「神州の泉」主宰者/高橋博彦

 更新日/2016.03.10日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「神州の泉」主宰者/高橋博彦氏の思想と履歴を確認しておく。

 2016.03.10日 れんだいこ拝


【「神州の泉」主宰者/高橋博彦氏の思想と履歴】
 「「神州の泉」高橋博彦氏を偲んで 」。
 ブログ「神州の泉」の主宰者であり、”国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る”の共著者である高橋博彦氏が1月26日に逝去されました。僕は種々の圧力により言論世界から退場を強いられ、公共での発言を封じられている身なのですが、高橋氏の死に際し追悼文すら綴ることができないのであれば、それはもはや人間の構造を解かれた洞(うろ)にも等しいのであり、ゆえに本稿が文字禍を招くとしても甘んじてそれを受け入れ、むしろ自身の存在証明として故人とその遺志について語りたいと思うのです。高橋氏との交流はおおよそ3年にわたったのですが、互いにネットを通じて仲間や賛同者を募ろうなどという思惑もなく、まして何らかのイデオロギーを共有する同志的連帯感で繋がっていたわけでもありません。むしろ僕は右でも左でもなく、両者を止揚するポジションであるのに対し、高橋氏は鮮明に保守を打ち出し、つまり断固として右翼を自称したのですが、その姿勢には全くぶれがなかったと思います。

 そもそも右翼の定義とは、伝統文化と重要国土の護持および国家企業と民族共同体の保守であるわけです。しかし論壇誌や右傾言論人が賛美する自民党政権とは、アメリカ公文書館の資料でも明記されているとおり、アメリカを本拠地とする多国籍企業の利潤誘導のため資金投入された傀儡政権であり、その前提においてこの国の保守とはいわば経済植民地のガジェットであり、つまり彼らは外国資本にカネをもらい売国を幇助する「偽装保守」に過ぎないわけです。席巻するジンゴイズム(狂信的対外強硬主義)やエスノセントリズム(自民族だけが高潔であるという思想)あるいはゼノフォビア(排外主義思想)などの時代錯誤な思潮や、過激化する朝鮮民族への差別は決して自然発生したものではなく、原発事故や戦争国家構想など重大な内政問題に対する国民の注意を反らすために仕組まれた現代のボクロム(ロマノフ王朝が権力維持のため実行した人種差別政策)なのです。直言するならば、この国の右翼とは自衛隊を米軍の下部組織として再編成し、派兵や徴兵さらに武器輸出の世論合意を取り付け、終局的にコングロマリット(軍需、金融、エネルギーの複合企業)の利潤を最大化する装置としてビルトインされているのであり、すなわち人間のクズなのです。

 かくも論壇が買弁(売国奴)集団と成り下がった時代において、高橋氏は最後の国士であり真の右翼であったと言えるでしょう。彼は保守というポジションを堅持しながらも決して自民族至上主義に堕ちることはなく、むしろ民族体系を突き放して凝視する冷眼を携え、現象群をアカデミズムから考察しようと努めたのであり、だからこそ彼の言論はイデオロギーを超越して説得力に溢れ、人の心を揺さぶるものであったと思うのです。

 高橋氏がもっとも憂慮し訴求していたことは国家の植民地化でした。小泉政権を起点とする一連の改革とは日本国のプランテーション化を目論むものであり、すでにフリードマン(超搾取型経済主義)理論に基づき資本規制の撤廃(主要企業の外資化)、労働者の非正規化、多国籍企業の優遇税制と補助金の強化、医療・教育・福祉・年金の切捨て、フラット税制(消費税などの植民地税制)が達成されています。そしてついにはTPP批准と経済特区により商業条約が国家憲法を超越するという倒錯であり、実質として我々は主権を剥奪され奴隷民族に転落するのです。

 (出典: 「独りファシズム」2015年1月30日)
 今は削除されてしまっている「神州の泉」のブログから、昨年8月3日に書かれた記事が、「阿修羅」というサイトに転載されて残っていますので、高橋さんを偲んで、こちらでも紹介させていただきます。高橋さんが鳴らした警鐘に耳を傾けましょう。
 消費税率(10%)引き上げ前に郵政株式の上場が画策されている(神州の泉)
 http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2014/08/post-2b50.html 
 2014年8月3日

 消費税の税率が現在の8%から10%に引き上げられる予定は来年2015年の10月だそうである。日本郵政の西室泰三社長はその前に、日本郵政株式の上場を果たしたい意向を述べている。

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 郵政社長、株式上場「消費税10%の前に」 金融2社は未定と説明(2014/6/25 17:37)

