心と体の相互作用考

 更新日/2025(平成31.5.1栄和改元/栄和7)年.1.29日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「心と体の相互作用考」について確認しておく。

 2023(平成31.5.1栄和改元/栄和5)年.3.29日 れんだいこ拝


【心と体の相互作用考】
 「心と体の相互作用」その他参照。
 人間の体は、驚くほど見事に設計されている。皮膚と心は、みなさんが思っている以上に深く関係しています。最近の研究では、人間の脳には860億から1,000億個の神経細胞があり、それらが体内や体表面のあらゆる所とつながっていることがわかっています1。この数は、だいたい私たちの銀河系にある星の数と同じです2。人間の皮膚は、1cm四方あたり2,500個の神経細胞が集まっており、それらが心とつながっていることを考えれば、皮膚疾患を持つ人のうち40%が、身体的な症状だけでなく、何かしらの感情的、精神的影響を受けていることは不思議ではありません。心と身体の関係は常に変化し、さまざまな形で現れます。こうした心と身体の関係を、心理学と生物学との両方の側面から眺め、これらの知識を活かす方法を考えてみましょう。
 心理学

 あらゆる心理学者は長年にわたって、心と身体は別のものか、それとも同一のものか、そして心と身体は互いにどう影響しあっているのか、という疑問を問い続けてきました。
 「思考(心)は筋肉の動き(身体)に影響を与え得るというのが、ボディマインドシナジー(心と身体の統合)という考え方です」。

 心理学者たちの討論の中心となるのは、心と身体の関係性そのものです。一部の心理学者は、心と身体は本質的に同一のものであると考えています。これを一元論と呼びま。一方で、心と身体は別のものだが互いに影響しあって働いている、という考え方を持つ心理学者もいます。彼らが支持するのは、思考(心)は筋肉の動き(身体)に影響を与え得るという、「ボディマインドシナジー(心と身体の統合)」の考え方、すなわちデカルト的二元論に沿った考え方です。心と身体の相互作用についての説明は単純なものです。日々の生活の中で身体の現象と心の現象は互いに影響しあっているのだから、相互作用はあるに違いないという考です。例えば、思考や感情は話し方や行動に影響を及ぼします。つまり、何らかの相互作用が働いているということです。
 生物学

 人間の体内には、心と身体の関係を仲介する多くの化学物質が存在していることも、科学によって明らかにされています。その中のひとつにホルモンがあり、アドレナリンやインスリン、成長ホルモンなどさまざまなホルモンがあります。また、エストロゲンやテストステロンという名前を聞いたことがある方も多いでしょう。これらはどちらもホルモンの一種で、血液中を流れて身体と脳の間でメッセージを届けています。 ホルモンには皮膚に大きな影響を及ぼすものもあり、その量が多すぎても少なすぎても良くなく、乾燥やシワ、シミの原因となります。例えばエストロゲンは一般的に女性ホルモンのひとつとして挙げられますが、実際には男性も女性も持っているホルモンで、皮膚の厚みや保湿に影響を及ぼします。また男性ホルモンとも言われているテストステロンも同様であり、皮脂の生産を促進することによって、皮膚の潤いを保ってひび割れを防いでいます。実は、これらのホルモンが心にも作用しているのです。テストステロンは気分の調整を担うことが証明されており、またエストロゲンは感情をコントロールする脳の部位に影響することも研究によって示唆されています。 これは、ホルモンが人間の心と身体に作用している一例で、ホルモンが皮膚症状と心理面にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにしています。これだけでなく、他にも多くのホルモンが心と身体の化学的な関係を支えていると言われています。
 建設的な関係

 心と身体は相互関係にあり、どちらの方向にも働きます。これは最近の研究による考え方であり、前向きな姿勢は身体がより健康になり、寿命も伸ばす可能性があることが示されています11。同様に、健康なライフスタイルを維持することで、皮膚の症状からくる精神的な辛さを乗り越える助けにすることができると考えられています。禁煙をする、リラックスした時間をとる、ジムに通う、あるいはもっとシンプルに、健康的な食生活を送る、といった方法でも、身体の健康に気を配れば、精神面も自然と安定していくと考えられます。

 ご自身の皮膚と心の関係に気を配り、それをコントロールするためのサポートが必要と感じたら、担当医に相談してください。担当医から専門医、看護師、または精神面の安定を専門とする心理士を紹介してもらえるかもしれません。自分自身で心と身体の関係を考えることもとても大事なことであり、肌の状態を心理面からコントロールするのに役立つことがあります。

