小沢→岡田民主党体制下の政権取りの歩み検証

【民主党:新代表に小沢一郎氏就任】
 2004.5.14日、民主党の菅直人代表の辞任に伴う後継代表問題で、岡田幹事長と小沢代表代行が国会内で会談し、小沢氏が「これ以上勝手を申し上げるわけにはいかない」代表就任の要請を受諾した。代表選びは18日の両院議員総会で選挙の形で行われるが、小沢氏が無投票で当選する見通しだ。任期は菅氏の残り任期である今年9月末までとなった。

 会談終了後に記者会見した小沢氏は、「政治家としての理念を貫きたい」、「やる以上は(政権交代という)われわれの大目標を達成できるように頑張っていきたい」と語った。焦点は党役員人事に移り、小沢代表の人事が注目されている。挙党態勢を重視する立場から、幹事長には岡田氏の留任が有力になっている。小沢氏は12日の横路孝弘副代表らとの会合で、「チームプレーが大事だ。新しい党の体制は、老・壮・青の3結合が必要だ」などと述べている。小沢氏はこれまで、横路氏や鳩山由紀夫・前代表、米沢隆・旧新進党幹事長らベテランとの接近が目立ち、旧自由党出身以外の若手議員との接触の機会は少なかった。このため、党内では、小沢氏が若手議員をどこまで幹部に登用するのか、注目されている。

 14日夜、都内で開かれた横路グループの会合では、まずは幹事長ポストの獲得を目指すことで一致。旧民社党系グループも、米沢氏を窓口に、党幹部への起用を求めていく方針だ。これに対し、旧党派のグループに属さない中堅・若手議員は模様眺めの状態だ、とある。


【小沢新代表に与党が警戒感】

 小沢氏の民主党代表就任に対し、与党の警戒心が露になっている。小泉首相は、小沢氏の民主党代表就任発表のタイミングに合わせて北朝鮮再訪朝を発表するなど衝撃を薄めようと苦肉の策を弄した。

 新聞各社の報道によると、5.13日の与党幹部の会合で、「気になる存在としての小沢談義」に話が咲き、「小沢代表になれば極めて厳しい戦いを強いられる危険性があることを覚悟して臨まなければならない」と確認した。5.14日、公明党の神崎代表は、記者団に「強力な民主党が誕生する。与党にとっても好敵手。気を引き締めて取り組みたい」と語った。5.15日、小泉首相は、自民党の森前首相、青木幹雄参院幹事長と会談し、今後の政権運営について協議した。「小沢民主党」との戦いになる7月の参院選勝利対策を練り、青木氏は「小沢氏は1人区で勝負をかけてくる。自民党も地方が活気づく政策を打ち出す必要がある」と指摘、首相は「党で考えてほしい」と指示した。

 5.15日、自民党の青木幹雄参院幹事長は、群馬県安中市で講演し、新代表に小沢一郎氏が決まった民主党について「水と油が混ざった、考え方が全く違う政党だ。参院選までは絶対に割れないが、自民党が勝てば党首が菅直人氏だろうと小沢氏だろうと半年ともたない」と述べ、参院選で負ければ分裂は避けられないとの見方をあらためて示した。また「日本は憲法と教育基本法の問題に取り組む時に来ているが、そういう(考え方の違う)人たちが一緒になった民主党にできるわけがない」と指摘した、とある。



小沢代表代行が代表選辞退
 2004.5.17日、小沢代表代行は、党本部で緊急に記者会見し、国民年金に国会議員が任意加入だった時期の80年4月から86年3月まで未加入だったことを明らかにし、「現時点で次の政権を担う民主党の代表になることはふさわしくない」、「政治的けじめをつける必要がある」、「「年金制度改革を国民に理解してもらわなければならない立場であり、任意期間とはいえ、未加入だったことで国民に制度に対する不信を増幅させる結果になるならば、政治家として責任を感じてけじめをつけるのが妥当と判断した」として、菅代表の後継を選ぶ18日の両院議員総会での代表選に立候補しないことを表明した。

 小沢氏は羽田氏に事前に「小泉と同じ未加入が見つかった。俺(おれ)は代表選には出ない。小泉と刺し違える」と述べており、小沢流の「政治責任」の取り方で、小泉首相の「政治責任」を問う裏技を放ったとも読める。小泉首相は17日夜、首相官邸で記者団に対し、民主党の小沢代表代行の代表選出馬辞退について、「(なぜ辞退したのか)わからない」と述べた。

