甘露論その3 115歳定命論

 更新日/2025(平成31.5.1栄和改元/栄和7)年1.8日

(れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「115歳定命論」教理を確認する。

 2016.02.29日 れんだいこ拝


【「115歳定命(じょうみょう)論」】
 御神楽歌、お筆先に次のように記されている。
 真実の 心次第の この助け
 病まず死なずに 弱りなきよう
三号99
 この助け 百十五歳 寿命と
 定めつけたい 神の一条
三号100

 115歳寿命の教理は、115歳限界説ではない。心次第でさらに延ばせるものであると、お筆先に次のように記されている。
 その後ハ 病まず死なずに 弱らずに
 心次第に いつまでもいよ
四号37
 まだ先ハ 年限経ちた ことならば
 年を取るめハ さらにないぞや
四号38

 教祖は次のようにお諭しなされている。
 「(人は)百十五歳寿命。五十六十洟(はな)垂れ小僧、七十八十働き盛り」(口伝)

【お指図教理】
 お指図には次のような御言葉がある。

【教祖「教祖御身隠し」騒動考】
 

【人間の寿命考】
 2016年10.6日、「人間の寿命の限界は115歳(くらい……かもしれない)」。
 「共有について(英語記事 Limit to human life may be 115 (ish))」、「陽気」(2024No906の中西康裕「寿命と高齢者人口をめぐる近年の動向」)他参照。
 ジェイムズ・ギャラガー、BBCニュースサイト、ヘルス・科学担当記者

 人間の寿命はどんなに伸びても最長で約115年かもしれない。米ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学の研究者らが、研究成果を英科学誌ネイチャーに発表した。報告によると、115年以上長生きする人もまれにいるだろうが、確率は極めて低く、125歳の人間をたった1人だけ見つけるには地球を1万個、探索する必要があるという。一部の研究者はこの報告を高く評価するが、とんでもないひどい内容だと厳しく批判する意見もある。人間の寿命は19世紀以降、一貫して伸び続けてきた。ワクチンの開発、出産の安全性向上、がんや心臓病など死に至る病気の治療法改善などが主な理由だ。しかしその傾向は永遠に続くのか?

 研究チームは、人間寿命データベースのデータに加え、仏・日・英・米の110歳以上の人たちの死亡件数を研究した。その結果、100歳超の人たちの寿命が延びるペースが減速しつつあり、少なくとも過去20年の間に最高年齢の水準が一定になりつつあることが分かったという。研究チームのヤン・ファイフ教授はBBCニュースサイトに対して、「105歳以上の人が増えていない。つまり人間の寿命の限界に近づきつつあるということだ。史上初めてこの現象を確認できるようになった。人間の寿命の限界、天井は115歳くらいだ」と話した。「その限界を超えるのはほとんど不可能だ。125歳まで生きる人間を1人生み出すには、この地球のような世界が1万は必要だ。なので可能性はきわめて低い」。

 最高齢の人間

 Image caption 122年生きたフランス女性のジャンヌ・カルマンさん。1997年に死去。フランスのジャンヌ・カルマンさんはその手前まで生きた。公式記録の裏付けがある最高齢の記録保持者で、1997年に122歳164日で亡くなった(1875−1997)。長寿の象徴だったカルマンさんは、エッフェル塔建設の前に生まれ、画家のフィンセント・ファン・ゴッホに会ったことがあった。カルマンさんほどの長寿に近づいた人は、以来ほかにいない。男性の世界最高齢者は、2013年に116歳54日で死去した日本人の木村次郎右衛門氏。

 2024.8月時点での日本人最高齢者は、男性で110歳(1914年3月生まれ、静岡県磐田市在住)、女性では116歳(1908年5月生まれ、兵庫県芦屋市在住)。この女性は現在世界最高齢者。同時点での男性の世界最高齢者は、112歳(1912年8月生まれ、イギリス・マ−ジ−サイド在住)です。

 ユニバーシティ・コレッジ・ロンドン健康的高齢研究所のリンダ・パートリッジ教授は、寿命の上限は「論理的に考えて、ないわけがない」とBBCに話した。「ただし、この論文はとても興味深く、実際に起きている現象について説明しているが、これから起きることについては語っていない」。

