日の丸、君が代訴訟考

 (最新見直し2007.4.7日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 ここで、れんだいこの君が代論を記しておくことにする。

 2006.7.11日再編集 れんだいこ拝




 作家の城山三郎は、当時の軍国教育を受け、熱烈な軍国青年として戦争末期に海軍に志願入隊した経験の持ち主です。彼は特攻隊員として終戦を迎え、戦後、自分があれほど熱狂し、身も心もささげた天皇制や皇国という大義はいったい何だったのかと考えるようになります。そして、大義とそれを利用して自分の半生を奪い、仲間の命を奪ったものたちへ怒りを抱くようになります。その怒りが彼の創作活動の原動力になっています。彼の詩に「旗」という作品があります。

旗振るな 旗振らすな 旗伏せよ 旗たため
社旗も 校旗も 国々の旗も 国策なる旗も 運動という名の旗も
ひとはみなひとり ひとりには ひとつの命
走る雲 冴える月 こぼれる星 奏でる虫 みなひとり ひとつの輝き
花の白さ 杉の青さ はらの黒さ 愛の軽さ みなひとり ひとつの光
狂い 狂え 狂わん 狂わず みなひとり ひとつの世界 さまざまに 果てなき世界
山ねぼけ 湖(うみ)しらけ 森かげり 人は老ゆ
生きるには 旗要らず
旗振るな 旗振らすな 旗伏せよ 旗たため
限りある命のために
都教育委 「君が代」で、高校教諭ら8人処分へ
毎日新聞 2004.02.13
 東京都教育委員会は12日、創立記念式典などで「君が代」斉唱時に起立しなかった都立高校教諭ら8人を「職務命令違反」として処分する方針を固めた。都教委は昨年10月、「命令に従わない場合は服務上の責任を問われる」とする異例の通達を学校現場に出しており、通達後、初の処分となる見通しだ。都教委は卒業式シーズンを控え、日の丸掲揚と君が代斉唱の徹底を図りたい考えだが、教職員組合は「内心の自由に踏み込む行為だ」と反発している。
 都教委は通達とともに卒業式や入学式の実施指針を決め、▽国旗は舞台壇上の正面に掲揚する▽教職員は指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する――などと細かく規定した。その後、都立学校で開かれた創立記念式典などに職員を派遣し、行事の様子をチェックしていた。また、式典を開いた都立高・養護学校の校長も同通達・指針に基づき▽着席の指示があるまで起立している▽音楽教員は国歌斉唱に際してピアノ伴奏する――などの職務命令を出した。しかし、君が代斉唱時に起立しなかったり、退場した教職員がいたため、12日の教育委員会定例会で審議し、文書訓告以上の処分にする方針を決めた。
 都高等学校教職員組合(都高教)は「内心の自由は尊重されなければならず、起立しなかっただけで処分するのは不当だ」としている。


石原都知事の発言録より なぜ忌避わからない 国旗・国歌巡る訴訟
朝日新聞 2004.2.3
「彼らが国歌・国旗をなぜ忌避するかということの具体的な理由がいまだによくわからない。強制されるのはだれもみな嫌なものかもしれないけども、国歌・国旗というものを保有しない国家というのは私は聞いたことはないし、そういうものの象徴的な存在が、国家という共同体に属している人たちのエネルギーを喚起もするんで、私は国歌・国旗の存在というものを信じるし、国がそういうものを国歌として、国旗として認めた限り、私はやっぱりそういう行事の中に、先生が出席しないのは構わんかもしれないけどね、心ある先生がそれを一緒に歌う、国旗っていうものにちゃんと敬意を払うということは、私はやっぱり教育なり、重要なしつけの一つだと思いますけどもね」
(30日、記者会見で。日の丸・君が代を強制する違法な通達などで精神的苦痛を受けたとして、教職員らが都教委などを相手取り、国旗に向かって起立する義務がないことの確認などを求めて提訴したことについて、考えを問われて
式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違法」 東京地裁
朝日新聞 2006年09月21日15時34分
 卒業式、入学式で教職員に国旗に向かって起立しなかったり国歌斉唱を拒否した東京都立校の教員が大量処分を受けたことをめぐる訴訟で、東京地裁は21日、違反した場合に処分することを定めた03年の都教委の通達は「少数者の思想良心を侵害し、違法」とする判決を出した。難波孝一裁判長は、(1)教員らには起立、斉唱の義務はないことの確認(2)不起立・不斉唱、ピアノ伴奏の拒否によって処分をしてはならない(2)原告401人に対する1人3万円の慰謝料支払い命令――を言い渡した。
 判決はまず、日の丸・君が代の歴史的な位置づけについて「第二次大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことは否定しがたい」と指摘。「国旗・国歌法で日の丸・君が代が国旗、国歌と規定された現在でも、なお国民の間で宗教的、政治的にみて価値中立的なものと認められるまでには至っていない」と述べた。
 これを踏まえ、「教職員に一律に起立・斉唱とピアノ伴奏の義務を課すことは、思想・良心の自由に対する制約になる」として都教委の通達と校長の職務命令は違法だと結論づけた。