 日本郵政の西室泰三社長は(2014年6月)25日午後の記者会見で、株式上場について「少なくとも消費税がもう2%上がる前までの段階でできることはした方がいい」と述べた。消費税率の10%への引き上げは2015年10月の予定。西室氏はそれまでは景気が下振れしにくいとし「正確には決まっていないが、マーケットの状況から考えるとそう思わざるを得ない」と述べた。傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式上場時期に関しては「まだ全く決まっていない」と説明した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL250WN_V20C14A6000000/

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 上記にあるように、肝心のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険会社は、上場時期にかんしてはまだ未定だとしているものの、非常に恐ろしい事態が進行しつつある。かんぽ生命の総資産額は、確か2010年で100兆円を割っているが2013年3月31日時点では90兆4623億円(ダイヤモンド就活ナビ資料)になっている。一方ゆうちょ銀行は2012年9月末には、貯金総額で175兆7967億円である。日本郵政が管理するこれら二つの巨大金融会社の総額は約266兆円になっている。郵政民営化がスタートした2007年10月当時の総額340兆円に比べれば74兆円も目減りしてしまったが、それでも266兆円の額は大きい。

 今、郵政が保有するこの莫大な金融資産が、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーなど、世界の超巨大投資銀行群(バルジ・ブラケット)に狙われているのだ。日本郵政の株式がこれらハゲタカである巨大金融会社に買われ、その経営権を支配されてしまえば、日本郵政が支配するゆうちょ銀行とかんぽ生命の総資産は、日本国民には何の利益ももたらさずに、わずか数兆円で彼らの手中にわたってしまうことになる。

 日本郵政株式の総額は12兆4000億円だから、バルジ・ブラケットのどこかが、半分の6兆2000億円を少し超える額で郵政株を取得すれば、かんぽとゆうちょの経営権は完全に彼らの手に渡るのである。そうなれば国民の大事な資産である266兆円は日本国から完全に揮発してしまうことになる。それが郵政民営化の当初からの目的なのである。

 日本人はUSTRの甘言にだまされて、この売国民営化を自ら幇助したわけである。小泉純一郎という外道宰相が旗を振り、竹中平蔵という外道経済学者が具体的な設計をして、充分な国民的議論を経ないままに、短期間で郵政民営化は実行されてしまった。これは日本国民に対する重大な犯罪である。これに待ったをかけるべく、綿貫民輔氏や亀井静香氏らが必死になって抵抗したが、有象無象の圧力があって彼らは抵抗戦線からやむなく離脱した状況になっている。そのために勢いを増した外国のハゲタカ勢力は、野田や安倍の売国政権を動かして日本郵政社長の首をすげ替えている。日本郵政社長のすげ替えは、ハゲタカ勢力にとっては当初の目的を遂行するために必ず通らなければならない関門だった。

 2012年4月の郵政民営化改正法成立辺りから、日本郵政はタイアップしていた日本生命と共同でかんぽ生命によるがん保険など「第三分野」(医療保険)への進出を模索し、両社で新商品のがん保険を市場に出せる準備が整っていた。御存知のように保険の第三分野はアメリカの保険会社に占有されていて、日本の保険会社や被保険者である日本人が、自国の保険会社にその分野への進出を望んでも、アメリカの圧力によって跳ね返されてきた。ここには米国債を買ってもそれを決して売ることができない圧力と同様な力が働いている。まさに宗主国と属国(あるいはプランテーション国家)の不均衡状態なのである。

 2012年4月、かんぽ生命と日本生命がこの分野への進出を模索して共同で新商品を開発していた。ところが翌月の5月に、ウェンディ・カトラー米国通商代表部(USTR)代表補が訪韓後に突然来日して、日本郵政の斉藤次郎社長(当時)、外務省高官、総務省高官と話し合っている。東谷暁氏の推察によると、このとき、カトラー氏はギリギリと詰め寄って、日本郵政とニッセイの「がん保険事業共同進出」を止めるように斉藤社長を恫喝した可能性が高いと言う。その結果何が起きたのか。なんと、かんぽ生命と日本生命の5年間の親密な協力関係はいきなりご破算にされ、その代わり、米国大手保険会社・アメリカンファミリー生命保険(アフラック)との業務提携の強化を行った。提携主力相手をアフラック一本に絞ったのである。

