計されてあつたのだから、日本全體が、其のままそつくり猶太の諜報網の中に有つたと云へる。 |