天理教式葬儀考 |
更新日/2019(平成31→5.1栄和改元)年.10.20日
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、「天理教式葬儀」を確認しておく。2021.4.20日、「天理教の葬儀 -お通夜・お葬式の流れとマナー。香典や数珠は必要?」その他参照。(目下、書きつけ段階で精査していない) 2003.8.29日 れんだいこ拝 |
【天理教式葬儀要領】 |
天理教は教派神道の一種なので、その葬儀内容は仏式よりも神式に近いものになっている。但し、一般的な神式とは異なる点もある。もっとも大きな違いは、「死」を「出直す」と捉え、これの儀式を行うところにある。天理教では、現在の身体は神から借りているものだと考えているため、葬儀は「借りていた身体を神に返し、新しい身体が見つかるまで自分の魂を神に預かっていただくための儀式」と云うことになる。このため、天理教では「亡くなる」という言葉は用いず「出直す」という言葉を使う。また「命日」という言葉も使われず、その代わりに「出直し当日」という。葬儀においてお悔やみの言葉を使わないのも特徴となっている。 |
天理教の葬儀は仏式とは異なるが、遺体の搬送方法などは仏教と変わらない。亡くなったら葬儀社へ連絡して寝台車で運ぶ。但し、天理教の葬儀をする場合は、仏教のお坊さんの代わりに祭官や楽人を依頼する必要がある。葬儀社には天理教の信者であることをしっかりと伝える必要がある。 |
通夜(みたまうつし)の作法(玉串奉献と参拝) |
天理教の通夜は「みたまうつし」と呼ばれる。「みたま」とは魂のことで、「今まで使っていたからだから魂(みたま)を移す」という意味から名付けられている。「みたまうつし」は天理教においてとても重要な儀式で、告別式以上に優先されることもある。 |
うつしの詞奏上 |
故人の身体から魂を移すための儀式です。この儀式の最初に「うつしの詞」が唱えられる。 |
「みたまうつし」の儀 |
告別式(祭葬儀)の流れ・式次第 |
天理教の告別式の一般的な流れ・式次第は以下の通りです。 |
入場 |
葬儀に参列する人々が入場、着席する。 |
献饌(けんせん) |
神様に供え物をする。なお、献饌は仏教の葬儀にはない。 |
祓詞奏上(はらえことばそうじょう) |
神事で最初に唱えられる「祓詞(はらえことば)」が述べられる。 |
しずめの詞奏上 |
「しずめの詞」が唱えられる。 |
しのびの詞奏上 |
しのびの詞が述べられる。 |
玉串奉献(たまぐしほうてん) |
仏教でいう焼香の儀式です。心を玉串にのせ神にささげるという意味がある。玉串とは榊のことで玉串を祭壇に捧げる。玉串を斎員から受け取ったら、左手に葉側がくるように両手で持つ。そのまま祭壇の前へと移動し、玉串の葉側が祭壇に、枝側が自分に向いた状態で一礼する。次に玉串の左右を逆にして持ち、玉串を時計回りに回す。そして、枝側を祭壇に向けた状態で玉串台に献じる。 |
列拝(参拝) |
玉串奉献を行った後に列拝(参拝)をする。天理教では、「二礼四拍手一拝四拍手一礼」がマナーとなっている。なお神教では拍手のときに音を立ててはいけない(しのび手)とされているが、天理教では音を立てても問題ない。お辞儀の深さも重要なポイントで、「礼」は軽い30度のお辞儀、「拝」は最敬礼であるため90度しっかりと腰を折るようにする。 |
告別詞奏上 |
告別詞が述べられる。 |
斎員列拝 |
斎員が礼をする。斎員とは、神式の葬儀において斎主の助手として働く人々のことです。斎員列拝では、葬儀関係者が揃って礼をする。 |
玉串奉献 |
玉串を祭壇に捧げる。 |
遺族、親族、一般参列者 玉串奉献および列拝 |
喪主、遺族、一般参列者の順に、玉串奉献および列拝をする。 |
服装 |
葬儀服は基本的には仏教の葬儀と同様の喪服を着て問題ない。実際に、一般的な黒のスーツを着て参列している人が多い。但し数珠は必要ないということです。天理教ではそもそも数珠という概念はない。 |
香典 |
天理教の葬儀に参列するときの香典は、市販の香典袋や封筒に包んで問題ない。蓮の花が描かれている香典袋は仏教式なので意味がない。水引の色は白黒、あるいは白黄。水引の形はほかの宗教・宗派の葬儀と同様に結びきりです。 香典の表書きは「御玉串料」、「御榊料」、「御霊前」などが一般的。天理教では、仏教でいう仏様のことを「霊様(みたまさま)」という。そのため仏式でよく用いられる「御仏前」という表書きは使わない。香典に納める費用については仏式とほぼ同様と考えてよい。香典として包む金額の相場は、故人との関係性や付き合いの深さ、参列者の年齢などによって異なる。 |
退場 |
葬儀に参列した人々が退場する。なお、通夜と同様に献饌と撤饌については省略されることがある。また、弔電や弔辞が披露されることもあり、その場合は一般参列者の玉串奉献および列拝の後に行われる。 |
撤饌(てっせん) |
神様への供え物を下げる。なお、献饌および撤饌は参列者は時間の関係によっては省略されることもある。 |
(私論.私見)