東京都では卒業式に君が代斉唱時に起立しなかった教諭を懲戒処分し、再雇用制度でも採用を拒否したとして訴訟を起こされている。日の丸・君が代は、天皇を盟主とする八紘一宇を実現するために仕掛けられた大東亜戦争推進の象徴だとして左翼陣営を中心に拒否反応があり、教育現場も混乱してきた。特に「君が代」については、「君」が天皇を指すものとして抵抗感が大きい。そこで、政府は1999平成11)年8月13日に「国旗及び国歌に関する法律」を公布し、即日施行、日の丸・君が代に正式な法的地位を与えた。

信じられないことだが、それまで日本には法的裏づけのある国旗・国歌はなかった。それなのに、国民の間では国旗は「日の丸」、国歌は「君が代」とされていた。一部国民に強い反発はあるものの、オリンピックなど国際的スポーツ大会では「日の丸」が掲げられてきた。特に「君が代」が演奏されると、国民は感激する。「日の丸」「君が代」はどうして、国旗・国歌になったのか。復習してみよう。

日の丸と君が代を日本国旗・国歌に認定できないと主張する日本人元教師がいる。東京都立南葛飾夜間高等学校で30年間余り社会科を教えてきた申谷雄二 (64)氏。彼は14日、東亜日報とのインタビューで「過去の歴史に対する徹底した反省なしに日の丸と君が代は日本の国旗と国歌になれない」と釘を刺した。

彼は2004年3月卒業式で国旗に向かって起立し国歌を歌うよう求めた校長の指示を拒否し警告処分を受け、このため 2007年再採用審査から脱落して定年退職した。申谷氏は「校長の起立提唱命令は憲法違反」と訴訟を提起して1審で一部勝訴したが2審と先月30日開かれた上告審でいずれも敗訴した。

日本では公立学校での起立斉唱義務を拒否し懲戒処分を受けた教師が昨年まで1143人に達する。彼らは「不当処分撤回を要求する集い」を作って現在の個別訴訟を進行中だが今回の判決が今後の訴訟に影響を及ぼすものと見られる。彼が日の丸と君が代を拒否する理由を訊いてみた。

―日の丸と君が代が日本の国旗と国歌であることは日本のみならず世界的にもよく知られた事実だ。「日の丸と君が代を国旗と国歌に認定できない理由をいう前にまず言いたことがある。私が日の丸と君が代を否定するからといって私を反骨指向の反社会主義者と誤解する人が多いが、私は極めて平凡で中産層家庭で育った。祖父と父のどちらも田舎の村長で自民党を支持する誰よりも保守指向の家だ。だが、私が大学に進学した後、それまで知らなかった日本の暗い歴史を習った。日本帝国主義は朝鮮と中国をはじめとする隣国を侵略し虐殺と略奪など悪いことを数多く犯したことを知った。日の丸と君が代はまさに日本帝国主義侵略史を代表する象徴物だった。そのような負の遺産を日本の国旗と国歌に認定するのは有り得ないと考えるようになった。ドイツで戦争の時、虐殺の象徴だったナチ旗を国旗に使っているか。ドイツは徹底して反省した。日本が誤った過去の歴史について反省せずかえってこれを美化して当時の時代的状況論理で合理化しようとするのは正しくないことだ。」(中略)―それでは日本の国歌と国旗は新しく作らなければならないというのか?「日の丸と君が代が真の日本の国旗と国歌になるためには日本の十分な反省がなければならない。そのためには歴史をあったそのまま教えなければならない。再び戦争をしないという確信を隣国に与えなければならず、これを韓国、中国をはじめとして侵略被害者がすべて認めた後でなければならない。加害者の日本は侵略と差別についてよく知らない。こういう状況で十分な反省が出てこない。それができないなら国旗と国歌は新しいものに変わらなければならない。」(中略)インタビューが終わって席を立とうとすると、すぐに申谷氏は「韓国国民に伝えたい話がある」といった。「日本にも誤った過去の歴史を反省する日本人が少なくないということを韓国国民が知ってくれたらいいですね。日本と韓国がさらに親密な隣国になるよう願います。」

埼玉=キム・チャンウォン特派員

ソース:東亜日報(韓国語)「日侵略の象徴‘日の丸-君が代’…過去の歴史反省なしでは国旗-国歌にはなれない」
http://news.donga.com/Inter/3/02/20110615/38034236/1

関連スレ:【書籍】天皇を意味する「君」ではなく「民衆」の時代歌おう!~チョン・ヨンヘ著「民が代斉唱」韓国で翻訳出版★2[06/10]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1307755486/
【日韓】君が代条例、韓国ネットユーザー「国歌に敬意を表するのは当たり前では?」[06/07]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1307455664/