 心と身体は非常に多くの、そして多様な関係性で結ばれています。患者さんがこうした知識を得ることで、ご自身の症状についての理解を深め、より望ましい皮膚の状態となるよう願っています。

 身体的な疾患が精神に与える影響には様々なものがあります。従来体と心とは密接に結び合わさっているもので、身体的なけがや病気が精神面に及ぼす影響は多種・多様に渡って存在します。
身体疾患は、まず患者様の感覚的な部位に作用します。痛みやだるさ、苦しさ、吐き気など種々の程度の不快な感覚は、患者様の日常生活にとっては非常な負担となります。身体感覚が心に作用してくると、不安感やいらいら、喜び、悲しみなどの感情面での障害を引き起こすことになります。患者様にとっては痛みや苦痛などの日常的な不快感が伴うため、これら感情面の症状を抑えることがより難しくなります。また、記憶困難や記憶の混乱など、記憶面に影響が及ぶこともあります。
身体疾患や、それにともなう精神疾患が患者様の周囲の人々にもたらす影響やそこからの反応によって、ふたたび患者様自身への影響が起きる場合もあります。対人関係でのストレスや、社会からの孤立による阻害感、などがこれに当たります。ひどい場合は自殺願望や無気力などの重篤な症状に陥る場合もあります。

 精神的な問題を引き起こす身体疾患にも種々のものがあります。精神性疾患の原因となる身体疾患には、体の特定の部位の病変によるものや、全身の不調を原因とするものがあります。身体疾患が精神面に与える影響は、主に認知機能に関わるものと、それ以外のものとの2種類に分類されます。認知面での疾患としては、血管の動脈硬化が原因で血管性の認知症を引き起こすことがあります。これは、脳の動脈内部が細くなり、脳細胞が死滅してしまうことによって起こる病気ですが、比較的若年でも起きる病気で、無気力やいらいらを伴うことがあります。認知症以外のものでは、気分障害や不安障害、睡眠障害、うつ病など、多岐にわたります。これらの原因となるものは、甲状腺機能の亢進症や低下症、糖尿病、更年期障害などです。過度のダイエットなどによる栄養失調によっても、これらの症状が起きる場合があります。とくにがん患者様や、糖尿病の患者様において、同時にうつ病に罹患することが多くなっています。

 身体疾患と精神疾患とがリンクしている場合、まずは精神的な症状の原因となっている身体疾患を治療することが急務となります。それとともに、患者様自身の精神面でのケア、身体疾患によって心の問題も起きうることを患者様に伝えながら総合的に治療を進めていく必要があります。患者様自身に病気のことを正しく伝えるインフォームド・コンセント、患者様自身が自分に見合った治療を選ぶインフォームド・チョイスによって、患者様が自身の病気とその治療にむけて積極的にかかわる意思を持つことが非常に重要です。また、必要であれば精神的な問題の軽減のために抗鬱剤や精神安定剤などの薬剤が使用されます。
 人体の多くの器官にはかなりの余裕や余力があり、ダメージを受けても十分に機能を果たすことができる。例えば 肝臓は、通常、その3分の2が破壊されて初めて深刻な状態となる。また、 や 腎臓が片方しかなくても、通常は生きていける。一方、わずかなダメージでも機能不全や症状の発現につながってしまう器官もある。例えば、脳の動脈に閉塞や破裂(脳卒中)が起こり、脳の重要な部分の組織が少量破壊されただけでも、話す、手足を動かす、バランスを保つといったことができなくなる。また 心臓発作によって、心拍を発生させる信号を出したり伝えたりする心臓の組織がわずかでも破壊されると、心拍数が危険な水準にまで低下し、死に至る場合もある。

 病気はしばしば解剖学的構造に影響を与える。また解剖学的構造の変化が病気の原因となることもある。組織への血流が遮断されれば、組織が死んでしまい(梗塞)、 心臓発作(心筋梗塞)や 脳卒中(脳梗塞)が生じる。心臓の弁に異常があれば、心臓の機能不全が起こる。皮膚に外傷ができれば、バリアとしての機能が低下し、感染につながる。 がんのように細胞の異常な増殖が起これば、正常な組織を直接的に破壊したり、最終的に破壊したりするような圧力が生じる。

