国鉄民営化考



分割民営化とは一面では、政府が、国鉄に2つあったおもな左翼系労組のうち1つを寝返らせて取り込み、他の1つを壊滅させる「労組分断策」でもあった。政府は、1つの有力労組の組合員には民営化後のJRへの再就職を約束して懐柔し、もう1つの有力労組は差別して、国鉄の「分割」を口実に、組合員(とくに幹部)を解雇したり、国鉄時代の勤務地(たとえば東京)から遠い新会社(JR九州)へ異動したりして、組合組織をズタズタにした。明らかな「不当労働行為」だが、当時の中曽根内閣はスパイ一掃のため「確信犯」で違法な差別人事を断行し、極左系労組幹部を路頭に迷わせた。なんの良心の呵責も感じなかった。





(私論.私見)