2021政権奪還史

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).8.16日

 (れんだいこのショートメッセージ)

 まだここに登場させるのは早いのだけれども、リンクからいちいち引っ張り出すのも面倒くさいので掲げることにする。その理由の一つに2002年新春赤旗の「不破哲三議長大いに語る」の駄弁に対する義憤もある。ああいう背教的な説教を鵜呑みにしてはいけないことをこの論考を表に出すことによって周知させたいという意図がある。最も未完中の未完ではあるが。

 2006.7.11日再編集 れんだいこ拝



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パレスチナ問題考 ユダヤ人問題考

アフガン ガニ大統領、タジキスタンへ出国

2021/08/16  TBS NEWS

 反政府武装勢力、タリバンによるアフガニスタンの首都進攻が始まる中、ガニ大統領が出国したとロイター通信が伝えました。

 反政府勢力、タリバンの広報官は15日、首都カブール以外の主要都市全てがタリバンの支配下に置かれ、待機していた戦闘員に対してもカブール市内へ進攻するよう指示が出たことを明らかにしました。治安維持が目的だとしています。

 こうしたなか、ロイター通信によりますと、アフガニスタン政府のガニ大統領が隣国タジキスタンに向けて出国したことが分かりました。事実上のタリバン政権発足が一気に近づいた形です。

 一方、アメリカのブリンケン国務長官は15日、CNNテレビの番組で「アフガニスタンにとどまることはアメリカの国益に合わない」と表明しました。またCNNは、関係者の話として、首都カブールにあるアメリカ大使館の職員全員を72時間以内に退避させる方針だと伝えています。

 こうしたなか、日本政府は現地に駐在する日本大使館の職員について国外退避させる方向で最終調整を進めています。政府関係者は「各国の大使館員が国外に出て行く状況では日本も退避せざるを得ない」としています。外務省によりますと、カブールの日本大使館には12人駐在しているということです。(16日00:35)


タリバンアフガニスタン占領のニュースは中国でも大きく報じられているが、隣国の未来に対する懸念ではなく、「アメリカの衰退」に紙面の多くが割かれている。 【画像】空港に押しかける人々、警戒を強めるタリバンの戦闘員… アフガニスタンがタリバンによって再び制圧された。これに対して中国国内で見られる世論の内容は、シンガポール紙「聯合早報」のコラムニスト、楊丹旭を驚かせるものだった。 隣国アフガニスタンの将来への心配をよそに、SNSでの議論はおもに「米国への打撃」というトピックが中心だったからだ。 ネットユーザーのなかには、「今回のアメリカの状況はベトナム戦争のときとよく似ている」とほのめかす人もいれば、日中戦争での毛沢東による「ゲリラ戦」や「長期戦」、同じく毛沢東が考案した1928年の「農村から都市を包囲する」戦術などを引き合いに出し、タリバンの反撃を中国共産党の軍事戦略になぞらえる者もいる。 加えて、楊は多くの中国メディアの報道は、「アメリカがアフガニスタンで受けた屈辱」に偏っていると指摘する。国営通信社「新華網」が「カブールの没落はアメリカの覇権に終わりを告げる」と書いた一方、中国共産党の機関紙「人民日報」は、この急激な変化は「アメリカの権力や信用、外交にとって痛手」であるだけ

「タリバンは、アフガニスタンの人々の選択」

「我々はアフガニスタン国民の意志と選択を尊重する」。中国外務省の報道官、華春瑩はそう述べた。国家主義的オンラインメディア「観察者網」は、西洋メディアを批判する、この絶好の機会を逃さなかった。いわく、「ネット上のタリバンに関する認識のほとんどは、欧米メディアによって意図的に操作されたものである」──。 一連の記事のなかで観察者網は、「今日(こんにち)起こっていることは驚きではない。タリバンは、人々が選択したものだ」と示そうと努めている。中国のSNS「ウェイボー」でも、観察者網はタリバンの声明を伝える。そのなかでタリバンは、自らの運動に対する「根拠のない悪質な政治的プロパガンダ」を糾弾するとともに、若い女性と戦闘員を無理やり結婚させているという非難も否定した。 シンガポール紙「聯合早報」のコラムは、「中国こそが戦争に勝ったと言わんばかりの」中国の報道における「アメリカ嘲笑祭り」に驚きを隠さないが、一方で一部の中国人はタリバン支持の立場を取る自国のメディアに疑いの目を向けている。 8月16日、人民日報はウェイボーで、歴史を辿りながらタリバンの紹介をした。その投稿で、人民日報はタリバンをおもに難民キャンプ出身の学生たちであると描写し、アフガニスタンの貧しい人々に支えられていると説明した。

アフガニスタンでのアメリカ敗北はソ連の失敗より酷い。これがどのように起きたのか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-9d11a0.html
2021年8月16日 マスコミに載らない海外記事


ポール・ロビンソン
2021年8月13日
Information Clearing House

 アフガニスタンで衰えつつあるアメリカ駐留部隊最後の兵士が荷物をまとめて出て行く中、30年以上前、この国からのソ連撤退を思わせるものがある。だが、実はワシントンの敗北は遥かに深刻なのだ。

 1979年12月、アフガニスタンで政権の座にある不人気なアフガニスタン人民民主党(PDPA)政権を支援するため、ソ連軍がアフガニスタンに入った。彼らは間もなく、ムジャーヒディーン・ゲリラに対する血まみれの戦争の泥沼にはまっているのに気がついた。

 9年後、ソ連は十分に流血したと判断し、1988年5月に撤退を始めた。ソビエト軍最後の分遣隊は翌年2月、橋を渡って、ソビエト社会主義共和国連邦に帰還した。

 12年後、アメリカ軍がタリバンと戦うため到着した。他のNATO諸国の軍隊がそれに続いた。彼らは共に、ソ連より長く駐留したが、今や撤退しつつある。ジョー・バイデン大統領は、アメリカ軍は、8月末までにアフガニスタンを撤退すると約束した。

