441―25 党中央幹部の犯罪痴態現象

 1955年の六全協により宮顕が党中央に登壇して以来の党中央の痴態と腐敗振りを通史で見ることは一興である。以下、れんだいこの思いつくままに列挙してみる。この場合、あまりに煩雑になるので党派闘争的反目による処分ないし除名を除き、あくまで親宮顕−不破一派の不祥事事件に限定して考察することにする。

 日共党中央問題を列挙しておく。志田事件、袴田事件、野坂事件、金子事件、市川事件題、金子事件、筆坂事件と続いている。金子の息子問題もある。果たして、宮顕、不破自体に纏わる不祥事はないと云えるか。


【市川正一問題・日共三枚舌運動が行き着いた腐敗ぶり】

 2000.12.27日付「しんぶん赤旗」によると、元書記局次長で名誉幹部会委員だった市川正一元参院議員(77)に「規律違反行為があった」として、今年5月に除名処分としていたことが明らかにされた。常任幹部会委員の経験者の除名は野坂参三元議長、袴田里見元副委員長(いずれも故人)以来、3人目。「共同通信」によると、「分派活動などの反党行為ではなく、女性との不倫問題」としている。市川氏は77年、参院全国区で初当選。以後、連続三回当選し、95年に参院議員を引退した。(K・M)


【金子広美氏による手記「さらば日本共産党、そして親父へ」】
 2000.9月頃、月刊現代10月号に、金子満広副委員長の二男である「金子広美」氏による手記「さらば日本共産党、そして親父へ」が掲載された。現役の日共副委員長の息子が、共産党の体質を痛烈に批判したことになり、関心が寄せられている。

 「金子広美」氏は大学1年生の時に共産党に入党し、以来、18年間の党員生活を送っていたが、かつて勤務していた首都圏の医療生協から党に対して、広実氏の生活態度に関する投書が寄せられ、これをめぐるいざこざから、今夏離党した。広実氏は「僕がこの手記を発表することによって、今年の11月20日に行われる党大会で親父が副委員長の座を追われることも予想される」、「僕と親父との関係も、修復不能なものになるかもしれない」と、“悲壮な覚悟”を宣言し、党の体質を糾弾している。
 9.14日、赤旗は、「手記」の背後にある事実関係を暴露する記事を掲載した。記事は、この「手記」について、「父親が党の幹部であることを唯一の看板にして、マスコミに日本共産党攻撃を売り込もうなどというのは、卑劣のきわみというべき」、「そこで党批判として書かれていることは、すべて他人の借り物の議論ばかり」と断罪している。しかし、記事は、「手記」が指摘した日共党中央批判についてはダンマリを決め込んでいる。

 「金子広美」氏は、「手記」のはじめの部分で、自ら問題のあった党員であることを認めながら、「いわば共産党の『不良息子』だからこそ理解できた党の矛盾点や末端党員(特に若い世代)の苦悩を踏まえて」総選挙の敗因と党が変わるべき部分を指摘したいとして、次のように述べている。

 まず、今年6月の総選挙で、共産党が大敗したことについて次のように述べている。
 「志位(和夫)書記局長のように大学時代から活動に専念してきた実社会経験ゼロの純粋培養候補者がズラリと並んでいる。社会生活上の苦労や職場の人間関係を知らずに机上の理想論を並べ立てる候補者が、選挙民から支持を受けるはずはない」

 総選挙の敗因として、次のような主張を並べている。1、「金太郎アメ」の候補者ばかりで人間的な魅力のない人が多い。2、当選を勝ち取る執念・熱意が幹部も含めて薄れてきている。3、党の幹部が小選挙区に重複立候補して票の掘り起こしを行なわなかった。

 次に、党の活性化や躍進をさまたげるものとして官僚主義の弊害を指摘する。但し、これを右から批判している。「党名や綱領を変えない限り連立を組む気はない」という鳩山由紀夫の発言を「党以外の支持者や大衆の期待」だとして評価し、「変更があり得ない」とする党中央の立場を批判している。

