十種大祓その他

 更新日/2023(平成31.5.1栄和改元/栄和5).1.10日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「十種大祓その他」を確認しておく。

 2009.3.4日、2014.04.05日再編集  れんだいこ拝


【十種大祓】
 「十種大祓」とは、「先代旧事本紀」の「天孫本紀」に記載されている祝詞で、神道に深く関わった物部氏のルーツ邇藝速日命(饒速日命にぎはやひのみこと)が伝えたとされる「十種神宝」(とくさのかんだから、天璽瑞宝十種(あまつしるしみずたからとくさ))に関連した呪文であり、「十種大祓」(とくさおおはらい)又は「布留部祓」(ふるべのはらい)、俗に「布瑠の言」(ふるのこと)、「ひふみ祓詞」とも云われる。ネット上では「フルベフルヘト解読」、「十種大祓」で確認できるが、原文かどうかは分からない。

 「十種の神宝」は、沖津鏡(おきつかがみ)、辺津鏡(へつかがみ)、八握剣(やつかのつるぎ)、生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、道返玉(ちかへしのたま)、蛇比礼(おろちのひれ)、蜂比礼(はちのひれ)、品物之比礼(くさぐさのもののひれ)の10のアイテムを指す。
 十種神寶祓詞(とくさのかむだからのはらへのことば)

 高天原(たかまのはら)に神(かむ)留(づ)まる坐(ま)す 皇吾親(すめらがむつ)神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)の命(みこと)もちて 皇神等(すめかみたち)の鋳(い)顕(あらはし)給(たま)ふ 

 十種(とくさ)の瑞津實(みづのたから)をもちて 天照国照彦 天の火明り(あめのほあかり)櫛玉 饌速日命(にぎはやひのみこと)に授け給ひ 天津御祖神(あまつみおやのかみ)は 言誨(ことおし)へて詔(のり)給はく 汝(いまし)命(みこと) 茲(この)瑞津實をもちて 豊芦原の中国(なかつくに)に天降りまして 蒼生(あおひとぐさ)を 御倉棚(みくらだな)に鎮(しづ)め置きて納めよ 蒼生(あおひとくさ)及び萬物(よろづのもの)の 疾病(やまひ)の事あらば この十種の神寶(かみたから)をもちて 魂魄(みたま)鎭め祭りを爲(な)して 瑞津實を布瑠部(ふるへ)

 その神祝(かむほぎ)の詞(ことば)に曰く 
甲(きのえ) 乙(きのと)
丙(ひのえ) 丁(ひのと)
戊(つちのえ) 己(つちのと)
庚(かのえ)  辛(かのと)
壬(みづのえ) 癸(みづのと)
  
 一(ひ) 
 二(ふ) 
 三(み) 
 四(よ) 
 五(いつ)  
 六(む) 
 七(な) 
 八(や) 
 九(こ) 
 十(と) 
 と瓊音(にのおと)唱(とな)へつつ 布瑠部由良由良(ふるへゆらゆら)

 此(かく)祈りせば 死(まか)りし人も生き返らむと 言誨(ことおし)へ詔給ひし随(まにまに) 

 天神御祖(あめのかみのみおや)の御詔(みことのり)を稟(か)け給いて 饌速日命は 天磐船(あめのいはふね)に乗りて 河内國(かはちのくに)の河上(かはかみ)の 哮峯(いかるがのみね)に 天降りまし給ひして 爾後(そののち)大和國(やまとのくに)山辺郡(やまべのこほり)の 排尾(ひき)の山の麓(ふもと)の 白庭の 布瑠の高庭(たかには)に 遷(うつ)しましまして 鎮斎(いつき)奉(まつ)り給う。号(なづけ)石上大神(いそのかみおおかみ) と申し奉り 代代其(よよそ)が瑞寶の御教言(みおしへごと)を 蒼生(あおひとくさ)の為に 布瑠部の神辞(かむごと)を持ちて 仕(つか)へ奉(まつ)れり。故に 布留御魂神(ふるみたまのかみ)と尊敬(みうやまひ)奉り 皇子(すめみこ)大連(おおむらじ)大臣(おとど) その神武(かんたけ)きをもちて 斎(いつき)に仕え奉り給う 。物部の神社(かみやしろ) 天下(あめがした)萬物(よろづのもの)聚(の)類(たぐい)成り出でん。