 病気と解剖学的構造の間には深い関係があるため、体の内部を見る画像検査は病気の診断と治療の柱である。X線検査(レントゲン)の登場で医療のあり方は大きく変わり、医師は手術をしなくても体の内部を見て、内部構造を調べることができるようになつた。X線とコンピュータを組み合わせた検査(CT)も、大きな進歩をもたらした。CT検査では、人体内部の詳細な断面像(2次元像)を撮影することができる。体内の構造を画像化する手法はほかに、音波を利用する 超音波検査、磁場の中での原子の動きを利用した 磁気共鳴画像(MRI)検査、体内に注入された放射性化学物質を用いる 核医学検査などがある。これらの手法では、手術と違って、体を傷つけずに体内を見ることができる。

【病気の由来性関係考】(「病気と心の密接な関係」その他参照)
 「病気は教師である」 と云われる。人は病気になることで何かを教えられ、自分自身を深く省みる機会を得ていわゆる一皮むけた状態になる。これが魂のレベルアップに繋がる。

 即ち、「病気に於ける由来性との関係」が認められるので、病気を見れば、その人の生活習慣が分かる。だから病気を治すのに対処療法的治療を専門とする医者や薬だけに頼る訳には行かない。自分自身が病気と対峙し、その病気の原因を見つめ、原因からの治癒を目指さねばならない。その原因とは生活習慣である。生活習慣は、生活態度、食事、心、気から構成されている。

 血がきれいか汚いかが大事である。血がきれいな人は顔色もよく身体も元気(血流がよく体温も高い)。便秘で体中に毒素の多い人は顔色も悪く血が汚れている(血流が悪く体温も低い)。女性の場合には生理痛が酷くなる。血がきれいになることに心が大きく作用する。心の持ち方が摂理に合っていると血は実にきれいで、その反対にどん欲で自己中心の人の血は汚れている。次に血がきれいになるには食事が大きく作用している。食事では、肉食禁止又は控えめ。遺伝子操作していない食物を摂取。

自然な物(気があるもの)野菜、海草、を食べる。加工食品、ファーストフード、お菓子ばかり食べない等のセルフコントロールが大事である。自然の恵みに感謝しおいしく食べる小食が良い。


【病は気から考】
 「病気に於ける心の持ち方との関係」を見るのは良い。なぜなら、「心のゆがみが脳に作用し、脳の機能障害から種々の病気が生み出される」と推理できるからである。栄養失調、不良がこの事態をさらに悪化させる。

 問題は、かく理解するのは良いとしても、心の歪みと病気の関係をこじつけ的に発見したり説いたりすることにある。事はそう単純なものではない。そういう関係性を知った上で、慎重に観察し続け、次第に獲得された経験知で概略を述べる嗜みがあって良い。世間に流布する「心のゆがみが病気の原因」には直截的短絡的なものが多過ぎる。

 最新研究は「プラシーボ(偽薬)効果」を認めつつある。「プラシーボ(偽薬)効果」とは、「効くと信じて飲めば効く。効果について疑いの気持ちで飲めば効かない」現象を云う。

 「脳が不快なことをやめれば健康になる」。
 病気が治ってもずっと不健康な人がいます。一方、がんになっても健康な人がたくさんいます。その違いはどこにあるのでしょうか? 健康を本当に左右するのは、いったいなんなのでしょうか? その究極の問いに挑み、数々の患者を見続けてきた経験から、ついに導き出された「答え」を紹介するのが本書です。著者の石川陽二郎氏は、「陽子線治療」という最新のがん治療の専門家として、全国から訪れる患者の命と向き合う一方、創業から80年以上続く地元密着の診療所でも人気医師として活躍し、風邪や体調不良に悩む人々の治療を続けています。その「両極端の現場」でさまざまな患者に接して気づいたことは、健康になるか、不健康になるかの「境目」は、がん患者でも一般の患者でも、結局のところどちらも同じということです。

 私たちの健康は脳の一部である「扁桃体」の乱れによって、大きく左右されていたのです。がんなのに健康な人も、病気ではないのに不健康な人も、すべて扁桃体に注目することで説明できます。この扁桃体とは、今さまざまな分野で注目を集める脳の部位で、「不安」や「恐れ」などの感情に関与しています。私たちは日々の生活で、視覚、嗅覚、味覚、触覚などを通してたくさんの刺激を受け、心地よく感じたり、不快に感じたりしていますが、その「快・不快」の判断を扁桃体がしており、「不快な刺激」と判断された場合に自律神経が乱れ、免疫力を低下させていたのです。なかでも扁桃体が最も「不快な刺激」と感じるのが、「不安」という感情です。不安を感じることが自律神経を大きく乱し、免疫力低下につながっていたのです。