 この経緯を簡単に示す。

 2009年10月、政権交代後まもなく、当時の亀井静香郵政・金融担相は小沢一郎幹事長と相談して元大蔵事務次官の斎藤次郎氏を後任社長に抜擢した。同時に大蔵省出身の坂篤郎氏が新社長の座に就いている。その後、斎藤氏は自公与党政権の隆盛を見越して2012年12月、自ら取締役を降板した。ここで、坂篤郎副社長が新社長の座に就いた。ビジネスジャーナルを参照すると、坂圧篤郎氏は新社長に就任早々、竹中平蔵色が濃い役員たちを次々に郵政から追放した。この坂篤郎という人物は亀井静香氏らと同様に、日本郵政を外資から防衛するという志に徹していたわけである。

 竹中平蔵を経済の羅針盤に抜擢した超売国政権の安倍政権がこの状況を看過するはずもなかった。自民党に政権が戻った直後、菅義偉(すが よしひで)・官房長官が坂社長の退任に強くこだわったのは、坂氏が、郵政民営化見直し法の成立に向け、各党間の調整で中心的な役割を担ったからだという。グローバル資本の完全なパペットと化している安倍政権は、坂氏の続投を断じて許すはずもなかった。

 2013年6月下旬の日本郵政定時株主総会で坂篤郎氏の退任が正式に決定され、後任に東芝相談役の西室泰三氏が決まった。このとき坂氏が追放されずに日本郵政の顧問格に収まったのは、郵政内部の強い抵抗と、追放するというあまりにも露骨なやり方が世間の耳目を引いて、郵政法案見直しが再燃することを政府が恐れたのだろう。(坂氏は2014年3月5日に顧問退任。)

 超親米派の西室泰三氏は小泉政権時代、竹中平蔵氏とタイアップして経済財政諮問会議の黒幕として構造改革と郵政民営化を差配していた人物だった可能性が濃い。だから、日本郵政の社長にこの人物が就いたということは、アフラックに日本のがん保険領域を制圧されたということだけではなく、今後、郵政全域がアメリカ・グローバル資本に掌握されていく橋頭保になったことを意味している。

 今後、西室社長がためらわずにやることは、2015年の日本郵政の株式上場である。そこに待ち構えているのは、世界最大級の投資銀行「ゴールドマン・サックス」であることはほぼ間違いない。

 これまでの安倍政権の暴走ぶりを見ていると、この株式上場を消費税が10%に引き上げられる前に行いたいという、西室社長の強い意思が実現されてしまう可能性が高い。国民の大事な共有財産がハゲタカ資本に分捕られてしまう時期が次第に迫っている。
小泉政権への国民の熱狂的な支持の中成立した「郵政民営化法」は、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の2017年までの株式上場と完全民営化を定めています。報道によれば、今年2015年の秋に、これら三社の株式上場がなされるとのことです。(出典)

 10%への消費税増税は、一年半延期されて、2017年4月からの実施がほぼ確定していますから、高橋氏の指摘のとおり「10%への消費税増税前の郵政の株式上場」はそのまま実現する形になります。ゆうちょ銀行とかんぽ生命は、昨今は目減りしていますが、数年前まで総資産額で300兆円を超える文字通り世界最大の金融機関であり、明治時代より日本人が営々と積み上げてきたこの巨大資産は、かつては国債引き受けによる「財政投融資」の資金に充てられ、国内の公共事業のために政府によって投資されていました。

 つまり、日本人が働いて積み上げてきた資産が、日本人の手によって、日本人のための社会資本形成のために使われ、そうして蓄積された社会資本がさらに日本人の生産活動を助けるという、お金や財が国の内部に循環して日本全体を豊かにしていく体系が確立されていたのですが、この体系を破壊したのが、90年代からの「構造改革」であり、その筆頭に挙げられるのが、郵政民営化法を可決成立させた小泉構造改革だったわけです。

 そして、現在の安倍政権は、小泉政権を上回る規模の「構造改革」(という名の売国と国家破壊)を着々と実現させつつあり、小泉政権が始めた郵政民営化の最後の画竜点睛が、ついに安倍政権下で打たれようとしています。

 日本人がこつこつと貯めてきたお金は、もはや日本人の手によって、日本人のために、国内で投資されるのではなく、グローバル投資家たちの手によって、彼らの金儲けのために、地球規模に拡散していくのです。

 現在、安倍政権は、JA全中(全国農業協同組合中央会)の解体を目論んでいますが、その目的の一つは、郵政民営化の目的と同じものです。つまり、郵便貯金の次に、彼らが目をつけているのが農林中央金庫(JAバンク)の巨大資産です。
 農協改革 安倍官邸の狙いは約400兆円の“農協マネー”