 今回の研究対象となった100歳以上の高齢者は、19世紀末に幼少期を過ごし、当時の栄養不足や感染症を経験している。天然痘がようやく撲滅されたのは1980年のことだ。「最近生まれた人たちが今後経験することと、かなり違う幼少期だった。とはいえ、今では多くの子供が肥満状態になるので、それがかなり平均寿命を引き下げるかもしれない」とパートリッジ教授は付け足した。

 「とんでもない」。独マックス・プランク・人口学研究所所長のジェイムズ・ボーペル教授にとって、「115歳限界説」は受け入れがたいものだった。ボーペル教授は、ネイチャー誌に掲載された研究はとんでもない、ひどい内容だと強く批判し、これまでも科学者は寿命の限界は65歳だ、85歳だ、いや105歳だと主張しては、そのたびに間違ってきたと指摘した。「延々と続く惨めな話だ。寿命の限界が近づいていると信じる人たちは、寿命の限界の仮説を検証するにあたって人口学や統計学を使うことなく、自分たちが何となくそう思うからというだけの内容を、美辞麗句とおそまつな調査手法ときれいな図表を使って立証しようとした」、「この研究は、我々がいつまで生きるかについて新たな科学的知見を何ひとつ追加していない」。

 理想的な環境下の動物を調べる実験は、寿命には限界があるかもしれないと示唆してきた。米イリノイ大学のジェイ・オルシャンスキー教授は、マウスは1000日、犬は5000日生きることが多く、「人類も命の自然な限界に近づきつつある」と話す。

 老化を食い止める? 人類は、極めて高齢になっても生きられるようには、進化してこなかった。これが、加齢問題においての課題だ。何百万年にもわたる自然選択の末、私たち人類は若い間に生き延びて成長して生殖するようになった。そこから50年余りたってから自分たちの体に起きることは(まして人類の進化史上未知の年齢で起きることは)、若い時期に意味を持つDNAの指令の副作用だ。このため、本格的に寿命を伸ばすには、病気を治療するだけでなく、体内の全細胞の中で起きる老化作用を何とかしなくてはならない。研究チームのファイフ教授は、「120歳や125歳、あるいは130歳まで生きるような最高寿命を実現するには、かなり根本的なことをする必要がある。人類の遺伝子構造そのものを変更したり、何万という新薬を開発しなくてはならない」と付け足した。「老化作用はあまりに複雑なので、人間の寿命に限界をもたらすものを徹底的に変更するのは不可能だ」。

 2018.1.7日、小林武彦・東大教授「ヒトは本来、何歳まで生きられるのか 人間の寿命の謎を小林武彦・東大教授に聞いた」。
 1963年時点で153人だった日本の100歳以上人口は、54年後の2017年には6万7824人に増えた。ヒトはどこまで長生きできるのか。『寿命はなぜ決まっているのか 長生き遺伝子のヒミツ』の著書がある東京大学教授の小林武彦に聞いた。

 「遺伝的な寿命」、実はうんと短い

 2016年、米国の研究チームが「人類の年齢の限界は115歳」という論文を科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。これまでの人間の最高齢記録を分析したところ、1960年ごろには110歳前後に、90年ごろには115歳前後に伸びましたが、それ以降は伸びが鈍化している。記録上、最も長生きしたのは97年に122歳で亡くなったフランス人ジャンヌ・カルマンさんですが、この人は例外中の例外らしい。日本でもこれまでに115歳を超えた人は10人もいない。このあたりが生理的限界、という説には説得力があります。だけど、私は「遺伝的に定められた人間の寿命」はずっと短く、55歳程度ではないか、と考えています。この年齢あたりから、癌で死ぬ人の数が急増するからです。癌は、細胞分裂時にDNAの複製エラーが生じることで発生します。人体にはエラーを防ぐさまざまな仕組みや、癌化した細胞を排除する免疫システムが備わっていますが、年齢を重ねるにつれて複製エラーの確率は高まり、免疫系は衰える。結果、癌を防ぎきれなくなるわけです。人間が他の動物と比べて長生きするようになった理由として「おばあちゃん仮説」という理論があります。人間の子育てには大変な手間がかかる。子供が産めなくなった後も長生きして今度は孫の世話をすれば、より多くの子孫を残すことができ、人類全体にとっても有利。だからヒトは長生きに進化した、というわけです。とはいえ、それで伸びた寿命も55歳ぐらいまで。ひいおばあちゃんになるまで長生きしても、それほど子育てに役立つとは思えませんから。

