「財宝を蓄えれば義を捨て士の本分を誤る」。 |
「常の勝敗は現在なり」。 |
「世の乱れは、言葉の乱れである」。 |
「人教えざれば道を知らず。道を知らざれば、すなわち、禽獣より害あり」。 |
「天地ほど正しく全き師あらんや。ただ天地を師とせよ。天地何を好み何をか嫌う。ただ万物を入れてよく万物になずまず、山川、江河、大地、何ものも形をあらわしてしかも載せずということなし」。 |
「天地の至誠、天地の天地たるゆゑにして、生々無息造物者の無尽蔵、悠久にして無彊の道也。聖人これに法りて天下万世の皇極を立て、人民をして是れによらしむるゆゑん也」。 |
「天地これ師なり、事物これ師なり」。 |
「己を潔くせんと欲して大輪を乱るは異端なり」。 |
「外その威儀正しき時は内その徳正し」。 |
「我が身たとへ生きながら敵人の手に渡るとも、命は卒爾に棄つべからざると存ずる也。己が一時の怒に身を棄て、恥を思うて早く死し、死を潔くして一時の思を快くせんことは忠臣の道にあらざる也」(源了円著「徳川思想小史 (中公新書 (312))」P82 「山鹿語録」)。 |
「凡そ士の職と云ふは、其身を顧ふに、主人を得て奉公の忠を尽し、朋輩に交はりて信を篤くし、身の独りを慎んで義を専らとするにあり。而して己れが身に父子兄弟夫婦の不得巳交接あり。是れ亦天下の万民各々なくんば不可有の人倫なりといへども、農工商は其の職業に暇あらざるを以て、常住相従って其の道を不得尽。士は農工商の業をさし置いて此の道を専らつとめ、三民の間苟も人倫をみだらん輩をば速に罰して、以て天下に人倫の正しきを待つ。是れ士に文武之徳治不備ばあるべからず」(「山鹿語録」)。 |
「威は、その容貌より言動に至るまで、かるがるしからず、甚だおごそかにして、人以って畏るべきの形也」(「山鹿語録」)。 |
「人は難にのぞみ危うきに至りては、義を忘るる事多し。死生存亡に於いても変ぜざるは、まことの義士といふべきなり」(「山鹿語録」) |