【岡田民主党の執行部体制決まる】
 小沢氏の突然の辞退後の党内調整で、後継は岡田克也幹事長でまとまり、岡田氏は17日深夜、立候補する意向を示した。他に立候補する者が出ず、「二転三転の泥沼の未納政局」を経て岡田幹事長の無投票当選が決まった。任期は菅氏の残存任期の今年9月末まで。

 岡田代表は、新幹事長に藤井裕久元蔵相(71、旧自由党幹事長)、政調会長に仙谷由人衆院議員(58歳、徳島1区選出で当選4回、弁護士出身の旧社会党系、旧民主党結党時の初代政調会長、98年に旧民政党などと合併後は、企画委員長などを歴任、現在は団体交流委員長として、選挙対策にもかかわっている)、国対委員長に川端達夫衆院議員(59歳、滋賀1区選出で当選6回、東レ労組出身で旧民社党系、民主党では99年秋から1年間、国対委員長を務めている)、国対委員長代理に山岡賢次(旧自由党国対委員長)、役員会メンバーの選対委員長には玄葉光一郎氏(40)を起用する方針を決めた。近く行われる両院議員総会で正式決定する。

 新人事で、前政調会長枝野幸男は総合選対本部事務総長代理に、前国対委員長野田佳彦は「次の内閣」財務相として処遇。幹事長代理に旧社会党系の鉢呂吉雄氏を起用され、挙党態勢づくりへ向けて采配された。


まずは民主党岡田執行部新体制を祝す れんだいこ 2004/05/19
 民主党岡田執行部の新体制が決まった。幹事長に藤井裕久元蔵相(71、旧自由党幹事長)、政調会長に仙谷由人衆院議員(58、旧社会党)、国対委員長に川端達夫衆院議員(59、旧民社党)の布陣となった。近く行われる両院議員総会で正式決定される。

 れんだいこは、管の不意の辞任、小沢後継、小沢突然の辞退、岡田の後継に至る過程はさすがに読めなかった。しかし、成ってきた結果を見れば、何がしか導きの糸が見える。岡田新代表の藤井幹事長起用がいぶし銀の如く光る。この人事を見て、れんだいこは拍手したくなった。良いアイデアを授けたつもりだったが、次点策として及第点を与える。

 考えて見れば、小沢の辞退はこれで良かったのかも知れない。小泉が悪辣なる政治主義で、小沢代表就任のそのタイミングに北朝鮮再訪朝アドバルーンを上げ小沢効果を殺いでしまった仕返しに、小沢が裏技を放ったとも考えられる。代わりに藤井幹事長を送り込んだことにより、失ったものは何もない。

 自ずと小泉のノー天気さばかりが浮き出てくる。今後の小泉は狂犬ブッシュの後ろ盾をますます必要としよう。延命線がこれしかないという醜悪さがこれからますます見えてこよう。小沢は、かくなる小泉に対する最丁重なもてなし策として相手にしない戦略に出たと考えられる。次の出番に備える。よしんば縁の下の力持ちでも良いという割りきりが小沢の真意であろう。

 さぁこうなると参議院選が面白くなった。れんだいこは棄権するつもりだったがやっぱ投票しようかなとか思い直すことにした。岡田が、年金改正法仕切り直しのみならず自衛隊の引き上げ、これも又一からの仕切り直しを指針させるなら断固支持する。

 表から自民党、裏から共産党の挟撃方程式に堂々と立ち向かえ。(若手があてにならんのが面白うないけどしゃぁないか) れんだいこは、左翼共同戦線が立ち上がらない以上、よりまし戦略として民主党の動向に注目したいと思う。

 それはそうと、共産党はんは逸早く小泉はんの年金疑惑に寛大な見解を発表している。我々は、小泉のこれまでの対応を批判しているのであって、学生時代の頃の資料は参考なんだな。確かにマスコミは、ミソもクソもごっちゃにして論じているようだが、しかしながらこの時期の日共見解のこういうのを水を差すというんだな。タカ派に是々非々、ハト派に戦闘的になる日共のこの宿アの体質を誰か解析して見よ。

 2004.5.19日 れんだいこ拝




(私論.私見)