 55歳以降の人生は、公衆衛生や栄養状態の劇的改善、医学の発展という「文明がもたらした生」と言えます。人によっては50年にも及ぶ、この「新たな生」をどう生きるか。人類史上未曽有のことなので、容易に答えは出せません。従来の社会で高齢者に求められたのは経験に基づく「見識」でした。年と共に脳の細胞数は減少しますが、これは決してマイナス要因ではなく、余分な細胞が整理されて脳の回路が洗練され、短時間で的確な判断を下せることを意味します。だけど、これからは見識だけではなく、実質的な「貢献」も求められます。少子高齢化が進めば、世代の新陳代謝の速度が鈍り、「種としての人類」の脆弱化につながりかねない。孫だけではなく、幅広い次世代育成のために高齢者に何ができるか。真剣に考える時が来ています。(聞き手・太田啓之/朝日新聞GLOBE編集部員)

 こばやし・たけひこ 1963年生まれ。専門は分子遺伝学、ゲノム再生学、分子生物学。日本遺伝学会会長。著書に『DNAの98%は謎』など。

【造血幹細胞考】
 「死にゆく人の血液のなかで起きている」。
 1890年生まれのオランダ人女性ヘンドリック・ヴァン・アンデル・シッパーは、115年以上を生きた。そして死に際し、科学のための献体に応じた。彼女の体をきっかけに科学者たちが解き明かしたかったのは、ふたつの問題だ。まず、このように長寿で、相対的に健康問題とは事実上無縁だった生涯(とくに認知症、心臓・血液循環に関して。ガンについてはそう無縁ではいられなかったようだが)の秘密がどこにあるのかということ。そしてもうひとつは、肉体が生命活動を止める理由を解明することだ。先日、この研究の結果が「Genome Research」で発表された。結果がどのようなものか見てみよう。

 つまりは、こういうことだ。「New Scientist」も報じているように、年齢とともに、消耗して死んだ組織の交替や再生の能力が使い尽くされるのだ。造血幹細胞のような幹細胞の、老化した組織を補う再生能力がなくなる。ヘンドリック・ヴァン・アンデル・シッパーに起きたのは、まさにこれだった。実際、死の少し前にこの女性に対して行われた血液分析は、血液中を循環する白血球が、わずかふたつの幹細胞のみから生み出されていたことを示している。科学者たちが指摘するように、大部分は、彼女の長い生涯の間に死滅していたのだ。研究者たちはさらに、白血球のテロメア──染色体の末端部で、その長さは細胞の老化とともに減少する──が、ほとんど分裂しない神経細胞のものよりも約17分の1だったことも明らかにした。

 この点に関して、研究のリーダー、アムステルダム自由大学医療センターのヘンヌ・ホルステーグは、「わたしたちヒトは、約20,000の造血幹細胞をもって生まれると考えられています。そしてどんな時でも、約1,000の幹細胞が血液の成分をつくるために活動しています」と説明。さらに、この細胞のストックが、人生を過ごすなかで枯渇していくことを付け加えた。科学者たちはまた、この100歳超の女性の血液の中において、細胞に存在する変異が、細胞の健康にとって無害だったことも発見した。これは、あたかもヘンドリックが有害な変異を回避して修復するのに非常に効果的なシステムをもっていたかのようだった。この研究から考えられることは、(恐らくは)年齢によって生じる幹細胞の困窮化とその後の枯渇が、若いうちに採取した幹細胞の注入によって阻止できるかもしれないということだ。こうした細胞は、変異を免れているはずで、まだその後長い分裂能力を持ち、テロメアが長い──。もっとも、機能するとしても、これが可能なのは血液に対してのみだろうというのが研究者の結論だ。

【日本の百寿者の数】
 日本の百寿者の数は、1981年に1千人を超え、1998年に1万人を超え、2012年に5万人を超え、2023年9月時点で約9万2千人であることが報告されている。110歳以上のス−パ−センチナリアンは、2020年の国勢調査で141人が確認されている。世界の百寿者数は、日本が最多で、次いでアメリカ、中国、フランス、インド、イタリアと続く。




(私論.私見)