 これは極めて大きな発見でした。なぜなら、昔から「病は気から」と言われてきましたが、それが決して精神論的な話ではなく、医学的・生物学的にも正しいことだとわかったからです。そして同時に、医学的・生物学的なアプローチによって免疫力を高め、健康になるための「対処法」を立てることが可能になったということだからです。ではその「対処法」とはいったいなんなのか? それはひと言でいえば、
「扁桃体を整える生活」を送るということです。そのためには三つのポイントから扁桃体に「不快な刺激」を与えない生活習慣を心がけてください。具体的には次の三つです。
1「皮膚から受ける刺激」を不快にしない
2「目、耳、鼻、口から受ける刺激」を不快にしない
3「腸から受ける刺激」を不快にしない

 難しいことはまったくありません。「朝、目覚めたら手足を5分間こすり合わせる」、「音楽は生演奏を聴く」、「常にのどを潤すことを心がける」など、日本人が昔から続けていた生活習慣を、もう一度見直し、実践するだけで大丈夫です。実際に「扁桃体を整える生活」を取り入れた患者さんのなかには、たった1日で抱えていた症状が減り、薬も減量することができたという効果が確認されています。健康になって本を書いたり、音楽の全国コンクールに出たりと、「新しい目標」が見つかったという人がたくさんいます。「扁桃体を整える健康法」は、最新の医学的知見と一般診療による知見、その両方から実証された、最も信頼でき、無理なく続けられる「最高の健康法」なのです。

 「斉藤 一治FB」。
 ソマチッドは、人間の他に動物や植物などの生物全般に存在するだけでなく、鉱物までに存在しています。土中、河川、海など、地球上のあらゆる場所に存在している珍しい生命体です。ソマチッドの細胞内の働きを観察しますと、どうやら、DNAの産みの親として、恒常性維持機能(自然治癒力)や活性化機能の基本を担っているようです。ソマチッドが、元氣であれば、DNAは正常に機能して、ガンのような不良細胞や、DNAが変性して起きる起きる各種の難病が発症することはありません。活性機能によって、次々と新鮮で活力に満ちた細胞を生み出します。

 ソマチッドは、血流に乗って、全身を移動して、肺・肝臓などの内臓組織、骨組織、脳などの神経組織なとの組織で、それぞれの機能に合ったソマチッドとして働いています。「肺のソマチッド」「骨のソマチッド」として、その機能が最大限に力を発揮できるように働いています。

 ソマチッドは、変容します。これは体内環境が大きく関与しているようで、その状態によって様々な形に姿を変えます。病氣やストレス、鬱症状で氣分が落ち込んで、体内の環境が悪化すると、殻を作って自ら閉じ籠って、不活性になつてしまいます。ですから、いつも明るいポジティブな氣持ちで、生活することが重要です。明るく笑って陽氣暮らしをしましょう。
 「斉藤 一治FB」。
人類の長い歴史のなかで、細菌だけが人間の生物界の敵であったのではなく、またおそらく、もっと重要な敵であったのでもないだろう。こっそりと目を光らし、いつでも一刻のすきも与えず攻撃を加える、人間や人間に似た野蛮な生物がいた。
また、復讐や安全や、獲物を得ることのために戦う必要もあった。この過酷な境遇のなかでは、恐れと怒りが行動を導くものとしてその役割を果たしていた。恐れは、走る本能、逃げる本能と結びつけられ、怒りや攻撃しようとする感情は、攻撃する本能と結ばれるようになった。これらは、生存のためのきびしい闘争のなかで、何代にもわたる経験から生まれた本質的な感情と本能であって、そのような闘争のなかで真の意味を持っている。

 これは「からだの知恵ーこの不思議なはたらきー」ウォルター・B・キャノン著(舘ちかし・舘澄江訳 講談社学術文庫刊)からの引用です。この書籍がアメリカで出版されたのは1932年です。西洋医学ではそれまでは、パスツール・コッホが唱えました「細菌」病因観が主流でした。しかし、このキャノンの研究から「恐れと怒り」という精神・心・氣が身体に大きな影響を与えていることが判明しました。言わば、迷信扱いされていた「病は氣から」が見事復活しました。

