「痴漢えん罪被害者ネットワーク元代表・長崎満の“電車内で盗撮、逮捕”
の報道を受けて」
2003年7月28日
「痴漢えん罪被害者ネットワーク」会員一同
日頃、ご支援いただいている皆様方、また、この会の趣旨に賛同し「呼びか
け人」としてお名前を連ねていただいた方々に対して、信頼を裏切ることとなっ
た今回の報道について、大変申し訳なく思っております。また、当ネットワーク
としても、未だに事実関係を掴みきれぬまま、当惑しているというのが実情です。
ただ、本人が盗撮をしたかどうかはともかく、疑わしい行為をとったことや周
囲の乗客の皆様に迷惑をかけたことは、「痴漢えん罪被害者ネットワーク」の代
表の一人として軽率だったと言わざるを得ません。
接見した弁護士などからネットワークが情報を収集し検証した結果、既に当H
Pでご報告申し上げたように、代表を更迭いたしました。
当ネットワークは、「明々白々な痴漢えん罪事件を主張している方を会員とし、
共に闘っていこう」という趣旨の下に結成された経緯があります。
(会員の選定や痴漢えん罪の定義は後日、当HP上に明記いたします。当ネット
ワークには、事務局はなく、専従スタッフもおりません。皆が仕事の合間に活動
しているので、迅速に対応できずご迷惑をおかけしております。今しばらくお待
ち下さい。)
全体会議を先日開いた結果、以下に記す諸点が確認されました。
今回の長崎満氏の逮捕時から勾留にいたる現在まで、核心部分についての当時
の状況を「酒に酔って覚えていない」と供述していることは、市民の皆様に訴え
かける際に共感を得られないばかりか、「疑いがある」と思われてしまうことは
明白です。
また、ネットワークのメンバーの中でも、「疑いの部分を拭えない」という声
が多数を占めました。
さらに、本人からも「ネットワークの皆様には迷惑をかけました。運動の一切
から身を引きたい」との申し出がありました。
これらを踏まえて検討した結果、7月23日をもって長崎満氏を、痴漢えん罪
ネットワーク」からも除名すると決まりましたので、ご報告いたします。
しかし、今回の事件には不明な点・疑問点が多々あるのも事実です。
・本人が「酒に酔って覚えていない」と言っているなど、詳細な事実関係が
不明であること。
・携帯電話のメモリを捜査当局が画像解析している最中であること。
「消去した」とされる画像も、携帯電話内のメモリを解析すれば全て復元
できるので、その結果がクロと出るまでは、犯行の有無が確定しないとい
う状況にあります。この点は「痴漢えん罪」とは異なり、「証拠」を調べ
れば、いずれシロかクロかがはっきりします。
・座席に座った状態で、対面の座席に座っている女性がいくら寝ていたとはい
え、OLがはくスカート丈の常識に照らせば、下半身を盗み撮りする行為に
相当するのか(ましてワイセツな意思をもって下着まで写せるのかどうか)。
・犯行をしたとされるのが、11時01分の大江戸線「中井駅」です。通例、
この時間帯は3つ先の「練馬駅」までは混んでいます。また、目撃女性が注
意したのが、「練馬駅」を発車直後でした。
これらは決して、自己正当化や自己弁護などではありません。「えん罪被害者」
という当ネットワークの性質上、事実確認には慎重にならざるをえないことを、
ご理解いただければと思います。
とは言え、「裏切られた」「いい加減な団体だ」などのご批判に対して、弁解
の余地はありません。
信用回復には時間がかかることでしょうが、「痴漢えん罪被害者ネットワーク」
会員一同、日ごろの行動をより厳しく律していく覚悟でおります。
長崎満氏の今回の件につきましては、捜査中ということもあり、確たる情報が
伝わってきません。接見をしている弁護士と密に連絡を取りつつ、捜査の推移を
見守りたいと思っております。詳細な情報が入り次第、HPを更新します。
今回の件により、当ネットワークが解散することはありませんし、HPを閉じ
ることもしません。「えん罪」を生む要因である、安易な捜査や不公正な裁判制
度と今後も闘うという姿勢にも、揺るぎはありません。
今日までご支援とご理解を賜りました皆様には、一層のご理解とご協力、なら
びに、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。