2019大阪ダブル選/共産が自民擁立候補を自主支援

 更新日/2019(平成31).3.18日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 

 2007.3.6日 れんだいこ拝



2019大阪ダブル選/自民党系が立候補
 2019.3.8日、大阪ダブル選 反維新勢力の一本化狙うも野合批判のジレンマ。「大阪都構想」に反対し日本維新の会と対立する立憲民主党などの主要野党は、自民党が擁立する候補への相乗りを模索する。平成27年11月の知事・市長ダブル選で圧勝した松井一郎知事(日本維新の会代表)を抑えるには、「反維新」勢力の糾合が不可欠な情勢だ。一方で、国政で対立する自民党と組むことで「野合」批判を招きかねないというジレンマも抱える。立憲民主党の辻元清美副代表(党大阪府連代表)は8日、府連での記者会見で、自民党系候補の支援に含みを持たせた。「みんなが納得できる候補者ならば(相乗りで)いい。都構想反対の人は大同団結できるのではないか」。大阪では、立憲民主党や国民民主党の地力は乏しく、自民党候補に乗るほかないのが実情だ。立憲民主党関係者は「うちが候補を立てることはできないから、出した政党に乗るしかない」と明かす。

 維新が一定の地盤を持つ大阪の選挙や住民投票では自民党と旧民主党系政党、共産党が「反維新」で結束するケースが珍しくない。大阪都構想の是非が問われた平成27年5月の住民投票の際は、自民党の柳本卓治参院議員が共産党の山下芳生副委員長(当時は党書記局長)らと一緒に同党の街宣車の上で演説し、山下氏らを「兄弟」とまで持ち上げた。異例の「自共共闘」に、菅義偉官房長官は「全く理解できない」と苦言を呈した。「反維新」での共闘は、野合批判を招く「もろ刃の剣」でもある。維新は、敵方の弱みを見透かし、普段は対立しながら手を組もうとしている与野党の姿勢に矛先を向ける構えだ。

 知事選に出馬する吉村洋文大阪市長(地域政党「大阪維新の会」政調会長)は8日の記者会見でさっそくジャブを放った。「自民党、公明党、立憲民主党、共産党、国民民主党…。一緒になって(選挙を)やろうと言っているじゃないですか。国会ではあれだけワーワーやっているのに、何かおかしいなぁと思いますけど…」。
 2019.3.14日、4月7日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選で、自民党が市長選への出馬を要請していた元大阪市議の柳本顕氏(45)が14日、同市内で記者団に対し、「市長選に出馬する覚悟を決めた」と表明した。

 市長選には松井一郎知事(地域政党「大阪維新の会」代表)が出馬する予定。知事選では、維新の吉村洋文大阪市長と自民推薦の小西禎一氏が対決する。これにより「大阪都構想」を争点とした維新と「反維新」の候補者による選挙戦の構図が事実上、固まった。柳本氏は前回2015年の市長選にも立候補し、吉村氏に敗れた。夏の参院選に大阪選挙区から自民公認で出る予定だったが、4月のダブル選という短期決戦を前に、政策通で市長選の経験がある柳本氏に自民府連が出馬を求めていた。

 3.14日、公明党府本部が自民党が擁立した元副知事の小西禎一氏候補を推薦する方針を固めたことが分かった。公明は「大阪都構想」をめぐる議論で松井一郎知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」と対立している。公明関係者は同日、「反維新」候補の支援について「都構想の経緯もあり、今回は態度を明確にした方がいい」と語った。

2019大阪ダブル選/共産が自民擁立候補を自主支援
 2019.3.18日、共産党大阪府委員会の柳利昭委員長は、府庁で記者会見し、4月7日投開票の大阪府知事・市長ダブル選への対応について、自民党が擁立した元副知事の小西禎一氏候補を自主的に支援すると発表した。松井一郎知事が代表を務め「大阪都構想」の実現を目指す地域政党「大阪維新の会」に対抗する立場で決定した。
 共産党の小池晃書記局長は同日の記者会見で、来月の大阪府知事選と大阪市長選で自民党系候補を「自主支援」すると発表した。自民党が知事選に擁立する小西禎一元副知事と、市長選に出馬する柳本顕元市議がいずれも大阪都構想阻止を掲げていることが決め手になったという。共産が反対するカジノを含む統合型リゾート(IR)については、府議選などで訴えると線引きした。小池氏は「都構想は地方自治の土台を壊すもので次元が違う。維新政治を終わらせるための共闘には大義がある」、「政策の違いを超えて、『維新政治をやめさせてほしい』という府民の強い願いを受け止めた決定だ」と述べた。
 「大阪府知事選、大阪市長選への対応について/柳党府委員長のコメント」。
 日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長は18日、4月7日投票の大阪府知事選、大阪市長選への対応について、次のコメントを発表しました。

 21日告示の大阪府知事選挙に、元副知事の小西禎一氏が出馬する。11日の記者会見で小西氏は、今回の「ダブル選」にいたる経緯への批判が出馬の大きな動機だと語り、「大阪都を終わらせる」ときっぱりのべた。また総務部長・副知事として「維新政治」への疑問と批判をもっており、大阪府・市の関係や自治体のあり方をまともなものにする見識と意欲を示した。これらは「大阪都」ストップ・「維新政治」転換を願う広範な府民と共同しうるものである。

 小西氏の政策にはわが党とは一致しないものが含まれている。カジノ問題では、「依存症対策など懸念がある」とのべながら、マニフェストで「幅広い府民の意見を踏まえたIRの推進」としており、「カジノゴリ押し」を策す維新とは一線を画すものの、府民多数の世論に根ざした「大阪にカジノはいらない」との立場にはいたっていない。

 しかし、わが党は「『大阪都』構想ストップ、『維新政治』を終わらせる」立場から、あえて独自の候補者を擁立せず、小西氏を自主的に支援する。また同じ立場から、大阪市長選挙に立候補する柳本顕氏についても、「都」構想に終止符を打つため参院選自民党公認候補を辞め、無所属で立候補したことにも留意し、自主的に支援する。

 これは政策や立場の違いを超えて、「維新政治を転換してほしい」という府民各界各層の願いを受け止めてのものである。「都」構想は、大阪市を解体し地方自治の土台そのものを破壊するもので、個々の政策問題とは次元の異なる「異質の悪政」である。「都」構想に終止符を打ち、この企てを最大の存在意義とする「維新政治」を終わらせるために、各政党・団体・個人が個々の政策問題では違いがあっても、それぞれの立場をのりこえ共同することは大義あるものであり、今回はその大きなチャンスと考える。

 わが党は「維新政治」に終止符を打つため、広範な府民のみなさんと力を合わせて、知事・市長選勝利のために総力をあげる。

 同時に、わが党が大阪府議選、大阪市議選、堺市議選で躍進することは、「維新政治」を終わらせ、「住民が主人公」の政治をつくる決定的な力となる。「カジノよりくらしの安心・希望/大阪都ストップ、維新政治転換を」――このスローガンを高く掲げ、これを府民的な大争点に押し上げて、議員選挙での躍進を必ずかちとる。

 立憲民主府連は、小西、柳本両氏の自主支援を決定。国民民主府連も支援する方向のほか、連合大阪も小西氏の推薦を決め、依頼があれば柳本氏も推薦する方針。





(私論.私見)