 この右からの批判は次のような観点に繋がっている。
 党中央は最近になってようやく、自衛隊問題、日米安保問題、天皇制の問題などについて若干だが舵を右に切った(もっとも党中央は右旋回したなどとは思っていないが)。しかし現実に即した路線への転換は、若い世代が数年前から主張していたことである。それを古い世代が押さえつけていた側面が確かにあった。

 この観点は、「党指導部による最近の右旋回の動き」とハーモニーしている。さざなみ通信の「<雑録―2>党幹部の息子による総選挙敗因分析」(サイト元不明)は次のように批判している。
 彼が肯定的に評価する党中央の「右旋回」は、彼の言う党内の若い世代によって推進されたものでもなければ、民主的討議によってすすめられたものでもない。それは、指導部の独走によって進められているものであり、要するに彼自身が問題だとしている官僚主義によってすすめられた「右旋回」なのである。彼は、現在の党指導部による右転換を歓迎する多くの論者と同じく、その右転換に加えて、あと官僚主義や党内民主主義の問題での転換さえすればよいと考えているのだが、その両者が密接に結びついていることがみえないか、あるいはみようとしない。
 こうしてみると、「広美」氏の立場は、党中央の「右旋回」に対して外野席から拍手を送り、次は官僚主義をなんとかすればいいんだよ、と独り言を言っている傍観者にすぎないことがわかる。けっして日本の変革のために党の組織路線や政治路線を主体的に変えていこうとする立場ではなく、離党の原因が、まったく個人的な事情によるものであったことをこの「手記」が裏付ける結果になっている。

 「金子広美」氏は、党が「民主団体の経営者の労働条件に問題があっても口を挟まない。身びいきで独善的だ」と述べ次のように批判している。
 概要「党は、大企業の労働条件には厳しく目を光らせ、苛烈なサービス残業などには口角泡をとばして攻撃する。ところが、党の友好団体の労働条件にはまったく目をつぶったままだ。党の周辺や支持団体の職員などが『過労死』したケースも僕は見てきた。ならば、企業の賃金体系や労働条件にも文句をつけるべきではないのではないか」。

 赤旗は、記事の中で、「広美氏による中傷」だと断じている。党の独善的な体質を“告発”した金子氏の指摘は通じていない。
 注目されるのが、共産党側の対応。共産党広報部では「金子副委員長に連絡がつかない」と話している。

 9.23日、共産党は、金子満広、立木洋両副委員長の党役員退任を内定、24日に正式に決める。両氏は中央委員を退き、名誉役員に就任する。金子氏は72年に衆院議員に初当選、6期務め、82年からは書記局長を8年務めた。90年から副委員長だが、先の衆院選には出馬しなかった。宮本顕治名誉議長の引き立てを受け、出世街道をひた走った経歴を持つ。立木氏は72年に参院議員に初当選し現在5期目。97年から副委員長。

緒方宅盗聴事件 国、神奈川県が上告断念 警察の組織的犯行認めた判決確定 金子副委員長が談話

19970711 しんぶん赤旗

 神奈川県警の現職警察官による日本共産党緒方靖夫国際部長(現参院議員)宅の電話盗聴裁判で10日、警察庁と神奈川県は上告を断念しました。これにより、神奈川県警の組織的盗聴が認定された東京高裁判決が確定します。(4面に関連記事)

 同裁判は、緒方氏と家族2人が「プライバシーや通信の秘密を侵害された」として国、神奈川県などに損害賠償を求めていたもので、先月26日の東京高裁の二審では、1審判決を認め、国と県に1審の倍額、約4百万円の損害賠償を命じています。

 原告側は上告しない方針で、事件は発生から11年余りをへて、警察による組織的違法行為を認定する形で終結をむかえました。

 日本共産党の金子満広副委員長は同日、上告断念について「長期にわたるたたかいの勝利であり、画期的な成果である」としたうえで、橋本内閣と警察当局にたいし「ふたたびこのような違法行為をおこさないことを確約し、秘密警察の廃止をふくめて、その組織的な保障措置をとることをつよくもとめる」との談話(全文2面)を発表しました。

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