 いったい誰のため、何のための改革なのか――。安倍晋三首相(60)が前のめりで進める農協改革に、農協関係者のみならず、自民党議員からも批判が噴出している。そこには隠された狙いがある。約400兆円の農協マネーの奪い合いだ。日米両政府の思惑に、日本の農村は食い物にされるのか。農協は、金融サービスを提供する信用事業(JAバンク)と、民間の保険にあたる共済事業(JA共済)を展開している。農協は農産物の販売・購買などの赤字事業に、信用・共済事業の黒字で補てんしている。その保有資産は莫大で、JA共済の契約保有高は約300兆円。組合員に事業融資や住宅ローンなどを提供するJAバンクの貯金残高は約90兆円で、日本の個人の預貯金残高に占める割合は10.5%にのぼる(2012年度末)。これは、三菱東京UFJ銀行よりも高い比率だ。

 政府は、このカネに手を伸ばそうとしている。政府の諮問機関である「規制改革会議」は昨年11月、「農業協同組合の見直しに関する意見」という文書を発表。貯金や共済の利用制限について「(一般の人も加入できる)准組合員利用量の規制は、数値基準も明確に」と書いている。同会議の農業ワーキング・グループは昨年5月にも意見を発表していて、そこでは「(農家限定の)正組合員の事業利用の2分の1を越えてはならない」と提言している。実は、これが農協の信用・共済事業を弱体化させる核心という。大妻女子大学の田代洋一教授(農業経済学)は、こう解説する。「たとえば、准組合員がJAバンクで利用できる貯金総額が正組合員の50%以下に制限されると、50%を超える分の貯金額は准組合員に返却しなければなりません。経営が不安定になり、地域農協に与える打撃は計り知れない」 。さらに、米国も農協の信用・共済事業を狙っている。郵便貯金・簡易保険の民営化に続き、再び日本人の資産が標的になっているのだ。

昨年6月、在日米国商工会議所(ACCJ)が、JAグループの組織改革について意見書をまとめた。その内容は規制改革会議の活動を高く評価するもので、結論には「日本政府および規制改革会議と緊密に連携」していくと書かれている。にわかに信じがたい話だが、これは両者が発表している意見を比較すれば一目瞭然だ。注目すべきは、米国の規制見直し要求にある「組合員の利用高の一定の割合までは員外利用が認められていること」という項目だ。「員外利用」とは、農協に出資している正・准組合員ではなくても、農協のサービスが利用できる枠組みのこと。信用・共済事業を中心に、各農協ごとに20~25%まで認められている。これが特別待遇にあたるとして、制度撤廃を求められている。

 しかしながら、規制改革会議の意見にあるのは先述した准組合員への利用制限だけ。員外利用の禁止は書かれていない。ここにカラクリがある。「まず、准組合員に利用制限がかけられると、正・准組合員の貯金総額が減ります。そうなると当然、員外利用の比率が自動的に高まってしまう。それが25%を超えれば、員外利用者に貯金を返却しないといけない。准組合員の利用量規制をすれば、員外利用者にも同時に制限できるのです」(田代教授)。いま、農協の正組合員は461万人、准組合員は536万人(12年度)。准組合員の利用制限が2分の1になると、農協は単純計算で准組合員約305万人分の信用・共済事業の資産を扱えなくなる。JAグループの関係者は言う。「准組合員に返却された貯金などは、国内外の金融機関や保険会社にとって顧客獲得の商機になる。信用・共済事業の規制改革は、これまでも繰り返し意見が出されていたし、農協改革の最大の狙いもそこにあるのでしょう」。

 今回の農協改革でも、規制改革会議の意見を受けて准組合員の利用制限が論点に入っている。現場無視の提案にベテラン議員は、「規制改革会議が神様なら、国会議員はいらない」と不快感を隠さない。

