肝臓病

 更新日/2016.05.15日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「肝臓病諭し」について確認しておく。

 2003.7.23日 れんだいこ拝


【肝臓の機能と役割】
 肝臓は私達が生きていくために不可欠な臓器の一つである。とても重要なことを「肝心(もしくは肝腎)」というが、それは肝臓と心臓、腎臓が命の維持に不可欠なことからきている。
 胃や小腸で吸収された栄養素は、血液やリンパ液に入り、門脈やリンパ管から肝臓へ運ばれる。体中の血液の4分の1が肝臓に集まっている。

 肝臓は、左右の長さ約20センチ、前後の長さと高さが約15センチ、容積約1リットル、重さは脳に匹敵する約1.5㎏で、人体中で最も大きく重い臓器である。その中には直径1ミリぐらいの多数の小工場(肝小葉)が立ち並んでいる。この小工場は六角の柱の両端に屋根を付けたような形をしており、その中に無数の作業部屋が並んでいる。これを肝細胞と云う。高温の臓器で、2500億個もの肝細胞が人の生命を維持するためにきわめて大切な働きをしている。細胞と細胞の間にはパイプが網の目のように張り巡らされ、その表面にはビタミンAを貯蔵する星型の星細胞なとせ三種の細胞が取り付いている。小工場のパイプの中では、腸で吸収された栄養分と、肺で取り入れた酸素とを一杯含んだ血液が合流して流れ込んでいる。

 肝細胞では驚くほど多彩な仕事がされている。その働きを大別すると次のようになる。
(代謝機能) 体のエネルギーとなるブドウ糖や脂肪の栄養素を分解・合成する。
(タンパク質工房) 体を作るタンパク質を造る。
(解毒機能) 体に有害な物質を分解、処理する。
(栄養の貯蔵庫機能) グリコーゲン、中性脂肪、鉄分、ビタミンなどの栄養分を蓄える。
(胆汁の生成機能) 脂肪の消化・吸収をたすける胆汁を造り、分泌する
(血液の循環機能) 古くなった赤血球の処理。

 
等々である。こうした肝臓の機能は現在分かっているだけで約500種類にのぼる。

 肝臓の解毒作用は、人体にとって有害な物質を無害化して体の外へ排出するもので、これによって我々人間は健康を保つことができている。肝臓が正常に機能しない(肝機能障害)と、ウィルスや細菌、異物などの有害な物質が体内で蓄積されてしまい、様々な健康被害を引き起こす原因となる。

 人の60兆個の細胞にはエネルギー源のブドウ糖が常に供給されなくてはならない。ご飯などの炭水化物は、小腸で単糖類に分解・吸収され、肝臓へ運ばれる。肝臓では単糖類をブドウ糖に変え、さらにブドウ糖の分子をつなぎ合わせ、グリコーゲンとして蓄える。血液中にブドウ糖が少なくなり、血糖値が下がると、肝臓はグリコーゲンをブドウ糖に変えて血液へ流し込む。これは非常に重要な働きで、血糖値が平常の半分になると、脳細胞のエネルギーが不足して意識を失い、四分の一以下になると命に関わる。飢餓状態となりグリコーゲンがなくなると、普通の細胞は脂肪を燃やす。しかし、脳細胞はブドウ糖しか使えないので、筋肉などのタンパク質がアミノ酸に分解されて肝臓へ運ばれ、肝臓はアミノ酸からブドウ糖を作って脳へ供給する。脳細胞は自分の体を食べて生き延びていることになる。


 脂肪肝は、食べ過ぎによる肥満やアルコールの飲み過ぎによって肝臓が脂肪を処理し切れなくなり、肝臓にたまっておきる病気である。脂肪肝になると、肝臓機能を抑圧し、脂肪が血液中に流れ出して血栓をできやすくする。肝機能低下により「脂肪肝」→「肝炎」→ 「肝硬変」 → 「肝臓がん」といった具合に肝臓の病気の重篤度が上がる。但し、生活習慣を改善すれば短期間で治るので、できるだけ早い段階で生活習慣を改める必要がある。

 脳や心臓の細胞は、いったん壊れると再生しないが、肝臓の組織には強力な再生能力がある。手術で肝臓の四分の三を切り取っても、すぐに肝細胞が増殖し始め、約四ヶ月で元の大きさに戻る。不思議なことに、元の大きさになると、ぴたりと増殖を止めてしまう。
 
 以上、まことに精妙、精巧、不思議な働きをしてくださっている。肝臓のこうした仕組みと働きは、まさに親神様からの賜物の貸しもの借りものと拝する。

【肝臓の病疾の種類】
 肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれるほど症状がでにくい臓器である。暴飲暴食、アルコールや砂糖の摂りすぎが肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんを招く。