 故(かれ)此(こ)の瑞寶(みづのたから)とは 瀛津鏡(おきつかがみ) 辺津鏡(へつかがみ) 八握剣(やつかのつるぎ) 生玉(いくたま) 足玉(たるたま) 死返玉(まかるがへしのたま) 道返玉(ちがへしのたま) 蛇比礼(をろちのひれ) 蜂比礼(はちのひれ) 品品物比礼(くさぐさのもののひれ) 更に十種神(とくさのかみ)の 甲(きのえ)乙(きのと) 丙(ひのえ)丁(ひのと) 戊(つちのえ)己(つちのと) 庚(かのえ)辛(かのと) 壬(みづのえ)癸(みづのと) 一(ひ)二(ふ)三(み)四(よ)五(いつ)六(む)七(な)八(や)九(こ)十(と) 瓊(に)の音 布瑠部(ふるへ) 由良(ゆら)由良と 布瑠御魂神(ふるのみたまのかみ) 由良加之(ゆらかし) 尊(たふと)み敬(うやま)ひ斎き奉る ことの由緒(よし)をもちて 平(たいら)けく安(やすら)けく 聞こし食(め)して 蒼生の上に罹(か)れる災害(わざわひ)及び諸諸(もろもろ)の疾病をも 布瑠比(ふるひ)除(そ)け 祓ひ遣(や)り給ひ 寿命(よはひ)長く 子孫繁栄を 五十橿(いかし)八桑枝(やくはえ)の如く 立栄(たちさか)へしめ 常盤(ときわ)に堅盤(かきわ)に 護守り給い幸(さきは)へ給へと 恐(かしこ)み恐み白(まを)す 加持(かじ)奉る神通神妙神力加持(じんづうじんみやうしんりきかぢ)
 

ひふみ祓
          
 布瑠部 由良由良止 布瑠部 
ふるべ ゆらゆらと ふるべ

三輪明神拝詞
 かけまくもかしこき 大神(おおみわ)の大神(おおかみ)の広前に かしこみかしこみも曰(もう)さく 大神等(たち)の 高き尊き 大御稜威(おおみいつ)に依りて 天皇(すめらみこと)の大御代(おおみよ)を 厳(いか)し御代の足(たら)し御代に 守り奉り幸(さきわ)へ奉り給ひ 天の下平(たいら)けく 国内(くぬち)安けく 守り給ひ恵み給ひて 我らが 家内(やぬち)穏(おだ)ひに 家業(なりわい)緩むことなく 怠ることなく 弥(いや)進めに 進ましめ給ひ 子孫(うみのこ)の八十(やそ)続き 弥遠永(いやとおなが)に 立ち栄えしめ給へと かしこみかしこみも曰(まお)す
鎮魂詞(いのりのことば)
 幸魂(さきみたま) 奇魂(くしみたま) 守り給へ 幸(さきはへ)給へ
 幸魂(さきみたま) 奇魂(くしみたま) 守り給へ 幸(さきはへ)給へ
 幸魂(さきみたま) 奇魂(くしみたま) 守り給へ 幸(さきはへ)給へ
三輪明神奉賛詩
わが庵(いほ)は 三輪の山もと 恋しくば とぶらひ来ませ 杉立てる門(かど)
(古今和歌集巻18、雑歌下)
神*(かむがき)の 三室(みむろ)の山の 榊葉(さかきば)は 神の御前に 繁りあひけり
(古今和歌集巻20、神遊びの歌)
影高き 杉の緑の とこしへに 世を守るらむ 三輪の大神
(明憲皇太后の御歌)
三輪明神奉賛詩
 代々(よよ)の先祖(みおや)等(たち)(何某の御霊)の御前を拝(おろが)み奉りて 慎み敬ひも曰(まを)さく 廣き厚き御恵みを唇(かたじけな)み奉り 高き尊き家訓(みをしへ)のまにまに 身を慎み業(わざ)に励み 親族(うから)家族(やから)諸々(もろもろ)心を合わせ 睦び和(なご)みて 敬ひ仕え奉る状(さま)を 愛(め)ぐしと見そなはしまして 子孫の八十続きに至るまで 家門(いえかど)高く立ち栄えしめ給へと 慎み敬ひも曰(まを)す