 (出典: 週刊朝日  2015年2月6日号)
 高橋氏の遺志を受け継いで、私たちも我慢強く、真実を語り続けていきたいものです。最後になりましたが、高橋博彦氏のご冥福をお祈り申し上げます。ブログ・ランキングにご協力ください。左のバナーを一日一回クリックお願いします。
 No title
 こんにちは。「神州の泉」が更新されなくなった事をある掲示板に書いた所、高橋さんが体調を崩して入院された事を教えていただきました。いつか回復してブログを再開してくださるものと思っていたのですが、まさかこんなに早く訃報を目にする事になるとは思いませんでした。本当に無念でなりません。高橋さんは早くより「自民党はもはや保守政党ではない」と警鐘を鳴らし続けておられました。その事が周知される前に病に倒れられた事は、高橋さん自身が一番無念であったろうと思います。私なぞは全く非力な人間で、高橋さんの遺志を継ぐ、など言える者ではありませんが、高橋さんのこれまでのブログ記事を再度熟読し、少しでも近づけるよう努力していきます。私からも高橋さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 No title
 ブログ「神州の泉」が更新が途絶えて以来、その身を案じておりましたが、このたびの逝去、誠に残念です。ブログ主の高橋氏のご冥福をお祈り申し上げます。高橋氏は、グローバリズム、構造改革、米国の傀儡である自民党政治の問題点に対し、知性と品格でもって一貫して批判を行ってきておられてきた貴重なブログ主でした。安倍政権の登場によって、高橋氏やWJFさんの警告のとおり、日本の国難はスピーディーにあらゆる領域に広がってきました。 経済再生という名目で虚飾された新自由主義経済政策のオンパレード、売国的TPP推進、郷土を育んできた農業の解体、そして外交においては安倍の中東でのパフォーマンスによって日本人がテロの明確なる標的にされてしまう事態にまでなってきました。 古代より祖先が築き上げてきた麗しき日本が、たった一度の敗戦である戦後の政治状況により崩壊の途に向かう最中、今を生きる我々がどう抗うことができるかによって、日本の命運が左右される大変な節目にきていると、あらためて思います。
 No title
 2014年9月分の記事の内3点をネットから回収。

 石破茂の「地方創生担当相」は粉飾、本命は「国家戦略特区」担当相だった!!

 2014年9月18日 (木) 神州の泉

 安倍政権の第二次改造内閣で、石破茂元幹事長の処遇が、マスコミやネットなどでいろいろと取沙汰されたことは記憶に新しい。日頃の二人の確執も募り、首相は政権内最大のライバル石破茂氏をいつまでも幹事長の座につけておくわけにはいかなかった。 そこで、首相は石破氏に対し、世間の評判がすこぶる悪い『集団的自衛権』と直接かかわる、懸案の「安全保障法制担当相就任」を直接打診していたらしい。だが、石破前幹事長は入閣を断り、安倍首相と真っ向から“対決”する覚悟になっていると言われた。これについては、ライバルを厄介な閣僚ポストにつけて心身を消耗させ、石破派もろとも力を削ぐ狙いだとか、いろいろとまことしやかなことをマスコミは書きたてていた。 「首相と百パーセント考え方が一緒の人が答弁するのが一番いい。」など、石破氏のラジオ発言もあって、世間は安倍首相と石破氏の不仲説を面白おかしく受け取っていた。双方が不仲であることは本当だろう。第一次安倍内閣のことはよく覚えていないが、産経ニュースによれば、石破氏はあの当時、「安倍さんは一回辞めたほうがいい」とも言っていたようだ。粘着気質の安倍晋三氏はこういう発言を絶対に忘れないし水にも流さない。それに2012年、政権交代前の自民党総裁選の下馬評は圧倒的に石破氏が優勢だったし予備選でも断トツだった。ところが決戦では安倍氏が逆転勝利している。第一次組閣で石破氏を幹事長にしたのは、石破氏のシンパがたくさんいる党内で彼を侮ったら政権がぐらつくと考えていたからだ。その考えは今も同じであると思うが、石破氏との不和が政権の安定上、限界に達していたのかもしれない。 そこで安保担当相という消耗戦必死の閣僚ポストを打診したが駄目だった。考えあぐねた安倍首相は窮余の策で石破氏に「地方創生担当相」を命じ、石破氏がそれを承諾して今回の人事騒動は一件落着した。 しかし、おおよそ以上のようにマスコミが報じたことには大いに引っ掛かるものを感じている。その理由は石破人事の帰着点が決して無難だなどというレベルのものではないからだ。あえて言うならこれは国家の一大事なのだ。神州の泉は先月末からマスコミが騒ぎたてたこの反目合戦が見た目どおりだったのか、あるいは国民を欺く猿芝居だったのか、そんなことはどうでもよい。問題の核心は石破茂氏が就いた閣僚ポストそのものにある。 石破氏が就任した閣僚ポストが2000年来続いた日本を崩壊させる引き金になるかもしれないという点を指摘したい。マスコミは石破氏が駄々をこねたなどと、お家騒動的なレベルでしか言っていないが、本当に両者のそういう相克があったとしても、勝ったのはまちがいなく石破茂氏である。というか、これはあらかじめ予定されていた人事ではないだろうか。 この両者のお家騒動が猿芝居であっても、あるいは本当の経過であったとしても、国民側から見たらどうでもよいことなのである。なぜなら両者の方向性は全く同じであり、彼らは日本をハンドリングするCSIS(米戦略国際問題研究所)日本支部の意向で動いているからだ。 国民が最大の関心を向けなければならないのは、すったもんだの末に石破茂氏が「地方創生担当相」に就いたニュースなのである。このポスト就任が石破茂氏の次期総理大臣を確実にしたのであり、実質的な最高権力は石破茂氏の手中に移ったことと同じことになる。 その理由は石破氏が「国家戦略特区担当」大臣になったことに見える。