【 肝機能障害の初期症状として生じやすい9つの症状、サイン】
 「あなたの肝臓は大丈夫ですか?肝機能障害を知らせる危険な9つのサイン!肝炎、肝硬変、肝臓がんを予防しよう!」参照。
胃のむかつき  肝機能が低下すると、頻繁に吐き気や嘔吐などの症状を引き起こす可能性がある。また、片頭痛、腹痛、めまい、乗り物酔い、うつ病など妊娠初期の妊婦を苦しめる症状に似た症状に苦しめられるケースが多い。
脱力感・疲労  肝臓の優れた解毒作用が悪化すると有害物質が蓄積されてしまい、解毒作用とエネルギー代謝が悪化するため、脱力感や疲労が思うように取れなくなる。
食欲不振  肝機能が低下すると、胆汁という消化液を生成する機能が正常に働かなくなるため、次第に胆汁が不足しがちになる。そうなると、食べ物に含まれる脂肪を消化吸収することが困難になることから、食欲が低下する。食欲低下により次第に体重が減少していく。
消化不良  肝臓の働きが低下すると、胆汁の分泌する作用も同時に悪化するため、消化に必要な胆汁が不足することとなり、消化の働きが悪化し、消化不良や下痢の症状を引き起こす可能性がある。また、過敏性腸症候群、脂肪食物不耐性、アルコール不耐性、腹部膨満、便秘、胆石につながる可能性がある。
尿の色の変化  尿の色が濃すぎると、腎臓の機能が低下している思われるが、実は人間の尿の色は肝機能の状態によって大きく左右されている。また、尿の色は、肝臓で作られる胆汁に含まれる「ピリルビン」と呼ばれる色素によって変化する。朝一番の尿の色が濃いのは、これによる。一日中、尿が濃い場合は注意が必要である。
便秘  便秘になると腸内の便から大量のアンモニアが発生するため、肝臓は何度も分解作業を行なわなければならず、これが便秘によって肝機能障害を引き起こす原因となっている。肝臓が分解しきれなかったアンモニアが脳にまわってしまい、肝性脳症という怖い病気を引き起こすリスクがあるので、十分注意が必要である。
黄疸  黄疸は肝炎や肝硬変などの肝疾患を発症した場合や胆汁の排泄経路である胆管系に異常がある場合に出現する。血液中の「ビリルビン」の排泄が正常に行なわれなかったさいに生じる。ビリルビンが増加することによって、皮膚や目が黄色くなり、倦怠感、疲労、発熱などの症状が引き起こされる。
浮腫(むくみ)  肝臓の機能が低下すると血管内に水分を保存する作用がある「アルブミン」というタンパク質の量が減るため、血管内に水分が正常に保存されなくなり、血管から飛び出した水分が原因となって、むくみが生じる。 
掻痒(かゆみ)  肝機能が低下すると血液に含まれるビリルビンや胆汁酸などの物質が増加するため、これらが皮膚の末梢神経を刺激するため、かゆみが生じるとされている。
10 お腹が張る  肝機能が低下することによって、血液中の「アルブミン」というタンパク質が減少するため、腹腔内に腹水が溜まるため、お腹が張ったり、下腹部が膨らんだりする。
11 爪に異常  すでに肝臓障害が進行している爪に小さな白い斑点や破損が生じる場合がある。
12 鼻血が出る  肝臓の働きが低下していることを示す重要なサインの一つに「鼻血」がある。ほんの少しぶつかっただけなのに内出血したり、何もしていないにもかかわらず急に歯茎から血が出たりする。
13 頻尿  肝機能が低下すると喉が異常に渇いたりする。肝臓は腎臓と同じく循環器臓器なので尿や汗を作りだす腎臓とは密接な関係にあるため、頻尿になるケースも少なくない。
14 風邪症状  咳、発熱、頭痛、めまい、痙攣、神経過敏とうつ病なども肝疾患の徴候である。風邪と勘違いして放置してしまうケースが少なくない。

【肝臓の病疾のお諭し】
 肝臓は、「沈黙の臓器」と言われるほど初期症状、自覚症状がでにくい臓器なので、軽度の肝機能障害が発覚することはごく稀である。 

 「諺に『肝腎要』と云う言葉があります。肝臓と腎臓の『肝を舐める』と云う言葉もあります。肝を舐め舐めの『臥薪嘗胆』と云う言葉もあります。いずれも我慢の必要を説いております。お道教理では、人物が固過ぎて人を許す寛容さがないと、その為に人の恨みも買ってしまう云々と説いております」。

【黄疸病諭し】
 黄疸。

 
物惜しみの心が強い。お道を通るべき人が通らないため。






(私論.私見)

肝臓 固すぎ、人を許す寛容さがない。そのために人の恨みも買ってしまう。