元スレ→http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1308148860/-100

1998年(平成10年)頃から教育現場において、文部省の指導で日章旗(日の丸)の掲揚と同時に「君が代」の斉唱の通達が強化される。日本教職員組合などの反対派は憲法が保障する思想・良心の自由に反するとして、旗の掲揚並びに「君が代」斉唱は行わないと主張した。1999年(平成11年)には広島県立世羅高等学校で卒業式当日に校長が自殺し、「君が代」斉唱や日章旗掲揚の文部省通達とそれに反対する日教組教職員との板挟みになっていたことが原因ではないかと言われた。これを一つのきっかけとして「国旗及び国歌に関する法律」が成立、政府は国旗国歌の強制にはならないとしたが日教組側は実際には法を根拠とした強制が教育現場でされていると指摘、斉唱・掲揚を推進する教育行政並びにこれを支持する保守派との対立は続いてきた。職務命令が発せられていること自体は事実で、職務命令の服従を拒否した結果懲戒処分を受け、その取消を求める訴訟も頻発している。しかし近年、国民の大多数に受け入れられている現実から日教組の姿勢も軟化し入学式や卒業式での国旗掲揚国歌斉唱の実施率は上昇している(君が代に対する意見の対立については、国旗及び国歌に関する法律を参照)。

日教組は、「日の丸・君が代」を拒否しているが、「君が代」に代わる新しい国歌の制定を主張していない。ただし、独自に新たな「国民歌」を公募したことがある。


東京都では卒業式に君が代斉唱時に起立しなかった教諭を懲戒処分し、再雇用制度でも採用を拒否したとして訴訟を起こされている。日の丸・君が代は、天皇を盟主とする八紘一宇を実現するために仕掛けられた大東亜戦争推進の象徴だとして左翼陣営を中心に拒否反応があり、教育現場も混乱してきた。特に「君が代」については、「君」が天皇を指すものとして抵抗感が大きい。そこで、政府は1999(平成11)年8月13日に「国旗及び国歌に関する法律」を公布し、即日施行、日の丸・君が代に正式な法的地位を与えた。

信じられないことだが、それまで日本には法的裏づけのある国旗・国歌はなかった。それなのに、国民の間では国旗は「日の丸」、国歌は「君が代」とされていた。一部国民に強い反発はあるものの、オリンピックなど国際的スポーツ大会では「日の丸」が掲げられてきた。特に「君が代」が演奏されると、国民は感激する。「日の丸」「君が代」はどうして、国旗・国歌になったのか。復習してみよう。

日の丸と君が代を日本国旗・国歌に認定できないと主張する日本人元教師がいる。東京都立南葛飾夜間高等学校で30年間余り社会科を教えてきた申谷雄二 (64)氏。彼は14日、東亜日報とのインタビューで「過去の歴史に対する徹底した反省なしに日の丸と君が代は日本の国旗と国歌になれない」と釘を刺した。

彼は2004年3月卒業式で国旗に向かって起立し国歌を歌うよう求めた校長の指示を拒否し警告処分を受け、このため 2007年再採用審査から脱落して定年退職した。申谷氏は「校長の起立提唱命令は憲法違反」と訴訟を提起して1審で一部勝訴したが2審と先月30日開かれた上告審でいずれも敗訴した。

日本では公立学校での起立斉唱義務を拒否し懲戒処分を受けた教師が昨年まで1143人に達する。彼らは「不当処分撤回を要求する集い」を作って現在の個別訴訟を進行中だが今回の判決が今後の訴訟に影響を及ぼすものと見られる。彼が日の丸と君が代を拒否する理由を訊いてみた。

―日の丸と君が代が日本の国旗と国歌であることは日本のみならず世界的にもよく知られた事実だ。「日の丸と君が代を国旗と国歌に認定できない理由をいう前にまず言いたことがある。私が日の丸と君が代を否定するからといって私を反骨指向の反社会主義者と誤解する人が多いが、私は極めて平凡で中産層家庭で育った。祖父と父のどちらも田舎の村長で自民党を支持する誰よりも保守指向の家だ。だが、私が大学に進学した後、それまで知らなかった日本の暗い歴史を習った。日本帝国主義は朝鮮と中国をはじめとする隣国を侵略し虐殺と略奪など悪いことを数多く犯したことを知った。日の丸と君が代はまさに日本帝国主義侵略史を代表する象徴物だった。そのような負の遺産を日本の国旗と国歌に認定するのは有り得ないと考えるようになった。ドイツで戦争の時、虐殺の象徴だったナチ旗を国旗に使っているか。ドイツは徹底して反省した。日本が誤った過去の歴史について反省せずかえってこれを美化して当時の時代的状況論理で合理化しようとするのは正しくないことだ。」(中略)―それでは日本の国歌と国旗は新しく作らなければならないというのか?「日の丸と君が代が真の日本の国旗と国歌になるためには日本の十分な反省がなければならない。そのためには歴史をあったそのまま教えなければならない。再び戦争をしないという確信を隣国に与えなければならず、これを韓国、中国をはじめとして侵略被害者がすべて認めた後でなければならない。加害者の日本は侵略と差別についてよく知らない。こういう状況で十分な反省が出てこない。それができないなら国旗と国歌は新しいものに変わらなければならない。」(中略)インタビューが終わって席を立とうとすると、すぐに申谷氏は「韓国国民に伝えたい話がある」といった。「日本にも誤った過去の歴史を反省する日本人が少なくないということを韓国国民が知ってくれたらいいですね。日本と韓国がさらに親密な隣国になるよう願います。」






(私論.私見)