 9月3日の組閣前後の報道様態を思い出してみれば分かるが、石破氏についてマスコミが強調していたことは、石破氏が「安全保障法制担当相就任」を蹴ったことと、“地方創生担当相”への就任を許諾したことである。しかし、留意すべき点は、政府がマスコミを通じて発表していたことは、組閣前後に石破氏の「地方創生担当」就任を強調し、国家戦略特区を兼務するという発表はなかったか、あるいは全く目立たないほど小さく報道されていたことだ。おそらくこの当時の政府発表には「国家戦略特区」は全く出ていなくて、地方創生という言葉だけが浮上していた。断言はできないが9月6日辺りから、地方創生と国家戦略特区が兼務になっているという報道が強調され始めたのではないのか?少なくとも改造人事が近づいた8月末辺りから9月5日くらいまでは、石破氏と国家戦略特区が結びついた報道をいっさい目にしていない。目についたのは地方創生担当相の打診や、組閣後に“地方創生担当相”に就任したという報道だけなのである。ところが9月6日辺りから「地方創始担当相」兼「国家戦略特区担当相」という肩書が付いた報道が軒並み出てきているのである。もっとも組閣直後にも出ていたのかもしれないが、少なくとも自分は組閣直後の兼務報道の記憶はない。

 これは何を意味するのか?

 政府は石破茂氏が国家戦略特区担当相に就任した事実を国民に注目されたくなかったのである。だからこそ、当初「地方創生」などという曖昧模糊としたネーミングの閣僚ポストが大々的に報道されていたのである。CSISの真の狙いは石破氏を国家戦略特区担当大臣に就け、養父市と福岡市を起点にして国家戦略特区が実働に向かって立ち上がったことを示している。奈須りえさんが述べたように国家戦略特区はTPPの前倒しなのであって、これが成功すれば日本の経済はほぼグローバル資本の掌中に入ってしまうのである。9月9日の国家戦略特区諮問会議で、養父市と福岡市の「区域計画の認定」と「規制改革事項の追加」が議題となり、区域計画の認定については、養父市は、「農業委員会と市町村の事務分担に係る特例」を活用する事業、福岡市は「エリアマネジメントに係る道路法の特例」を活用することを総理が認定した。同日、石破茂氏は、何と「石破国家戦略特別区域担当大臣」としてマスコミと記者会見をしているのだ。いつの間に「地方創生担当」から「国家戦略特区相」に様変わりしたのだろうか? 組閣当時は「地方創生担当相」だったはずだ。要は地方創生は茶番、粉飾なのである。政府は最初からCSISの指令に沿って、石破氏を国家戦略特区機動部隊の隊長に任命し、養父市と福岡市を皮切りにして全国展開を目論んでいたのである。 国家戦略特区はTPPの前倒し(=前哨戦)でもあるから、安倍政権がCSISから託された最大の国策なのである。言わば安倍政権の存在証明ともいうべき政策のかなめを担った石破氏は、安倍総理よりも大きな権力を持ってしまったと考えても見当外れではない。これから石破氏がグローバル資本や大企業のための規制緩和を目白押し的に実行していくつもりである。 つまり、CSISは最大の任務を石破茂氏にやらせる決意をしたのである。これが成功すれば石破氏には確実に次期総理のポストが待っている。このことは2012年の政権交代に至った国政選挙の少し前に、CSISが石破茂氏を日経とのシンポジウムに招いた時にすでに決められていたと思える。

