革命期の客観的条件と情勢、革命の時機如何論

 

 (最新見直し2007.5.17日)

 (格好内容模索中、どなたかご協力をばおたのもうしあげます)

【マルクスの名言金言】
 マルクスは「経済学批判・序論」の中で次のように述べている。
 「人間社会の物質的生産力はつねに発展するが、その発展のある段階に達するや、現存の生産関係(人と人の相互関係、社会、国家制度)と矛盾するようになる。そのときに社会革命の時代がはじまるのである。人間の意識が彼らの存在を決定するのではなく、反対に、彼らの社会的存在が彼らの意識を決定する」

 マルクスは1844.2月に執筆した「ヘーゲル法哲学批判・序論」の中で次のように述べている。
 「批判の武器は、武器による批判にとってかわることはできない。物質的な力を倒すには物質的な力をもってしなければならない。そして理論(思想)も、大衆をとらえるやいなや、それは物質的力となる」

【レーニンの名言金言】
 次のレーニンの言葉も味わい深い。レーニンは世界の、とりわけロシアの革命の経験を総括して「革命的情勢到来の時期指標」について次のように述べている。レーニン著「共産主義における『左翼小児病』」その他を参照する。
 概要すべての革命、とくに20世紀の三つのロシア革命によって確立された革命の基本法則はこうである。即ち、革命的情勢を切り開くには、搾取され圧迫された大衆がこれまでどおりに生活ができないということを意識して変更を要求するというだけでは不十分である。それに、搾取者(支配階級)がその支配をこれまでのような遣り方では支配を維持することができなくなる、という情勢の加味が必要である。即ち、『下層の生活危機』に加えて『上層の何らかの危機、支配階級政治の危機』が重なった時、その二重危機が被圧迫階級の不満と憤激とが突いて出る裂け目を作り出すのである。

 これに『大衆の独立の歴史的行動』としての革命的昂揚が絶対に必要である。この条件、この行動が結合した時にはじめて革命は勝利することができる。これが革命の法理であり、『革命は、全国民的な(被搾取者も搾取者をもまきこむ)危機なしには起こり得ない』という言葉によって表現される」
 「大衆の間に革命的な気分がなく、このような気分の高まりを助長する諸条件がなければ、勿論革命的戦術を行動に移すことは出来ないが、われわれは、口シアで余りにも長い苦しい血みどろの経験によって革命的気分丈にもとづいて革命的戦術をうち立てることは出来ない」。

【「ロシア革命時期尚早論」に対するレーニンの反論】
 メリニチェンコ著「レーニンと日本」に、日本人記者とレーニンの会見記が紹介されている。中平会見記によれば、革命の時機の適切性如何を問うたのに対し、レーニンは次のように答えている。
 「革命前において露国の労働及び農民階級は、前古に類例無き圧迫を蒙り至るものにして、その圧迫の結果として人民階級の反抗的精神はいよいよ高まり、革命運動として勃発せるものなるが、露国下層民の組織的能力が比較的弱く且つ他国に比して教育の程度も低かりしに関わらず、この運動を抑圧すること能わざりし理由も又ここに存するものなり。今や、露国労働及び農民階級は二年半に亘る革命の経験によって著しく政治的及び社会的訓練を経て、この方面において得たる二年有余の経験はゆうに数世紀の発展に匹敵すべし」

 ここには、ロシアマルクス主義の父と称されるプレハーノフ(1856−1918年)やメンシェヴィキとの論争の中心的テーマであった「ロシアでは社会主義革命や社会主義に値するほどの社会に成熟していない」、「もしレーニンが全てにおいてマルクスを見習いたいと思っているのであれば、無産層の意識が高まるまで待たなくてはならない」との観点に対して、レーニンが如何に論を対置したのかが窺える。

 1918.4月新政権にとって、社会主義建設の行く手に課題と任務が山積みになっていた時、レーニンは次のように述べている。
 「ロシアの革命がまず最初に容易な任務-地主とブルジョアジーの打倒-を解決し、そして今やより困難な社会主義的任務に直面することになったということに、絶望したり意気消沈する片影も、いささかの根拠も、私は、見出すことは無い」
(私論.私見) 「『ロシア革命時期尚早論』に対するレーニンの反論」について

 メリニチェンコ著「レーニンと日本」に明かされたレーニン語録は貴重である。これが「ロシア革命時期尚早論」に対するレーニン主義の見地である。れんだいこ流に意訳すれば、レーニンは、今日でも為される「ロシア革命時期尚早論」に対し、急進主義革命遂行により「この方面において得たる二年有余の経験はゆうに数世紀の発展に匹敵すべし」と「功」を論(あげつら)い反論していることになる。つまり、革命の達成に時期尚早論を唱えることはナンセンスであり、急進主義的にこれを押し進めることこと是である。よしんば、建国革命後に様々な困難に直面すれども、「絶望したり意気消沈する」ことはない。問題は、その後の建国能力にこそあり、真に咎められるべきはこの点であり、「ロシア革命時期尚早論」の見地からあれこれいうことではない、ということになろう。

 この論争には、仮面左翼と真性左翼のそれぞれの言い分が見事に浮かび上がっている。レーニン主義の見地が見事に吐露されている。してみれば、自称インテリや右翼的共産党中央が頻りに説く「ロシア革命時期尚早論」の反動的見地こそ知らされるべきであろう。

 2004.5.22日 れんだいこ拝


【毛沢東の名言金言】




(私論.私見)