46−5 | 年金論 |
(私論.私見)
4035 | 返信 | Re:国会極楽鳥とトンボ合作の政治絵巻の一話 | れんだいこ | 2004/06/05 07:15 | ||
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お笑い日本共産党さんちわぁ。従来「年金問題」について考察することしておらず、「年金問題三党合意」についても見過ごしておりますが、れんだいこの俄か理解によると次のように云えるのではないでせうか。 「このままでは年金が危ない」とはつとに指摘されているところです。このままいくと、ベビーブーマー世代が大挙受給資格を得る時代に入ると財源が不足することが明らかで、今のうちに何とか対処せねばならない、というところ辺りがこの問題の発端だろうと思います。 さて、そこでどうするか。政府与党が法案を出して参りました。その内容は要するに「じり高負担増」になっているのだと思います。それはそれで見識なのでせうが、これに医療費負担増、その他公共料金の実質的値上げ等々が重なるとかなりな家計圧迫になります。お上が目いっぱいご馳走に相伴しつつの下々負担増が許せるか。 そこで野党が反対することになる。共産党、社民党はいつもの対案を示さないケチツケ路線。民主党は対案を示しての質疑応酬という構図になりましたが、問題は、民主党案の中身にあります。特定財源化した上での消費税値上げによる賄いを企図しているようです。 れんだいこは、民主党案の消費税値上げ年金法案は愚策とみなしております。消費税そのものを廃案すべし論のれんだいこ観点からすれば暴論のように見えます。小泉政権は任期中消費税を値上げしないと明言していますが、対極的に小泉政策が光って参ります。世間はこの一点でむしろ小泉政治を評価し、民主党に警戒するでせう。増税に対する無知無感覚な民主党の政治的ボケぶりは病膏肓。 民主党の年金問題に対するこの政策的弱点が混乱の温床になっているように思います。政府案を審議しいろいろ批判しますが、「手前のところの法案は何だ。本当に消費税値上げで対処するんか。オツムおかしいんとちゃうか」とからかわれるや口を閉ざすことになります。もっと抜本的な根底的なところからの案を創出せずあまりにも安易な、単に対案をだしただけのスタイリストに成り下がっているツケでせう。 このタイミングで、小泉首相が、年金一元化論のアドバルーンを上げました。これがまた粗雑な、いわば云ってみるだけの「例のコマーシャル発言」でした。ところが、年金問題に妙案を見出せない民主党がこれに飛びつきます。この尻軽さめ。民主党案のお粗末さが露見しないように「年金問題を継続的に審議する」と云う錦の御旗を得ることで、目下の政府法案を通過させるという「裏取引」に応じることになりました。 これが三党合意の内容だったのではないでせうか。岡田代表が幹事長の時にこれをやっております。その必然性が今も分からない謎の密室劇でした。とはいえ、三党合意は党と党が正式に合意したものであり、「裏取引」であれ何であれ当然責任が伴います。その後の党内事情で破棄というか反故にしようとしておりますが、見えてくるのは民主党の頭脳のおぼこさです。 管代表の辞任問題が沸点化しつつあるあの時の局面で、三党合意する必然性は何も無いのにこれをやっております。事情が分かりませんが何やら「裏」が臭います。岡田民主党丸が仮に政権に近づいていこうが、その前途危うしが今から予見できるように思います。米国流の二大政党制にぞっこん惚れているアメリカン民主主義ドリーマーのようですが、それはひたすら右傾化の道のりでもあります。 結論。今後の政局動向は、自民、公明、民主による新自公民路線が確定しているように思います。となると、これに対抗する左派戦線を創出し「もう一つの日本の道」を押し出していくしかありません。既成社共ではとても太刀打ちできません。このことに気づかないとしたら、気づかない方が新自公民路線推進者より能力が落ちているということになるでせう。 紅い心さえあるならもっとごった煮的な、それでいて民主討議結果集中的な、異論異端分派が当然に許容される、穏健派から急進派まで席を置けるような、絶えず論争がとびかうな、(全てこれらは人間性に基づくものであるから認められるべきである)人民大衆の階級的利益擁護の政党が産み出される必要があると考えます。 余談。れんだいこがその昔若かりし頃、先進国革命論をぶつペテン師が居りました。この御仁に、先進国革命のその後の進展ぶりを聞いてみたいところです。未だ隠れた人気があるとのことですが、こうなると互いに墓場まで連れションしたいのでせう。連中にとって政治はロマンなのでせう。そうやって一生過ごせる暮らしぶりが羨ましいというべきか。 |
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4037 | 返信 | 日共市川談話のぬるぬる気持ちの悪さよ。 | れんだいこ | 2004/06/06 21:10 | ||