 アベノミクスは第一の矢「金融緩和」と第二の矢「財政政策」はともかくも、第三の矢である「成長戦略」はまちがいなくアメリカ政府とグローバル資本の肝煎りなのである。それは昨年11月に、USTR次席代表代行のウエンディ・カトラー氏が「TPP交渉の非関税分野の議論はほとんど全て安倍首相の3本目の矢の構造改革プログラムに入っている」と言っていることが証明しているわけだ。 つまり、国家戦略特区とは国民生活と国益に反するものだから、いずれ安倍政権の人気は下落して、本命である国家戦略特区は実行しづらくなる。CSISはそれを予測していて、石破氏を後継総裁に据え付ける計画を最初から立てていた。安倍政権が野田政権末期のように凋落する前に、風向きを石破氏に向ける予定を組んでいたと思われる。官邸が石破氏の職名を“地方創生担当とマスコミに報道させたのは、本命である国家戦略特区を国民に意識させないでおくため、つまり騒ぎにならないように配慮したからである。デング熱騒動もそのことから注意をそらす魂胆があったかもしれない。ではなぜ、石破氏が国家戦略特区担当になったことを、改造人事後に政府があえてぼかしたかということだが、その理由は多分こうである。数は圧倒的に少ないが、奈須りえさんを筆頭にして、この特区事案に強い疑念を持つ人々がいるからだ。だからこそ、政府はいきなり国家戦略特区を出さずにいったんクッションを置いたのである。報道の時系列を見ているとそのことがよく分かる。政府は国家戦略特区のメリット論だけを異常に吹聴し、デメリット論を絶対に言うことはない。この国家壊滅につながる大悪法も、日米構造協議以来、アメリカ(&多国籍企業)が日本に要求する規制緩和の大悲願だからである。典型的な新自由主義型の構造改革だから、政府は国民がそのデメリットに気づくことを最も恐れている。今回の石破人事によって、この国策が本格稼働に入ったら、日本は二度と戻れない壊滅的な状況に至るのである。
 「日本なんかどうなってもいい」の甘利大臣がTPP閣僚交渉の日本代表という絶望感

 2014年9月24日 神州の泉

 今日9月24日の未明から、米ワシントンで甘利明経済財政・再生相がフロマン米通商代表部(USTR)代表との折衝に入っている。23日の報道では、甘利大臣は出発に先立って記者団に、「日米の閣僚協議は最後にしなければならない」とか「政治的な問題は、今回しっかり解決したい。」などと語っている。(例えば毎日新聞など)  しかし、その前日22日の産経ニュースのトーンは、「米国がぎりぎりまで強硬な交渉姿勢を貫き日本の大幅譲歩を引き出そうとする“瀬戸際戦術”に固執すれば、物別れに終わる恐れは大きい。」と強調している。「交渉決裂の可能性」は新聞社の書き方だが、翌日報道では甘利大臣が「これを最後にしたい」と伝えているのは恐ろしい落差感がある。今回交渉の成り行きはまだ分からないが、アジア太平洋資料センター(PARC)代表の内田聖子さんは、今回のTPP日米交渉について次のような警鐘を鳴らしていた。 (略)この警鐘と甘利大臣の「今回を最後としたい」発言を見比べるとかなりの焦慮を感じざるを得ない。

 TPPが何であるかは、たくさん情報が出ているが、ひとことでどんなものかと言われれば、経済や貿易の専門家でもまごついてしまうだろう。なぜならTPPは農産品関税、金融サービス、知的財産権、医療、労働、雇用などの21分野に及び、具体内容はあまりにも多岐に及んでいる。だから集約的にこうなんだと語ることは大変かもしれない。 詳しい内容はネットでも関連書籍でも補足することはできるが、その恐ろしい本質は、内田聖子さんが月刊日本9月号の「日米財界が一体で推進する新自由主義」で語っている次の言葉に見えている。「―略―。新自由主義と自由貿易の波は、国民の生命や健康に直結する公共サービスの分野までも飲み込もうとするものです。食糧や水、医療や農業など、人間の命や尊厳に関わる分野は、そもそも自由競争の市場(マーケット)に放り投げてはいけないものです。新自由主義路線は、こうした分野にまで市場原理を持ち込もうとするものです。まさに『命の市場化』です。―略―。」(該当書籍P32から)

 TPPは日本側から眺めると、小泉政権が構造改革という名目で国政の表舞台に堂々とリリースした新自由主義路線の集大成として出ている。内田聖子さんが、いみじくもそのヤバすぎる属性の一つを『命の市場化』と断言したように、TPPや国家戦略特区、あるいは規制改革会議などは、人間の生命維持や生活維持と強く関わる公共サービス分野まで大型資本の搾取・略奪対象にしてしまう強い意図を持つ。これを実現する最大のスキームが規制緩和・規制撤廃なのである。 だからこそ、神州の泉はTPPを計画した連中は人類のクズであり、それに追従する日本人も人間のクズ、売国奴連中だと言っているのである。巷では昔から自由貿易やオープンエコノミーは是か非かなど、極めて乱暴で無意味な議論が続いた時期もあった。だが、昨今はグローバリズムという名の「規制なき自由貿易」がいかにも不可避で自然な趨勢であるかのように語られる。自由主義諸国の国民が国境なき貿易体制を是認したことはない。そのような風潮をでっち上げたのは、グローバル企業に籠絡された政府筋なのであり、日本の場合はこれに官僚やマスコミが加担している。もちろん、日本の財閥は半分以上が多国籍化しているから、彼らも首班格である。 問題の根源は規制なき究極の自由貿易が、ジョセフ・E・ステグリッツ氏が定義した「関税を廃止する、非関税障壁を廃止する、補助金を廃止する」であるならば、そこに現出する世界が人間にとってどうなるのかということにある。その世界は国境を越えた資本の流動性が加速化し、グローバル企業の収奪環境が整う以外の未来はなくなってしまうことだ。優勝劣敗、弱肉強食の世界は持てる者だけが一人勝ちして、社会が絶対に死守しなければならない人々の生活権、生存権が奪われてしまうことが問題なのである。グローバル資本が望む自由貿易は、レッセフェール(自由放任・放縦主義)を実現することにある。だから企業論理だけの規制緩和を叫ぶ連中はグローバル企業や外資系日本企業の走狗なのである。というか、純粋な大型日本企業はすでに存在せず、ほとんどが多国籍化していて、事実上、向こう側のグローバル企業の眷属のようになっている。