 アメリカが、その最長の戦争から撤退を完了する中、敵は進撃中だ。これまでの一週間で、タリバンは、いずれも木曜日に陥落した二番目と三番目の大都市、カンダハルとヘラートを含め、アフガニスタンの34州の首都のうち12を攻略した。

 タリバン前進の勢いは注目に値する。一部の場所では、政府軍は戦いせずに逃走した。ガズニ州知事は、その地域からの自由な脱出と引き換えに、彼の都市を放棄したと言われている。アメリカに訓練された政府軍は逃げたり、一団となって脱走したり、ある場合には、タリバンに寝返った。それは総崩れだと言って良かろうが、アメリカ軍は、まだ完全に去っていない。政府は首都カブールを固持するのは可能かもしれないが、それすら、もう確実ではない。

 要するに、アフガニスタンでのアメリカとNATOの20年戦争は不名誉な失敗で終わったのだ。丸ごと絶対に。もちろんソ連も戦争に破れたが、それほど出し抜けではなかった。

 最後のソ連部隊が、アフガニスタンとウズベク・ソビエト社会主義共和国を結びつける友好橋を渡った後、ムジャーヒディーンは手っ取り早く政府軍を打倒することが可能だと確信し、大攻撃を開始した。彼らの攻勢は完全に失敗した。アフガニスタン軍は一歩も引かず、主要人口集中地区の一つも敵の手に落ちなかった。アフガニスタン人民民主党(PDPA)体制が最終的に倒れたのは、二年後、ボリス・エリツィンのソ連後のロシア政府がアフガニスタンに資金力を止めた時のことだった。

 これまでの一週間に起きたこととの対比は、これ以上明白になり得ない。ソ連が去った後でさえ、彼らが訓練し、武装させた軍隊は、激しく成功裏に戦った。現在、アメリカと同盟国が何千億ドルもの経費で訓練し、武装させた軍隊は、ごく僅かな抵抗の努力だけで四方八方に散ったのだ。

 だが公正のために言えば、問題は、軍事演習や機関銃の木箱ではない。現在のアフガニスタン軍には、両方ともたっぷりある。彼らはタリバンに数で勝り、補給はより豊富だ。問題は士気だ。簡単に言えば、彼らの多くが政府に命を捧げたいと思っていないのだ。

 アフガニスタン人民民主党(PDPA)には、収賄や、無能さや、党派的内輪もめやに対する当然の悪評や、宗教や私企業に対するマルクス主義攻撃など、アフガニスタン国民を遠ざけた、独断的、反生産的政策があった。一方、アフガニスタン人民民主党(PDPA)の敵、タリバンの先駆者ムジャーヒディーンは、先進的なスティンガー・ミサイル供給の約束を含め、アメリカの大規模支援を享受していた。

 ソ連に支援された政府の方が、現政府より良く戦った事実には、従って一つしか説明しようがない。アフガニスタン人は、社会主義PDPAに配慮したほど、現在の支配者に配慮していないのだ。それは重要なことを物語っている。

 そこで、アメリカとNATOが、なぜカーブルでそれほど長い間政権を支援して過ごしたのか、カーブル政権がなぜそれほど嫌われるようになったかの疑問が生じる。

 最初の疑問への答えは、主に威信だ。現政権を据えた欧米諸国は、彼らの評判は、その存続に結びついていると感じて、支える価値がないことが明確になった時でさえ、それを放棄することを拒否したのだ。

 二つ目の疑問への答えは、現政府のひどさの多くが、欧米諸国に追求された政策によるものだということだ。

 1992年にナジブラが打倒された後、アフガニスタンでは、麻薬密売軍閥指導者が権力を求めて戦い、アフガニスタン国民にあらゆる種類の残虐行為を行った邪悪な内戦を経験した。タリバンは、残忍ながら、買収されずに公正を実施して出現すると、多くのアフガニスタン人が安堵のため息をついて、彼ら支持した。

 周知の通り、カナダ人将軍リック・ヒラーは、タリバンは「忌まわしい殺人犯で人間のくず」だと述べている。彼が言い損ねたのは、タリバンの敵は、時々に、もっと酷いことだった。アメリカと同盟諸国が、アフガニスタンに侵攻した際、これらの敵は故郷に戻り、今回は欧米列強の支持を得て、連中の犯罪的な手口をを再開したのだ。予想通り、現地の人は、さほど感銘しなかった。

 その後、欧米列強はアフガニスタンに湯水のように金を注ぎ込んだ。適切な管理がない貧しい国に現金を注げば、結果は大規模収賄だ。アフガニスタンはそうなった。

 単にこれは政府の権威を失墜させただけでなく、支援金の多くがタリバンの手中に流れた。アフガニスタンでアメリカ出費の会計監査責任を負う米国当局者ジョン・ソプコが言う通り「アフガニスタンでのアメリカ・サプライチェーンの最後はタリバンだ」。誰がタリバンを武装させ、支払ったか知りたいと望むなら、答えはアメリカがそうしたのだ。

 ソ連はイデオロギーと人的資源で戦争の流れを変えられると考えていた。欧米は、金と資源を注ぎ込むことで、アフガニスタンで勝てると想像した。だがナポレオンが言った通り「戦争において、士気と身体能力の比は三対一だ」。今週のアフガニスタンでの出来事が、この要点を証明している。

 ポール・ロビンソンはオタワ大学のロシアとソ連史教授、軍の歴史と軍の倫理について書いており、Irrussianalityブログの著者。

記事原文のurl:http://www.informationclearinghouse.info/56715.htm

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(私論.私見)