 キャノン博士の実験は、猫を檻に入れて、猛犬の傍らに置きました。そして恐怖に身構えて身体を固くしている猫の血液を採取しました。結果、血液中に一定の微量物質が検出されました。この「恐怖物質」が副腎髄質から分泌されるアドレナリンというホルモンでした。その後、このアドレナリンは自律神経の交感神経を作動させるホルモンであることが明らかになりました。一方、セリエ博士は、ネズミをグループに分けて、Aグループには寒冷、Bグループには熱、Cグループには機械的刺激というように、さまざまな不快刺激(ストレッサー)を継続的に与えて後、解剖して調査しました。そうしましたとことろ、不快刺激の種類とは無関係に、ネズミには同じ症状が表れました。まずは胃がただれ、次に潰瘍ができ、胃に穴が空きました。同時にネズミの副腎が小さく萎縮しておりました。この研究から、セリエ博士は副腎皮質ホルモンを発見して、これが生体防衛機構の主役であることを突き止めました。

 これがストレス学説です。つまり、不快刺激が原因でネズミの体内にできる「ただれ・潰瘍」などの炎症は生体防衛反応に過ぎないとしました。これは、警告期(前期反応)→適応期(後期反応)→疲労期(副腎皮質の萎縮)というように進行することを発見し、この一連の過程を「汎適応症候群」と命名しました。さて、重要なのは、この「警告期(前期反応)」こそ、キャノン博士が発見した副腎髄質ホルモンであるアドレナリンの働き(緊急防衛機構の発現)であるということです。これに続く「適応期(後期反応)」は、前期反応で発生しましたさまざまな炎症を正常化する消化活動であり、勿論、この主役は副腎皮質ホルモンです。この一連の過程こそ、自然治癒力の発現そのものであります。つまり、炎症そのものが自然治癒力の発現であり、物理的ストレッサーや精神的ストレッサー(恐怖、恐れ、欲求不満、不安、疑心など)から炎症が発症されることが明らかにされました。先述のアドレナリンに対応して、自律神経の副交感神経に作用をするアセチルコリンは、NK細胞を活性化させて、ガン細胞を破壊しています。

 笑いますと、副交感神経が優位になり、 心身の緊張がほぐれ、唾液の分泌が増え、消化器官・泌尿器官などの内臓の作用が活性化され、NK細胞が活性化し、がんの素を破壊して、がんの進行を抑制していることが判明しています。ここで重要なのは自律神経のバランスです。自律神経には、交感神経と副交感神経とがあります。交感神経が優位になりますと、緊張し、活動的となりますので、昼向きの神経です。エネルギー消費型です。アドレナリンが副腎の髄質から分泌されます。一方、副交感神経が優位ですと、弛緩し、休養志向となり、夜型の神経と言えます。エネルギー生産型です。アセチルコリンが副腎の皮質から分泌されます。このように、私たちの生理機能が自律神経のバランスで維持されていることを発見しましたのがアメリカの生理学者キャノン博士です。同博士は、このシステムを「ホメオスターシス(恒常性維持機能)」と命名しました。 これこそ、自然治癒力です。結果として、「病氣」は「氣の病」であることを証明した次第です。

 ストレスが解消されないまま、大量に継続的に「不快刺激」が与えられますと、交感神経が優位となり、緊張の連続となり、副交感神経が押さえ込まれてしまいます。これが原因で、活性酸素が暴れて、我が身を傷付け、これが炎症となります。
これの代表的なものが、がん細胞です。これに対し、笑う、感謝する、愛する、明朗になる、素直になる、相手を許す、生きがいを持つ、趣味を楽しむ、心静かに祈る、などして前向きの明るさを取り戻し、副交感神経を激励して差し上げましょう。 更には、クヨクヨしない、怒らない、妬まない、憎しみを捨てる、悪口言わない、欲求不満を持たない、強い責任感を避ける
などで緊張を解してリラックスしていただき、副交感神経を応援申し上げましょう。これに穀菜食で自然本来の「氣」を摂り込んでいきますと、まさに「鬼に金棒」です。これでガンを予防し、がんを克服することができます。根治するのは自分であり、自分の「ホメオスターシス(恒常性維持機能)」すなわち「自然治癒力」です。自分という自然を愛し、自然治癒力を信じ、自然治癒力に「ありがとうございます」と心から感謝申し上げましょう。