 日本の国政は、国境なき企業群の利益獲得競争のためだけに発案され実行される。竹中平蔵氏らが叫ぶ“イノベーションのための規制緩和”にだまされてはならない。これは向こう側の略奪者、あるいは日本企業の仮面をかぶった企業を野放しにする口実として使われる、いわゆる“魔語”のひとつなのである。 国民を守っている法制度や規制群が彼らのために改変された場合、当然ながら、そこには強欲資本強者(=グローバル企業)が跳梁跋扈するわけであり、諸国の国民は生存権を根底から脅かされることになる。この状況はすでに経済のカテゴリーを越えていて、そこには人間の生存を危ういものにする殺伐とした地獄(ディストピア)が実現される。今、日本の命運を決しかねない重要なTPP交渉を甘利明氏が担当している。第二次安倍改造内閣で、甘利氏が受け持った職名は「経済再生担当・社会保障・税一体改革担当・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)」である。かつて、原発問題のインタビューで自民党の矛盾を突きつけられた甘利氏は「日本なんかどうなってもいい」と言ったというが、このような人物が重責を担う閣僚ポストに就けられ、TPP交渉を任されている現実は白昼夢に近いものがある。
 えっ?米国務省が本ブログにアクセス!?(@@;)

 2014年9月25日 (木) 神州の泉

 普段はあまり見ないのだが、昨日、何気なくココログの「訪問組織ランキング」を覗いてみた。いつものように企業や大学の組織が羅列していた。ページを閉じようとして、ふと目が釘付けになった。 『US Department of State』とある訪問組織だが、何気なく見ていたので、これも横文字の企業かな?などと気にも留めなかった。だが次の瞬間、「US」の部分が目に飛び込んできた。「あれっ?これってunited states なのか ?」と思い、「すると、次の文字が意味することは?まさかそんなこたぁないだろ!」と意識が打消しにかかった。だが、文字を追うと確かにUS Department of Stateと読める。

― US Deptarment of State ―

 どう斜めに受け取ろうが、素直に見ようが、『US Department of State』というのは『米国務省』しかない。『ええええっ?(@@;)、これって、有力な次期大統領候補にもなっている、あの超有名なケリー国務長官が鎮座するアメリカの国務省かぁ???』と、年相応に驚いた次第である。 強大な権能を持つ米国の政府組織が、よりによって「神州の泉」などという、影響力がほとんどない辺縁(へんえん)ブログになぜアクセスを?と思ったが、TPPや「国家戦略特区」の検索ワードから入ったのだろうか。まあ、なんにしても、少しびっくりでありました。その何段か下には「米国海軍」とあるが、備考欄に「山口組 関東連合」とある。米国が日本最大のこの組織をマークしているという話に現実味を感じる。米国海軍は以前にもこのページで見かけたことが一度か二度あったような気がする。しかし、「アメリカ合衆国国務省」ってのは予想外。この話を友人にしたら、彼はすかさず「高橋、そろそろ、自殺をしない宣言をした方がいいかもよ!」ときた。半分真面目、半分は冗談の顔だった。友人がニコニコしながら語ったシーケンスはこうである。「CIAの息のかかったプロ筋が神州の泉の首を絞める →息絶えてぐったりなったところをロープで吊るす → 傍(かたわら)には遺書らしきものをさりげなく置いておく」。どこかで聞いたような気もするが、影響力のない神州の泉には無縁な話だ。そんなものよりも『特定秘密保護法』の言論者狩りの方がはるかにリアリティがある。
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(私論.私見)

 2016.1.10日 れんだいこ拝







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