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2004.6.5日、又もや小泉流レイプ政治によりこたびは年金法が特別委、本会議共々の強行採決で法案化された。これをゴリ押しした政府与党、ボイコット戦術で対抗した民主党と社民党、これに同調せず「出席の上反対」した日共という三者三様の絵巻物語が演ぜられた。ここでは、日共の独特とも云える政治姿勢について考察する。 日共の市田書記局長は、「出席の上反対」戦術に付き記者会見し次のように語っている。その一。「年金改悪法案はいちおう形のうえでは国会を通ったが、たたかいは終わったわけではない」、「何より、当面する参議院選挙で日本共産党の躍進を勝ち取って、ああいう悪法を推進し、中身のうえでも手続きのうえでもひどいやり方に厳しい審判を下していきたい。それが実施を許さないたたかいにもなる」。 この論法は何と曲者であることだろう。この種の話法に随えば、どんな悪法も、数さえ揃えばフリーパスされ、反対の意思表示があるなら次の選挙で為せ、ということになる。法案の国会決議は何の意味も持たず、ただひたすら選挙での日共の躍進が全てを浄化することになる。60年安保で見せたブント的国会包囲闘争なぞ何の意味も無いことになる。 ならば、選挙で日共が後退したらどういう意味になるのだろう。どんな悪法も容認されざるを得ないことになるのでは無かろうか。道理で、「禊は済んだ」と政府与党が云うはずだ。日共理論はこれを裏から補完していることになる。してみればそう日共話法は典型的な裏からの御用理論であり、恭順説法丸出しではなかろうか。 その二。「出席の上反対」路線を採用したことに対して次のように合理化している。「採決にいたる過程で、不信任案を出された議長に代わった副議長が散会を宣言する場面があった。議長不信任案が出たのだから、その取り扱いを副議長が行うのは当然だ。ただ副議長は議題を取り扱って処理する責任があるのに、散会するといったのは参議院規則からみても無理がある。議長、副議長がそうなった場合、事務総長が代わりを務めることが必要であった。その後、事務総長が本会議を取り仕切って仮議長を選ぶという形になったので、私たちは出席した」。 つまり、その一で政府与党を批判したかと思うと、今度は返す刀で民主党、社民党の抵抗戦術を非難し、「出席の上反対」路線こそ我が党の採る路線と独善的に述べていることになる。 なるほど旧社会党式の審議拒否戦術を強く批判し、審議を尽くすことこそ務めとしてきたのは事実である。しかし、れんだいこはいちいち記帳していないが、ならば過去において「悪法と徹底的に闘う」としてボイコット戦術を採用したことは無かったか。仮にあったとすれば、どう整合化するのか。 その三。「これまで野党でいろいろやってきたが、一致点での共同であって戦術上の違いはありうる。今後も一致点で力をあわせて共同してがんばっていきたいと考えている」。 れんだいこはもううんざりだが、諸賢はいかが思うか。この論法は宮顕−不破系の宿アのようなものでありかなり昔から使われている。木村氏は「偽の友」と云い為している。れんだいこは、「ぬるぬる気持ちの悪い理論」として批判している。 再掲してみる。 戦前日共の例であるが、宮顕のリンチ事件が発覚するなど党運動が最終的に瓦解された頃のコミンテルンの権威を借りた野坂の指示である。1936(昭和11).7月、野坂は、モスクワから「日本共産主義者への手紙」を送りつけ、当時の党の一般的見解を復唱したあと、現段階の重要戦術として次のように述べている。 概要「我々は、革命の基本的スローガンの抽象的宣伝にあまんずるような宗派主義的誤謬に陥るきらいがあった」、「反戦反ファシズムのための全人民の人民戦線の結成である。その為には、左翼、農村はもとより自由主義、進歩主義の団体より進んで官製組織、青年団、在郷軍人会にまで潜入し、幹部を孤立せしめ大衆を獲得しなければならぬ。その際、合法場面の利用、偽装に努めるとともにアジプロ活動は高度な観念的なるものを排し、時と場合に応じ大衆生活に即したものを取り上げ、常にこれを戦争反対、ファシズム反対に結合するを要する」。 野坂はいいこと云うなと受け取るようではおぼこ過ぎる。この真意は、野坂が要するに、左翼用語を使いながら「時局迎合の投降型運動」を指針させたことにある。「在郷軍人会にまで潜入し、幹部を孤立せしめ大衆を獲得しなければならぬ」と云いなしているが、要するに忌避せずむしろ積極的に加わり協力せよと云っている訳で、字面に騙されてはいけない。 今度は宮顕の例を挙げる。1960年初頭、安保闘争が次第に盛り上がりを見せつつあり、岸全権団の渡米を如何に阻止するかが懸案となっていた頃の宮顕の指示である。「(岸首相の渡米出発に際しては)全民主勢力によって選出された代表団を秩序整然と羽田空港に送り、岸の出発まぎわまで人民の抗議の意志を彼らにたたきつけること」(アカハタ.60.1.13)。1.14日アカハタは、「16日にはデモの形で羽田動員を行わないとする国民共闘会議の決定を、これを支持する我が党の方針は、多くの民主勢力によって受け入れられている」。 この意味は、日共は要するに、左翼用語を使いながら「岸全権団を穏和式に送り出し、急進主義的な渡米阻止闘争を阻止する」ことを指針させたということである。「岸の出発まぎわまで人民の抗議の意志を彼らにたたきつけること」なる字面に騙されてはいけない。「代表団を秩序整然と羽田空港に送り」の方に力点がある。従って、党中央は、岸全権団の渡米にではなく、渡米阻止闘争に猛然と反対を唱えて、全都委員・地区委員を動員して、組合の切り崩しをはかったという史実がある。 市川談話は、久しぶりにこの逸話を思い出させた。相変わらずのことを云ったりやっているなの感が深い。 |