449―119 | 拉致問題に絡む経済制裁論について |
管民主党の識見を問う | れんだいこ | 2004/02/24 |
拉致事件問題に絡んで対北朝鮮経済制裁論が台頭してきており、これに民主党が悪乗りしている。2004.2.24日付け毎日新聞によれば、「この時期に経済制裁意味ない」との福田官房長官の見解が記事にされている。 それによると、福田官房長官は24日午前の衆院予算委員会で、北朝鮮への経済制裁の可能性について「(6カ国協議などの場で)話し合いによって解決しようとしているこの時期に、経済制裁は意味がない」と述べ、先に成立した改正外国為替・外国貿易法による経済制裁を現状では発動すべきではないとの認識を示した。 民主党の池田元久氏が「北朝鮮は国際情勢を悪化させており、経済制裁を発動する余地が出てきたのではないか」と質したのに答えた。そのうえで福田長官は「他国と(制裁の)必要性の考え方を共有できる時期がくれば制裁を行う」と述べ、制裁は発動が必要との認識を関係国が共有することが前提との考えを示した、とある。【岩崎誠】 れんだいこには、民主党の悪乗りが、日露戦争終結のポーツマス講和条約を廻る日比谷暴動にダブってみえて仕方ない。 1905.9.5日、ポーツマス講和条約(小村寿太郎全権)が締結され、「賠償金なし、領土割譲は樺太南半分(南サハリン)だけ」で決着した。戦勝で南樺太の割譲(北緯50度以南)と朝鮮、満州、旅順と大連のある遼東半島の権益、ロシア沿岸での漁業利権を得たが、賠償金は一銭も取れなかった。 ポーツマス条約の講和条件がはっきりし始めるや、日本の有力新聞「東京朝日」、「東京毎日」、「大阪朝日」、「大阪毎日」、「報知」、「都」、「日本」、「万朝報」はこぞって、条約に厳しい批判を浴びせ、「恥ずべき」、「屈辱的」等々非難した。 9.5日東京日比谷公園で、「講話問題国民大会」が開かれ次の決議が為されている。「我々は挙国一致必ず屈辱的条約を破棄せんことを期す。我々は我が出征軍が驀(ばく)然奮進もって敵国を粉砕せんことを熱望する」(山陽新報・明治38.9.6日付け)。日本国民はこの講和条件に憤激し、戦争継続を叫び、暴動が起きた。 この時のマスコミ、国士気取りの政治家どもは、戦後になって口を拭ったままである。この日露戦争の勝利はその後の日帝の大陸侵略を加速し、その後行き着いた果てに最終的覇権をめぐって米英軍との戦争に突入した。それは帝国主義者どもの強盗戦争であり、我々大衆にとっては迷惑この上ない国家間戦争でしかなかった。 是非で論ずれば、日帝にも随分言い分がある。だがしかし、国内経済を疲弊させた見返りに大陸へ侵略して行ったのが実相であって、これを弁護できはしまい。そしてそのような政策は一時的に成功しても、やはりそこにはそこの民族主義者が居り最終的には叩きだされることになろう。歴史の積み重ねにはやはり重みがあるというべきだろう。 しかし、当時の戦争好事魔どもにはそういう後先が見えなかったし、弱い相手につけ込む利益の誘惑に勝てなかった。今がよければ良いという手前勝手な論理で戦線拡大していったのではなかったか。 まっこの種の話は多少難しいところがあるのでこれでとめる。問題は、民主党の池田元久氏の「北朝鮮は国際情勢を悪化させており、経済制裁を発動する余地が出てきたのではないか」との経済制裁煽り言動である。民主党中央の意向もこれを支持しているからこそ質問させているのだろう。 れんだいこの眼には、政治の貧困と映る。北朝鮮との交渉は、政経分離が宜しい。経済は生き物でありどんどん交流拡大していくのが宜しい。それを踏まえて、政治は断固として国益、主権を主張すれば宜しい。 確かに北朝鮮に対しては国益、主権の主張はよく出来ているようにも見える。だがしかし、つい最近のトップ級外交官の惨殺に対して調査をおざなりにし、時の風化を待つ精神との兼ね合いはどうついているのだろう。アメ帝の腰ぎんちゃくしていれば安泰などというほどアメリカさんは甘くない。利用価値のあるときにせいぜい利用するだけのことであろうに。 にも拘らず、米英ユ勢力に対しては腰砕けも甚だしい。その腹いせに北朝鮮にたいして威圧的になっているだけのように見える。今や、日米の政権当局者は、この北朝鮮という質駒を手にして上手に目くらましに利用しているように見える。日米権力者がイラクであるいはどこそこで悪事を働く場合には決まって北朝鮮問題が持ち出されているように見える。 その「目くらまし利用」の非を衝かず、民主党のアメリカナイズ系若手タカ派が悪乗りしている構図が、日露戦争終結時の日比谷暴動扇動にダブって見えるのもいささか根拠ありというべきではなかろうか。 やっぱ日本左派運動を創建せねばならない。さすれば、こういうイライラから解放されるだろうから、そう思う。 2004.2.24日 れんだいこ拝 |
(私論.私見)