【胃腸と脳の関係考】
 2023.4月、「天理教教祖の身上諭し、事情諭し」を裏づける「脳腸相関」(のうちょうそうかん)理論が医学界に生まれている。機能性消化管障害はストレスが原因としてあり、これに「脳腸相関」が絡んでいるという学説である。機能性消化管障害は、機能性ディスペプシア(胃痛、食後の胃もたれ感などを特徴とする)と、過敏性腸症候群(腹痛、下痢、便秘などを特徴とする)が代表的で、内臓自体の器質的疾患がない多彩な腹部症状を生じる病態を言う。まだまだ不明な点も多いが、心理的または身体的なストレスと消化管運動の障害、内臓知覚過敏が脳腸相関として互いに影響していることが判明しつつある。消化器症状だけでなく、頭痛、めまい、不安、うつ症状といったさまざまな症状を伴うことも多い。脳と腸は、自律神経やホルモンなどの情報伝達系を介して、互いに双方向的に影響を及ぼし合っている。

 機能性消化管障害においてはどちらの情報伝達の異常によっても症状が生じるとされており、ある程度化学的な説明が可能になってきている。ストレスがかかると脳の中の視床下部(ししょうかぶ)、下垂体(かすいたい)という箇所からホルモンを介してシグナルが伝達され、副腎(ふくじん)という内臓からコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌を促し、これがストレスに対してさまざまな生体反応を引き起こす。他には摂食促進作用や消化管運動促進作用をもつグレリン、腸管の運動や内臓知覚に関係するセロトニンなどのホルモンが影響して、消化管運動異常や内臓知覚異常などにつながっていると考えられている。ホルモンだけでなく、サイトカインや神経ペプチドと呼ばれるものが複雑に関係している。

 過度のストレスを受けた腸管は腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:別名、腸内フローラ)にも変化を起こし、病原性が高まる。逆に腸内フローラによっても生体のストレス応答は変化している。これは、腸内フローラが良くなればストレスに強くなるとも言い換えることができる。これには食物繊維がキーポイントになる。食物繊維は「小腸で消化されない炭水化物」と定義され不溶性と水溶性に分けられる。不溶性食物繊維は糞便量を増加させて腸の動きをよくする、すなわち便秘の改善に効果がある。一方、水溶性食物繊維は腸内細菌の発酵を受け、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を生成する。短鎖脂肪酸も腸の動きを良くする働きもあるが、それだけでなくエネルギー源として利用されたり、腸内環境が酸性に傾くことによりクロストリジウム属菌や大腸菌など俗に悪玉菌とも呼ばれる菌が抑制され、代わりに善玉菌と呼ばれるビフィズス菌や乳酸菌などが相対的に増え、腸内環境が良くなると言われている。機能性消化管障害だけでなく、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、糖尿病、肥満、大腸がん、さらに気道アレルギーが良くなることなど、さまざまな病気の予防効果を認めることが報告されてきている。他に発酵食品、ポリフェーノール、カテキンなど腸内フローラによい影響は与えそうだが、まだ関係性は明らかになっていない。まだよく解明されていない脳と腸のメカニズムも多くある。脳と腸は複雑に関係しており、「内臓に一般的な病気を認めなくてもストレスによって辛い症状が生じることもある」と理解しておいた方が病気の不安がやわらぎ、気持ちは楽になる。これからの研究によって脳腸相関が科学的にさらに解明され、有効な治療法が出てくることを期待できる。(「「脳腸相関」って知っていますか?」その他参照)

【音楽療法考】
 “病気の原因は魂の不調和である。音楽は人をリラックスさせ気持ちを落ち着かせ、「心を安らげ」るリラクゼーション効果、「脳を活性化」させたり、食欲が増し、ぐっすり眠れ、笑顔が増え等々の人の活力を引き出す不思議な力がある・・・・・。誰にでも経験があるこうした効果を、医療や福祉の現場で積極的に活用するのが音楽療法。それは、音楽を聴く受動的な音楽療法、音楽を演奏する、歌う、踊る能動的な音楽療法からなる。脳波を撮ると、リラックスした時の波形であるα波が増えることが報告されている。音楽は「記憶の扉を開けるカギ」とも言われており、子どものときに歌った唱歌や若いころに流行した曲を選ぶと、回想法と同様に昔のことを思い出して、さらに脳を活性化させる効果も期待できる。音楽療法は今や脳を活性化させるリハビリテーション法の一つとして積極的に利用されている。




(私論.私見)