三種の祓
遠祖神(とほかみ) 恵(え)み給(た)め 祓へ給ひ 清め給へ
とほかみ えひため かんごん しんそんり
吐普加身 依身多女 寒言     神尊利
こんたけん はらいたまひ  きよめたまふ
根陀見    波羅伊玉意  喜餘余目出玉


【神宝祝詞(かむたからのりと)】
 高天原(たかまのはら)に 神詰まります 神ろぎ神ろみの 命(みこと)もちて 皇御孫(すめみま)の命を 天都(あまつ)高御座(たかみくら)に ませ奉(まつ)りて 言祝(ことほぎ) 宣(の)給ひし時に 大御手(おおみて)に 捧げ持たしし 天つしるしの 八尺(やさか)にの 勾玉(まがたま) 及び八たの鏡 草薙の剣(くさなぎのつるぎ)はしも 大御代(おおみよ)御代の 大御神宝(おおみかむだから)として 斎祀(いつきまつり)給ふ これぞ 皇神(すめがみ)の 大御代より 伝はれる 真(まこと)の大き道にして まが津日神も まが事(ごと) すること能(あたわ)ず 天の深女(さぐめ)も 逆言(まがごと) すること能はぬ 最(いと)も妙に 奇(くず)しき尊き 大御教(おおみおしえ)と 恐(かしこ)み謹(つつし)みて 八尺にの勾玉の 麗しく 和(にごや)かなる ことの如く 八尺の鏡の 明らかに ものの隈(くま)隈 墜(お)つることなく 照らすことの如く 草薙の剣の 断ち分きて 決(うつ)なく定むる ことの如く 世の中のことをば 執行(とりおこなう)べき 業(わざ)になも在(あ)りける 人々各々 心にこの条理(ことわり) 具(そなわ)りて 即ち産霊(むすび)の神の 賜わりし 御魂にしあれば 生まれ出でつる ありの髄(まにま)に 聊(いささ)かも まがることなく 神直日神(かむなおびのかみ) 大直日神の 神魂(みたま)の 髄(まにま)に 直(なお)く 行いもちて 天社(あまつやしろ) 国社(くにつやしろ)を 祈請(こいのみ)奉(まつ)らば 神の御駒の耳の 弥高(いやたか)に 聞こしめして 罪と云う罪 咎という咎はあらじと 滝の水(み) 泡の消え行く ことの如く 春の泡雪の 日影に解け渡る ことの如く 罪科(つみとが)は 遺(のこ)ることなく 願う願いは成り 満(みた)しめ給えと 恐み恐みもまうす

【龍神祝詞(りゅうじんのりと)】
 高天原(たかまがはら)に坐(ま)し坐して 天と地に御働きを現(あらわ)し給う龍王は 大宇宙根源の祖親(みおや)の御(み)使いにして 一切を産み一切を育て 万物(よろづのもの)を御(ご)支配あらせ給う王神なれば 一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやこと)の十種(とくさ)の御(み)宝を 己(おの)が姿と変じ給いて 自在自由に天界地界人界を治め給う 龍王神なるを尊(とうと)み敬(うやま)いて 真(まこと)の六根一筋(むねひとすじ)に御仕え申すことの由を受け引き給いて 愚かなる心の数々(かずかず)を戒め給いて 一切衆生(しゅじょう)の罪穢(つみけが)れの衣(ころも)を脱ぎ去らしめ給いて 万物(よろづもの)の病息(やまひ)をもたちどころに祓い清め給い 万(よろづ)世界も御祖のもとに治めせしめ給へと 祈(こひ)願い奉(たてまつ)ることの由をきこしめして 六根の内に念じ申す大願を 成就なさしめ給へと 恐(かしこ)み恐み白(もお)す





(私論.私見)